JPH10128845A - ポリエステルフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエステルフイルムおよびその製造方法

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JPH10128845A
JPH10128845A JP8285193A JP28519396A JPH10128845A JP H10128845 A JPH10128845 A JP H10128845A JP 8285193 A JP8285193 A JP 8285193A JP 28519396 A JP28519396 A JP 28519396A JP H10128845 A JPH10128845 A JP H10128845A
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film
temperature
polyester film
polyester
transverse direction
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JP8285193A
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Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
Kenichi Egashira
賢一 江頭
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】横方向の強度が大きく、熱的特性に優れたフイ
ルムが得られ、感熱転写時の印字性、走行性に優れた感
熱転写リボンとすることができるポリエステルフイル
ム。 【解決手段】実質的に非晶状態の未延伸ポリエステルフ
イルムを2段以上の温度で縦方向に延伸して一軸延伸フ
イルムとした後、該一軸延伸フイルムのガラス転移温度
以上から結晶化ピ−ク温度以下の範囲の温度で横方向に
延伸した後、さらに結晶化ピ−ク温度以上からポリエス
テルの融解温度以下の範囲の温度で横方向に1.05〜
1.8倍に再延伸したポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械特性に優れたポ
リエステルフイルム及びその製造方法である。さらに詳
しくはサーマルプリンターに用いられる感熱転写リボン
のベ−スフイルムに好適なポリエステルフイルム及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエステルフイルムは、機械的
特性、寸法安定性、耐熱性などの優れた特性を有するこ
とから、磁気記録媒体用、工業材料用、包装材料用など
に広く用いられている。特にフイルムの強度を向上した
テンシライズフイルムが好まれている。例えばサーマル
プリンターに用いられる感熱転写リボン用のベースフイ
ルムには、二軸延伸ポリエステルフイルムが用いられ、
特に特公平8−22627号公報に記載されているよう
な、縦方向に強力化された二軸延伸ポリエステルフイル
ムが好ましく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、長手方向に強力化されたベースフイルムでも、加
工工程時の加熱皺、フイルムの走行時の走行皺の解消に
は、まだ不満足であり、例えば感熱転写リボンの分野で
は、印字時の外部加熱により転写リボンに皺が発生し、
印字に乱れが生じるなどの欠点があった。特に、近年転
写リボンが幅広になる傾向があり、欠点が顕著化してい
る。
【0004】したがって、本発明の課題は、これら欠点
のない、即ち加熱皺および走行皺がなく、印字に乱れが
生じない感熱転写リボンのベ−スフイルムに好適なポリ
エステルフイルム及びその製法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
鋭意検討の結果、これらの欠点を解消する方法として、
横方向の剛性を向上したポリエステルフイルムが有効で
あることを見い出し、横方向に強度に優れたポリエステ
ルフイルムおよびそのフイルムを経済的に製造し、横方
向の厚みむらおよび強度分布の少ないポリエステルフイ
ルムの製造方法からなる本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、下記の構成を有す
る。
【0007】[1]実質的に非晶状態の未延伸ポリエス
テルフイルムを2段階以上の温度で縦方向に延伸して一
軸延伸フイルムとした後、該一軸延伸フイルムの結晶化
ピ−ク温度以下の範囲の温度で横方向に延伸した後、さ
らに結晶化ピ−ク温度以上からポリエステルの融解温度
以下の範囲の温度で横方向に1.05〜1.8倍に再横
延伸することを特徴とするポリエステルフイルムの製造
方法。
【0008】[2]1段目の横延伸温度が45℃以上か
ら一軸延伸フイルムの結晶化ピ−ク温度以下の範囲の温
度で延伸することを特徴とする上記[1]に記載のポリ
エステルフイルムの製造方法。
【0009】[3]1段目の横延伸の倍率が4倍以上で
あることを特徴とする上記[1]もしくは[2]に記載
のポリエステルフイルムの製造方法。
【0010】[4]横方向に再延伸した後に、熱処理を
施し、その後熱処理温度以下から100℃以上の範囲の
温度で、2段階以上の温度で横方向に弛緩を与えて冷却
することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに
記載のポリエステルフイルムの製造方法。
【0011】[5]ポリエステルフイルムを構成するポ
リエステルがポリエチレンテレフタレ−トからを主とし
てなることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか
に記載のポリエステルフイルムの製造方法。
【0012】[6]フイルムの横方向の5%伸び時の強
度F5値が120MPa以上、100℃の横方向の熱収
縮率が0.5%以下、190℃の横方向の熱収縮率が3
%以上、190℃の横方向の熱収縮応力が0.6MPa
以上であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいず
れかの方法によって得られたポリエステルフイルム。 [7]上記[6]に記載のポリエステルフイルムからな
る感熱転写リボン用ポリエステルフイルム。
【0013】本発明の最大の特徴は、2段階以上の温度
で縦方向に延伸すること、および結晶化ピ−ク温度以上
からポリエステルの融解温度以下の範囲の温度で再横延
伸することの特別の組み合わせによって、加熱皺および
走行皺がなく、印字に乱れが生じない感熱転写リボンの
ベ−スフイルムに好適なポリエステルフイルムを提供し
た点にある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルとは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
およびその共重合体、叉は他のポリマとのブレンド体、
さらには積層体などの複合体である。ポリエステルの固
有粘度は、0.55以上、好ましくは0.63以上が好
ましい。なお、本フィルム中には、相溶化剤、可塑剤、
耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、すべり剤、ブロッキン
グ防止剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤などを
添加含有させてもよい。もちろん、本発明フィルムは単
膜でもよいが、これに他のポリマー層、例えばポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデ
ン、アクリル系ポリマーなどを積層してもよい。また、
フイルム表面にウレタン、アクリル、エステル、シリコ
ン、ワックスなどで代表される樹脂のコ−ト層を付設し
て表面改質したフイルムとしても良い。例えば感熱ヘッ
ドが接する側のフイルム表面には特開平4ー12629
3などで代表されるような高温スティック防止離型コ−
ト、すなわち水添ロジン等と酸化ワックスとからなる高
温スティック防止離型コ−トをしておくことが好まし
い。またフイルム表面にはコロナ放電処理などの表面活
性化処理をしてもよい。
【0015】本発明のポリエステルフイルムの製造方法
について述べる。ここでは、便宜上、ポリエチレンテレ
フタレ−トフイルムを具体例として述べるが、これらに
限定されるものではない。ポリエチレンテレフタレ−ト
(以後、PETと略称する)樹脂を押出機に供給して溶
融押し出して、ポリマ−管、フィルタ−を経た後、Tダ
イでシ−ト状に成形し、冷却金属ドラムにシ−トを巻き
付け、シ−ト上に静電印加を与え、急冷して、実質的に
非晶状態の未延伸フイルムとする。
【0016】該フイルムを2段階以上の温度で縦方向に
延伸を行う。このように2段階以上の温度で縦方向に延
伸することで、本発明の目的とする優れた特性が得ら
れ、かつ次の横延伸が45℃から一軸延伸フイルムの結
晶化温度の範囲でできるような一軸延伸フイルムとする
ことできる。
【0017】好ましい例としては、1段目は、105〜
115℃の温度で1.5〜2.4倍に延伸し、フイルム
の複屈折率を0.01以下とし、さらに好ましくはフイ
ルムがスタック構造となることである。スタック構造と
は、PETのようなベンゼン環を有するポリマ−ではベ
ンゼン環が相互に面配向して2〜3個上下に積層したよ
うな構造(固体NMR解析から判明する)のことであ
る。エチレングリコ−ル部分は必ずしも相互に配向する
必要がない。次に、この延伸フイルムを65〜95℃の
温度で、2.0〜3.0倍に縦方向に2段目の延伸を行
い、フイルムの複屈折率を0.09〜0.19、密度を
1.348〜1.363g/cm3 の範囲とする。該一
軸延伸フイルムを示差熱量計(DSC)で測定して、一
軸延伸フイルムのガラス転移温度(Tg)と結晶化ピ−
ク温度(Tcc)を求めることができる。TgとTcc
は2段目の縦延伸温度、延伸倍率の範囲で適宜選択する
ことで、65〜100℃の範囲にすることが、次の横延
伸がしやすくなるので好ましい。また、縦延伸の1段目
の延伸後のフイルムは、2段目の延伸温度に冷却した状
態で次の2段目の延伸を行うことが延伸フイルムの幅方
向の配向分布が少なくすることができ、好ましい。また
2段目の延伸を2分割以上で延伸することもできる。
【0018】次に、該一軸延伸フイルムを一軸延伸フイ
ルムの結晶化ピ−ク温度(Tcc)以下の温度で横方向
に1段目の横延伸する。横方向のフイルムの厚みむらを
小さくする観点から延伸倍率は4倍以上とすることが好
ましい。1段目の横延伸倍率は、次のの再横延伸性の観
点から6倍以下が好ましい。横延伸温度は好ましくは4
5℃以上から結晶化ピ−ク温度(Tcc)以下の範囲で
ある。横延伸温度をTccを越える温度では、フイルム
の横方向の厚みむらが大きくなりやすくなるので好まし
くない。また横延伸温度が45℃未満ではフイルムが延
伸により破れやすくなるので好ましくない。また横延伸
の温度を2段階以上で行うこともできる。この場合、1
段目の延伸温度(T1)と2段目の延伸温度(T2)=
T1−5℃〜T1−15℃の温度範囲とすることがフイ
ルムの横方向の厚みむらを少なくなるので好ましい。ま
た、1段の延伸倍率は全横延伸倍率の60%以下とする
ことが好ましい。
【0019】この横方向に延伸したフイルムを結晶化ピ
−ク温度(Tcc)以上からポリエステルの融解温度
(Tm)以下の範囲で、さらに横方向に1.05〜1.
8倍、好ましくは1.1〜1.5倍の範囲で再横延伸を
行う。二軸延伸フイルムの横方向の強度発現のために、
横延伸したフイルムを結晶化ピ−ク温度(Tcc)以上
の温度で、再横延伸する必要がある。この再横延伸は1
40〜210℃の温度範囲が好ましく、2段階以上の温
度で行うのがさらに好ましい。再横延伸温度がTcc未
満の場合は、フイルムの横方向の強度が発現しにくいの
で好ましくない。また、再横延伸温度がTmを越える場
合は、フイルムがドロ−延伸になり、強度発現がしにく
いので好ましくない。この場合再横延伸温度の好ましい
上限温度はTm−40℃である。さらに、この二軸延伸
フイルムを、ポリエステルの融解温度(Tm)以下で熱
処理を行うこともできる。熱処理した後、フイルを熱処
理温度以下から100℃以上の範囲で、少なくとも2段
階以上の温度で幅方向に弛緩を与えて段階的に冷却する
ことが好ましい。横延伸後の再横延伸は、同一テンタ−
内でフイルムを冷却することなく、横延伸にひきつづき
行うことが製造コストの点で好ましい。
【0020】本発明のポリエステルフイルムは、横方向
の5%伸び時の強度F5値が120MPa以上、100
℃の横方向の熱収縮率が0.5%以下、190℃の横方
向の熱収縮率が3%以上、190℃の横方向の熱収縮応
力が0.6MPa以上でなければならない。横方向の5
%伸び時の強度F5値が120MPa未満では、例えば
コ−テング加工等を行い、感熱転写リボンを製造する
際、フイルムに与えられる張力や熱で加工皺が生じやす
くなり、またリボンとしてから、印字時の外部加熱の熱
により、皺が起こりやすくなり、印字抜けの原因になる
ので好ましくない。F5の上限は限定されるものではな
いが、フイルムの横延伸性の点で170MPa以下が好
ましい。また、フイルムの縦方向の5%伸び時の強度F
5値は110MPa以上が好ましい。
【0021】また100℃の横方向の熱収縮率が0.5
%を越える場合は、例えばコ−テング加工等を行い感熱
転写リボンに製造する際、フイルムに与えられる張力や
熱で横方向の寸法変化で加工皺が生じやすくなるので好
ましくない。また100℃の横方向の熱収縮率の下限は
0%以上が好ましく、フイルムが延びる方向に変化する
のは好ましくない。また190℃の横方向の熱収縮率が
3%未満、かつ190℃の横方向の熱収縮応力が0.6
MPa未満の場合は、例えば感熱転写リボンとした場
合、印字時の外部加熱の熱により、皺が起こりやすくな
り、印字抜けの原因になるので好ましくない。特にこの
傾向は、感熱転写リボンの幅方向の端部に起こりやすく
なる。190℃の横方向の熱収縮率の上限としては6%
を越えたり、また190℃の横方向の熱収縮応力の上限
としては、2MPaを越えたりした場合は、逆に横方向
の収縮が大きくなり過ぎて、印字抜けの原因となりやす
いので好ましくない。100℃の横方向の熱収縮率は、
本発明の製造方法のフイルムの熱処理後の多段階冷却条
件、特に100〜130℃の温度での弛緩処理によって
制御できる。また190℃の横方向の熱収縮率、190
℃の横方向の熱収縮応力は、縦延伸条件によっても変化
するが、特に横延伸条件、特に再横延伸温度と延伸倍率
条件、熱処理後の多段階冷却条件、特に180〜220
℃の温度での弛緩処理条件とにより制御できる。
【0022】さらに本発明のポリエステルフイルムの中
心線平均粗さRaで、0.02〜1μmの範囲のものが
フイルムの走行性、取扱性の点で好ましく、特に感熱転
写リボン用のおいては、感熱転写時の印字性・走行性・
取扱性・耐久性などの点でよい。
【0023】さらに本発明のフイルム厚さは、1〜20
μm、好ましくは2〜15μmであることが好ましい。
特に感熱転写リボン用としては、印字時の伝熱性、加工
適正、取扱性などから、2〜8μmが好ましい。
【0024】本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの
表面に易接着処理や離型処理をしてもよい。この処理
は、製膜ラインの途中で該表面処理をするほうが好まし
い。かくして得られた厚さ2〜8μmのベースフイルム
に易接着処理をした表面に感熱転写インクをコーティン
グし、離型処理をした表面に必要ならさらにスティック
防止コートをすることにより感熱転写リボンとすること
ができる。
【0025】[物性値の測定法] (1)ガラス転移温度、結晶化ピ−ク温度 Perkin−Elmer社製 DSC−2Cに5mg
のサンプルを充填して、常温から20℃/分の昇温速度
で昇温して、昇温DSC曲線を得た。該チャ−トからガ
ラス転移にもとずく変曲温度を求め、ガラス転移温度と
し、また結晶化にともない発熱ピ−クを求め、結晶化ピ
−ク温度とした。
【0026】(2)F5値 ASTM−D−882にしたがい、テンシロン引っ張り
試験機に幅10mm,試長100mmとなるようにセッ
トし、引っ張り速度300mm/min、温度25℃、
湿度65RH%の条件でフイルムの5%伸張にたいする
強度をF5値とする。
【0027】(3)中心線平均表面粗さRa JIS B−0601に従い、測定する。
【0028】(4)熱収縮率 幅10mmのサンプルに,試長500mmとなるように
目印を入れ、サンプルのひとつの片側を把持し、もう一
方の端に重さ0.3gの重りをぶら下げ、所定の温度に
20分間保持し、該サンプルが熱によって変形収縮した
試長量から次式に従い求める。
【0029】熱収縮率(%)={500ー処理後の試長
(mm)}/5 (5)熱収縮応力 幅10mm、試長150mmとなるようにサンプルの片
側を固定把持し、もう一方の端には応力Uゲージに接続
した把持具でとめ、それを熱風オーブン内にいれ、昇温
速度10℃/minで昇温し、昇温に伴うサンプルの熱
収縮により発生する応力を検出し、この応力をサンプル
の断面積で割った値をその温度での熱収縮応力とし、そ
の単位はMPaで表す。
【0030】(6)印字性 感熱転写プリンターとしてセイコー電子工業株式会社製
高精細プリンターを用い、印字の鮮明性について肉眼と
100倍の実体顕微鏡で観察・評価した。表1に示すよ
うに、印字された文字にかすれ、伸び、変形などの欠点
がなく、また、印字以外の部分に余分な印字がない場合
を、○とした。
【0031】
【表1】 (7)複屈折率(Δn) ニコン製偏光顕微鏡により、リタ−デ−ション(R)を
測定し、次式により複屈折率(Δn)を求めた。
【0032】Δn=R/d ただし、R;リタ−デ−ション d;フイルム厚み (8)横方向の厚みむら 製膜したフイルムの横方向に、5cmの幅にサンプリン
グして、フィルム走行装置にセットして、連続的に走行
させ、アンリツ製フイルム厚み計 KG601A型でフ
イルム厚みを測定し、その値を連続的に記録し、そのチ
ャ−トより、最大厚みと最小厚みの差(μm)を横方向
の厚みむらとして示した。
【0033】
【実施例】以下に本発明の効果をより明確にするために
実施例、比較例を示す。本発明は、実施例に限定される
ものではない。
【0034】[実施例1]o−クロロフェノール中で測
定した固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート
(添加剤として、平均粒径2.5μmの湿式シリカ0.
25重量%含有、融解温度=261℃)を乾燥後、押出
機に供給し、280℃で溶融したのちTダイ口金から押
出成形し、25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷を印
加させながら密着冷却固化した。該キャストフィルムを
長手方向ロール式延伸機にて110℃で2倍延伸後、さ
らに同じ方向に75℃で2.6倍延伸して一軸延伸フイ
ルムとした。該フイルムの複屈折率は、0.17、ガラ
ス転移温度は68℃、結晶化ピ−ク温度は89℃であっ
た。該フイルムをテンタ−に導入し、80℃で横方向に
4.1倍延伸した後、引き続き140℃で1.1倍、2
00℃で1.15倍横方向に再延伸して、さらに230
℃の温度で熱処理行なった。その後200℃の温度で横
方向に3%、110℃で横方向に0.3%弛緩処理した
後、30℃に冷却し、そのフイルムの両端耳部を除去し
て、厚さ3.5μm、幅4mの二軸延伸フィルムを得
た。得られたフイルムの特性を表3に示した。
【0035】[実施例2]、[実施例3]、[比較例
1]、[比較例2] 横延伸条件および再横延伸条件を表2のとおりとしたこ
と以外は実施例1と同様にして二軸延伸フイルムを得
た。フイルムの特性は表3に示した。
【0036】「比較例3」実施例1で用いたPET原料
を押出機に供給し、280℃で溶融したのちTダイ口金
から押出成形し、25℃に保たれた冷却ドラム上に静電
荷を印加させながら密着冷却固化した。該キャストフィ
ルムを長手方向ロール式延伸機にて95℃の温度で縦方
向に3.7倍、1段で延伸して一軸延伸フイルムとし
た。該フイルムのガラス転移温度は81℃、結晶化ピ−
ク温度は101℃であった。該フイルムをテンタ−に導
入し、105℃で横方向に3.9倍延伸した後、引き続
き230℃の温度で熱処理行なった。この時横方向に2
%の弛緩処理を与えた。その後200℃の温度で横方向
に2%、110℃で横方向に0.3%弛緩処理した後、
30℃に冷却し、厚さ3.5μm、幅4mの二軸延伸フ
ィルムを得た。フイルムの特性を表3のとおりであっ
た。ただしフイルムの縦方向/横方向のF−5値は11
0/105MPaであった。
【0037】[実施例4]実施例2の縦方向の延伸の2
段目の延伸倍率を2.3倍にした以外は、実施例2と同
様して厚さ3.5μmの二軸配向フイルムを得た。
【0038】[実施例5]実施例2の熱処理温度を21
0℃にした以外は、実施例2と同様にして厚さ3.5μ
mの二軸配向フイルムを得た。
【0039】[実施例6]実施例1〜2、実施例4〜
5、比較例2〜3のフイルムを横方向で幅60cmの小
幅に分割スリットして、ロ−ル状フイルムとした。フイ
ルムの中央部分のフイルムロ−ルを用いて、フイルムの
片面に耐熱ステック防止コートをし、もう一方の面はコ
ロナ放電処理をした後に次にしめす感熱転写インクを厚
さ5μmになるようにホットメルトコートした。
【0040】 カルナウバワックス 30部 エステルワックス 35部 カーボンブラック 12部 ポリテロラヒドロフラン 10部 シリコーンオイル 3部 なお、各実施例および各比較例の延伸条件を表2に纏め
た。
【0041】用いたフィルムの特性を表4に示した。該
フイルムの感熱転写リボンとしての印字性評価は感熱転
写プリンター(セイコー電子工業株式会社製高精細プリ
ンター)の8階調のソフト(PLALMIX) で行った。その結
果、表4に示したように、本発明の範囲のフイルムは、
いずれも全く問題のない優れた感熱転写リボンとしての
特性を示した。
【0042】
【表2】
【表3】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明のポリエステルフイルムの製造方
法によって得られる二軸延伸フイルムは、横方向の5%
伸び時の強度F5値を向上するとともに、フイルムの横
方向の厚みむら、横方向の物性差を小さくすることがで
きる。また熱収縮率及び熱収縮応力を本発明の範囲とす
ることで、感熱転写リボンのベ−スフイルムに適したも
のとなり、感熱転写インクのベースフイルムへのコーテ
ィング加工時の皺などの加工上の問題点が全くなく、さ
らに感熱転写時の印字性に優れた感熱転写リボンが得ら
れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に非晶状態の未延伸ポリエステルフ
    イルムを2段階以上の温度で縦方向に延伸して一軸延伸
    フイルムとした後、該一軸延伸フイルムの結晶化ピ−ク
    温度以下の範囲の温度で横方向に延伸した後、さらに結
    晶化ピ−ク温度以上からポリエステルの融解温度以下の
    範囲の温度で横方向に1.05〜1.8倍に再横延伸す
    ることを特徴とするポリエステルフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】1段目の横延伸温度が45℃以上から一軸
    延伸フイルムの結晶化ピ−ク温度以下の範囲の温度で延
    伸することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル
    フイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】1段目の横延伸の倍率が4倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のポリ
    エステルフイルムの製造方法。
  4. 【請求項4】横方向に再延伸した後に、熱処理を施した
    後、熱処理温度以下から100℃以上の範囲の温度で、
    2段階以上の温度で横方向に弛緩を与えて冷却すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
    テルフイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】ポリエステルフイルムを構成するポリエス
    テルがポリエチレンテレフタレ−トから主としてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    ステルフイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】フイルムの横方向の5%伸び時の強度F5
    値が120MPa以上、100℃の横方向の熱収縮率が
    0.5%以下、190℃の横方向の熱収縮率が3%以
    上、190℃の横方向の熱収縮応力が0.6MPa以上
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの方法
    によって得られたポリエステルフイルム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のポリエステルフイルムか
    らなる感熱転写リボン用ポリエステルフイルム。
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