JP2002191306A - 食品の品質改良剤及び該剤を用いた食品 - Google Patents

食品の品質改良剤及び該剤を用いた食品

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JP2002191306A
JP2002191306A JP2000397870A JP2000397870A JP2002191306A JP 2002191306 A JP2002191306 A JP 2002191306A JP 2000397870 A JP2000397870 A JP 2000397870A JP 2000397870 A JP2000397870 A JP 2000397870A JP 2002191306 A JP2002191306 A JP 2002191306A
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durum
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Hiroshi Takahashi
央 高橋
Masashi Ishii
政司 石井
Kiminari Yamada
公成 山田
Kazunori Nishimura
和典 西村
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Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 食感や色調等に優れた食品を得るための特性
を発揮する品質改良剤の提供。 【解決手段】 デュラム小麦扮の蛋白含量が30%以上
に濃縮されたデュラム小麦蛋白濃縮物を有効成分とする
食品の品質改良剤。品質改良される食品は小麦扮食品で
あり、更には麺類である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の品質改良剤
及び該剤を用いた高品質な食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の嗜好性の向上にともな
い、食感など食品の品質に対する要求は厳しくなってき
ている。そこで、従来から、マカロニ、スパゲッティな
どのパスタ類、うどん、そば、中華麺、皮物などの麺類
を製造する際に、食感の強化や経時変化の抑制を目的と
して、グルテンを配合することが行われている(小麦蛋
白−その化学と加工技術、食品研究社、昭和55年3月
5日、第169〜171頁)。
【0003】後述するように、小麦には、普通系小麦と
デュラム小麦とがあるが、両者は、染色体を異にし、植
物学的には別種のものである。現在使用されているグル
テンは、普通系小麦からの小麦粉の内、主として蛋白含
量の高い強力小麦粉や準強力小麦粉等から分離して製造
されている。
【0004】ところが、小麦粉食品などの食品、特に麺
類の製造に、このような通常の普通系小麦粉から分離し
たグルテンを用いると、色調は暗く赤みを帯びたものと
なりやすく、また食感は強化されるものの、弾力性とい
うよりは硬さが際立つ麺類となる問題点がある。
【0005】一方、デュラム小麦は、粉砕されセモリナ
(一般にデュラムセモリナと称される)として市販され
ており、主にパスタの製造に使用されているが、通常の
普通系小麦とは違い、デュラム小麦から分離した蛋白質
を、食品の品質改良剤として利用した技術は殆どない。
【0006】以上のように、高品質の食品を得るため
の、新たな品質改良剤の開発が待たれているのが現状で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食感
や色調などに優れた食品を得るための特性を発揮する品
質改良剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、デュラム
小麦の蛋白濃縮物が、食品の食感や色調などに優れた特
性を発揮することを見出し、更に研究を重ねた結果、本
発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、以下の構成からなる、食
品の品質改良剤及び該剤を用いた高品質な食品に関する
ものである。 (1)デュラム小麦蛋白濃縮物を有効成分とする食品の
品質改良剤。 (2)デュラム小麦蛋白濃縮物が、デュラム小麦粉の蛋
白含量が30%以上に濃縮されたものである上記1記載
の食品の品質改良剤。 (3)食品が小麦粉食品である上記1又は2記載の食品
の品質改良剤。 (4)小麦粉食品が麺類である上記3記載の食品の品質
改良剤。 (5)小麦粉及びデュラム小麦蛋白濃縮物を必須成分と
する小麦粉食品用組成物。 (6)小麦粉食品が麺類である上記5記載の小麦粉食品
用組成物。
【0010】本発明の特徴とするところは、食品の食感
や色調等を改善する品質改良剤として、デュラム小麦粉
から得られる小麦蛋白濃縮物を用いる点にある。
【0011】本発明は、以下の新事実の発見に基づいて
なされたものである。「デュラム小麦蛋白濃縮物には、
食品の食感や色調などに優れた特性を発揮すること、即
ち、例えば小麦粉食品、特に麺類においては、色調とし
ては、明るく、赤みが抑制されて好ましい黄色みが強く
なるとともに、食感としては、弾力や歯ごたえがある良
好な食感を与える特性があること。」
【0012】上記のような優れた特性は、通常の普通系
小麦グルテンでは実現不可能であり、本発明のデュラム
小麦蛋白濃縮物で初めて実現されるものであって、該濃
縮物は、食品の品質改良剤として、小麦粉食品、特に麺
類の品質改良剤として最適である。
【0013】前述したように、デュラム小麦は、粉砕さ
れセモリナ(一般にデュラムセモリナと称される)とし
て市販されており、主にパスタの製造に使用されている
が、該小麦から分離した蛋白質を食品の品質改良剤とし
て利用した技術は殆どないだけに、上記のデュラム小麦
蛋白濃縮物の小麦粉食品等の食品に対する特性は、全く
予想外なことであった。
【0014】小麦には、デュラム小麦や普通系小麦(強
力系、準強力系、中力系、薄力系)等がある。デュラム
小麦は、植物学的分類では、「二粒系小麦」に属し、2
粒稔実し、28の染色体からなるものである。一方、普
通系小麦は、「普通系小麦」に属し、3粒以上稔実し、
42の染色体からなるものである。このように、デュラ
ム小麦と普通系小麦は染色体が異なるので、両者は、植
物学的には別種のものとして取り扱われている。
【0015】従って、本発明のデュラム小麦蛋白濃縮物
が、通常の小麦(普通系)グルテンにはない、上記のよ
うな優れた特性を有する理由は、このような染色体の違
いから生起したものと推察される。何れにしても、本発
明が発見した、デュラム小麦蛋白濃縮物の上記の特性は
全く意外な結果であり、本発明の構成要件の選択には格
別の意義があることが分かるであろう。
【0016】以上のように、本発明のデュラム小麦蛋白
濃縮物を有効成分とする食品の品質改良剤は、小麦粉食
品、特に麺類の品質(食感や色調)に対して、即ち、食
感としては、弾力や歯ごたえがある良好な食感を与える
とともに、色調としては、明るく、赤みが抑制されて好
ましい黄色みが強くなるという、特段の効果を奏するの
で、このような食品の品質改良剤を用いて小麦粉食品等
の食品、特に麺類を製造すると、上記のような食感や色
調等に優れた品質の麺類を得ることができる点におい
て、本発明は価値が高い。
【0017】以下、本発明について、更に詳細に説明す
る。本発明の食品の品質改良剤は、デュラム小麦蛋白濃
縮物を有効成分とするものであり、該剤を小麦粉に添加
して小麦粉食品用組成物とし、該組成物から高品質の小
麦粉食品を製造することができる。
【0018】以下、上記の構成成分や小麦粉食品等につ
いて、説明する。 (イ) デュラム小麦蛋白濃縮物 本発明のデュラム小麦蛋白濃縮物とは、デュラム小麦粉
中の蛋白質を濃縮したものを言い、本発明の根幹をなす
ものである。なお、前述したように、原料のデュラム小
麦は、普通系小麦とは植物学的には種類が異なる。
【0019】本発明のデュラム小麦蛋白濃縮物は、通常
デュラム小麦粉中の蛋白量は12〜14%程度である
が、これを濃縮することにより蛋白含量を高めたもの、
例えば、蛋白量30%以上、好ましくは70%以上のも
のがよい。
【0020】本発明のデュラム小麦蛋白濃縮物は、通常
の小麦グルテンの製造法と同様の方法により、デュラム
小麦粉から分離(濃縮)することができる。デュラム小
麦粉からの蛋白質の分離(濃縮)法としては、例えば、
水にて小麦蛋白質を濃縮させる物理的分離法(マルチン
法、フエスカ法、バター法、アルファ・ラバルーオイ・
ベーネ法等)、pH調製により小麦蛋白質を分散させる
化学的分離法(アルカリ法、アンモニア法等)、酵素に
て澱粉を溶解させる酵素的分離法(α−アミラーゼ法)
が挙げられる。
【0021】得られたデュラム小麦蛋白濃縮物は、生の
ままかまたは冷凍して、或いは乾燥して食品の品質改良
剤として利用される。分離した蛋白質を劣化させないた
めには、乾燥して粉末にするのがよい。その場合の乾燥
法としては、例えば、真空乾燥、気流乾燥、バンド乾燥
等の直接乾燥法や、ドラム乾燥、噴霧乾燥等の分散乾燥
法等が挙げられる。
【0022】(ロ) 小麦粉食品用組成物 本小麦粉食品用組成物は、小麦粉に、本発明の食品の品
質改良剤であるデュラム小麦蛋白濃縮物を配合したもの
であって、該組成物から優れた品質の小麦粉食品、例え
ば麺類を得ることができる。
【0023】小麦粉には、代表的には、普通系小麦から
の強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等があるが、前述
したように、これらの小麦は、植物学的には何れも「普
通系小麦」に属し、3粒以上稔実し、42の染色体から
なるものである。
【0024】このような普通系小麦の代表例としては、
アメリカ産のウェスタン・ホワイト、オーストラリア産
のソフトなどの蛋白質含有量の少ない薄力系小麦;日本
産農林61号、ホロシリコムギ、オーストラリア産スタ
ンダード・ホワイトなどの蛋白質含量の中程度の中力系
小麦;アメリカ産のハード・レッド・ウインター、ハー
ド・レッド・スプリング、カナダ産のウェスタン・レッ
ド・スプリング、オーストラリア産のプライム・ハード
などの高蛋白質含量の強力系や準強力系の小麦を挙げる
ことができる。
【0025】一方、デュラム小麦粉のデュラム小麦は、
前述したように、植物学的には「二粒系小麦」に属し、
2粒稔実し、28の染色体からなるものである。このよ
うなデュラム小麦は、硝子質粒を60%以上(大半のも
のが75%以上)含有し、その蛋白含有率も平均で14
%を越える硬質で高蛋白質含量の小麦である。
【0026】このように、小麦粉には、普通系小麦から
の強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等とデュラム小麦
からのデュラム小麦粉があるが、小麦粉食品に応じて適
宜選択すればよい。小麦粉食品が麺類の場合、マカロニ
やスパゲティ等ではデュラム小麦粉、中華麺やそばでは
準強力粉、うどんやそうめん等では中力粉を使用するの
がよい。
【0027】本発明のデュラム小麦蛋白濃縮物の配合量
は、小麦粉食品の種類により異なるが、通常、小麦粉1
00重量部に対して、0.5〜20重量、好ましくは1
〜15重量でよい。本組成物には、後述する添加剤等を
適宜配合することができる。
【0028】(ハ) 添加剤等 本発明の小麦粉食品の製造方法においては、通常、小麦
粉食品に混合される原料又は添加物を混合することがで
きる。
【0029】これらの例としては、例えば、そば粉、米
粉、トウモロコシ粉等の穀粉類;馬鈴薯澱粉、タピオカ
澱粉、サゴ澱粉、コーン澱粉、小麦澱粉、米澱粉、等の
澱粉類又はそれらの有機酸エステル、リン酸架橋、エー
テル化、酸化などを施した化工澱粉類;卵白、乳蛋白、
大豆蛋白等の動植物性蛋白質類;キサンタンガム、グア
ガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、カードラ
ン、寒天、コンニャク、ゼラチン、タマリンドガム、ペ
クチン、ジェランガム、アルギン酸又はその塩類等のガ
ム類;糖質またはその還元物、グリセリン、プロピレン
グリコールなどのポリオール類;油脂類;グリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル、レシチン、酵素処理レシチン等の乳化剤類;
クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン
酸、リン酸、炭酸、塩酸、硫酸等の酸類またはそのナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩
類が挙げられる。これらはその一種又は二種以上を併用
してもよい。
【0030】本発明においては、これらの添加剤の添加
時期は特に制限されず、例えば、小麦粉食品として麺類
を製造する場合、麺類用組成物の調製時や該組成物から
実際に麺類を製造する時等が挙げられる。その場合の添
加方法も限定されないが、添加方法としては、小麦粉に
混合する方法と水に溶解させる方法があり、添加剤の性
質に応じて適宜選択する。
【0031】(ニ) 小麦粉食品 上記の小麦粉及び本発明の食品の品質改良剤であるデュ
ラム小麦蛋白濃縮物からなる小麦粉食品用組成物を用い
て、高品質の小麦粉食品を製造することができる。
【0032】小麦粉食品が麺類の場合、うどん、日本そ
ば、中華麺などの生麺類;それらの乾麺類、冷麦、素麺
などの乾麺類;焼きそば、茹でうどん、茹で日本そば、
茹で中華麺及びそれらの冷凍品などの調理麺類;ギョウ
ザ、シュウマイ、ワンタンなどの皮物類;うどん、日本
そば、中華麺などの即席麺類;マカロニ、スパゲティな
どのパスタ類等を挙げることができる。
【0033】上記の場合の製麺方法は、常法によればよ
く、混捏、麺帯成形、麺帯複合、麺帯熟成、麺帯圧延、
切断(麺線とする)または型抜き(ギョウザの皮な
ど)、押出し等の工程で製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定
されない。以下の例において、「部」、「%」は、特に
断らない限り、「重量部」、「重量%」を意味する。
【0035】(1) 蛋白濃縮物の調製
【実施例1〜3】(デュラム小麦の蛋白濃縮物の調製) デュラム小麦粉から、蛋白質含量(乾燥重量)が30
%、75%、85%の3種類のデュラム小麦蛋白濃縮物
を、以下の方法により調製した。
【0036】デュラム小麦粉1部に対して水0.6部を
加え、混捏する。形成された生地玉を、20分間、30
℃の湯浴中にて放置した後、水中にて水洗し、澱粉を洗
い出して、デュラム小麦蛋白濃縮物を得た。この場合、
水洗の度合いを変えることにより、蛋白質含量の異なる
ものを得た。
【0037】次いで、得られた生の各小麦蛋白濃縮物
を、真空凍結乾燥機にて乾燥後粉砕して粉末状とし、蛋
白質含量(乾燥重量)30%(実施例1)、75%(実
施例2)、85%(実施例3)の乾燥されたデュラム小
麦蛋白濃縮物を得た。
【0038】
【比較例1〜3】(強力小麦の蛋白濃縮物の調製)比較
対照用として、デュラム小麦粉を、強力小麦粉に代えた
以外は、実施例1〜3と同様にして、蛋白質含量(乾燥
重量)30%(比較例1)、75%(比較例2)、85
%(比較例3)の強力小麦蛋白濃縮物を調製した。
【0039】以上の実施例及び比較例で調製した小麦蛋
白濃縮物をまとめると、表1の通りである。
【0040】
【表1】
【0041】(2) 麺類の製造 上記の小麦蛋白濃縮物を用いて、麺類用組成物を調製し
た後、該組成物から通常の方法により麺類を製造した。
【0042】以下の実施例では、本発明の麺類を製造す
るとともに、その比較対照用に、相当する比較例の麺類
も製造し、両者の対比に基づいて、本発明の麺類の評価
を行った。
【0043】
【実施例4〜6、比較例4〜6】(パスタの製造)原料
のデュラム小麦粉(デュラムセモリナ)に、小麦蛋白濃
縮物として、実施例4〜6では、実施例1〜3のデュラ
ム小麦蛋白濃縮物(実施例1:30%濃縮物、実施例
2:75%濃縮物、実施例3:85%濃縮物)を、比較
例4〜6では、比較例1〜3の強力小麦蛋白濃縮物(比
較例1:30%濃縮物、比較例2:75%濃縮物、比較
例3:85%濃縮物)を、それぞれ配合して、デュラム
小麦粉97%及び上記の各蛋白濃縮物3%からなる、各
パスタ用組成物を調製した。
【0044】次いで、得られた各パスタ用組成物100
gに対して、28gの水を加えた後、10分間混合してそ
ぼろ状の生地を得た。この生地を、600mmHgの圧力で
脱気しながら80kg/cm2以上の圧力で圧縮し、ダイス
孔から押し出してφ1.6mmパスタを成形した。このパ
スタを恒温恒湿機にて乾燥し、乾燥パスタ(水分約12
%)を製造した。
【0045】
【実施例7〜8、比較例7〜8】(パスタの製造)実施
例7又は8では、実施例1又は2のデュラム小麦蛋白濃
縮物3%配合を、6%配合に代えた以外は、実施例4又
は5と同様にして、また、比較例7又は8では、比較例
1又は2の強力小麦蛋白濃縮物3%配合を、6%配合に
代えた以外は、比較例4又は5と同様にして、各パスタ
用組成物を製造した後、同様にして、該組成物からパス
タを製造した。
【0046】
【実施例9、比較例9】(パスタの製造)実施例9で
は、実施例1のデュラム小麦蛋白濃縮物3%配合を、1
0%配合に代えた以外は、実施例4と同様にして、ま
た、比較例9では、比較例1の強力小麦蛋白濃縮物3%
配合を、10%配合に代えた以外は、比較例4と同様に
して、各パスタ用組成物を製造した後、同様にして、該
組成物からパスタを製造した。
【0047】上記のようにして得た実施例4〜9及び比
較例4〜9の乾燥パスタについて、下記(4)の評価法
により食感、色調についての評価を行った。
【0048】先ず、得られた乾燥パスタについて、色調
の測定を行った。次に、パスタ100gずつ、十分量の
沸騰水中で茹で、増重量が2.40±0.02倍になる
ように茹で時間を調整しながら茹で上げた後、熱いミー
トソースをかけて、下記(4)の評価法により食感の評
価を行った。茹で伸びは、室温で5分放置した後に、評
価した。評価の結果は、下記(5)の表4に示した。
【0049】
【実施例10、比較例10】(うどんの製造)原料(中
力粉)に、小麦蛋白濃縮物として、実施例10では、実
施例2のデュラム小麦蛋白75%濃縮物を、比較例10
では、比較例2の強力小麦蛋白75%濃縮物を、それぞ
れ配合して、中力粉99%、及び該蛋白濃縮物1%から
なる、各うどん用組成物を調製した。
【0050】次いで、得られたうどん用組成物100g
に対して、4gの食塩と42gの水を加えた後(食塩は予
め水に溶解させて加えた)、15分間混合してそぼろ状
の生地を得た。そぼろ状の生地を成形ロールにて帯状に
成形し、室温下(20℃)にビニール袋中で30分間熟
成させる。
【0051】その後、圧延ロールにて約3.0mm圧の麺
帯に圧延し、No.9の薄切刃を用いて麺線に切出して、
生うどんを製造した。
【0052】上記のようにして得た生うどんについて、
下記(4)の評価法により食感、色調についての評価を
行った。先ず、得られた生うどんについて、色調の測定
を行った。次に、生うどん140gずつ、十分量の沸騰
水中で茹で、増重量が1.70±0.02倍になるよう
に茹で時間を調整しながら茹で上げた後、熱い麺つゆの
入ったどんぶりに入れ、下記(4)の評価法により食感
の評価を行った。茹で伸びは室温で5分放置した後に、
評価した。評価結果は、下記(5)の表4に示した。
【0053】
【実施例11、比較例11】(中華麺の製造)原料(準
強力粉)に、小麦蛋白濃縮物として、実施例11では、
実施例2のデュラム小麦蛋白75%濃縮物を、比較例1
1では、比較例2の強力小麦蛋白75%濃縮物を、それ
ぞれ配合して、準強力粉98%及び該蛋白濃縮物2%か
らなる、各中華麺用組成物を調製した。
【0054】次いで、得られた各中華麺用組成物100
gに対して、1gの食塩と1gのかん水と38gの水を加え
た後(食塩・かん水は予め水に溶解させて加えた)、1
5分間混合してそぼろ状の生地を得た。そぼろ状の生地
を成形ロールにて帯状に成形し、室温下(20℃)にビ
ニール袋中で30分間熟成させる。この後圧延ロールに
て約1.2mm厚の麺帯に圧延し、No.20の角切刃を用
いてウェーブ有りの麺線に切出して、生中華麺を製造し
た。
【0055】上記のようにして得た生中華麺について、
下記(4)の評価法により食感、色調についての評価を
行った。先ず、得られた生中華麺について、色調の測定
を行った。次に、生中華麺140gずつ、十分量の沸騰
水中で茹で、増重量が1.70±0.02倍になるよう
に茹で時間を調整しながら茹で上げた後、熱いスープの
入ったどんぶりに入れて、下記(4)の評価法により食
感の評価を行った。茹で伸びは室温で5分放置した後
に、評価した。評価結果は、下記(5)の表4に示し
た。
【0056】
【実施例12、比較例12】(そばの製造)原料(準強
力粉、そば粉)に、小麦蛋白濃縮物として、実施例12
では、実施例2のデュラム小麦蛋白75%濃縮物を、比
較例12では、比較例2の強力小麦蛋白75%濃縮物
を、それぞれ配合して、準強力粉57%、そば粉40
%、及び該蛋白濃縮物3%からなる、各そば用組成物を
調製した。
【0057】次いで 、得られたそば用組成物100gに
対して、1gの食塩と30gの水を加えた後(食塩は予め
水に溶解させて加えた)、12分間混合してそぼろ状の
生地を得た。そぼろ状の生地を成形ロールにて帯状に成
形し、室温下(20℃)にビニール袋中で30分間熟成
させる。この後圧延ロールにて約1.3mm厚の麺帯に圧
延し、No.20の角切刃を用いて麺線に切出して、生そ
ばを製造した。
【0058】上記で得られた生中華麺を140gずつ、
十分量の沸騰水中で茹で、増重量が1.70±0.02
倍になるように茹で時間を調整しながら茹で上げた後、
熱い麺つゆの入ったどんぶりに入れ、下記(4)の評価
法により食感の評価を行った。茹で伸びは室温で5分放
置した後に、評価した。評価結果は、下記(5)の表4
に示した。
【0059】(3)麺類用組成物 上記の実施例及び比較例において調製した、麺類を製造
するための麺類用組成物をまとめると、表2の通りであ
る。
【表2】
【0060】(4) 評価法 麺類の評価は、以下の食感及び色調の評価で行っ
た。
【0061】 食感 食感評価は、当社専門パネラー10名により実施し、各
々の実施例の比較例に該当する同一番号の比較例との対
照により行った(例えば、実施例4:比較例4、実施例
5:比較例5等)。
【0062】各実施例の対照比較例と比較したときの評
価を、下記の「品質評価基準」に従って採点した。これ
らの平均が−0.5以上+0.5未満のものを「△」、
+0.5以上+1.0未満のものを「○」、+1.0以
上のものを「◎」として、結果を上記の表3に示した。
【0063】「品質評価基準」 (弾力性) +2点:弾力が強い +1点:弾力がやや強い 0点:同等の弾力 −1点:弾力がやや弱い −2点:弾力が弱い
【0064】(コシ) +2点:コシが強い +1点:コシがやや強い 0点:同等のコシ −1点:コシがやや弱い −2点:コシが弱い
【0065】(茹で伸び感) +2点:茹で伸び感が少ない +1点:茹で伸び感がやや少ない 0点:茹で伸び感は同等 −1点:茹で伸び感がやや強い −2点:茹で伸び感が強い
【0066】 色調 (イ)色調の測定法 MINOLTA色彩色差計CR−300を用いて、下記の表3の
色差記号表のL値(明度指数)、a値(クロマティクネ
ス指数)、b値(クロマティクネス指数)を測定した。
【0067】 (ロ)色調の算出 明度: △L=実施例の測定値−対照の比較例の測定値 赤み度: △a= 同 黄色み度: △b= 同 (例えば、実施例4の測定値−比較例4の測定値)。
【0068】(ハ)評価 例えば、パスタの色調は、明るく(△L値が高い)、赤
みが弱く(△a値が低い)、黄色味が強い(△b値が高
い)方が良い。また、その他の麺類においても黄色は好
ましい色調である。
【0069】
【表3】
【0070】(5)麺類の評価 上記の実施例(比較例)で製造した、麺類の評価の結果
は、表4の通りである。
【0071】
【表4】
【0072】上記の表4の結果から、本発明のデュラム
小麦蛋白濃縮物には、通常の普通系小麦グルテンに比
し、格段に優れた品質(食感、色調)向上作用があるの
で、該蛋白濃縮物は食品の品質改良剤として有用である
ことが分かる。
【0073】
【発明の効果】本発明のデュラム小麦蛋白濃縮物を有効
成分とする食品の品質改良剤は、小麦粉食品、特に麺類
の品質(食感や色調)に対して、即ち、食感としては、
弾力や歯ごたえがある良好な食感を与えるとともに、色
調としては、明るく、赤みが抑制されて好ましい黄色み
が強くなるという、特段の効果を奏する。
【0074】従って、このような食品の品質改良剤を用
いて麺類等の食品を製造すると、上記のような食感や色
調等に優れた品質の麺類等の食品を得ることができる点
において、本発明は価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 公成 千葉県市川市東大和田2−4−10 昭和産 業株式会社食品開発センター内 (72)発明者 西村 和典 千葉県市川市東大和田2−4−10 昭和産 業株式会社食品開発センター内 Fターム(参考) 4B046 LA01 LC01 LC08 LG20 LG29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デュラム小麦蛋白濃縮物を有効成分とす
    る食品の品質改良剤。
  2. 【請求項2】 デュラム小麦蛋白濃縮物が、デュラム小
    麦粉の蛋白含量が30%以上に濃縮されたものである請
    求項1記載の食品の品質改良剤。
  3. 【請求項3】 食品が小麦粉食品である請求項1又は2
    記載の食品の品質改良剤。
  4. 【請求項4】 小麦粉食品が麺類である請求項3記載の
    食品の品質改良剤。
  5. 【請求項5】 小麦粉及びデュラム小麦蛋白濃縮物を必
    須成分とする小麦粉食品用組成物。
  6. 【請求項6】 小麦粉食品が麺類である請求項5記載の
    小麦粉食品用組成物。
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