JPH11300903A - 導電性積層体 - Google Patents

導電性積層体

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JPH11300903A
JPH11300903A JP12960298A JP12960298A JPH11300903A JP H11300903 A JPH11300903 A JP H11300903A JP 12960298 A JP12960298 A JP 12960298A JP 12960298 A JP12960298 A JP 12960298A JP H11300903 A JPH11300903 A JP H11300903A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】無機および/または有機基材の少なくとも
片面に、主としてπ共役系導電性高分子およびアクリル
変性樹脂からなる導電層が積層されてなる導電性積層
体。 【効果】導電層の膜厚が厚くても白化せず透明性に優
れ、かつ低湿度下でも優れた制電性を発現する上、基材
特有の表面強度、耐水性、耐溶剤性、耐熱性の有利性も
保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性積層体に関
するものであり、さらに詳しくは、低湿度下でも帯電防
止性および導電性の優れた熱可塑性樹脂フィルム、中で
もポリエステルフィルムに関するものであり、具体的に
は磁気テープ、OHP、シールド材、LCDの導電層等
の工業用フィルム;キャリアテープ、トレー、マガジ
ン、IC・LSIパッケージ等の包装用フィルム・シー
ト等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル、ナイロン等の
熱可塑性フィルムは、耐熱性、寸法安定性、機械的強度
等に優れるため、包装用フィルム、工業用フィルムとし
て多量かつ広い範囲に使われている。また、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等は耐熱性は劣る
が、成型性の良さ、安価である等の理由で包装材料とし
て一般的に用いられている。合成樹脂は一般的に疎水性
であるため、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静電
気が発生し易く、埃等が表面に付着し易くなり、様々な
トラブルを引き起こしている。
【0003】一般的には、フィルム、包装材料等の帯電
防止剤として界面活性剤が用いられるが、界面活性剤で
は塵、埃等の付着を抑制するのに充分な表面抵抗値(1
10Ω/口以下)が得られないのみならず、帯電防止能
が周囲の湿気や水分の影響を受け変化し易い。特に界面
活性剤により低下したフィルムの表面抵抗値が、低湿度
下では大幅に増大して、所望の帯電防止能が得られなく
なる欠点がある。
【0004】その結果、フィルム、包装材料表面への埃
の付着が起こり、様々なトラブルの原因となる。よりハ
イテク化した今日、低湿度環境下で静電気障害のないフ
ィルムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1
10Ω/口以下の表面抵抗値を与える帯電防止剤の出現
が望まれている。このような低表面抵抗値を与える素材
として、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子
が知られているが、いずれも特定の有機溶剤には可溶で
あるが、水や水/アルコール混合溶媒系には不溶または
分散不可であったため、芳香環にスルホン酸基を結合さ
せる方法等が行われてきた。さらに、単独では充分な膜
特性が出ないため、水溶性または水分散性樹脂を混合さ
せる方法が行われてきた。しかし、膜厚が薄い場合には
透明でかつ充分な帯電防止性が発現したが、インライン
コート法や導電性を上げるために膜厚を厚くすると、コ
ート層が白濁してフィルム本来の透明性を損なったり、
樹脂によっては導電性が下がるという問題が生じてい
た。
【0005】従来より、コーティング用の樹脂としては
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹
脂、アクリル系樹脂などが用いられているが、これらは
それぞれが持つ特長を活かして、各用途に用いられてい
る。しかし、いずれの場合も透明性、ベースとの密着
性、強度、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、帯電防止性、導
電性等の高機能化の面では各樹脂単独では解決できない
問題も多く存在する。例えば、ポリエステル樹脂および
ポリウレタン樹脂の場合、高度の加工性を必要とする場
合に高分子量化したものを使用すると、末端のヒドロキ
シル基量が低下し、効果的な硬化は困難である。またポ
リオレフィン樹脂についてもコーティング用途に使用さ
れるものについては一般に反応性官能基量が十分でな
く、高機能化は困難である。アクリル系樹脂等の面では
上記の樹脂よりも劣る傾向にある。
【0006】これらのことより、現在、基本特性の維持
と高機能化の観点から、上記樹脂をアクリル系樹脂によ
り変性する方法が知られている。これは、反応性官能基
に乏しい樹脂に対して、例えば、ヒドロキシル基、アミ
ノ基、カルボキシル基などを含有する不飽和単量体をグ
ラフト化/ブロック化などの方法で化学的に上記樹脂と
結合させ、反応性を補うものである。しかしながら、こ
れらの方法においても問題がある。例えば、硬化性や密
着性の改善などにおいて、樹脂中にヒドロキシル基やカ
ルボキシル基などの官能基を導入することは一般に行わ
れているが、それらの官能基を含有する不飽和単量体の
みをグラフトすると、少量のアクリル系樹脂量では硬化
性や密着性は改善されず、逆に大量のアクリル系樹脂量
では硬化性や密着性は改善されるが、力学特性などの基
本特性は低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目して鋭意研究の結果なされたものであり、その
目的は、本来の基材(構造形成体)の優れた点を生かし
つつ、低湿度下でも静電気障害を克服するのに充分な帯
電防止能を持ち、かつ導電層が、膜厚を厚くしても白濁
せずに透明性を維持し、基材との密着性に優れ、強度、
耐熱性、耐水性、耐溶剤性等にも優れる導電性積層体を
提供することにある。
【0008】そこで、主鎖としてポリエステル樹脂又は
ポリエステルポリウレタン樹脂と側鎖としてアクリル系
/ビニル系樹脂のグラフト体の力学特性について検討
し、この原因として、グラフト効率を非常に高めた場合
においても、主鎖および側鎖との相溶性の低い組み合わ
せでは塗膜が脆くなるが、相溶性の高い組み合わせにお
いてはベース樹脂の力学特性を保持したまま、各種官能
基導入による機能化が可能であることを見出した(特開
平7−330841)。今回、硬化効率などの特性を更
に改善するために、側鎖組成による影響について更に検
討したところ、一部、酸または塩基で中和されたイオン
性の不飽和単量体をアクリル系樹脂組成中に含有させる
ことで、相溶性を維持したまま、アクリル系樹脂の会合
性を高め、形成されるドメインを微細化することで、硬
化性や密着性などの特性と力学特性の両立が実現できる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機および/
または有機基材の少なくとも片面に、主としてπ共役系
導電性高分子およびアクリル変性樹脂からなる導電層が
積層されてなる導電性積層体を提供するものである。
【0010】なお、本明細書中では、「フィルム」は、
その厚さに限定はなく、所謂「シート」も含まれる。
【0011】本発明における無機および/または有機基
材としては特に限定されないが、前記基材が熱可塑性フ
ィルムの場合、本発明の作用が特に効果的に発現し、中
でも前記基材が、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリスチレン等の単一ポリマーによるもの、それらを混
合した2種以上のポリマーによるもの、あるいは上記ポ
リマーによる同種または異種の複数のフィルムを積層し
たフィルムの場合、好適である。特に基材がポリエステ
ルフィルムの場合、本発明の顕著な効果が得られる。
【0012】積層フィルムの場合、少なくとも導電層を
形成する面が、上述の素材により形成されていればよ
く、他の層は、本発明の作用に影響を及ぼさない範囲
で、上述の素材以外の素材により形成されていても良
い。
【0013】また、 無機および/または有機基材は、
連続したフィルム状ではなく、繊維により形成されてい
てもよい。繊維を形成する素材としては、上述の熱可塑
性フィルムを形成する素材と同様のものである場合に、
本発明の作用が効果的に発現する。
【0014】本発明におけるπ共役系導電性高分子とし
ては、ポリアニリンおよび/またはその誘導体、ポリピ
ロールおよび/またはその誘導体、ポリアセチレンおよ
び/またはその誘導体、ポリチオフェンおよび/または
その誘導体等が挙げられる。中でも、ポリアニリンおよ
び/またはその誘導体としては、スルホン化ポリアニリ
ン、中でもアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸
を主成分とするスルホン化ポリアニリンが好ましく、特
にアミノアニソールスルホン酸が好適である。
【0015】ここで、アミノアニソールスルホン酸類の
具体例として、2−アミノアニソール−3−スルホン
酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミ
ノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール
−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホ
ン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−ア
ミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソー
ル−6−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−スル
ホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙
げることができる。
【0016】中でも、2−アミノアニソール−3−スル
ホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−
アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソ
ール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−ス
ルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3
−アミノアニソール−6−スルホン酸が好ましく用いら
れる。
【0017】また、アニソールのメトキシ基が、エトキ
シ基、イソプロポキシ基等の他のアルコキシ基に置換さ
れた化合物を用いることも可能である。
【0018】本発明におけるアクリル変性樹脂として
は、具体的には、主鎖を構成する樹脂Aに対し、樹脂B
によりアクリル系の側鎖をグラフト重合により導入して
変性を行ったグラフト体が好ましい。上記樹脂Aおよび
樹脂Bの好ましい構成を下記に挙げる。
【0019】[樹脂A]上記樹脂Aは、グラフト体の主
鎖を形成するものであって、分子内に不飽和結合を有す
る樹脂が好ましい。このような樹脂Aとしては、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂が挙げ
られる。
【0020】樹脂Aの分子内に含まれる不飽和結合量
は、5mol/106g以上1000mol/106g
以下であることが好ましい。5mol/106g未満で
あると、十分なグラフト化が行いにくく、アクリル変性
による効果が見られにくい。また、1000mol/1
06gを超えるとグラフト化の際にゲル化などが観察さ
れるため、好ましくない。
【0021】樹脂Aは、重量平均分子量1000〜10
0000の範囲であるのが好ましい。
【0022】樹脂Aとしてのポリエステル樹脂は、それ
ぞれ1種または2種以上のジカルボン酸成分とグリコー
ル成分から主としてなるが、好ましくは、ジカルボン酸
成分の内、芳香族ジカルボン酸と脂肪族および/または
脂環族ジカルボン酸との比が、芳香族ジカルボン酸が1
00モル%、あるいはモル比が50/50(芳香族ジカ
ルボン酸/[脂肪族および/または脂環族ジカルボン
酸])以上であるのがよい。
【0023】ポリエステル樹脂への不飽和結合の導入に
関しては、後述のようにポリエステル中に共重合可能な
不飽和二重結合を有するジカルボン酸や不飽和結合を有
するグリコールを使用することができるが、その他に
も、ポリエステル末端のカルボキシル基およびヒドロキ
シル基に対して反応性を有する官能基を含有する不飽和
化合物を反応させて導入することも可能である。このよ
うな不飽和化合物としては、例えば、メタクリル酸グリ
シジルなどのエポキシ基含有不飽和単量体、メタクリロ
イルイソシアネートなどのイソシアネート基含有不飽和
単量体、マレイン酸無水物などの不飽和酸無水物などが
使用できる。
【0024】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ナトリウムスルホイ
ソフタル酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン
酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等を挙げるこ
とができる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とそ
の酸無水物等を挙げることができる。
【0025】不飽和二重結合を有するジカルボン酸とし
ては、α、β−不飽和ジカルボン酸類としてフマル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、不飽和二重結合を有する脂環族ジカルボン酸として
2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒド
ロ無水フタル酸等を挙げることができる。この内最も好
ましいものはフマル酸、マレイン酸、イタコン酸および
2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物である。
【0026】さらにp−ヒドロキシ安息香酸、p−(2
−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、あるいはヒドロキシ
ピバリン酸、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン
等のヒドロキシカルボン酸類も必要に応じて使用でき
る。
【0027】一方、グリコール成分としては、炭素数2
〜10の脂肪族グリコール、炭素数が6〜12の脂環族
グリコール、エーテル結合含有グリコールが挙げられ
る。
【0028】炭素数2〜10の脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチ
ル−2−ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン
酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプ
タン等が挙げられる。
【0029】炭素数6〜12の脂環族グリコールとして
は、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメチロール等を挙げられる。
【0030】エーテル結合含有グリコールとしては、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、さらにビスフェノール類の2つのフ
ェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレン
オキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリ
コール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンなどを挙げられる。
【0031】さらに、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも
必要に応じて使用できる。
【0032】不飽和結合を含有するグリコールとして
は、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプ
ロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノ
アリルエーテル等が挙げられる。
【0033】本発明で使用されるポリエステル樹脂中に
は、3官能以上のポリカルボン酸および/またはポリオ
ールが共重合されていてもよい。3官能以上のポリカル
ボン酸としては(無水)トリメリット酸、(無水)ピロ
メリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒド
ロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロ
トリメリテート)等が使用される。一方、3官能以上の
ポリオールとしてはグリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
が使用される。上記の3官能以上のポリカルボン酸およ
び/またはポリオールは、全酸成分あるいは全グリコー
ル成分に対し5モル%以下であるのが好ましく、さらに
好ましくは3モル%以下の範囲であるのがよい。5モル
%を超えると加工性が低下する。
【0034】また、本発明で使用されるポリエステル樹
脂は、マレイン酸無水物、トリメリット酸無水物などの
酸無水物を分子末端に付加させたものも使用できる。
【0035】樹脂Aとしてのポリウレタン樹脂は、主と
して(a)ポリオール、(b)有機ジイソシアネート化
合物、および必要に応じて(c)活性水素基を有する鎖
延長剤より構成される。
【0036】(a)ポリオールとしては、各種のポリオ
ールが使用でき、例えばポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポ
リオレフィンポリオール等の他に、後述のエポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、さらにセルロー
ス系樹脂、ブチラール樹脂なども挙げることができ、こ
れらの一種または二種以上を使用することができる。ポ
リエステルポリオールとしては、ジカルボン酸成分とし
て芳香族ジカルボン酸を含むポリエステルポリオールが
好ましく、より好ましくは、芳香族ジカルボン酸30〜
100モル%、脂肪族および/または脂環族ジカルボン
酸0〜 40 モル%となるのがよい。本発明で使用す
るポリオールとしては、上記のようなポリエステルポリ
オールを全ポリオール中、50〜100wt%含むこと
が望ましい。
【0037】(b)有機ジイソシアネート化合物として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−
ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソ
シアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3
−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4’−
ジイソシアネートジシクロヘキサン、4,4’−ジイソ
シアネートシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フ
ェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソ
シアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニ
レンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジ
フェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト等が挙げられる。
【0038】(c)活性水素基を有する鎖延長剤として
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,
3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、スピロ
グリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール
類、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミンなどのアミン類などが挙げられ、
他に、ジメチロールプロピオン酸などの活性水素基を2
個以上とその他の官能基を有する化合物なども挙げられ
る。
【0039】本発明に用いるポリウレタン樹脂は、
(a)ポリオール、(b)有機ジイソシアネート、
(c)活性水素基を有する鎖延長剤とを、(a)+
(c)の活性水素基/(b)のイソシアネート基の比で
0.4〜1.3(当量比)の配合比で反応させて得られ
るポリウレタン樹脂であるのがよい。
【0040】なお、ポリウレタン樹脂中の不飽和結合は
上記の(a)、(b)、(c)中のいずれにもに含有さ
せることができ、例えば、(c)に不飽和結合を含有さ
せる場合はグリセリンモノアリルエーテル、グリセロー
ルモノメタクリレートなどのグリコールを使用すること
ができる。
【0041】上記ポリウレタン樹脂は、公知の方法、例
えば溶剤中で20〜150℃の反応温度で触媒の存在下
あるいは無触媒で製造される。この際に使用する溶剤と
しては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類が使用できる。反応を促進するため
の触媒としては、アミン類、有機錫化合物等が使用され
る。
【0042】樹脂Aとしてのエポキシ樹脂として、二価
のアルコール、フェノール、これらのフェノール類の水
素化生成物およびハロゲン化生成物、ノボラック類(多
価フェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類
との酸性触媒存在下での反応生成物)より得られるエポ
キシ樹脂、それらの脂肪酸などの酸変性体の1種または
2種以上の混合物が使用できるが、その中で好適なもの
としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂およびそれらの変性体などが挙げられる。
【0043】エポキシ樹脂への不飽和結合の導入は、不
飽和酸化合物や不飽和アミン化合物などのエポキシ樹脂
中のエポキシ基やヒドロキシル基との反応性の高い官能
基を有する不飽和化合物を反応させることで可能であ
る。このような不飽和酸化合物としては、アクリル酸、
メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸およびその無水
物、イタコン酸およびその無水物、アシッドホスホオキ
シエチル(メタ)アクリレート(商品名Phosmer
M等、ユニケミカル製)などが使用できる。また、不
飽和アミン化合物として、アクリル酸アミノエチル、メ
タクリル酸アミノエチルなどが使用できる。その場合、
ピリジンなどの各種触媒下で反応を行うことも可能であ
る。
【0044】樹脂Aとしてのフェノキシ樹脂は、上記の
エポキシ樹脂を更に高分子量化したものであり、各種の
ものが使用できる。不飽和結合の導入についてはエポキ
シ樹脂と同様である。
【0045】樹脂Aとしてのフェノール樹脂は、例えば
アルキル化フェノール類、クレゾール類のホルムアルデ
ヒド縮合物を挙げることが出来る。具体的にはアルキル
化(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル)フェノール、p−tert−アミルフェノール、
4,4’−sec−ブチリデンフェノール、p−ter
t−ブチルフェノール、o−,m−,p−クレゾール、
p−シクロヘキシルフェノール、4,4’−イソプロピ
リデンフェノール、p−ノニルフェノール、p−オクチ
ルフェノール、3−ペンタデシルフェノール、フェノー
ル、フェニル−o−クレゾール、p−フェニルフェノー
ル、キシレノールなどのホルムアルデヒド縮合物が挙げ
られる。
【0046】樹脂Aとしてのポリオレフィン樹脂は、溶
剤可溶性のものが好ましく、例えば、塩素化ポリオレフ
ィン、塩素化ポリエチレンなどが好ましく、さらにそれ
らのマレイン酸変性物などの不飽和結合を導入するため
の反応性官能基を有しているものが好ましい。マレイン
酸変性の塩素化ポリオレフィン樹脂への不飽和結合の導
入は、マレイン酸と反応性を示すエポキシ基やアミノ基
を有する不飽和化合物を反応させることで可能である。
【0047】[樹脂B]前記樹脂Bは、主鎖を構成する
樹脂Aに側鎖を導入するためのものであって、好ましく
は、不飽和単量体混合物より得られる重合体で、(B−
1)150℃以下の温度において樹脂Aを溶解すること
ができる不飽和単量体、(B−2)ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、アミノ基等の官能基を含有する水溶性の
不飽和単量体、(B−3)酸または塩基で中和されてい
るイオン性の不飽和単量体を含有するものがよい。
【0048】(B−1)150℃以下の温度において樹
脂Aを溶解することができる不飽和単量体は、導電層中
での主鎖(樹脂A)と側鎖(樹脂B)の相溶性を改善す
るものとして働く。なお、150℃以下の温度で樹脂A
を溶解することができる不飽和単量体とは、樹脂A10
0重量部に対して不飽和単量体200重量部を添加し、
150℃以下の温度で、樹脂Aを溶解できる不飽和単量
体を指す。溶解性の有無に関する大まかな目安として溶
剤を考えると、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などは芳香族系溶剤、エ
ステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等の溶剤
およびこれらの混合溶剤に溶解でき、ポリオレフィン樹
脂は芳香族系溶剤に溶解できることから、それらの溶剤
に構造が類似した不飽和単量体の中から選ぶことができ
る。
【0049】上記の様な不飽和単量体として、以下に例
示する。汎用の芳香族系溶剤と構造の類似した不飽和単
量体:スチレン、スチレン誘導体汎用のエステル系溶剤
と構造の類似した不飽和単量体:(メタ)アクリル酸の
低級アルキルエステル、ビニルエステル類 汎用のエーテル系溶剤と構造の類似した不飽和単量体:
ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸グリコールエー
テルステル類 その他の溶剤と構造の類似した不飽和単量体:N,N−
ジメチルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロ
リドン、アクリロイルモルフォリンなど
【0050】(B−1)成分として、上記の不飽和単量
体の1種または2種以上を使用することができる。これ
らのうちで、好ましくは、樹脂Aがポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂の場
合は、スチレンおよびその誘導体や(メタ)アクリル酸
の炭素数1〜6のアルキルエステルがよく、より好まし
くはスチレンおよびその誘導体と(メタ)アクリル酸の
炭素数1〜6のアルキルエステルの混合物がよい。樹脂
Aがポリオレフィン樹脂の場合には、スチレンおよびそ
の誘導体が好ましい。
【0051】(B−2)ヒドロキシル基、カルボキシル
基、アミノ基等の官能基を含有する水溶性の不飽和単量
体は、そのヒドロキシル基等により導電層に対して硬化
性や密着性の改善に寄与する。ヒドロキシル基等の官能
基を含有する水溶性の不飽和単量体としては、特に限定
はなく、公知の不飽和単量体が使用できる。なお、水溶
性とは、100℃以下の温度においていかなる比率にお
いても水と完全に混和しうることを指す。
【0052】上記の様な不飽和単量体として、以下に例
示する。 ヒドロキシル基含有不飽和単量体:(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコー
ル、グリセリンモノアリルエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドなど カルボキシル基含有不飽和単量体:アクリル酸、メタク
リル酸など アミノ基含有不飽和単量体:N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミドなど
【0053】(B−2)成分として、上記の不飽和単量
体の1種または2種以上を使用することができる。これ
らのうちで、好ましくは、1種以上のヒドロキシル基含
有不飽和単量体、1種以上のヒドロキシル基含有不飽和
単量体と1種以上のカルボキシル基含有不飽和単量体の
混合物、1種以上のヒドロキシル基含有不飽和単量体と
1種以上のアミノ基含有不飽和単量体の混合物がよい。
なお、より好ましくは(B−2)成分中、ヒドロキシル
基含有不飽和単量体が30%以上であるのがよい。
【0054】(B−3)酸または塩基で中和されている
イオン性の不飽和単量体は、導電層中での不飽和単量体
混合物の重合体の会合を起こしやすくする効果があり、
硬化効率の改善や密着性低下の抑制に効果があるが、過
剰量が含まれる場合には耐水性を低下させる原因となる
ため、最小限にとどめることが望ましい。
【0055】酸または塩基で中和されているイオン性の
不飽和単量体としては、塩基により中和された不飽和カ
ルボン酸化合物、不飽和リン酸化合物、不飽和スルホン
酸化合物や、4級アンモニウム基含有不飽和単量体など
が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸のアル
カリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、スチレン
スルホン酸ナトリウム、アシッドホスホオキシエチル
(メタ)アクリレート(商品名 Phosmer M
等、ユニケミカル製)のアルカリ金属塩、アンモニウム
塩、有機アミン塩、アクリルアミドメチルプロパンスル
ホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン
塩、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムサルフェー
ト、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアン
モニウムサルフェート、(メタ)アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムホスフェート、(メタ)ア
クリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムホスフ
ェート、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエ
チルの酢酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、(メタ)ア
クリル酸N,N−ジエチルアミノエチルの酢酸塩、塩酸
塩、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられる。
【0056】(B−3)成分として、上記の不飽和単量
体の1種または2種以上を使用することができる。これ
らのうちで、好ましくは、強酸・強塩基の組み合わせの
不飽和単量体がよく、例えば、スチレンスルホン酸ナト
リウムなどが挙げられる。また、(B−3)成分につい
ては樹脂Aと樹脂Bの重合後にアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩、有機アミン塩とすることも可能である。
【0057】また、樹脂Bには、上記(B−1)、(B
−2)(B−3)の各成分の他に、多官能性不飽和単量
体を含む、その他の公知の各種不飽和単量体も必要に応
じて含有させることもできる。各種不飽和単量体とし
て、各種のビニル化合物、ビニルエステル化合物、ビニ
ルエーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル類など
を挙げることができ、それらにより、樹脂Bの溶剤溶解
性、Tg、その他の反応性などを調節あるいは付与でき
る。好ましくは、多官能性不飽和単量体として、ジ(メ
タ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリ
ル酸ジエチレングリコールなどが挙げられる。
【0058】本発明における樹脂Bは、アクリル変性樹
脂中の樹脂Aの重量比をX、樹脂Bの重量比をYとした
場合、Y/X=1/99〜90/10の範囲であること
が好ましく、更に好ましくはY/X=10/90〜80
/20であるのがよい。樹脂Aがこの比率よりも少ない
場合は樹脂Aの特性が発現しにくく、この比率よりも多
い場合は硬化性の改善などの効果が小さい。
【0059】また樹脂B中の各不飽和単量体について
も、アクリル変性樹脂中の、樹脂Aの重量比をX、樹脂
Bの重量比をY、(B−1)成分の重量比をY1、(B
−2)成分の重量比をY2、(B−3)成分の重量比を
Y3とした場合、0.6≦(Y1+Y2+Y3)/Y≦
1.0であることが必要であり、この範囲よりも小さい
場合は硬化性の改善などの効果が小さい。(B−1)成
分については0.005≦Y1/Xかつ0.3≦Y1/
Y≦0.7であることが必要であり、この範囲よりも小
さい場合は相溶性の付与が困難になる。(B−2)成分
については0.005≦Y2/Xかつ0.3≦Y2/Y
≦0.7であることが必要であり、この範囲より小さい
場合は樹脂Bの硬化性が低下する。(B−3)成分につ
いてはY3/X≦0.05かつ0.0001≦Y3/Y
≦0.1であることが必要であり、この範囲より大きい
場合は耐水性などが低下するので好ましくない。
【0060】本発明において、導電層に用いるアクリル
変性樹脂としては、特に5〜1000mol/106g
の不飽和結合を有する重量平均分子量1000〜100
000の樹脂(樹脂A)と、不飽和単量体混合物より得
られる重合体(樹脂B)が化学的に統合した樹脂であ
り、(樹脂B)が、(B−1)150℃以下の温度にお
いて(樹脂A)を溶解することが出来る不飽和単量体、
(B−2)ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基
等の官能基を含有する水溶性の不飽和単量体、(B−
3)酸または塩基で中和されているイオン性の不飽和単
量体を含むことを特徴とするアクリル変性樹脂を用いた
ものが好適であり、中でもこのような構成を有するアク
リルグラフト共重合ポリエステルが好ましい。
【0061】[アクリル変性樹脂の製造方法]前述のよ
うに、アクリル変性樹脂が、主鎖を構成する樹脂Aに対
し、樹脂Bによりアクリル系の側鎖をグラフト重合によ
り導入して変性を行ったグラフト体である場合、その重
合方法としては、樹脂Aの存在下において樹脂Bを構成
する不飽和単量体混合物を重合開始剤の使用または活性
エネルギー線の放射により重合を行うことで変性が可能
であり、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など
の公知の重合方法を用いることができる。
【0062】溶液重合を用いてアクリル変性を行う場合
には、汎用の溶媒、例えば、芳香族炭化水素、ケトン
類、エステル類、エーテル類(環状エーテル類、グリコ
ールエーテル類など)、N−置換アミド類、アルコール
類、カルボン酸類、アミン類などの有機溶剤や水および
それらの2種以上の混合物を用いることができる。懸濁
重合、乳化重合などを実施する場合には、公知の界面活
性剤、緩衝剤などの各種添加剤を添加することができる
が、これらは密着性を低下させる原因となるため、使用
量は最小限にとどめることが望ましい。
【0063】また、その際の重合開始方法として、各種
重合方法に適した方法を用いることができ、例えば、公
知のアゾ系化合物、過酸化物、過硫酸化合物、レドック
ス系開始剤などの重合開始剤を用いる他、活性エネルギ
ー線を用いて重合すること等も可能である。重合開始剤
の使用量は、モノマーに対して少なくとも0.1重量%
以上が必要である。また、オクチルメルカプタン、ドデ
シルメルカプタン、メルカプトエタノール、α−メチル
スチレンダイマー等の連鎖移動剤などの公知の添加剤も
使用できる。これらの添加量は各種特性を低下させない
程度の添加量が望ましい。
【0064】更に、本発明においては、以下の方法によ
ってもアクリル変性樹脂を製造することが可能である。
すなわち、樹脂Aが水に分散しない、極めて微量の親水
性基しか含有していない場合においても、樹脂Aをまず
不飽和単量体(B−3)成分以外の不飽和単量体(B−
1)成分、(B−2)成分を含む不飽和単量体混合物に
溶解し、その後、(B−3)成分を水、または水と微量
の完全水溶性溶剤の混合溶液に溶解させたものを添加す
ることで、樹脂Aを微細な粒子径で水分散させることが
可能であり、そのまま重合開始剤の使用などで重合を開
始/完結させることで、溶剤を使用しないプロセスでの
アクリル変性が可能である。なお、この場合、不飽和単
量体(B−1)成分は、スチレンなどの水難溶性の不飽
和単量体を(B−1)成分中、20%以上含むことが望
ましい。また、不飽和単量体混合物に樹脂Aを溶解する
場合、ハイドロキノンなど重合禁止剤を微量添加し、溶
解中における加熱による重合を抑制することが好まし
い。この方法を用いることで、耐水性に影響を与える親
水性基の量を最小限にとどめることができ、かつ、溶剤
の使用/再利用/廃棄などの問題も回避できる。
【0065】本発明の導電層に用いられるアクリル変性
樹脂は、上述のグラフト体をそのままでも使用しうる
が、架橋剤(硬化用樹脂)を配合して焼付硬化を行うこ
とにより、高度の耐溶剤性、耐水性、硬度を発現させる
ことができる。架橋剤としては、フェノールホルムアル
デヒド樹脂、アミノ樹脂、多官能エポキシ化合物、多官
能イソシアネート化合物およびその各種ブロックイソシ
アネート化合物、多官能アジリジン化合物などを挙げる
ことが出来る。
【0066】上記フェノールホルムアルデヒド樹脂とし
ては、例えばアルキル化フェノール類、クレゾール類の
ホルムアルデヒド縮合物を挙げることが出来る。具体的
にはアルキル化(メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル)フェノール、p−tert−アミルフェ
ノール、4,4’−sec−ブチリデンフェノール、p
−tert−ブチルフェノール、o−,m−,p−クレ
ゾール、p−シクロヘキシルフェノール、4,4’−イ
ソプロピリデンフェノール、p−ノニルフェノール、p
−オクチルフェノール、3−ペンタデシルフェノール、
フェノール、フェニル−o−クレゾール、p−フェニル
フェノール、キシレノールなどのホルムアルデヒド縮合
物が挙げられる。
【0067】上記アミノ樹脂としては、例えば尿素、メ
ラミン、ベンゾグアナミンなどのホルムアルデヒド付加
物、さらにこれらの炭素原子数が1〜6のアルコールに
よるアルキルエーテル化合物を挙げることができる。具
体的にはメトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロ
ールN,N−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシ
アンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキ
シ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロー
ルメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンな
どが挙げられるが好ましくはメトキシ化メチロールメラ
ミン、ブトキシ化メチロールメラミン、およびメチロー
ル化ベンゾグアナミンであり、それぞれ単独または併用
して使用することができる。
【0068】上記多官能エポキシ化合物としては、ビス
フェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴ
マー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル
およびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエ
ステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタ
ル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリ
シジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジル
エステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリ
シジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジ
グリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジル
エステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−
ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン
尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリス
リトールトリグリシジルエーテル、グリセロールアルキ
レンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを
挙げることができる。
【0069】上記多官能イソシアネート化合物として
は、芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポ
リイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物
のいずれでもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイ
ソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシア
ネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエス
テルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリア
ミド類の高分子活性水素化合物などとを反応させて得ら
れる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0070】イソシアネート化合物は、ブロック化イソ
シアネートであってもよい。ブロック化イソシアネート
は上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック
化剤とを従来公知の方法等により付加反応させて得られ
る。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェ
ノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、クレ
ゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノ
ール、クロロフェノール等のフェノール類、アセトキシ
ム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキ
シムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンク
ロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールな
どのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−
ペンタノールなどの第3級アルコール類、ε−カプロラ
クタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β
−プロピルラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その
他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、
アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活
性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素
類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられ
る。
【0071】これらの架橋剤に加えて、硬化剤あるいは
促進剤を併用することもできる。
【0072】グラフト体の硬化反応は、前述のグラフト
体100重量部(固形分)に対して硬化用樹脂5〜40
重量部(固形分)を配合し、硬化剤の種類に応じて60
〜250℃の温度範囲で10秒〜60分間程度加熱する
ことにより行われる。反応触媒や促進剤も必要に応じて
併用される。
【0073】本発明において、アクリル変性樹脂は、本
発明の作用を阻害しない範囲で他の樹脂と混合使用する
ことができ、その加工性を向上せしめることができる。
【0074】また、本発明のアクリル変性樹脂には、本
発明の作用を阻害しない範囲でコロイダルシリカなどの
無機粉体、顔料、染料、無機化合物などの各種添加剤な
どを配合することができる。
【0075】本発明における導電層の、構成成分の比率
は、所望の導電層の性質および基材との密着性に応じて
適宜設定すればよいが、好ましくは、π共役系導電性高
分子とアクリル変性樹脂との比率が、 重量比3/97
〜40/60(π共役系導電性高分子/アクリル変性樹
脂)の範囲であるのがよい。
【0076】本発明における導電層の形成方法として
は、従来公知の方法を使用でき、例えば導電層を構成す
る成分を溶媒等に溶解あるいは分散させ、基材上へ塗布
等により展開した後、溶媒を乾燥等により除去する等の
方法を用いることができる。
【0077】特に好ましくは、π共役系導電性高分子を
溶媒に溶解した溶液と、アクリル変性樹脂を溶解あるい
は分散させた液とを混合した溶液を作成し、これを基材
状へ展開することにより導電層を形成するのがよい。
【0078】上記の様な導電層の形成方法において、π
共役系導電性高分子として、ポリアニリンおよび/また
はその誘導体を用いる場合、溶液の配合割合は、好まし
くは、溶媒100重量部に対してポリアニリンおよび/
またはその誘導体を0.01〜10重量部とするのがよ
く、さらに好ましくは0.1〜4重量部であるのがよ
い。ポリアニリンおよび/またはその誘導体の溶媒に対
する割合が0.01重量部未満では、溶液の長期保存性
が悪くなり、表面のコート層にピンホールが発生し易く
なり、コート面の導電性が著しく劣る。また上記割合が
10重量部を超えるとポリアニリンおよび/またはその
誘導体の溶媒への溶解性、分散性およびコート層の塗布
性が悪くなる傾向があり、好ましくない。
【0079】上記の様な導電層の形成方法において、ア
クリル変性樹脂を溶解あるいは分散させた液の配合割合
は、好ましくは、溶媒100重量部に対してアクリル変
性樹脂を 1〜45重量部とするのがよく、さらに好ま
しくは5〜40重量部であるのがよい。アクリル変性樹
脂の溶媒に対する割合が1重量部未満では、共役系高分
子との混合溶液を形成するのが困難になり 、また上記
割合が45重量部を超えると 保存安定性が悪くな
る。
【0080】前記溶媒は、熱可塑性フィルム等の基材を
溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶媒も使
用可能であるが、水または水/アルコール等の有機溶媒
との混合溶媒を用いる法が、使用環境面で好ましいのみ
ならず、基材への塗布性および導電性が向上する場合も
ある。有機溶媒はメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセト
ンメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの
ケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセ
ロソルブ類、メチルプロピレングリコール、エチルプロ
ピレングリコールなどのプロピレングリコール類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど
のピロリドン類などが好ましく用いられる。これらは、
水と任意の割合で混合して用いられうる。この例とし
て、具体的には、水/メタノール、水/エタノール、水
/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプ
ロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコール
などを挙げることができる。用いられる割合は水/有機
溶媒=1/10〜10/1が好ましい。
【0081】本発明における導電層は、その構成成分が
共役系導電性高分子とアクリル変性樹脂のみでも、塗布
性および延展性が優れており、得られる導電層の表面硬
度も良好であるが、上記溶媒に可溶な界面活性剤および
/または高分子化合物をさらに併用することにより、濡
れ性の悪い基材への塗布も可能となる。
【0082】上記界面活性剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤およびフ
ルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカル
ボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パ
ーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロア
ルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界
面活性剤が用いられる。
【0083】本発明に用いられる界面活性剤の量は、好
ましくはポリアニリンおよび/またはその誘導体100
重量部に対して、0.001重量部以上、1000重量
部以下となるようにするのが好ましい。上記界面活性剤
が1000重量部を超えると非コート面にコート層中の
界面活性剤が裏移りして、2次加工等で問題を生じやす
くなる。
【0084】本発明の導電性積層体の導電層には、上記
の他に、種々の添加剤が含まれうる。このような添加剤
としては、TiO2、SiO2、カオリン、CaCO3
Al23、BaSO4、ZnO、タルク、マイカ、複合
粒子などの無機粒子;ポリスチレン、ポリアクリレー
ト、またはそれらの架橋体で構成される有機粒子などが
挙げられる。導電性のさらなる向上を目的として、Sn
2、(酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)の粉末、それ
らを被覆した無機粒子(TiO2、BaSO4など)、カ
ーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維などのカーボン系
導電性フィラーなどを添加することも可能である。上記
添加剤の含有量は、ポリアニリンおよび/または誘導体
100重量部に対して、4000重量部以下の割合であ
ることが好ましい。4000重量部を超える場合には、
導電層の粘度アップにより塗布ムラの原因となるおそれ
がある。
【0085】基材上に導電層を形成する方法としては、
グラビアロールコーティング法、リバースロールコーテ
ィング法、ナイフコーター法、ディップコート法、スピ
ンコート法などがあるが、特に限定はない。基材がフィ
ルムの場合には、フィルムへの塗布を製膜工程内で同時
に行うインラインコート法と製膜ロール製造後独立して
行うオフライン法があるが、用途に応じて好ましい方法
を選ぶことが可能で、特に制限はない。
【0086】本発明における導電層の表面抵抗値は、帯
電防止性の点から、25℃、15%RHで106〜10
12Ω/口の範囲でであるのが好ましい。
【0087】本発明の導電性積層体において、導電性積
層体全体、基材、および導電層の膜厚は、特に限定され
ず、目的とする帯電防止性等の程度や用途に応じて適宜
設定すればよい。
【0088】次に、試験例及び実施例を用いて本発明の
効果をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されない。 試験例 1.試験方法 (1)導電層の白化の有無 導電層表面にブロムライトで光を照射し、白化の有無を
以下の基準に基づいて評価した。 導電層表面に白化部が全くない :○ 導電層表面の一部が白化している :×
【0089】(2)表面抵抗値 三菱油化(株)製表面抵抗測定器で印加電圧500V、
25℃、15%RHの条件下で測定した。
【0090】(3)導電層の基材(熱可塑性フィルム)
への密着性の評価 導電層表面に粘着テープを貼付してから粘着テープを剥
がし、導電層が基材(熱可塑性フィルム)から剥離する
かどうかを以下の基準に基づいて評価した。 導電層が剥離せず、粘着テープに全く付着しない。 :○ 導電層が僅かに剥離し、粘着テープに付着する。 :△ 導電層が完全に剥離し、粘着テープに付着する。 :×
【0091】(4)耐擦傷性堅牢度試験器を用いて、2
00gの荷重で導電層表面をガーゼで10往復擦り、導
電層表面の傷の付き具合を以下の基準に基づいて評価し
た。 導電層表面に傷が全く付いていない。 :○ 導電層表面に細かい傷が数本付いている。 :△ 導電層表面に目視ではっきりわかる傷が付いている。:×
【0092】(5)耐水性 水を含ませた市販のティッシュペーパーを用いて、一定
圧で導電層表面を10回拭き、以下の基準に基づいて評
価した。 導電層が全く拭き取られない。 :○ 僅かに拭き取られる。 :△ 完全に拭き取られる。 :×
【0093】2.試験結果 以上の結果を表1に示す。表1に示すように、実施例の
いずれも白化せず透明で、密着性、耐擦傷性、耐水性に
優れ、かつ低湿度下での制電性(帯電防止性)に優れて
いた。一方、比較例1は白化部があり透明性が不充分で
あった。比較例2,3は低湿度下での制電性が不充分で
あり、耐水性もなかった。
【0094】
【表1】
【0095】
【実施例】(合成例1)撹拌機、温度計および部分還流
式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレー
ブにテレフタル酸ジメチル466部、イソフタル酸ジメ
チル456部、エチレングリコール340部、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール650部、およびテトラ
−n−ブチルチタネート0.5部を仕込み、160℃〜
220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行った。
次いでフマル酸29部を加え200℃から220℃まで
1時間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次い
で、255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧したのち
0.2mmHgの減圧下で1時間30分反応させ、ポリ
エステルを得た。得られたポリエステルは淡黄色透明で
あった。得られたポリエステルの重量平均分子量は20
000(ポリスチレン換算)、不飽和結合含有量は21
6mol / 106g(計算値)であった。
【0096】次に、撹拌機、温度計、還流装置と定量滴
下装置を備えた反応器にポリエステル樹脂75部、メチ
ルエチルケトン80部をいれ加熱、撹拌し70℃に保っ
て樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、スチレン5部、
メタクリル酸メチル12.5部、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル7.5部、アクリルアミドメチルプロパンス
ルホン酸0.07部、アゾビスイソブチルニトリル1.
5部、α−メチルスチレンダイマー5部をメチルエチル
ケトン30部、ジメチルホルムアミド5部の混合溶媒に
溶解した溶液を、系内を70℃に保ちながら、1.5時
間かけてポリエステル溶液中に滴下し、さらに3時間反
応させた。室温まで冷却後、水酸化ナトリウム0.01
5部とメチルエチルケトンを添加して固形分濃度30%
に調整し、グラフト体溶液とした。
【0097】(合成例2)撹拌機、温度計および部分還
流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレ
ーブにテレフタル酸ジメチル466部、イソフタル酸ジ
メチル456部、エチレングリコール341部、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール649部、およびテト
ラ−n−ブチルチタネート0.5部を仕込み、160℃
〜220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なっ
た。次いでフマル酸29部を加え200℃から220℃
まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次
いで、255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧したの
ち0.2mmHgの減圧下で1時間30分反応させ、ポ
リエステルを得た。得られたポリエステルは淡黄色透明
であった。得られたポリエステルの重量平均分子量は2
000(ポリスチレン換算)、不飽和結合含有量は21
0mol / 106g(計算値)であった。このポリ
エステルポリオール30部とクラポールL2010(ク
ラレ製、分子量2000)20部を撹拌機、温度計およ
び還流装置を具備した反応器中にメチルエチルケトン5
0部と共に仕込み溶解後、イソホロンジイソシアネート
5.5部、ジブチル錫ラウレート0.01部を仕込み、
60〜70℃で6時間反応させた。得られたポリウレタ
ン樹脂の重量平均分子量は18000、不飽和結合含有
量は114mol /106g(計算値)であった。こ
の後、メタクリル酸メチル35部、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル11部、ジメチルアクリルアミド4部、
アクリル酸0.25部、アゾビスイソブチルニトリル3
部、α−メチルスチレンダイマー5部をメチルエチルケ
トン50部に溶解した溶液を、系内を70℃に保ちなが
ら1.5時間かけてポリエステル溶液中に滴下し、さら
に3時間反応させた。室温まで冷却後、水酸化ナトリウ
ム0.13部とメチルエチルケトンを添加して固形分濃
度30%に調整し、グラフト体溶液とした。
【0098】(合成例3)撹拌機、温度計および還流装
置を具備した反応器にビスフェノールF型エポキシ樹脂
(東都化成製、YDF2004)70部、メチルエチル
ケトン80部を仕込み、加熱下で樹脂を溶解させたの
ち、マレイン酸無水物10部、ピリジン0.1部を添加
し、還流下で3時間反応させた。次に、スチレン10
部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル14部、メタク
リル酸2部、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸
0.5部、アゾビスイソブチロニトリル3部、メチルエ
チルケトン30部、トリエチルアミン1部の混合溶液を
2時間で反応系内に滴下した。その後、反応を2時間継
続した後、トリエチルアミン10部、イソプロピルアル
コール30部、水250部添加し、水分散化した後、共
沸により溶剤を除去し、その後、室温まで冷却し、最終
的な水分散体とした。得られた水分散体の平均粒子径は
450nmであった。
【0099】(合成例4)撹拌機、温度計および部分還
流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレ
ーブにテレフタル酸ジメチル374部、イソフタル酸ジ
メチル374部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジ
メチル29部、エチレングリコール273部、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール519部、およびテトラ
ーnーブチルチタネート0.52部を仕込み、160℃
〜220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なっ
た。次いでフマル酸4.6部を加え200℃から220
℃まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行なっ
た。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧し
たのち0.2mmHgの減圧下で1時間30分反応さ
せ、ポリエステルを得た。得られたポリエステルは淡黄
色透明であった。得られたポリエステル重量平均分子量
は23000、不飽和結合含有量は41mol /10
6gであった。次に、撹拌機、温度計および還流装置を
具備した反応器に、得られたポリエステル66部、メタ
クリル酸メチル10部、グリセリンモノメタクリレート
10部、メタクリル酸4部、アクリル酸ブチル10部、
イソプロピルアルコール16部、ハイドロキノン0.0
1部を添加し、90℃に加熱して溶解した。樹脂が溶解
した後、スチレン10部を加え、その後、液温を70℃
に保ちながら、水180部を添加し、10分間撹拌を続
けた。次にスチレンスルホン酸ナトリウム0.6部を水
40部に溶かした水溶液を添加した後、過硫酸カリウム
0.9部、水10部を加えて重合を開始した。反応を7
0℃、4時間継続した後、室温まで冷却し、固形分濃度
30%のグラフト体の水分散体を得た。得られた水分散
体の平均粒子径は120nmであった。
【0100】(合成例5)撹拌機、温度計および部分還
流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレ
ーブにテレフタル酸ジメチル456部、イソフタル酸ジ
メチル456部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジ
メチル59部、エチレングリコール465部、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物(三洋化成製、B
PE20F)1120部、およびテトラーnーブチルチ
タネート0.52部を仕込み、160℃〜220℃まで
4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いでフマ
ル酸12部を加え200℃から220℃まで1時間かけ
て昇温し、エステル化反応を行なった。次いで255℃
まで昇温し、反応系を徐々に減圧したのち0.2mmH
gの減圧下で1時間30分反応させ、ポリエステルを得
た。得られたポリエステルは淡黄色透明であった。得ら
れたポリエステルの重量平均分子量は19000、不飽
和結合含有量は46mol / 106gであった。次
に、撹拌機、温度計および還流装置を具備した反応器
に、得られたポリエステル66部、エタクリル酸メチル
18部、グリセリンモノメタクリレート10部、メタク
リル酸8部、イソプロピルアルコール16部、ハイドロ
キノン0.01部を添加し、90℃に加熱して溶解し
た。樹脂が溶解した後、スチレン8部を加え、その後、
液温を70℃に保ちながら、水180部を添加し、10
分間撹拌を続けた。次にスチレンスルホン酸ナトリウム
0.6部を水40部に溶かした水溶液を添加した後、過
硫酸カリウム0.9部、水10部を加えて重合を開始し
た。反応を70℃、4時間継続した後、室温まで冷却
し、固形分濃度30%のグラフト体の水分散体を得た。
得られた水分散体の平均粒子径は250nmであった。
【0101】(合成例6)ジカルボン酸成分としてジメ
チルテレフタレート46モル%、ジメチルイソフタレー
ト47モル%および5−スルホイソフタル酸ナトリウム
7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレングリ
コール50モル%およびネオペンチルグリコール50モ
ル%を用いて、常法によりエステル交換反応および重縮
合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエステ
ルのガラス転移温度は68℃であった。このスルホン酸
基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ1
50部と加熱撹拌して、粘ちょうな溶液とし、さらに撹
拌しつつ水540部を徐々に加えて、固形分28重量%
の均一な淡白色の水分散体を得た。
【0102】(合成例7)2−アミノアニソール−4−
スルホン酸100mモルを24℃で4モル/リットルの
アンモニア水溶液に撹拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アン
モニウム100mモルの水溶液を滴下した。滴下終了後
24℃で10時間さらに撹拌した後、反応作成物を濾別
洗浄、乾燥し、粉末状の共重合体を14g得た。この共
重合体の体積固有抵抗値は12.7Ω・cmであった。
上記重合体3重量部を0.3モル/リットルの硫酸水溶
液100重量部に室温で撹拌溶解し、導電性組成物を調
整した。
【0103】(基材フィルムの作製)平均粒径0.5μ
mの炭酸カルシウム微粒子が4000ppmで分散され
たポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融押し出
しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約180μ
mの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを85
℃に加熱された周速の異なる一対のロール間で縦方向に
3.5倍延伸して基材フィルムとした。
【0104】(導電性積層体の作製)得られた厚さ約5
0μmの基材(PETフィルム)上に固形分濃度4%の
塗布液を厚さ約10μmで塗布し、さらに横方向に3.
5倍に延伸し、下記実施例1〜5の導電性積層体を作製
した。
【0105】実施例1 合成例7で作製したスルホン化ポリアニリン水溶液と合
成例1で作製した水分散液を固形分で10 / 90
(重量比)となるように混合し、界面活性剤エマルゲン
810(花王製)をスルホン化ポリアニリンとの比が8
/100になるように添加し、さらに水/IPAの比
が50 / 50(重量比)の溶媒で固形分濃度が4%
となるように調整した。この液を用い、上記方法で導電
性積層体を作成し、実施例1とした。
【0106】実施例2 合成例1で作製した水分散液の代わりに、合成例2で作
製した水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導
電性積層体を作成し、実施例2とした。
【0107】実施例3 合成例1で作製した水分散液の代わりに、合成例3で作
製した水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導
電性積層体を作成し、実施例3とした。
【0108】実施例4 合成例1で作製した水分散液の代わりに、合成例4で作
製した水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導
電性積層体を作成し、実施例4とした。
【0109】実施例5 合成例1で作製した水分散液の代わりに、合成例5で作
製した水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導
電性積層体を作成し、実施例5とした。
【0110】比較例1 合成例1で作製した水分散液の代わりに、合成例6で作
製した水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして積
層体を作成し、比較例1とした。
【0111】比較例2 塗布液としてアニオン系コート液ケミスタットSA−9
(三洋化成製)を用いた以外は実施例1と同様にして積
層体を作成し、比較例2とした。
【0112】比較例3 塗布液としてカチオン系コート液ケミスタット6300
−H(三洋化成製)を用いた以外は実施例1と同様にし
て積層体を作成し、比較例3とした。
【0113】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の導電性積層体は、導電層の膜厚が厚くても白化せず透
明性に優れ、かつ低湿度下でも優れた制電性を発現する
上、基材特有の表面強度、耐水性、耐溶剤性、耐熱性の
有利性も保持する。従って、本発明の導電性積層体は、
磁気テープ、OHP用フィルム、シールド材、LCDの
導電図などの各種工業用フィルム;キャリアテープ、ト
レーマガジン、IC・LSIパッケージ等の各種包装用
フィルムなどに好適である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機および/または有機基材の少なくと
    も片面に、主としてπ共役系導電性高分子およびアクリ
    ル変性樹脂からなる導電層が積層されてなることを特徴
    とする導電性積層体。
  2. 【請求項2】 無機および/または有機基材が熱可塑性
    フィルムであることを特徴とする請求項1記載の導電性
    積層体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性フィルムがポリエステルである
    ことを特徴とする請求項2記載の導電性積層体。
  4. 【請求項4】 無機および/または有機基材が繊維によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1記載の導電
    性積層体。
  5. 【請求項5】π共役系導電性高分子がポリアニリンおよ
    び/またはその誘導体であることを特徴とする 請求項
    1に記載の導電性積層体。
  6. 【請求項6】ポリアニリンおよび/またはその誘導体
    が、スルホン化ポリアニリンであることを特徴とする請
    求項5記載の導電性積層体。
  7. 【請求項7】スルホン化ポリアニリンが、アルコキシ基
    置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とすることを特
    徴とする請求項6記載の導電性積層体。
  8. 【請求項8】 アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホ
    ン酸がアミノアニソールスルホン酸であることを特徴と
    する請求項7記載の導電性積層体。
  9. 【請求項9】 アクリル変性樹脂がアクリルグラフト共
    重合ポリエステルであることを特徴とする請求項1に記
    載の導電性積層体。
  10. 【請求項10】 アクリルグラフト共重合ポリエステル
    が、5〜1000mol/106gの不飽和結合を有す
    る重量平均分子量1000〜100000の樹脂(A)
    と、不飽和単量体混合物より得られる重合体(B)が化
    学的に結合した樹脂であり、(B)が、150℃以下の
    温度において(A)を溶解することが出来る不飽和単量
    体(B−1)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミ
    ノ基から選ばれた官能基を含有する水溶性の不飽和単量
    体(B−2)、酸または塩基で中和されているイオン性
    の不飽和単量体(B−3)を含むことを特徴とする請求
    項9記載の導電性積層体。
  11. 【請求項11】導電層が、界面活性剤を含有することを
    特徴とする請求項1に記載の導電性積層体。
  12. 【請求項12】 導電層の表面抵抗値が、25℃、15
    %RHで106〜1012Ω/口であることを特徴とする
    請求項1記載の導電性積層体。
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