JP2001328159A - 二軸延伸フィルムの製造方法 - Google Patents

二軸延伸フィルムの製造方法

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JP2001328159A JP2000152560A JP2000152560A JP2001328159A JP 2001328159 A JP2001328159 A JP 2001328159A JP 2000152560 A JP2000152560 A JP 2000152560A JP 2000152560 A JP2000152560 A JP 2000152560A JP 2001328159 A JP2001328159 A JP 2001328159A
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英幸 山内
Wataru Aida
亘 合田
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム幅方向に沿って物性差が殆どない、均
一性に優れた二軸延伸フィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】実質的に無配向のシートをガラス転移温度
以上の温度で横方向および長手方向に二軸に延伸し、最
終的な幅方向の延伸の少なくとも70%の延伸を長手方
向の延伸が完了するより前に完了せしめること、および
下記(a)〜(c)の少なくとも1つの工程を有するこ
とを特徴とする二軸延伸フィルムの製造方法。 (a)熱固定において少なくとも1区間以上で、横方向
に1〜40%微延伸する工程。 (b)熱固定を少なくとも2区間以上で、かつ各区間の
温度差が5〜50℃の範囲で段階的に昇温する工程。 (c)横延伸の直後にガラス転移温度以下の温度で冷却
する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムの幅方向
に沿って物性が均一である二軸延伸フィルムの製造方法
に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、フィル
ム幅方向で物性差が殆どない、均一性に優れた二軸延伸
フィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より二軸延伸フィルムは、工業用途
に供せられているが、なかでも偏光板のセパレータ(離
型フィルム)などの光学用途、磁気記録、写真、製図、
包装およびコンデンサー等の広い用途では、フィルムの
幅方向で光学的特性、機械的特性、湿度膨張率、熱膨張
率あるいは熱収縮率などが均一であることが要求されて
いる。
【0003】しかしながら、従来技術では通常の二軸延
伸法、すなわち縦延伸につづいてテンターにより横延伸
を施す方法においては、製品フィルムの幅方向の物性を
均一にすることは極めて困難であった。
【0004】その理由は次のとおりである。すなわち、
テンター内においてフィルムの両側端は把持手段により
把持されているので、横延伸に伴う縦方向の収縮応力は
把持手段によって拘束されている。これに対し、フィル
ム中央部分は把持手段による拘束力が比較的弱いので、
上記収縮応力によって中央部分が移動する傾向がある。
この傾向は、ただ単に常温状態のフィルムをステンタ
ー式熱処理装置で熱固定をする場合でも常温状態から熱
固定する温度の温度差でも起こる。もし、横延伸以前に
フィルム面上に横方向に直線を描いたとすれば、この直
線はフィルム進行方向に向かって凹形の曲線に変形す
る。この現象は、ボーイングと称されるものである。こ
のボーイングの現象が、フィルムの幅方向の物性、特に
配向角分布などの光学的特性、機械的特性、湿度膨張
率、熱膨張率あるいは熱収縮率を不均一にする原因とな
っている。特に、偏光板のセパレータ用途では、最終検
査工程に於ける異物検査はクロスニコル法(偏光板を2
枚延伸軸を直交させ、間に剥離フィルムが入り透過光で
観察する方法と一致)による人間による目視検査であ
り、特に、大画面用のものについては離型フィルムのベ
ースである二軸配向芳香族ポリエステルフィルムの幅方
向の配向軸分布が数度ずれる(光学的異方性)とそれが
原因となって正確な目視検査が阻害される場合があり、
そのために異物混入の見逃しがかなりの頻度で発生して
いる。
【0005】このような幅方向の物性差を解消するため
に幾つかの提案がなされている。例えば、一軸延伸した
フィルムをテンターで横延伸し、一旦、クリップ把持を
解放し、更に再度クリップでフィルムを把持し、120
〜240℃の温度領域において昇温させながら熱固定す
る方法(例えば、特開昭57−87331号公報)、横
延伸直後にフィルム温度をいったんガラス転移温度以下
の温度まで下げて剛性を増し、熱処理室側のフィルムが
延伸室に引き込まれることを防止する方法(例えば、特
開平3−13027号公報および特開平3−21632
6号公報)、冷却工程を入れる代わりに、横延伸と熱処
理間にニップロールを設けて、中央部を強制的に進行さ
せる方法(例えば、特公昭63−24459号公報)、
また、フィルムを二軸延伸後、フィルムの中央部より端
部の温度が高くなるように加熱する方法(例えば、特開
昭61−233523号公報、特開昭62−18332
7号公報および特開昭62−183328号公報)など
が提案されている。
【0006】しかしながら、このような方法では、ボー
イング現象を多少制御することはできても、光学的特
性、熱寸法安定性、機械的特性および平面性などを損な
わずに、フィルム幅方向における諸物性を均一化するに
は不十分であったり、装置が大型化するという問題が生
じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、ボーイングの発生過程を解
明し、このボーイングを抑制する手段を見出して本発明
に到達した。
【0008】本発明の目的は、かかる問題を解決し、フ
ィルム幅方向に沿って物性差が殆どない、均一性に優れ
た二軸延伸フィルムの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の二軸
延伸フィルムの製造方法は、実質的に無配向の樹脂シー
ト状物を樹脂のガラス転移温度以上の温度で横方向およ
び長手方向に二軸に延伸し、最終的な幅方向の延伸の少
なくとも70%の延伸を長手方向の延伸が完了するより
前に完了せしめること、および下記(a)〜(c)の少
なくとも1つの工程を有することを特徴とする二軸延伸
フィルムの製造方法である。 (a)熱固定において少なくとも1区間以上で、横方向
に1〜40%微延伸する工程。 (b)熱固定を少なくとも2区間以上で、かつ各区間の
温度差が5〜50℃の範囲で段階的に昇温する工程。 (c)横延伸の直後にガラス転移温度以下の温度で冷却
する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、樹脂を二軸延伸フィル
ム化する方法に関するものである。
【0011】本発明に用いられる樹脂としては、従来よ
り二軸延伸フィルム用として用いられている樹脂であれ
ば良く、また、その原理的な観点から新規な樹脂に適用
することもできる。本発明で用いられる樹脂を例示する
なら、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン6
6などのポリアミド、ポリプロピレンやポリエチレンな
どのポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルエーテルケトン、L−ポリ乳酸や乳酸−ヒド
ロキシカルボン酸コポリマー等のポリ乳酸、ポリ塩化ビ
ニル等を用いることができる。上記樹脂は、単体であっ
ても混合物あるいは共重合物であってもよい。また、こ
れらの樹脂には少量の無機添加物や有機添加物を含んで
いてもよい。また、新規な樹脂としては、一般に結晶性
樹脂が二軸延伸フィルムとして優れた物性を有すること
が知られている。
【0012】次に、本発明の二軸延伸フィルムの製造方
法について具体的に説明するが、本発明はこれに限定さ
れない。
【0013】まず、上記樹脂を必要に応じて乾燥し、押
出機に供給して、T型口金等を用いてシート状に溶融押
出し、ガラス転移温度以下の温度に冷却して実質的に無
配向のシート状物を得る。
【0014】ここで実質的に無配向のシートとは、次式
(1)で示されるレターデーション(Re)値が100
nm以下のシートである。 Re=Δn・d ………式(1) (ただし、式中、Δnはシートの可視光(波長λ=58
9nm)での複屈折であり、dはシートの厚み(nm)
である。) 得られた実質的に無配向の樹脂シート状物を、続いて樹
脂のガラス転移温度以上の温度で横方向に延伸した後
に、長手方向に延伸、または横方向と長手方向に同時に
延伸し、次いで熱固定を行なう。延伸方式は特に限定さ
れないが、横延伸はステンター式延伸方式、長手方向の
延伸はロール式延伸方式やステンター式延伸方式が好ま
しく、横方向と長手方向を同時に延伸する場合は、パン
タグラフ式、スクリュウ式あるいはリニアモーター式等
のステンター型の同時二軸延伸機による延伸方式が好ま
しい。
【0015】本発明においては、実質的に無配向の樹脂
シート状物を樹脂のガラス転移温度以上の温度で横方向
および長手方向に二軸に延伸し、最終的な幅方向の延伸
の少なくとも70%の延伸を長手方向の延伸が完了する
より前に完了せしめることが重要である。
【0016】本発明において幅方向の少なくとも70%
の延伸とは、長手方向の延伸の前の幅方向の延伸を目的
の倍率の少なくとも70%までの延伸を終了しているこ
とであり、更に長手方向の延伸が終了した後に、好まし
くは幅方向に残りの倍率に再延伸できる余地をもたせ、
最終的に目的の倍率になるようにすることができる。
【0017】また、ここで、長手方向の延伸が完了する
前に、幅方向の延伸の少なくとも70%の延伸を完了さ
せるための手段としては、例えば、無配向の樹脂シート
状物をステンター式延伸機に送り込み、クリップで把持
して樹脂のガラス転移温度以上の温度で横方向に、好ま
しくは1.5〜7倍、より好ましくは1.5〜5倍に延
伸した後、一旦クリップより開放し、樹脂のガラス転移
以上の温度に加熱されたロール群よりなるロール式延伸
機で長手方向に好ましくは1.1〜6倍、より好ましく
は1.1〜5倍に延伸して二軸延伸樹脂フィルムを得
る。
【0018】また、前記ステンター式延伸機での横方向
の延伸時の延伸倍率を目的とする倍率の70%以上、1
00%未満として延伸した後、一旦クリップより開放
し、樹脂のガラス転移以上の温度に加熱されたロール群
よりなるロール式延伸機で長手方向に延伸して二軸延伸
樹脂フィルムを得た後に、二軸延伸フィルムをステンタ
ー式延伸熱固定装置に送り込みクリップで把持しながら
横方向へ残りの倍率に再延伸し、最終的に目的の倍率と
なるようにした後、熱固定を行なう。
【0019】ここで横方向の70%までの延伸を長手方
向の延伸が完了する前に行なう理由は、ボーイングが、
前記したように、テンター内での横延伸・熱処理に伴う
長手方向の収縮応力が把持手段によって拘束されている
両側端と拘束力が比較的弱いフィルム中央部とで差がで
きるために発生し、横延伸と熱処理を分離することによ
り、ボーイングが低減するからであり、更に横延伸と熱
処理の間にニップロール等を使用してフィルム全幅を拘
束しながら長手方向に延伸する工程を入れることによ
り、よりボーイングを低減できるからである。
【0020】また、横延伸倍率を小さくして、横延伸に
伴う縦方向の収縮応力を低減することも有効であること
から、最初の横延伸で目的の倍率の70%以上の延伸を
した後に長手方向の延伸を行ない、更に横方向に残りの
倍率に延伸して熱処理をすることも有効である。
【0021】ここで最初の横方向の延伸が目的の倍率の
70%より小さいと、後の再横延伸時に縦方向の収縮応
力が大きくなり、結果としてボーイングが大きくなるの
で好ましくない。
【0022】次いで、このようにして得られた二軸延伸
フィルムを、ステンター式熱固定装置に送り込みクリッ
プで把持しながら熱固定を行なう。
【0023】かかる熱固定においては、次の(a)〜
(c)の少なくとも1つの工程を有することが肝要であ
る。 (a)前記熱固定において少なくとも1区間以上で、横
方向に1〜40%微延伸する工程、好ましくは1〜20
%微延伸する工程。 (b)前記熱固定を少なくとも2区間以上で、かつ各区
間の温度差が5〜50℃、好ましくは5〜30℃の範囲
で段階的に昇温する工程。 (c)前記横延伸後の直後に樹脂のガラス転移温度以下
の温度で、好ましくはフィルムが0.1秒以上走行でき
る区間長さで冷却する工程。
【0024】上記(a)〜(b)の工程をいずれも含ま
ないとフィルムの幅方向の物性を均一化するのに不十分
である。
【0025】上記工程(a)において、少なくとも1区
間以上で、横方向に1〜40%微延伸して横方向に応力
を発現することにより、フィルム両側端とフィルム中央
部で発生する長手方向の収縮応力差を低減できる。ここ
で微延伸する手段としては、ステンター式延伸・熱処理
機においては、熱固定装置に入るフィルムの全幅よりも
本発明の範囲にレール幅を広くして行なう。また、微延
伸する範囲が本発明の範囲を外れるとフィルムの厚みむ
らが大きくなったり、フィルム横方向の熱収縮率が大き
くなるので好ましくない。
【0026】上記工程(b)において、熱固定を少なく
とも2区間以上で、かつ各区間の温度差が5〜50℃の
範囲で段階的に昇温することにより、フィルム両側端と
フィルム中央部で発生する長手方向の熱収縮応力差も段
階的であり、結果としてボーイングを低減することがで
きる。ここで1区間だけの熱固定では、常温の状態のフ
ィルムが熱固定装置に送り込まれるときに、その常温状
態の部分と熱固定部分との温度差でフィルム長手方向に
熱収縮応力差が発現し、結果としてボーイングが大きく
なるので好ましくない。熱固定区間が2区間以上あるこ
とにより、常温状態から熱固定されるときの最初の熱固
定温度を低くすることができるためにフィルム両側端と
フィルム中央部で発生する長手方向の熱収縮応力差を低
減することができる。また、各区間の温度差が本発明の
範囲を外れると、上記した1区間での熱処理の問題やフ
ィルム両側端とフィルム中央部で発生する長手方向の熱
収縮応力差が大きくなり、結果としてボーイングが大き
くなるために好ましくない。 上記工程(c)におい
て、横延伸後の直後に樹脂のガラス転移温度以下の温度
で、好ましくはフィルムが0.1秒以上走行できる区間
長さで冷却する工程を設けることにより、フィルム両側
端とフィルム中央部で発生する長手方向の熱収縮応力差
によるフィルムの引っ張り合いが生じず、結果としてボ
ーイングを低減できる。
【0027】また、冷却する工程は、分子の運動が起こ
らないガラス転移温度以下であることが重要である。区
間長さに関しては、上記範囲を外れるとフィルム両側端
とフィルム中央部で発生する長手方向の熱収縮応力差に
よるフィルムの引っ張り合いを抑制できないために好ま
しくない。
【0028】上記熱固定においては、必要に応じて弛緩
処理を行なってもよい。この際、弛緩処理は、横方向、
長手方向いずれの方向でもよいが、横方向・長手方向を
同時に行なったり、これらを組み合わせて行なってもよ
い。
【0029】また、弛緩処理温度は、樹脂のガラス転移
温度以上、樹脂の融点−20℃が好ましく、弛緩率はフ
ィルムの全幅に対して、好ましくは1〜30%、より好
ましくは1〜20%が、熱寸法安定性の優れたフィルム
を得るのに有効である。
【0030】本発明では、このようにして得られた二軸
延伸フィルムを、巻き芯に巻き(ガラス転移温度−3
0)℃〜ガラス転移温度以下の温度で6〜42時間、エ
ージング処理を施した後、常温で24時間放置すること
も熱寸法安定の面からも有効である。
【0031】本発明の二軸延伸フィルムは、セラミック
コンデンサーのセパレーター、偏光板保護用離型フィル
ムなどの光学用途、磁気記録、写真、製図、包装および
コンデンサー等に好適に用いられる。
【0032】[特性の測定方法] (1)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm) セイコー電子(株)製示差走査熱量計RDC220型を
用いて、樹脂組成物試料5mgを採取し、室温より昇温
速度20℃/分で昇温した時の吸熱ピークの温度より融
点(Tm)を求めた。また、ガラス転移温度(Tg)は
フィルム試料を280℃まで昇温し、280℃で5分間
保持した後、液体窒素で急冷し、再度室温より昇温速度
20℃/分で昇温して測定した。
【0033】(2)ボーイング量(mm) 熱固定前の延伸フィルムの幅方向全幅にマジック(登録
商標)等で直線を描いておいて、熱固定を行う。熱固定
後のフィルムを取り出し、ボーイングにより変形した直
線の絃と弧の最大距離(mm)を測定した。
【0034】(3)フィルム幅方向、配向角分布 自動屈折率測定装置(王子計測機器株式会社製KOBR
Aー21ADH)を使用して測定した。測定はフィルム
の中央とフィルム最端部から200mmの位置で行っ
た。測定温度は、25℃で行なった。フィルムの横方向
を0°とした。
【0035】
【実施例】(実施例1〜9)ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を溶融してTダイから押出し、急冷ドラム表面で
フィルムシート状に成形して冷却した後、90℃に加熱
されたステンター式延伸機に送り込みフィルム状物の両
端をクリップで把持し、表1に示す条件で横方向に延伸
し、一旦クリップ把持を開放し、95℃に加熱されたロ
ール式延伸機で長手方向に表1に示す条件で延伸した。
次いで、10m/分の速度でステンター式熱固定装置に
送り込み、表1に示す条件で熱固定を行なった後、室温
まで冷却して巻き取った。このときの横方向の延伸は、
目的の倍率の100%を延伸した。かくして得られた各
二軸延伸フィルムは、フィルム幅が950mmであり、
表2に示すようにボーイング量も小さくフィルム幅方向
に沿って物性が均一であった。
【0036】(実施例10)ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を溶融してTダイから押出し、急冷ドラム表面で
フィルムシート状に成形して冷却した後、90℃に加熱
されたステンター式延伸機に送り込みフィルム状物の両
端をクリップで把持し、目的とする倍率(4.0倍)の
80%(3.2倍)に横方向に延伸し、一旦クリップ把
持を開放し、95℃に加熱されたロール式延伸機で長手
方向に表1に示す条件で延伸した。次いで、10m/分
の速度でステンター式延伸・熱固定装置に送り込み、1
50℃で横方向に1.25倍延伸して、表1に示す条件
で熱固定を行なった後、室温まで冷却して巻き取った。
【0037】かくして得られた二軸延伸フィルムは、フ
ィルム幅が950mmであり、表2に示すようにボーイ
ング量も小さくフィルム幅方向に沿って物性が均一であ
った。
【0038】(比較例1)実施例1において、(a)〜
(c)のいずれの工程も行なわずに実施例1と同様に実
施して二軸延伸フィルムを得た。
【0039】かくして得られた二軸延伸フィルムは、フ
ィルム幅が950mmであり、表2に示すようにボーイ
ング量も大きくフィルム幅方向に沿って物性が不均一で
あった。
【0040】(比較例2〜4)ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂を溶融してTダイから押出し、急冷ドラム表面
でフィルム状に成形して冷却した後、90℃に加熱され
たロール式延伸機でまず長手方向に表1に示す条件で延
伸し、次いで、95℃に加熱されたステンター式延伸機
に10m/分の速度で送り込みフィルムの両端をクリッ
プで把持し、表1に示す条件で横方向に延伸し、直ちに
表1に示す条件で熱固定を行なった後、室温まで冷却し
て巻き取った。かくして得られた各二軸延伸フィルム
は、フィルム幅が950mmであり、表2に示すように
ボーイング量も大きくフィルム幅方向に沿って物性が不
均一であった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれぱ、フィルム幅方向に沿っ
て物性差が殆どない、均一性に優れた二軸延伸フィルム
が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に無配向の樹脂シート状物を樹脂
    のガラス転移温度以上の温度で横方向および長手方向に
    二軸に延伸し、最終的な幅方向の延伸の少なくとも70
    %の延伸を長手方向の延伸が完了するより前に完了せし
    めること、および下記(a)〜(c)の少なくとも1つ
    の工程を有することを特徴とする二軸延伸フィルムの製
    造方法。 (a)熱固定において少なくとも1区間以上で、横方向
    に1〜40%微延伸する工程。 (b)熱固定を少なくとも2区間以上で、かつ各区間の
    温度差が5〜50℃の範囲で段階的に昇温する工程。 (c)横延伸の直後にガラス転移温度以下の温度で冷却
    する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003070450A1 (fr) * 2002-02-21 2003-08-28 Riken Film d'acide polyhydroxyalcanoique haute resistance et procede de production associe
WO2014208519A1 (ja) * 2013-06-28 2014-12-31 東レ株式会社 二軸配向ポリエステルフィルム
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