JP2856655B2 - トリアリールホウ素の製造方法 - Google Patents

トリアリールホウ素の製造方法

Info

Publication number
JP2856655B2
JP2856655B2 JP28771093A JP28771093A JP2856655B2 JP 2856655 B2 JP2856655 B2 JP 2856655B2 JP 28771093 A JP28771093 A JP 28771093A JP 28771093 A JP28771093 A JP 28771093A JP 2856655 B2 JP2856655 B2 JP 2856655B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
halide
mol
triarylboron
boron
ethyl ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28771093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06199871A (ja
Inventor
喜彦 池田
猛夫 山根
栄一 加地
研二 石丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOSOO AKUZO KK
Original Assignee
TOSOO AKUZO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOSOO AKUZO KK filed Critical TOSOO AKUZO KK
Priority to JP28771093A priority Critical patent/JP2856655B2/ja
Publication of JPH06199871A publication Critical patent/JPH06199871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2856655B2 publication Critical patent/JP2856655B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリアリールホウ素の
製造方法に関する。さらに詳しくはハロゲン化ホウ素と
ハロゲン化アリールマグネシウムのモル比を限定するこ
とにより高純度なトリアリールホウ素を安定的に高収率
で製造するものである。
【0002】
【従来の技術】有機マグネシウム反応剤と三フッ化ホウ
素エチルエーテル錯体のようなハロゲン化ホウ素を反応
させて、アルキル及びアリールホウ素化合物が得られる
ことは既に知られている。(例えば、Inorg. Synth., 1
5, 1947, P134)ところがハロゲン化アリールマグネシウ
ムとハロゲン化ホウ素のモル比が、3:1よりもほんの
僅かでもハロゲン化アリールマグネシウム過剰で反応さ
れたり、ハロゲン化アリールマグネシウムの滴下時間が
早い場合にはテトラアリールホウ酸イオンの生成が顕著
となりトリアリールホウ素の収率低下をもたらすと述べ
てあり、製造条件が厳しくなり製造工程の管理が困難と
なる。
【0003】また、その他のトリアリールホウ素の製造
法としては、金属マグネシウムと三フッ化ホウ素エチル
エーテル錯体に臭化フェニルを添加しておいて、超音波
を利用する方法(例えば、J. Org. Chem., 51, 1986, P
427)や臭化フェニルマグネシウムとトリアルキルホウ酸
エステルからトリアリールホウ素を合成する方法(例え
ば、米国特許第3,651,146)、さらにフェニルリチウムと
三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体との反応による方法
(例えば、A., 563, 1949, P110)等がある。
【0004】しかしながら超音波の利用は工業的に好ま
しくなく、ホウ素源としてトリアルキルホウ酸エステル
の使用は収率が低いといった欠点があり、また、アリー
ルリチウムを用いる方法ではテトラアリールホウ酸イオ
ンが主生成するといった問題がある。以上、従来の方法
では、トリアリールホウ素の収率及び純度の低下や再現
性に乏しいといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ハロゲ
ン化ホウ素とハロゲン化アリールマグネシウムの反応に
よりトリアリールホウ素の製造条件について種々検討し
た。そしてハロゲン化ホウ素とハロゲン化アリールマグ
ネシウムの使用量が文献記載の1:3のモル比で合成検
討を行った。その結果、文献(例えば、Inorg. Synth.,
15, 1947, P134)記載の合成法ではトリアリールホウ素
の収率、純度共に低く再現性も乏しいことが判った。本
発明の目的とする所は、かかる欠点を改良し、より高い
収率及び高い純度でトリアリールホウ素が得られる製造
法を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を続けた結果、ハロゲン化ホウ素とハロゲン化アリール
マグネシウムを、ハロゲン化ホウ素1モルに対しハロゲ
ン化アリールマグネシウムを 3.1から 3.5モルの間で反
応を行い、更にエーテル系溶媒を反応系から除去するこ
とによって副生するハロゲン化マグネシウム塩を固化さ
せマグネシウム塩中に取り込まれているトリアリールホ
ウ素を遊離させることにより安定的に高収率でトリアリ
ールホウ素が得られることを見いだし本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明は、有機溶媒中において 0.1
〜8.0mol/Lのハロゲン化ホウ素と0.1 〜3.0mol/Lのハロ
ゲン化アリールマグネシウムを反応させる際に、ハロゲ
ン化ホウ素1モルに対してハロゲン化アリールマグネシ
ウムを 3.1モルから 3.5モル反応させ、その後エーテル
系溶媒を反応系から除去することによって副生するハロ
ゲン化マグネシウム塩を固化させマグネシウム塩中に取
り込まれているトリアリールホウ素を遊離させることを
特徴とするトリアリールホウ素の製造方法に関する。
【0008】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。トリアリール
ホウ素とは、一般式(I)で表されるホウ素化合物であ
る。 R3 B (I) ここで、Rは同一又は異なるものであり、アリール基又
は置換アリール基、例えばフェニル、フルオロフェニ
ル、クロルフェニル、ブロムフェニル、メトキシフェニ
ル、トリル、キシリル、メシチル、ビフェニル、ナフチ
ル、ピリジル、トリフルオロフェニル、ペンタフルオロ
フェニル基、トリス(トリフルオロメチル)フェニル基
等のようなものが挙げられる。
【0009】上に挙げたトリアリールホウ素の中で、特
に有用な化合物としては、トリフェニルホウ素及びトリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素が選ばれる。トリ
フェニルホウ素は、オレフィン化合物のヒドロホウ素化
反応の促進剤として有用である(例えば、J. Am. Chem.
Soc., 1986, 108. 7410及びJ. Am. Chem. Soc.,1991,
113, 8570)。また、トリス(ペンタフルオロフェニル)
ホウ素は重合用助触媒として有用である(例えば、Macr
omol, Chem, Rapid Commun,. 1991, 2, p.p663〜667)。
【0010】また、本発明において、ハロゲン化アリー
ルマグネシウムは、一般式(II)ArMgXで示される
化合物である。ここで、Arは先に述べたアリール基を
示し、Xはハロゲンを示す。また、ハロゲン化アリール
マグネシウムに用いられる溶媒は、鎖状エーテルが好ま
しい。特に好ましいのは留去が容易なエチルエーテルで
ある。
【0011】本発明において、使用可能なハロゲン化ホ
ウ素としては、一般式(III) BX3で示されるものが含
まれている。ただし、ここでXはハロゲンである。さら
に、ハロゲン化ホウ素のエーテル、チオエーテル等の配
位化合物もこれに含まれる。三塩化ホウ素、三臭化ホウ
素、三ヨウ化ホウ素、三フッ化ホウ素は沸点が低いた
め、エチルエーテル錯体などの化合物がより扱い易く、
望ましい。
【0012】本発明の方法では、反応物に対して不活性
な有機溶媒として、炭化水素系溶媒あるいは炭化水素系
溶媒と鎖状エーテル系溶媒が好ましい。炭化水素系溶媒
は飽和炭化水素系溶媒芳香族系炭化水素、中でもキシレ
ン、トルエン、ベンゼンのような芳香族系溶媒が好まし
い結果を与える。
【0013】本発明では、ハロゲン化ホウ素の濃度が
0.1〜8.0mol/Lで、ハロゲン化アリールマグネシウムの
濃度が 0.1〜3.0mol/Lの時、反応混合物の濃度も生産性
を著しく落とさず、また、反応混合物の粘度もエーテル
系溶媒の留去を妨げるほど高くないため、特に好ましい
結果を与える。
【0014】本発明の反応では、ハロゲン化ホウ素がハ
ロゲン化アリールマグネシウムと反応する場合には、芳
香族系溶媒に溶解されたハロゲン化ホウ素中に、ハロゲ
ン化アリールマグネシウムのエーテル系溶媒溶液を滴下
する方法で反応させる。
【0015】その場合、混合温度は15から65℃の範囲で
あることが望ましい。混合温度が15℃未満では、生成す
るトリアリールホウ素あるいは副生するマグネシウム塩
が結晶として析出し、攪拌を妨げる事がある。また、混
合温度が65℃を越えるようになると、収率が低下するこ
とが多い。また、ハロゲン化アリールマグネシウムの滴
下時間は、トリアリールホウ素の収率に影響しない。
【0016】最後に反応混合物中からエーテルを除去し
ながら反応を完結させるために 110℃以上に加熱する事
により、トリアリールホウ素の反応収率を向上させ更に
副生するマグネシウム塩を固化させることによりマグネ
シウム塩に取り込まれているトリアリールホウ素を遊離
させ回収率を向上させることができまた再現性も向上さ
せる事ができる。
【0017】反応圧力は、常圧下でもオートクレープを
用いた加圧下でもかまわない。しかし、トリアリールホ
ウ素は、酸素や水分に敏感であることを考えると、それ
らの影響の除去という意味で、加圧下での反応は、より
好ましい。
【0018】
【発明の効果】本発明によればハロゲン化アリールマグ
ネシウムとハロゲン化ホウ素の反応において、ハロゲン
化ホウ素に対してハロゲン化アリールマグネシウムを
3.1当量よりも少しだけ過剰に用いる事により、安定的
に高い純度、収率でトリアリールホウ素を得る事ができ
る。
【0019】後述する比較例で示すように、ハロゲン化
アリールマグネシウムの使用がハロゲン化ホウ素に対し
て 3.1当量よりも少なかったり、また 3.5当量よりも過
剰すぎたりすれば生成するトリアリールホウ素の安定性
が悪くなり、収率、純度の低下をもたらす。これに対し
て、実施例では、安定的に高収率、高純度でトリアニー
ルホウ素が得られているのである。
【0020】本発明において、少し過剰のハロゲン化ア
リールマグネシウムを使用する意義は、単にトリアリー
ルホウ素の収率を増加させるにとどまらず、安定性の増
加にも寄与するのである。この特徴は、工業化に際して
再現性のあるトリアリールホウ素製造を可能にするもの
であり、大きなメリットとなるものである。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、これは説明を具体的に行うための例であっ
て、本発明は以下の実施例によりなんらの制限を受ける
ものではない。
【0022】以下の実施例1〜4、比較例1,2の収率
は、ブチルリチウムとの反応により安定な錯体としてか
ら、液体クロマトグラフィーを用いた内部標準法で求め
たものであり、ハロゲン化ホウ素に基づくものである。
また、実施例3と比較例3は、ブチルリチウムより生成
する錯体が吸湿性で不安定であるので、さらにテトラメ
チルアンモニウム塩またはN,N−ジメチルアニリニウ
ム塩の形に導き、乾燥重量より収率を求め、更にフッ素
核磁気共鳴スペクトルを用いて内部標準法で収率及び純
度を求めた。特に実施例3ではトリアリールホウ素自体
の収率及び純度をフッ素核磁気共鳴スペクトルを用いて
内部標準法で直接求められたのでその値も添記した。
【0023】実施例1 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素で十分に脱気したキシレン30mlと三フッ化ホウ素
エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)を装入した。
また、滴下ロートに35wt%の臭化フェニルマグネシウム
のエチルエーテル溶液 33.51g(0.0647モル)を装入し
た。攪拌した反応槽中に、臭化フェニルマグネシウムの
エチルエーテル溶液を滴下ロートより滴下する。その時
の反応温度は、18.6から29.9℃であった。滴下終了後、
反応槽を加熱し、エチルエーテルの除去を行った。
【0024】反応槽の温度が沸点になった後、その温度
で1時間・3時間・5時間熟成させ、それぞれサンプリ
ングを行い、グラスフィルターでフッ化臭化マグネシウ
ムを除去した後、薄黄色透明の液体にブチルリチウムを
投入し、安定な錯体として得られた化合物より収率を求
めたところ、それぞれ88.7%、87.7%、86.2%であっ
た。
【0025】実施例2 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素で十分に脱気したトルエン30mlと三フッ化ホウ素
エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)を装入した。
また、滴下ロートに35wt%の臭化フェニルマグネシウム
のエチルエーテル溶液 33.51g(0.0647モル)を装入し
た。攪拌した反応槽中に、臭化フェニルマグネシウムの
エチルエーテル溶液を滴下ロートより滴下する。その時
の反応温度は、18.6から29.9℃であった。滴下終了後、
反応槽を加熱し、エチルエーテルの除去を行った。
【0026】反応槽の温度が沸点になった後、その温度
で1時間・3時間・5時間熟成させ、それぞれサンプリ
ングを行い、グラスフィルターでフッ化臭化マグネシウ
ムを除去した後、薄黄色透明の液体にブチルリチウムを
投入し、安定な錯体として得られた化合物より収率を求
めたところ、それぞれ91.0%、90.7%、90.7%であっ
た。
【0027】実施例3 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素で十分に脱気したトルエン30mlと三フッ化ホウ素
エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)を装入した。
また、滴下ロートに20wt%の臭化ペンタフルオロフェニ
ルマグネシウムのエチルエーテル溶液84.99 g(0.0627
モル)を装入した。攪拌した反応槽中に、臭化ペンタフ
ルオロフェニルマグネシウムのエチルエーテル溶液を滴
下ロートより滴下する。その時の反応温度は、26℃程度
で発熱はほとんどなかった。滴下終了後、反応槽を加熱
し、エチルエーテルの除去を行った。
【0028】反応槽の温度がトルエンの沸点になった
後、その温度で1時間熟成を行い、それぞれサンプリン
グを行い、グラスフィルターでフッ化臭化マグネシウム
を除去した。溶媒を濃縮・乾固し、フッ素核磁気共鳴ス
ペクトルでペンタフルオロトルエンを内部標準物質に使
用して定量すると収率は92%だった。薄茶色の液体にブ
チルリチウムを投入し、次いで塩化トリメチルアンモニ
ウム水溶液を加えて得られた化合物の乾燥重量は、理論
値の85%であった。また、ブチルリチウムのかわりに臭
化ペンタフルオロベンゼンとブチルリチウムよりエチル
エーテル・ヘキサン混合溶媒中−70℃で調製したペンタ
フルオロフェニルリチウムと反応させた後、塩化N,N
−ジメチルアニリニウムの水溶液を加えて得られた化合
物の乾燥重量は理論値の85%でフッ素核磁気共鳴スペク
トルでペンタフルオロトルエンを内部標準物質に使用し
て定量すると収率は85%だった。
【0029】実施例4 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素で十分に脱気したトルエン30mlと三フッ化ホウ素
エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)を装入した。
また、滴下ロートに20wt%の臭化p−トリルマグネシウ
ムのエチルエーテル溶液 61.42g(0.0619モル)を装入
した。攪拌した反応槽中に、臭化p−トリルマグネシウ
ムのエチルエーテル溶液を滴下ロートより滴下する。そ
の時の反応温度は20〜30℃程度で発熱はほとんどなかっ
た。滴下終了後、反応槽を加熱し、エチルエーテルの除
去を行った。
【0030】反応槽の温度が沸点になった後、その温度
で3時間熟成させ、グラスフィルターでフッ化臭化マグ
ネシウムを除去した後、薄黄色透明の液体にブチルリチ
ウムを投入し、安定な錯体として得られた化合物より収
率を求めたところ89.6%であり液体クロマトグラフィー
で純度を測定したところ面積百分率で91.6%であった。
【0031】比較例1 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素をバブリングし十分に脱気したトルエン30mlと三
フッ化ホウ素エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)
を装入した。また、滴下ロートに35wt%の臭化フェニル
マグネシウムのエチルエーテル溶液30.83 g(0.0597モ
ル)を装入した。攪拌した反応槽中に、臭化フェニルマ
グネシウムのエチルエーテル溶液を滴下ロートより滴下
する。滴下終了後、反応槽を加熱し、エチルエーテルの
除去を行った。
【0032】反応槽の温度が溶媒沸点になった後、その
温度で1時間・3時間・5時間熟成させ、それぞれサン
プリングを行い、先に述べた方法で収率を求めたとこ
ろ、それぞれ90.0%、86.5%、83.8%と収率に減少傾向
が認められた。また、熟成時間の増加とともにフルオロ
ジフェニルボラン由来の副生物の増加も認められた。
【0033】比較例2 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素をバブリングし十分に脱気したトルエン30mlと三
フッ化ホウ素エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)
を装入した。また、滴下ロートに35wt%の臭化フェニル
マグネシウムのエチルエーテル溶液38.23 g(0.0738モ
ル)を装入した。攪拌した反応槽中に、臭化フェニルマ
グネシウムのエチルエーテル溶液を滴下ロートより滴下
する。滴下終了後、反応槽を加熱し、エチルエーテルの
除去を行った。
【0034】反応槽の温度が溶媒沸点になった後、その
温度で1時間・3時間・5時間熟成させ、それぞれサン
プリングを行い、先に述べた方法で収率を求めたとこ
ろ、それぞれ65.0%、64.5%、64.5%と収率は低かった
が、減少傾向はほとんど認められ無かった。
【0035】比較例3 200ml のガラス製フラスコに50mlのガラス製の滴下ロー
トを装着し、十分に窒素で置換する。そして、フラスコ
に窒素で十分に脱気したトルエン30mlと三フッ化ホウ素
エチルエーテル錯体2.78g(0.0196モル)を装入した。
また、滴下ロートに20wt%の臭化ペンタフルオロフェニ
ルマグネシウムのエチルエーテル溶液79.67 g(0.0588
モル)を装入した。攪拌した反応槽中に、臭化ペンタフ
ルオロフェニルマグネシウムのエチルエーテル溶液を滴
下ロートより滴下する。その時の反応温度は26℃程度で
発熱はほとんどなかった。滴下終了後、反応槽を加熱
し、エチルエーテルの除去を行った。
【0036】反応槽の温度がトルエンの沸点になった
後、その温度で1時間熟成を行い、それぞれサンプリン
グを行い、グラスフィルターでフッ化臭化マグネシウム
を除去した。薄茶色の液体にブチルリチウムを投入し、
次いで塩化トリメチルアンモニウム水溶液を加えて得ら
れた化合物の乾燥重量は、理論値の65%であった。
フロントページの続き (72)発明者 石丸 研二 山口県新南陽市宮の前1丁目1番地31号 一心寮 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応物に対して不活性な有機溶媒中にお
    いて 0.1〜8.0mol/Lのハロゲン化ホウ素と 0.1〜3.0mol
    /Lのハロゲン化アリールマグネシウムの鎖状エーテル系
    溶媒溶液を反応させる際に、ハロゲン化ホウ素1モルに
    対してハロゲン化アリールマグネシウムを 3.1モルから
    3.5モル反応させ、その後鎖状エーテル系溶媒を反応系
    内から留去することによって反応を充分進行させ更に副
    生するハロゲン化マグネシウム塩を結晶化させることに
    よって回収率を向上させることを特徴とする高純度のト
    リアリールホウ素を高収率で製造する方法。
JP28771093A 1992-11-02 1993-10-22 トリアリールホウ素の製造方法 Expired - Fee Related JP2856655B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28771093A JP2856655B2 (ja) 1992-11-02 1993-10-22 トリアリールホウ素の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31770792 1992-11-02
JP4-317707 1992-11-02
JP28771093A JP2856655B2 (ja) 1992-11-02 1993-10-22 トリアリールホウ素の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06199871A JPH06199871A (ja) 1994-07-19
JP2856655B2 true JP2856655B2 (ja) 1999-02-10

Family

ID=26556852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28771093A Expired - Fee Related JP2856655B2 (ja) 1992-11-02 1993-10-22 トリアリールホウ素の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2856655B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2159246C2 (ru) * 1996-02-28 2000-11-20 Ниппон Сокубаи Ко., Лтд. Способ получения фторарилмагниевого производного и способ получения (фторарил) боранового соединения (варианты)
DE19746540A1 (de) 1997-10-22 1999-04-29 Bayer Ag S-(4-Biphenyl)-thioschwefelsäuren und ihre Salze, Verfahren zu deren Herstellung und die Herstellung von 4-Mercaptobiphenylen
CN114369110A (zh) * 2022-01-24 2022-04-19 中山大学 一种三苯基硼的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06199871A (ja) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080306302A1 (en) Processes for the Preparation of Tetrakis(F Aryl)Borate Salts
Burkhardt et al. The direct preparation of organocadmium compounds from highly reactive cadmium metal powders
US5399780A (en) Method of producing triarylborane
CN100347177C (zh) 经由有机金属化合物制备有机中间产物的方法
JP2856655B2 (ja) トリアリールホウ素の製造方法
US6380435B2 (en) Purifying process of tetrakis(fluoroaryl)borate.magnesium halide, tetrakis(fluoroaryl)borate·ether complex and producing process of the same, and producing process of tetrakis(fluoroaryl)borate derivative
RU2159246C2 (ru) Способ получения фторарилмагниевого производного и способ получения (фторарил) боранового соединения (варианты)
RU2162471C2 (ru) Способ получения соединения (фторарил)борана и способ получения производного тетракис (фторарил)бората
US6476271B2 (en) Process for the preparation of ether-free salts of tetrakis(pentafluorophenyl) borate
US7585991B2 (en) (Pentafluorophenyl) group 11 and 12 metal compounds, processes for preparing (pentafluorophenyl) group 11 and 12 metal compounds, and uses thereof
US6235222B1 (en) Method for manufacturing fluoroaryl magnesium halide
KR19990045197A (ko) 붕소계 화합물의 제조방법
JP4447083B2 (ja) フッ化アリールマグネシウムハライドの製造方法
JP2790603B2 (ja) 高純度トリアリールホウ素のアルキル化あるいはアリール化アルカリ金属とのアート錯体の製造法
JP4118682B2 (ja) ホルミルフェニルボロン酸の製造法
JP3472981B2 (ja) トリアリールホウ素配位化合物アルカリ金属塩の製造法
KR100494401B1 (ko) 벤질금속화합물의제조방법및이것을이용한4-페닐-1-부텐류의제조방법
JP3751713B2 (ja) トリアリールボランホスフィン錯体の製造法
JP2864985B2 (ja) トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法
JPH10130276A (ja) (フッ化アリール)ホウ素化合物の製造方法並びにテトラキス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の製造方法
JP3816164B2 (ja) テトラキス(フッ化アリール)ホウ素誘導体の製造方法
JP3839176B2 (ja) アルカリ金属シクロペンタジエニリド類の製造方法およびアルカリ金属シクロペンタジエニリド類を用いるジハロビス(η−置換シクロペンタジエニル)ジルコニウム類の製造方法
JPH09291092A (ja) (フッ化アリール)ホウ素化合物の製造方法
JPH09110878A (ja) トリアリールホウ素配位化合物アルカリ金属塩の製造法
WO1997014698A1 (en) Synthesis of perfluoroaryl-substituted compounds

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981117

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071127

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081127

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101127

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101127

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111127

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees