JPH06166102A - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムの製造方法

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JPH06166102A
JPH06166102A JP32182092A JP32182092A JPH06166102A JP H06166102 A JPH06166102 A JP H06166102A JP 32182092 A JP32182092 A JP 32182092A JP 32182092 A JP32182092 A JP 32182092A JP H06166102 A JPH06166102 A JP H06166102A
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transverse stretching
polyester film
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Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Katsuya Toyoda
勝也 豊田
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ボーイング現象を低減し、幅方向で物性の均一
なフィルムを得るための二軸配向したポリエステルフィ
ルムの製造方法を提供する。 【構成】少なくとも横方向に配向したポリエステルフィ
ルムの製造方法において、テンタによる横延伸後、熱処
理工程の前に、フィルムをガラス転移点温度以下に冷却
する冷却工程を設け、かつ、該熱処理工程における昇温
速度を1000℃/秒以上とすることを特徴とするポリ
エステルフィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は少なくとも横方向に配向
したポリエステルフィルムの製造方法に関わるものであ
る。更に詳しく言えば、テンタによる横延伸、熱処理を
施すことによって生じる、ボーイング現象、幅方向での
物性の異方性を低減した少なくとも横方向に配向したポ
リエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、その優れた物
理的、熱的特性のために、さまざまな分野で利用されて
いる。しかしながら、横方向に配向させる製造工程にお
いて、すなわち、テンタにおける横延伸、熱処理工程に
おいて、いわゆるボーイング現象のために、フィルムの
幅方向で物性の異方性が生じるという問題がある。ここ
で言うボーイング現象とは、テンタに入る前に、幅方向
に引いた直線が、テンタを出ると、フィルム中央部が遅
れた弓形に湾曲するというものである。このボーイング
現象により、配向の主軸が幅方向で傾き、そのために強
度、寸法安定性などが幅方向で変化してしまう。このこ
とによって、印刷加工時のずれ、蛇行、カールなど、ま
た、フロッピーディスクのベースフィルムとしては装置
内でのそりなどによる記録特性低下などのトラブルが生
じる。
【0003】このボーイング現象は、従来の配向フィル
ムの製造工程である、横延伸と熱処理工程を同一のテン
タで、連続に行なうことに起因している。このために、
横延伸と熱処理の間で緩和を行なう技術(特公昭35−
11774号公報)、狭幅ニップロールによってフィル
ム中央部を強制的に前進させる技術(特公昭63−24
459号公報)、横延伸と熱処理工程の間にニップロー
ル群を設ける技術(特開昭50−73978号公報)な
どが検討されている。
【0004】なかでも、特開平3−193328号公
報、特開平3−216326号公報などで示されるよう
に、ある長さ以上の冷却工程を横延伸と熱処理工程の間
に設ける手法により、ボーイングがかなり低減されると
考えられるが、筆者らの検討の結果では、その効果がま
だ十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ボーイン
グによる幅方向での物性の異方性の改善に対する要求は
強いのに対し、その各種検討によるボーイングの減少効
果が十分でないという問題点がある。
【0006】本発明は、このような問題点に対し、ボー
イング現象を低減し、幅方向で物性の均一なフィルムを
得るための二軸配向したポリエステルフィルムの製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ポリエステルフィルムの製造方法は、少なくとも横方向
に配向したポリエステルフィルムの製造方法において、
テンタによる横延伸後、熱処理工程の前に、フィルムを
ガラス転移点温度以下に冷却する冷却工程を設け、か
つ、該熱処理工程における昇温速度を1000℃/秒以
上とすることを特徴とするポリエステルフィルムの製造
方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で言うポリエステルとは、ジオール
とジカルボン酸とから縮重合により得られるポリマであ
り、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバチン酸、などで代表されるものであり、また、ジオ
ールとは、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどで代表されるものである。具体的には例え
ば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートなどがあげられる。もちろん、
これらのポリエステルは、ホモポリマであってもコポリ
マであっても良く、共重合成分としては、例えば、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアル
キレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セ
バチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸などのジカルボン酸成分があげられる。
本発明の場合、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートが機械的強度、耐熱
性、耐薬品性、耐久性などの観点から好ましい。
【0010】また、このポリエステルの中には、公知の
各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核
剤、無機粒子などが添加されていてもよい。
【0011】本発明における少なくとも横方向に配向し
たフィルムとは、少なくとも横方向に延伸し、分子配向
を与えたフィルムを言う。もちろん、二軸に配向してい
ても良く、縦方向、横方向に複数回延伸処理を施したも
のも含まれる。具体的には、溶融押出し、実質的に無配
向なフィルムを、横方向に延伸するもの、あるいは、縦
方向に延伸後、横方向に延伸するもの、また、縦方向の
延伸、横方向の延伸を複数回組み合わせて行ってもよ
い。さらに、縦方向、横方向同時に延伸を行ってもよ
い。これらの延伸配向工程の後に寸法安定性、平面性を
付与するために、熱処理が施される。通常は、この熱処
理工程は、テンタにおいて横延伸を施した後に、そのテ
ンタ内で引き続いて行われる。
【0012】本発明においては、ボーイング現象を低減
するために、テンタによる横延伸後、熱処理工程の前
に、フィルムをガラス転移点温度以下に冷却する必要が
ある。ボーイング現象は、熱がかかった際の熱収縮応力
と、横延伸時の縦方向の収縮応力により、熱処理工程側
から横延伸側へ引き戻す力が生じるが、フィルム両端部
はクリップに把持されているために引き戻されず、熱処
理工程における軟化したフィルムの中央部のみが引き戻
されることにより生じる。そこで、横延伸工程と、熱処
理工程の間に冷却工程を設け、一旦フィルムをガラス転
移点以下の温度に冷却し、フィルムに剛性を持たせる工
程を入れることにより、中央部のみが引き戻されること
を防止するものである。
【0013】ところが、筆者らの鋭意検討の結果、上記
のように冷却工程を設けるだけでは、ボーイング現象の
低減に対して十分な効果が得られないことが判明した。
すなわち、冷却工程を設けることにより横延伸時の縦方
向の収縮応力はカットできるが、熱がかかった際の熱収
縮応力は熱処理工程に入る際に生じるため、冷却工程を
設けるだけでは、この熱収縮応力によるボーイング現象
を防止することができないのである。しかし、筆者らの
鋭意検討の結果、驚くべきことに、この熱収縮応力はフ
ィルム加熱時の昇温速度を速めることにより、図1に示
すように小さくなることが判明した。すなわち本発明に
おいては、熱処理工程における昇温速度が1000℃/
秒以上であることが必要である。好ましくは、2000
℃/秒以上、さらに好ましくは2500℃/秒以上であ
る。昇温速度が1000℃/秒未満であると、上述した
ように、熱収縮応力が大きく、ボーイングを防止する事
ができない。
【0014】該昇温速度を得るための方法としては特に
限定されるものではないが、高風速の熱風と赤外線ヒー
タを併用したものなどが推奨される。ロールによる加熱
処理は、伝熱係数は大きいが、片面からの加熱となるた
め、昇温速度は思ったほど大きくなく、また、ロールに
密着していないと昇温効果が著しく悪くなるため、厚み
むらなどの原因で、均一に熱処理する事は難しく、好ま
しくない。
【0015】さて、本発明においては、横延伸後、フィ
ルムをテンタのクリップからはずし、冷却工程を通すこ
とが好ましい。上述したように、横延伸工程において、
縦方向の収縮応力が生じる。よって、この際にクリップ
にて把持されている場合、フィルムの両端部は固定さ
れ、フィルム中央部は自由な状態にあるため、フィルム
の中央部と両端部に異なった歪が蓄積されてしまう。そ
こで、横延伸後、フィルムをクリップからはずして冷却
工程を通すことにより、このような歪が解消され好まし
いものである。
【0016】また、本発明において、熱処理工程は、ク
リップに把持された状態で施すことも好ましく、また、
クリップに把持すること無く施すことも好ましい。クリ
ップに把持された場合、ある程度の緊張下での熱処理と
なり、フィルムの平面性の向上に好ましい。また、この
際、クリップの間隔を縮めることにより横方向のリラッ
クス処理を行うことも、寸法安定性の付与のため好まし
く行われる。また一方、クリップに把持することが無い
場合、フィルムは無張力下での熱処理となり、特に、寸
法安定性の向上に好ましい。この際の熱処理は、オーブ
ン中をロールで支持されながら行われることも好ましい
が、さらに好ましくは、熱風により支持される、いわゆ
るフローティング方式と呼ばれる浮上熱処理が好まし
い。また、加熱方法は、ロールによる加熱よりも、両面
から均等に同時に加熱される熱風によるオーブン方式が
好ましい。
【0017】また、筆者らの検討では、横延伸時の走行
速度V1 と熱処理時の走行速度V2が、V1 >V2 であ
ることが好ましい。すなわち、横延伸工程と熱処理工程
の間で高い張力がかかっていると、フィルムに歪が蓄積
されてしまうためである。また、V1 >V2 とすること
により、縦方向のリラックス処理を兼ねることができ、
寸法安定性の向上に好ましい。
【0018】また、本発明においては、横延伸後、冷却
工程の前に、横延伸温度以上、(横延伸温度+50℃)
以下で予備熱処理を施すことも好ましい。この予備熱処
理により、発生する熱収縮応力の緩和、平面性の向上、
また、リラックス処理などを行うことができ、好ましい
ものである。該予備熱処理は、テンタ内で行っても良い
し、クリップからはずして加熱ロールにて行っても良い
し、熱風によるオーブン熱処理でも良い。
【0019】次に本発明の製造法について説明するが、
かかる例に限定されるものではない。
【0020】ポリエステルとして、ポリエチレンテレフ
タレートのペレットを真空下で十分に乾燥を行う。この
ペレットを、270〜300℃の温度に加熱された押出
機に供給し、Tダイよりシート状に押し出す。
【0021】この溶融されたシートを、ドラム表面温度
25℃に冷却されたドラム上に静電気力で密着固化し、
非晶状態の未延伸フィルムを得る。二軸に配向させる場
合は、該未延伸フィルムを、80〜120℃の加熱ロー
ル群で加熱し縦方向に2〜7倍一段もしくは多段階で縦
延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。
【0022】続いて、横延伸を行う。該縦延伸フィルム
あるいは未延伸フィルムの両端をクリップで把持しなが
らテンタに導き、80〜150℃に加熱された熱風雰囲
気中で横方向に2〜5倍に横延伸する。
【0023】こうして二軸延伸されたフィルムを平面
性、寸法安定性を付与するために150〜240℃の熱
処理を行なうが、その前に、室温〜60℃程度まで冷却
する冷却工程に通す。この際、一旦クリップをはずして
も良い。次に、高風速熱風および赤外線ヒータの併用に
より、1000℃/秒以上の昇温速度で180〜240
℃まで昇温し、熱処理後、均一に徐冷し室温まで冷却し
て巻きとる。
【0024】
【物性の測定方法】
(1)昇温速度 フィルム上に熱電対を貼付し、熱処理工程に通し、その
際の温度変化を記録紙に記録し、熱処理工程に入った時
の温度T1 (℃)から、(T1 +100℃)になるまで
の時間t(秒)とから、 昇温速度(℃/秒)=100/t とした。
【0025】(2)ガラス転移点、融点 マックサイエンス社製示差走差熱量計DSC3100を
用いて、サンプルを300℃で5分保持し、液体窒素急
冷した後、昇温速度20℃/分でガラス転移点及び融点
を測定した。
【0026】(3)熱収縮応力 フィルムを10mm幅にサンプリングし、歪計につなが
ったチャックに20mm間隔で固定する。このフィルム
上に熱電対を取付け、熱風発生装置より熱風をフィルム
に吹き付ける。この際の、応力を歪計より記録紙に記録
し、温度を記録紙に記録する。熱風の風速と温度を変え
て測定を行い、温度の記録より昇温速度を計算し、応力
の記録と温度の記録から、温度に対する応力の変化を求
めた。
【0027】(4)フィルムの熱収縮率 フィルムを10mm幅、250mm長にサンプリングし
約200mmの間隔をおいて、標点をつける。この標点
間距離を正確に測定し、To(mm)とする。このサン
プルを無荷重下で150℃の熱風オーブン中に30分間
放置後、室温で冷却する。十分冷却後に、標点間距離を
再度測定しT(mm)とすると、 熱収縮率(%)=(To−T)/To×100 とした。
【0028】(5)ボーイング 横延伸工程に入る前のフィルムに、横方向の直線をマジ
ックにて引いておき、横延伸、熱処理が終わった後のそ
の線のゆがみから評価した。すなわち、熱処理後のフィ
ルム上の線の両端を直線でつなぎ、ゆがんだ線と後から
引いた直線との間隔の最大値をボーイング量(mm)と
した。
【0029】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0030】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.65、ガラ
ス転移点69℃、融点256℃)のペレットを180℃
で3時間真空乾燥した後に、270℃〜300℃に加熱
された押出機に供給し、Tダイよりシート状に成形し
た。さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラム
上に静電気力で密着固化した未延伸フィルム得た。
【0031】この未延伸フィルムを、70〜95℃に加
熱したロール群に導き、3.3倍縦延伸し、50℃〜2
5℃のロール群で冷却した。
【0032】続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリ
ップで把持しながらテンタに導き100℃に加熱された
雰囲気中で3.4倍横延伸した。その後クリップからは
ずし50℃まで一旦冷却した後、再度クリップに把持し
て、テンタ内で高風速熱風と赤外線ヒータにより220
0℃/秒の昇温速度で230℃まで昇温し、熱処理を行
い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取り、厚み1
2μmの二軸配向フィルムを得た。
【0033】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。ボーイング量は7mmであり、ボーイングの小さな
フィルムを得ることができた。
【0034】実施例2 実施例1と同様にして横延伸まで施したフィルムをクリ
ップからはずし、50℃まで一旦冷却した後、浮上熱処
理装置にて赤外線ヒータを併用して昇温速度1800℃
/秒にて230℃の熱処理を施し、均一に徐冷後、室温
まで冷却して巻き取り、厚み12μmの二軸配向フィル
ムを得た。
【0035】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。ボーイング量は6mmであり、ボーイングの小さな
フィルムを得ることができた。さらに、熱収縮率が0.
6%と寸法安定性にも優れたフィルムを得ることができ
た。
【0036】比較例1 実施例1と同様にして横延伸まで施したフィルムを、そ
のまま、テンタ内で昇温速度550℃/秒にて230℃
の熱固定を施し、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き
取り、厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0037】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。ボーイング量は40mmであり、ボーイングの大き
なフィルムとなった。また、熱収縮率も1.2%と熱寸
法安定性の悪いフィルムであった。
【0038】比較例2 実施例1と同様にして横延伸まで施したフィルムをクリ
ップからはずし、50℃まで一旦冷却した後、再度クリ
ップに把持してテンタに通し、昇温速度700℃/秒に
て230℃の熱固定を施し、均一に徐冷後、室温まで冷
却して巻き取り、厚み12μmの二軸配向フィルムを得
た。
【0039】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。ボーイング量は22mmであり、比較例1に比べボ
ーイングは小さくなっているものの、まだ不十分なフィ
ルムとなった。また、熱収縮率も1.2%と熱寸法安定
性の悪いフィルムであった。
【0040】実施例3 実施例1と同様にして横延伸まで施したフィルムをクリ
ップからはずし、50℃まで一旦冷却した後、再度クリ
ップに把持してテンタに通し、2200℃/秒の昇温速
度にて230℃の熱処理を施し、均一に徐冷後、室温ま
で冷却して巻き取り、厚み12μmの二軸配向フィルム
を得た。この際、横延伸時の走行速度V1 を120m/
分に対し、熱処理時の走行速度V2 を118m/分とV
1 >V2の関係とした。
【0041】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。ボーイング量は3mmと、ボーイングの非常に小さ
なフィルムを得ることができた。さらに、熱収縮率が
0.3%と寸法安定性にも優れたフィルムを得ることが
できた。
【0042】実施例4 実施例1と同様にして横延伸まで施したフィルムを12
0℃にて予備熱処理を施した後、クリップからはずし、
50℃まで一旦冷却した後、再度クリップに把持してテ
ンタに通し、2200℃/秒の昇温速度にて230℃の
熱処理を施し、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取
り、厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0043】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。ボーイング量は9mmと、ボーイングの小さなフィ
ルムを得ることができた。さらに、熱収縮率が0.5%
と寸法安定性にも優れたフィルムであるうえに、平面性
に優れたフィルムを得ることができた。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムの製造方
法により、ボーイングの顕著に改善されたポリエステル
フィルムを得ることができ、ボーイングによる幅方向の
異方性に起因する様々なトラブルを解消することが可能
となり、品質の向上、および、収率向上などの生産性の
向上に寄与することができる。また、熱収縮率が小さく
なるなどの他の物性上の品質向上効果も得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィル
ムの(厚み12μm)の縦方向の温度に対する熱収縮応
力の昇温速度依存性の関係を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも横方向に配向したポリエステ
    ルフィルムの製造方法において、テンタによる横延伸
    後、熱処理工程の前に、フィルムをガラス転移点温度以
    下に冷却する冷却工程を設け、かつ、該熱処理工程にお
    ける昇温速度を1000℃/秒以上とすることを特徴と
    するポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 横延伸後、フィルムをテンタのクリップ
    からはずした状態で冷却工程を通すことを特徴とする請
    求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 熱処理工程において、再度クリップに把
    持させて熱処理を施すことを特徴とする請求項1または
    2に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理工程において、クリップに把持す
    ること無く熱処理を施すことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 横延伸時のフィルムの走行速度V1 と熱
    処理時のフィルムの走行速度V2 がV1 >V2 なる関係
    にあることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 横延伸後、冷却工程の前に横延伸温度以
    上、(横延伸温度+50℃)以下で予備熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルムの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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