JP2012183811A - 帯電防止フィルム - Google Patents
帯電防止フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012183811A JP2012183811A JP2011050358A JP2011050358A JP2012183811A JP 2012183811 A JP2012183811 A JP 2012183811A JP 2011050358 A JP2011050358 A JP 2011050358A JP 2011050358 A JP2011050358 A JP 2011050358A JP 2012183811 A JP2012183811 A JP 2012183811A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antistatic
- film
- mass
- antistatic layer
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【解決手段】基材フィルムと、前記基材フィルム上の片面または両面に、帯電防止層を設けた帯電防止フィルムであって、前記帯電防止層がアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂と、イソシアネート化合物、およびπ電子共役系導電性高分子とを主たる構成成分とする帯電防止フィルム。
【選択図】なし
Description
即ち、上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
(基材フィルム)
本発明の帯電防止フィルムにおける基材フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムが好適に用いられ、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂フィルム、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂フィルムなどが挙げられる。これらの内、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP、OPP)が好ましく、熱寸法安定性や機械的強度、さらには成形性や経済性の面から、特にポリエステル樹脂フィルムが好ましい。基材フィルムは、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。
本発明において、基材フィルムの少なくとも片面に、帯電防止層を設ける必要がある。帯電防止層は2層以上の複層であってもかまわないが生産性の観点から1層からなることが好ましい。本発明の好ましい実施形態としては、基材フィルムの片面または両面に帯電防止層を設けることであるが、本発明の効果を妨げない範囲で必要であれば、基材フィルムと帯電防止層との間、もしくは基材フィルムの反対面、あるいは帯電防止層上に、離型層や反射防止層、紫外線吸収層、粘着層などの機能層を設けることも可能である。また、基材フィルムと帯電防止層との間にアンカーコート層を設けることでより接着性の向上を図ってもよい。
本発明における帯電防止層は、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂をバインダー樹脂といて含有し、イソシアネート化合物を架橋剤として含有する。本発明において、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂は、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合反応により、アクリル樹脂中におけるアクリル鎖の側鎖または片末端、もしくは両末端部位がシリコーン変性しているグラフト共重合体をいう。本発明のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂が、かかるシリコーン変性部位を有していることは、具体的には核磁気共鳴分光法(NMR)という評価方法により判定する事が可能である(参照文献:高分子学会編「共重合」培風館、1975年6月20日、p147−208)。より具体的には、帯電防止層をNMRで測定し、化学シフトδ(ppm)が0.5〜0.7付近のピークを観察することで、アクリル主鎖の一部がシリコーン変性している事を確認することができる。
本発明において、イソシアネート化合物は、分子中に1個もしくは2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。イソシアネート化合物は他の架橋剤と比較し、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(A)の水酸基と反応することで架橋構造を好適に形成し塗膜の耐削れ性を向上させることができると考えられる。また、水系塗布液との溶解性も高く、高い透明性を有するフィルムを得るに適している。
本発明において、π電子共役系導電性高分子を用いるため、低湿度下でも安定的な帯電防止性を奏することが可能である。また、帯電防止層上に粘着層や離型層などの機能層が積層されると、経時もしくは環境変化に応じて帯電防止層中の水分状態が変化する場合があるが、π電子共役系導電性高分子の導電性は湿度依存性が低いため、このような状態変化が生じても安定的な帯電防止を発現することが可能となる。
本発明においては、シリコーン変性されたアクリル樹脂とπ電子共役系導電性高分子を含む組成物を含む塗布液を基材上に塗布、乾燥して帯電防止層を設けるが、塗布液の固形分濃度は0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、特に0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。塗布量を一定とした場合は、固形分濃度が低い場合には帯電防止性能や滑り性が低下する場合があり、逆に高い場合には透明性が低下する場合がある。
帯電防止層形成後、温度60℃、湿度90%の条件下において48時間経過した帯電防止フィルムについて、帯電防止層表面をキムワイプ(クレシア(株)製、WIPRS S200)で強く10回擦り、帯電防止層の曇りや帯電防止層の脱落を目視により観察し、下記の判定基準で評価した。
△:曇りおよび脱落が多く見られる
×:曇りが多く見られ、脱落もかなり多く起こる
帯電防止層形成後、日本電色製HAZE METER NDH2000 を用いて JIS K7136 に示される測定法に準拠して、ヘイズを測定した。
帯電防止フィルムを温度23℃、湿度65%の条件下で24時間調湿した後、各印加電圧下において表面抵抗測定器(三菱化学(株)製、Hiresta―UP MCP−HT450)を用いて測定した。
帯電防止フィルムを200mm幅に切断し、フィルムの帯電防止層面を直径10mmの円柱状ステンレス製固定バーにあてて200gの荷重を加えた状態で80m走行させた後、バーに付着した塗膜の白粉を観察し、耐削れ性を下記の通り評価する。
△: バーに白粉がやや付着する(耐削れ性やや不良)
×: バーに白粉が多量に付着する(耐削れ性不良)
帯電防止層形成後、温度60℃、湿度90%の条件下において48時間経過した帯電防止フィルムについて、万能試験機(島津製作所(株)製、AGS−1kNG)を用いて、帯電防止フィルムの帯電防止層とPETフィルム(東洋紡績(株)製、E5100、厚み50μm)との動摩擦係数(μd)、静摩擦係数(μs)をJIS K−7125に順じて下記条件で測定した。
試験片:幅50mm×長さ60mm
荷重:4.4kg
試験速度:200mm/min
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、末端にメタクリロイル基を有する分子量約1万のシリコーンマクロモノマー15質量部、メタクリル酸メチル25質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのシリコーン系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(A)を得た。
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、末端にメタクリロイル基を有する分子量約1万のシリコーンマクロモノマー5質量部、メタクリル酸メチル35質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのシリコーン系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(B)を得た。
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、末端にメタクリロイル基を有する分子量約1万のシリコーンマクロモノマー35質量部、メタクリル酸メチル5質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのシリコーン系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(C)を得た。
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、メタクリル酸メチル5質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのアクリル系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとメタクリル酸の共重合からなるアクリル樹脂(C)を得た。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更に脂肪族系のジイソシアネート化合物であるHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(A)を調製した。この帯電防止層形成用塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に乾燥後の塗工量が0.05g/m2となるようにライン速度100m/minでマイクログラビアコーターで塗布し、次いで、190℃の乾燥炉で乾燥を行い、帯電防止層を積層させた帯電防止フィルムを作製した。
π電子共役系導電性高分子としてアニリン系高分子であるポリアニリンスルホン酸を1.9質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、表1に示すように、アニリン系高分子由来の着色による透明性低下以外は良好であった。全ての評価項目において優れた性質を有することが確認された。
π電子共役系導電性高分子としてピロール系高分子である3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルの共重合体(ティーエーケミカル(株)製、商品名「SSPY」)を1.9質量%の割合で含有する水分散体と、アアクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、表1に示すように、ピロール系高分子由来の着色による透明性低下以外は良好であった。全ての評価項目において優れた性質を有することが確認された。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(B)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(D)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、全ての評価項目において望ましい性質を有することが確認された。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(C)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(E)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、全ての評価項目において望ましい性質を有することが確認された。
表1に記載の様に、π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートと、アクリル樹脂(A)およびHDI系イソシアネート化合物を用いて、帯電防止層中の含有量を変更したこと以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られた各フィルムについて評価した結果を下記の表1に示す。実施例6〜8のフィルムは、全ての評価項目において望ましい性質を有することが確認された。実施例9のフィルムは、実施例1のフィルムと比較して密着性が若干低下していたが、耐削れ性、帯電防止性、ヘイズ、滑り性は、十分に優れていた。
表1に記載の様に、π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートと、アクリル樹脂(A)および脂肪族イソシアネート化合物(三井化学製、タケネート600)を用いて、帯電防止層中の含有量を変更したこと以外は実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作成した。得られたフィルムは、表1に示す通り、密着性および耐削れ性は実施例1のフィルムと比較して若干低下していたが、その他の評価項目は、実施例1のフィルムと同等であった。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更に芳香族系のジイソシアネート化合物であるTDI系イソシアネート(三井化学社製、WB−700)を44質量%の割合で含有する溶液とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(F)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、全ての評価項目に関して、優れた性質を有することが確認された。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、側鎖に水酸基を有するアクリル樹脂(D)、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(G)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、アクリル樹脂がシリコーン系マクロモノマーとの共重合体でないため、十分な滑り性が得られていないことが分かる。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、側鎖にアクリル樹脂(A)とを固形分比率として4:6になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(H)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、架橋剤としてイソシアネート化合物が使用されていないため、耐削れ性及び密着性が不十分である。
帯電防止剤としてアンチモンドープ型酸化亜鉛のイソプロピルアルコール分散液(日産化学社製)、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(I)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、帯電防止剤としてπ電子共役系導電性高分子を使用していないため、密着性、透明度、及び耐削れ性が不十分であった。
帯電防止剤としてアニオン型高分子帯電防止剤であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用い、更に固形分濃度が0.5質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(J)を用いた以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示す通り、特に耐削れ性及び滑り性が不十分であった。これは、バインダーとしてアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂を使用しておらず、また、架橋剤としてイソシアネート化合物を使用していないためである。
帯電防止剤としてリン酸エステル塩型アニオン系界面活性剤と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(K)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、下記の表1に示されるように、密着性及び帯電防止性が不十分であった。
帯電防止層として、アクリル樹脂(A)を30質量%含む溶液と、更にHDI系イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として5:5になるよう混合し、更に固形分濃度が2・0質量%になるようにイソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した塗布液(L)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、帯電防止性不良であった。
帯電防止剤としてポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(D)を30質量%含む溶液と、更にメラミン(日産化学社製、メラミン)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるようにイソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した塗布液(M)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、耐削れ性及び滑り性が不十分であった。
帯電防止剤としてポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(D)を30質量%含む溶液と、更に水系エポキシ化合物(ADEKA社製、アデカレジンEM−0526)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるようにイソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した塗布液(J)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、透明度、耐削れ性及び滑り性が不十分であった。
帯電防止層を設けないこと以外は実施例1と様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムは、帯電防止性及び滑り性が不十分であった。
Claims (6)
- 基材フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を有する帯電防止フィルムであって、
前記帯電防止層がアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合から形成されるアクリル樹脂(A)と、
イソシアネート化合物(B)と、
π電子共役系導電性高分子(C)とを主たる構成成分とする、
帯電防止フィルム。 - 前記帯電防止層中における前記(A)の含有量が0.1質量%〜80質量%、前記(B)の含有量が0.1質量%〜80質量%、前記(C)の含有量が0.1質量%〜80質量%である、請求項1に記載の帯電防止フィルム。
- 前記(B)がブロック化イソシアネートである、請求項1または2に記載の帯電防止フィルム。
- 前記(A)がチオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含む、請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 前記帯電防止層の表面抵抗が、10Vの印加電圧下で1011Ω/□以下であり、500Vの印加電圧下で1011Ω/□以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 基材フィルムに、前記(A)と前記(B)と前記(C)とを主たる構成成分として含有する水溶液を塗布し、乾燥して得られる、請求項1〜5のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011050358A JP2012183811A (ja) | 2011-03-08 | 2011-03-08 | 帯電防止フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011050358A JP2012183811A (ja) | 2011-03-08 | 2011-03-08 | 帯電防止フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012183811A true JP2012183811A (ja) | 2012-09-27 |
Family
ID=47014312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011050358A Pending JP2012183811A (ja) | 2011-03-08 | 2011-03-08 | 帯電防止フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012183811A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016102148A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | 日東電工株式会社 | 表面保護フィルム、表面保護フィルムの製造方法、及び、光学部材 |
KR20160078888A (ko) * | 2014-12-25 | 2016-07-05 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 점착 시트, 및 광학 부재 |
JP2016121308A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、および、光学部材 |
JP2016150977A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、及び、光学部材 |
JP2016150976A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、及び、光学部材 |
JP2017111865A (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 東洋紡株式会社 | 固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム |
JP6278327B1 (ja) * | 2017-02-23 | 2018-02-14 | ナガセケムテックス株式会社 | 透明導電膜、透明導電積層体、立体形状ディスプレイ及び樹脂組成物 |
JP6337386B1 (ja) * | 2017-07-31 | 2018-06-06 | ナガセケムテックス株式会社 | 積層体及びディスプレイ |
JP6399467B1 (ja) * | 2017-11-21 | 2018-10-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 自動販売機 |
JP2019527152A (ja) * | 2016-06-30 | 2019-09-26 | コーロン インダストリーズ インク | ポリエステル多層フィルム |
KR20200056997A (ko) | 2017-09-21 | 2020-05-25 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 이형 필름 및 적층체 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11300903A (ja) * | 1998-04-22 | 1999-11-02 | Toyobo Co Ltd | 導電性積層体 |
JP2002046393A (ja) * | 2000-08-03 | 2002-02-12 | Toyobo Co Ltd | 転写用ポリエステルフィルム |
JP2006175848A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-07-06 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 光学用保護フィルム |
JP2007108362A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 光学用保護フィルム |
JPWO2008035660A1 (ja) * | 2006-09-20 | 2010-01-28 | 三菱レイヨン株式会社 | 樹脂積層体、その製造方法、及び樹脂積層体の製造に使用される転写フィルム |
-
2011
- 2011-03-08 JP JP2011050358A patent/JP2012183811A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11300903A (ja) * | 1998-04-22 | 1999-11-02 | Toyobo Co Ltd | 導電性積層体 |
JP2002046393A (ja) * | 2000-08-03 | 2002-02-12 | Toyobo Co Ltd | 転写用ポリエステルフィルム |
JP2006175848A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-07-06 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 光学用保護フィルム |
JP2007108362A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 光学用保護フィルム |
JPWO2008035660A1 (ja) * | 2006-09-20 | 2010-01-28 | 三菱レイヨン株式会社 | 樹脂積層体、その製造方法、及び樹脂積層体の製造に使用される転写フィルム |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016102148A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | 日東電工株式会社 | 表面保護フィルム、表面保護フィルムの製造方法、及び、光学部材 |
KR20160078888A (ko) * | 2014-12-25 | 2016-07-05 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 점착 시트, 및 광학 부재 |
JP2016121310A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、および、光学部材 |
JP2016121308A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、および、光学部材 |
KR102509341B1 (ko) * | 2014-12-25 | 2023-03-14 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 점착 시트, 및 광학 부재 |
JP2016150977A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、及び、光学部材 |
JP2016150976A (ja) * | 2015-02-17 | 2016-08-22 | 日東電工株式会社 | 粘着シート、及び、光学部材 |
JP2017111865A (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 東洋紡株式会社 | 固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム |
JP7133893B2 (ja) | 2015-12-14 | 2022-09-09 | 東洋紡株式会社 | 固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム |
JP2019527152A (ja) * | 2016-06-30 | 2019-09-26 | コーロン インダストリーズ インク | ポリエステル多層フィルム |
JP2018135492A (ja) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | ナガセケムテックス株式会社 | 透明導電膜、透明導電積層体、立体形状ディスプレイ及び樹脂組成物 |
JP6278327B1 (ja) * | 2017-02-23 | 2018-02-14 | ナガセケムテックス株式会社 | 透明導電膜、透明導電積層体、立体形状ディスプレイ及び樹脂組成物 |
JP2019025764A (ja) * | 2017-07-31 | 2019-02-21 | ナガセケムテックス株式会社 | 積層体及びディスプレイ |
JP6337386B1 (ja) * | 2017-07-31 | 2018-06-06 | ナガセケムテックス株式会社 | 積層体及びディスプレイ |
KR20200056997A (ko) | 2017-09-21 | 2020-05-25 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 이형 필름 및 적층체 |
JP6399467B1 (ja) * | 2017-11-21 | 2018-10-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 自動販売機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012183811A (ja) | 帯電防止フィルム | |
JP5126525B2 (ja) | 離型フィルム | |
JP5150264B2 (ja) | 樹脂積層体、その製造方法、及び樹脂積層体の製造に使用される転写フィルム | |
JP5467752B2 (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルム | |
KR100902034B1 (ko) | 대전방지 폴리에스테르 필름의 제조방법 | |
WO2006035684A1 (ja) | 積層フィルム | |
CN105848897B (zh) | 双轴拉伸叠层聚酯膜 | |
JP5625556B2 (ja) | 帯電防止フィルム | |
KR20090032724A (ko) | 대전방지 폴리에스테르 필름의 제조방법 | |
JP5385502B2 (ja) | 帯電防止性塗布層を有するポリエステルフィルム | |
JP2011148301A (ja) | 成型用マットハードコートフィルム | |
KR102050747B1 (ko) | 이형 필름 | |
WO2015008522A1 (ja) | 塗布フィルム | |
JP5370124B2 (ja) | 成型用ポリエステルフィルムおよび成型用ハードコートフィルム | |
JP2012000993A (ja) | 帯電防止性塗布層を有するポリエステルフィルム | |
TWI398498B (zh) | 含有乙炔二醇界面活性劑之抗靜電聚酯膜及其製造方法 | |
KR20210120121A (ko) | 적층 필름, 및 그 제조 방법 | |
KR101209195B1 (ko) | 대전방지 코팅 조성물, 그를 이용한 편광판 보호용 대전방지 폴리에스테르 필름 및 그 제조방법 | |
EP3029091A1 (en) | Coating film | |
JP2014196463A (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP5728143B2 (ja) | 離型フィルム | |
KR20130001463A (ko) | 다양한 대전방지성능이 구현되는 대전방지 코팅 조성물 및 이를 이용한 대전 방지 폴리에스테르 필름 | |
JP7099414B2 (ja) | 積層体 | |
KR102081075B1 (ko) | 대전방지 폴리에스테르 필름의 제조방법 및 그로부터 제조된 대전방지 폴리에스테르 필름으로 이루어진 편광판 보호필름 | |
KR20110057723A (ko) | 내수성 및 표면경도가 우수한 대전방지 폴리에스테르 이접착필름 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140924 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150512 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151201 |