JP5843620B2 - 一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体を含む架橋性組成物 - Google Patents

一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体を含む架橋性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、特定のビニルアルコール系重合体からなる耐水性及び水溶液の保存安定性に優れた架橋性組成物に関する。
ビニルアルコール系重合体(以下ビニルアルコール系重合体をPVAと略記することがある)は各種バインダー、接着剤あるいは表面処理剤として広く使用されており、造膜性および強度において他の水溶性樹脂の追随を許さぬ優れた性能を有することが知られている。しかしながらPVAは水溶性であるため、被膜の耐水性が低いという欠点があり、従来よりこの欠点を改良するための種々の方法が検討されてきた。
その方法として、例えば、カルボキシル基含有PVAをポリアミドエピクロルヒドリン樹脂で架橋させる方法、アセトアセチル基含有PVAをグリオキザール等の多価アルデヒド化合物で架橋させる方法、ジアセトン基含有PVAをヒドラジド化合物で架橋させる方法、などが知られている。しかしながら、これらの方法は、十分な耐水性が発現しないことや、PVAを架橋剤と混合したときの水溶液の粘度安定性に劣る等の問題点を有している。
また、アミノ基を有するビニルアルコール系重合体に、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物等の架橋剤又は過硫酸塩等の水溶性酸化剤等を用いて耐水化させる方法が知られている(特許文献1〜3)。しかし、これらの方法では、PVAを架橋剤と混合させたときの水溶液の保存安定性が悪く、時間が経つと流動性を失うという問題点を有している。また、グリオキザール等の低分子ジアルデヒド化合物の多くには変異原性が認められ、安全性に問題がある。
特開平5−9448号公報 特開平10−168269号公報 特開平11−49913号公報
本発明の目的は、ビニルアルコール系重合体を含む組成物であって、冷水のみならず熱水に対しても著しく耐水性に優れ、かつ溶液状態における保存安定性にも優れる組成物を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、一級アミノ基(−CH−NH)を有するビニルアルコール系重合体(a)と2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)とを含む架橋性組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)と2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)とを含有する架橋性組成物であって、一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)100質量部に対して、2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)を0.01〜50質量部含有する、架橋性組成物;
[2]一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)が、下記式(I)で示される単量体単位を含む上記[1]に記載の架橋性組成物;
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアルコキシ基を表し、Aは単結合、酸素原子、または炭素数1〜8の2価の基を表す。);
[3]一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)が、式(I)で示される単量体単位を0.5〜10モル%含む上記[2]に記載の架橋性組成物;
[4]一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)を、組成物全体に対して50〜99.99質量%含有する上記[1]〜[3]のいずれかに記載の架橋性組成物;
[5]2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)が2,2’−ビス(2−オキサゾリン)である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の架橋性組成物;
[6]上記[1]〜[5]に記載の架橋性組成物を、濃度1〜50質量%で溶媒に溶解または分散させた架橋性組成物含有溶液;
[7]溶媒が、水または水とアルコール、ケトン、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシドとの混合溶媒である、上記[6]に記載の架橋性組成物含有溶液;
[8]上記[1]〜[5]に記載の架橋性組成物を、100℃〜200℃で熱処理して得られる架橋体;
である。
本発明によれば、架橋剤との反応性が良好で、冷水のみならず熱水に対しても著しく耐水性に優れ、かつ溶液状態における保存安定性にも優れる架橋性組成物が提供される。
実施例1〜3及び比較例4で得た架橋性組成物の水溶液の粘度経時変化のグラフである。
[一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)]
本発明の組成物を構成する一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)は、構造中に一級アミノ基(メチレン基に隣接したアミノ基)を有していれば他に特に制限はない。その具体例としては下記の一般式(I)で示される単量体単位(I)を有するビニルアルコール系重合体が挙げられる。
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアルコキシ基を表し、Aは単結合、酸素原子、または炭素数1〜8の2価の基を表す。)
式(I)において、R及びRが表すアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
式(I)において、R及びRが表すアルキル基の例としては、R及びRで例示したものと同じものが、シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基などが、アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基などが、アラルキル基の例としては、ベンジル基、トリルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基などが、アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基,n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などが、それぞれ挙げられる。
これらの基が有していてもよい置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシロキシ基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基、アミノ基(−NH)、N−アルキルアミノ基、カルボキシル基、ホルムアミド基、アルキルアミド基、アミノカルボニル基(−CO−NH)等の活性水素含有官能基などが挙げられる。
これらの置換基の中でも、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の数に特に制限はないが、本発明の効果がより顕著に奏されることから、好ましくは0〜5個であり、より好ましくは0〜2個であり、さらに好ましくは0個または1個である。
式(I)においてAは、単結合、酸素原子、または炭素数1〜8の2価の基を表す。炭素数1〜8の2価の基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基などが挙げられる。これらの基の例としては、R及びRで例示されたアルキル基、シクロアルキル基、アリーレン基から水素原子1つを除いてなる2価の基などが挙げられる。
また、Aが表す炭素数1〜8の2価の基としては、例えば、置換基を有していてもよいオキシアルキレン構造を有する2価の基であって合計の炭素数が1〜8のものも挙げられる。このような基の具体例としては、*−O−CH−、*−CH−O−CH−、*−CH−O−、*−O−CH−CH−、*−O−CH−CH−O−CH−、*−CH−O−CH−CH−O−CH−(なお、*は主鎖側を示す)などが挙げられる。
単量体単位(I)は、ビニルアルコール系重合体(a)の製造の容易さなどの観点から、R及びRが水素原子又はメチル基であることが好ましい。
単量体単位(I)は、R及びRの少なくとも一つがヒドロキシル基であることが、架橋剤との反応性に優れ、耐水化効果の観点から好ましい。このような部分構造を有する構造単位(I)の具体例としては、下記式(II)で示される単量体単位(II)、および下記式(III)で示される単量体単位(III)などが挙げられる。
ビニルアルコール系重合体(a)において、一級アミノ基を有する単量体単位(I)の含有量は特に制限されないが、本発明の架橋性組成物の溶液状態における保存安定性の観点から、0.5〜10モル%の範囲であることが好ましい。さらに好ましい範囲は0.6〜6モル%であり、特に好ましい範囲は0.6〜4モル%である。
ビニルアルコール系重合体(a)の粘度平均重合度およびけん化度は目的に応じて適宜選択され、特に制限はない。粘度平均重合度としては好ましくは100〜5000である。けん化度としては50モル%以上、好ましくは70モル%以上である。けん化度が50モル%より低い場合には水溶性が低下する。
ビニルアルコール系共重合体(a)の製造方法に特に制限はないが、保護されたアミノ基を有する単量体とビニルエステル系単量体とを共重合して得られる変性ビニルエステル系重合体をけん化し、脱保護を行うことにより製造することができる。
保護されたアミノ基を有する単量体としては、脱保護反応により、上記単量体単位(I)となることができるアミノ基を有する単量体であることが好ましい。具体的には、5−ビニル−2−オキサゾリジノン、5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノン、N−(アリルオキシメチル)ホルムアミド、N−(アリルオキシメチル)アセトアミド、N−(アリルオキシメチル)プロピオンアミド、N−(アリルオキシメチル)ブチルアミド、N−(アリルオキシメチル)イソブチルアミド、N−(アリルオキシメチル)ベンズアミド、N−(アリルオキシメチル)−1−ナフトアミド、N−(アリルオキシメチル)−2−ナフトアミド、N−アリルホルムアミド、N−アリルアセトアミド、N−アリルプロピオンアミド、N−アリルブチルアミド、N−アリルイソブチルアミド、N−アリルベンズアミド、N−アリル−1−ナフトアミド、N−アリル−2−ナフトアミド、N−(t−ブトキシカルボニル)アリルアミン等が用いられる。
保護されたアミノ基を有する単量体とビニルエステル系単量体の共重合の方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が好適に採用され、高重合度のものを得る場合には、乳化重合法が好適に採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられる。共重合に使用される開始剤としては、例えば、α, α' −アゾビスイソブチロニトリル、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)、2, 2' −アゾビス(4−メトキシ−2, 4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合温度については特に制限はないが、−30〜150℃の範囲が適当である。
上記の方法により得られる変性ビニルエステル系重合体は、保護されたアミノ基を有する単量体とビニルエステル系単量体だけから構成されるものであってもよいし、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を含有してもよい。エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和酸類またはその塩;炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩若しくはその4級塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩若しくはその4級塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩等が挙げられる。
保護されたアミノ基を有する単量体とビニルエステル系単量体から構成される変性ビニルエステル系重合体をけん化して得られる変性ビニルアルコール系重合体の保護基を、加水分解や加アルコール分解などにより分解すること(以下、「分解工程」と称する)によって、本発明に用いられる一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)を得ることができる。分解工程は、変性ビニルアルコール系重合体を水および/またはアルコールを含む溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性物質を添加することにより行うことができる。反応温度としては、好ましくは20〜200℃であり、より好ましくは60〜150℃である。反応時間としては、反応速度にもよるが、好ましくは0.1〜20時間であり、より好ましくは1〜10時間である。上記の方法で用いるビニルエステル系単量体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢酸ビニルが用いられる。
[2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)]
本発明の組成物を構成する2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)としては、例えば、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)が、一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)との架橋反応性に優れることから、好ましく用いられる。
本発明の組成物に用いられる2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)の製造方法に特に制限はなく、市販のものを用いることができる。
[架橋性組成物]
本発明の架橋性組成物は、一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)と、2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)とを含有する。化合物(b)の含有量は、ビニルアルコール系重合体(a)100質量部に対して、0.01〜50質量部であり、より好ましくは0.01〜30質量部である。化合物(b)の含有量が0.01質量部未満の場合には、架橋体の生成が少ないため良好な耐水性を示さない。50質量部を超える場合には、架橋反応がうまく進行しないため耐水化効果が低下する。
本発明の架橋性組成物は、好適には溶媒にビニルアルコール系重合体(a)および化合物(b)を溶解させるかまたは分散させた形態にして用いられる。溶媒としては、水が好ましく用いられるが、これに各種アルコール、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒を併用して用いることもできる。
本発明の架橋性組成物は、溶媒に対する溶解(分散)性、及び架橋後の耐水性の観点から、組成物全体に対してビニルアルコール系重合体(a)を50〜99.99質量%含有することが好ましく、70〜99.99質量%含有することがより好ましく、85〜99.99質量%含有することがさらに好ましい。また、本発明の架橋性組成物を溶媒に溶解または分散させて用いる場合には、その組成物溶液の濃度は1〜50質量%が好ましい。これ以上の濃度では、架橋性組成物の溶液状態における取扱い性が低下する傾向がある。
本発明の架橋性組成物は、溶液状態における保存安定性が損なわれない限り、その用途に応じて、各種の添加剤、他の水溶性樹脂または高分子化合物の水性分散体等を含有させることができる。添加剤としては、各種消泡剤、各種分散剤、ノニオン性あるいはアニオン性界面活性剤、シランカップリング剤、pH調節剤あるいは炭化カルシウム、クレー、タルク、小麦粉などの充填剤等が挙げられる。水溶性樹脂としてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレートまたはその共重合体、ポリアクリルアミド等の(メタ)アクリル系重合体、ポリビニルピロリドンまたはその共重合体、カルボキシル基含有変性PVA、硫酸基含有変性PVA、スルホン酸基含有変性PVA、リン酸基含有変性PVA、4級アンモニウム塩基含有変性PVA等のPVA誘導体、及び一般のPVA等が挙げられる。高分子水性分散体としてはアクリル重合体及び共重合体、エチレン- 酢酸ビニル共重合体、ビニルエステル系重合体及び共重合体、スチレン- ブタジエン共重合体等の水性分散体が挙げられる。
本発明の架橋性組成物は、溶媒除去と同時または溶媒除去後に熱処理することによって架橋反応が進行し、耐水性に優れる架橋体が形成される。熱処理温度は100℃〜200℃が好ましく、より好ましくは100℃〜150℃である。熱処理時間は5分間以上であれば特に制限はないが、10〜120分間が好ましい。
本発明の架橋性組成物は、ビニルアルコール系重合体(a)と化合物(b)とを混合しただけでは架橋反応が進行しない。従って、溶液状態で長期保存しておいた場合でも、架橋により溶液中でゲル化が進行し流動性を失うといった問題は生じないため、溶液状態の保存安定性に優れる。
本発明の架橋性組成物及び架橋性組成物を含有する水溶液は、造膜性および耐水性を生かして、紙用オーバーコート剤に好適に使用される。また、合板二次加工用接着剤等の無機物あるいは有機物用接着剤、セラミックス用バインダー、顔料分散などの分散剤、架橋性エマルジョンの重合安定剤、ゼラチンブレンドあるいは感光性樹脂等の画像形成材料、菌体固定ゲルあるいは酵素固定ゲル等のハイドロゲル用基材、塗料用ビヒクル、無機質材料あるいは有機質材料の処理剤(たとえば表面コート剤)に有効に使用される。さらに、従来水溶性樹脂が使用されていた用途にも広範に使用できる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[保存安定性の評価方法]
以下の実施例または比較例で得られた組成物を含む水溶液について、水溶液作製直後から7日目までの粘度をを20℃で測定(ブルックフィールド社製、型式LVDV−II+Pro)し、粘度の経時変化を観察した。また、水溶液作製直後の粘度(Vis0day)と水溶液作製7日後の粘度(Vis7day)からVis7day/Vis0dayの値を算出し、保存安定性の指標とした。なお、7日以内に水溶液がゲル化した場合には「ゲル化」と評価した。結果を表1に示す。
[耐水性の評価方法]
以下の実施例または比較例で得られた組成物を含む水溶液をポリエチレンテレフタレートフィルムの端を折り曲げて作製した15cm×15cmの型枠に流延し、大気圧下で溶媒を充分に揮発させた後、室温で24時間真空乾燥し、120℃で10分間熱処理して厚さ約40μmの評価用フィルムを作製した。
得られた評価用フィルムを25℃の水中に24時間浸漬後、沸騰水中に2時間浸漬し、水から取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に質量(W1)を測定した。得られた質量(W1)と浸漬前の質量(W2)とから、以下の式に従って溶出率を算出した。そして、この溶出率を架橋後の耐水性の指標とした。なお、水中に浸漬中に評価用フィルムが溶解した場合には「溶解」と評価した。結果を表1に示す。
溶出率(質量%)=100×([W2]−[W1])/[W2]
≪合成例1≫
(1) 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を備えた反応容器に、酢酸ビニル630質量部、N−(t−ブトキシカルボニル)アリルアミン16.3質量部、およびメタノール220質量部を仕込み、窒素ガスを15分間バブリングして窒素置換した。別途、メタノール50質量部に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応容器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、上記開始剤溶液を添加し重合を開始した。60℃で4時間重合し、冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は33質量%であった。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルを除去し、N−(t−ブトキシカルボニル)アミノ基を有するポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(N−(t−ブトキシカルボニル)アミノ基を有するポリ酢酸ビニルの濃度は30質量%)を得た。
(2)上記(1)で得られたN−(t−ブトキシカルボニル)アミノ基を有するポリ酢酸ビニルのメタノール溶液の温度を60℃に保ちながら、N−(t−ブトキシカルボニル)アミノ基を有するポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位1モルに対して水酸化ナトリウムが40ミリモルとなる割合で、濃度10質量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて、2時間、けん化を行った。けん化が進行するとともにけん化物が粒子状に析出した。得られた粒子状のけん化物を溶液から分離し、メタノールでよく洗浄し、熱風乾燥機中50℃で12時間乾燥することにより共重合体を得た。
得られた共重合体をH−NMR(270MHz,DMSO−d,60℃)で解析したところ、全単量体単位のモル数に対してN−(t−ブトキシカルボニル)アリルアミン単位が1.3モル%共重合されたN−(t−ブトキシカルボニル)アミノ基を有するポリビニルアルコールであることが分かった。当該N−(t−ブトキシカルボニル)アミノ基を有するポリビニルアルコール中、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計モル数に対するビニルアルコール単位のモル数の占める割合は99モル%以上であった。
(3) 上記(2)で得られた共重合体を、共重合体の濃度が10質量%となるように水に溶解した。次いで、共重合体中のN−(t−ブトキシカルボニル)アリルアミン単位1モルに対して水酸化ナトリウムが15モルとなる割合で、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて、100℃で6時間加熱した。その後、冷却した反応液をメタノール中に注ぎ、析出した共重合体をろ過および乾燥した。
得られた共重合体をH−NMR(270MHz,DMSO−d,60℃,TFA−d添加)で解析したところ、全単量体単位のモル数に対してアリルアミン単位が1.3モル%共重合された一級アミノ基を有するポリビニルアルコールであることが分かった。
また、得られた共重合体について、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式によってその粘度平均重合度を求めたところ800であった。
粘度平均重合度 = ([η]×10/8.29)(1/0.62)
≪合成例2≫
(1) 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を備えた反応容器に、酢酸ビニル630質量部、下記式(IV)で表される5−ビニル−2−オキサゾリジノン8.4質量部、およびメタノール280質量部を仕込み、窒素ガスを15分間バブリングして窒素置換した。別途、メタノール50質量部に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応容器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、上記開始剤溶液を添加し重合を開始した。60℃で4時間重合し、冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は30質量%であった。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルを除去し、5−ビニル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(5−ビニル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニルの濃度は30質量%)を得た。
(2)上記(1)で得られた5−ビニル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニルのメタノール溶液の温度を60℃に保ちながら、5−ビニル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位1モルに対して水酸化ナトリウムが40ミリモルとなる割合で、濃度10質量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて、2時間、けん化を行った。けん化が進行するとともにけん化物が粒子状に析出した。得られた粒子状のけん化物を溶液から分離し、メタノールでよく洗浄し、熱風乾燥機中50℃で12時間乾燥することにより共重合体を得た。
得られた共重合体をH−NMR(270MHz,DMSO−d,60℃)で解析したところ、全単量体単位のモル数に対して5−ビニル−2−オキサゾリジノン単位が1.3モル%共重合された5−ビニル−2−オキサゾリジノンを有するポリビニルアルコールであることが分かった。当該5−ビニル−2−オキサゾリジノンを有するポリビニルアルコール中、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計モル数に対するビニルアルコール単位のモル数の占める割合は99モル%以上であった。
(3) 上記(2)で得られた共重合体を、共重合体の濃度が10質量%となるように水に溶解した。次いで、共重合体中の5−ビニル−2−オキサゾリジノン単位1モルに対して水酸化ナトリウムが15モルとなる割合で、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて、100℃で6時間加熱した。その後、冷却した反応液をメタノール中に注ぎ、析出した共重合体をろ過および乾燥した。
得られた共重合体をH−NMR(270MHz,DMSO−d,60℃,TFA−d添加)で解析したところ、全単量体単位のモル数に対して(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)エチレン単位が1.3モル%共重合された一級アミノ基を有するポリビニルアルコールであることが分かった。
また、得られた共重合体について、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式によってその粘度平均重合度を求めたところ1200であった。
粘度平均重合度 = ([η]×10/8.29)(1/0.62)
≪合成例3≫
(1) 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を備えた反応容器に、酢酸ビニル630質量部、下記式(V)で表される5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノン23.5質量部、およびメタノール60質量部を仕込み、窒素ガスを15分間バブリングして窒素置換した。別途、メタノール50質量部に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0質量部を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応容器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、上記開始剤溶液を添加し重合を開始した。60℃で4時間重合し、冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は30質量%であった。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルを除去し、5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニルの濃度は30質量%)を得た。
(2)上記(1)で得られた5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニルのメタノール溶液の温度を60℃に保ちながら、5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノンを有するポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位1モルに対して水酸化ナトリウムが40ミリモルとなる割合で、濃度10質量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて、2時間、けん化を行った。けん化が進行するとともにけん化物が粒子状に析出した。得られた粒子状のけん化物を溶液から分離し、メタノールでよく洗浄し、熱風乾燥機中50℃で12時間乾燥することにより共重合体を得た。
得られた共重合体をH−NMR(270MHz,DMSO−d,60℃)で解析したところ、全単量体単位のモル数に対して5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノン単位が1.4モル%共重合された5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノンを有するポリビニルアルコールであることが分かった。当該5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノンを有するポリビニルアルコール中、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計モル数に対するビニルアルコール単位のモル数の占める割合は99モル%以上であった。
(3) 上記(2)で得られた共重合体を、共重合体の濃度が10質量%となるように水に溶解した。次いで、共重合体中の5−アリルオキシメチル−2−オキサゾリジノン単位1モルに対して水酸化ナトリウムが15モルとなる割合で、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて、100℃で6時間加熱した。その後、冷却した反応液をメタノール中に注ぎ、析出した共重合体をろ過および乾燥した。
得られた共重合体をH−NMR(270MHz,DMSO−d,60℃,TFA−d添加)で解析したところ、全単量体単位のモル数に対して(3−アミノ−2−ヒドロキシプロポキシメチル)エチレン単位が1.4モル%共重合された一級アミノ基を有するポリビニルアルコールであることが分かった。
また、得られた共重合体について、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式によってその粘度平均重合度を求めたところ1200であった。
粘度平均重合度 = ([η]×10/8.29)(1/0.62)
<実施例1〜3>
合成例1〜3で得た一級アミノ基を有するポリビニルアルコール1.5質量部を水28.5質量部に溶解し、これに2,2’−ビス(2−オキサゾリン)を0.045質量部添加し、架橋性組成物の水溶液を作製した。上記の評価方法に従って、架橋性組成物の耐水性及び溶液状態の保存安定性を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1〜3の架橋性組成物の水溶液の粘度経時変化のグラフを図1に示す。
<実施例4>
合成例2で得た一級アミノ基を有するポリビニルアルコール1.5質量部を水28.5質量部に溶解し、これに2,2’−ビス(2−オキサゾリン)を0.15質量部添加し、架橋性組成物の水溶液を作製した。以下実施例1と同様に行った。結果をあわせて表1に示す。
<実施例5>
実施例4で用いた2,2’−ビス(2−オキサゾリン)0.15質量部に代えて、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン0.045質量部を用いる以外は実施例4と同様に行った。結果をあわせて表1に示す。
<比較例1>
実施例1で用いた一級アミノ基を有するポリビニルアルコールに代えて、無変性PVA(粘度平均重合度1000、けん化度99.8モル%)を用いる以外は実施例1と同様に行った。結果を合わせて表1に示す。
<比較例2>
実施例1で用いた一級アミノ基を有するポリビニルアルコールに代えて、イタコン酸と酢酸ビニルの共重合体をけん化して得られたけん化度98.0モル%、粘度平均重合度1000、変性量2モル%のカルボン酸変性PVAを用いる以外は実施例1と同様に行った。結果を合わせて表1に示す。
<比較例3>
添加する2,2’−ビス(2−オキサゾリン)の量を0.85質量部に変える以外は実施例1と同様に行った。結果を合わせて表1に示す。
<比較例4>
実施例1で用いた2,2’−ビス(2−オキサゾリン)に代えて、下記式(VI)で示されるエポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製「デナコール」EX−314)を用いる以外は実施例1と同様に行った。結果を合わせて表1に示す。架橋性組成物の水溶液は3日後に完全にゲル化し、7日後は粘度測定不能であった。比較例4の架橋性組成物の水溶液の粘度経時変化のグラフを図1に示す。
<比較例5>
実施例2で用いた2,2’−ビス(2−オキサゾリン)に代えて、上記エポキシ系架橋剤(EX−314)を用いる以外は実施例2と同様に行った。結果を合わせて表1に示す。架橋性組成物の水溶液は2日後に完全にゲル化し、7日後は粘度測定不能であった。
表1より、本発明の架橋性組成物は、架橋剤との反応性が良好で、架橋剤と反応することにより、冷水だけでなく熱水(沸騰水)に対しても耐水性に優れる膜を形成できることがわかる。特に、側鎖中の隣接する2つの炭素原子の一方にヒドロキシル基が結合し、他方にアミノ基が結合した部分構造を有するビニルアルコール系重合体を含有する実施例2〜5は溶出率が低く、より耐水性が高いことがわかる。この理由は定かではないが、ヒドロキシル基がアミノ基の近傍に存在する前記部分構造によってイオン的相互作用が高い部位が形成され、アミノ基周辺が極性の高い環境となって架橋剤との反応性が向上するためである、と考えられる。
また、表1及び図1より、本発明の架橋性組成物は水溶液の状態でも安定に存在し、粘度経時変化がほとんど見られないことから、保存安定性に優れ溶液状態での取り扱い性にも優れることがわかる。
一方、表1より一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体を含有しない比較例1,2及び架橋剤の量が本発明の規定範囲外である比較例3では、架橋剤との反応が十分に進行せず、耐水化効果が得られないことがわかる。また、2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物を含有しない比較例4,5では、組成物水溶液が短期間でゲル化し、溶液状態における保存安定性に劣ることがわかる。

Claims (6)

  1. 一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)と2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)とを含有する架橋性組成物であって、一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)100質量部に対して、2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)を0.01〜50質量部含有する、架橋性組成物を、濃度1〜50質量%で溶媒に溶解させた架橋性組成物含有溶液。
  2. 一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)が、下記式(I)で示される単量体単位を含む請求項1に記載の架橋性組成物含有溶液。
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアルコキシ基を表し、Aは単結合、酸素原子、または炭素数1〜8の2価の基を表す。)
  3. 一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)が、式(I)で示される単量体単位を0.5〜10モル%含む請求項2に記載の架橋性組成物含有溶液。
  4. 一級アミノ基を有するビニルアルコール系重合体(a)を、組成物全体に対して50〜99.99質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋性組成物含有溶液。
  5. 2つ以上のオキサゾリル基を有する化合物(b)が2,2’−ビス(2−オキサゾリン)である請求項1〜4のいずれか1項に記載の架橋性組成物含有溶液。
  6. 溶媒が、水または水とアルコール、ケトン、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシドとの混合溶媒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の架橋性組成物含有溶液。
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