JPH0516258A - ポリエステルフイルムの熱処理方法 - Google Patents

ポリエステルフイルムの熱処理方法

Info

Publication number
JPH0516258A
JPH0516258A JP16991391A JP16991391A JPH0516258A JP H0516258 A JPH0516258 A JP H0516258A JP 16991391 A JP16991391 A JP 16991391A JP 16991391 A JP16991391 A JP 16991391A JP H0516258 A JPH0516258 A JP H0516258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
heat treatment
roll
polyester film
tenter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16991391A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Toshiya Yashiro
敏也 家城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP16991391A priority Critical patent/JPH0516258A/ja
Publication of JPH0516258A publication Critical patent/JPH0516258A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オリゴマーのブリードアウトしにくいポリエ
ステルフィルムを提供する。 【構成】 二軸延伸フィルムをロール熱処理後、さらに
テンターで熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
の熱処理方法に関するもので、さらに詳しくは、オリコ
マーのブリードしにくいポリエステルフィルムの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは、すぐ
れた物理的性質のために種々な用途に用いられており、
特に寸法安定性の必要な用途に好んで用いられている。
ところが該ポリエステルフィルムを長時間加熱状態にさ
らしておくと、フィルム表面にオリゴマーがブリードア
ウトしてきて、透明性のみならず、接着性、光沢度、印
刷性などの特性が大幅に低下するという欠点を有してい
た。
【0003】そこでポリエステル原料を固相重合してオ
リゴマー含有量を少なくした原料を用いて製膜する方法
や、二軸延伸ポリエステルフィルムを溶媒で抽出する方
法などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では、充分な効果が期待できないばかりか、フィルム品
質が大幅の低下をしたり、製造コストが異常に高くなる
などの欠点を有していた。
【0005】本発明の目的は、上記欠点を解消し、長時
間高温にポリエステルフィルムをさらしても、オリゴマ
ーのブリードアウトの非常に少ないポリエステルフィル
ムの製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、二軸延伸されたポリエステルフィルムを、
一旦ロールに接触させて熱処理したのち、両端部を把持
するテンターでさらに熱処理することを特徴とするポリ
エステルフィルムの熱処理方法を提供する。
【0007】ポリエステルとは、ジカルボン酸とジオー
ルとから縮重合によって生成したエステル結合を有する
ポリマーである。ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、フタル
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セ
バチン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、ダイマー
酸、ポリオキシメチレンジカルボン酸、などで代表され
るものの単独、あるいは2種以上からなるもので、また
ジオールとしては、エチレングリコール、ブチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ネオペンチルグリコールなどの単独、または2
種以上からなるものである。本発明の場合、特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシンジメチ
レンテレフタレートおよびそれらの共重合体などのポリ
エステルが好ましい。本発明フィルムの厚さは特に限定
しないが、6〜500μm、好ましくは9〜250μm
のものがよい。
【0008】二軸延伸する方法は特に限定しないが、例
えば特公昭30−5639、特公昭52−33666な
どで代表されるように、キャストされたポリエステルフ
ィルムをロールで加熱後、長手方向に1段または多段階
で2.5〜7倍程度延伸後、一旦冷却した後、再びクリ
ップで把持してテンター内で加熱後、幅方向に2.5〜
6倍ほど延伸する方法などが挙げられる。もちろん、延
伸方向を幅方向延伸後、長手方向に延伸してもよいが、
本発明の場合、長手方向延伸後幅方向に延伸したフィル
ムで、しかも長手方向に主軸のあるフィルムの方が効果
が大きくて好ましい。
【0009】かくして得られた二軸延伸されたフィルム
を、ただちに本発明のロール熱処理およびテンター熱処
理に移ってもよいが、二軸延伸後、幅方向延伸温度近傍
で熱処理した方が、本発明の効果が大きくなって好まし
い。
【0010】ロール熱処理法とは、ロールにフィルムを
接触させながら加熱処理する方法であり、フローターロ
ールにようにロールとフィルムとの間に空気を流入して
熱処理する方法は本発明の効果がなく除外されるもので
ある。ロール熱処理温度としては幅方向延伸温度T
TD(℃)以上であり、しかもTTD+80℃以下、好まし
くはTTD+50℃以下の温度範囲が好ましい。熱処理温
度がTTD未満と低いと本発明の効果であるオリゴマーの
ブリードアウトが小さく抑えられないためであり、逆に
TD+80℃、好ましくはTTD+50℃を越える温度で
は、逆にオリゴマーがブリードアウトしやすくなるため
であり、さらにロール熱処理時にフィルムが幅収縮して
シワの発生や平面性の悪化が起こるためである。ポリエ
ステルフィルムの幅方向延伸温度は70〜110℃の範
囲でおこなわれることが多いため、ロール熱処理温度と
しては70〜190℃、好ましくは80〜160℃の範
囲がよい。ロール熱処理時間としては、0.3〜1.5
秒程度が好ましい。ロール表面材質としては特に限定し
ないが鏡面クロムメッキが好ましいが、もちろんセラミ
ックコート、サンドブラスト処理、テフロン、シリコン
ゴム、ハイパロンゴムなどでもよい。ロール熱処理時の
ロール周速は、ロール熱処理入口速度と出口速度とが同
じであるのが好ましいが、3%以内で長手方向にリラッ
クスしながら熱処理してもよい。駆動方式としてはDC
モータで駆動してもよいが、トルク補給でフィルムの速
度と合う様な駆動方式が好ましい。さらに、ロールとフ
ィルムとの密着性を上げるために、ロール上でニップし
たり、また静電気を印加するのが好ましい。
【0011】さらに、本ロール熱処理で重要なことは、
ロールがお互いに密接していて、ロール〜ロール間の熱
処理間を限りなく短くすることであり、このロール間隙
が長いと本発明の効果が小さくなってしまう。ロール間
の距離としては、2〜20mm程度がよい。ロール径は小
さい方が好ましく、80〜300mm、好ましくは100
〜200mmのものがよい。
【0012】つづいてロール熱処理したフィルムを、ク
リップでフィルムの両端部を把持させながらテンター内
で熱処理する。テンター熱処理温度は、ロール熱処理温
度以上で、ポリエステルの融点より20℃低い温度範囲
がよい。この熱処理時に幅方向に0〜10%のリラック
ス、長手方向に0〜5%のリラックスをおこなってもよ
い。熱処理時間としては、0.5〜10秒と目的に応じ
て使い分けをすることができる。熱処理後に80〜15
0℃の中間冷却熱処理をすることによって平面性の向上
も期待できる。
【0013】
【発明の効果】このように一旦、ロールに接触させて熱
処理をしたのち、テンターで再熱処理することにより、
オリゴマーのブリードしにくいフィルムを得ることがで
きるのみならず、熱寸法安定性に優れ、さらに幅方向に
フィルム品質が均一化したフィルムが得られる。
【0014】
【物性の測定法、評価法】本発明で使った物性の測定法
を述べる。
【0015】(1) オリゴマーのブリードアウト性 厚さ12μmのフィルムを140℃に熱風中で2日間加
熱し表面ヘイズの増加率で判定する。
【0016】
【表1】
【0017】すなわち、オリゴマーが表面にブリードア
ウトしなければ、表面ヘイズ増加率が小さくなり、良好
なサンプルということになる。
【0018】(2) 表面ヘイズ JIS K6714に従がい、トータルヘイズHT 値か
ら、テトラリン中でのヘイズHI 値を引いた値で表わ
す。
【0019】(3) 熱寸法安定性 150℃の熱風中で加熱したときの長手方向の熱収縮率
の大小で判定する。
【0020】
【表2】
【0021】(4) 幅方向品質均一性 フィルム幅方向に長手方向の熱収縮率を測定したとき、
フィルムの中央部と端部との熱収縮率の差の大小で表わ
す。
【0022】
【表3】
【0023】(5) 主軸の方向 フィルムの面内で360°の方向に屈折率の測定をAb
be屈折計でおこない、その屈折率が最も大きな方向を
主軸の方向とする。一般に高分子フィルムの屈折率は楕
円体を示すために、簡易的には偏光顕微鏡を用いて屈折
率の大きい方の消光位の方向で表わしてもよい。また、
主軸の方向が長手方向±20°程度のものまでを長手方
向に主軸を有するという。
【0024】
【実施例】以下に本発明の効果を理解しやすくするため
に実施例を示す。
【0025】実施例1 ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート
([η]=0.65、添加剤にサイロイド150を0.
1重量%含有)を常法により180℃で真空乾燥後、押
出機に供給して、285℃で溶融させ、Tダイ口金から
押出し、静電荷を印加させながら20℃のドラムに密着
キャスト急冷して、キャストフィルムを得た。該キャス
トフィルムをまず105℃に加熱されたロールをもちい
て長手方向に2倍延伸後、ただちに85℃に急冷しなが
ら長手方向に3倍延伸して、30℃に急冷した。つづい
てテンター内で80℃に急速予熱して幅方向に4倍延伸
後100℃で2秒間熱処理してクリップオフした。つづ
いて、125℃に加熱された外径100mmの鏡面クロム
メッキロール5本に密着させてロール熱処理をした。こ
のときの5本のロールはトルク駆動で密間配列してお
り、ロール間のフィルムがロールに接することなく走行
する空中走行距離は10mmと狭くしてある。ロールに接
触している時間は0.5秒、長手方向間のリラックス率
は1%であった。つづいて、該フィルムをクリップ式テ
ンター内に導入し、220℃で3秒間、幅方向に3%リ
ラックス熱処理をさせ、さらに120℃で6秒間、長手
方向に1%リラックスさせながら中間冷却熱処理をし
て、クリップオフ後巻取った。かくして得られたフィル
ムの厚さは12μmであった。尚、二軸延伸されたフィ
ルムの主軸は長手方向であり最終的に得られたフィルム
の長手方向/幅方向の破断強度は40/28(kg/m
m2 )であった。
【0026】実施例2,3 実施例1で採用したロール熱処理温度を125℃から6
0℃(実施例2)、190℃(実施例3)に変える以外
は、全く実施例1と同一にしてフィルムを製膜した。
【0027】比較例1,2 実施例1で用いたロール熱処理を使用せずにテンター熱
処理をしただけのものを比較例1とし、逆に、実施例3
で用いたロール熱処理だけを用いてテンター熱処理を行
なわない場合を比較例2とした。
【0028】表4で示したように、特定のロール熱処理
条件と、テンター熱処理とを並用することにオリコマー
のブリードを小さくおさえることが可能となることがわ
かる。
【0029】
【表4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸に延伸されたポリエステルフィルム
    を一旦ロールに接触させて熱処理したのち、両端部を把
    持するテンターで、さらに熱処理をすることを特徴とす
    るポリエステルフィルムの熱処理方法。
  2. 【請求項2】 ロール熱処理温度が、該フィルムの幅方
    向延伸温度TTD(℃)以上、TTD+80(℃)以下であ
    ることを特徴とする請求項1のポリエステルフィルムの
    熱処理方法。
  3. 【請求項3】 二軸に延伸されたポリエステルフィルム
    が、長手方向に延伸してから幅方向に延伸して得られた
    フィルムであり、しかも長手方向に主軸を有することを
    特徴とする請求項1または2のポリエステルフィルムの
    熱処理方法。
JP16991391A 1991-07-10 1991-07-10 ポリエステルフイルムの熱処理方法 Pending JPH0516258A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16991391A JPH0516258A (ja) 1991-07-10 1991-07-10 ポリエステルフイルムの熱処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16991391A JPH0516258A (ja) 1991-07-10 1991-07-10 ポリエステルフイルムの熱処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0516258A true JPH0516258A (ja) 1993-01-26

Family

ID=15895286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16991391A Pending JPH0516258A (ja) 1991-07-10 1991-07-10 ポリエステルフイルムの熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0516258A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08132523A (ja) * 1994-11-09 1996-05-28 Toray Ind Inc 低熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH08164558A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Toray Ind Inc ポリエステルフィルム
JP2008282024A (ja) * 2008-06-03 2008-11-20 Nitto Denko Corp 粘着型光学部材
JP2010170139A (ja) * 2010-02-16 2010-08-05 Nitto Denko Corp 粘着型光学部材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08132523A (ja) * 1994-11-09 1996-05-28 Toray Ind Inc 低熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH08164558A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Toray Ind Inc ポリエステルフィルム
JP2008282024A (ja) * 2008-06-03 2008-11-20 Nitto Denko Corp 粘着型光学部材
JP2010170139A (ja) * 2010-02-16 2010-08-05 Nitto Denko Corp 粘着型光学部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101260718B1 (ko) 2축 연신 폴리에스테르 필름의 제조방법
JPS62135338A (ja) 液晶パネル基板用ポリエチレンナフタレ−ト一軸高配向フイルム
JPS63295236A (ja) 高モジユラスフイルムの製造方法
JP3765681B2 (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JP4228087B2 (ja) 加工用二軸延伸ポリエステルフィルム
JPH0516258A (ja) ポリエステルフイルムの熱処理方法
JPS5936851B2 (ja) ポリエステルフイルムの製造法
JP3804311B2 (ja) ポリエステルフィルムおよびその製造法
JP2018047593A (ja) フィルムの製造方法
JP3840834B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP3852671B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JPS6243857B2 (ja)
JPH06166102A (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JP3539588B2 (ja) ポリエステルフィルムおよびその製造方法
KR100448035B1 (ko) 이축배향 폴리에스테르 필름
JP2004358742A (ja) プラスチックフィルムの製造方法
JPH0780928A (ja) プラスチックフィルムの製造方法
JP3740761B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP3367129B2 (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JP2615671B2 (ja) ロール延伸法
JP4945841B2 (ja) ポリアミド樹脂フィルムの製造方法、およびポリアミド樹脂フィルム
JP4979104B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法
JPH06305016A (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JP2555707B2 (ja) ポリエチレン2,6―ナフタレートフイルムの製造方法
JP2003220646A (ja) ポリエステルフィルムの製造方法