JPH0764023B2 - 二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィルムの製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィルムの製造方法

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JPH0764023B2
JPH0764023B2 JP21825390A JP21825390A JPH0764023B2 JP H0764023 B2 JPH0764023 B2 JP H0764023B2 JP 21825390 A JP21825390 A JP 21825390A JP 21825390 A JP21825390 A JP 21825390A JP H0764023 B2 JPH0764023 B2 JP H0764023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィルム
を製造方法に関する。さらに詳しくは、延伸時の破れ及
びピンホールがなく、厚さ精度に優れ、絶縁破壊電圧の
高い、且つ、加熱収縮率の低い二軸延伸ポリエーテルエ
ーテルケトンフィルムの製造方法に関する。
[従来の技術] ポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEKという)は、
最も耐熱性に優れた結晶性の熱可塑性樹脂に属し、耐熱
性に優れる他、耐薬品性、耐熱水性、摺動性等に極めて
優れた工業用材料である。
従来より、コンデンサー等に用いられる絶縁材料にはポ
リエチレンテレフタレート等が用いられている。近年特
殊な環境下、特に高温下で用いられるコンデンサーの需
要が増加している。PEEKは、二軸延伸を行なう事により
薄いフィルムとすることが出来、しかも耐熱性に優れる
ことから、高温下で用いられるコンデンサー用の絶縁材
料として注目されている。その他にもPEEKフィルムは、
電気工業分野、電子工業分野、原子力工業分野において
電気絶縁材料に広く使用されようとしている。
特開昭58−63417号公報には、一軸目の延伸を140〜180
℃で1.5〜4倍延伸し、二軸目の延伸を、一軸目の延伸
方向との配向係数の差が0.1以下、和が0.7以上となるよ
うに150〜200℃で延伸し、200℃以上融点以下の温度で2
0%以内の制限収縮をさせながら熱固定する、等方性二
軸配向PEEKフィルムの製造方法が開示されている。
特開平01−101335号公報には、球状シリカ粒子を分散含
有させ、一軸目の延伸温度(Ti)を(ガラス転移温度
(Tg)−10)〜(Tg+45)℃で1.5倍以上延伸し、二軸
目の延伸温度(Ti+15)〜(Ti+40)℃で延伸し、200
〜350℃で熱固定する二軸配向PEEKフィルムが開示され
ている。
さらに、特開平01−283127号公報には、延伸温度を130
〜250℃、延伸倍率を2〜5倍としてそれぞれ一軸及び
二軸延伸し、250℃〜融点の温度範囲で熱固定するPEEK
フィルムの製造方法が開示されている。
しかしながら、これらの公報に開示される製造方法は、
何れも一軸延伸温度が高温であるため、一軸目の延伸時
に結晶化がおこるため、二軸目の延伸に際してフィルム
にピンホールが発生し易く、更にフィルムが破れること
がある。このようなフィルムは実用に耐え得る絶縁破壊
電圧を有しないため電気絶縁材料に用いることができな
い。
特に、15μm以下の薄いフィルムを得る場合には、上記
公報に開示される温度条件でロール延伸を行なうと、フ
ィルムと延伸ロールとの密着性が強過ぎて、延伸の際に
フィルムが延伸ロールから剥離する位置が二つのロール
間の接線方向より先にずれ、均一な延伸が困難となり易
い。その結果、延伸バラツキが大きくなり、厚さ精度の
良いフィルムを得ることができない。この傾向は、延伸
間距離(延伸ロールの間隔)が短いほど現れ易い。
また、上記公報に開示される熱固定方法は、加熱収縮率
の小さいフィルムを得るためには、満足できる方法とは
いえない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記技術課題を解決し、二軸延伸PEEK
フィルムを製造するに際し、延伸によるフィルム破れ及
びピンホールのない、厚さ精度の良好な、絶縁破壊電圧
の高い、二軸延伸PEEKフィルムの製造方法を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、加熱収縮率の低
い二軸延伸PEEKフィルムの製造方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意検討した結
果、ついに本発明を完成するに至った。
即に本発明は、非晶性のPEEKフィルムを用いて二軸延伸
PEEKフィルムを製造する方法において、一軸目の延伸と
して50℃〜(フィルムのガラス転移温度−10)℃の温度
範囲内で、フィルムにネッキング現象を起こさせながら
フィルムの進行方向に1.5〜3.5倍ロール延伸し、二軸目
の延伸として、フィルムのガラス転移温度〜170℃の温
度範囲内で、一軸目の延伸方向と直角をなす方向に1.5
〜3.5倍延伸し、延伸後210〜330℃の温度範囲内及び180
〜210℃の温度範囲内で二段で熱固定することを特徴と
する二軸延伸PEEKフィルムの製造方法である。
本発明の二軸延伸PEEKフィルムの製造方法によれば、延
伸によるフィルムの破れ及びピンホールのない、厚さ精
度の良好な、絶縁破壊電圧の高い、且つ、加熱収縮率の
低い二軸延伸PEKKフィルムが得られる。
その特徴とするところは、一軸目の延伸を50℃〜ガラス
転移温度−10℃という低温で、フィルムにネッキング現
象をおこさせながら延伸することにあり、15μm以下の
極薄フィルムとした場合でも、延伸時のフィルム破れ及
びピンホールのない、厚さ精度に優れたフィルムが得ら
れるため、絶縁破壊電圧の高い二軸延伸PEEKフィルムを
製造することができる。また、他の特徴は、210〜330℃
及び180〜210℃の温度範囲で、二段で熱固定することに
あり、加熱収縮率の低いフィルムを製造することができ
る。
本発明における絶縁破壊電圧は、後術する実施例に示す
方法により測定した絶縁破壊電圧である。
本発明におけるPEEKは下記一般式[I]からなる繰り返
し構成単位を有する高分子化合物である。
その中でも、特に、温度375℃、剪断速度10sec.-1にお
ける溶融粘度が100〜10,000Pa.・Sec.であるPEEKが好ま
しく用いられる。例えば、英国ICI社製の商品名VICTREX
PEEK 380Gが挙げられる。
PEEKの溶融粘度を調節する目的で、他の樹脂、例えば、
ポリエステル、ポリカーボネート等をブレンドしてもよ
い。他樹脂のブレンド量は、PEEKの特性を失わない範囲
の量がよく、一般的にはPEEK100重量部に対し5重量部
以内が好ましい。その他安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤等の如き添加剤を必要に応じ適宜添加してもよい。
本発明におけるPEEKは、その製造方法に特に制限はな
く、公知の方法で製造されたPEEKを用いることができ
る。
本発明における二軸延伸PEEKフィルムは、公知の溶融押
出法等により非晶性フィルムを得、これを特定の条件下
で、一方向のロール延伸して一軸延伸フィルムとし、次
いでそれと直角方向にテンター延伸して二軸延伸フィル
ムとし、さらに特定の条件下が、熱固定することによっ
て得られる。
得られた二軸延伸PEEKフィルムの厚さには特に制限はな
いが、1〜50μmの厚さを有する二軸延伸PEEKフィルム
の製造方法に適する。特に、15μm以下の薄いフィルム
の製造方法に適する。
非晶性PEEKフィルムは、ガラス転移温度(以下、Tgとい
う)が約144℃、ガラス転移開始温度が約130℃、結晶化
開始温度が約165℃あり、約400℃における溶融押出法で
押し出された溶融フィルムを、約100℃の表面温度を有
する冷却ロールで急冷することによって得られる。非晶
性PEEKフィルムの厚さは、目的とする二軸延伸PEEKフィ
ルムの厚さにより決められるが、通常は10〜300μm程
度のものが用いられる。
本発明に用いるロール延伸機の機種には特に制限はな
く、一般に使用されるもので良い。例えば、膨数の予熱
ロール、複数の延伸ロール及び冷却ロールよりなるロー
ル延伸機を用いることができる。
本発明により、一軸延伸フィルムを得るには、非晶性PE
EKフィルムを50℃〜(Tg−10)℃の温度範囲で1.5〜3.5
倍ロール延伸することが必要である。
好ましい延伸倍率は1.7〜3.0倍である。延伸倍率が1.5
倍未満の場合には、充分に分子配向が起こらず、延伸効
果が小さい上、厚さバラツキの原因にもなるので好まし
くない。延伸倍率が3.5倍を越えた場合には、延伸張力
が過大となり延伸時にフィルム破れが多発するので好ま
しくない。延伸温度が50℃未満の場合には、ほとんど非
晶鎖の分子運動が凍結され、延伸による分子形態の変化
は起きにくい。そのため、非晶鎖は無理に引き延ばさ
れ、フィルム中に微細な空隙が生じる原因となる。一度
発生した空隙は消滅しないので二軸目の延伸時に、この
空隙部に延伸応力が集中してピンホールとなり、さらに
フィルムの破れの原因となる。また、フィルムが白化す
る原因となるので好ましくない。
PEEKが有するエーテル結合は、50℃以上で分子運動を開
始する。そのため、50℃以上の温度で延伸が可能とな
る。本発明の一軸目の延伸は、フィルムにネッキング現
象を起こさせながら、この分子運動を利用して50℃〜
(Tg−10)℃の温度範囲内でにおいてロール延伸を行う
のである。そのため、延伸中に結晶化が起こるのを防止
することができる。一軸目の延伸は、二個以上の延伸ロ
ール群の周速の差により非晶性PEEKフィルムに張力を与
えることにより機械方向(進行方向)へ延伸する。延伸
温度を一定に制御するため、予熱ロールを設置すること
が好ましい。予熱ロール及び延伸ロールの温度を、50℃
〜Tg−10℃の温度範囲、好ましくは、80℃〜Tg−10℃の
温度範囲に設定し、該ロール群上でフィルムを機械方向
へ滑らす等、ネッキング現象を起こさせながら延伸す
る。
上記のように、延伸ロールの温度は予熱ロールの温度と
同一としても良いし、あるいは、若干低い温度に設定し
ても良い。また、予熱ロールと延伸ロールの間隔は特に
制限されないが、1〜300mm程度が一般的である。
延伸温度を50℃〜Tg−10℃の温度範囲とすることによ
り、一軸目の延伸により結晶化を抑えることができる。
Tg−10℃以上の温度では、予熱或いは延伸時に与えられ
た熱により結晶化が進み、二軸目の延伸の際に、非晶鎖
部分は配向するが、この結晶化した部分は不動点とな
り、結晶を核してピンホールが発生し、さらには、延伸
中にフィルムが破れる原因となる。ピンホールが発生し
た場合には、フィルムの絶縁破壊電圧が低下し、絶縁材
料としては、実用に供し得ないフィルムとなる。また、
結晶化による白化が起こり好ましくない。
一軸目の延伸をフィルムにネッキング現象を起こさせな
がらロール延伸することにより、自由巾一軸延伸に近い
延伸が可能となり、延伸方向に均一に分子配向したフィ
ルムを得ることができる。
ネッキング現象の程度は延伸温度、延伸倍率、予熱ロー
ル及び延伸ロールの径及びそれらの間隔により決められ
る。延伸温度が50℃〜(Tg−10)℃、延伸倍率が1.5〜
3.5倍、且つ、予熱ロール及び延伸ロールの径が300mm
Φ,それらの間隔が1〜300mmの場合には、ネッキング
現象の程度、即ち、延伸によるフィルム幅の減少率は5
〜50%とするのが良い。フィルム幅の減少率が5%未満
の場合は均一な分子配向が得られないので好ましくな
い。また、50%を越えると設備規模に応じた広幅のフィ
ルムを製造できないので経済的に不利である。
本発明の二軸目の延伸は、一軸目の延伸方向と直角をな
す方向に、Tg〜170℃の温度範囲で1.5〜3.5倍テンター
(横延伸機)により延伸する。
好ましい延伸倍率は1.7〜3.0倍である。延伸倍率が1.5
倍未満の場合には、充分に分子配広が起こらず、延伸の
効果が小さいので好ましくない。3.5倍を越えた場合に
は、延伸時にフィルムの破れが多発し、またピンホール
が発生するので好ましくない。
好ましい温度範囲は、Tg〜155℃である。二軸目の延伸
はテンターで行なわれるため、ネッキング現象をおこさ
せながら延伸する方法は適用できない。そのため、Tg以
下の温度で延伸すると、延伸時にフィルムが破れ易いた
めTg以上の温度で延伸する必要がある。また、170℃よ
り高い温度では、テンター中での予熱時に結晶化が進
み、延伸時にピンホールが生じ、さらに、フィルムが破
れ易くなるので、好ましくない。
一軸延伸されたフィルムの加熱方法、即ち、テンターに
よる二軸目の延伸の加熱方法は、特に制限されないが、
特定温度に設定された熱風による加熱方法が一般的であ
る。熱風加熱の場合には熱風温度とフィルムの厚み方向
中央部の温度が等しくなるまでフィルムを予熱する必要
がある。予熱時間は、熱風温度、熱風流量、延伸温度、
フィルムの厚さ及び伝熱係数等を考慮し、伝熱計算によ
り適宜決めることができるが、通常は1〜60秒程度であ
る。
15μm以下の良質の極薄フィルムは本発明の延伸方法、
即ち、一軸目の延伸を50℃〜(ガラス転移温度−10)℃
の温度範囲で、フィルムにネッキング現象を起こさせな
がら機械方向に1.5〜3.5倍ロール延伸する方法によって
のみ得られる。15μm以下の極薄フィルムの場合は特
に、一軸目の延伸温度が50℃未満ではフィルムの白化及
び破断が起こり易く、Tg−10℃を越えると、前記したよ
うに延伸ロールからのフィルムの剥離位置が一定となり
難く、延伸倍率のバラツキが生じ易くなる。その結果、
厚み精度の良好なフィルムが得られない。
延伸倍率は1.5〜3.5倍の範囲が望ましい。更に好ましく
は1.7〜3.0倍である。延伸倍率が1.5倍未満ではフィル
ムの厚さバラツキを生じる。また延伸倍率が3.5倍を越
えると延伸張力が過大となりフィルムが破断することが
ある。
また、本発明の方法により得られた二軸延伸PEEKフィル
ムはピンホール等の欠陥が全くないため絶縁破壊電圧が
350v/μm以上であり、絶縁材料に適している。
本発明の熱固定は二段で行なわれる。一段目の熱固定は
210〜330℃(融点)の温度範囲で行なわれ、二段目の熱
固定は180〜210℃の温度範囲で一段目より低い温度で行
なわれる。二段目の熱固定は結晶化速度が最も速い180
〜210℃で行なわれる。この条件による熱固定により、
最も加熱収縮率の低い二軸延伸PEEKフィルムが得られ
る。
本発明の二段で行う熱固定方法によって、加熱収縮率の
低い二軸延伸PEEKフィルムが得られる理由は明確ではな
いが、次のように推定する。
一段目の熱固定を210〜330℃の温度範囲で行うことによ
り、比較的大きな結晶を生成させ、次いで二段目の熱固
定を一段目の熱固定温度より低い180〜210℃の温度範囲
で行うことにより、比較的小さな結晶を生成させること
ができる。これらの大きさが異なる結晶が、所謂最密充
填状にフィルム全域に分布するため、結晶化度の高い二
軸延伸PEEKフィルムが得られる。そのため従来行われて
いる方法に比べ加熱収縮率の低い二軸延伸PEEKフィルム
が得られる。
熱固定時間は温度により変わるが、通常1〜60秒であ
る。また熱固定は、二軸目延伸方向に0.5〜20%程度の
制限収縮を越こさせる程度の張力下で行うことが絶縁破
壊電圧の向上及び熱収縮率の低下のために重要なことで
ある。
[実施例] 以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜6、比較例1〜4 PEEK(ICI社製VICTREX PEEK 380G)を90mmФ単軸押出機
を用いて、約400℃で溶融押出して、約100℃の冷却ロー
ルで急冷して厚さ100μmの非晶性PEEKフィルムを作製
した。この非晶性PEEKフィルムを、それぞれ複数個の予
熱ロール及び延伸ロールと冷却ロール(いずれも300mm
Ф)よりなるロール延伸機を用いて、第1表に示す温度
及び延伸倍率でフィルムにネッキング現象を起こさせな
がら延伸した。ネッキング現象によるフィルム幅の減少
率は、5〜20%であった。
次いで、各ゾーン毎にそれぞれ複数の温度調節機能を有
する予熱、延伸、及び熱固定ゾーンよりなるテンター延
伸機により、第1表に示す温度及び延伸倍率で横方向に
延伸した。
更に、第1表に示す熱固定条件で処理し、第2表に示す
厚さの二軸延伸PEEKフィルムを得た。実施例1〜6にお
いてはいずれもフィルム破れ、フィルムの白化等が認め
られず、良好なフィルムが得られた。比較例1では一軸
目の延伸(ロール延伸)の際フィルムの破断が多発し試
験を中断した。比較例3では一軸目の延伸の際フィルム
の白化が激しかった。二軸目の延伸の際にフィルムが破
れた。比較例4では、一軸延伸、二軸延伸共にフィルム
の白化が激しく、延伸バラツキが大であった。原反(非
晶性PEEKフィルム)の平均厚さ及び厚さの変動率と、得
られた二軸延伸PEEKフィルムの平均厚さ及び厚さの変動
率、及び絶縁破壊電圧を第1表に示す。
尚、絶縁破壊電圧(v/μm)の測定は、下記の方法で行
った。
長さ20mのフィルムから長さ方向、幅方向にそれぞれラ
ンダムに100個のサンプルを採取し、5×10cmの試験片
を100個作成した。
該試験片の両面に、面積20cm2の水銀電極を接触し電圧
を掛け該試験片が破壊する時の電圧を測定した。絶縁破
壊を起こし破れた試験片の孔の直ぐ側近の場所5点の厚
さの平均値で、試験片の破壊時の電圧を除した商を絶縁
破壊電圧とした。測定を100回行い、その平均値を求め
た。尚、100回の測定において、絶縁破壊電圧が300v/μ
m未満の測定値を欠陥数として第1表に示す。
また、フィルムの厚さの測定は、下記の方法で行った。
絶縁破壊電圧の測定と同様にサンプルを採取し、試験片
を100個作成した。測定精度1μmの測厚器を用いて厚
さを測定した。100個の測定値の平均値及び変動率を求
めた。
実施例7〜11、比較例5〜7 実施例1と同一の条件で一軸及び二軸延伸し、二軸延伸
PEEKフィルムを作成した。それを第2表に示す熱固定条
件で処理した二軸延伸PEEKフィルムの加熱収縮率を測定
した。その結果を第2表に示す。
加熱収縮率の測定は、下記の方法で行った。
絶縁破壊電圧の測定と同様にサンプルを採取し、5×5c
mの試験片を100個作成した。この試験片を用いて、JIS
C2318に定める方法に準じて、第2表に示す条件で加熱
処理し、加熱収縮率を測定した。100個の測定値の平均
値及び変動率を求めた。
[発明の効果] 本発明によれば、延伸時の破れ及びピンホールがなく、
且つ厚さ精度に優れた、絶縁破壊電圧の高い二軸延伸PE
EKフィルムを製造することができる。その上加熱収縮率
の低い二軸延伸PEEKフィルムを製造することができる。
本発明により製造される二軸延伸PEEKフィルムは電子、
電気等の工業分野へ広く適用することができ、特に、極
薄フィルムは薄葉の耐熱絶縁材料を要求しているコンデ
ンサー用またはフレキシブルプリント回路(FPC)用基
盤等の耐熱絶縁材料として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猿渡 益巳 愛知県名古屋市南区滝春町5―6 三井ア パートJ―508 (56)参考文献 特開 昭60−93625(JP,A) 特開 昭63−256422(JP,A) 特開 平1−158049(JP,A) 特開 平2−164519(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶性のポリエーテルエーテルケトンフィ
    ルムを用いて二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィ
    ルムを製造する方法において、一軸目の延伸として50℃
    〜(フィルムのガラス転移温度−10)℃の温度範囲内
    で、フィルムにネッキング現象を起こさせながらフィル
    ムの進行方向に1.5〜3.5倍ロール延伸し、二軸目の延伸
    として、フィルムのガラス転移温度〜170℃の温度範囲
    内で、一軸目の延伸方向と直角をなす方向に1.5〜3.5倍
    延伸し、延伸後210〜330℃の温度範囲内及び180〜210℃
    の温度範囲内で二段で熱固定することを特徴とする二軸
    延伸ポリエーテルエーテルケトンフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィ
    ルムの厚さが15μm以下である請求項1記載の二軸延伸
    ポリエーテルエーテルケトンフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィ
    ルムの絶縁破壊電圧が350v/μm以上である請求項1記
    載の二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィルムの製
    造方法。
  4. 【請求項4】ポリエーテルエーテルケトンが下記一般式 で表わされる繰り返し単位から成る高分子化合物である
    請求項1記載の二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフ
    ィルムの製造方法。
JP21825390A 1990-08-21 1990-08-21 二軸延伸ポリエーテルエーテルケトンフィルムの製造方法 Expired - Lifetime JPH0764023B2 (ja)

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