JP2004276565A - 二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法では、フィルム厚みが薄くてもフィルム強度を達成でき、かつ、寸法安定性の良好な二軸配向ポリエステルフィルムを得ることを目的とする。
【解決手段】溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸し、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。また、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめた後、さらに少なくとも再度長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめ、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸し、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。また、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめた後、さらに少なくとも再度長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめ、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度で、しかも寸法安定性の良好な二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸配向ポリエステルフィルムはその優れた特性のため、磁気記録媒体用ベースフィルム、コンデンサなどの電気絶縁用途、プリンタリボンなどのOA用途、熱により穿孔して印刷する感熱孔版原紙など、様々な用途で用いられているが、これらの用途においては、年々フィルムの高強度化と寸法安定性向上に関する要求が高まっている。
【0003】
フィルムに強度と寸法安定性を付与するための二軸延伸法としては、長手方向に延伸して幅方向に延伸する逐次延伸法、または、幅方向に延伸して長手方向に延伸する逐次延伸法が一般的であり広く工業的に適用されている。また必要に応じて、再度長手方向または幅方向に延伸する方法も知られている。
【0004】
しかしながらフィルムに、より一層の強度が求められるようになると、上記の逐次二軸延伸法では最初の延伸段階(長手方向または幅方向)でポリマー中の異物等により、フィルムに微細な破れが生じた場合、次段階の延伸でフィルム破れが大規模なものとなり、最終二軸延伸フィルムを得ることができないという問題があった。
【0005】
それを改良する一つの方法として同時二軸延伸法が知られている(例えば特許文献1参照)が、一段階の同時二軸延伸で高強度を得ようとする場合、フィルムに加えるひずみが大きくなりすぎるため破れが生じたり、フィルム加工工程で熱が加えられた場合、加わったひずみのため熱収縮率が大きくなり寸法安定性が満足されないという問題、また、安定製膜のため、延伸倍率を低くすると強度が達成できないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5585501号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法では、フィルム厚みが薄くてもフィルム強度を達成でき、かつ、寸法安定性の良好な二軸配向ポリエステルフィルムを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸し、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0009】
また、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめた後、さらに少なくとも再度長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめ、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明におけるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステルなどを用いることができる。中でも、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートやポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、これらのポリマーはホモポリマーであっても、共重合またはブレンドであってもよい。また、これらのポリマーの中に、公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、有機及び/または無機粒子が添加されていてもよい。
【0011】
また、本発明における二軸配向したフィルムとは、長手方向および幅方向に延伸し、分子配向を与えたフィルムをいう。さらに、このような延伸を施した後に、フィルムに残る歪みを除去するため、融点近傍までの温度で熱処理(熱固定)を行うことが好ましい。
【0012】
本発明フィルムの製造方法は、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめるものである。同時二軸延伸は2段階以上行なってもよいし、その際、2段階以上の同時二軸延伸は一つのテンター内で行ってもよいし、また、複数のテンターを用いてもよい。
【0013】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上、より好ましくは650kg/mm2 以上、かつ、150℃30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも1.5%以下、より好ましくは、1.0%以下であるポリエチレンテレフタレートからなる。長手方向、幅方向の熱収縮率がこの範囲からはずれると、フィルム加工時に熱が加わった場合、フィルムの寸法が変化し好ましくない。
【0014】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのもう一つの実施態様としては、幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上、より好ましくは700kg/mm2 以上、かつ、150℃30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも0.8%以下、より好ましくは、0.5%以下であるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなる。長手方向、幅方向の熱収縮率がこの範囲からはずれると、フィルム加工時にフィルムが特に高温状態にさらされた場合に、フィルムの寸法が変化し好ましくない。
【0015】
なお、本発明においては、特に限定されないがフィルム表面欠点、フィルム内部欠点の点から、同時二軸延伸における延伸速度が、少なくとも5000%/分であることが好ましい。さらに好ましくは10000%/分以上である。
【0016】
また、本発明においては、特に限定されないがフィルムの強度と寸法安定性を満足するために、口金の口金幅に対するランド部の長さの比を、0.01以上、0.2以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、0.02以上、0.15以下である。なお、シート化する口金は、通常、ダイホッパと呼ばれる溶融ポリマーを幅方向に広げる部分と、一定のスリット間隙を有する平行部分であるランド部と呼ばれる部分から構成される。
【0017】
次に、本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0018】
まず、ポリエステルの原料をペレットなどの形態で用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風中、あるいは真空下で行い、押出機に供給する。押出機内において、融点以上に加熱溶融されたポリマーは、溶融状態でメッシュを適切に選ばれたフィルターにより効果的に異物が除去される。また、吐出精度のため、ギアポンプを用いるのが好ましい。
【0019】
口金から吐出されたシート状の溶融ポリマーは、キャスティングドラム上で冷却固化され、フィルムに成形される。この際、シート状の溶融ポリマーに静電気を印加してドラム上に密着させ、急冷固化する方法が好ましく用いられる。
【0020】
次に、同時二軸延伸を行う。本発明における同時二軸延伸は特に限定されないが、クリップをパンタグラフで連結し、クリップ間隔を開く方法、クリップをスクリュー形状の軸で駆動し、スクリュー溝の間隔を調整することでクリップ間隔を開く方法、リニアモーターを利用した駆動方式等、必要に応じて選択することができる。このようなテンターを用い、ポリマーのガラス転移温度以上、結晶化開始温度以下の温度で、倍率を長手方向、幅方向それぞれ3〜8倍に延伸する。この際、全ての延伸区間において、特に限定されないが、長手方向/幅方向の倍率の比を0.75〜1.1の範囲とすることが好ましく例示される。
【0021】
さらに、再度長手方向幅方向に同時二軸延伸する。その場合の延伸温度は、特に限定されないが、上記一段目の延伸温度より高く、また、延伸倍率は長手方向、幅方向それぞれ1.1〜3倍程度が好ましい。
【0022】
こうして二軸延伸されたフイルムは平面性、寸法安定性を付与するために、テンタ内で延伸温度以上、融点以下の熱固定を行ない、均一に徐冷後室温まで冷やして巻き取る。
【0023】
(物性値の評価方法)
1.ガラス転移温度、結晶化開始温度、融解終了温度
示差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製DSC「RDC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、サンプル約10mgをアルミニウム製の受皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素で急冷固化した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温した。この時観測されるガラス転移点をTg、昇温結晶化温度をTcc、融解吸熱ピーク開始温度をTmb、ピーク温度をTm、ピーク終了温度をTmeとした。また、サンプル5mgを300℃で5分間溶融保持した後、降温速度20℃/分で降温した。この際観測される降温結晶化ピーク開始温度をTcb、ピーク温度をTc、ピーク終了温度をTceとした。
【0024】
2.ポリマー温度
口金内のポリマー温度は、測定したい個所に棒状の熱電対を挿入する孔を開けて、熱電対を挿入し、ポリマーの漏れを防ぐシールを施して測定した。また、口金のランド部出口の温度は、吐出されるポリマーの温度を口金直下で熱電対により測定した。またフィルム温度は非接触赤外線温度計を用いて求めることができる。
【0025】
3.応力−歪曲線
株式会社東洋精機製作所製二軸延伸装置を用いて、サンプルを90mm×90mmに調製し、所定温度雰囲気下で20秒予熱を行った後、延伸速度2000%/分で、横方向拘束のもと、縦方向に延伸し、または、同時に延伸し、クリップに取り付けた歪計により応力を測定した。
【0026】
4.ヤング率
株式会社オリエンテック製フィルム強伸度自動測定装置 テンシロンAMF/RTA−100を用いて、幅10mm、試長100mm、引張速度300mm/分にて測定した。
【0027】
5.フィルムの加工適性
500mm幅に巻取られたフィルムを、アンワインダから巻出しながら、搬送速度20m/分で、井上金属工業株式会社製のオーブン処理装置に供給し、180℃の熱処理を施して、100mの長さで巻取った。その際に、蛇行などにより、巻取ったフィルムの端部が10mmを越えて突出して不揃いとなったものを「×」、端部の突出が5mm以上、10mm以下のもの、また、5mm未満であるが加工中にしわが観測されたものを「△」、端部の突出が5mm未満であり、かつ、加工中にしわが観測されず、実用上問題なかったものを「○」、端部の突出、しわとも観測されなかったものを「◎」とした。
【0028】
6.延伸速度
延伸開始時の速度V1と終了時の速度V2から平均速度Va=(V1+V2)/2(m/分)を求め、延伸倍率λから伸度E=(λ−1)×100(%)とし、延伸区間長L(m)より次の式で計算した。
延伸速度=E・Va/L(%/分)
7.熱収縮率
サンプル:最終二軸延伸フィルム(カットシート)より、長さ23cm×幅1cm、短冊状サンプルを採取。(MD熱収縮率測定の場合は、MD方向が長さ方向、TD熱収縮率測定の場合は、TD方向が長さ方向である。)長辺の両端から、3cm、5cmの位置にそれぞれ印を入れた
測定:上記印の間隔を測定する。その後、オーブン中で約3g荷重下、該当温度で30分間熱処理を行った。約24時間、調湿後(23℃・66%RH)、前述の間隔を測定し、下式より、熱収縮率を算出した
熱収縮率(%)=(熱処理前長さ−熱処理後長さ)/熱処理前長さ×100
【0029】
【実施例】
本発明を実施例にもとづいて説明する。
実施例1
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。DSCを用いて熱特性を測定したところ、Tg:78℃、Tcc:140℃、Tmb:240℃、Tm:255℃であった。このポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で4時間真空乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0030】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、90℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向3.2倍、幅方向3.2倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。次いでこのフィルムを冷却することなく、100℃で長手方向1.1倍、幅方向1.4倍に同時二軸延伸した。その後、同じテンター内で210℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。この得られたフィルムのヤング率は長手方向、幅方向それぞれ580kg/mm2 、680kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ1.3%、1.2%であり寸法安定性に優れるものであった。フィルム加工適性は◎であった。
【0031】
実施例2
極限粘度0.61のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いた。このポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのペレットを180℃で8時間真空乾燥して押出機に供給し、300℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0032】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、135℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向4.2倍、幅方向4.2倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。次いでこのフィルムを冷却することなく、155℃で長手方向1.2倍、幅方向1.45倍に同時二軸延伸した。その後、同じテンター内で220℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。この得られたフィルムのヤング率は長手方向、幅方向それぞれ680kg/mm2 、790kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ0.6%、0.55%であり寸法安定性に優れるものであった。フィルム加工適性は◎であった。
【0033】
比較例1
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。このポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で4時間真空乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0034】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、90℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向3.8倍、幅方向3.8倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。その後、同じテンター内で210℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。
【0035】
この得られたフィルムのヤング率は、長手方向、幅方向それぞれ560kg/mm2 、570kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ2.4%、2.8%であり寸法安定性に劣るものであった。フィルム加工適性は×であった。
【0036】
比較例2
極限粘度0.61のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いた。このポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのペレットを180℃で8時間真空乾燥して押出機に供給し、300℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0037】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、135℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向4.8倍、幅方向4.6倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。その後、同じテンター内で220℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。
【0038】
この得られたフィルムのヤング率は長手方向、幅方向それぞれ850kg/mm2 、740kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ1.6%、1.5%であり寸法安定性に劣るものであった。フィルム加工適性は△であった。
【0039】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明のポリエステルフィルムは同時二軸延伸を用い、さらに幅方向のヤング率を長手方向のヤング率より大きくしたので、フィルムの強度、寸法安定性がバランスよく向上したものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度で、しかも寸法安定性の良好な二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸配向ポリエステルフィルムはその優れた特性のため、磁気記録媒体用ベースフィルム、コンデンサなどの電気絶縁用途、プリンタリボンなどのOA用途、熱により穿孔して印刷する感熱孔版原紙など、様々な用途で用いられているが、これらの用途においては、年々フィルムの高強度化と寸法安定性向上に関する要求が高まっている。
【0003】
フィルムに強度と寸法安定性を付与するための二軸延伸法としては、長手方向に延伸して幅方向に延伸する逐次延伸法、または、幅方向に延伸して長手方向に延伸する逐次延伸法が一般的であり広く工業的に適用されている。また必要に応じて、再度長手方向または幅方向に延伸する方法も知られている。
【0004】
しかしながらフィルムに、より一層の強度が求められるようになると、上記の逐次二軸延伸法では最初の延伸段階(長手方向または幅方向)でポリマー中の異物等により、フィルムに微細な破れが生じた場合、次段階の延伸でフィルム破れが大規模なものとなり、最終二軸延伸フィルムを得ることができないという問題があった。
【0005】
それを改良する一つの方法として同時二軸延伸法が知られている(例えば特許文献1参照)が、一段階の同時二軸延伸で高強度を得ようとする場合、フィルムに加えるひずみが大きくなりすぎるため破れが生じたり、フィルム加工工程で熱が加えられた場合、加わったひずみのため熱収縮率が大きくなり寸法安定性が満足されないという問題、また、安定製膜のため、延伸倍率を低くすると強度が達成できないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5585501号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法では、フィルム厚みが薄くてもフィルム強度を達成でき、かつ、寸法安定性の良好な二軸配向ポリエステルフィルムを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸し、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0009】
また、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめた後、さらに少なくとも再度長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめ、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明におけるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステルなどを用いることができる。中でも、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートやポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、これらのポリマーはホモポリマーであっても、共重合またはブレンドであってもよい。また、これらのポリマーの中に、公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、有機及び/または無機粒子が添加されていてもよい。
【0011】
また、本発明における二軸配向したフィルムとは、長手方向および幅方向に延伸し、分子配向を与えたフィルムをいう。さらに、このような延伸を施した後に、フィルムに残る歪みを除去するため、融点近傍までの温度で熱処理(熱固定)を行うことが好ましい。
【0012】
本発明フィルムの製造方法は、溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめるものである。同時二軸延伸は2段階以上行なってもよいし、その際、2段階以上の同時二軸延伸は一つのテンター内で行ってもよいし、また、複数のテンターを用いてもよい。
【0013】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上、より好ましくは650kg/mm2 以上、かつ、150℃30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも1.5%以下、より好ましくは、1.0%以下であるポリエチレンテレフタレートからなる。長手方向、幅方向の熱収縮率がこの範囲からはずれると、フィルム加工時に熱が加わった場合、フィルムの寸法が変化し好ましくない。
【0014】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのもう一つの実施態様としては、幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上、より好ましくは700kg/mm2 以上、かつ、150℃30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも0.8%以下、より好ましくは、0.5%以下であるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなる。長手方向、幅方向の熱収縮率がこの範囲からはずれると、フィルム加工時にフィルムが特に高温状態にさらされた場合に、フィルムの寸法が変化し好ましくない。
【0015】
なお、本発明においては、特に限定されないがフィルム表面欠点、フィルム内部欠点の点から、同時二軸延伸における延伸速度が、少なくとも5000%/分であることが好ましい。さらに好ましくは10000%/分以上である。
【0016】
また、本発明においては、特に限定されないがフィルムの強度と寸法安定性を満足するために、口金の口金幅に対するランド部の長さの比を、0.01以上、0.2以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、0.02以上、0.15以下である。なお、シート化する口金は、通常、ダイホッパと呼ばれる溶融ポリマーを幅方向に広げる部分と、一定のスリット間隙を有する平行部分であるランド部と呼ばれる部分から構成される。
【0017】
次に、本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0018】
まず、ポリエステルの原料をペレットなどの形態で用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風中、あるいは真空下で行い、押出機に供給する。押出機内において、融点以上に加熱溶融されたポリマーは、溶融状態でメッシュを適切に選ばれたフィルターにより効果的に異物が除去される。また、吐出精度のため、ギアポンプを用いるのが好ましい。
【0019】
口金から吐出されたシート状の溶融ポリマーは、キャスティングドラム上で冷却固化され、フィルムに成形される。この際、シート状の溶融ポリマーに静電気を印加してドラム上に密着させ、急冷固化する方法が好ましく用いられる。
【0020】
次に、同時二軸延伸を行う。本発明における同時二軸延伸は特に限定されないが、クリップをパンタグラフで連結し、クリップ間隔を開く方法、クリップをスクリュー形状の軸で駆動し、スクリュー溝の間隔を調整することでクリップ間隔を開く方法、リニアモーターを利用した駆動方式等、必要に応じて選択することができる。このようなテンターを用い、ポリマーのガラス転移温度以上、結晶化開始温度以下の温度で、倍率を長手方向、幅方向それぞれ3〜8倍に延伸する。この際、全ての延伸区間において、特に限定されないが、長手方向/幅方向の倍率の比を0.75〜1.1の範囲とすることが好ましく例示される。
【0021】
さらに、再度長手方向幅方向に同時二軸延伸する。その場合の延伸温度は、特に限定されないが、上記一段目の延伸温度より高く、また、延伸倍率は長手方向、幅方向それぞれ1.1〜3倍程度が好ましい。
【0022】
こうして二軸延伸されたフイルムは平面性、寸法安定性を付与するために、テンタ内で延伸温度以上、融点以下の熱固定を行ない、均一に徐冷後室温まで冷やして巻き取る。
【0023】
(物性値の評価方法)
1.ガラス転移温度、結晶化開始温度、融解終了温度
示差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製DSC「RDC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、サンプル約10mgをアルミニウム製の受皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素で急冷固化した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温した。この時観測されるガラス転移点をTg、昇温結晶化温度をTcc、融解吸熱ピーク開始温度をTmb、ピーク温度をTm、ピーク終了温度をTmeとした。また、サンプル5mgを300℃で5分間溶融保持した後、降温速度20℃/分で降温した。この際観測される降温結晶化ピーク開始温度をTcb、ピーク温度をTc、ピーク終了温度をTceとした。
【0024】
2.ポリマー温度
口金内のポリマー温度は、測定したい個所に棒状の熱電対を挿入する孔を開けて、熱電対を挿入し、ポリマーの漏れを防ぐシールを施して測定した。また、口金のランド部出口の温度は、吐出されるポリマーの温度を口金直下で熱電対により測定した。またフィルム温度は非接触赤外線温度計を用いて求めることができる。
【0025】
3.応力−歪曲線
株式会社東洋精機製作所製二軸延伸装置を用いて、サンプルを90mm×90mmに調製し、所定温度雰囲気下で20秒予熱を行った後、延伸速度2000%/分で、横方向拘束のもと、縦方向に延伸し、または、同時に延伸し、クリップに取り付けた歪計により応力を測定した。
【0026】
4.ヤング率
株式会社オリエンテック製フィルム強伸度自動測定装置 テンシロンAMF/RTA−100を用いて、幅10mm、試長100mm、引張速度300mm/分にて測定した。
【0027】
5.フィルムの加工適性
500mm幅に巻取られたフィルムを、アンワインダから巻出しながら、搬送速度20m/分で、井上金属工業株式会社製のオーブン処理装置に供給し、180℃の熱処理を施して、100mの長さで巻取った。その際に、蛇行などにより、巻取ったフィルムの端部が10mmを越えて突出して不揃いとなったものを「×」、端部の突出が5mm以上、10mm以下のもの、また、5mm未満であるが加工中にしわが観測されたものを「△」、端部の突出が5mm未満であり、かつ、加工中にしわが観測されず、実用上問題なかったものを「○」、端部の突出、しわとも観測されなかったものを「◎」とした。
【0028】
6.延伸速度
延伸開始時の速度V1と終了時の速度V2から平均速度Va=(V1+V2)/2(m/分)を求め、延伸倍率λから伸度E=(λ−1)×100(%)とし、延伸区間長L(m)より次の式で計算した。
延伸速度=E・Va/L(%/分)
7.熱収縮率
サンプル:最終二軸延伸フィルム(カットシート)より、長さ23cm×幅1cm、短冊状サンプルを採取。(MD熱収縮率測定の場合は、MD方向が長さ方向、TD熱収縮率測定の場合は、TD方向が長さ方向である。)長辺の両端から、3cm、5cmの位置にそれぞれ印を入れた
測定:上記印の間隔を測定する。その後、オーブン中で約3g荷重下、該当温度で30分間熱処理を行った。約24時間、調湿後(23℃・66%RH)、前述の間隔を測定し、下式より、熱収縮率を算出した
熱収縮率(%)=(熱処理前長さ−熱処理後長さ)/熱処理前長さ×100
【0029】
【実施例】
本発明を実施例にもとづいて説明する。
実施例1
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。DSCを用いて熱特性を測定したところ、Tg:78℃、Tcc:140℃、Tmb:240℃、Tm:255℃であった。このポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で4時間真空乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0030】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、90℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向3.2倍、幅方向3.2倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。次いでこのフィルムを冷却することなく、100℃で長手方向1.1倍、幅方向1.4倍に同時二軸延伸した。その後、同じテンター内で210℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。この得られたフィルムのヤング率は長手方向、幅方向それぞれ580kg/mm2 、680kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ1.3%、1.2%であり寸法安定性に優れるものであった。フィルム加工適性は◎であった。
【0031】
実施例2
極限粘度0.61のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いた。このポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのペレットを180℃で8時間真空乾燥して押出機に供給し、300℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0032】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、135℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向4.2倍、幅方向4.2倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。次いでこのフィルムを冷却することなく、155℃で長手方向1.2倍、幅方向1.45倍に同時二軸延伸した。その後、同じテンター内で220℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。この得られたフィルムのヤング率は長手方向、幅方向それぞれ680kg/mm2 、790kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ0.6%、0.55%であり寸法安定性に優れるものであった。フィルム加工適性は◎であった。
【0033】
比較例1
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。このポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で4時間真空乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0034】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、90℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向3.8倍、幅方向3.8倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。その後、同じテンター内で210℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。
【0035】
この得られたフィルムのヤング率は、長手方向、幅方向それぞれ560kg/mm2 、570kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ2.4%、2.8%であり寸法安定性に劣るものであった。フィルム加工適性は×であった。
【0036】
比較例2
極限粘度0.61のポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いた。このポリエチレンナフタレンジカルボキシレートのペレットを180℃で8時間真空乾燥して押出機に供給し、300℃で溶融状態とし、口金に供給した。口金は、リップ間隙1mm、ランド長50mm、幅1000mmのマニホルドダイを用いた。ポリマーを押出し、口金から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
【0037】
このフィルムを同時二軸延伸テンターへ供給し、135℃の熱風雰囲気下で予熱した。このフィルムを長手方向4.8倍、幅方向4.6倍に同時二軸延伸した。この際の延伸速度は、両方向とも17500%/分であった。その後、同じテンター内で220℃の熱風雰囲気下5秒間熱固定を行い、180℃、150℃のゾーンを通過させ、均一にフィルムを徐冷しながら、テンターから導き出し、フィルムの両端部をトリミングして巻取り、厚み6μmの二軸配向フィルムを得た。
【0038】
この得られたフィルムのヤング率は長手方向、幅方向それぞれ850kg/mm2 、740kg/mm2 、150℃、30分の熱収縮率は長手方向、幅方向それぞれ1.6%、1.5%であり寸法安定性に劣るものであった。フィルム加工適性は△であった。
【0039】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明のポリエステルフィルムは同時二軸延伸を用い、さらに幅方向のヤング率を長手方向のヤング率より大きくしたので、フィルムの強度、寸法安定性がバランスよく向上したものである。
Claims (6)
- 溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸し、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 溶融ポリエステルを急冷固化してシート状にしたものを、テンター型延伸装置で、長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめた後、さらに少なくとも再度長手方向及び幅方向に同時二軸延伸せしめ、幅方向のヤング率が長手方向のヤング率よりも大きく、かつ幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上である二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上、かつ、150℃30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも1.5%以下であるポリエチレンテレフタレートからなる請求項1または2記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 幅方向のヤング率が600kg/mm2 以上、かつ、150℃30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも0.8%以下であるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートからなる請求項1または2記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 150℃、30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも1.0%以下であることを特徴とする請求項3記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 150℃、30分の熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも0.5%以下であることを特徴とする請求項4記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
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-
2003
- 2003-03-19 JP JP2003075079A patent/JP2004276565A/ja active Pending
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