JP5625556B2 - 帯電防止フィルム - Google Patents
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基材フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を有する帯電防止フィルムであって、前記帯電防止層がアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(A)と、イソシアネートを有する有機官能基で少なくとも一つは変性されたシラン化合物(B)と、π電子共役系導電性高分子(C)とを主たる構成成分とする、帯電防止フィルム。
本発明の帯電防止フィルムにおける基材フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムが好適に用いられ、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂フィルム、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂フィルムなどが挙げられる。これらの内、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP、OPP)が好ましく、熱寸法安定性や機械的強度、さらには成形性や経済性の面から、特にポリエステル樹脂フィルムが好ましい。基材フィルムは、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。
本発明において、基材フィルムの少なくとも片面に、帯電防止層を設ける必要がある。帯電防止層は2層以上の複層であってもかまわないが生産性の観点から1層からなることが好ましい。本発明の好ましい実施形態としては、基材フィルムの片面または両面に帯電防止層を設けることであるが、本発明の効果を妨げない範囲で必要であれば、基材フィルムと帯電防止層との間、もしくは基材フィルムの反対面、あるいは帯電防止層上に、離型層や反射防止層、紫外線吸収層、粘着層などの機能層を設けることも可能である。また、基材フィルムと帯電防止層との間にアンカーコート層を設けることでより接着性の向上を図ってもよい。
本発明において、π電子共役系導電性高分子を用いるため、低湿度下でも安定的な帯電防止性を奏することが可能である。また、帯電防止層上に粘着層や離型層などの機能層が積層されると、経時もしくは環境変化に応じて帯電防止層中の水分状態が変化する場合があるが、π電子共役系導電性高分子の導電性は湿度依存性が低いため、このような状態変化が生じても安定的な帯電防止を発現することが可能となる。
本発明における帯電防止層は、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂と、イソシアネートを有する有機官能基で少なくとも一つは変性されたシラン化合物をバインダーとして構成される。本発明において、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂は、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合反応により、アクリル樹脂中におけるアクリル鎖の側鎖または片末端、もしくは両末端部位がシリコーン変成しているグラフト共重合体をいう。本発明のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂が、かかるシリコーン変成部位を有していることは、具体的には核磁気共鳴分光法(NMR)という評価方法により判定する事が可能である(参照文献:高分子学会編「共重合」培風館、1975年6月20日、p147−208)。より具体的には、帯電防止層をNMRで測定し、化学シフトδ(ppm)が0.5〜0.7付近のピークを観察することで、アクリル主鎖の一部がシリコーン変性している事を確認することができる。
本発明において、イソシアネートを有する有機官能基で少なくとも一つは変性されたシラン化合物は、アルコキシシラン中のアルコキシ基が、イソシアネートを有する有機官能基で少なくとも一つは変性されているイソシアネート含有アルコキシシランをいう。本発明のイソシアネートを有する有機官能基で少なくとも一つは変性されたシラン化合物が、かかるイソシアネートを有していることは、フーリエ変換型赤外分光法という評価方法により判定する事が可能である(参照文献:泉美治 他編「機器分析のてびき 第2版 データ集」化学同人、1996年2月10日、p9)。より具体的には、帯電防止層をフーリエ変換型赤外分光法で測定し、波数(cm-1)が2200〜2300付近のピークを観察することで、アルコキシシランの一部がイソシアネートを有する有機官能基で変性している事を確認することができる。
本発明においては、シリコーン変性されたアクリル樹脂とπ電子共役系導電性高分子を含む組成物を含む塗布液を基材上に塗布、乾燥して帯電防止層を設けるが、塗布液の固形分濃度は0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、特に0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。塗布量を一定とした場合は、固形分濃度が低い場合には帯電防止性能や滑り性の低下する場合があり、逆に高い場合には透明性低下する場合がある。
帯電防止層形成後、温度60℃、湿度90%の条件下において48時間経過した帯電防止フィルムについて、帯電防止層表面をキムワイプ(クレシア(株)製、WIPRS S200)で強く10回擦り、帯電防止層の曇りや帯電防止層の脱落を目視により観察し、下記の判定基準で評価した。
◎:曇りや脱落が全く無い
○:曇りおよび脱落が見られる
△:曇りおよび脱落が多く見られる
×:曇りが多く見られ、脱落もかなり多く起こる
帯電防止層形成後、日本電色製HAZE METER NDH2000 を用いて JIS K7136 に示される測定法に準拠して、ヘイズを測定した。
帯電防止フィルムを温度23℃、湿度65%の条件下で24時間調湿した後、各印加電圧下において表面抵抗測定器(三菱化学(株)製、Hiresta―UP MCP−HT450)を用いて測定した。
帯電防止層形成後、帯電防止フィルムをトルエン、メチルエチルケトン、エタノールの各溶剤にそれぞれ10分間浸漬した後、熱風乾燥機にて120℃下で2分間の乾燥を行い残留溶剤を除去した。この帯電防止フィルムを23℃、湿度65%の条件下で24時間調湿した後、帯電防止層表面の表面抵抗率を表面抵抗測定器(三菱化学(株)製、Hiresta―UP MCP−HT450)を用いて測定した。
帯電防止層形成後、温度60℃、湿度90%の条件下において48時間経過した帯電防止フィルムについて、万能試験機(島津製作所(株)製、AGS−1kNG)を用いて、帯電防止フィルムの帯電防止層とPETフィルム(東洋紡績(株)製、E5100、厚み50μm)との動摩擦係数(μd)、静摩擦係数(μs)をJIS K−7125に順じて下記条件で測定した。
試験片:幅50mm×長さ60mm
荷重:4.4kg
試験速度:200mm/min
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、末端にメタクリロイル基を有する分子量約1万のシリコーンマクロモノマー15質量部、メタクリル酸メチル25質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのシリコーン系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(A)を得た。
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、末端にメタクリロイル基を有する分子量約1万のシリコーンマクロモノマー5質量部、メタクリル酸メチル35質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのシリコーン系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(B)を得た。
攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けたフラスコに、末端にメタクリロイル基を有する分子量約1万のシリコーンマクロモノマー35質量部、メタクリル酸メチル5質量部、アクリル酸ブチル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、ドデシルメルカプタン1質量部、2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル1質量部、イソプロパノール50質量部、ブチルセルソルブ50質量部を仕込み、窒素にてバブリングを行いながら温度80℃で4時間加熱した後、更に2,2‘-アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を投入し、温度80℃で4時間加熱し、酸価が40mgKOH/gのシリコーン系共重合体を合成した。得られた反応液に、ジメチルエタノールアミンの3%水溶液を100質量部を徐々に攪拌しながら加えた後、減圧下50℃にてイソプロパノールを除去し、目的のアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(C)を得た。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液(GELEST(株)製、商品名「SIT8717」)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈して帯電防止層形成用塗布液(A)を調製した。この帯電防止層形成用塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に乾燥後の塗工量が0.05g/■となるようにライン速度100m/min
でマイクログラビアコーターで塗布し、次いで、190℃の乾燥炉で乾燥を行い、帯電防止層を積層させた帯電防止フィルムを作製した。
得られた帯電防止フィルムの評価結果を表1に示す。実施例1と実施例2、および実施例3で得られたフィルムは表に示すとおり、何れの物性も満足できる性能を有していた。特に帯電防止性、滑り性および耐溶剤性について優れた性能を発現した。
π電子共役系導電性高分子としてアニリン系高分子であるポリアニリンスルホン酸を1.9質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液(GELEST(株)製、商品名「SIT8717」)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が1.5質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、アニリン系高分子由来の着色による透明性低下以外は良好であった。
π電子共役系導電性高分子としてピロール系高分子である3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルの共重合体(ティーエーケミカル(株)製、商品名「SSPY」)を1.9質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液(GELEST(株)製、商品名「SIT8717」)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が1.5質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、ピロール系高分子由来の着色による透明性低下以外は良好であった。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(B)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液(GELEST(株)製、商品名「SIT8717」)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が1.5質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(D)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、耐溶剤性と滑り性が多少劣っていた以外は良好であった。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(C)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液(GELEST(株)製、商品名「SIT8717」)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が1.5質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(E)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、密着性が多少劣っていた以外は良好であった。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、側鎖に水酸基を有するアクリル樹脂(D)、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液(GELEST(株)製、商品名「SIT8717」)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(F)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、帯電防止性と耐溶剤性、および滑り性が実施例に比べ劣っていた。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にHDI系ポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ社製、WT30−100)とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、密着性および耐溶剤性が多少劣っていた以外は良好であった。
π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートを1.2質量%の割合で含有する水分散体と、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にTDI系ポリイソシアネート(三井化学社製、WB−700)を44質量%の割合で含有する溶液とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、密着性および耐溶剤性が多少劣っていた以外は良好であった。
帯電防止剤としてアンチモンドープ型酸化亜鉛のイソプロピルアルコール分散液(日産化学社製)、アクリル樹脂(A)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(G)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、密着性低下、およびヘイズ上昇により透明性に劣っていた。更には、滑り性においても実施例に比べ劣っていた。
帯電防止剤としてアニオン型高分子帯電防止剤であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用い、更に固形分濃度が0.5質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(H)を用いた以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、キャリアである水分が乾燥により減少し、低湿度下でイオンの伝導が阻害されるため、帯電防止性能に劣っていた。また、帯電防止層の密着性についても劣っていた。
帯電防止剤としてリン酸エステル塩型アニオン系界面活性剤と、アクリル樹脂(C)を30質量%の割合で含有する溶液、更にイソシアネート変性シラン化合物を95質量%の割合で含有する溶液とを固形分比率として4:3:3になるよう混合し、更に固形分濃度が2.0質量%になるように、イソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した帯電防止層形成用塗布液(I)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、キャリアである水分が乾燥により減少し、低湿度下で電子の移動が阻害されるため、帯電防止性能に劣っていた。また、密着性および耐溶剤性についても不良であった。
帯電防止層として、アクリル樹脂(A)を30質量%含む溶液を、固形分濃度が2・0質量%になるようにイソプロピルアルコール/純水(=6:4)溶液で希釈した塗布液(J)を用いること以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、帯電防止性不良であった。
帯電防止層を設けないこと以外は実施例1と様にして帯電防止フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、帯電防止層を有さないため、帯電防止性不良であった。
表1に記載の様に、π電子共役系導電性高分子としてチオフェン系高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォネートと、アクリル樹脂(A)およびイソシアネート変性シラン化合物を用いて、帯電防止層中の含有量を変更したこと以外は実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。得られたフィルムの評価結果は表1に示すように、π共役系導電性高分子の含有量が少ない場合には帯電防止性がやや不良になる傾向があり、逆に、多い場合には耐溶剤性や密着性が不良になる傾向があった。また、アクリル樹脂(A)の含有量が少ない場合には、耐溶剤性や密着性がやや不良になる傾向があり、逆に、多い場合には帯電防止性能が劣る傾向があった。
Claims (5)
- 基材フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を有する帯電防止フィルムであって、
前記帯電防止層がアクリルモノマーとシリコーン系マクロモノマーの共重合からなるアクリル樹脂(A)と、
イソシアネートを有する有機官能基で少なくとも一つは変性されたシラン化合物(B)と、
π電子共役系導電性高分子(C)とを主たる構成成分とする、
帯電防止フィルム。 - 前記帯電防止層中における前記(A)の含有量が0.1質量%〜80質量%、前記(B)の含有量が0.1質量%〜80質量%、前記(C)の含有量が0.1質量%〜80質量%であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止フィルム。
- 前記(A)がチオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含むことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電防止フィルム。
- 前記電防止層の表面抵抗が、10Vの印加電圧下で1011Ω/□以下であり、500Vの印加電圧下で1011Ω/□以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
- 基材フィルムに、前記(A)と前記(B)と、前記(C)とを主たる構成成分として含有する水溶液を塗布乾燥し得られる、請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
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