JPH11299440A - 麺類の製造方法 - Google Patents

麺類の製造方法

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JPH11299440A
JPH11299440A JP10128133A JP12813398A JPH11299440A JP H11299440 A JPH11299440 A JP H11299440A JP 10128133 A JP10128133 A JP 10128133A JP 12813398 A JP12813398 A JP 12813398A JP H11299440 A JPH11299440 A JP H11299440A
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JP
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noodles
noodle
lipoxygenase
lipase
flour
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JP10128133A
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English (en)
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Koji Kaneko
幸司 金子
Toshihiko Takami
敏彦 高見
Susumu Ikeda
享 池田
Masaru Kugo
勝 救護
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Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な硬さを有し、歯切れが良く、粘弾性及
び滑らかさに優れ、良好な食感を有する高品質の麺類の
提供。 【解決手段】 穀粉類1kg当たり、リポキシゲナーゼ
を450〜450,000unit及びリパーゼを1,000〜100,000unit
の割合で添加して麺類を製造する本発明により上記の課
題が解決され、その際に食用油を更に添加すると食感に
一層優れる麺類が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は麺類の製造方法、お
よびそれに用いる麺類用穀粉組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、手延べ素麺、手延べ冷麦、手延
べうどんなどの手延べ麺類は、小麦粉に水や食塩などを
加えて混捏して柔らかい丸棒状の生地をつくり、それを
順次細く引き延ばして線状にする方法によって製造され
ている。手延べ麺類は、粘弾性に優れ、適度な硬さを有
し、歯切れが良く、高い品質を有している。しかしなが
ら、手延べ麺類は、その一連の製造工程を殆ど人手によ
って行うため、製造に手間と長い時間を要し、製造コス
トが高くなり、経済的な価格で消費者に提供することが
困難である。
【0003】一方、機械製麺による場合は、小麦粉に水
や食塩などを加えて混練して麺生地を調製し、それをロ
ールなどで圧延した後、麺線に切り出す方法や押出製麺
法が採用され、一連の作業を機械によって行うため、量
産が可能であり、経済的な価格で麺類を消費者に提供で
きる。しかしながら、機械製麺による麺類は、手延べ麺
類に比べると、粘弾性、歯切れ、滑らかさ、風味などの
点で劣ることが多く、高品質の麺類を経済的な価格で入
手したいとする消費者の要望に十分に答えることができ
ないものとなっている。
【0004】そこで、機械製麺による麺類において、さ
らにそれに限らず手延べ麺類や手延べ風麺類などにおい
ても、食感の向上した麺類を得ることを目的として、小
麦粉に澱粉、乳化剤、ゲル化剤、アミラーゼやプロテア
ーゼなどの酵素などを添加して麺類を製造することが従
来から行われている。しかしながら、いずれの場合も、
食感の向上効果が充分ではなく、得られる麺類の食感が
ソフトになり過ぎて粘弾性や硬さが不足していたり、逆
に粘性が強すぎて歯切れに劣るものであったり、滑らか
さに欠けるなどの欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、適度
な硬さを有し、歯切れが良く、粘弾性および滑らかさに
優れ、良好な食感を有する高品質の麺類を円滑に製造し
得る製麺方法を提供すること、およびそれに用いる麺類
用穀粉組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、リポキシゲナーゼとリ
パーゼを特定の量で添加して麺類を製造すると、適度な
硬さを有し、歯切れが良く、粘弾性および滑らかさに優
れ、食感の良好な高品質の麺類が得られることを見出し
た。さらに、本発明者らは、リポキシゲナーゼとリパー
ゼを特定の量で添加すると共に食用油を更に添加して麺
類を製造すると、硬さ、歯切れ、粘弾性および滑らかさ
に一層優れ、食感の一層良好な極めて高い品質の麺類が
得られることを見出し、それらの知見に基づいて本発明
を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、穀粉類1kg当た
り、リポキシゲナーゼを450〜450,000uni
tおよびリパーゼを1,000〜100,000uni
tの割合で添加して麺生地を調製し、該麺生地を用いて
麺類を製造することを特徴とする麺類の製造方法であ
る。
【0008】そして、本発明は、穀粉類1kg当たり、
リポキシゲナーゼを450〜450,000unitお
よびリパーゼを1,000〜100,000unitの
割合で添加すると共に食用油を添加して麺生地を調製
し、該麺生地を用いて麺類を製造することを特徴とする
麺類の製造方法である。
【0009】さらに、本発明は、穀粉類1kg当たり、
リポキシゲナーゼを450〜450,000unitお
よびリパーゼを1,000〜100,000unitの
割合で添加してあることを特徴とする麺類用穀粉組成物
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で用いるリポキシゲナーゼは、別名リポキ
シダーゼとも称され、不飽和脂肪酸およびそれを含む脂
質を酸化してその酸化物を生成させる機能を有する酵素
である。本発明で用いるリポキシゲナーゼは、食品に使
用できるものであればいずれでもよく、その起源、調製
法、純度などは特に制限されない。本発明で用い得るリ
ポキシゲナーゼの具体例としては、大豆に由来するリポ
キシゲナーゼなどを挙げることができる。本発明では、
1種類のリポキシゲナーゼを使用してもまたは2種類以
上のリポキシゲナーゼを用いてもよい。
【0011】本発明では、適度な硬さを有し、歯切れが
良く、粘弾性および滑らかさに優れる、食感の良好な高
品質の麺類を得るために、リポキシゲナーゼの添加量
(2種類以上のリポキシゲナーゼを用いる場合はその合
計量)が、製麺用の穀粉類(複数の穀粉を用いている場
合はその合計量)1kg当たり、450〜450,00
0unitの範囲内であることが必要であり、4,00
0〜250,000unitであることが好ましく、特
に50,000〜150,000unitであることが
より好ましい。リポキシゲナーゼの添加量が450un
it未満であると、十分な酸化効果が得られず、麺類が
適度な硬さおよび良好な歯切れを示さず、さらに粘弾性
や滑らかさにも劣った不良な食感となる。一方、リポキ
シゲナーゼの添加量が450,000unitを超える
と、過剰に酸化され、やはり麺類が適度な硬さおよび良
好な歯切れを示さず、粘弾性や滑らかさにも劣った不良
な食感となり、しかも麺類に異味を生じ易くなる。
【0012】そして、本発明ではリポキシゲナーゼと共
にリパーゼを用いることが必要である。本発明で用いる
リパーゼは、脂質を分解する酵素であって、食品に使用
可能なものであればいずれも使用でき、その起源、調製
法、純度などは問わない。何ら限定されるものではない
が、本発明で用い得るリパーゼの具体例としては、微生
物に由来するリパーゼ、動物臓器に由来するリパーゼな
どを挙げることができる。
【0013】本発明では、適度な硬さを有し、歯切れが
良く、粘弾性および滑らかさに優れる、食感の良好な高
品質の麺類を得るために、リパーゼの添加量(2種以上
のリパーゼを用いる場合はその合計量)が、製麺用の穀
粉類(複数の穀粉を用いている場合はその合計量)1k
g当たり、1,000〜1000,000unitの範
囲内であることが必要であり、1,000 〜200,
000unitであることが好ましく、特に2,000
〜10,000unitであることがより好ましい。リ
パーゼの添加量が1,000unit未満であると、遊
離脂肪酸量が少なく、麺類が適度な硬さおよび良好な歯
切れを示さず、さらに粘弾性や滑らかさにも劣った不良
な食感となる。一方、リパーゼの添加量が1000,0
00unitを超えると、遊離脂肪酸量が過剰となっ
て、やはり麺類が適度な硬さおよび良好な歯切れを示さ
ず、さらに粘弾性や滑らかさにも劣った不良な食感とな
り、しかも麺類に異味を生じ易くなる。なお、本明細書
でいうリポキシゲナーゼおよびリパーゼの活性[uni
t(力価)]は、以下の実施例の項に記載する方法で測
定したときの値をいう。
【0014】また、本発明では、リポキシゲナーゼおよ
びリパーゼと共に食用油を添加して麺生地を調製し、そ
の麺生地を用いて麺類を製造するのが望ましく、その場
合には、麺類の硬さ、歯切れ、粘弾性、滑らかさなどに
一層優れる、食感のより良好な麺類を得ることができ
る。食用油としては、植物油が好ましく用いられ、具体
例としては、サラダ油、ゴマ油、菜種油、綿実油、大豆
油、コーン油などを挙げることができる。本発明では1
種類の食用油を用いてもまたは2種類以上の食用油を用
いてもよい。
【0015】食用油の添加量は、食味の点から、穀粉類
1kg当たり、1〜10gの範囲内であることが好まし
く、2〜6gであることがより好ましい。食用油の添加
量が10gを超えると、酸化臭が強くなり、望ましくな
い。
【0016】ここで、本明細書でいう“麺類用の穀粉類
1kg当たりのリポキシゲナーゼ、リパーゼまたは食用
油の添加量”は、穀粉類以外の他の成分(例えば食塩や
水など)を除いた、穀粉類のみの重量をベースとする添
加量である。
【0017】麺類を製造する際のリポキシゲナーゼおよ
びリパーゼの添加方法は特に制限されず、麺生地中にリ
ポキシゲナーゼとリパーゼを均一に添加混合し得る方法
であればどのような方法を採用してもよい。例えば、リ
ポキシゲナーゼおよびリパーゼの両方をそのまま粉末状
で穀粉類に添加しても、リポキシゲナーゼおよびリパー
ゼの一方をそのまま粉末状で穀粉類に添加し残りの一方
を麺生地を調製する際の加水用の水に溶解させて添加し
ても、リポキシゲナーゼおよびリパーゼの両方を加水用
の水に一緒にまたは個別に溶解して添加しても、麺生地
の混練の途中にリポキシゲナーゼとリパーゼの両方をそ
のまま粉末状でまたは水に溶解して生地中に添加して
も、リポキシゲナーゼおよびリパーゼの一方を穀粉類に
粉末状で添加し残りの一方を麺生地の混練の途中に粉末
状または水に溶解して生地に添加しても、食用油を添加
する場合はリポキシゲナーゼおよびリパーゼの一方また
は両方を食用油中に予め添加しておいてそれを穀粉類に
配合してもよい。上記した添加方法のうちで、リポキシ
ゲナーゼとリパーゼの両方をそのまま粉末状で、または
加水用の水に溶かして、麺生地を調製する混練作業の前
または混練の初期の段階で添加するのが、麺生地中にリ
ポキシゲナーゼとリパーゼを均一に混合分散させること
ができるので好ましい。
【0018】また、穀粉類中にリポキシゲナーゼおよび
リパーゼの両方をそのまま乾燥した粉末状で添加したも
のは、それ自体で麺類用穀粉組成物として長期保存が可
能であり、そのまま麺用粉(麺用プレミックス粉)とし
て流通、販売することができ、したがって本発明はリポ
キシゲナーゼおよびリパーゼを乾燥状態で添加してある
そのような麺類用穀粉組成物を本発明の範囲に包含す
る。リポキシゲナーゼおよびリパーゼを含有する前記し
た麺類用穀粉組成物を用いる場合は、それに水、食塩、
食用油、従来周知の添加剤などを加えて製麺を行うこと
によって、穀粉類に対してその都度所定量のリポキシゲ
ナーゼおよびリパーゼを添加するという繁雑な手間を要
することなく、適度な硬さを有し、歯切れが良く、粘弾
性、滑らかさに優れる、食感の良好な麺類を、簡単に製
造することができる。
【0019】また、リポキシゲナーゼおよびリパーゼと
共に食用油を添加して麺生地を調製する場合は、食用油
の添加方法や添加時期は特に制限されず、麺生地の調製
が終了するまでの段階で添加すればよい。そのうちで
も、食用油を加水の時点で添加することが、生地中に均
一に分散できる点から好ましい。
【0020】本発明では、穀粉類として、麺類の種類な
どに応じて、麺類の製造に通常用いられている小麦粉、
米粉、大麦粉、そば粉、澱粉類、大豆粉等などの穀粉類
を使用することができる。また、本発明では、穀粉類、
リポキシゲナーゼ、リパーゼ、食用油以外に、麺類の種
類などに応じて、従来から汎用されている副原料や添加
剤、例えば食塩、かん水(かん粉)、乳化剤、ゲル化
剤、着色料、防腐剤、ビタミン類、ミネラル類、アミノ
酸などの栄養強化剤、山芋粉、卵または卵製品、茶粉
末、海草粉末などの1種または2種以上を使用すること
ができる。
【0021】本発明では、麺類を製造する際の製麺方法
や製麺装置、製麺条件などは特に制限されず、目的とす
る麺類の種類などに応じて、適当な方法および装置、条
件などを採用して行うことができる。限定されるもので
はないが、本発明で採用し得る製麺法としては、例え
ば、 (i) 穀粉類にリポキシゲナーゼ、リパーゼおよび場
合により食用油を添加し、加水混練して麺生地を調製
し、常法により複合−圧延−麺線への切出しを行って麺
類を製造する方法; (ii) 前記(i)と同様にして麺生地を調製し、それ
を棒状にした後に順次延伸して最終の太さの麺線にまで
するいわゆる手延べ式製麺法; (iii) 前記(i)と同様にして麺生地を調製し、そ
れを麺帯に形成し、その麺帯を所定の太さに切り出した
後に延伸して最終の麺線にする手延べ風製麺法; (iv) 前記(i)と同様にして麺生地を調製し、その
麺生地を麺棒等で板状にし、それを包丁で切り出すいわ
ゆる手打式製麺法; (v) リポキシゲナーゼ、リパーゼおよび場合により
食用油を添加した麺生地を押出機から麺線状に押出す押
出製麺法;などを挙げることができる。
【0022】特に、本発明において、上記した(iii)
の手延べ風製麺法を採用し、その際に麺生地の調製、麺
帯の形成、麺帯の麺線への切り出し、麺線の延伸を機械
によって自動的に行うと、硬さ、粘弾性、歯切れにおい
て極めて優れ、食感の極めて良好な、手延べ麺類に匹敵
する高い品質を有する麺類を生産性良く製造することが
できる。そして、上記した(iii)の方法を採用する場合
は、麺生地を調製する際の加水率を38〜55%の範囲
内にし、且つ麺線への切り出し後に行う延伸処理の延伸
倍率を1.5〜2.0倍の範囲内にすると、良好な作業
性で前記した高品質の麺類を円滑に得ることができる。
【0023】麺線への切り出し後に行う延伸処理に用い
る延伸装置や延伸方法などは特に制限されず、切り出さ
れた麺線を所望の細さに均一に延伸し得る延伸装置や延
伸方法であればいずれも採用可能である。限定されるも
のではないが、麺線の延伸装置としては、例えば特開平
7−123902号公報に記載されているような、ベル
トコンベアを上下方向に多段に配置し、直上段のベルト
コンベアの搬送方向先端が直下段のベルトコンベアの搬
送面上に位置するようにし、且つ直下段のベルトコンベ
アの回転速度を直上段のベルトコンベアの回転速度より
も速くしたベルトコンベア式の麺線延伸装置などが好ま
しく採用される。
【0024】本発明では麺類の種類は特に制限されず、
素麺、冷麦、うどん、平めん(ひもかわうどん)、日本
そば、麺皮類(ギョウザ、シュウマイ、春巻き、ワンタ
ンの皮等)などの麺類を製造することができる。そのう
ちでも、本発明は、素麺、冷麦、うどんなどのような、
硬さ、歯切れ、粘弾性などの点で優れていることが特に
求められる麺類の製造に適している。本発明で得られる
麺類は、生麺、茹麺、蒸麺、半乾燥麺、乾燥麺、冷凍
麺、即席麺などの任意の形態で流通販売することができ
る。ただし、生麺については、過度の酵素作用を防ぐた
めに、冷蔵(10℃以下)状態にしておくのが好まし
い。
【0025】
【実施例】以下に本発明を例により具体的に説明する
が、本発明はそれにより何ら限定されない。また、リポ
キシゲナーゼおよびリパーゼの活性は下記のようにして
測定した。
【0026】《リポキシゲナーゼの活性の測定》 (i) リノール酸を水に懸濁して濃度0.1Mの懸濁
液にし、これに等量の塩化アンモニウムを加えて0.1
Mリノール酸アンモニウム液を調製した後、それをリン
酸緩衝液(pH9.0)で希釈して0.1mMリノール
酸アンモニウム溶液調製する。 (ii) 上記(i)で得られる0.1mMリノール酸ア
ンモニウム溶液3mlをマノメーターフラスコに入れ、
一方該フラスコの側室に0.1〜0.5mlのリポキシ
ゲナーゼを入れて、フラスコごと25℃の恒温槽内に保
つ。 (iii) リノール酸アンモニウム液およびリポキシゲ
ナーゼの両方が25℃になった時点で、両者を混合して
波長234nmにおける吸光度を30分間測定し、23
4nmでの吸光度を1分間に0.001増加させる酵素
量(リポキシゲナーゼ量)を1unitとする。
【0027】《リパーゼの活性の測定》オリーブ油10
0mlと2%ポリビニルアルコール溶液150mlを乳
化させて基質とする。前記の基質5mlとマッキンベン
緩衝液(pH7.0)4mlおよび5×10-4%酵素液
1mlを混和して37℃で60分間反応させる。60分
後に反応を停止させた後、0.05N水酸化ナトリウム
水溶液にて滴定する。前記の条件下においてオレイン酸
1μmolに相当する酸を遊離させる活性を1unit
とする。
【0028】《実施例1〜5および比較例1〜4》 (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「金すずらん」]2
5kgに対して、食塩水12.5kg(食塩濃度10重
量%)およびサラダ油50g(小麦粉に対して0.2重
量%)と共に、リパーゼ[長瀬生化学工業(株)製「リ
リパーゼA−10」]およびリポキシゲナーゼ(Sig
ma社製「L8383」)を下記の表2に示す量で添加
しまたは添加せずに、縦型ミキサーに仕込み、常温下に
8分間混練して麺生地(加水率48%)を調製した。 (2) 上記(1)で得られた麺生地をミキサーより取
り出して、ロール式圧延装置を用いて常温下に複合・圧
延を行って麺帯にした後、#25Mの切刃(多加水麺生
地用のM字型の溝を有する切刃)を用いて麺線に切り出
した。 (3) 上記(2)で得られた麺線を、前記した特開平
7−123902号公報に記載されている多段式ベルト
コンベアからなる麺線延伸装置を用いて延伸倍率が1.
5〜1.6倍になるように常温下で延伸して、厚さ1.
0mm×幅1.0mmの麺線(素麺)を得た。
【0029】(4) 上記(3)で得られた麺線を竿に
掛けて、足止め乾燥(乾燥温度20℃、相対湿度80
%、乾燥時間30分)、一次乾燥(乾燥温度25℃、相
対湿度70%、乾燥時間1時間30分)および二次乾燥
(乾燥温度35℃、相対湿度70%、乾燥時間6時間)
を順次行って乾麺(水分含量約13重量%)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られた乾麺100gを、その製
造1カ月後に沸騰水1リットルに入れて可食状態になる
まで茹でた(茹で歩留り270%)。なお、ここでいう
茹で歩留り270%は、乾麺100gを茹でて茹で上げ
後の重量が270gであったことを意味する。 (6) 上記(5)で得られた茹で麺の品質を、下記の
表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに評
価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2
に示すとおりであった。
【0030】《実施例6〜8および比較例5〜7》 (1) 小麦粉[日清製粉(株)製「金すずらん」]2
5kgに対して、食塩水12.5kg(食塩濃度10重
量%)と共に、リパーゼ]長瀬生化学工業(株)製「リ
リパーゼA−10」]およびリポキシゲナーゼ(Sig
ma社製「L8383」)を下記の表2に示す量で添加
しまたは添加せずに、縦型ミキサーに仕込み、常温下に
8分間混練して麺生地(加水率48%)を調製した。 (2) 上記(1)で得られた麺生地をミキサーより取
り出して、ロール式圧延装置を用いて常温下に複合・圧
延を行って麺帯にした後、#25Mの切刃(多加水麺生
地用のM字型の溝を有する切刃)を用いて麺線に切り出
した。 (3) 上記(2)で得られた麺線を、前記した特開平
7−123902号公報に記載されている多段式ベルト
コンベアからなる麺線延伸装置を用いて延伸倍率が1.
5〜1.6倍になるように常温下で延伸して、厚さ1.
0mm×幅1.0mmの麺線(素麺)を得た。
【0031】(4) 上記(3)で得られた麺線を竿に
掛けて、足止め乾燥(乾燥温度20℃、相対湿度80
%、乾燥時間30分)、一次乾燥(乾燥温度25℃、相
対湿度70%、乾燥時間1時間30分)および二次乾燥
(乾燥温度35℃、相対湿度70%、乾燥時間6時間)
を順次行って乾麺(水分含量約13重量%)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られた乾麺100gを、その製
造1カ月後に沸騰水1リットルに入れて可食状態になる
まで茹でた(茹で歩留り270%)。なお、ここでいう
茹で歩留り270%は、乾麺100gを茹でて茹で上げ
後の重量が270gであったことを意味する。 (6) 上記(5)で得られた茹で麺の品質を、下記の
表1に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに評
価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2
に示すとおりであった。
【0032】
【表1】 [茹で麺の品質の評価基準] 評点: 評価の内容 3点:極めて良好な硬さと歯切れを有し、粘弾性に優れ、食感が極めて 良好である。 2点:適度な硬さと歯切れを有し、食感がほぼ良好である。 1点:食感が標準的な機械麺と同等またはそれ以下である。
【0033】
【表2】
【0034】上記の表2の結果から、小麦粉1kg当た
り、リポキシゲナーゼを450〜450,000uni
tおよびリパーゼを1,000〜100,000uni
tの範囲内の量で添加して麺生地を調製し、該麺生地を
用いて麺類を製造している実施例1〜8による場合は、
リポキシゲナーゼおよびリパーゼの一方または両方を添
加せずに麺類を製造している比較例3、4および7並び
にリポキシゲナーゼおよびリパーゼの両方を添加してい
るものの添加量が本発明の範囲から外れている比較例1
〜2および比較例5〜6に比べて、硬さ、歯切れ、粘弾
性に優れる食感の良好な高品質の麺類が得られることが
わかる。そして、上記の表2の結果から、小麦粉1kg
当たり、リポキシゲナーゼを450〜450,000u
nitおよびリパーゼを1,000〜100,000u
nitの範囲内の量で添加すると共に食用油を更に添加
して麺生地を調製し、その麺生地を用いて麺類を製造し
ている実施例1〜5による場合は、品質に一層優れる麺
類が得られることがわかる。
【0035】
【発明の効果】穀粉類1kg当たり、リポキシゲナーゼ
を450〜450,000unitおよびリパーゼを
1,000〜100,000unitの割合で添加して
麺類を製造する本発明による場合は、適度な硬さを有
し、歯切れが良く、粘弾性および滑らかさに優れ、食感
の良好な高品質の麺類を得ることができる。さらに、穀
粉類1kg当たり、リポキシゲナーゼを450〜45
0,000unitおよびリパーゼを1,000〜10
0,000unitの割合で添加すると共に食用油を更
に添加して麺類を製造する本発明による場合は、硬さ、
歯切れ、粘弾性および滑らかさに一層優れ、食感の一層
良好な極めて高い品質の麺類を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 救護 勝 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社生産技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粉類1kg当たり、リポキシゲナーゼ
    を450〜450,000unitおよびリパーゼを
    1,000〜100,000unitの割合で添加して
    麺生地を調製し、該麺生地を用いて麺類を製造すること
    を特徴とする麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 穀粉類1kg当たり、リポキシゲナーゼ
    を450〜450,000unitおよびリパーゼを
    1,000〜100,000unitの割合で添加する
    と共に食用油を添加して麺生地を調製し、該麺生地を用
    いて麺類を製造することを特徴とする麺類の製造方法。
  3. 【請求項3】 麺生地における加水率を38〜55%に
    し、その麺生地を麺帯に形成し、それを麺線に切り出し
    た後、1.5〜2.0倍の延伸倍率で延伸して所望の麺
    線にする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 穀粉類1kg当たり、リポキシゲナーゼ
    を450〜450,000unitおよびリパーゼを
    1,000〜100,000unitの割合で添加して
    あることを特徴とする麺類用穀粉組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002020730A2 (en) 2000-09-05 2002-03-14 Novozymes A/S Manganese lipoxygenase
AU2003243928B2 (en) * 2002-07-03 2009-03-12 Novozymes A/S Treatment of dough with a lipoxygenase and a lipolytic enzyme
JP6066016B2 (ja) * 2014-10-06 2017-01-25 不二製油株式会社 麺類の製造方法及び麺用ほぐれ改良剤

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