JPH11129327A - 二軸延伸フィルム - Google Patents

二軸延伸フィルム

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JPH11129327A
JPH11129327A JP30042397A JP30042397A JPH11129327A JP H11129327 A JPH11129327 A JP H11129327A JP 30042397 A JP30042397 A JP 30042397A JP 30042397 A JP30042397 A JP 30042397A JP H11129327 A JPH11129327 A JP H11129327A
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JP
Japan
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film
stretching
temperature
biaxially stretched
thermoplastic resin
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Application number
JP30042397A
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English (en)
Inventor
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Shunichi Osada
俊一 長田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超平滑で凝集粒子全くのない表面の二軸延伸
フィルムを生産性よく得ること。 【解決手段】熱可塑性樹脂に表面粗面化材を添加してな
る二軸延伸フィルムにおいて、該フィルムの中心線平均
表面粗さRa(mμm)と、添加した平均粒子径d(m
μm)とが、Ra ≦ d/12なる関係を満足させる。
その手段として、微細粒子を含有したフィルムをリニア
モーター方式で駆動し、同時二軸延伸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の熱可塑性樹脂フィル
ムは、表面が非常に平滑であり、しかも粗大異物のな
い、強力化された二軸延伸フィルムに関するものであ
り、特に磁気記録用ベースフィルムなどに相応しいフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムに表面粗面化材を
添加しないで二軸延伸すると、表面が完全に平滑化して
易滑性に劣り、フィルム同士が密着する、いわゆるブロ
ッキング現象が生じ、取扱性が大きく低下するのであ
る。かといって、比較的大きな平均径を有する粒子を添
加すると、確かに易滑性には優れるようになるが、二軸
延伸フィルムの表面が大きく粗面化して、特に磁気記録
用ベースフィルムの様に微細な表面が要求される用途に
は使用出来ないのである。このために微細な粒子を添加
すると、添加する粒子同士がフィルム中で凝集してこれ
が表面粗大突起になるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二軸延伸フ
ィルム表面の粗さを非常に小さくして、しかも該表面に
粗大突起のないフィルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
に表面粗面化材を添加してなる二軸延伸フィルムにおい
て、該フィルムの表面平均粗さRa(mμm)と、添加
した平均粒子径d(mμm)とが、Ra ≦ d/12な
る関係を満足した二軸延伸フィルムを提供するものであ
る。さらに該二軸延伸延伸フィルムの表面平均粗さRa
が20(mμm)以下であり、また該二軸延伸延伸フィ
ルムの少なくとも一方向のF5値が14kg/mm2
上であるフィルムを提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペン
テンなどの公知のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナ
イロン66などの公知のポリアミド樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ
−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト、および共重合成分として、例えば、ジエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリ
コールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン
酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリ
エステルなどの公知のポリエステル樹脂、その他、ポリ
アセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などを
用いることができる。特に、本発明においては、ポリエ
ステル樹脂を用いた場合にその効果が高く、好ましい。
中でも、ポリエチレン−2,6−ナフタレートやポリエ
チレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレンテ
レフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる
用途で用いられ、応用・適用効果が高い。また、これら
の樹脂はホモ樹脂であってもよく、共重合またはブレン
ドであってもよい。
【0006】該熱可塑性樹脂フィルムに添加する表面粗
面化材とは、添加剤を含有させることによってフィルム
表面粗さが大きくなる様な添加剤である。具体的には、
高分子化合物にとっては公知の各種添加剤、例えば、滑
剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結
晶核剤、減粘剤、熱安定剤などで代表されるような無機
化合物や有機化合物などである。代表的な粗面化材とし
ては、二酸化珪素、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化ジ
ルコニウム、タルク、カオリン、クリップ、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、架橋ポリスチレン樹脂、架橋ポリエス
テル樹脂、およびそれらの混合体などである。
【0007】熱可塑性樹脂に表面粗面化材を添加したフ
ィルムを延伸することにより、該添加剤粒子は樹脂の結
晶化によってフィルムの表面に突出するようになる。こ
の時、熱可塑性樹脂に表面粗面化材を添加しただけで延
伸をしないと、該フィルム表面は無添加の場合の表面粗
さとほとんど変らない。すなわち、単に表面粗面化添加
剤を添加しても延伸をしないとフィルム表面は粗面化し
ないのである。この時、添加した粒子の平均径dと、得
られる中心線平均表面粗さRa(mμm)とは、Ra=
(1/n)・dなる関係式があり、n値は、延伸条件・
延伸方式や、使用する熱可塑性樹脂の種類、添加する表
面粗面化材の種類などによって左右される。すなわちn
がほとんど1に近い場合は、Raが添加粒子径dにほぼ
均しくなる場合である。この様な場合、Raとして20
mμm以下、好ましくは10mμm以下のように微細な
表面粗さが必要な時には、添加剤粒子径は20mμm以
下、好ましくは10mμmと非常に微細な粒子で無くて
はならず、この様な微細な粒子は通常凝集し易く、この
様な粒子を熱可塑性樹脂に添加すると凝集粒子がフィル
ム表面で粗大突起になり、磁気記録材料用のベースフィ
ルムとしてはドロップアウトなどの原因になり使用出来
ないのである。逆にnが30以上の大きな値になる時
は、表面は平滑にはなるものの、突起密度が減少してま
ばらな突起になり、充分な滑り特性や走行特性が得られ
ないのである。通常行われている逐次二軸延伸方式で
は、その他の条件によっても異なるが、大体nは5〜1
0程度である事が多い。特に近年表面平滑性が強く要求
される磁気記録材料用では、Raは10mμm以下、好
ましくは5mμm以下と非常に平滑な表面を要求するフ
ィルムには粗大突起が点在する事が多く、実用上問題に
なることが多かった。そこでnの値を12以上、好まし
くは15以上、さらに好ましくは20以上、25以下に
するには通常の逐次二軸延伸では達成が困難であるが、
この様な延伸方式として特殊な同時二軸延伸方式にする
ことにより達成可能であることを見出したのである。
【0008】本発明における二軸配向したフィルムと
は、長手方向および幅方向に延伸し、二軸方向に分子配
向を与えたフィルムを言う。延伸方式としては長手方向
または幅方向に延伸した後、それと直角方向の幅方向あ
るいは長手方向に延伸する逐次二軸延伸方式でも、長手
方向と幅方向とを同時に延伸する同時二軸延伸方式でも
良いが、本発明の場合には特に同時二軸延伸方式が好ま
しい。同時二軸延伸とは、フィルムの長手方向、幅方向
の二軸方向に同時に配向を与えるための延伸を言い、同
時二軸テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで
把持しながら搬送して、長手方向および幅方向に延伸す
る。もちろん長手方向と幅方向との延伸が時間的に同時
に延伸されている部分があれば良いのであって、したが
って幅方向または長手方向に単独に先に延伸した後に、
長手方向と幅方向とを同時に延伸する方法や、さらに同
時二軸延伸後に幅方向または長手方向に単独にさらに延
伸する方法なども含まれるのであり、本発明の場合、特
に同時二軸延伸後に再延伸する方法が好ましい。この様
な延伸方向や延伸倍率を自由に変更できるような同時二
軸延伸機としては、同時二軸テンターのクリップが、リ
ニアモータ方式により個別に駆動されている方式を用い
るのが良い。従来までの同時二軸延伸方式は、スクリュ
ーの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を広げていくス
クリュー方式、パンタグラフを用いてクリップ間隔を広
げていくパンタグラフ方式が用いられていた。しかし、
製膜速度が遅いこと、延伸倍率などの条件変更が困難で
あることなどの問題点があったが、リニアモーターの原
理を用いて、各クリップを独自に制御して、クリップ間
隔を調整するリニアー駆動テンターを用いると、製膜速
度が、従来の逐次二軸延伸方式と変わらないところまで
高めることが可能になり、さらに任意の延伸方式を取入
れることが出来るようになる。例えば、長手方向に配向
の強いフィルムを製膜するためには、長手方向に多段階
に延伸したり、同時二軸延伸後にさらに長手方向に延伸
することも出来、さらに二軸延伸後に、熱処理工程で長
手方向および/または幅方向に寸法を戻すリラックス処
理が可能なために、寸法安定性の良いフィルムや、幅方
向に物性のムラのない(ボーイングのない)フィルムに
することが出来る。すなわち、各クリップを個別に制御
可能なクリップのリニアー駆動テンターを用いることで
各種優れたフィルムを生産性良く製膜することが可能と
なる。この様な自由な延伸形式が取れるには、フィルム
端部厚みを中央部よりも2〜3倍程度厚くしたり、端部
の分子量を中央部よりも高くしておくなどの特殊な端部
を有したフィルムにするなどのことが有効である。
【0009】同時二軸延伸の倍率としては、樹脂の種類
により異なるが、通常それぞれの方向で2〜12倍程度
である。なお、延伸の後に、その歪みを除去するため
に、リラックス熱処理(熱固定)を行うこともしばしば
行われるが、その時、延伸後直ちに熱処理するのではな
く、延伸後一旦該延伸フィルムのガラス転移温度Tg以
下に冷却したのち熱処理をする方が、幅方向に均一な物
性を有したフィルムを得ることが出来る。なお熱処理の
温度としては、延伸温度から樹脂の融点近傍までの様々
な温度が用途に応じて採られる。
【0010】かくして得られる同時二軸延伸フィルムの
配向の主軸を長手方向に存在さすことや、両軸に配向が
バランスしたフィルムの製造などは比較的容易であり、
特に長手方向に強度のいる磁気記録用ベースフィルム
や、感熱転写リボン用ベースフィルムなどには有利であ
る。
【0011】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て説明するが、必ずしもこれに限定されるものではな
い。
【0012】まず、熱可塑性樹脂に重合段階あるいは二
軸押出機にて表面粗面化材を含有させた原料をペレット
などの形態で用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風
中、あるいは真空下で行い、押出機に供給する。押出機
内において、融点以上、あるいは樹脂の熱分解物やゲル
化物を可能な限り小さくするために過冷却状態にして、
樹脂を流動状態でフィルターを通して異物を除去し、さ
らにギアポンプ等を連結して樹脂の押出量の均一性を向
上させ、厚みむらを低減させるのである。押出機よりダ
イに送られた樹脂はダイで目的の形状に成形された後、
吐出される。この吐出の際の樹脂温度は、通常、融解終
了温度(Tme)以上である。しかし、溶融樹脂の冷却
を、タンデム押出機の二段目で冷却して過冷却状態にし
たり、間隙が狭く、流速の速い部分であるダイの出口直
前のランド部で冷却して過冷却状態にして押出す事によ
り、熱分解の少ない、オリゴマーの発生の少ない、溶融
膜振動の少ない厚み均質性の良いフィルムを得ることが
出来る。すなわち、ダイより吐出される樹脂の温度は、
通常、融解終了温度(Tme)以上であるが、融解終了温
度(Tme)未満、降温結晶化開始温度(Tcb)を越える
温度範囲の、いわゆる過冷却状態では樹脂は粘度が高
く、ダイと冷却ドラム間の膜振動や外乱に対して安定で
あるために厚みむらの小さなフィルムを得ることができ
るばかりか、熱分解生成物の少ないフィルムが得られ
る。ダイのランド部の冷却手段としては、例えば、ラン
ド部に冷却のための孔を設け、その中に冷媒を通す方法
がある。冷媒としては、空気、または水など各種液体状
の冷媒を用いることができ、冷媒の温度、流量をコント
ロールすることによって、所望の温度に設定することが
できる。さらに均温化のために水などのヒートパイプを
併用する事がよい。このような押出機またはダイを用い
れば、現行のフィルムの製造に用いている樹脂、装置が
そのまま使える。なおTcbよりも低い温度になると樹脂
は結晶化し始め、押出されたフィルムの表面荒れ、押出
異常、流れむらを生じたり、経時で固化し、もはや通常
の押出機では押出困難となるため好ましくない。高分子
の過冷却状態を利用して、融点以下であるが、液相状態
で押出すことが重要である。なお、融解終了温度(Tm
e)、降温結晶化開始温度(Tcb)は示差走査熱量計
(DSC)によって決定することができる。DSCとは
熱分析で通常用いられており、物質の融解、結晶化、相
転移、熱分解等の状態変化に伴う吸熱、発熱を測定する
方法である。DSCにて熱可塑性樹脂の昇温時の融解温
度、降温時の結晶化温度を測定する場合、公知の方法を
用いることができる。この様に過冷却押出法を採用する
ことにより、ゲル化物などの少ない、厚みムラの小さな
キャストフィルムにすることにより、高い同時二軸延伸
倍率の延伸が容易に可能となるばかりか、品質の均一な
フィルムにもなるのである。
【0013】ダイから吐出されたシート状に静電気を印
加してキャストドラム上に密着冷却固化される。この時
ドラム上に0.1μm程度の極薄い水膜あるいは水滴を
介在させておくと、ドラムへの密着力はさらに向上し
て、完全非晶質の、厚み均質なフィルムとなるので好ま
しい。なお、該熱可塑性樹脂フィルムの形状は、口金間
隙などを調整して端部厚みを中央部の厚みの3倍程度に
薄くしておくのが延伸性向上のためや、製膜収率向上に
とって良い。さらにフィルム端部のみの分子量を高くす
ることにより延伸性はさらに安定するが、このために、
別の押出機を用いて中央部の分子量よりも高い分子量の
原料を供給して口金前あるいは口金内でフィルム端部の
みに積層するように共押出しする。非晶性フィルムの延
伸が好ましいが、必要に応じて若干の結晶性、すなわち
結晶化度にして0.5〜15(%)の結晶化を有するフ
ィルムにしておくことにより、熱寸法安定性の良い、ま
た滑り性の良いフィルムが得られることがあり好まし
い。このようにして得られた延伸前のキャストフィルム
の長手方向の厚みむらは、7%以下、好ましくは5%以
下でと小さいほうが良い。
【0014】上記無延伸フィルムをテンターに供試して
同時二軸延伸するが、単純に長手方向および幅方向に同
時に延伸を開始・終了させてもよいが、該同時二軸延伸
の前後に長手方向および/または幅方向に事前の延伸、
または同時二軸延伸後の再延伸をしても良い。特に同時
二軸延伸後に再度長手方向延伸をすることによってエッ
ジ近傍のフィルム形状が直線的になり、縁断率が小さく
なるばかりか、長手方向に強度の強い(F5値として1
4kg/mm2以上)、平面性の良い、厚みむらの小さ
いフィルムになるので好ましい。同時二軸延伸温度は、
該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、(ガラス転移温
度Tg+100℃)未満であることが好ましい。ここ
で、延伸がガラス転移温度Tg未満であると、フィルム
が破れて延伸が不可能となってしまう。一方、(ガラス
転移温度Tg+100℃)を越えると、延伸時に分子が
有効に配向できなかったり、フィルムが破れたり、厚み
むらが大きくなたりして、均一な延伸が不可能になる。
【0015】同時二軸延伸した後、フィルムを構成する
樹脂のガラス転移点未満の温度まで、好ましくはガラス
転移点−10℃未満の温度まで冷却した後に、熱寸法安
定性付与のために熱処理することが好ましい。延伸後に
直ちにそのままの温度で熱処理を施した場合、延伸時の
応力と熱収縮応力により熱処理工程における軟化したフ
ィルムが延伸工程に引きずり込まれ、ボーイング現象を
生じ、フィルムの屈折率楕円体が歪み、その結果、幅方
向の物性分布を生じる。そこで、これらのボーイング現
象を避けるために、二軸延伸後に該樹脂のガラス転移点
未満の温度まで一旦冷却し、延伸工程と熱処理工程の間
に硬い部分を設け、それぞれの工程を分離した後に熱処
理をすることにより、ボーイング現象を抑制することが
可能となる。
【0016】さらに、熱処理中および後に、寸法を縮め
るリラックス処理を行うことで、より高い熱寸法安定性
が得られるので好ましい。ただし、熱寸法安定性を追求
するあまり、高すぎる熱処理温度、また、多すぎるリラ
ックス率の熱処理を行うと、強度・平面性などの特性の
低下を引き起こすので好ましくない。
【0017】このようにして得られたフィルムは、室温
まで徐冷してから、ワインダーにて巻取り、製品とす
る。かくして得られたフィルムは、感熱孔版用原紙、コ
ンデンサー用原反、感熱転写リボン用原反、磁気テープ
用原反などに有効である。
【0018】
【物性値の評価方法】
1.熱特性 示差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製ロ
ボットDSC「RDC220」を用い、データ解析装置
として、同社製ディスクステーション「SSC/520
0」を用いて、サンプル約10mgをアルミニウム製の
受皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素で急冷固
化した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温した。こ
の時観測されるガラス転移点のピーク温度をTg、融解
吸熱ピークの開始温度をTmb、ピーク温度をTm、ピー
ク終了温度をTmeとした。また、サンプル5mgを30
0℃で5分間溶融保持した後、降温速度20℃/分で降
温した。この際観測される降温結晶化発熱ピークの開始
温度をTcb、ピーク温度をTc、ピーク終了温度をTce
とした。
【0019】2.フィルムの長手方向厚みむら アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタ「KG6
01A」および電子マイクロメータ「K306C」を用
い、フィルムの縦方向に30mm幅、10m長にサンプ
リングしたフィルムを連続的に厚みを測定する。フィル
ムの搬送速度は3m/分とした。10m長での厚み最大
値Tmax(μm)、最小値Tmin(μm)から、 R=Tmax−Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)から 厚みむら(%)=R/Tave×100 として求めた。
【0020】3.複屈折 ベレックコンペンセータを装備した偏光顕微鏡により、
フィルムのリターデーションRdを求めた。Rdをフィ
ルムの厚みで割り、複屈折とした。
【0021】4.結晶化度 臭化ナトリウム水溶液による密度勾配管を作成し、25
℃におけるフィルムの密度を測定する。この密度dか
ら、 結晶化度(%) = (d−da)/(dc−da)×
100 とした。ここで、daは非晶密度、dcは完全結晶密度
で、ポリエチレンテレフタレートの場合、文献値より、
da=1.335、dc=1.455g/cm3とし
た。
【0022】5.ヤング率、F5値 株式会社オリエンテック製フィルム強伸度自動測定装置
MODEL AMF/RTA−100を用いて、試料幅
10mm、試料長100mm、引張速度300mm/分
で測定した。
【0023】6.熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ220mmにサンプリング
し、フィルム上に間隔約200mmの点を2点マーキン
グする。この2点の間隔を正確に測定し、L0(mm)
とする。次に、150℃に加熱された熱風オーブン中
に、このサンプルを30分間放置後、取り出して室温に
なるまで放置する。サンプルが完全に冷めたら、先程の
2点の間隔を再度測定し、L(mm)とする。ここで、
熱収縮率を、熱収縮率(%)=(L0−L)/L0×1
00とした。
【0024】7.ポリエステルの固有粘度[η] 25゜Cで、o−クロルフェノールを溶媒として次式よ
り求めた。
【0025】[η]= lm[ηsp/c] 比粘度ηspは、相対粘度ηr から1を引いたものであ
る。cは、濃度である。単位はdl/gで表わす。
【0026】8.表面粗さRa JIS B0601に従い測定した。具体的には、
(株)小坂研究所製の高精度薄膜段差計ET−10を用
いて、触針先端径0.5μm、針圧5mg、測定長1m
m,カットオフ0.08mmなる条件下で測定し算出し
た。
【0027】9.平均粒子径 フィルムからポリマーを低温プラズマ処理法で灰化除去
し、粒子を露出させる。この時の処理条件は極力粒子に
はダメージを与えないようなマイルドな条件を選択す
る。その露出した粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で
観察し、粒子画像をイメージアナライザーにて平均粒子
径を求める。
【0028】この時観察する粒子個数は5000個以上
であり、その体積分率nviから 体積平均粒径d
を次式により求める。
【0029】d=Σdi・nvi 10.表面粗大突起 100cm2の2枚のフィルムを重ね合せて、5KV程
度の静電気力によっ て空気を排除して密着させた
後、2枚のフィルム間で粗大突起による光の 干渉
によって生じるニュートンリングから粗大突起の高さを
推定し、下記 の判定基準のように3重環以上のも
の(×印)を粗大突起とした。
【0030】光源はハロゲンランプに564nmのバン
ドパスフィルターをかける。
【0031】判定基準 ○ : 3重環が全く認められないもの △ : 3重環が1〜2個存在するもの × : 3重環以上の物が3個以上存在するもの
【0032】
【実施例】以下に、本発明をより明確に表現するため
に、実施例および比較例を示す。
【0033】実施例1〜3、比較例1〜3 熱可塑性樹脂として、極限粘度0.65と0.72のポ
リエチレンテレフタレート(PET)を用いた。極限粘
度0.65のPETには、表面粗面化材として平均粒径
110μmの球形二酸化珪素を重合時に0.5重量%添
加したのもである。DSCを用いて極限粘度0.65の
ポリエチレンテレフタレートの熱特性を測定したとこ
ろ、Tg:69℃、Tmb:240℃、Tm:255℃、
Tme:268℃、Tcb:203℃、Tc:188℃、T
ce:174℃であった。それぞれのポリエチレンテレフ
タレートのペレットを180℃で3時間真空乾燥して押
出機に供給し、285℃で溶融状態とし、極限粘度0.
72のポリエチレンテレフタレート層が成形用ダイの両
端部30mmのみに位置するように幅方向に3層に積層
して供給した。ダイは、リップ幅960mm、リップ間
隙2mm、ランド長65mmのマニホルドダイを用い
た。本ダイのランド部には、幅方向に直径7mmの空孔
を各口金リップ毎に8箇所あけ、ここに空気を通すこと
により冷却可能な構造としてある。ダイホッパ部の温度
は285℃とし、ランド部には、25℃の冷却空気を流
量30000cm3/分 通して冷却した。さらに冷却を
均一に行うために水で構成されたヒートパイプを3箇所
ずつ挿入して均温化した。このときのダイ入口での樹脂
の温度は285℃、ランド部入口の樹脂温度280℃、
ランド部出口での樹脂温度243℃であった。この状態
で樹脂を押出し、ダイから押し出された過冷却状態にあ
るフィルムを、2万Vの静電気を印加しながら、表面温
度25℃に保たれ、かつ表層には0.1μm径の微細水
滴で全面が覆われているキャスティングドラム上に10
0m/分の高速で引き取り、急冷固化した。かくして得
られるキャストフィルムのフィルム端部厚みは、中央部
に比べて2.5倍になるように口金リップ間隙を調整し
た。また端部の固有粘度[ηe]は0.68、フィルム
中央部の固有粘度[ηc]は0.62であった。なお、
長手方向/幅方向の厚みむらは3%/4%、複屈折は
0、結晶化度も0%であった。
【0034】該フイルムの両端をクリップで把持しなが
らリニアー駆動テンターに導き95℃に加熱された雰囲
気中で長手方向および幅方向にそれぞれ4.5倍ずつ同
時二軸延伸し、さらに長手方向および幅方向に105℃
で1.5倍延伸した。その後一旦65℃に冷却させ、同
じテンター内で200℃の熱処理を行い、その後均一に
徐冷で室温まで冷やして巻き取り厚み5μmの二軸配向
フイルムを得た。
【0035】かくして製膜した状況、および得られた特
性を表1に示した。
【0036】
【表1】 比較例1 実施例1で用いた同時二軸延伸装置のかわりに逐次二軸
延伸装置を用いて延伸する以外は実施例1と全く同じに
して厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0037】逐次二軸延伸条件は、長手方向をロール式
延伸機にて95℃で4倍延伸した後、幅方向にはテンタ
ーで100℃で4.4倍延伸後、さらにロール式長手方
向延伸機で長手方向に125℃で1.8倍延伸し、テン
ターで155℃で幅方向に1.5倍延伸後、200℃で
熱処理した。
【0038】比較例2 比較例1で使用した添加剤の粒径を42μmの酸化珪素
に変える以外は実施例1と全く同様にして厚さ5μmの
二軸延伸フィルムを得た。以上の実施例1、比較例12
を纏めたのが次の表2である。
【0039】
【表2】 上記の表2から表面の非常に平滑な表面を得ようとした
場合、比較例2のように逐次二軸延伸法では微細な粒子
を用いると粒子が凝集して表面粗大突起が発生し、比較
例1のように粒子径を大きくすると表面が粗面化し、す
なわち平滑で凝集粒子のない表面を得ることは困難であ
る事が判る。
【0040】実施例2 実施例1で用いた同時二軸延伸条件の内、再度の縦およ
び幅方向の延伸を行わない以外は実施例1と同じように
して厚さ5μmの二軸配向フィルムを得た。これを纏め
たのが次の表3である。
【0041】
【表3】 この様に同時二軸延伸後、再延伸する事によりn値が大
きくなり、微細な表面を得るにも比較的大きな粒子を用
いることが出来る事が判る。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱可塑性樹脂フィルムの同時二軸延伸法による製造方
法は、超平滑で凝集粒子全くのない表面を得ることが出
来るのみならず、生産性にも優れた製造方法を提供する
ものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に表面粗面化材を添加して
    なる二軸延伸フィルムにおいて、該フィルムの中心線平
    均表面粗さRa(mμm)と、添加した平均粒子径d
    (mμm)とが、Ra ≦ d/12なる関係を満足する
    ことを特徴とする二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 該熱可塑性樹脂からなる二軸延伸延伸フ
    ィルムの表面平均粗さRaが20(mμm)以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性樹脂からなる二軸延伸延伸フ
    ィルムの少なくとも一方向のF5値が14kg/mm2
    以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに
    記載の二軸延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルム
    を、同時二軸延伸することにより得られたことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 同時二軸延伸を行うテンターのクリップ
    が、リニアモータ方式により駆動されているテンターに
    より延伸されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の二軸延伸フィルム。
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