JPH1129576A - (フッ化アリール)ホウ素化合物の安定化剤および安定化方法並びに結晶化方法 - Google Patents

(フッ化アリール)ホウ素化合物の安定化剤および安定化方法並びに結晶化方法

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JPH1129576A
JPH1129576A JP9180118A JP18011897A JPH1129576A JP H1129576 A JPH1129576 A JP H1129576A JP 9180118 A JP9180118 A JP 9180118A JP 18011897 A JP18011897 A JP 18011897A JP H1129576 A JPH1129576 A JP H1129576A
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fluoroaryl
boron
atom
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metal salt
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JP9180118A
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Naoko Yamamoto
尚子 山本
Hitoshi Mitsui
均 三井
Tsunemasa Ueno
恒正 上野
Ikuyo Katsumi
育代 勝見
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • C07F5/027Organoboranes and organoborohydrides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば加熱・濃縮時或いは保存(貯蔵)・輸
送・移送時等における分解反応を抑制することにより、
(フッ化アリール)ホウ素化合物を安定化させることが
できる安定化方法、並びに、(フッ化アリール)ホウ素
化合物を収率良くかつ高純度の結晶(粉体)として単離
することができる結晶化方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化7】 (式中、R1 〜R5 はそれぞれ独立してH、F、炭化水
素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R1 〜R5
うちの少なくとも一つはFであり、XはF、Cl、Br
またはIを表し、nは2または3である)で表される
(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液
中に、Fを有する無機金属塩を共存させることにより、
(フッ化アリール)ホウ素化合物を安定化させる。上記
炭化水素系溶液を、上記無機金属塩の共存下で濃縮した
後、無機金属塩を除去し、(フッ化アリール)ホウ素化
合物を結晶化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、カチオン
錯体重合反応に供されるメタロセン触媒(重合触媒)の
助触媒として有用な、トリス(フッ化アリール)ホウ素
やビス(フッ化アリール)ホウ素ハライド等の(フッ化
アリール)ホウ素化合物を安定化させることができる安
定化剤および安定化方法、並びに、該(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の結晶化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(フッ化アリール)ホウ素化合物、とり
わけ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素は、例
えば、カチオン錯体重合反応に供されるメタロセン触媒
(重合触媒)の活性を高める助触媒として有用な化合物
である。尚、メタロセン触媒は、ポリオレフィン重合用
触媒として、近年、特に注目されている。
【0003】上記のトリス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素を結晶(粉体)として取り出す方法として、例え
ば、J. Organomet. Chem., 2, 245 (1964)には、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のペンタン溶液を真
空下、20℃で蒸発乾固させる方法が記載されている。
ところが、該方法は、原料であるブロモペンタフルオロ
ベンゼンからのトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ
素の収率が30%〜50%と低い。また、該文献には、
取り出されたトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素
の純度については何ら記載されていない。
【0004】また、トリス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素を結晶(粉体)として取り出す方法として、例え
ば、特開平6−247978号公報には、トリス(ペン
タフルオロフェニル)ホウ素のオクタン溶液を晶析する
方法、並びに、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ
素のトルエン溶液を蒸発乾固させた後、昇華させる方法
が記載されている。ところが、該方法は、トリス(ペン
タフルオロフェニル)ホウ素の収率が53%〜71%と
低い。
【0005】一般に、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素の溶液から該トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素を結晶(粉体)として取り出すには、蒸発乾
固、或いは、溶液状態での長時間の加熱・濃縮操作が行
われている。また、一般に、トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素は、溶液状態で保存(貯蔵)・輸送・移
送等が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素は、蒸発乾固、或い
は、溶液状態での長時間の加熱・濃縮操作を行うと、そ
の一部が、例えばペンタフルオロベンゼンに分解してし
まう。例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ
素の溶液を単純に加熱・濃縮等した場合には、上記分解
反応が起こり、分解生成物であるペンタフルオロベンゼ
ンがトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素に多量に
混入する。
【0007】つまり、上記従来の方法でトリス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ素の結晶を得るには、溶液状態
での長時間の加熱・濃縮操作等を行わなければならない
ので、該トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素が分
解し、純度が低下してしまう。それゆえ、トリス(ペン
タフルオロフェニル)ホウ素を、収率良くかつ高純度の
結晶(粉体)として単離することができないという問題
点を有している。
【0008】また、トリス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素は、溶液状態で長期間、保存(貯蔵)した場合に
おいても、上記分解反応によって徐々に分解する。従っ
て、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を長期
間、保存(貯蔵)することができる方法が嘱望されてい
る。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えば加熱・濃縮時或いは
保存(貯蔵)・輸送・移送時等における分解反応を抑制
することにより、(フッ化アリール)ホウ素化合物を安
定化させることができる安定化剤、および、安定化方法
を提供することにある。また、他の目的は、(フッ化ア
リール)ホウ素化合物を収率良くかつ高純度の結晶(粉
体)として単離することができる結晶化方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、(フッ
化アリール)ホウ素化合物の安定化剤および安定化方
法、並びに、該(フッ化アリール)ホウ素化合物の結晶
化方法について鋭意検討した。その結果、(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液中に、フッ素
原子を有する無機金属塩を共存させることにより、作用
・効果を奏する詳細な理由は明らかではないものの、例
えば(フッ化アリール)ホウ素化合物を溶液状態で加熱
・濃縮等した場合や、長期間、保存(貯蔵)した場合に
おいても、分解反応を抑制することができ、該(フッ化
アリール)ホウ素化合物を安定化させることができるこ
とを見い出した。また、(フッ化アリール)ホウ素化合
物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原子を有する無機金
属塩の共存下で濃縮した後、該無機金属塩を除去して結
晶化させることにより、または、(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原子を有す
る無機金属塩の共存下で例えば貯蔵した後に、該炭化水
素系溶液から該無機金属塩を除去した後、該溶液を冷却
して結晶化させることにより、該(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を収率良くかつ高純度の結晶(粉体)として
単離することができることを見い出して、本発明を完成
させるに至った。
【0011】即ち、上記の課題を解決するために、請求
項1記載の発明の、一般式(1)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基ま
たはアルコキシ基を表し、かつ、該R1 〜R5 のうちの
少なくとも一つはフッ素原子であり、Xはフッ素原子、
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、nは2ま
たは3である)で表される(フッ化アリール)ホウ素化
合物の安定化剤は、フッ素原子を有する無機金属塩を含
んでなることを特徴としている。
【0014】また、請求項2記載の発明の(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物の安定化剤は、上記の課題を解決す
るために、請求項1記載の(フッ化アリール)ホウ素化
合物の安定化剤において、上記無機金属塩が、遷移元
素、典型金属元素、および類金属元素からなる群より選
ばれる少なくとも一種の金属を有していることを特徴と
している。
【0015】上記の構成によれば、安定化剤は、フッ素
原子を有する無機金属塩を含んでなっている。それゆ
え、該安定化剤を(フッ化アリール)ホウ素化合物に添
加することにより、作用・効果を奏する詳細な理由は明
らかではないものの、該(フッ化アリール)ホウ素化合
物を高純度でかつ安定な状態で保存(貯蔵)することが
できる。即ち、例えば(フッ化アリール)ホウ素化合物
を溶液状態で加熱・濃縮等した場合や、長期間、保存
(貯蔵)した場合、或いは、輸送・移送した場合におい
ても、分解反応を抑制することができ、該(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を簡単にかつ安価に安定化させるこ
とができる。
【0016】請求項3記載の発明の(フッ化アリール)
ホウ素化合物の安定化方法は、上記の課題を解決するた
めに、前記一般式(1)で表される(フッ化アリール)
ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液中に、フッ素原子を
有する無機金属塩を共存させることを特徴としている。
【0017】請求項3記載の方法によれば、(フッ化ア
リール)ホウ素化合物を高純度で安定化させることがで
きる。即ち、例えば(フッ化アリール)ホウ素化合物を
溶液状態で加熱・濃縮等した場合や、長期間、保存(貯
蔵)した場合、或いは、輸送・移送した場合において
も、分解反応を抑制することができ、該(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を簡単にかつ安価に安定化させること
ができる。
【0018】請求項4記載の発明の(フッ化アリール)
ホウ素化合物の貯蔵並びに輸送方法は、上記の課題を解
決するために、前記一般式(1)で表される(フッ化ア
リール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液を、フッ素
原子を有する無機金属塩の共存下で貯蔵若しくは輸送す
ることを特徴としている。
【0019】請求項4記載の方法によれば、(フッ化ア
リール)ホウ素化合物を高純度で貯蔵若しくは輸送する
ことができる。即ち、分解反応を抑制することができ、
該(フッ化アリール)ホウ素化合物を簡単にかつ安価に
貯蔵若しくは輸送することができる。
【0020】請求項5記載の発明の(フッ化アリール)
ホウ素化合物の結晶化方法は、上記の課題を解決するた
めに、請求項4記載の方法によって貯蔵若しくは輸送さ
れた、(フッ化アリール)ホウ素化合物とフッ素原子を
有する無機金属塩とを含む炭化水素系溶液から、該無機
金属塩を除去した後、該溶液を冷却して上記(フッ化ア
リール)ホウ素化合物を結晶化させることを特徴として
いる。
【0021】また、請求項6記載の発明の(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物の結晶化方法は、上記の課題を解決
するために、前記一般式(1)で表される(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原
子を有する無機金属塩の共存下で濃縮した後、該無機金
属塩を除去し、上記(フッ化アリール)ホウ素化合物を
結晶化させることを特徴としている。
【0022】上記の方法によれば、(フッ化アリール)
ホウ素化合物の分解反応を抑制することができ、該(フ
ッ化アリール)ホウ素化合物を収率良くかつ高純度の結
晶(粉体)として簡単にかつ安価に単離することができ
る。また、結晶化することによって(フッ化アリール)
ホウ素化合物を固体状態で取り扱うことができるので、
溶液状態で取り扱う従来の場合と比較して、保存(貯
蔵)時や輸送・移送時等における取り扱い性が向上する
と共に、貯蔵コストや輸送コストを削減することができ
る。
【0023】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おいて「(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水
素系溶液」には、(フッ化アリール)ホウ素化合物が炭
化水素系溶媒に懸濁状態で含まれている場合、つまり、
炭化水素系溶媒が(フッ化アリール)ホウ素化合物をス
ラリー状で含んでいる場合も含まれることとする。
【0024】本発明にかかる前記一般式(1)で表され
る(フッ化アリール)ホウ素化合物の安定化剤は、フッ
素原子を有する無機金属塩を含んでなっている。また、
本発明にかかる安定化方法は、前記一般式(1)で表さ
れる(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系
溶液中に、フッ素原子を有する無機金属塩を共存させる
方法である。さらに、本発明にかかる結晶化方法は、前
記一般式(1)で表される(フッ化アリール)ホウ素化
合物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原子を有する無機
金属塩の共存下で濃縮した後、該無機金属塩を除去し、
上記(フッ化アリール)ホウ素化合物を結晶化させる方
法;並びに、前記一般式(1)で表される(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原
子を有する無機金属塩の共存下で例えば貯蔵した後に、
該炭化水素系溶液から該無機金属塩を除去した後、該溶
液を冷却して上記(フッ化アリール)ホウ素化合物を結
晶化させる方法である。
【0025】本発明において安定化若しくは結晶化され
るべき(フッ化アリール)ホウ素化合物は、式中、
1 、R2 、R3 、R4 、R5 で示される置換基が、そ
れぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基また
はアルコキシ基で構成され、かつ、該R1 〜R5 で示さ
れる置換基のうちの少なくとも一つがフッ素原子で構成
され、Xがフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子で構成され、nが2または3である化合物であ
る。従って、上記(フッ化アリール)ホウ素化合物は、
nが2である場合にはビス(フッ化アリール)ホウ素ハ
ライドであり、nが3である場合にはトリス(フッ化ア
リール)ホウ素である。
【0026】上記の炭化水素基とは、具体的には、アリ
ール基、炭素数1〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状、また
は環状のアルキル基、および、炭素数2〜12の直鎖
状、枝分かれ鎖状、または環状のアルケニル基等を示
す。尚、上記の炭化水素基は、本発明にかかる安定化
剤、安定化方法並びに結晶化方法に対して不活性な官能
基をさらに有していてもよい。該官能基としては、具体
的には、例えば、メトキシ基、メチルチオ基、N,N−
ジメチルアミノ基、o−アニス基、p−アニス基、トリ
メチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリルオキシ
基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0027】上記のアルコキシ基は、一般式(A) −ORa ……(A) (式中、Ra は炭化水素基を表す)で表され、式中、R
a で示される炭化水素基とは、具体的には、例えば、ア
リール基、炭素数1〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状、ま
たは環状のアルキル基、および、炭素数2〜12の直鎖
状、枝分かれ鎖状、または環状のアルケニル基等を示
す。尚、上記の炭化水素基は、本発明にかかる安定化
剤、安定化方法並びに結晶化方法に対して不活性な官能
基をさらに有していてもよい。
【0028】前記一般式(A)で表されるアルコキシ基
としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、イソブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、シクロヘキシルオキシ基、アリルオキシ基、フェ
ノキシ基等が挙げられる。
【0029】(フッ化アリール)ホウ素化合物は、例え
ば、相当するフッ化アリールマグネシウム誘導体と、ハ
ロゲン化ホウ素とを、例えばエーテル系溶媒中で反応さ
せることにより得ることができる。また、フッ化アリー
ルマグネシウム誘導体とハロゲン化ホウ素とのモル比を
適宜設定することにより、ビス(フッ化アリール)ホウ
素ハライド並びにトリス(フッ化アリール)ホウ素の何
れか一方を、選択的に得ることができる。そして、(フ
ッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液は、
例えば、エーテル系溶媒を炭化水素系溶媒に交換するい
わゆる溶媒交換を行うことによって、(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を含むエーテル系溶液から容易に得る
ことができる。尚、(フッ化アリール)ホウ素化合物の
製造方法は、特に限定されるものではない。
【0030】上記のビス(フッ化アリール)ホウ素ハラ
イドとしては、具体的には、例えば、ビス(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素ハライド、ビス(2,3,4,6
−テトラフルオロフェニル)ホウ素ハライド、ビス
(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素ハ
ライド、ビス(2,3,5−トリフルオロフェニル)ホ
ウ素ハライド、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニ
ル)ホウ素ハライド、ビス(1,3−ジフルオロフェニ
ル)ホウ素ハライド、ビス(2,3,5,6−テトラフ
ルオロ−4−メチルフェニル)ホウ素ハライド、ビス
(2,3,4,6−テトラフルオロ−5−メチルフェニ
ル)ホウ素ハライド、ビス(2,4,5−トリフルオロ
−6−メチルフェニル)ホウ素ハライド、ビス(2,
3,6−トリフルオロ−4−メチルフェニル)ホウ素ハ
ライド、ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−メチル
フェニル)ホウ素ハライド、ビス(2,6−ジフルオロ
−3−メチルフェニル)ホウ素ハライド、ビス(2,4
−ジフルオロ−5−メチルフェニル)ホウ素ハライド、
ビス(3,5−ジフルオロ−2−メチルフェニル)ホウ
素ハライド、ビス(4−メトキシ−2,3,5,6−テ
トラフルオロフェニル)ホウ素ハライド、ビス(3−メ
トキシ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)ホ
ウ素ハライド、ビス(2−メトキシ−3,5,6−テト
ラフルオロフェニル)ホウ素ハライド、ビス(3−メト
キシ−2,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素ハ
ライド、ビス(3−メトキシ−2,4,6−テトラフル
オロフェニル)ホウ素ハライド、ビス(2−メトキシ−
3,5−テトラフルオロフェニル)ホウ素ハライド、ビ
ス(3−メトキシ−2,6−テトラフルオロフェニル)
ホウ素ハライド、ビス(3−メトキシ−4,6−テトラ
フルオロフェニル)ホウ素ハライド、ビス(2−メトキ
シ−4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素ハライ
ド、ビス(4−メトキシ−2,6−テトラフルオロフェ
ニル)ホウ素ハライド等が挙げられる。
【0031】上記のトリス(フッ化アリール)ホウ素と
しては、具体的には、例えば、トリス(ペンタフルオロ
フェニル)ホウ素、トリス(2,3,4,6−テトラフ
ルオロフェニル)ホウ素、トリス(2,3,5,6−テ
トラフルオロフェニル)ホウ素、トリス(2,3,5−
トリフルオロフェニル)ホウ素、トリス(2,4,6−
トリフルオロフェニル)ホウ素、トリス(1,3−ジフ
ルオロフェニル)ホウ素、トリス(2,3,5,6−テ
トラフルオロ−4−メチルフェニル)ホウ素、トリス
(2,3,4,6−テトラフルオロ−5−メチルフェニ
ル)ホウ素、トリス(2,4,5−トリフルオロ−6−
メチルフェニル)ホウ素、トリス(2,3,6−トリフ
ルオロ−4−メチルフェニル)ホウ素、トリス(2,
4,6−トリフルオロ−3−メチルフェニル)ホウ素、
トリス(2,6−ジフルオロ−3−メチルフェニル)ホ
ウ素、トリス(2,4−ジフルオロ−5−メチルフェニ
ル)ホウ素、トリス(3,5−ジフルオロ−2−メチル
フェニル)ホウ素、トリス(4−メトキシ−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素、トリス(3
−メトキシ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニ
ル)ホウ素、トリス(2−メトキシ−3,5,6−テト
ラフルオロフェニル)ホウ素、トリス(3−メトキシ−
2,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素、トリス
(3−メトキシ−2,4,6−テトラフルオロフェニ
ル)ホウ素、トリス(2−メトキシ−3,5−テトラフ
ルオロフェニル)ホウ素、トリス(3−メトキシ−2,
6−テトラフルオロフェニル)ホウ素、トリス(3−メ
トキシ−4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ素、ト
リス(2−メトキシ−4,6−テトラフルオロフェニ
ル)ホウ素、トリス(4−メトキシ−2,6−テトラフ
ルオロフェニル)ホウ素等が挙げられる。上記例示の化
合物のうち、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素
が特に好適である。
【0032】本発明にかかる安定化剤、安定化方法並び
に結晶化方法において用いられるフッ素原子を有する無
機金属塩は、炭化水素系溶媒に不溶であればよく、特に
限定されるものではないが、上記無機金属塩が、遷移元
素、典型金属元素、および類金属元素からなる群より選
ばれる少なくとも一種の金属を有していることが好まし
く、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属からなる群
より選ばれる少なくとも一種の金属を有していることが
より好ましい。本発明にかかる安定化剤は、上記無機金
属塩を含んでなっている。
【0033】該フッ素原子を有する無機金属塩(以下、
単に無機金属塩と記す)としては、具体的には、例え
ば、フッ化リチウム、フッ化ベリリウム、フッ化ナトリ
ウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ
化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化チタン、フッ化
バナジウム、フッ化クロム、フッ化マンガン、フッ化
鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッケル、フッ化銅、フッ
化亜鉛、フッ化ガリウム、フッ化ゲルマニウム、フッ化
ストロンチウム、フッ化イットリウム、フッ化ジルコニ
ウム、フッ化ニオブ、フッ化モリブデン、フッ化銀、フ
ッ化カドミウム、フッ化インジウム、フッ化錫、フッ化
アンチモン、フッ化テルル、フッ化セシウム、フッ化バ
リウム、フッ化セリウム、フッ化オスミウム、フッ化イ
リジウム、フッ化水銀、フッ化鉛、フッ化塩化マグネシ
ウム、フッ化臭化マグネシウム、フッ化ヨウ化マグネシ
ウム、フッ化塩化カルシウム、フッ化臭化カルシウム、
フッ化ヨウ化カルシウム、フッ化塩化バリウム、フッ化
臭化バリウム、フッ化ヨウ化バリウム等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら無機金属塩
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。上記例示の無機金属塩のうち、フッ化リ
チウム、フッ化臭化マグネシウムが特に好適である。
【0034】無機金属塩の添加量は、(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物と無機金属塩との組み合わせ等に応じ
て適宜設定すればよく、特に限定されるものではない
が、(フッ化アリール)ホウ素化合物を効果的に安定化
させる点で、(フッ化アリール)ホウ素化合物に対する
無機金属塩のモル比が、0.1以上、より好ましくは
0.5以上、10.0以下の範囲内、さらに好ましくは
0.7以上、5.0以下の範囲内となるようにすればよ
い。
【0035】以上のように、本発明にかかる安定化剤
は、無機金属塩を含んでなっているので、該安定化剤を
(フッ化アリール)ホウ素化合物に添加することによ
り、作用・効果を奏する詳細な理由は明らかではないも
のの、該(フッ化アリール)ホウ素化合物を高純度でか
つ安定な状態で保存(貯蔵)することができる。即ち、
例えば(フッ化アリール)ホウ素化合物を溶液状態で加
熱・濃縮等した場合や、長期間、保存(貯蔵)した場
合、或いは、輸送・移送した場合においても、分解反応
を抑制することができ、該(フッ化アリール)ホウ素化
合物を簡単にかつ安価に安定化させることができる。
【0036】本発明にかかる安定化方法並びに結晶化方
法において用いられる炭化水素系溶媒は、(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を溶解する一方、無機金属塩を溶解
せず、かつ、本発明にかかる安定化方法並びに結晶化方
法に対して不活性な非水溶媒を主成分とする溶媒であれ
ば、特に限定されるものではなく、炭化水素系溶媒以外
の溶媒を含んでいてもよい。
【0037】該炭化水素系溶媒としては、具体的には、
例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、
テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデ
カン、パラフィン、石油エーテル等の、直鎖状、枝分か
れ鎖状、または環状の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トル
エン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、
1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメ
チルベンゼン、1,2,5−トリメチルベンゼン、1,
3,5−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピ
ルベンゼン、ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素;等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。また、脂
肪族炭化水素並びに芳香族炭化水素は、本発明にかかる
安定化方法並びに結晶化方法に対して不活性な官能基を
有していてもよい。これら炭化水素系溶媒は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。これら炭化水素系溶媒のうち、ヘキサン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、
IsoparE(商品名;Exxon社製、炭素数が1
0程度のイソパラフィンの混合物)、ノナン、デカン、
オクタデカン等の脂肪族炭化水素がより好適である。
【0038】(フッ化アリール)ホウ素化合物は、(フ
ッ化アリール)ホウ素化合物と炭化水素系溶媒との組み
合わせや温度等にもよるが、炭化水素系溶媒に数%以上
溶解する。炭化水素系溶液における(フッ化アリール)
ホウ素化合物の含有量、つまり、濃度は、特に限定され
るものではないが、保存(貯蔵)・輸送・移送等をより
一層効率的に行うことができるように、できるだけ高濃
度であることが好ましく、0.5重量%〜50重量%の
範囲内、より好ましくは1重量%〜30重量%の範囲内
である。また、(フッ化アリール)ホウ素化合物は、炭
化水素系溶液にスラリー状で含まれていてもよい。
【0039】本発明にかかる安定化方法においては、
(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液
中に、無機金属塩を共存させる。また、本発明にかかる
貯蔵並びに輸送方法においては、(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を含む炭化水素系溶液を、無機金属塩の共存
下で貯蔵若しくは輸送する。無機金属塩は、炭化水素系
溶媒には溶解しない。従って、炭化水素系溶液における
無機金属塩は、沈澱若しくは分散した状態の不溶物(固
体)として存在している。(フッ化アリール)ホウ素化
合物を含む炭化水素系溶液中に、無機金属塩を共存させ
る方法、つまり、(フッ化アリール)ホウ素化合物並び
に無機金属塩を炭化水素系溶液中に共存させる方法とし
ては、具体的には、例えば、(フッ化アリール)ホウ素
化合物を炭化水素系溶媒に溶解させる一方、無機金属塩
を該溶媒に懸濁させる方法;(フッ化アリール)ホウ素
化合物並びに無機金属塩をスラリー状で炭化水素系溶媒
に含ませる方法;等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。
【0040】炭化水素系溶液の保存(貯蔵)・輸送・移
送時における温度は、(フッ化アリール)ホウ素化合物
や炭化水素系溶媒の種類、炭化水素系溶媒の沸点等に応
じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、
200℃以下がより好ましく、−50℃〜150℃の範
囲内がさらに好ましく、−20℃〜100℃の範囲内が
特に好ましい。200℃を越える温度で炭化水素系溶液
の保存(貯蔵)・輸送・移送等を行うためには、該温度
を維持するのに別途、加熱装置並びに炭化水素系溶媒を
還流させる冷却装置等が必要となるので、工業的に不利
である。また、保存(貯蔵)・輸送・移送時における圧
力は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、
減圧、加圧の何れであってもよい。
【0041】以上のように、本発明にかかる安定化方法
は、(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系
溶液中に、無機金属塩を共存させる方法である。これに
より、(フッ化アリール)ホウ素化合物を高純度で安定
化させることができる。即ち、例えば(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を溶液状態で加熱・濃縮等した場合
や、長期間、保存(貯蔵)した場合、或いは、輸送・移
送した場合においても、分解反応を抑制することがで
き、該(フッ化アリール)ホウ素化合物を簡単にかつ安
価に安定化させることができる。
【0042】また、以上のように、本発明にかかる貯蔵
並びに輸送方法は、(フッ化アリール)ホウ素化合物を
含む炭化水素系溶液を、無機金属塩の共存下で貯蔵若し
くは輸送する方法である。これにより、(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を高純度で貯蔵若しくは輸送すること
ができる。即ち、分解反応を抑制することができ、該
(フッ化アリール)ホウ素化合物を簡単にかつ安価に貯
蔵若しくは輸送することができる。
【0043】本発明にかかる結晶化方法においては、
(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液
を、無機金属塩の共存下で濃縮した後、該無機金属塩を
除去し、(フッ化アリール)ホウ素化合物を結晶化させ
る。具体的には、例えば、炭化水素系溶液を無機金属塩
の共存下で加熱・濃縮した後、該無機金属塩を除去し、
該溶液を冷却して(フッ化アリール)ホウ素化合物を結
晶化させる。
【0044】炭化水素系溶液を濃縮する際の温度は、濃
縮時の圧力における炭化水素系溶媒の沸点以上であれば
よく、特に限定されるものではない。また、濃縮時の圧
力は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、
減圧、加圧の何れであってもよい。尚、炭化水素系溶媒
が混合物である場合における沸点とは、該混合物中の、
最も低い沸点を有する化合物の沸点を示す。
【0045】濃縮後における(フッ化アリール)ホウ素
化合物の濃度は、特に限定されるものではなく、該(フ
ッ化アリール)ホウ素化合物の溶解度に応じて設定すれ
ばよいが、無機金属塩を効率的に除去することができる
ように、該除去操作時において(フッ化アリール)ホウ
素化合物が炭化水素系溶媒に溶解していることが望まし
い。具体的には、例えば、炭化水素系溶液から(フッ化
アリール)ホウ素化合物を取り出す場合には、濃縮後の
温度において(フッ化アリール)ホウ素化合物が結晶と
して析出する濃度未満であり、かつ、該溶液を冷却した
ときに、(フッ化アリール)ホウ素化合物が結晶として
析出する濃度以上であればよい。
【0046】また、本発明にかかる結晶化方法において
は、前記貯蔵並びに輸送方法によって貯蔵若しくは輸送
された、(フッ化アリール)ホウ素化合物と無機金属塩
とを含む炭化水素系溶液から、該無機金属塩を除去した
後、該溶液を冷却して(フッ化アリール)ホウ素化合物
を結晶化させる。炭化水素系溶液に(フッ化アリール)
ホウ素化合物がスラリー状で含まれている場合には、該
溶液を加熱して(フッ化アリール)ホウ素化合物を溶解
させるか、若しくは、該溶液に炭化水素系溶媒を適宜加
えて(フッ化アリール)ホウ素化合物を溶解させた後、
該無機金属塩を除去し、該溶液を冷却する。つまり、無
機金属塩の除去操作時において、該無機金属塩を効率的
に除去することができるように、(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を炭化水素系溶媒に溶解させることが望まし
い。
【0047】冷却後における炭化水素系溶液の温度は、
炭化水素系溶媒の融点以上であればよく、特に限定され
るものではないが、(フッ化アリール)ホウ素化合物が
より多く析出するように、50℃以下がより好ましく、
20℃以下がさらに好ましく、10℃以下が特に好まし
い。また、冷却時の圧力は、特に限定されるものではな
く、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよ
い。
【0048】無機金属塩は、(フッ化アリール)ホウ素
化合物を結晶化させるとき、例えば(フッ化アリール)
ホウ素化合物を使用する直前に、濾過等の方法によって
炭化水素系溶液から除去すればよい。また、炭化水素系
溶液を加熱・濃縮した後、(フッ化アリール)ホウ素化
合物を結晶化して取り出す場合には、無機金属塩は、該
(フッ化アリール)ホウ素化合物が析出しない温度で、
熱時濾過等の方法によって該溶液から除去すればよい。
さらに、炭化水素系溶液を冷却した後、(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を結晶化して取り出す場合には、無機
金属塩は、該(フッ化アリール)ホウ素化合物が析出し
ない温度で、濾過等の方法によって該溶液から除去すれ
ばよい。濾過方法としては、例えば、減圧濾過、加圧濾
過等が挙げられるが、特に限定されるものではない。要
するに、無機金属塩は、(フッ化アリール)ホウ素化合
物を析出(結晶化)させる時点で、炭化水素系溶液から
除去されていればよい。
【0049】無機金属塩の除去操作時において(フッ化
アリール)ホウ素化合物の一部が炭化水素系溶媒に溶解
していない場合には、例えば濾過等の方法によって無機
金属塩を除去すると、無機金属塩と共に(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の一部が除去されてしまう。従って、
無機金属塩の除去操作時においては、(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物が炭化水素系溶媒に完全に溶解してい
ることが望ましい。但し、無機金属塩を安定化剤として
再利用する場合や、無機金属塩と共に除去された(フッ
化アリール)ホウ素化合物を回収する場合等において
は、上記除去操作時において(フッ化アリール)ホウ素
化合物の一部が炭化水素系溶媒に溶解していなくてもよ
い。尚、炭化水素系溶液から無機金属塩を除去する方法
は、特に限定されるものではない。
【0050】以上のように、本発明にかかる結晶化方法
は、(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む炭化水素系
溶液を、無機金属塩の共存下で濃縮した後、該無機金属
塩を除去し、上記(フッ化アリール)ホウ素化合物を結
晶化させる方法である。また、以上のように、本発明に
かかる結晶化方法は、前記貯蔵並びに輸送方法によって
貯蔵若しくは輸送された、(フッ化アリール)ホウ素化
合物と無機金属塩とを含む炭化水素系溶液から、該無機
金属塩を除去した後、該溶液を冷却して(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を結晶化させる方法である。
【0051】これにより、(フッ化アリール)ホウ素化
合物の分解反応を抑制することができ、該(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を収率良くかつ高純度の結晶(粉
体)として簡単にかつ安価に単離することができる。本
発明にかかる方法によって結晶化される(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の純度は、90重量%以上、より好ま
しくは95重量%以上、さらに好ましくは97重量%以
上の高純度である。また、結晶化することによって(フ
ッ化アリール)ホウ素化合物を固体状態で取り扱うこと
ができるので、溶液状態で取り扱う従来の場合と比較し
て、保存(貯蔵)時や輸送・移送時等における取り扱い
性が向上すると共に、貯蔵コストや輸送コストを削減す
ることができる。
【0052】尚、無機金属塩を除去した後の炭化水素系
溶液から(フッ化アリール)ホウ素化合物を結晶化して
取り出す単離操作は、必要に応じて、数回繰り返し行っ
てもよい。具体的には、例えば、(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物の結晶を濾過した後の濾液を、さらに冷却す
ることによって、該濾液に溶解している(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を結晶として析出させた後、再度、濾
過してもよい。
【0053】本発明にかかる方法によって安定化若しく
は結晶化される(フッ化アリール)ホウ素化合物、とり
わけ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素は、例
えば、メタロセン触媒(重合触媒)の活性を高める助触
媒として有用である。
【0054】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0055】〔実施例1〕先ず、(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を含む炭化水素系溶液を調製した。即ち、温
度計、滴下ロート、撹拌機、窒素ガス導入管、および還
流冷却器を備えた200mlの四ツ口フラスコ内を3
回、窒素ガス置換した。該フラスコに、削り状マグネシ
ウム2.976g(122.4ミリモル)と、ジエチル
エーテル100mlとを仕込んだ。また、滴下ロート
に、ブロモペンタフルオロベンゼン29.35g(11
8.8ミリモル)を仕込んだ。
【0056】次いで、窒素ガス雰囲気下、ジエチルエー
テルを撹拌しながら、ブロモペンタフルオロベンゼンを
室温で約2時間かけて滴下した。滴下中に、フラスコの
内温は最高38℃まで上昇した。滴下終了後、反応液を
窒素ガス雰囲気下、室温で3時間撹拌して熟成させた。
これにより、ペンタフルオロフェニルマグネシウムブロ
マイドのジエチルエーテル溶液を収率97.5%で得
た。
【0057】続いて、温度計、滴下ロート、撹拌機、窒
素ガス導入管、および還流冷却器を備えた300mlの
四ツ口フラスコ内を、充分に窒素ガス置換した。該フラ
スコに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体5.45
4g(38.43ミリモル)と、ジエチルエーテル10
0mlとを仕込んだ。また、滴下ロートに、上記ペンタ
フルオロフェニルマグネシウムブロマイドのジエチルエ
ーテル溶液を仕込んだ。
【0058】次いで、窒素ガス雰囲気下、上記の内容物
を撹拌しながら、上記のジエチルエーテル溶液を室温で
約30分かけて滴下した。滴下中に、フラスコの内温は
最高40℃まで上昇した。滴下終了後、反応液を窒素ガ
ス雰囲気下、還流温度である37℃で3時間撹拌して反
応(熟成)させた。これにより、(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物としてのトリス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素のジエチルエーテル溶液を得た。該溶液を19F−
NMRを用いて所定の条件下で分析した結果、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の反応収率は93.
15%であった。
【0059】その後、温度計、滴下ロート、撹拌機、お
よびリービッヒ型冷却器を備えた1Lの四ツ口フラスコ
に、炭化水素系溶媒としてのIsoparE(商品名)
750mlを仕込んだ。リービッヒ型冷却器の出口側先
端部は開放状態とし、所定位置に受器を配置した。ま
た、滴下ロートに、上記トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素のジエチルエーテル溶液を仕込んだ。
【0060】次いで、IsoparEを撹拌しながら8
0℃に昇温した後、滴下ロート内のジエチルエーテル溶
液を滴下しながら、留出してくるジエチルエーテルを常
圧で留去した。そして、滴下終了後、フラスコの内温が
125℃に達した時点で、ジエチルエーテルを含む溶媒
の留去を終了した。
【0061】次いで、内容物を熱時濾過し、析出物、即
ち、副生成物であるフッ化臭化マグネシウムを除去し
た。これにより、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホ
ウ素のIsoparE溶液を濾液として得た。該濾液を
19F−NMRを用いて所定の条件下で分析した結果、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の収率は91.
7%、純度は96.7%となった。
【0062】以上のようにして調製した(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を含む炭化水素系溶液、即ち、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のIsoparE溶
液30.0g(濃度2.89重量%、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ素の含有量1.69ミリモル)
を、蓋付きの250mlの合成樹脂製容器に入れた。そ
して、該溶液に、安定化剤(無機金属塩)としてのフッ
化臭化マグネシウム0.217g(1.76ミリモル)
を添加した後、溶液を室温で192時間、放置した。
【0063】その後、上記の溶液を19F−NMRを用い
て所定の条件下で分析した。その結果、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ素の収率は86.6%、純度は
81.8%となった。
【0064】〔実施例2〕実施例1の反応・操作と同様
の反応・操作を行うことにより、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ素のIsoparE溶液を得た。
【0065】続いて、温度計、撹拌機、およびリービッ
ヒ型冷却器を備えた200mlの四ツ口フラスコに、上
記のIsoparE溶液100g(濃度3.06重量
%、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の含有量
5.98ミリモル)と、安定化剤(無機金属塩)として
のフッ化臭化マグネシウム0.755g(6.13ミリ
モル)とを仕込んだ。リービッヒ型冷却器の出口側先端
部は開放状態とし、所定位置に受器を配置した。
【0066】次いで、上記の内容物を撹拌しながら加熱
し、IsoparEを常圧で留去した。そして、留出液
の量が75.3gとなった時点で、IsoparEの留
去を終了した。このとき、フラスコの内温は125℃で
あった。
【0067】次いで、内容物を100℃で熱時吸引濾過
し、フッ化臭化マグネシウムを除去した。濾液を冷却し
たところ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の
結晶が析出した。析出した結晶を濾別し、減圧下、室温
で乾燥させた。これにより、トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素を粉体として単離した。該粉体を19F−
NMRを用いて所定の条件下で分析した結果、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の収率は79.4
%、純度は95.0%であった。また、同様の方法で濾
液を分析した結果、トリス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素の回収率は80.2%であった。
【0068】〔実施例3〕実施例1の反応・操作と同様
の反応・操作を行うことにより、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ素のIsoparE溶液を得た。
【0069】続いて、温度計、撹拌機、およびリービッ
ヒ型冷却器を備えた200mlの四ツ口フラスコに、上
記のIsoparE溶液100g(濃度3.06重量
%、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の含有量
5.98ミリモル)と、安定化剤(無機金属塩)として
のフッ化リチウム0.16g(6.17ミリモル)とを
仕込んだ。リービッヒ型冷却器の出口側先端部は開放状
態とし、所定位置に受器を配置した。
【0070】次いで、上記の内容物を撹拌しながら加熱
し、IsoparEを常圧で留去した。そして、留出液
の量が76.1gとなった時点で、IsoparEの留
去を終了した。このとき、フラスコの内温は126℃で
あった。
【0071】次いで、内容物を100℃で熱時吸引濾過
し、フッ化リチウムを除去した。濾液を冷却したとこ
ろ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の結晶が
析出した。析出した結晶を濾別し、減圧下、室温で乾燥
させた。これにより、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素を粉体として単離した。該粉体を19F−NM
Rを用いて所定の条件下で分析した結果、トリス(ペン
タフルオロフェニル)ホウ素の収率は80.6%、純度
は94.9%であった。また、同様の方法で濾液を分析
した結果、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の
回収率は81.1%であった。
【0072】〔実施例4〕実施例1において室温で19
2時間、放置した後の溶液である、トリス(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素のIsoparE溶液30.0g
(濃度2.50重量%、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素の含有量1.47ミリモル)から、フッ化臭
化マグネシウム0.217g(1.76ミリモル)を吸
引濾過することによって除去した。
【0073】その後、濾液をドライアイス−メタノール
浴を用いて、−60℃で30分、冷却したところ、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の結晶が析出し
た。析出した結晶を濾別し、減圧下、室温で乾燥させ
た。これにより、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホ
ウ素を粉体として単離した。該粉体を19F−NMRを用
いて所定の条件下で分析した結果、トリス(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素の収率は54.9%、純度は9
4.3%であった。また、同様の方法で濾液を分析した
結果、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の回収
率は60.1%であった。
【0074】〔比較例1〕実施例1において調製したト
リス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のIsopar
E溶液30.0g(濃度2.89重量%、トリス(ペン
タフルオロフェニル)ホウ素の含有量1.69ミリモ
ル)を、蓋付きの250mlの合成樹脂製容器に入れ
た。その後、該溶液を室温で192時間、放置した。つ
まり、溶液に安定化剤を添加しないで放置した。
【0075】その後、上記の溶液を19F−NMRを用い
て所定の条件下で分析した。その結果、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ素の収率は65.5%、純度は
62.4%となった。
【0076】〔比較例2〕実施例1の反応・操作と同様
の反応・操作を行うことにより、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ素のIsoparE溶液を得た。
【0077】続いて、温度計、撹拌機、およびリービッ
ヒ型冷却器を備えた200mlの四ツ口フラスコに、上
記のIsoparE溶液100g(濃度3.06重量
%、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の含有量
5.98ミリモル)を仕込んだ。リービッヒ型冷却器の
出口側先端部は開放状態とし、所定位置に受器を配置し
た。
【0078】次いで、上記の内容物を撹拌しながら加熱
し、IsoparEを常圧で留去した。つまり、溶液に
安定化剤を添加しないでIsoparEの留去を行っ
た。そして、留出液の量が68.4gとなった時点で、
IsoparEの留去を終了した。このとき、フラスコ
の内温は127℃であった。
【0079】内容物を冷却したところ、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ素の結晶が析出した。析出した
結晶を濾別し、減圧下、室温で乾燥させた。これによ
り、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素を粉体と
して単離した。該粉体を19F−NMRを用いて所定の条
件下で分析した結果、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素の収率は39.3%、純度は98.0%であ
った。また、同様の方法で濾液を分析した結果、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の回収率は67.8
%であった。
【0080】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の、一般式(1)
【0081】
【化6】
【0082】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭化水素基ま
たはアルコキシ基を表し、かつ、該R1 〜R5 のうちの
少なくとも一つはフッ素原子であり、Xはフッ素原子、
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、nは2ま
たは3である)で表される(フッ化アリール)ホウ素化
合物の安定化剤は、以上のように、フッ素原子を有する
無機金属塩を含んでなる構成である。
【0083】本発明の請求項2記載の(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の安定化剤は、以上のように、上記無
機金属塩が、遷移元素、典型金属元素、および類金属元
素からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を有し
ている構成である。
【0084】それゆえ、安定化剤を(フッ化アリール)
ホウ素化合物に添加することにより、作用・効果を奏す
る詳細な理由は明らかではないものの、該(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を高純度でかつ安定な状態で保存
(貯蔵)することができる。即ち、例えば(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を溶液状態で加熱・濃縮等した場合
や、長期間、保存(貯蔵)した場合、或いは、輸送・移
送した場合においても、分解反応を抑制することがで
き、該(フッ化アリール)ホウ素化合物を簡単にかつ安
価に安定化させることができるという効果を奏する。
【0085】本発明の請求項3記載の(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の安定化方法は、以上のように、前記
一般式(1)で表される(フッ化アリール)ホウ素化合
物を含む炭化水素系溶液中に、フッ素原子を有する無機
金属塩を共存させる方法である。
【0086】これにより、(フッ化アリール)ホウ素化
合物を高純度で安定化させることができる。即ち、例え
ば(フッ化アリール)ホウ素化合物を溶液状態で加熱・
濃縮等した場合や、長期間、保存(貯蔵)した場合、或
いは、輸送・移送した場合においても、分解反応を抑制
することができ、該(フッ化アリール)ホウ素化合物を
簡単にかつ安価に安定化させることができるという効果
を奏する。
【0087】本発明の請求項4記載の(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の貯蔵並びに輸送方法は、以上のよう
に、前記一般式(1)で表される(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原子を有す
る無機金属塩の共存下で貯蔵若しくは輸送する方法であ
る。
【0088】これにより、(フッ化アリール)ホウ素化
合物を高純度で貯蔵若しくは輸送することができる。即
ち、分解反応を抑制することができ、該(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物を簡単にかつ安価に貯蔵若しくは輸送
することができるという効果を奏する。
【0089】本発明の請求項5記載の(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の結晶化方法は、以上のように、請求
項4記載の方法によって貯蔵若しくは輸送された、(フ
ッ化アリール)ホウ素化合物とフッ素原子を有する無機
金属塩とを含む炭化水素系溶液から、該無機金属塩を除
去した後、該溶液を冷却して上記(フッ化アリール)ホ
ウ素化合物を結晶化させる方法である。
【0090】本発明の請求項6記載の(フッ化アリー
ル)ホウ素化合物の結晶化方法は、以上のように、前記
一般式(1)で表される(フッ化アリール)ホウ素化合
物を含む炭化水素系溶液を、フッ素原子を有する無機金
属塩の共存下で濃縮した後、該無機金属塩を除去し、上
記(フッ化アリール)ホウ素化合物を結晶化させる方法
である。
【0091】これにより、(フッ化アリール)ホウ素化
合物の分解反応を抑制することができ、該(フッ化アリ
ール)ホウ素化合物を収率良くかつ高純度の結晶(粉
体)として簡単にかつ安価に単離することができるとい
う効果を奏する。また、結晶化することによって(フッ
化アリール)ホウ素化合物を固体状態で取り扱うことが
できるので、溶液状態で取り扱う従来の場合と比較し
て、保存(貯蔵)時や輸送・移送時等における取り扱い
性が向上すると共に、貯蔵コストや輸送コストを削減す
ることができるという効果も併せて奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝見 育代 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素原子を有する無機金属塩を含んでな
    ることを特徴とする、一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はそれぞれ独立
    して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキ
    シ基を表し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一
    つはフッ素原子であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭
    素原子またはヨウ素原子を表し、nは2または3であ
    る)で表される(フッ化アリール)ホウ素化合物の安定
    化剤。
  2. 【請求項2】上記無機金属塩が、遷移元素、典型金属元
    素、および類金属元素からなる群より選ばれる少なくと
    も一種の金属を有していることを特徴とする請求項1記
    載の(フッ化アリール)ホウ素化合物の安定化剤。
  3. 【請求項3】一般式(1) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はそれぞれ独立
    して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキ
    シ基を表し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一
    つはフッ素原子であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭
    素原子またはヨウ素原子を表し、nは2または3であ
    る)で表される(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む
    炭化水素系溶液中に、フッ素原子を有する無機金属塩を
    共存させることを特徴とする(フッ化アリール)ホウ素
    化合物の安定化方法。
  4. 【請求項4】一般式(1) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はそれぞれ独立
    して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキ
    シ基を表し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一
    つはフッ素原子であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭
    素原子またはヨウ素原子を表し、nは2または3であ
    る)で表される(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む
    炭化水素系溶液を、フッ素原子を有する無機金属塩の共
    存下で貯蔵若しくは輸送することを特徴とする(フッ化
    アリール)ホウ素化合物の貯蔵並びに輸送方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法によって貯蔵若しくは
    輸送された、(フッ化アリール)ホウ素化合物とフッ素
    原子を有する無機金属塩とを含む炭化水素系溶液から、
    該無機金属塩を除去した後、該溶液を冷却して上記(フ
    ッ化アリール)ホウ素化合物を結晶化させることを特徴
    とする(フッ化アリール)ホウ素化合物の結晶化方法。
  6. 【請求項6】一般式(1) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はそれぞれ独立
    して水素原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキ
    シ基を表し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一
    つはフッ素原子であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭
    素原子またはヨウ素原子を表し、nは2または3であ
    る)で表される(フッ化アリール)ホウ素化合物を含む
    炭化水素系溶液を、フッ素原子を有する無機金属塩の共
    存下で濃縮した後、該無機金属塩を除去し、上記(フッ
    化アリール)ホウ素化合物を結晶化させることを特徴と
    する(フッ化アリール)ホウ素化合物の結晶化方法。
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