JPH11277621A - 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

二軸配向熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法

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JPH11277621A
JPH11277621A JP8717398A JP8717398A JPH11277621A JP H11277621 A JPH11277621 A JP H11277621A JP 8717398 A JP8717398 A JP 8717398A JP 8717398 A JP8717398 A JP 8717398A JP H11277621 A JPH11277621 A JP H11277621A
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film
thermoplastic resin
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biaxially oriented
tenter
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JP8717398A
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Mika Aeba
美加 饗場
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】幅方向に沿って物性が均一であり、かつ熱寸法
安定性、機械的特性にも優れ、平面性も良好な二軸配向
熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】フィルムの長手方向及び幅方向の150℃
で30分における熱収縮率が−0.1%以上、0.3%
以下であり、かつ、フィルム幅方向における配向角の最
大値と最小値の差x°のフィルム幅Lmに対する比x°
/Lmが0°/m以上、15°/m以下であることを特
徴とする二軸配向熱可塑性樹脂フィルム、及びその製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向熱可塑性
樹脂フィルム及びその製造方法に関するものである。更
に詳しくは、フィルム幅方向において物性が均一であ
り、かつ、熱寸法安定性、機械特性にも優れ、平面性も
良好な二軸配向熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムは、その物理的、
熱的特性に応じて様々な分野で利用されている。特に、
縦方向、横方向の二軸方向に延伸をかけたポリエステル
フィルムは、機械的特性などにも優れるため、より好ま
しく用いられている。中でもポリエステルフィルム、特
にポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6
ナフタレートフィルムは、その機械的特性、熱的特性、
電気的特性が優れるため、複写機やプリンタなどに使用
されるオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用シート
や製図用原紙、モーターやトランスなどにおける電気絶
縁用材料、また、ICカード用途、FPC基板用や磁気
記録用ベースフィルム、プリンタリボンなどのOA用途
などさまざまな用途で用いられている。
【0003】また、製品化されるフィルム幅方向の物性
の均一化は、収率を向上させる上で最も重要である。一
般に、幅方向の物性むらは、テンターにおける加熱によ
り生じる熱収縮応力によるものと、テンターにおける横
延伸工程で生じる縦方向の収縮力により、熱処理室での
加熱により、長手方向への拘束が弱いフィルム中央部の
剛性が低くなり、横延伸工程側に引き込まれることによ
り生じると考えられている。また、このようにして生じ
る物性むらは、テンター入り口でフィルムの横方向に平
行に引いた直線が、出口で弓状に湾曲するボーイング現
象と同様に、フィルム幅方向に弓状に湾曲した分布を示
す。そこで、このボーイング現象を抑える方法として、
例えば、一軸延伸したフィルムをテンターで横延伸し、
いったんクリップ把持を開放し、更に再度クリップでフ
ィルムを把持し、120〜240°の温度領域において
昇温させながら熱固定する方法(例えば、特開昭57−
87331号公報)、未延伸フィルムを延伸温度以上で
予熱した後、縦横方向に同時二軸延伸し、次いで等温ず
つ多段階に分割昇温させて再熱処理する方法(例えば、
特開昭54−137076号公報)、横延伸直後にフィ
ルム温度をいったんガラス転移温度以下まで下げて剛性
を増し、熱処理室側のフィルムが延伸室に引き込まれる
の防止する方法(例えば、特開平3−13027号公
報、特開平3−216326号公報)、冷却工程を入れ
る代わりに、横延伸と熱処理間にニップロールを設け
て、中央部を強制的に進行させる方法(例えば、特公昭
63−24459号公報)、また、フィルムを二軸延伸
後、フィルムの中央部より端部のの温度が高くなるよう
に加熱する方法(例えば、特開昭61−233523号
公報、特開昭62−83327号公報、特開昭62−1
83328号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、このような方法ではボーイング現象を多少抑制する
ことはできても、熱寸法安定性、機械的特性、平面性な
どを損なわずにフィルム幅方向における諸物性を均一化
するには不十分であったり、製膜装置が大型化するとい
った問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決し、幅方向に沿って物性が均一であり、かつ熱寸
法安定性、機械的特性にも優れ、平面性も良好な二軸配
向熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、フ
ィルムの長手方向及び幅方向の150℃で30分におけ
る熱収縮率が−0.1%以上、0.3%以下であり、か
つ、フィルム幅方向における配向角の最大値と最小値の
差x(°)のフィルム幅L(m)に対する比x/L(°
/m)が0°/m以上、15°/m以下であることを特
徴とする二軸配向熱可塑性樹脂フィルムに関するもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明においにおける熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン6,ナイロン6
6などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、その
他、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂などを用いることができる。また、これらの樹脂はホ
モ樹脂であってもよく、共重合またはブレンドであって
もよい。また、これらの樹脂の中に、公知の各種添加
剤、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒
子および有機粒子などが添加されてもよい。特に無機粒
子や有機粒子はフィルムの表面に易滑性を与え、フィル
ムの取り扱い性を高めるためにも有効である。
【0008】また本発明のフィルムは、積層構造をとっ
ていることも好ましい。積層構造としては、フィルムを
横延伸する前に塗材をフィルムに塗布して、テンター内
で溶媒の乾燥、横延伸および熱処理を行う方法が好まし
く行われる。例えば、インクやトナーなどの易接着性、
静電気を抑える帯電防止性などの多様な特性の付与に効
果的である。
【0009】本発明における二軸配向熱可塑性樹脂フィ
ルムとは、フィルムの長手方向と、長手方向と垂直な方
向(幅方向)に分子を配向させたフィルムを言う。具体
的には、溶融押出し、実質的に無配向なフィルムを長手
方向に延伸後、幅方向に延伸する方法、幅方向に延伸
後、長手方向に延伸する方法、あるいは、長手方向、幅
方向同時に延伸する方法、また長手方向の延伸、幅方向
の延伸を複数回組み合わせて行ってもよい。
【0010】本発明においては、フィルムの長手方向及
び幅方向の150℃で30分における熱収縮率が−0.
1%以上、0.3%以下であり、かつ、フィルム幅方向
における配向角の最大値と最小値の差x(°)のフィル
ム幅L(m)に対する比x/L(°/m)が0°/m以
上、15°/m以下であることが必要であり、好ましく
は長手方向及び幅方向の熱収縮率が0.2%以下、更に
好ましくは0.1%以下であり、またx/L(°/m)
は10°/m以下が好ましく、更に好ましくは5°/m
以下である。熱収縮率が上記範囲を外れると、高温・多
湿下での長期保存によるフィルムの伸縮や変形が生じや
すくなったり、加工時の蛇行等が生じやすくなるため好
ましくない。また、x/L(°/m)が上記範囲を外れ
ると、要求の厳しい用途では端部は製品化できずに収率
悪化を招いたり、物性むらが大きくなり各用途における
加工や使用時に、熱の伝達むら等の問題を引き起こす原
因となり好ましくない。さらに、熱収縮率及びx/L
(°/m)が上記範囲を外れると、例えば、ICカー
ド、FPCやインクプルーフの用途などにおいてはラミ
ネート時にツイストカールが生じ易くなり、また、OH
P用途やリボン用途においては使用中にフィルムのたる
みなどの平面性悪化を招いたり、収縮による締め付けな
どの不具合や、印刷時のずれが生じやすくなる。
【0011】本発明において、熱収縮率とは次のように
測定される値をいう。
【0012】すなわち、まず、幅10mm、長さ250
mmにサンプリングした試料に、約200mm間隔とな
るように直線を引き、その間隔の長さを万能投影機によ
り測定し、L0(mm)とする。次に該サンプルを15
0℃に加熱された熱風オーブン中で30分間保持し、そ
の後、室温で2時間冷却した後、再び、直線の間隔を万
能投影機で正確に測定し、L(mm)とする。この測定
結果から熱収縮率=((L0−L)/L0×100)
(%)とし、n数5サンプルの平均値を採用した。な
お、熱収縮率の符号が、「−(負)」の場合は伸びを示
しており、0%とは伸縮していないことを示している。
【0013】また、本発明において、配向角とは白色光
を光源として偏光顕微鏡を用い、その消光位置から配向
主軸とフィルム幅方向との狭角を求め配向角x°とし
た。なお、配向主軸は幅方向を0°、幅方向と垂直な方
向(長手方向)を90°とした。
【0014】本発明において、幅方向において物性が均
一であり、かつ熱寸法安定性、機械的特性にも優れ、平
面性も良好な二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
の例としては、まず、テンターを用いて延伸もしくは熱
処理する方法において、フィルム幅方向における両端部
を把持し、かつ、該クリップの把持部においてフィルム
が長手方向に移動可能なテンタークリップを用いること
が好ましい。通常用いられているテンタークリップはフ
ィルム幅方向における端部を把持しているが、該クリッ
プ把持部のフィルムは長手方向にも拘束されているた
め、クリップ自体の動きに伴って移動している。このた
め、テンターにおける熱処理時にフィルム中央部は熱収
応力に応じて比較的自由に収縮することができるが、端
部はクリップの動きに伴って移動しているため収縮する
ことができず、そのため中央部と端部で物性の異なるフ
ィルムとなってしまう。また、通常のテンタークリップ
を用いて長手方向に弛緩処理を施すためには、クリップ
間隔が変化するような設備とする必要があり、装置が大
型化するため好ましくない。しかしながら、本発明にか
かるテンタークリップを用いることにより、フィルム端
部も収縮するためボーイング現象が抑制でき、幅方向の
物性が均一なフィルムを通常の装置でも容易に得ること
が可能となる。
【0015】さらに、本発明においては、該クリップ把
持部の形態が円盤形状、そろばん玉形状、ベルト形状、
太鼓ロール形状などから選ばれたテンタークリップを用
いることが好ましい。該クリップ把持部の形態を図1〜
2に簡単に示す。該テンタークリップを用いることによ
り、フィルムを長手方向に自由に移動させることが可能
となり、また、この際、フィルム幅方向における両端部
は、クリップの把持力を適宜調整することによりクリッ
プ外れを起こすこともない。つまり、クリップ外れを起
こすことなく、フィルムが長手方向に移動可能となるの
である。
【0016】また、テンターにおける製膜工程として
は、長手方向に一軸延伸したフィルムをテンターにおい
て幅方向に延伸した後、長手方向に弛緩処理を施し、引
き続き熱処理を施すことは、熱寸法安定性に優れたフィ
ルムを得る上でも有効であるが、特に幅方向の物性を均
一にする上で効果的である。この際、弛緩率は2%以
上、10%以下、好ましくは7%以下、さらに好ましく
は5%以下で、弛緩処理温度は(Tm−165)℃〜
(Tm−20)℃で熱処理温度に昇温しながら行うのが
好ましい。また、熱処理温度は(Tm−30)℃〜T
m、好ましくは(Tm−20)℃〜Tmである。上述し
たテンター法を用いることにより平面性を損なうことな
く、x°/Lmを0°/m以上、15°/m以下とする
ことが可能となり、幅方向において物性が均一で熱寸法
安定性に優れたフィルムが容易に得られる。
【0017】さらに、長手方向に一軸延伸したフィルム
をテンターにおいて幅方向に延伸し熱処理を施した後、
長手方向に弛緩処理を施すことは、より熱寸法安定性に
優れたフィルムを得る上で効果的である。この際、熱処
理温度は(Tm−30)℃〜Tm、好ましくは(Tm−
20)℃〜Tmとするのが好ましい。また、弛緩率は1
%以上、5%以下であることが好ましく、更に好ましく
は3%以下で、弛緩処理温度は(Tg+135)℃〜
(Tg+25)℃で徐冷しながら行うのが、熱寸法安定
性に優れたフィルムを得る上で最も有効である。
【0018】もちろん、テンターにおける各処理条件
(温度、時間など)を適宜変更し、最適化することや、
幅方向の熱収を抑えるために熱処理後に冷却しながら幅
方向に弛緩処理を施すことも好ましいことである。
【0019】次に本発明の製造法について具体的に説明
するが、かかる例に限定されるものではない。
【0020】また、ここでは熱可塑性樹脂としてポリエ
チレンテレフタレートの例を示すが、これに限定される
ものではない。
【0021】まず、重合したポリエチレンテレフタレー
トのペレットを180℃で5時間真空乾燥した後、27
0〜300℃の温度に加熱された押出機に供給し、Tダ
イよりシート状にに押出す。この溶融されたシートを、
ドラム表面温度25℃に冷却されたドラム上に静電気力
により密着固化し、実質的に非晶状態の成形フィルムを
得る。このフィルムを80〜120℃の加熱ロール群で
加熱し長手方向に3〜6倍に一段もしくは多段で縦延伸
し、20〜50℃のロール群で冷却する。続いて、テン
タに導いてこのフィルムの両端部をクリップで把持しな
がら、80〜140℃に加熱された熱風雰囲気中で予熱
し、幅方向に3〜6倍に横延伸し、二軸延伸フィルムを
得る。
【0022】ここで、本発明においては、平面性を損な
わずに熱寸法安定性に優れ、かつ幅方向における物性が
均一なフィルムを得るために、テンターにおいて横延伸
後に90〜235℃で熱処理温度に昇温しながら長手方
向に2〜10%の弛緩処理を施し、引き続き200〜2
55℃で熱処理を行うことが好ましい。次いで、120
〜210℃で冷却する。この冷却区間においては幅方向
の熱収を抑えるために、幅方向に5%以下の弛緩処理を
行うことが好ましい。また、より熱寸法安定性のフィル
ムを得るには、引き続き100〜210℃において長手
方向に1〜5%の弛緩処理を行うことが好ましい。
【0023】また、本発明において、テンターで用いる
該クリップを、フィルム幅方向における両端部を把持
し、かつ、該クリップの把持部においてフィルム長手方
向に移動可能なテンタークリップとすることにより、熱
寸法安定性に優れ、かつ、幅方向の物性が均一なフィル
ムを、平面性を悪化させることなく大規模な装置を用い
ずに容易に得ることが可能となり好ましい。
【0024】また、該クリップ把持部の形態が、そろば
ん玉形状、ベルト形状、太鼓ロール形状などの形状から
選ばれたテンタークリップを用いることは、本発明のフ
ィルムを得るのにさらに効果的である。このようにして
得られたフィルムを室温まで徐冷して巻き取ることで本
発明の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを得ることができ
る。
【0025】
【物性値の評価法】(1)熱収縮率 幅10mm、長さ250mmにサンプリングした試料
に、約200mm間隔となるように直線を引き、その間
隔の長さを万能投影機により測定し、L0(mm)とす
る。次に<該サンプルを150℃に加熱された熱風オー
ブン中で30分間保持し、その後、室温で2時間冷却し
た後、再び、直線の間隔を万能投影機で正確に測定し、
L(mm)とする。この測定結果から熱収縮率=((L
0−L)/L0)×100)(%)とし、n数5サンプル
の平均値を採用した。
【0026】(2)配向角 白色光を光源として偏光顕微鏡を用い、その消光値から
配向主軸とフィルム幅方向との狭角を求め配向角x
(°)とした。なお、配向主軸は幅方向を0°、幅方向
と垂直な方向(長手方向)を90°とした。
【0027】(3)F−5値 オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置テ
ンシロンAMF/RTA−100を用いて、幅10m
m、試長200mmとなるようにセットし、引張り速度
200m/分、温度25℃、湿度65RH%の条件でフ
ィルムの長手方向の5%伸長に対するF5値とした。
【0028】(4)熱特性 至差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製の
ロボットDSC「RDC220」を用い、データ解析装
置として、同社製ディスクステーション「SSC/52
00」を用いて、サンプル約5mgをアルミニウム製の
受皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素中で急冷
固化した後、室温から20℃/分で昇温した。このとき
に観測されるガラス状態からゴム状態への移転に基づ
く、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距
離にある直線と、ガラス転移の段階状変化部分の曲線と
が交わる点の温度をガラス転移点(Tg)とした。ま
た、融解ピークの頂点の温度を融点(Tm)とした。
【0029】(5)平面性 A4サイズにカットしたフィルムをコルク板の上に置
き、不織布を巻き付けた棒でフィルムをしごき、空気を
排除した後、以下のようにして平面性を目視で判定し
た。
【0030】○:コルク板から浮き上がった部分が見ら
れないもの。
【0031】△:コルク板から浮き上がった部分が3ヶ
所以下であるもの。
【0032】×:コルク板から浮き上がった部分が3ヶ
所以上を越えるもの。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0034】実施例1 o−クロロフェノール中で測定した固有粘度0.65の
ポリエチレンテレフタレートを用いた。DSCを用いて
熱特性を測定したところ、Tg:75℃、Tm:255
℃であった。このポリエチレンテレフタレートのペレッ
トを180℃で5時間真空乾燥した後に、270〜30
0℃に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状
に成形した。さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷
却ドラム上に静電気力で密着固化して未延伸フィルムを
得た。
【0035】この未延伸フィルムを80〜120℃の加
熱ロール群で加熱し長手方向に3.3倍一段階で縦延伸
し、20〜50℃のロール群で冷却した。続いて。テン
ターに導き、そのフィルムの両端部をクリップ把持部の
形態がフィルムが長手方向に移動可能な太鼓ロール形状
のテンタークリップで把持しながら、90℃に加熱され
た熱風雰囲気中で予熱し、95℃の熱風雰囲気中で横方
向に3.5倍に横延伸し、二軸配向フィルムを得た。
【0036】このようにして二軸配向されたフィルムを
そのままテンター中で、95〜230℃の昇温区間でフ
ィルムをクリップ把持部で長手方向に移動させて2%弛
緩処理を施し、引き続き250℃の熱処理を行い、熱処
理後、いったん200℃まで緊張下で冷却し、200〜
120℃の冷却区間でテンターのレール幅を縮めて幅方
向に3%、長手方向2.5%弛緩処理を施し、さらにテ
ンターから取り出し、フィルムエッジ部分をトリミング
して巻き取り、厚み50μmの本発明の二軸配向熱可塑
性樹脂フィルムを得た。
【0037】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0038】平面性が良好で、機械的特性、熱寸法安定
性に優れ、幅方向における物性も均一化されたものが得
られた。
【0039】実施例2 実施例1で用いるテンタークリップを該把持部の形態が
通常ものに変更し、また、長手方向の弛緩処理をクリッ
プ間隔を狭めて行う以外は実施例1と全く同様にして、
テンターから取り出し、フィルムエッジ部分をトリミン
グして巻き取り、厚み50μmの本発明の二軸配向熱可
塑性樹脂フィルムを得た。
【0040】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0041】実施例1のものと同様に、平面性が良好
で、機械的特性、熱寸法安定性に優れ、幅方向における
物性も均一化されたものが得られた。
【0042】実施例3 実施例1での幅方向の弛緩率を1%に変更する以外は実
施例1と全く同様にして、テンターから取り出し、フィ
ルムエッジ部分をトリミングして巻き取り、厚み50μ
mの本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0043】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0044】実施例1のものと比較して、幅方向の熱収
縮率が若干大きいが、平面性が良好で、機械的特性に優
れ、幅方向における物性も均一化されたものが得られ
た。
【0045】実施例4 実施例1で用いたテンタークリップをそろばん玉形状に
変更し、熱処理温度を240℃に、幅方向の弛緩率を1
%に変更する以外は実施例1と全く同様にして、テンタ
ーから取り出し、フィルムエッジ部分をトリミングして
巻き取り、厚み50μmの本発明の二軸配向熱可塑性樹
脂フィルムを得た。
【0046】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0047】実施例1のものと比較して、長手方向、及
び幅方向の熱収縮率が若干大きいが、幅方向における物
性はより均一となり、平面性も良好で、機械的特性に優
れたものが得られた。
【0048】比較例1 実施例1における熱処理前の長手方向の弛緩率を1%に
変更する以外は実施例1と全く同様にして、テンターか
ら取り出し、フィルムエッジ部分をトリミングして巻き
取り、厚み50μmの本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フ
ィルムを得た。
【0049】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0050】実施例1のものと比較して、長手方向の熱
収縮率が若干大きく、幅方向の物性が不均一なものとな
った。
【0051】実施例5 実施例1における熱処理前の長手方向の弛緩率を5%に
変更し、幅方向の弛緩処理後に長手方向の弛緩処理を施
さない以外は、実施例1と全く同様にして、テンターか
ら取り出し、フィルムエッジ部分をトリミングして巻き
取り、厚み50μmの本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フ
ィルムを得た。
【0052】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0053】実施例1のものと比較して、長手方向の熱
収縮率が若干大きいが、平面性が良好で、機械的特性に
も優れ、幅方向における物性も均一なものが得られた。
【0054】比較例2 実施例1において熱処理前の長手方向の弛緩処理、熱処
理後の幅方向、及び長手方向の弛緩処理を施さない以外
は実施例1と同様にして、テンターから取り出し、フィ
ルムエッジ部分をトリミングして巻き取り、厚み50μ
mの本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0055】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0056】実施例1とのもの比較して、長手方向、及
び幅方向の熱収縮率が大きく、幅方向における物性も不
均一であり、平面性も劣ったものとなった。
【0057】比較例3 実施例1において熱処理温度を220℃に変更する以外
は実施例1と全く同様にして、テンターから取り出し、
フィルムエッジ部分をトリミングして巻き取り、厚み5
0μmの本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを得
た。
【0058】得られた二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
特性を表1に示す。
【0059】実施例1のものと比較して、長手方向の熱
収縮率が大きく、平面性も劣ったものとなった。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム幅方向におけ
る物性が均一であり、かつ熱寸法安定、機械的特性に優
れ、平面性も良好な二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを生
産性よく得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリップ把持部の形態における円盤形状、そろ
ばん玉形状の簡単な図である。
【図2】クリップ把持部の形態におけるベルト形状、太
鼓ロール形状の簡単な図である。
【符号の説明】
1:フィルム進行方向 2:フィルム 3:長手方向へは自由に移動

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムの長手方向及び幅方向の150℃
    で30分における熱収縮率が−0.1%以上、0.3%
    以下であり、かつ、フィルム幅方向における配向角の最
    大値と最小値の差x(°)のフィルム幅L(m)に対す
    る比x/L(°/m)が0°/m以上、15°/m以下
    であることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂フィル
    ム。
  2. 【請求項2】テンタークリップを有するテンターを用い
    て、熱可塑性樹脂シートを延伸もしくは熱処理して二軸
    配向熱可塑性樹脂フィルムを製造するに際して、前記テ
    ンタークリップとしてテンタークリップの把持部におい
    てフィルムが長手方向に移動可能なテンタークリップを
    用い、かつ、フィルム幅方向におけるフィルム両端部を
    該クリップにより把持し、延伸もしくは熱処理して、前
    記フィルムを得ることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹
    脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】該テンタークリップの把持部の形態が、円
    盤形状、そろばん玉形状、ベルト形状、および太鼓ロー
    ル形状から選ばれたテンタークリップを用いることを特
    徴とする請求項2記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】長手方向に一軸延伸したフィルムを、テン
    タークリップの把持部においてフィルムが長手方向に移
    動可能なテンタークリップを用い、かつ、フィルム幅方
    向におけるフィルム両端部を該クリップにより把持する
    テンターによって、幅方向に延伸した後、長手方向に弛
    緩処理を施し、引き続き熱処理を施すことを特徴する請
    求項2または3記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの
    製造方法。
  5. 【請求項5】該弛緩率が2%以上、10%以下であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の二軸配向熱可塑性樹脂フ
    ィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】長手方向に一軸延伸したフィルムをテンタ
    ーにおいて幅方向に延伸し熱処理を施した後、長手方向
    に弛緩処理を施すことを特徴とする請求項2、3、4ま
    たは5記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】該弛緩率が1%以上、5%以下であること
    を特徴とする請求項6記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造方法。
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