JP2004358742A - プラスチックフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱寸法安定性に優れ、かつ、ボーイング現象の指標であるフィルム幅方向の中央部と端部での配向角の位置依存性が劇的に少ないフィルム幅方向において物性が均一化されたプラスチックフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム端部を把持手段で把持して、少なくともフィルム巾方向に横延伸した後に熱処理するテンター法横延伸方法において、横延伸すると同時に把持手段間隔を1〜20%収縮させる長手方向弛緩処理を施したことを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】フィルム端部を把持手段で把持して、少なくともフィルム巾方向に横延伸した後に熱処理するテンター法横延伸方法において、横延伸すると同時に把持手段間隔を1〜20%収縮させる長手方向弛緩処理を施したことを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱寸法安定性に優れ、フィルム巾方向に均一な物性を有する低ボーイングなプラスチックフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からプラスチックフィルムは、二軸延伸することにより優れた機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性、耐侯性など付与するため、工業的に様々な分野で広く使用されている。これらの優れた特性を生み出す代表的な製膜方法ではテンターを用いた逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法が用いられている。前者は、通常、フィルム長手方向に延伸し、次いでテンター内でフィルム端部をクリップで把持し、その後クリップがレール上を巾方向に走行することにより横延伸した後に熱処理する方法がとられる。後者は、テンター内で長手方向にクリップ間隔が広がることにより、また同時に巾方向にクリップがレール上を走行することにより同時二軸延伸した後に熱処理する方法がとられる。このテンター内で延伸した後に熱処理する工程において、フィルム巾方向の物性の均一性を乱すボーイング現象が生じことが知られている。このボーイング現象は、テンター内で巾方向に横延伸し熱処理する際に生じるものであって、テンター前でフィルム巾方向に油性マジックインキで引いた直線が、テンター後にはフィルム長手方向に弓なり状に引き戻された形に変形されてしまう挙動を示すものである。その主因は、フィルム長手方向におけるポアソン比に基づく収縮力および熱収縮力などに起因して発生するものと考えられている。このボーイング現象が生じるために、得られたプラスチックフィルムはフィルム巾方向の分子配向分布が異なる物性むらを有している。具体的には、フィルム巾方向中央部から端部へ向かうにつれて、分子鎖が最も配向した軸の傾き(配向角)及びその度合い(Δnもしくは配向係数fn)が大きくなることである。ここで配向角とは、フィルム巾方向または長手方向と主配向軸とがなす角度のうち、小さい方の角度である。また、Δnとは複屈折のことであり、fnとは屈折率楕円体におけるフィルム面内方向の屈折率の最大と最小値の平均値から厚み方向の屈折率を差し引いた値である。
【0003】
この物性むらが原因で、先に述べた光学特性以外でも湿度膨張率、機械強度、熱収縮率などの物性が巾方向で異なる不都合を有している。その具体例として、包装用途としては、印刷ラミネート加工時のずれ、蛇行、カールという不都合や、磁気記録用途としては、フレキシブルディスクのベースフィルムとして用いる場合、装置内でのそりなどによる記録特性の低下などがある。特に、近年の光エレクトロニクス産業の液晶表示素子周辺に用いられる偏光板、位相差板、偏光板保護フィルム、偏光板セパレータなどの光学部材フィルムとして用いられる場合、その複屈折による光学特性の低下を引き起こす致命的なボーイング現象は、早急に改善すべき最大の問題と考えられている。
【0004】
これらの問題を引き起こすボーイング現象を抑制するための対策は、従来から種々検討されてきている。
【0005】
例えば、特許文献1には、加熱ロールを用いた熱処理方法が提案されている。また、特許文献2および特許文献3には、フィルム幅方向に温度勾配を与えながら熱処理する方法、特許文献4および特許文献5には、フィルムの両端部を強制的に加熱して熱処理する方法がそれぞれ提案されている。また、特許文献6には、幅延伸機(テンター)内での延伸工程と熱処理工程の間にニップロールにより幅延伸後のフィルムを熱処理する方法が提案されており、特許文献7には、ニップロールによってフィルムの中央部を強制的に前進させる方法が提案されている。そして、特許文献8および特許文献9などには、幅延伸工程と熱処理工程の間に冷却工程を設けたものが提案されている。
【0006】
さらに、特許文献10には、横方向延伸後、ガラス転移点以下に冷却し、次いで第一熱処理区間でT1(200℃〜240℃)で熱処理し、第二熱処理区間でT2(T1以下の温度)で1〜20%の横方向に延伸させながら第三熱処理区間でT3(T2未満の温度)で降温する方法が提案されている。また、その類似例として特許文献11には、テンターで横延伸した後に、フィルムを横延伸温度以下の温度に冷却、保持し、引続き2以上に分割された温度領域で、2〜20%幅方向に伸張させながら昇温し、ついで熱固定する方法が提案されている。以上に説明してきたボーイング現象低減効果がある方法として考えられている横延伸後の冷却工程、熱処理工程の段階的な昇温、さらに熱処理工程での横再延伸などの製造方法を全て取り入れたものが、特許文献12および特許文献13で提案されている。
最近では、テンター法同時二軸延伸方法において、縦延伸倍率軌跡の起点及び終点を横延伸倍率軌跡の起点及び終点より先行させる方法などが特許文献14で提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特公昭39−29214号公報
【0008】
【特許文献2】
特公昭42−9273号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平7−314552号公報
【0010】
【特許文献4】
特開昭62−18327号公報
【0011】
【特許文献5】
特開昭62−183328号公報
【0012】
【特許文献6】
特開昭50−73978号公報
【0013】
【特許文献7】
特公昭63−24459号公報
【0014】
【特許文献8】
特許2936688号明細書
【0015】
【特許文献9】
特開平6−262675号公報
【0016】
【特許文献10】
特開昭62−43856号公報
【0017】
【特許文献11】
特開平1−165423号公報
【0018】
【特許文献12】
特開平6−297561号公報
【0019】
【特許文献13】
特開平6−297562号公報
【0020】
【特許文献14】
特開2002−370278公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの製造方法をもってしても、フィルム巾方向の物性の均一性が強く望まれる用途においては、中央部のみを出荷するという生産収率性の低下を招く不具合を生じていた。そこで、本発明は、熱寸法安定性に優れ、かつボーイング現象の指標であるフィルム巾方向の中央部と端部での配向角の位置依存性が従来よりも劇的に少ないプラスチックフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、テンター内で起きるフィルム熱変形挙動を解析し、本発明を達成するに至った。すなわち、フィルム端部を把持手段で把持して、少なくともフィルム巾方向に横延伸した後に熱処理するテンター法横延伸方法において、横延伸すると同時に把持手段間隔を1〜20%収縮させる長手方向弛緩処理を施すことを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明をする。本発明のテンター内の把持手段(把持手段としては、クリップが好適であるので、以下、把持手段に関してはこのクリップの例で説明する)の動作を表した概念図を図1に示す。即ち、図1において、左から右へフィルムが進行するに従って、テンターにおける長手方向弛緩処理区間2において、クリップ位置1は、向かい合うものは徐々に間隔が大きくなる一方、隣接の間隔は小さくなっていき、その際、レール上のクリップの速度曲線が低下している概念を示しているものである。本発明では、フィルム巾方向に横延伸すると同時にクリップ間隔を1〜20%収縮させる長手方向に弛緩処理を施すことが必要である。
【0024】
本発明の長手方向の弛緩処理とは、横延伸過程中にクリップ間隔が初期に比べ収縮する、好適には、クリップのレール上の走行速度が徐々に減速することにより実現される。この事により横延伸過程中に生じるポアソン比に基づくフィルム長手方向方向の歪みが減少されるため、横延伸終了点において結果的に熱処理部のフィルムを引き込まずボーイングを激減させることができる。クリップ間隔を狭め過ぎるとフィルムにしわが入り、広いままだとその効果が発揮されない観点から、長手方向の弛緩処理は、5〜15%が好ましい。より好ましくは5〜10%である。なお、前記収縮率Rcは、収縮開始直前の隣接クリップ間隔をDc1、収縮修了直後の隣接クリップ間隔をDc2として、
Rc=(Dc1−Dc2)/Dc1×100[%]
で表される。但し、ここでいう隣接クリップ間隔とは隣接するクリップのそれぞれの中心位置をフィルム長手方向に計測して、算出される値の差であり、レール上に沿った間隔ではない。
【0025】
又、テンターにおける長手方向弛緩処理区間の通過時間は好ましくは1〜1000(より好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜60)秒である。前記数値範囲の下限値を下回ると余りにも高速延伸となりフィルムが破断することとなり、一方、前記数値範囲の上限値を上回ると製膜速度が極端に遅いもしくは、延伸区間が極端に長くなり、生産性、設備面で問題となり、いずれも好ましくない。又、熱可塑性樹脂の前記区間での温度は、好ましくはガラス転移点〜融点未満(より好ましくはガラス転移点〜結晶化温度未満、結晶化しないものは、ガラス転移点以上融点未満)℃である。前記数値範囲の下限値を下回るとフィルム破れとなり、一方、前記数値範囲の上限値を上回ると延伸不良となり、いずれも好ましくない。
【0026】
なお、本発明において、処理区間の設定温度や熱処理の温度は、原則として、各処理区間や処理設備内のフィルムが曝されている雰囲気の温度である。
【0027】
本発明において、該テンター法横延伸前のフィルムが少なくとも一方向に延伸されていることが好ましい。少なくとも一方向とは、長手方向(延伸倍率は好ましくは1〜5倍)、幅方向(延伸倍率は好ましくは1〜5倍)のいずれか、もしくは同時に両方であっても良い。フィルムの物性のバランスを確保する観点から、長手方向がより好ましい。また、横延伸終了後に長手方向にクリップ間隔を広げることにより、長手方向延伸を行なっても良い。
【0028】
本発明において、フィルム横延伸終了後、次いで熱処理工程を施す前に冷却工程を設けることが好ましい。前記冷却工程の温度は好ましくは、ガラス転移点Tg+50℃以下であり、より好ましくはガラス転移点Tg以下である。ガラス転移点Tg+50℃以上であると、横延伸終了後のフィルムの弾性率が、横延伸過程中の弾性率に比べて低くなるため、横延伸側にフィルムが引きずり込まれるボーイングが生じる。このために冷却工程における温度は、ガラス転移点Tg+50℃以下であることが好ましい。なお、ガラス転移点以下であるならば、効果は殆ど同じであるが、工程設備の経済上、常温以上であることが好ましい。
【0029】
本発明において、熱処理工程が、第一熱処理区間T1℃(横延伸温度Te+40℃以下)、次いで第二熱処理区間T2℃(200〜240℃)でいずれも1〜20%横延伸しながら、最後に第三熱処理区間T3℃(Te〜T2℃)で巾方向において1〜20%弛緩処理を施すことが好ましい。第一熱処理区間の温度T1℃は、横延伸温度で付近で発生する熱収縮応力によるフィルム変形挙動を抑える観点から横延伸温度Te+40℃以下であることが好ましい。次に第二熱処理区間の温度T2℃は、熱寸法安定性を付与する観点から、200℃〜240℃であることが好ましく、さらにボーイングを少なくする観点からフィルム巾方向に1〜20%の再横延伸することが好ましい。より好ましくは、5〜15%である。さらに、第三熱処理区間の温度T3℃は、第二熱処理区間だけでは熱寸法安定性を満足すことは不十分であり、それを補うために第二熱処理区間T2℃以下横延伸温度Te℃以上の温度で、さらに巾方向に1〜20%の弛緩処理を施すことが好ましい。なお、巾方向の弛緩処理とは、再横延伸後の最大フィルム巾に対してテンター出口の巾を縮める処理のことをいう。
【0030】
前記第一熱処理区間の通過時間は、好ましくは1〜500(より好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜30)秒である。前記数値範囲の下限値を下回るとボーイングが大きくなり、一方、前記数値範囲の上限値を上回ると生産性、設備面で問題となり、いずれも好ましくない。前記第二熱処理区間及び第三熱処理区間の長さにおいても、前記した内容と同様である。。
【0031】
なお、前記第一〜三熱処理区間による熱処理は、縦延伸においても有効である。
【0032】
本発明において、熱処理工程前に取り出されたフィルムの長手、巾方向の熱収縮応力比が以下の式(1)の関係を満たすことが好ましい。
【0033】
巾方向の熱収縮応力>1.5×長手方向の熱収縮応力・・・(1)
ここでの熱収縮応力とは、フィルムが昇温されることにより延伸時に付与された非晶分子鎖が結晶化するためにフィルムが収縮しようとする力であり、通常、熱機械分析装置(TMA:Thermal Mechanical Analysis)を用いて測定される延伸温度近傍に見られる最大熱収縮応力のことである。ボーイング現象は、長手方向の収縮力によるものであるため、巾方向の収縮力を大きくすることにより抑止できる観点から、より好ましくは巾方向の熱収縮応力は、長手方向の熱収縮応力の1.7倍以上である。
【0034】
更に、全体のバランスを配慮すれば、熱処理工程前に取り出されたフィルムの長手、巾方向の熱収縮応力比が以下の式(2)の関係を満たすことが好ましい。
【0035】
巾方向の熱収縮応力<6×長手方向の熱収縮応力・・・(2)
本発明における延伸・熱処理を施すテンタークリップは、リニアモータ方式で駆動することが好ましい。その他、パンタグラフ方式、スクリュー方式などがあるが、中でもリニアモータ方式は、個々のクリップの自由度が高いため延伸倍率を自由に変更できる点で優れている。
【0036】
本発明において用いられるフィルムは、汎用的な包装、磁気記録及び離型用途などではポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンなどが挙げられる。代表例として、ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66であり、ポリエステルでは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィンでは、ポリプロピレンなどが挙げられる。また、光学特性が問題視される透明性、低複屈折を満たす材料としては、ポリメタクリル酸メチル、トリアセテート、ポリ−4−メチルペンテン、ポリスチレン、ポリカーボーネートなどが挙げられる。特に吸湿膨張係数、熱膨張係数、経時収縮などの寸法安定性と薄型化を可能とする腰の強さの点でポリカーボネートが好ましく用いられる。ここでいうポリカーボネートとは、炭酸エステルを構造単位に持つもので、その中でビスフェノールAからなる芳香族ポリカーボネートを意味する。
【0037】
これらのフィルムの中でも、本発明において最も効果があるフィルムは、ポリエステルフィルムである。
【0038】
本発明のポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルである。
【0039】
ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも好ましくはテレフタル酸とイソフタル酸を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0040】
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0041】
本発明のポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を挙げることができ、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0042】
本発明におけるポリエステルは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造する方法等がある。この際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもできる。
【0043】
ポリエステルフィルムにおける本発明の製造方法に関して更に、詳しく説明する。本発明のポリエステルは、上記溶融ポリマーを押出機に供給して、T型口金等を用いてシート状に溶融押出し、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとする。この未延伸フィルムをそのまま、もしくは80℃〜120℃未満の延伸温度で長手方向に1段階的に、もしくは多段階的に分けて2.5倍〜5倍に延伸し、テンターへと導かれる。ボーイングを抑える観点から、延伸温度は、100℃以上、延伸倍率は、3.5倍以下が好ましい。次いで、本発明によればテンターにてフィルム端部をクリップにより把持しながらフィルム巾方向に横延伸すると同時にレール上のクリップ間隔を1〜20%収縮させる長手方向に弛緩処理を施すことが必要である。この際の横延伸温度Teは、80℃〜110℃未満であり、延伸倍率は、3倍〜5倍である。また、ボーイング及び厚みむら悪化の抑止の観点から、横延伸温度Teが80℃〜100℃及び3.7〜5倍の横延伸倍率が好ましい。また、未延伸フィルムをテンターに導いた場合は、前述同様の巾方向に横延伸した後に、80℃〜120℃未満の延伸温度で長手方向にクリップ間隔が広がることによって延伸倍率2.5〜5倍の長手方向延伸する逐次二軸延伸を行なうことも好ましい。
【0044】
本発明において、フィルム延伸終了後、次いで熱処理工程を施す前にガラス転移点Tg以下の冷却工程を設けることが好ましく、より好ましくは70℃以下の冷却工程を設けることが好ましい。さらに、熱処理工程が、3つの温度領域のゾーンに分けられており、第一熱処理区間T1℃(横延伸温度Te+40℃以下)、次いで第二熱処理区間T2℃(200〜240℃)で1〜20%横延伸しながら、最後に第3熱処理区間T3℃(Te〜T2℃)で巾方向に1〜20%の弛緩処理を施すことが好ましい。
【0045】
本発明におけるポリエステルには、必要に応じてさらに難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはシロキサン等の消泡剤等を配合することができる。滑材としては、有機、無機滑材を用いることができる。その形状としては、凝集粒子、真球状粒子、数珠状粒子、コンペイト状粒子、鱗片状粒子などの形状粒子を使うことができる。また、その材質としては、例えば、無機系としては、酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、酸化マグネシウム等を、有機系としては、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ないし無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ないし無架橋アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等の樹脂、また有機滑材としてステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、フマール酸アミドなどの各種アミド化合物を挙げることができる。
[特性の測定方法]
実施例及び比較例における評価結果は次の方法で測定されたものである。
(1)ボーイング量:
テンター前で、フィルム巾方向にマジックインキで引いた直線が、熱固定後に弓なり上に歪んだ量をフィルム全巾で除し、100を乗じることにより求めた。
(2)フィルムの配向角:
ボーイング現象の発生の程度を比較するために、製膜したフィルムの配向角を自動複屈折計(新王子製紙株式会社製KOBRA−21ADH)を用いて、フィルム幅方向の中央部(相対位置0)及びフィルム全巾の半分の値×0.8で求められたフィルム巾方向8割の位置以内の領域から切り出した幾つかのサンプル(長手方向4.0cm×幅方向3.5cm)について測定し、その最大値を配向角とした。
(3)熱収縮率:
フィルム巾方向における中央部から、長手方向(MD)、巾方向(TD)、それぞれ、1×10cmのサンプルを切り出し、ギアオーブン(TABAI社製GHPS−222)で150℃、10分間の条件で熱処理した。その前後におけるフィルム長手方向と幅方向の長さをそれぞれ万能投影機(77−7ニコン社製E04)で正確に測長することにより、熱収縮率を求めた。
(4)熱収縮応力比:
熱処理工程前のフィルムを採取し、そのフィルム巾方向における中央部から、長手方向(MD)、巾方向(TD)、それぞれ、長さ20mm×巾4mmのサンプルを切り出し、セイコーインスツルメント株式会社製の熱機械分析装置TMA/SS6000を用いて熱収縮応力を測定した。測定条件は、定長モードで昇温速度20℃/分、荷重5gfで測定した。温度に対して得られたそれぞれMD,TDの熱収縮応力曲線の最大値を求め、その比を熱収縮応力比とした。
【0046】
熱収縮応力比=巾方向の応力最大値/長手方向の応力最大値・・・(3)
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、まず長手方向に延伸した。長手方向延伸では、100℃に加熱したロールとラジエーションヒーターによってフィルムを2.8倍延伸した。続いて図1に示したテンターにて巾方向に85℃で4倍延伸しながら、クリップ間隔8%収縮させる長手方向弛緩処理を施した。さらに、85℃の冷却工程を経て、該テンターの後続する熱処理ゾーンで120℃、220℃、100℃で熱処理を行なった。220℃の熱処理の際に、巾方向に2%延伸し、100℃で3%、巾方向に弛緩処理をした。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み32μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[実施例2〜3]
実施例1と同様にして、表1に記載したフィルム製膜条件で、それぞれ、厚み40μと30μnポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[実施例4]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、続いてテンターにて巾方向に95℃で3.85倍延伸しながら、クリップ間隔10%収縮させる長手方向弛緩処理を施した。さらに、クリップ間隔を広げることにより、長手方向に95℃で3.0倍延伸した。その後、95℃の冷却工程を経て、該テンターの後続する熱処理ゾーンで120℃、220℃、100℃で熱処理を行なった。220℃の熱処理の際に、巾方向に2%延伸し、100℃で3%、巾方向に弛緩処理をした。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み30μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、まず長手方向に延伸した。長手方向延伸では、100℃に加熱したロールとラジエーションヒーターによってフィルムを3.3倍延伸した。続いてテンターにて長手方向弛緩処理を施さずに巾方向に105℃で3.26倍延伸した。さらに、30℃の冷却工程を経て、該テンターの後続する熱処理ゾーンで220℃、220℃、110℃で熱処理を行なった。220℃の熱処理の際に、弛緩処理を施さなかった。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[比較例2〜3]
冷却工程を除く以外は、比較例1と同様の方法でフィルムを導き、表1に記載した製膜条件で、それぞれ、厚み44、41μのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[比較例4]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、続いてテンターにてレール巾とクリップ間隔を広げることにより、巾方向、長手方向に95℃で同時に3.5倍延伸を行なった。その後、冷却工程を設けることなく、該テンターの後続する熱処理ゾーンで220℃、220℃、220℃で熱処理を行なった。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み25μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明のプラスチックフィルムの製造方法によると、熱寸法安定性に優れ、かつボーイング現象の指標であるフィルム幅方向の配向角の位置依存性が劇的に少ないなどのフィルム幅方向の物性が均一化されたプラスチックフィルムを供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンターにて横延伸すると同時に長手方向に弛緩処理を施す模式図。
【符号の説明】
1:クリップの位置
2:テンターにおける長手方向弛緩処理区間
3:レール上のクリップの速度曲線
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱寸法安定性に優れ、フィルム巾方向に均一な物性を有する低ボーイングなプラスチックフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からプラスチックフィルムは、二軸延伸することにより優れた機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性、耐侯性など付与するため、工業的に様々な分野で広く使用されている。これらの優れた特性を生み出す代表的な製膜方法ではテンターを用いた逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法が用いられている。前者は、通常、フィルム長手方向に延伸し、次いでテンター内でフィルム端部をクリップで把持し、その後クリップがレール上を巾方向に走行することにより横延伸した後に熱処理する方法がとられる。後者は、テンター内で長手方向にクリップ間隔が広がることにより、また同時に巾方向にクリップがレール上を走行することにより同時二軸延伸した後に熱処理する方法がとられる。このテンター内で延伸した後に熱処理する工程において、フィルム巾方向の物性の均一性を乱すボーイング現象が生じことが知られている。このボーイング現象は、テンター内で巾方向に横延伸し熱処理する際に生じるものであって、テンター前でフィルム巾方向に油性マジックインキで引いた直線が、テンター後にはフィルム長手方向に弓なり状に引き戻された形に変形されてしまう挙動を示すものである。その主因は、フィルム長手方向におけるポアソン比に基づく収縮力および熱収縮力などに起因して発生するものと考えられている。このボーイング現象が生じるために、得られたプラスチックフィルムはフィルム巾方向の分子配向分布が異なる物性むらを有している。具体的には、フィルム巾方向中央部から端部へ向かうにつれて、分子鎖が最も配向した軸の傾き(配向角)及びその度合い(Δnもしくは配向係数fn)が大きくなることである。ここで配向角とは、フィルム巾方向または長手方向と主配向軸とがなす角度のうち、小さい方の角度である。また、Δnとは複屈折のことであり、fnとは屈折率楕円体におけるフィルム面内方向の屈折率の最大と最小値の平均値から厚み方向の屈折率を差し引いた値である。
【0003】
この物性むらが原因で、先に述べた光学特性以外でも湿度膨張率、機械強度、熱収縮率などの物性が巾方向で異なる不都合を有している。その具体例として、包装用途としては、印刷ラミネート加工時のずれ、蛇行、カールという不都合や、磁気記録用途としては、フレキシブルディスクのベースフィルムとして用いる場合、装置内でのそりなどによる記録特性の低下などがある。特に、近年の光エレクトロニクス産業の液晶表示素子周辺に用いられる偏光板、位相差板、偏光板保護フィルム、偏光板セパレータなどの光学部材フィルムとして用いられる場合、その複屈折による光学特性の低下を引き起こす致命的なボーイング現象は、早急に改善すべき最大の問題と考えられている。
【0004】
これらの問題を引き起こすボーイング現象を抑制するための対策は、従来から種々検討されてきている。
【0005】
例えば、特許文献1には、加熱ロールを用いた熱処理方法が提案されている。また、特許文献2および特許文献3には、フィルム幅方向に温度勾配を与えながら熱処理する方法、特許文献4および特許文献5には、フィルムの両端部を強制的に加熱して熱処理する方法がそれぞれ提案されている。また、特許文献6には、幅延伸機(テンター)内での延伸工程と熱処理工程の間にニップロールにより幅延伸後のフィルムを熱処理する方法が提案されており、特許文献7には、ニップロールによってフィルムの中央部を強制的に前進させる方法が提案されている。そして、特許文献8および特許文献9などには、幅延伸工程と熱処理工程の間に冷却工程を設けたものが提案されている。
【0006】
さらに、特許文献10には、横方向延伸後、ガラス転移点以下に冷却し、次いで第一熱処理区間でT1(200℃〜240℃)で熱処理し、第二熱処理区間でT2(T1以下の温度)で1〜20%の横方向に延伸させながら第三熱処理区間でT3(T2未満の温度)で降温する方法が提案されている。また、その類似例として特許文献11には、テンターで横延伸した後に、フィルムを横延伸温度以下の温度に冷却、保持し、引続き2以上に分割された温度領域で、2〜20%幅方向に伸張させながら昇温し、ついで熱固定する方法が提案されている。以上に説明してきたボーイング現象低減効果がある方法として考えられている横延伸後の冷却工程、熱処理工程の段階的な昇温、さらに熱処理工程での横再延伸などの製造方法を全て取り入れたものが、特許文献12および特許文献13で提案されている。
最近では、テンター法同時二軸延伸方法において、縦延伸倍率軌跡の起点及び終点を横延伸倍率軌跡の起点及び終点より先行させる方法などが特許文献14で提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特公昭39−29214号公報
【0008】
【特許文献2】
特公昭42−9273号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平7−314552号公報
【0010】
【特許文献4】
特開昭62−18327号公報
【0011】
【特許文献5】
特開昭62−183328号公報
【0012】
【特許文献6】
特開昭50−73978号公報
【0013】
【特許文献7】
特公昭63−24459号公報
【0014】
【特許文献8】
特許2936688号明細書
【0015】
【特許文献9】
特開平6−262675号公報
【0016】
【特許文献10】
特開昭62−43856号公報
【0017】
【特許文献11】
特開平1−165423号公報
【0018】
【特許文献12】
特開平6−297561号公報
【0019】
【特許文献13】
特開平6−297562号公報
【0020】
【特許文献14】
特開2002−370278公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの製造方法をもってしても、フィルム巾方向の物性の均一性が強く望まれる用途においては、中央部のみを出荷するという生産収率性の低下を招く不具合を生じていた。そこで、本発明は、熱寸法安定性に優れ、かつボーイング現象の指標であるフィルム巾方向の中央部と端部での配向角の位置依存性が従来よりも劇的に少ないプラスチックフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、テンター内で起きるフィルム熱変形挙動を解析し、本発明を達成するに至った。すなわち、フィルム端部を把持手段で把持して、少なくともフィルム巾方向に横延伸した後に熱処理するテンター法横延伸方法において、横延伸すると同時に把持手段間隔を1〜20%収縮させる長手方向弛緩処理を施すことを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明をする。本発明のテンター内の把持手段(把持手段としては、クリップが好適であるので、以下、把持手段に関してはこのクリップの例で説明する)の動作を表した概念図を図1に示す。即ち、図1において、左から右へフィルムが進行するに従って、テンターにおける長手方向弛緩処理区間2において、クリップ位置1は、向かい合うものは徐々に間隔が大きくなる一方、隣接の間隔は小さくなっていき、その際、レール上のクリップの速度曲線が低下している概念を示しているものである。本発明では、フィルム巾方向に横延伸すると同時にクリップ間隔を1〜20%収縮させる長手方向に弛緩処理を施すことが必要である。
【0024】
本発明の長手方向の弛緩処理とは、横延伸過程中にクリップ間隔が初期に比べ収縮する、好適には、クリップのレール上の走行速度が徐々に減速することにより実現される。この事により横延伸過程中に生じるポアソン比に基づくフィルム長手方向方向の歪みが減少されるため、横延伸終了点において結果的に熱処理部のフィルムを引き込まずボーイングを激減させることができる。クリップ間隔を狭め過ぎるとフィルムにしわが入り、広いままだとその効果が発揮されない観点から、長手方向の弛緩処理は、5〜15%が好ましい。より好ましくは5〜10%である。なお、前記収縮率Rcは、収縮開始直前の隣接クリップ間隔をDc1、収縮修了直後の隣接クリップ間隔をDc2として、
Rc=(Dc1−Dc2)/Dc1×100[%]
で表される。但し、ここでいう隣接クリップ間隔とは隣接するクリップのそれぞれの中心位置をフィルム長手方向に計測して、算出される値の差であり、レール上に沿った間隔ではない。
【0025】
又、テンターにおける長手方向弛緩処理区間の通過時間は好ましくは1〜1000(より好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜60)秒である。前記数値範囲の下限値を下回ると余りにも高速延伸となりフィルムが破断することとなり、一方、前記数値範囲の上限値を上回ると製膜速度が極端に遅いもしくは、延伸区間が極端に長くなり、生産性、設備面で問題となり、いずれも好ましくない。又、熱可塑性樹脂の前記区間での温度は、好ましくはガラス転移点〜融点未満(より好ましくはガラス転移点〜結晶化温度未満、結晶化しないものは、ガラス転移点以上融点未満)℃である。前記数値範囲の下限値を下回るとフィルム破れとなり、一方、前記数値範囲の上限値を上回ると延伸不良となり、いずれも好ましくない。
【0026】
なお、本発明において、処理区間の設定温度や熱処理の温度は、原則として、各処理区間や処理設備内のフィルムが曝されている雰囲気の温度である。
【0027】
本発明において、該テンター法横延伸前のフィルムが少なくとも一方向に延伸されていることが好ましい。少なくとも一方向とは、長手方向(延伸倍率は好ましくは1〜5倍)、幅方向(延伸倍率は好ましくは1〜5倍)のいずれか、もしくは同時に両方であっても良い。フィルムの物性のバランスを確保する観点から、長手方向がより好ましい。また、横延伸終了後に長手方向にクリップ間隔を広げることにより、長手方向延伸を行なっても良い。
【0028】
本発明において、フィルム横延伸終了後、次いで熱処理工程を施す前に冷却工程を設けることが好ましい。前記冷却工程の温度は好ましくは、ガラス転移点Tg+50℃以下であり、より好ましくはガラス転移点Tg以下である。ガラス転移点Tg+50℃以上であると、横延伸終了後のフィルムの弾性率が、横延伸過程中の弾性率に比べて低くなるため、横延伸側にフィルムが引きずり込まれるボーイングが生じる。このために冷却工程における温度は、ガラス転移点Tg+50℃以下であることが好ましい。なお、ガラス転移点以下であるならば、効果は殆ど同じであるが、工程設備の経済上、常温以上であることが好ましい。
【0029】
本発明において、熱処理工程が、第一熱処理区間T1℃(横延伸温度Te+40℃以下)、次いで第二熱処理区間T2℃(200〜240℃)でいずれも1〜20%横延伸しながら、最後に第三熱処理区間T3℃(Te〜T2℃)で巾方向において1〜20%弛緩処理を施すことが好ましい。第一熱処理区間の温度T1℃は、横延伸温度で付近で発生する熱収縮応力によるフィルム変形挙動を抑える観点から横延伸温度Te+40℃以下であることが好ましい。次に第二熱処理区間の温度T2℃は、熱寸法安定性を付与する観点から、200℃〜240℃であることが好ましく、さらにボーイングを少なくする観点からフィルム巾方向に1〜20%の再横延伸することが好ましい。より好ましくは、5〜15%である。さらに、第三熱処理区間の温度T3℃は、第二熱処理区間だけでは熱寸法安定性を満足すことは不十分であり、それを補うために第二熱処理区間T2℃以下横延伸温度Te℃以上の温度で、さらに巾方向に1〜20%の弛緩処理を施すことが好ましい。なお、巾方向の弛緩処理とは、再横延伸後の最大フィルム巾に対してテンター出口の巾を縮める処理のことをいう。
【0030】
前記第一熱処理区間の通過時間は、好ましくは1〜500(より好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜30)秒である。前記数値範囲の下限値を下回るとボーイングが大きくなり、一方、前記数値範囲の上限値を上回ると生産性、設備面で問題となり、いずれも好ましくない。前記第二熱処理区間及び第三熱処理区間の長さにおいても、前記した内容と同様である。。
【0031】
なお、前記第一〜三熱処理区間による熱処理は、縦延伸においても有効である。
【0032】
本発明において、熱処理工程前に取り出されたフィルムの長手、巾方向の熱収縮応力比が以下の式(1)の関係を満たすことが好ましい。
【0033】
巾方向の熱収縮応力>1.5×長手方向の熱収縮応力・・・(1)
ここでの熱収縮応力とは、フィルムが昇温されることにより延伸時に付与された非晶分子鎖が結晶化するためにフィルムが収縮しようとする力であり、通常、熱機械分析装置(TMA:Thermal Mechanical Analysis)を用いて測定される延伸温度近傍に見られる最大熱収縮応力のことである。ボーイング現象は、長手方向の収縮力によるものであるため、巾方向の収縮力を大きくすることにより抑止できる観点から、より好ましくは巾方向の熱収縮応力は、長手方向の熱収縮応力の1.7倍以上である。
【0034】
更に、全体のバランスを配慮すれば、熱処理工程前に取り出されたフィルムの長手、巾方向の熱収縮応力比が以下の式(2)の関係を満たすことが好ましい。
【0035】
巾方向の熱収縮応力<6×長手方向の熱収縮応力・・・(2)
本発明における延伸・熱処理を施すテンタークリップは、リニアモータ方式で駆動することが好ましい。その他、パンタグラフ方式、スクリュー方式などがあるが、中でもリニアモータ方式は、個々のクリップの自由度が高いため延伸倍率を自由に変更できる点で優れている。
【0036】
本発明において用いられるフィルムは、汎用的な包装、磁気記録及び離型用途などではポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンなどが挙げられる。代表例として、ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66であり、ポリエステルでは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィンでは、ポリプロピレンなどが挙げられる。また、光学特性が問題視される透明性、低複屈折を満たす材料としては、ポリメタクリル酸メチル、トリアセテート、ポリ−4−メチルペンテン、ポリスチレン、ポリカーボーネートなどが挙げられる。特に吸湿膨張係数、熱膨張係数、経時収縮などの寸法安定性と薄型化を可能とする腰の強さの点でポリカーボネートが好ましく用いられる。ここでいうポリカーボネートとは、炭酸エステルを構造単位に持つもので、その中でビスフェノールAからなる芳香族ポリカーボネートを意味する。
【0037】
これらのフィルムの中でも、本発明において最も効果があるフィルムは、ポリエステルフィルムである。
【0038】
本発明のポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルである。
【0039】
ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも好ましくはテレフタル酸とイソフタル酸を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0040】
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0041】
本発明のポリエステルフィルムに用いられるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を挙げることができ、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0042】
本発明におけるポリエステルは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造する方法等がある。この際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもできる。
【0043】
ポリエステルフィルムにおける本発明の製造方法に関して更に、詳しく説明する。本発明のポリエステルは、上記溶融ポリマーを押出機に供給して、T型口金等を用いてシート状に溶融押出し、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸フィルムとする。この未延伸フィルムをそのまま、もしくは80℃〜120℃未満の延伸温度で長手方向に1段階的に、もしくは多段階的に分けて2.5倍〜5倍に延伸し、テンターへと導かれる。ボーイングを抑える観点から、延伸温度は、100℃以上、延伸倍率は、3.5倍以下が好ましい。次いで、本発明によればテンターにてフィルム端部をクリップにより把持しながらフィルム巾方向に横延伸すると同時にレール上のクリップ間隔を1〜20%収縮させる長手方向に弛緩処理を施すことが必要である。この際の横延伸温度Teは、80℃〜110℃未満であり、延伸倍率は、3倍〜5倍である。また、ボーイング及び厚みむら悪化の抑止の観点から、横延伸温度Teが80℃〜100℃及び3.7〜5倍の横延伸倍率が好ましい。また、未延伸フィルムをテンターに導いた場合は、前述同様の巾方向に横延伸した後に、80℃〜120℃未満の延伸温度で長手方向にクリップ間隔が広がることによって延伸倍率2.5〜5倍の長手方向延伸する逐次二軸延伸を行なうことも好ましい。
【0044】
本発明において、フィルム延伸終了後、次いで熱処理工程を施す前にガラス転移点Tg以下の冷却工程を設けることが好ましく、より好ましくは70℃以下の冷却工程を設けることが好ましい。さらに、熱処理工程が、3つの温度領域のゾーンに分けられており、第一熱処理区間T1℃(横延伸温度Te+40℃以下)、次いで第二熱処理区間T2℃(200〜240℃)で1〜20%横延伸しながら、最後に第3熱処理区間T3℃(Te〜T2℃)で巾方向に1〜20%の弛緩処理を施すことが好ましい。
【0045】
本発明におけるポリエステルには、必要に応じてさらに難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはシロキサン等の消泡剤等を配合することができる。滑材としては、有機、無機滑材を用いることができる。その形状としては、凝集粒子、真球状粒子、数珠状粒子、コンペイト状粒子、鱗片状粒子などの形状粒子を使うことができる。また、その材質としては、例えば、無機系としては、酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、酸化マグネシウム等を、有機系としては、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ないし無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ないし無架橋アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等の樹脂、また有機滑材としてステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、フマール酸アミドなどの各種アミド化合物を挙げることができる。
[特性の測定方法]
実施例及び比較例における評価結果は次の方法で測定されたものである。
(1)ボーイング量:
テンター前で、フィルム巾方向にマジックインキで引いた直線が、熱固定後に弓なり上に歪んだ量をフィルム全巾で除し、100を乗じることにより求めた。
(2)フィルムの配向角:
ボーイング現象の発生の程度を比較するために、製膜したフィルムの配向角を自動複屈折計(新王子製紙株式会社製KOBRA−21ADH)を用いて、フィルム幅方向の中央部(相対位置0)及びフィルム全巾の半分の値×0.8で求められたフィルム巾方向8割の位置以内の領域から切り出した幾つかのサンプル(長手方向4.0cm×幅方向3.5cm)について測定し、その最大値を配向角とした。
(3)熱収縮率:
フィルム巾方向における中央部から、長手方向(MD)、巾方向(TD)、それぞれ、1×10cmのサンプルを切り出し、ギアオーブン(TABAI社製GHPS−222)で150℃、10分間の条件で熱処理した。その前後におけるフィルム長手方向と幅方向の長さをそれぞれ万能投影機(77−7ニコン社製E04)で正確に測長することにより、熱収縮率を求めた。
(4)熱収縮応力比:
熱処理工程前のフィルムを採取し、そのフィルム巾方向における中央部から、長手方向(MD)、巾方向(TD)、それぞれ、長さ20mm×巾4mmのサンプルを切り出し、セイコーインスツルメント株式会社製の熱機械分析装置TMA/SS6000を用いて熱収縮応力を測定した。測定条件は、定長モードで昇温速度20℃/分、荷重5gfで測定した。温度に対して得られたそれぞれMD,TDの熱収縮応力曲線の最大値を求め、その比を熱収縮応力比とした。
【0046】
熱収縮応力比=巾方向の応力最大値/長手方向の応力最大値・・・(3)
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、まず長手方向に延伸した。長手方向延伸では、100℃に加熱したロールとラジエーションヒーターによってフィルムを2.8倍延伸した。続いて図1に示したテンターにて巾方向に85℃で4倍延伸しながら、クリップ間隔8%収縮させる長手方向弛緩処理を施した。さらに、85℃の冷却工程を経て、該テンターの後続する熱処理ゾーンで120℃、220℃、100℃で熱処理を行なった。220℃の熱処理の際に、巾方向に2%延伸し、100℃で3%、巾方向に弛緩処理をした。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み32μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[実施例2〜3]
実施例1と同様にして、表1に記載したフィルム製膜条件で、それぞれ、厚み40μと30μnポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[実施例4]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、続いてテンターにて巾方向に95℃で3.85倍延伸しながら、クリップ間隔10%収縮させる長手方向弛緩処理を施した。さらに、クリップ間隔を広げることにより、長手方向に95℃で3.0倍延伸した。その後、95℃の冷却工程を経て、該テンターの後続する熱処理ゾーンで120℃、220℃、100℃で熱処理を行なった。220℃の熱処理の際に、巾方向に2%延伸し、100℃で3%、巾方向に弛緩処理をした。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み30μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、まず長手方向に延伸した。長手方向延伸では、100℃に加熱したロールとラジエーションヒーターによってフィルムを3.3倍延伸した。続いてテンターにて長手方向弛緩処理を施さずに巾方向に105℃で3.26倍延伸した。さらに、30℃の冷却工程を経て、該テンターの後続する熱処理ゾーンで220℃、220℃、110℃で熱処理を行なった。220℃の熱処理の際に、弛緩処理を施さなかった。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[比較例2〜3]
冷却工程を除く以外は、比較例1と同様の方法でフィルムを導き、表1に記載した製膜条件で、それぞれ、厚み44、41μのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
[比較例4]
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で2時間乾燥した後、280℃に加熱された押出機に供給し、溶融してTダイからシート状に押出し、25℃のキャスティングドラムで冷却固化した後、続いてテンターにてレール巾とクリップ間隔を広げることにより、巾方向、長手方向に95℃で同時に3.5倍延伸を行なった。その後、冷却工程を設けることなく、該テンターの後続する熱処理ゾーンで220℃、220℃、220℃で熱処理を行なった。このようなフィルム製膜を実施することにより厚み25μmのポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明のプラスチックフィルムの製造方法によると、熱寸法安定性に優れ、かつボーイング現象の指標であるフィルム幅方向の配向角の位置依存性が劇的に少ないなどのフィルム幅方向の物性が均一化されたプラスチックフィルムを供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンターにて横延伸すると同時に長手方向に弛緩処理を施す模式図。
【符号の説明】
1:クリップの位置
2:テンターにおける長手方向弛緩処理区間
3:レール上のクリップの速度曲線
Claims (7)
- フィルム端部を把持手段で把持して、少なくともフィルム巾方向に横延伸した後に熱処理するテンター法での横延伸方法において、横延伸すると同時に把持手段間隔を1〜20%収縮させる長手方向弛緩処理を施すことを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法。
- 該横延伸前にフィルムを少なくとも一方向に延伸せしめることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
- フィルム延伸終了後、次いで熱処理工程を施す前にガラス転移点Tg以下の冷却工程を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
- 熱処理工程は、第一熱処理区間T1℃(横延伸温度Te+40℃以下)、次いで第二熱処理区間T2℃(200〜240℃)で1〜20%横延伸しながら、最後に第3熱処理区間T3℃(Te〜T2℃)で、巾方向に1〜20%の弛緩処理を施すものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製造方法。
- 熱処理工程前のフィルムの長手および巾方向の熱収縮応力比が以下の式(1)の関係を満たすように調製することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製造方法。
巾方向の熱収縮応力>1.5×長手方向の熱収縮応力・・・(1) - 把持手段が、リニアモータ方式で駆動されるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製造方法。
- フィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製造方法。
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JP (1) | JP2004358742A (ja) |
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2003
- 2003-06-03 JP JP2003158133A patent/JP2004358742A/ja active Pending
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