JPH1129228A - シート給送装置及び画像処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成によって搬送負荷を増加させるこ
となく、また分離部材の摩耗を軽減することができるシ
ート給送装置及びこれを用いた画像処理装置を提供す
る。 【解決手段】 セットしたシート束を一枚ずつ分離給送
するシート給送装置において、シートに給送力を付与す
る給送回転体と、前記給送回転体にシートを押圧する押
圧部材と、前記押圧部材による給送回転体へのシート押
圧力を変化させる押圧力変化手段とを有し、前記給送回
転体の回転動作に連動して前記押圧部材によるシート押
圧力を変化させるよう構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はシートを一枚ずつ分
離給送するシート給送装置及びこれを用いた画像処理装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のレーザープリンタ等の画像形成装
置、或いは原稿読取装置等の画像処理装置は、複数枚の
シートをトレイ等にセットし、これを一枚ずつ分離給送
するが、この給送装置は一般的に図６に示すように構成
されている。

【０００３】シートＳを載置部材50にセットし、ローラ
軸51が駆動されると給送回転体であるピックアップロー
ラ52及び同軸上のカム53が矢印ｍ方向へ回転し始める。
中板54は給送バネ（圧縮バネ）55によって常時矢印ｎ方
向へ付勢されており、中板54の突起部54ａがカム53に当
接している。尚、中板54は軸54ｂを中心に回動可能であ
り、ピックアップローラ52が矢印ｍ方向へ回転すると、
カム53から中板54の突起部54ａが外れるため、中板54が
圧縮バネ55によって矢印ｎ方向へ押し上げられる。これ
により、シート束の最上シートはピックアップローラ52
の表面に当接するので、矢印ｐ方向へ給送される。

【０００４】シートＳがピックアップされる際に重送し
た場合は、分離パッド56によって分離される。この分離
パッド56は、分離バネ（圧縮バネ）57によって常時矢印
ｑ方向へ付勢されており、ピックアップローラ52に常に
一定の圧力で圧接している。その後、シートＳは搬送ロ
ーラ対58によってガイドパス59を経由して画像処理手段
60へと搬送され、所定の画像処理が行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の給送装置にあっては、ピックアップロー
ラ52に対して分離パッド56が常に、シートの重送を防止
するのに十分な高い圧力をもって圧接している。このた
め、シート分離後に搬送ローラ対58で搬送されるシート
は分離パッド56から強い摺擦を受けて搬送されることに
なり、搬送負荷が増加して搬送スピードが低下し、また
分離パッドも必要以上に摩耗していた。

【０００６】このような問題を解決するために、シート
が給送されるときのみ分離パッド56を物理的にピックア
ップローラ52から離間させる技術が提案されているが、
構成が複雑になってしまうものであった。

【０００７】本発明は従来の上記課題を解決するもので
あり、その目的は、簡単な構成によって搬送負荷を増加
させることなく、また分離部材の摩耗を軽減することが
できるシート給送装置及びこれを用いた画像処理装置を
提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、セットしたシート束を
一枚ずつ分離給送するシート給送装置において、シート
に給送力を付与する給送回転体と、前記給送回転体にシ
ートを押圧する押圧部材と、前記押圧部材による給送回
転体へのシート押圧力を変化させる押圧力変化手段とを
有し、前記給送回転体の回転動作に連動して前記押圧部
材によるシート押圧力を変化させるよう構成したことを
特徴とする。

【０００９】上記構成にあっては、給送回転体がシート
を給送するとき押圧部材によるシート押圧力を強くする
ことによって、シートの分離給送を確実に行い、シート
給送後は前記押圧力を弱くすることによってシート押圧
負荷が小さくなると共に、押圧部材の摩耗が抑制され
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に本発明に係るシート給送装置
及びこれを用いた画像処理装置の一実施形態について、
図面を参照して説明する。

【００１１】〔第１実施形態〕図１乃至図４を参照して
第１実施形態に係るシート給送装置及びこれを用いた画
像処理装置について説明する。尚、図１はシート給送装
置の模式説明図であり、図２はシート給送装置の要部の
斜視説明図、図３は給送回転体に対する押圧部材による
シート押圧力を変化させた状態説明図であり、図４はシ
ート給送装置を用いた画像処理手段である画像形成装置
の全体模式説明図である。

【００１２】ここでは、まずシート給送装置を用いた画
像形成装置の全体構成について説明し、次にシート給送
装置の構成について説明する。

【００１３】｛画像形成装置｝図４は画像処理手段とし
て電子写真方式による画像形成手段を用いたレーザービ
ームプリンタＡを示すものであり、前カバー１を開くこ
とにより、シートＳを積載可能とすることができる。こ
のトレイを兼ねた前カバー１に複数枚のシートＳをセッ
トしてスタートキーを押すと、後述するシート給送装置
Ｂによって最上層の１枚のみが分離給送され、そのシー
トが搬送ローラ対２及びガイドパス３によって画像処理
手段としての画像形成手段４に搬送される。

【００１４】前記画像形成手段４は感光体ドラム５の周
囲に図示しない帯電手段や現像手段、クリーニング手段
が配置されており、帯電手段によって感光体ドラム５の
表面を一様に帯電した後、レーザースキャナ６によって
選択露光して潜像を形成し、その潜像を現像手段でトナ
ー現像して可視像化する。そして、転写ローラ７に転写
バイアス電圧を印加して前記トナー像をシートＳに転写
して画像を形成し、転写後に感光体ドラム５に残留した
トナーをクリーニング手段によって除去するものであ
る。

【００１５】一方、トナー像が転写されたシートＳは定
着手段である定着ローラ対８を通過する際に熱及び圧力
が印加されてトナー像が定着され、排出ローラ対９，10
及びガイドパス11によってフェイスダウン状態で排出部
12へ排出される。

【００１６】｛シート給送装置｝次に前カバー１にセッ
トしたシート束を一枚ずつ分離給送するシート給送装置
Ｂの構成について図１乃至図３を参照して説明する。

【００１７】シートＳは図１に示すように、シート束を
前カバー１にセットしたときに、そのシート先端が乗る
位置に給送板13が設けられており、この給送板13の上方
には給送回転体であるピックアップローラ14が設けられ
ている。また、このピックアップローラ14に対しては押
圧部材である分離パッド15が分離バネ16によって押圧さ
れており、シートＳの重送を防ぐようになっている。

【００１８】図２に前記給送板13とピックアップローラ
14との構成を示す。給送板13は積載面13ａと管部13ｂ、
ストッパー13ｃ、更には最下シートの重送を防ぐための
分離シート材13ｄを有する。尚、13ｅは管部13ｂの貫通
孔である。前記積載面13ａはピックアップローラ14の下
方に位置し、奥行き方向の幅は前述した従来例の中板54
よりも狭く構成されている。また、給送板13の孔13ｅに
は画像形成装置本体に固定された支持軸17が挿入されて
おり、この軸17によって画像形成時には給送板13が上下
にピストン運動を行うときガイドされるようになってい
る。尚、前記管部13ｂの外周には圧縮バネで構成した給
送バネ18が取り付けられている。

【００１９】また、前記分離パッド15によるピックアッ
プローラ14へのシート押圧力を変化させる押圧力変化手
段が設けられている。この押圧力変化手段の構成は、図
２に示すように、ピックアップローラ14のローラ軸19の
端部にカム20が取り付けられており、ピックアップロー
ラ14が図２の矢印ａ方向へ回転すると、画像形成装置本
体に取り付けられた回動軸21を中心にして回動可能なレ
バー22の一端が前記カム20によって押し下げられ、他端
が押し上げられる。このレバー22の端部には給送板13の
管部13ｂは自由に通すが給送バネ18は通さない大きさの
孔22ａが穿孔されている。また、孔22ａが穿孔された側
と同一端部には分離バネ16は通さないが、該分離バネ16
を支持する軸部23は通す溝22ｂが設けられている。前記
軸部23は画像形成装置本体に固定されており、該軸部23
によって分離バネ16及び溝22ｂがガイドされる。

【００２０】上記構成のシート給送装置にあっては、図
３(a) に示すように、レバー22の端部と給送板13の積載
面13ａとの間には給送バネ18が存在しており、レバー22
の端部と分離パッド15との間には分離バネ16が存在して
いる。このため、図３(b) に示すように、レバー22の端
部が矢印ｂ方向へ給送バネ18及び分離バネ16を直接押し
上げると、給送バネ18の上端部が矢印ｃ方向へ積載面13
ａ及びシートＳの先端を押し上げ、分離バネ16の上端部
は矢印ｄ方向に分離パッド15をピックアップローラ14に
対して重送を防止すべく更に強い力で押圧するようにな
る。そして、シート束の最上シートがピックアップロー
ラ14の表面に突き当たると、給送バネ18が圧縮し始め
る。これにより、シートＳの最上層は矢印ａ方向に回転
するピックアップローラ14によって矢印ｅ方向に搬送力
を受ける。

【００２１】前記シートＳがピックアップされる際に重
送された場合には、図１及び図３に示すように、分離パ
ッド15によって分離される。図２に示すカム20は１枚の
シートがピックアップされた後に、給送板13の積載面13
ａを下げて積載されたシート束とピックアップローラ14
とのニップを解放し、分離バネ16の圧力が減少するよう
になっている。やがて、図３(a) の状態に戻り、１枚の
シート給送工程を終える。

【００２２】前述したように、シートＳを給送する場合
には図３(b) の状態（給送バネ18及び分離バネ16が圧縮
量が多い状態）となり、このときシートＳが重送された
場合には、重送されたシートを分離するのに十分な分離
圧がかかる。また、シート給送工程後、シートＳが搬送
ローラ対２によって搬送されるときは図３(a) の状態
（給送バネ18及び分離バネ16の圧縮量が少ない状態）に
なるために、搬送ローラ対２で搬送されるシートＳには
大きなバックテンションがかかることなく、且つ連れ重
送を防ぐ程度に分離バネ16の圧力が設定されている。こ
のように、本実施形態のシート給送装置にあっては、簡
単な構成によって搬送ローラ対２による搬送負荷を増加
させることなく、また分離パッド15の摩耗を軽減するこ
とができる。

【００２３】尚、前記給送板13の引き下げは、レバー22
の端部の底面が給送板13のストッパー13ｃを押し下げる
ことによって行われる。そして、図３(a) に示すよう
に、ピックアップローラ14がホームポジションにあると
きは、レバー22の給送板側の端部が給送板13のストッパ
ー13ｃによって規制されているために、給送バネ18は圧
縮予圧をもって介在しており、高さ方向のスペースが小
さくなる。

【００２４】また、レバー22によって給送バネ18及び分
離バネ16をカム20の動きに連動して１部材で同時に加圧
するために、シートＳのピックアップ時の給送圧と分離
圧を適切な状態にするタイミングを簡単に合わせること
ができる。同様に、前記両バネ16，18の圧を解放するタ
イミングも簡単に合わせることができる。

【００２５】〔他の実施形態〕前述した実施形態では分
離パッド15を１個の分離バネ16で押圧する例を示した
が、図５に示すように、分離パッド15を分離バネ16で押
圧する他に、その両側に２個の補助バネ24を配置して合
計３個のバネによって押圧するようにしてもよい。尚、
前記補助バネ24は画像形成装置本体内の固定部にバネ座
を有する固定バネである。

【００２６】このようにすると、分離パッド15を押圧す
る圧力を分散することができ、バネの平均径を小さくす
ることが可能となり、装置の小型化を図ることができ
る。

【００２７】また、前述した実施形態ではシート給送装
置Ｂを電子写真方式のレーザービームプリンタに用いた
例を示したが、これは電子写真方式に限定する必要はな
く、インクジェット記録方式や熱転写記録方式等の他の
記録方式による画像形成装置に用いることも当然可能で
ある。

【００２８】更には、画像処理手段としては前述したよ
うに画像形成手段のみならず、画像読取手段で構成する
ことも可能である。即ち、シートＳとして原稿をセット
し、この原稿を一枚ずつ分離給送し、画像処理手段とし
ての画像読取手段で原稿記載情報を読み取る画像読取装
置に対しても前記シート給送装置Ｂは好適に用いること
ができる。

【００２９】

【発明の効果】本発明は前述のように構成したために、
給送回転体がシートを給送するとき押圧部材によるシー
ト押圧力を強くすることにより、シートの分離給送を確
実に行なうことができ、シート給送後は前記押圧力を弱
くすることにより、シート押圧負荷を小さくすることが
できると共に、押圧部材の摩耗を抑制することができ
る。

【００３０】このため、これを用いた画像処理装置にあ
ってはシートの搬送スピードを低下させることなく、画
像処理不良の発生を防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】シート給送装置の模式説明図である。

【図２】シート給送装置の要部の斜視説明図である。

【図３】給送回転体に対する押圧部材によるシート押圧
力を変化させた状態説明図である。

【図４】シート給送装置を用いた画像処理手段である画
像形成装置の全体模式説明図である。

【図５】分離パッドを３個のバネによって押圧する実施
形態の説明図である。

【図６】従来例に係るシート給送機構の説明図である。

【符号の説明】

Ａ …レーザービームプリンタ Ｂ …シート給送装置 Ｓ …シート １ …前カバー ２ …搬送ローラ対 ３ …ガイドパス ４ …画像形成手段 ５ …感光体ドラム ６ …レーザースキャナ ７ …転写ローラ ８ …定着ローラ対 ９，10…排出ローラ対 11 …ガイドパス 12 …排出部 13 …給送板 13ａ …積載面 13ｂ …管部 13ｃ …ストッパー 13ｄ …分離シート材 13ｅ …貫通孔 14 …ピックアップローラ 15 …分離パッド 16 …分離バネ 17 …支持軸 18 …給送バネ 19 …ローラ軸 20 …カム 21 …回動軸 22 …レバー 22ａ …孔 22ｂ …溝 23 …軸部 24 …補助バネ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セットしたシート束を一枚ずつ分離給送
   するシート給送装置において、 シートに給送力を付与する給送回転体と、 前記給送回転体にシートを押圧する押圧部材と、 前記押圧部材による給送回転体へのシート押圧力を変化
   させる押圧力変化手段と、 を有し、 前記給送回転体の回転動作に連動して前記押圧部材によ
   るシート押圧力を変化させるよう構成したことを特徴と
   するシート給送装置。
2. 【請求項２】 シートを給送するための請求項１記載の
   シート給送装置と、 前記シート給送装置によって給送されたシートに記載さ
   れた画像を読み取り、又は前記給送されたシートに画像
   を形成する画像処理手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。