JPH0780928A - プラスチックフィルムの製造方法 - Google Patents

プラスチックフィルムの製造方法

Info

Publication number
JPH0780928A
JPH0780928A JP22875093A JP22875093A JPH0780928A JP H0780928 A JPH0780928 A JP H0780928A JP 22875093 A JP22875093 A JP 22875093A JP 22875093 A JP22875093 A JP 22875093A JP H0780928 A JPH0780928 A JP H0780928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
stretching
heat treatment
temp
plastic film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22875093A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Toshiya Yashiro
敏也 家城
Takamichi Yamakawa
隆道 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP22875093A priority Critical patent/JPH0780928A/ja
Publication of JPH0780928A publication Critical patent/JPH0780928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも横方向に延伸したプラスチックフィ
ルムの製造方法において、横延伸される前の結晶化度が
15%〜50%の範囲にあり、横延伸温度が、プラスチ
ック樹脂の昇温結晶化温度Tcc以上、融点Tm以下であ
ることを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法。 【効果】ボーイングの顕著に改善されたプラスチックフ
ィルムを得ることができ、品質の向上、および、生産性
の向上に寄与できる。また、熱処理工程の省略による大
幅なコストダウン、省エネルギー、また、熱処理工程を
設けた場合、大幅に熱収縮率を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は少なくとも横方向に延伸
したプラスチックフィルムの製造方法に関わるものであ
る。更に詳しく言えば、熱収縮率が小さく、また、横延
伸と熱処理を施すことによって生じる、ボーイング現
象、すなわち幅方向での物性の異方性を低減し、かつま
た、熱処理工程を省略して、工程簡略化によるコストダ
ウンを図ることのできる、少なくとも横方向に延伸した
プラスチックフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、その価格、軽
さなど多くのメリットを持ち合わせるために、さまざま
な分野で利用されている。特にポリエステルフィルム
は、その優れた機械的性質、熱的性質に対して価格が安
いことから、さまざまな用途分野で利用されている。し
かしながら、延伸により各種特性の付与をするため、横
方向に延伸する工程において、すなわち、テンタ内にお
いて、いわゆるボーイング現象のために、フィルムの幅
方向で物性の異方性が生じるという問題がある。ここで
言うボーイング現象とは、テンタに入る前に、幅方向に
引いた直線が、テンタを出ると、フィルム中央部が遅れ
た弓形に湾曲するというものである。このボーイング現
象により、配向の主軸の傾きが幅方向で異なり、そのた
めに強度、寸法安定性などが幅方向で変化してしまう。
このことによって、印刷加工時のずれ、蛇行、カールな
ど、また、フロッピーディスクのベースフィルムとして
は装置内でのそりなどによる記録特性低下などのトラブ
ルが生じる。
【0003】このボーイング現象は、従来の配向フィル
ムの製造工程である、横延伸と熱処理工程を同一のテン
タで、連続に行なうことに起因している。このために、
横延伸と熱処理の間で緩和を行なう技術(特公昭35−
11774号公報)、狭幅ニップロールによってフィル
ム中央部を強制的に前進させる技術(特公昭63−24
459号公報)、横延伸と熱処理工程の間にニップロー
ル群を設ける技術(特開昭50−73978号公報)な
どが検討されている。
【0004】なかでも、特開平3−193328号公
報、特開平3−216326号公報などで示されるよう
に、ある長さ以上の冷却工程を横延伸と熱処理工程の間
に設ける手法により、ボーイングがかなり低減されると
考えられるが、筆者らの検討の結果では、その効果がま
だ十分でない。また、熱処理工程における熱処理効果が
緩和され、熱収縮率が大きくなるなどの問題点も存在す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ボーイン
グによる幅方向での物性の異方性の改善に対する要求は
強いのに対し、その各種検討によるボーイングの減少効
果が十分でないという問題点がある。
【0006】本発明は、このような問題点に対し、ボー
イング現象を低減し、幅方向で物性の均一なフィルムを
得るための、しかも熱収縮率が小さく、また、工程を簡
略化してコストダウンを図るための、少なくとも横延伸
されたプラスチックフィルムの製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
プラスチックフィルムの製造方法は、少なくとも横方向
に延伸したプラスチックフィルムの製造方法において、
横延伸される前の結晶化度が15%〜50%の範囲にあ
り、横延伸温度が、プラスチック樹脂の昇温結晶化温度
Tcc以上、融点Tm以下であることを特徴とするプラス
チックフィルムの製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で言うプラスチック樹脂とは、いわ
ゆる熱可塑性樹脂、すなわち、熱をかけることにより樹
脂が軟化し、塑性加工を施すことが可能な樹脂を言う。
ただし、結晶化度を15%〜50%の範囲にすることの
できる結晶性の熱可塑性樹脂である必要がある。例を挙
げれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテンなどに代表されるポリオレフィン樹脂、ナイロン
66、ナイロン6などに代表されるポリアミド樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどに代表されるポリエ
ステル樹脂、その他、スチレン系樹脂、ポリアセタール
樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などが挙げられ
る。また、これらの樹脂のホモポリマであってもよい
が、結晶性を損なわない範囲で共重合体でも良い。
【0010】また、このプラスチックの中には、公知の
各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核
剤、無機粒子などが添加されていてもよい。
【0011】また、本発明においては、特にポリエステ
ル樹脂が、その優れた機械的性質、熱的性質などの面か
ら、本発明における製造方法を適用することが好まし
い。ポリエステルとは、ジオールとジカルボン酸とから
縮重合により得られるポリマであり、ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などで代表
されるものであり、また、ジオールとは、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノールなどで代表される
ものである。具体的には例えば、ポリメチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾ
エート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなど
があげられる。もちろん、これらのポリエステルは、ホ
モポリマであっても結晶性を損なわない範囲でコポリマ
であっても良く、共重合成分としては、例えば、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキ
レングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバ
チン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸などのジカルボン酸成分があげられる。本
発明の場合、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレートが機械的強度、耐熱
性、耐薬品性、耐久性などの観点から好ましい。
【0012】本発明における少なくとも横方向に延伸し
たフィルムとは、フィルムの長手と直角な方向に、テン
タにより延伸を行ったフィルムを言う。もちろん、二軸
に延伸していても良く、縦方向、横方向に複数回延伸処
理を施したものも含まれる。具体的には、溶融押出し、
実質的に無配向なフィルムを、横方向に延伸するもの、
あるいは、縦方向に延伸後、横方向に延伸するもの、ま
た、縦方向の延伸、横方向の延伸を複数回組み合わせて
行ってもよい。さらに、縦方向、横方向同時に延伸を行
ってもよい。なお、本発明においては、以降、横延伸と
言った場合、同時二軸延伸も含め、テンタによる延伸を
指すものとする。
【0013】さて、本発明においては、横延伸される前
の結晶化度が15%〜50%の範囲にある必要がある。
好ましくは、25%〜40%の範囲である。さらに好ま
しくは、30〜40%の範囲である。結晶化度が15%
未満の場合、従来公知の延伸方法と変わることがなく、
ボーイング現象の低減、熱収縮率の低減などの効果を望
むことはできない。また、結晶化度が50%を超える場
合、本発明の製造方法をもってしても横延伸することが
できずにフィルムの破れや不均一な延伸現象を引き起こ
す。
【0014】本発明においては、横延伸温度がプラスチ
ック樹脂の昇温結晶化温度Tcc以上、融点Tm以下であ
る必要がある。好ましくは、(Tcc+10℃)以上、
(Tm−20℃)以下である。従来公知の技術は、横延
伸される前の結晶化度が15%未満のものをTcc未満の
温度で延伸するものであった。このTcc未満の温度領域
では、結晶化度が15%以上の場合、横延伸することが
できず、フィルム破れや不均一な延伸現象となってしま
う。また、Tcc以上の温度で横延伸することは、さらな
る結晶化を進め、さらに横延伸性を悪化させると考えら
れてきた。ところが、筆者らの鋭意検討の結果、結晶化
度が15%以上の場合でも、Tcc以上、Tm以下の温度
領域で延伸することにより、均一な横延伸が可能なばか
りか、驚くべきことに、ボーイング現象の低減や、熱収
縮率の低減などの効果が存在することを発見した。ここ
で、横延伸温度がTcc未満の場合、前述したように横延
伸することが不可能であり、Tmを超える温度領域で
は、樹脂が溶融してしまいフィルムの形態を保つことが
できない。
【0015】さて、本発明においては、前述したような
横延伸を施した後に、熱処理を施すことも好ましい。こ
の場合、この熱処理工程は、テンタにおいて横延伸、あ
るいは同時二軸延伸を施した後に、そのテンタ内で引き
続いて行われ、その温度は、(横延伸温度−10℃)以
上、融点Tm以下が好ましい。さらに好ましくは、横延
伸温度以上、(Tm−20℃)以下である。この場合、
横延伸を施した段階で、従来公知の横延伸および熱処理
を施したフィルム並みの熱収縮率に抑えられているもの
に、さらに熱処理を施すことで、従来フィルムよりはる
かに小さな熱収縮率に抑えることが可能となる。この
際、熱処理温度が(横延伸温度−10℃)未満の場合、
熱処理の効果が現れず、また、融点以上では、フィルム
が溶融し、フィルムの形態を保てない。また、熱処理時
間は、0.5秒〜30秒が好ましい。本発明の横延伸に
より特殊な結晶構造が生成されていると考えられ、0.
5秒という比較的短時間の熱処理でも熱収縮率の低減効
果が発現され、また、30秒という比較的長時間の熱処
理でも、球晶の成長によりフィルムが脆くなるといった
ことは見られない。しかしながら、0.5秒未満では、
効果が小さく、30秒以上熱処理を施しても効果の増大
は見られることはないので、30秒以上の熱処理は、省
エネルギーの面から無駄である。
【0016】また、本発明においては、前述したような
横延伸を施した後に、熱処理することなく冷却すること
も好ましい。すなわち、前述したように、本発明の横延
伸を施した段階で、従来公知の横延伸および熱処理を施
したフィルム並みの熱収縮率に抑えられているために、
横延伸後、熱処理を施さずに冷却した場合でも、従来並
みの熱収縮率のフィルムが得られるばかりか、熱処理工
程を省略することによる工程簡略化のコストダウン、お
よび、省エネルギの効果が得られるものである。
【0017】さて、本発明において、横延伸前に結晶化
度を15%〜50%とする方法として、熱処理による方
法が好ましく用いられる。この場合、加熱ロールによる
熱処理、オーブンによる熱処理、熱風による浮上熱処
理、テンタによる熱処理、熱媒中を通すことによる熱処
理など各種方法によることが可能である。いずれの方法
でも、プラスチック樹脂のTcc近傍の温度で、適宜な時
間熱処理を施すことで達成される。
【0018】一方、横延伸前に結晶化度を15%〜50
%とする方法として、縦延伸を用いることも好ましく行
われる。この場合、プラスチック樹脂に見合った公知の
温度で、公知の延伸倍率の縦延伸を施すことにより達成
される。前述した熱処理による方法は、比較的縦方向の
配向の低いフィルムを必要とする場合に用いられ、縦延
伸による方法は、縦方向の配向の高い、縦方向の強度の
強いフィルムを必要とする場合に用いられる。
【0019】また、本発明においては、縦延伸と熱処理
を組み合わせることにより、結晶化度を15%〜50%
とすることも好ましい。縦延伸によりある程度配向を進
めることにより、フィルムの結晶化速度が高まり、その
後の熱処理を比較的低温、かつ短時間で該範囲の結晶化
度を得ることが可能となる。
【0020】次に本発明の製造法について説明するが、
かかる例に限定されるものではない。
【0021】プラスチック樹脂として、ポリエチレンテ
レフタレートのペレットを真空下で十分に乾燥を行う。
このペレットを、270〜300℃の温度に加熱された
押出機に供給し、Tダイよりシート状に押し出す。
【0022】この溶融されたシートを、ドラム表面温度
25℃に冷却されたドラム上に静電気力で密着固化し、
非晶状態の未延伸フイルムを得る。二軸に配向させる場
合は、該未延伸フィルムを、80〜120℃の加熱ロー
ル群で加熱し縦方向に2〜7倍一段もしくは多段階で縦
延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。
【0023】このフィルムを横延伸する前に、必要な結
晶化度まで結晶化させるために、100〜150℃に加
熱された加熱ロールで熱処理を施し、結晶化を進める。
あるいは、フイルムの両端をクリップで把持しながらテ
ンタに導き、100〜150℃に加熱された熱風雰囲気
中で熱処理を施し、結晶化を進める。
【0024】続いて、横延伸を行う。該結晶化フィルム
の両端をクリップで把持しながらテンタに導き、150
〜240℃に加熱された熱風雰囲気中で横方向に2〜5
倍に横延伸する。
【0025】こうして二軸延伸されたフイルムを必要に
応じて熱処理を行なう。熱処理を行う場合は、150〜
240℃に加熱された熱風雰囲気中で、必要に応じて弛
緩処理を施しながら熱処理を施し、均一に徐冷し室温ま
で冷却して巻きとる。
【0026】
【物性値の評価法】
(1)昇温結晶化温度Tcc、融点Tm マックサイエンス社製示差走査熱量計DSC3100を
用いて、サンプルを300℃で5分保持し、液体窒素急
冷した後、昇温速度20℃/分で昇温結晶化温度Tcc及
び融点Tmを測定した。
【0027】(2)フィルムの結晶化度 25℃に管理された恒温水槽にn−ヘプタンと四塩化炭
素からなる密度勾配管を作製し、フィルムを5×5mm
程度の大きさにサンプリングして投入、24時間後に位
置を読みとり密度dを測定した。この密度から、そのフ
ィルムポリマの非晶密度da、結晶密度dcを用いて、 結晶化度(%)=[(d−da)/(dc−da)]×
100 とした。ポリマがポリエチレンテレフタレートの場合、
da=1.335(g/cc)、dc=1.455(g
/cc)を用いた。
【0028】(3)フィルムの熱収縮率 フィルムを10mm幅、250mm長にサンプリングし
約200mmの間隔をおいて、標点をつける。この標点
間距離を正確に測定し、To(mm)とする。このサン
プルを無荷重下で150℃の熱風オーブン中に30分間
放置後、室温で冷却する。十分冷却後に、標点間距離T
(mm)を再度測定し、 熱収縮率(%)=[(To−T)/To]×100 とした。
【0029】(4)ボーイング 横延伸工程に入る前のフィルムに、横方向の直線を油性
インクにて引いておき、横延伸、熱処理が終わった後の
その線のゆがみから評価した。すなわち、熱処理後のフ
ィルム上の線の両端を直線でつなぎ、ゆがんだ線と後か
ら引いた直線との間隔の最大値をボーイング量(mm)
とした。
【0030】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0031】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.65、昇温
結晶化温度142℃、融点256℃)のペレットを18
0℃で3時間真空乾燥した後に、270℃〜300℃に
加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に成形
した。さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラ
ム上に静電気力で密着固化した未延伸フィルム得た。
【0032】この未延伸フィルムを、70〜95℃に加
熱したロール群に導き、3.3倍縦延伸し、50℃〜2
5℃のロール群で冷却した。
【0033】続いて、このフィルムを140℃に加熱さ
れたロール群で5秒間の熱処理を施した後、フィルムの
両端をクリップで把持しながらテンタに導き200℃に
加熱された雰囲気中で3.4倍横延伸した。その後均一
に徐冷後、室温まで冷却して巻き取り、厚み12μmの
二軸配向フィルムを得た。
【0034】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。横延伸前の結晶化度は32%で、ボーイング量は7
mmであり、ボーイングの小さなフィルムを得ることが
できた。
【0035】実施例2 実施例1と同様にして横延伸まで施したフィルムを冷却
する前に、テンタ内で220℃の熱処理を施し、均一に
徐冷後、室温まで冷却して巻き取り、厚み12μmの二
軸配向フィルムを得た。
【0036】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。横延伸前の結晶化度は32%で、ボーイング量は1
2mmであり、ボーイングの小さなフィルムを得ること
ができた。さらに、熱収縮率が0.5%と寸法安定性に
も優れたフィルムを得ることができた。
【0037】比較例1 実施例1と同様にして縦延伸を施したフィルムを、熱処
理することなく、そのまま、100℃で横延伸し、22
0℃の熱処理を施し、均一に徐冷後、室温まで冷却して
巻き取り、厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0038】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。横延伸前の結晶化度は13%で、ボーイング量は4
0mmであり、ボーイングの大きなフィルムとなった。
また、熱収縮率も1.2%と熱寸法安定性の悪いフィル
ムであった。
【0039】比較例2 実施例1と同様にして縦延伸を施したフィルムを、熱処
理することなく、そのまま、160℃で横延伸、220
℃の熱処理を施し、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻
き取り、厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
【0040】得られたフィルムの物性は表1の通りであ
る。横延伸前の結晶化度は13%で、ボーイング量は2
8mmであり、比較例1に比べボーイングは小さくなっ
ているものの、まだ不十分なフィルムとなった。また、
熱収縮率も1.2%と熱寸法安定性の悪いフィルムであ
った。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のプラスチックフィルムの製造方
法により、ボーイングの顕著に改善されたプラスチック
フィルムを得ることができ、ボーイングによる幅方向の
異方性に起因する様々なトラブルを解消することが可能
となり、品質の向上、および、収率向上などの生産性の
向上に寄与することができる。また、熱処理工程を省略
することができるため、大幅なコストダウン、省エネル
ギーの効果が得られ、また、熱処理工程を設けた場合、
大幅に熱収縮率が小さくなるなどの物性上の品質向上効
果も得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも横方向に延伸したプラスチッ
    クフィルムの製造方法において、横延伸される前の結晶
    化度が15%〜50%の範囲にあり、横延伸温度が、プ
    ラスチック樹脂の昇温結晶化温度Tcc以上、融点Tm以
    下であることを特徴とするプラスチックフィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 横延伸後のプラスチックフィルムを(横
    延伸温度−10℃)以上、かつプラスチック樹脂の融点
    Tm以下の温度で0.5秒〜30秒熱処理することを特
    徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 横延伸後のプラスチックフィルムを熱処
    理することなく冷却することを特徴とする請求項1に記
    載のプラスチックフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 プラスチック樹脂がポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラ
    スチックフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 横延伸される前に、熱処理により結晶化
    度を15%〜50%の範囲にすることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 横延伸される前に、縦延伸により結晶化
    度を15%〜50%の範囲にすることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のプラスチックフィルムの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 横延伸される前に、縦延伸と熱処理を組
    み合わせることにより、結晶化度を15%〜50%の範
    囲にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のプラスチックフィルムの製造方法。
JP22875093A 1993-09-14 1993-09-14 プラスチックフィルムの製造方法 Pending JPH0780928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22875093A JPH0780928A (ja) 1993-09-14 1993-09-14 プラスチックフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22875093A JPH0780928A (ja) 1993-09-14 1993-09-14 プラスチックフィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0780928A true JPH0780928A (ja) 1995-03-28

Family

ID=16881242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22875093A Pending JPH0780928A (ja) 1993-09-14 1993-09-14 プラスチックフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0780928A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006724A1 (en) * 2004-07-14 2006-01-19 Fujifilm Corporation Thermoplastic film and method of manufacturing the same
JP2006051804A (ja) * 2004-07-14 2006-02-23 Fuji Photo Film Co Ltd 熱可塑性フィルム及びその製造方法
JP2008238565A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Fujifilm Corp ポリエステル樹脂フィルムの製造方法、およびこの製造方法により製造されたポリエステル樹脂フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム
JP2010064285A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Mitsubishi Plastics Inc 横一軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JP2012125983A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Sekisui Chem Co Ltd 延伸ポリブチレンテレフタレート樹脂シートの製造方法及び延伸ポリブチレンテレフタレート樹脂シート
KR101521650B1 (ko) * 2007-07-30 2015-05-19 후지필름 가부시키가이샤 투명 폴리머 필름의 제조 방법과 그 방법에 의해 제조되는투명 폴리머 필름, 위상차 필름, 편광판, 및 액정 표시장치

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006724A1 (en) * 2004-07-14 2006-01-19 Fujifilm Corporation Thermoplastic film and method of manufacturing the same
JP2006051804A (ja) * 2004-07-14 2006-02-23 Fuji Photo Film Co Ltd 熱可塑性フィルム及びその製造方法
JP4626757B2 (ja) * 2004-07-14 2011-02-09 富士フイルム株式会社 熱可塑性フィルム及びその製造方法
JP2008238565A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Fujifilm Corp ポリエステル樹脂フィルムの製造方法、およびこの製造方法により製造されたポリエステル樹脂フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム
KR101521650B1 (ko) * 2007-07-30 2015-05-19 후지필름 가부시키가이샤 투명 폴리머 필름의 제조 방법과 그 방법에 의해 제조되는투명 폴리머 필름, 위상차 필름, 편광판, 및 액정 표시장치
JP2010064285A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Mitsubishi Plastics Inc 横一軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JP2012125983A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Sekisui Chem Co Ltd 延伸ポリブチレンテレフタレート樹脂シートの製造方法及び延伸ポリブチレンテレフタレート樹脂シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0748273B1 (en) Method of making biaxially oriented thermoplastic films
US4867937A (en) Process for producing high modulus film
JP3765681B2 (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JPH0780928A (ja) プラスチックフィルムの製造方法
US4753842A (en) Heat-shrinkable biaxially drawn polyamide film and process for preparation thereof
JPH11105131A (ja) 同時二軸延伸フィルムの製造方法
US5575968A (en) Process for the preparation of thermoplastic resin film
JP3840834B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JPH0455377B2 (ja)
JP3804311B2 (ja) ポリエステルフィルムおよびその製造法
JPH06166102A (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JPH11216759A (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP3367129B2 (ja) ポリエステルフィルムの製造方法
JP3539588B2 (ja) ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP3640282B2 (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JP3692758B2 (ja) インラインコーティング法
JPH09295345A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2002172696A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
JPH08174661A (ja) 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
EP0960718A1 (en) Biaxially oriented polyester film
JP4945841B2 (ja) ポリアミド樹脂フィルムの製造方法、およびポリアミド樹脂フィルム
JPH03284934A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法
JP3748165B2 (ja) ポリエステルフィルムおよびその製造法
KR0130619B1 (ko) 열가소성수지 필름의 제조방법
KR0130617B1 (ko) 열가소성수지 필름의 제조방법