JP2012065554A - 食感改良剤 - Google Patents

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淳 市川
Sachihiro Sugawara
幸博 菅原
Yasuyuki Oishi
泰之 大石
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丘 大森
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Abstract

【課題】配合時に添加することにより、穀類加工食品を、水分含量の比較的高いものにはしっとりとソフトな食感を付与し、水分含量の低いものにはサクサクとした食感を付与する、食感改良剤を実現する。
【解決手段】ゼラチンを特定の分子サイズに加水分解することにより得られた加水分解物を、配合時に添加することにより、味に影響を与えることなく、水分含量の比較的高い穀類加工食品には弾力がありながらもしっとりとソフトな食感を水分量の低い穀類加工食品にはサクサクとした食感を与える効果を持たせる。加水分解物は、平均分子量を約2、000〜約30、000、好ましくは約3、000〜約15、000、より好ましくは約4、000〜約7000のゼラチン加水分解物とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、小麦粉等の穀類を主原料とした穀類加工食品(例えば、麺、パン、クッキー、ドーナッツなど)の食感改良剤に関し、特に、本発明は、上記穀類加工食品において水分含量の比較的高いものにはしっとりとソフトな食感を付与し、水分含量の低いものにはサクサクとした食感を付与する食感改良剤に関する。
従来、食感改良剤としては澱粉、グルコマンナンなどの多糖類(特許文献1、2参照)、ステロイル乳酸カルシウムやショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤(特許文献3、4参照)などが、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いられていた。
さらに、味に影響を与えることが少なく、比較的安価かつ汎用性の広い食感改良剤として、大豆蛋白、乳蛋白、卵蛋白、ゼラチン、コラーゲンなどの蛋白質由来の素材も食感改良剤として用いられていた。
特開平11−56217号公報 特開2006−115792号公報 特開平2−222639号公報 特開平4−66077号公報
上記のとおり、澱粉や多糖類は従来食感改良剤として使用されているが、澱粉は周りの水分を吸収しゲル化することなどにより食感を損なうことがあり、多糖類はソフトな食感が得られないなど、それぞれ効果が不十分であった。
また、乳化剤は、有機酸臭がするものやPHによる影響を受けるものがあり、また、心地よい弾力が失われるなど効果が不十分で、さらに食品添加物として使用基準が定められており汎用性に乏しいものもあった。
また、上記澱粉、多糖類、乳化剤等の従来の食感改良剤は、必ずしも値段が安いとは言えないという問題があった。
大豆蛋白、乳蛋白、卵蛋白、ゼラチン、コラーゲンなどの蛋白質由来の食感改良剤は、臭いが気になる、効果が弱い、あるいはソフトにはなるものの、水っぽい、あるいはねちゃついた食感になるなどの欠点があり、さらには.粉末状態では吸湿性が高く、液体状態では粘性が高くハンドリングに乏しい、などの問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、配合時に添加することにより、穀類加工食品を、水分含量の比較的高いものにはしっとりとソフトな食感を付与し、水分含量の低いものにはサクサクとした食感を付与することのできる食感改良剤を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物から成り、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉、あわ粉等を主原料とした穀類加工食品の食感を改良する食感改良剤であって、前記ゼラチン加水分解物の平均分子量は、2、000〜30、000であることを特徴とする食感改良剤を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物から成り、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉、あわ粉等を主原料とした穀類加工食品の食感を改良する食感改良剤であって、前記ゼラチン加水分解物の平均分子量は、3、000〜15、000であることを特徴とする食感改良剤を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物から成り、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉、あわ粉等を主原料とした穀類加工食品の食感を改良する食感改良剤であって、前記ゼラチン加水分解物の平均分子量は、4、000〜7、000であることを特徴とする食感改良剤を提供する。
前記ゼラチン加水分解物は、前記ゼラチンをプロテアーゼ処理、酸処理、アルカリ処理又は熱水分解により得られたペプチド混合物である。
前記ゼラチン加水分解物は、蛋白質分解酵素としてトリプシン、ペプシン、パパイン又はサーモライシンを使用し、前記ゼラチン成分を、30〜80℃の温度で、0.5〜3時間反応させてプロテアーゼ処理し、限外ろ過、珪藻土ろ過、イオン交換樹脂、逆浸透ろ過又は活性炭処理で、精製することにより得られたペプチド混合物であることが好ましい。
前記ゼラチン加水分解物の原料は、哺乳動物、鶏又は魚の皮膚又は骨の結合組織に含有される構造タンパク質であるコラーゲンを変性抽出して得られたゼラチンであることが好ましい。
前記穀類加工食品は、例えば、麺、パン、菓子又はころもである。
本発明に係る食感改良剤は、ゼラチンを加水分解して分子サイズを減じて成るゼラチン加水分解物であるが、このような食感改良剤を穀類加工食品の素材に添加すると、次のような効果が生じる。
穀類加工食品の素材として小麦粉等の穀類を主原料とした、麺、パン、ケーキ、団子、まんじゅう、パスタなどの水分含量の比較的高い穀類加工食品には、適度に弾力を保ちながらもしっとりとしたソフトな食感を付与し、クッキー、スナック類、ころも類などの水分量の低い穀類加工食品にはサクサクとした軽い食感を付与し、また、ドーナツ、揚げパンなどに外側面(表面)がサクサクとし、中身はしっとりとしたソフトな食感を付与することができる。
そして、このような食感は、穀類加工食品のいずれにも味に影響を与えることなく得られる。また、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物は、吸湿性が少なく、水に溶けても高粘度を発することがないので、ハンドリングに優れている。
本発明に係る食感改良剤を適用したパン及びクッキーについての食感評価試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用した食パンについての測定試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用したパウンドケーキについての測定試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用したケーキタイプドーナッツについての測定試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用した発酵タイプドーナッツについての測定試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用した団子についての測定試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用したパスタについての測定試験を示す表である。 本発明に係る食感改良剤を適用したころもについての食感評価試験を示す表である。
本発明に係る食感改良剤を実施するための形態を、実施例、試験例なども含めて、以下説明する。
本発明者らは、穀類加工食品の食感を改良するために、いろいろな材料を利用して、食感改良剤について、鋭意研究開発を行っていた。その一環として、ゼラチンを加水分解することにより得られた分解物(本明細書及び本発明において「ゼラチン加水分解物」という)を、穀類加工食品の素材に添加し穀類加工食品を製造してみた。
このようにして製造した穀類加工食品の食感評価試験を行ったところ、ゼラチン加水分解物は、穀類加工食品の味に影響を与えることなく、水分含量の比較的高い穀類加工食品には弾力がありながらもしっとりとソフトな食感を付与し、水分量の低い穀類加工食品にはサクサクとした食感を付与するという、きわめて貴重な知見を得た。
すなわち、ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物が、穀類加工食品のやわらかさを増し、上記食感の改善をもたらしたのである。なお、ゼラチン加水分解物は、後記するが、特定の分子サイズの範囲であるものは食感改良剤としての効果が大きい。
穀類加工食品における小麦粉の場合は、小麦粉に由来するグルテンは、粘りを有し生地を形成するのに不可欠であるが、このグルテンの形成をゼラチン加水分解物が抑制することで、上記のとおりやわらかさを増す現象が生じるものと考えられる。
また、上記のとおりゼラチン加水分解物は、吸湿性が少なく、水に溶けても高粘度(高粘性)を呈することがないので、食感改良剤としてハンドリングに優れているという知見を得た。
以上の知見に基づいて、分子サイズのゼラチン加水分解物の食感改良剤としての製品開発を行った。以下、さらに本発明に係る食感改良剤を実施例に基づいてより具体的に説明する。
本発明に係る食感改良剤は、ゼラチン加水分解物から成るものであり、その原料は、ブタ、ウシ、ヒツジなどの哺乳動物の皮膚や骨などの結合組織に含有される構造タンパク質であるコラーゲンを変性抽出して得たゼラチン成分である。又は、熱変性させることなく抽出したコラーゲンも原料となりうる。なお、ゼラチン加水分解物の原料としては、哺乳動物だけでなく、鶏、魚由来のゼラチンでもよい。
本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物は、これらの原料をプロテアーゼ処理(蛋白質分解酵素であるプロテアーゼの活性を利用した酵素処理)、酸処理、アルカリ処理又は熱水分解により得られる加水分解物である。
ここでは、市販のブタ由来のゼラチンをプロテアーゼ処理してゼラチン加水分解物を得る製法について説明する。ここで使用するプロテアーゼとしては、例えば、トリプシン、ペプシン、パパイン、サーモライシンなどが挙げられる。これらの中では、トリプシンがプロテアーゼ処理の効率の良さを考慮すると、好ましい。
そして上記プロテアーゼ処理は、30〜80℃の温度で、0.5〜3時間程度反応させることにより進められ、上記プロテアーゼ処理により得られる成分を限外ろ過(フィルターの孔径を分子サイズに近づけたろ過)、珪藻土ろ過、イオン交換樹脂、逆浸透ろ過、又は活性炭処理などで、精製することによりゼラチン加水分解物が得られる。
ところで、本発明者らは研究開発の過程で、ゼラチン加水分解物の分子量の大きさの違いによる、食感などの効果への影響について次のような知見を得た。
即ち、ゼラチン加水分解物の分子量が大きいと、分子サイズが大きくなり、穀類加工食品の素材から成る生地と混ざりにくく、また粘性が生じ、ハンドリング上好ましくない。一方、分子量が小さすぎると、上記食感に係る効果が小さい。
(食感評価試験)
この知見は、本発明者らが行った、ゼラチン加水分解物の分子量の大きさと、食感上の効果との関係についての食感評価試験に基づくものである。その食感評価試験の一例の結果を、図1に示す。この食感評価試験では、豚由来のゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物を適用して製造したパン及びクッキーについてそれぞれ行った。
この食感評価試験は、パン及びクッキーについて、それぞれ素材の配合の際に、平均分子量の大きさの異なるゼラチン加水分解物を添加し、製造後に食感を評価する試験である。ここでいう平均分子量とは、プルランを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を意味する。
図1(a)は、パン及びクッキーについて、それぞれ添加したゼラチン加水分解物の異なる平均分子量による食感評価値を示す表である。食感評価値は1〜5で示し、その評価基準は、パン及びクッキーについて、それぞれ図1(c)に示すとおりに予め設定した。食感評価は5名で実施し、平均値を四捨五入して表した。なお、この食感評価は、添加区の食感がこの無添加区に比べてどうであったかを評価した。
図1(b)は、パン及びクッキーについて、それぞれ素材の配合比を示す表である。図1(a)の異なる平均分子量のいずれの場合についても、この図1(b)に示すとおり、ゼラチン加水分解物の添加比は、パンについては対粉(対強力粉)3%であり、クッキーについては対粉(対強力粉)0.5%である。
なお、図1(b)の無添加区はゼラチン加水分解物を添加しない場合の素材の配合比であり、添加区はゼラチン加水分解物を添加した場合の素材の配合比である。
上記食感評価試験の結果、ゼラチン加水分解物の分子量の大きさと、食感上の効果について、特定の分子量の大きさ(分子サイズ)の範囲にあるものは、食感改良剤としての効果が大きいものと言える。
具体的には、豚由来のゼラチンを加水分解することにより得られるゼラチン加水分解物で、平均分子量が約2、000〜約30、000の範囲であると良好な食感が得られる。好ましくは、平均分子量が約3、000〜約15、000であるとよい。より好ましくは、平均分子量が約4、000〜約7、000である。
(試験例)
以下、本発明の効果を確認するために各種の穀類加工食品について実施した試験例1〜6を図2〜7において説明する。これらの試験例1〜6では、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合で、それぞれ製造した各種の穀類加工食品について、物性の測定試験を行い、食感の評価を行った。
測定試験では、タケモト電器社製テンシプレッサーを使用し、そのプランジャーを被試験対象物である穀類加工食品に貫入し、その際生じる応力(破断応力)を測定し、「歯ごたえ」、「粘り」、「さっくり感」などの食感を示す数値として示した。
なお、テンシプレッサーによる測定では、これら食感を示す数値が得られる点は、当業者(食品業者)においては周知であり、また、物性の測定試験自体は、本発明の特徴を示すものではないが、以下、測定試験の仕方などについて簡単に説明しておく。
上記のとおりプランジャーを食品に貫入させて得られる応力波形を元にソフトウェア解析の結果得られるタフネス(toughness)の値を求め、そのデータに基づいて、それぞれ「歯ごたえ」、「粘り」、「さっくり感」などを示すデータに数値化するプログラムによって、食感の程度を示すデータとした。
図2〜7において、穀類加工食品の硬さ、弾力性のデータを示すとともに、「歯ごたえ」、「粘り」という食感の測定の根拠の測定結果の単位を、「gw/cm・cm」とし、また、「さっくり感」という食感の測定の根拠を、「gw/cm・mm」として示しているが、これらは、いずれも、上記のとおり、プランジャーを食品に貫入させて得られる応力波形を元にソフトウェア解析の結果得られるタフネス(toughness)の値である。
上記のとおり食感としての表現で示したが、強いて、これらを純粋に物理的な表現をすれば、いずれも破断応力と言える。実際の測定では、上記のとおり、テンシプレッサーによりプランジャーを貫入して測定を実施して得たタフネス解析するプログラムの違いにより「歯ごたえ」、「粘り」、「さっくり感」の食感を示すデータとして数値化したのである。
図2〜7において、それぞれ(a)は被試験対象物である穀類加工食品の素材の配合比を示し、(b)は製造工程(上から下に向けて工程順に記載)、条件を示し、(c)、(d)又は(e)は試験結果を示す。また、図2〜7中、「無添加」は、ゼラチン加水分解物を添加しない場合を示し、「添加」はゼラチン加水分解物を添加した場合を示す。図2〜7に示す試験例1〜6では、ゼラチン加水分解物は、いずれも、豚皮抽出ゼラチン加水分解物、平均分子量約5000を使用した。
試験例1(食パンについて):
図2は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合(配合比は図2(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図2(b)参照)によって食パンを製造し、それぞれ食パンの物性を測定し、食感を確認した試験例を示す。
この試験例1の結果、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を添加すると、図2に示すとおり、食パンは硬さが低下しやわらかくなり(図2(c)参照)、歯ごたえも適度に低下し(図2(d)参照)、食感としては、やわらかく、しっとりとした食感になることを確認した。
試験例2(パウンドケーキについて):
図3は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合(配合比は図3(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図3(b)参照)によってパウンドケーキを製造し、それぞれパウンドケーキの物性を測定し、食感を確認した試験例を示す。
この試験例2の結果、ゼラチン加水分解物を添加すると、図3に示すとおり、パウンドケーキは硬さが低下しやわらかくなり(図3(c)参照)、弾力性(無単位)も若干低下し(図3(d)参照)、食感としては、やわらかく、なめらかになり、よりしっとりと美味しくなることを確認した。
試験例3(ケーキタイプのドーナッツについて):
図4は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合(配合比は図4(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図4(b)参照)によってケーキタイプのドーナッツを製造し、それぞれケーキタイプのドーナッツの物性を測定し、食感を確認した試験例を示す。
この試験例3の結果、ゼラチン加水分解物を添加すると、図4に示すとおり、ケーキタイプのドーナッツは、外側面(表面)はさっくり感は高くなり(図4(c)参照)、内側は歯ごたえが低下しかつ硬さが低下する(図4(d)、(e)参照)。その結果、食感としては、外側面はサックリ感(サクサク感)が増し、内側はやわらかく、しっとりすることを確認した。
試験例4(発酵タイプのドーナッツについて):
図5は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合(配合比は図5(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図5(b)参照)によって発酵タイプのドーナッツを製造し、それぞれ発酵タイプのドーナッツの物性を測定し、食感を確認した試験例を示す。
この試験例4の結果、ゼラチン加水分解物を添加すると、図5に示すとおり、発酵タイプのドーナッツは、硬さは低下し(図5(c)参照)、歯ごたえも低下する(図5(d)参照)。その結果、食感としては、しっとり、やわらかくなることを確認した。
試験例5(団子について):
図6は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合(配合比は図6(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図6(b)参照)によって発酵タイプの団子を製造し、それぞれ団子の物性を測定し、食感を確認した試験例を示す。
この試験5の結果、ゼラチン加水分解物を添加すると、図6に示すとおり、団子は硬さが若干低下しやわらかくなり(図6(c)参照)、粘性は低下し(図6(d)参照)、弾力性は低下する(図6(e)参照)。その結果、食感としては、しっとりとして伸びやすくなり、ねちゃつきがなくなり、食べやすくなることを確認した。
試験例6(パスタについて):
図7は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、添加しない場合と添加した場合(配合比は図7(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図7(b)参照)によってパスタを製造し、それぞれパスタの物性を測定し、食感を評価した試験例を示す。
この試験例6の結果、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を添加すると、図7(c)に示すとおり、パスタは歯ごたえ、弾力性とも向上し、もっちりとした食感になることを確認した。
図8は、本発明に係る食感改良剤であるゼラチン加水分解物を、ころもに添加した場合と添加しない場合のころもの食感を評価する食感評価試験を示す。
具体的には、この食感評価試験では、ゼラチン加水分解物として豚皮抽出ゼラチン加水分解物、平均分子量約5000をを使用し、このゼラチン加水分解物をから揚げ粉に、添加しない場合と添加した場合(配合比は図8(a)参照)について、所定の製造工程、条件(図8(b)参照)によって、鶏のから揚げを調理し、それぞれころもの食感を比較し、評価を行った。
この食感評価試験では、ゼラチン加水分解物を添加したころもは、図7(c)に示すとおり、無添加のものに比べ、サクサク感が向上し、冷蔵保存後も良い食感を維持していることを確認した。なお、食感評価は5名で実施し、平均値を四捨五入して表した。
以上、本発明に係る食感改良剤を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る食感改良剤は上記のようなものであるから、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉、あわ粉等の穀類を主原料とした、麺、パン、菓子(例えば、クッキー、ケーキ、団子、まんじゅう、ドーナッツなど)、ころも、その他の各種の食品など、いろいろな種類の穀類加工食品の食感を改善するために適用可能である。

Claims (7)

  1. ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物から成り、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉又はあわ粉を主原料とした穀類加工食品の食感を改良する食感改良剤であって、
    前記ゼラチン加水分解物の平均分子量は、2、000〜30、000であることを特徴とする食感改良剤。
  2. ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物から成り、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉又はあわ粉を主原料とした穀類加工食品の食感を改良する食感改良剤であって、
    前記ゼラチン加水分解物の平均分子量は、3、000〜15、000であることを特徴とする食感改良剤。
  3. ゼラチンを加水分解することにより得られたゼラチン加水分解物から成り、小麦粉、ライ麦粉、米粉、きび粉、ひえ粉又はあわ粉を主原料とした穀類加工食品の食感を改良する食感改良剤であって、
    前記ゼラチン加水分解物の平均分子量は、4、000〜7、000であることを特徴とする食感改良剤。
  4. 前記ゼラチン加水分解物は、前記ゼラチンをプロテアーゼ処理、酸処理、アルカリ処理又は熱水分解により得られたペプチド混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食感改良剤。
  5. 前記ゼラチン加水分解物は、蛋白質分解酵素としてトリプシン、ペプシン、パパイン又はサーモライシンを使用し、前記ゼラチン成分を、30〜80℃の温度で、0.5〜3時間反応させてプロテアーゼ処理し、限外ろ過、珪藻土ろ過、イオン交換樹脂、逆浸透ろ過又は活性炭処理で、精製することにより得られたペプチド混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食感改良剤。
  6. 前記ゼラチン加水分解物の原料は、哺乳動物、鶏又は魚の皮膚又は骨の結合組織に含有される構造タンパク質であるコラーゲンを変性抽出して得られたゼラチンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食感改良剤。
  7. 前記穀類加工食品は、麺、パン、菓子又はころもであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食感改良剤。
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