JPH11257859A - 冷鉄源の溶解方法及び溶解設備 - Google Patents

冷鉄源の溶解方法及び溶解設備

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Publication number
JPH11257859A
JPH11257859A JP5981098A JP5981098A JPH11257859A JP H11257859 A JPH11257859 A JP H11257859A JP 5981098 A JP5981098 A JP 5981098A JP 5981098 A JP5981098 A JP 5981098A JP H11257859 A JPH11257859 A JP H11257859A
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JP
Japan
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chamber
melting
cold iron
iron source
melting chamber
Prior art date
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Application number
JP5981098A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nakayama
剛 中山
Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予熱温度を高めることが可能で、且つ、次ヒ
ートの初期に装入される冷鉄源の予熱が可能であり、更
に、冷鉄源の溶解室への供給を安定して行うことができ
る冷鉄源の溶解方法及び溶解設備を確立する。 【解決手段】 溶解室2と、溶解室に直結し、溶解室で
発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室3と、
予熱室の下部に設けたプッシャー10とを具備したアー
ク炉1にて、冷鉄源18が予熱室と溶解室とに連続して
存在する状態を保つように冷鉄源を予熱室へ供給しなが
ら、冷鉄源が充填された予熱室内にプッシャーを出入り
させて予熱室内の冷鉄源を溶解室へ供給し、溶解室内の
冷鉄源をアーク21にて溶解して溶解室に少なくとも1
ヒート分の溶鋼19が溜まった時点で、冷鉄源が予熱室
と溶解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼する方
法、及び、そのための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源を効率良く溶解する溶解方法及び溶
解設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄スクラップの発生量の増大と共
に、世界的に製鋼用アーク炉が新設されている。このア
ーク炉では、アーク発生用電極から発生するアーク熱に
より鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源を加熱・溶解
し、精錬して溶鋼を製造するが、多くの電力を消費する
ため、溶解中にアーク炉溶解室から発生する高温の排ガ
スを利用して冷鉄源を予熱し、予熱した冷鉄源を溶解す
ることで電力使用量を削減する方法が多数提案されてい
る。
【0003】例えば、特開平7−180975号公報
(以下、「先行技術1」と記す)には、1段又は2段以
上の開閉可能な火格子を装着したシャフト型予熱室を、
アーク炉溶解室の上方に鉄スクラップ導入路を介して接
続して設け、火格子で保持した鉄スクラップを溶解室の
排ガスにより予熱し、予熱した鉄スクラップを鉄スクラ
ップ導入路に落下させ、この鉄スクラップを鉄スクラッ
プ導入路に設けたプッシャーにてアーク炉溶解室内に装
入する設備が開示されている。
【0004】特開平7−332874号公報(以下、
「先行技術2」と記す)には、アーク炉溶解室の上蓋に
接続する水平方向に配置したロータリードラム型の第1
の予熱室と、第1の予熱室と底部で接続するシャフト型
の第2の予熱室とを配置し、第2の予熱室内で溶解室か
ら発生する排ガスにて冷鉄源を予熱した後、プッシャー
にて第1の予熱室に冷鉄源を押し込み、そして、回転す
る第1の予熱室を介して、予熱された冷鉄源を溶解室内
に装入する設備が開示されている。
【0005】又、特公平6−46145号公報(以下、
「先行技術3」と記す)には、溶解室に直結するシャフ
ト型予熱室を設け、溶解室内とシャフト型予熱室内とに
1ヒート分の冷鉄源を溶解毎に装入し、排ガスでシャフ
ト型予熱室内の冷鉄源を予熱しつつ、溶解された冷鉄源
に見合う量を溶解室内に自由落下させ、こうして、溶解
室内とシャフト型予熱室内とに装入された全ての冷鉄源
を溶解する設備が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような方法及び
装置により、予熱効果の高いものでは、250〜270
kWh/tの電力原単位が達成されるとしているが、上
記先行技術1〜3には以下の問題点がある。
【0007】先行技術1及び先行技術2では、予熱され
た冷鉄源をアーク炉溶解室内に装入するために、火格
子、プッシャー、又はロータリードラムといった冷鉄源
の保持・搬送用の装置が必要であり、このため、溶解室
からの排ガスで予熱する際に、予熱温度に限界がある。
即ち、溶解室に大量のコークス等の炭材と酸素ガスとを
吹き込み、大量に生成する高温の排ガスで冷鉄源を予熱
すれば、予熱温度が高くなり予熱効果が向上するが、上
記の保持・搬送用装置の熱変形や融着等の設備トラブル
が発生するので、排ガス温度を上げることができない。
【0008】これに対して、先行技術3では、シャフト
型予熱室が溶解室に直結されているため、前述した冷鉄
源の保持・搬送用装置を必要とせず、従って、上記の問
題点も発生しない。しかしながら、先行技術3では、1
ヒート分の溶鋼量を溶解する毎に、予熱室内の冷鉄源を
全て溶解し、予熱室内に冷鉄源が残らない状態で溶鋼を
出鋼するため、次ヒートの最初に溶解される冷鉄源の予
熱ができず、排ガスの有効利用という点では十分とはい
えない。又、溶解室内の未溶解の冷鉄源の上に充填され
た冷鉄源が、この冷鉄源の前方の溶解室内に空隙がある
にもかかわらず、溶解室内に落ちていかず溶解が停滞す
ることがある。この現象は、操業トラブルにはならない
が、溶解時間の延長や溶鋼温度の過度の上昇をもたら
し、安定操業に支障をきたしている。
【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、予熱温度を高めることが可能
で、且つ、次ヒートの最初に溶解される冷鉄源の予熱が
可能であり、更に、冷鉄源の溶解室への供給を安定して
行うことができる冷鉄源の溶解方法及び溶解設備を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明による冷鉄源
の溶解方法は、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発
生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、予熱
室の下部に設けたプッシャーとを具備したアーク炉での
冷鉄源の溶解方法であって、冷鉄源が予熱室と溶解室と
に連続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的又
は断続的に予熱室へ供給しながら、冷鉄源が充填された
予熱室内に前記プッシャーを出入りさせて予熱室内の冷
鉄源を溶解室へ供給し、溶解室内の冷鉄源をアークにて
溶解して溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まっ
た時点で、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在す
る状態で溶鋼を出鋼することを特徴とするものである。
【0011】第2の発明による冷鉄源の溶解方法は、溶
解室と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導
入されるシャフト型の予熱室と、予熱室の下部に設けた
プッシャーとを具備したアーク炉での冷鉄源の溶解方法
であって、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在す
る状態を保つように冷鉄源を連続的又は断続的に予熱室
へ供給しながら、冷鉄源が充填された予熱室内に前記プ
ッシャーを出入りさせて予熱室内の冷鉄源を溶解室へ供
給し、溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解して溶解室に
少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まった時点で、前記プ
ッシャーを停止し、次いで、アークにて溶鋼を加熱して
昇温した後、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在
する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とするものであ
る。
【0012】第3の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
2の発明において、プッシャーの停止後、溶解室を傾動
して溶鋼と溶解室内の冷鉄源との接触面積を減少させ、
溶解室を傾動した状態でアークにて溶鋼を加熱すること
を特徴とするものである。
【0013】第4の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
3の発明において、溶解室の傾動時に、冷鉄源保持手段
にて溶解室内の冷鉄源を保持して溶鋼と溶解室内の冷鉄
源との接触面積を減少させることを特徴とするものであ
る。
【0014】第5の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
1の発明ないし第4の発明の何れか1つにおいて、溶解
中及び出鋼中に、予熱室と溶解室とに連続して存在する
冷鉄源を1ヒート分の50wt%以上とすることを特徴
とするものである。
【0015】第6の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
1の発明ないし第5の発明の何れか1つにおいて、炭材
と、溶鋼トン当たり25Nm3 以上の酸素ガスとを溶解
室内に吹き込むことを特徴とするものである。
【0016】第7の発明による冷鉄源の溶解装置は、冷
鉄源を溶解するための溶解室と、溶解室の上部に直結
し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予熱する予熱
室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク発生用
電極と、予熱室へ冷鉄源を供給する冷鉄源供給手段と、
予熱室内を出入り可能として予熱室の下部に設けられた
プッシャーと、溶解室に設けられた出鋼口とを具備する
ことを特徴とするものである。
【0017】第8の発明による冷鉄源の溶解設備は、第
7の発明において、溶解室を傾動させて溶解室内の冷鉄
源と生成する溶鋼との接触面積を減少させるための傾動
手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0018】第9の発明に冷鉄源の溶解設備は、第8の
発明において、溶解室の傾動時に溶解室内の冷鉄源を保
持するための冷鉄源保持手段が設けられたことを特徴と
するものである。
【0019】本発明においては、溶解室の上部に直結す
るシャフト型の予熱室の下部にプッシャーを設置し、こ
のプッシャーを溶解室に出入りさせることで予熱室内に
充填された冷鉄源の溶解室への供給量を調整することが
できる。その結果、溶鋼中への冷鉄源の供給量が安定
し、溶解時間及び溶鋼温度が均一化する。プッシャーは
予熱室を出入り可能であり、そして、予熱室を出た状態
ではプッシャーの先端部のみ排ガスにて加熱され、大部
分は加熱されないので、排ガス温度を高めてもプッシャ
ーの熱負荷は少なく、従って、冷鉄源の予熱温度を上昇
させることができる。
【0020】又、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して
存在する状態を保つように予熱室への冷鉄源の供給を継
続しながら溶解室内の冷鉄源を溶解し、且つ、冷鉄源が
予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼
するので、次ヒートに用いる冷鉄源が全て予熱され、極
めて高い予熱効率で溶解することができる。
【0021】一方、溶解室内において生成する溶鋼中に
未溶解の冷鉄源が埋没して共存していると、加えられた
熱エネルギーは冷鉄源を溶解するための潜熱に使用さ
れ、溶鋼温度は上昇しにくい。しかし、本発明では、少
なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まった時点でプッシャー
の運転を停止し、溶解室内の溶鋼への冷鉄源の供給量を
抑制して溶鋼を加熱する。プッシャーを停止すること
で、溶鋼中への冷鉄源の供給量が減少して溶鋼と冷鉄源
との接触面積が相対的に減少し、加えられた熱エネルギ
ーのうち冷鉄源の潜熱に費やされる量が減少し、溶鋼温
度を上昇させることが可能となる。そのため、出鋼中に
おける出鋼口の閉塞等の溶鋼温度の低下によるトラブル
を未然に防止することができる。
【0022】その際、プッシャーの運転停止と共に溶解
室を傾動させることで、溶鋼と溶解室内の冷鉄源との接
触面積が一層減少し、溶鋼温度をより速く上昇させるこ
とが可能となる。更に、溶解室の傾動時に溶解室に設け
た冷鉄源保持手段にて溶解室内の冷鉄源を保持すること
で、冷鉄源の溶鋼側への移動が阻害され、溶解室内での
溶鋼と冷鉄源との接触面積は安定して低減し、溶鋼温度
を安定して速く上昇させることができる。
【0023】又、溶解中及び出鋼中に、予熱室と溶解室
とに連続して存在する冷鉄源を1ヒート分の50wt%
以上とすることで、冷鉄源の予熱時間が確保され、高い
予熱効率を得ることができる。
【0024】更に、溶解室内に炭材と酸素ガスとを吹き
込むことで、炭材の燃焼熱が電力エネルギーの代替にな
ると同時に、発生するCOガスがCO2 ガスに燃焼して
冷鉄源を予熱するので、電力原単位を一層低減すること
ができる。この酸素ガスの吹き込み量は、溶解開始から
出鋼までの間に溶解室内で滞留する溶鋼トン当たり25
Nm3 以上とすることが好ましい。図5は、酸素ガスの
吹き込み量を、溶解開始から出鋼までの間に溶解室内で
滞留する溶鋼トン当たり15〜45Nm3 に変更して試
験した時の電力原単位の推移を示す図であるが、図5に
示すように、酸素ガス吹き込み量を溶鋼トン当たり25
Nm3 以上とすることで、電力原単位の低減効果が大き
く、電力原単位の目標値である250kWh/tを安定
して達成することができるからである。図5の詳細は下
記の実施例で記載する。
【0025】尚、本発明の1ヒート分の溶鋼とは、連続
鋳造等の鋳造作業に用いる取鍋等の溶鋼保持容器の1つ
の容器に収納される溶鋼量であり、これは鋳造作業を実
施する建物のクレーン等の吊り上げ荷重から決まる量で
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づき説明する。
図1、図2、及び図3は、本発明の実施の形態の1例を
示すアーク炉設備の縦断面概略図であり、図1は、溶解
室を水平としてプッシャーを運転した状態を示す図、図
2は、溶解室を水平としてプッシャーを停止した状態を
示す図、図3は、プッシャーを停止して溶解室を傾動し
た状態を示す図である。
【0027】これらの図において、内部を耐火物で構築
され、底部に炉底電極6を備えた溶解室2の上部には、
シャフト型の予熱室3と水冷構造の炉壁4とが配置さ
れ、炉壁4の上部開口部は開閉自在な水冷構造の炉蓋5
で覆われている。この炉蓋5を貫通して、溶解室2内へ
上下移動可能な黒鉛製の上部電極7が設けられ、直流式
アーク炉1が構成されている。溶解室2は、傾動手段と
して、溶解室2の4角に接続する4個の昇降シリンダー
9から構成された傾動装置8により傾動され、又、アー
ク発生用電極である炉底電極6と上部電極7とは直流電
源(図示せず)に連結し、炉底電極6と上部電極7との
間でアーク21を発生させる。
【0028】予熱室3の上方には、冷鉄源供給手段とし
て、走行台車26に吊り下げられた底開き型の冷鉄源供
給用バケット17が設けられ、この冷鉄源供給用バケッ
ト17より、予熱室3の上部に設けた開閉自在な冷鉄源
供給口22を介して予熱室3内に、鉄スクラップや直接
還元鉄等の冷鉄源18が供給される。そして、予熱室3
の上端に設けられたダクト23は集塵機(図示せず)に
連結し、溶解室2で発生する高温の排ガスは、予熱室
3、及びダクト23を順に通って吸引され、予熱室3内
の冷鉄源18は予熱される。
【0029】予熱室3の下部にはプッシャー10が設け
られ、プッシャー10は、予熱室3内を出入りし、予熱
室3内に充填される冷鉄源18を、溶解室2内の冷鉄源
18が充填されていない空間に押し込んで供給する。プ
ッシャー10の予熱室3への出入りを頻繁に行えば、多
量の冷鉄源18が溶解室2に供給され、又、プッシャー
10を停止すれば、冷鉄源18は溶解室2内で溶解され
た量に見合って自由落下して供給されるが、冷鉄源18
の溶解室2中の溶鋼19への供給量は安定せず、予熱室
3内で棚つり状態となって供給が停滞することが発生す
る。
【0030】炉蓋5を貫通して、溶解室2内を上下移動
可能な1個又は2個以上の邪魔板11が、予熱室2の傾
動時に予熱室3内の冷鉄源18を保持するための冷鉄源
保持手段として溶解室2と予熱室3との境界部に設置さ
れている。邪魔板11は耐用性の点から水冷構造とする
ことが好ましく、溶解室2の幅方向に2個以上設置する
ことで、冷鉄源18の保持が容易になる。
【0031】更に、炉蓋5を貫通して、溶解室2内を上
下移動可能な酸素ガス吹き込みランス12と炭材吹き込
みランス13とが設けられ、酸素ガス吹き込みランス1
2からは酸素ガスが溶解室2内に吹き込まれ、そして、
炭材吹き込みランス13からは空気や窒素ガス等を搬送
用ガスとしてコークス、チャー、石炭、木炭、黒鉛等の
等の炭材が溶解室2内に吹き込まれる。
【0032】又、溶解室2の予熱室3を設置した部位の
反対側には、その炉底に、扉24で出口側を押さえ付け
られて内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出鋼口1
5と、その側壁に、扉25で出口側を押さえ付けられて
内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出滓口16とが
設けられている。そして、この出鋼口15の鉛直上方に
対応する部位の炉蓋5には、バーナー14が取り付けら
れている。バーナー14は、重油、灯油、微粉炭、プロ
パンガス、天然ガス等の化石燃料を、空気又は酸素若し
くは酸素富化空気により溶解室2内で燃焼させる。
【0033】この直流式アーク炉1における操業は、先
ず、図1に示すように溶解室2を水平状態とし、冷鉄源
供給バケット17より予熱室3内に冷鉄源18を供給す
る。予熱室3内に供給された冷鉄源18は、溶解室2内
にも装入され、やがて予熱室3内を充填する。尚、溶解
室2内へ冷鉄源18を均一に装入するため、炉蓋5を開
けて予熱室3と反対側の溶解室2内に冷鉄源18を装入
することもできる。次いで、炉底電極6と上部電極7と
の間に直流電流を給電しつつ上部電極7を昇降させ、上
部電極7と炉底電極6及び装入した冷鉄源18との間で
アーク21を発生させる。そして、発生するアーク熱に
より冷鉄源18を溶解し、溶鋼19を生成させる。溶鋼
19の生成と共に、生石灰、蛍石等のフラックスを溶解
室2内に装入して、溶融スラグ20を溶鋼19上に形成
させ、溶鋼19の酸化を防止すると共に溶鋼19の保温
を図る。溶融スラグ20の量が多すぎる場合には、操業
中でも出滓口16から、排滓することができる。
【0034】溶鋼19の生成と共に溶解室2内の冷鉄源
18は減少するので、溶解室2内に溶鋼19が生成する
頃からプッシャー10の運転を開始する。プッシャー1
0は、数分間隔、例えば3分間に一回、予熱室3内を1
0秒程度で往復するように運転すれば良い。プッシャー
10により予熱室3内に充填する冷鉄源18は、強制的
に押し込まれて溶鋼19側に供給される。
【0035】又、溶鋼19の生成と共に予熱室3内の冷
鉄源18は減少するので、この減少分を補うために、冷
鉄源供給用バケット17から予熱室3へ冷鉄源18を供
給する。この冷鉄源18の予熱室3内への供給は、冷鉄
源18が予熱室3と溶解室2とに連続して存在する状態
を保つように、連続的又は断続的に行う。その際に、予
熱室3と溶解室2とに連続して存在する冷鉄源18の量
を、常に1ヒート分の冷鉄源18の50wt%以上とす
ることが好ましい。
【0036】溶鋼19の生成する頃から、酸素ガス吹き
込みランス12及び炭材吹き込みランス13から、酸素
ガスと炭材とを溶鋼19中又は溶融スラグ20中に吹き
込むことが好ましい。この酸素ガス吹き込み量は、溶解
開始から出鋼までの間に溶解室内で滞留する溶鋼19の
トン当たり25Nm3 (以下、「Nm3 /t」と記す)
以上とすることが好ましい。吹き込まれて溶鋼19中に
溶解した炭材又は溶融スラグ20中に懸濁した炭材と、
吹き込まれる酸素ガスとが反応して燃焼熱を発生し、補
助熱源として作用し、電力使用量を節約すると共に、反
応生成物のCOガスが溶融スラグ20をフォーミングさ
せて、アーク21が溶融スラグ20に包まれるので、ア
ークの着熱効率が上昇する。又、酸素ガスと炭材とを吹
き込むことにより大量に発生する高温のCOガスと、こ
のCOガスが燃焼して生成するCO2 ガスとで予熱室3
内の冷鉄源18は効率良く予熱される。この炭材の吹き
込み量は、吹き込む酸素ガスの量に対応して決める。即
ち、吹き込まれる酸素ガスの化学等量に等しい程度の炭
材を添加する。炭材が吹き込まれる酸素ガスに比べて少
ないと、溶鋼19が過剰に酸化するので好ましくない。
【0037】このようにして冷鉄源18を溶解し、溶解
室2内に少なくとも1ヒート分の溶鋼19が溜まった時
点で、必要により脱炭等の精錬を行い、次いで、傾動装
置8により溶解室2を傾動して出鋼口15から溶鋼保持
容器(図示せず)に溶鋼19を出鋼する。出鋼中は、溶
鋼温度の低下を防止するために、バーナー14にて溶鋼
19を加熱することが好ましい。出鋼後、溶鋼19は必
要により取鍋精錬炉等にて昇温・精錬した後、連続鋳造
機等で鋳造する。溶鋼19を出鋼し、更に溶融スラグ2
0を排滓した後、溶解炉2を傾動装置8にて水平に戻す
か、又は出鋼時と逆方向の出鋼口15側が上になるよう
に溶解室2を傾動し、出鋼口15及び出滓口16内に詰
め砂又はマッド材を充填した後、溶解室2を水平状態と
して溶解を再開し、操業を継続する。次回のヒートは予
熱された冷鉄源18で溶解を開始することができる。
【0038】この場合、溶鋼19中には大量の未溶解の
冷鉄源18が埋没して共存する状態であるので溶鋼温度
は1550℃程度になり、大きな溶鋼過熱度を得ること
は困難である。そこで、大きな溶鋼過熱度を得るため
に、溶解室2内に少なくとも1ヒート分の溶鋼19が溜
まった時点で、プッシャー10の運転を停止してプッシ
ャー10を予熱室3外に待機させ、アーク21にて溶鋼
19を加熱して昇温することが好ましい。プッシャー1
0を停止することで冷鉄源18の溶鋼19中に供給され
る量が減少することと、同時に、溶鋼19への冷鉄源1
8の供給量が減少することで溶鋼19中に埋没する未溶
解の冷鉄源18の溶解が促進することとにより、図2に
示すように溶鋼19中に埋没して共存する冷鉄源18が
減少し、溶鋼19と冷鉄源18との接触面積が減少す
る。その結果、投入するアーク熱のうちの冷鉄源18を
溶解するための潜熱に費やされる熱量が相対的に減少
し、溶鋼温度を上昇させるために費やされる熱量が増加
して溶鋼温度が上昇し、大きな溶鋼過熱度を得ることが
でき、その結果、出鋼中における出鋼口15の閉塞等の
溶鋼温度の低下によるトラブルを未然に防止することが
できる。尚、プッシャー10の停止後での溶鋼19の加
熱時に、バーナー14を併用することにより投入される
熱量が増加して溶鋼温度の上昇率が高くなるので、バー
ナー14を併用することが好ましい。
【0039】又、プッシャー10の停止後、傾動装置8
により出鋼口15側が下になるように溶解室2を傾動し
て溶鋼19中に埋没する冷鉄源18を積極的に減少させ
ることが好ましい。溶解室2を傾動した状態で加熱する
ことで、溶鋼19と冷鉄源18との接触面積が一層減少
して溶鋼温度の上昇速度がより速くなり、大きな溶鋼過
熱度を得ることが可能となる。
【0040】更に、プッシャー10の停止後、邪魔板1
1を溶融スラグ20の直上まで溶解室2内に挿入し、次
いで、図3に示すように、傾動装置8により出鋼口15
側が下になるように溶解室2を傾動することが好まし
い。予熱室3の直下側の溶解室2内の冷鉄源18は邪魔
板11により出鋼口15側への移動が阻害されるので、
溶解室2内における溶鋼19と冷鉄源18との接触面積
を安定して低減することができ、溶鋼温度がより一層上
昇しやすくなる。
【0041】溶鋼19を加熱・昇温した後は、必要によ
り脱炭等の精錬を行い、上記に従い出鋼口15から出鋼
する。邪魔板11は、出鋼後に溶解室2の上方に待機さ
せる。尚、出鋼時に、数トン〜数十トンの溶鋼19を溶
解室2内に残留させて、次回ヒートの溶解を再開しても
良い。こうすることで初期の溶解が促進され、溶解効率
が一層向上する。
【0042】このようにして溶解することで、予熱温度
を上げることが可能となると共に、操業の最初のヒート
で用いる冷鉄源18は予熱されないが、その後のヒート
に溶解される冷鉄源18は全て予熱されるので、予熱効
率の極めて高い状態で操業を行うことができ、電力原単
位を大幅に低減することが可能になる。又、プッシャー
10により安定して冷鉄源18を予熱室2に供給可能と
なるので、溶解時間の延長や溶鋼温度の過度の上昇をも
たらすことなく安定して操業を行うことができる。更
に、溶解後に溶鋼19を加熱・昇温することで、出鋼時
の溶鋼温度が確保され、溶鋼温度の低下による操業トラ
ブルを未然に防止することができる。
【0043】尚、上記説明では、直流式アーク炉1の場
合について説明したが、交流式アーク炉でも全く支障な
く本発明を適用でき、又、溶解室2における予熱室3と
出鋼口15との位置関係は溶解室2の中心に対して18
0度の対向する位置に限るものではなく90度の位置で
あっても良く、更に、傾動装置8、プッシャー10、邪
魔板11、及び炉底電極6等の構造の違いは、本発明の
支障とならないことは言うまでもない。
【0044】
【実施例】[実施例1]図1に示す直流式アーク炉にお
ける実施例を以下に説明する。アーク炉は、溶解室が炉
径7.2m、高さ4mであり、予熱室が幅3m、長さ5
m、高さ7mの直方体形状で、炉容量が180トンであ
る。
【0045】先ず溶解室及び予熱室内に鉄スクラップ1
50トンを装入し、直径30インチの黒鉛製上部電極を
用い、最大750V、130KAの電源容量により溶解
した。溶鋼の生成と共にプッシャーを3分間隔で予熱室
に出入りさせた。又、溶鋼の生成と共に、生石灰と蛍石
とを添加して溶融スラグを形成し、次いで、酸素ガス吹
き込みランスから酸素ガスを6000Nm3 /hrと
し、又、炭材吹き込みランスからコークスを80kg/
minとして溶融スラグ中に吹き込んだ。酸素ガスとコ
ークスの吹き込みにより、溶融スラグはフォーミングし
て上部電極の先端は溶融スラグ中に埋没した。この時の
電圧を550Vに設定した。
【0046】予熱室内の鉄スクラップが溶解につれて下
降したら、冷鉄源供給用バケットにて鉄スクラップを予
熱室に供給し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の高
さに保持しながら溶解を続け、溶解室内に180トンの
溶鋼が生成した時点で、約60トンを溶解室に残し1ヒ
ート分の120トンの溶鋼を取鍋に出鋼した。出鋼時、
重油バーナーにより溶鋼を加熱した。出鋼時の溶鋼の炭
素濃度は0.1wt%で、溶鋼温度は1550℃であっ
た。出鋼後、出鋼口及び出滓口に詰め砂を充填して溶解
を再開し、溶鋼量が180トンになったら120トン出
鋼することを繰り返し実施した。出鋼後の溶鋼は取鍋精
錬炉にて精錬し、更に1620℃に昇温した後、連続鋳
造機により鋳造した。取鍋精錬炉の電力使用量は、平均
して60kWh/tであった。
【0047】その結果、溶解の停滞は発生せず、出鋼か
ら出鋼までの時間は平均して40分となり、酸素ガスの
吹き込み量が33Nm3 /t、コークスの吹き込み量が
溶鋼トン当たり26kg(以下、「kg/t」と記す)
で、電力原単位170kWh/tで溶解することができ
た。アーク炉と取鍋精錬炉とによる電力の総使用量は2
30kWh/tであった。又、プッシャーの熱による損
傷は全く発生せず、安定した操業が可能であった。
【0048】又、比較のため、図1に示すアーク炉にお
いて、プッシャーを運転せず、その他の操業条件を同一
とした操業(比較例)と、ヒート毎に120トンの鉄ス
クラップを溶解室と予熱室とに装入し、装入した鉄スク
ラップを全量溶解し、次いで1590℃に昇温し、12
0トンの溶鋼を出鋼する操業(従来例)も実施した。
尚、従来例ではプッシャーを運転せず、酸素ガス吹き込
み量及びコークス吹き込み量は上記の実施例と同一であ
り、又、従来例での取鍋精錬炉の電力原単位は30kW
h/tであった。
【0049】比較例及び従来例では、溶解室内の未溶解
の鉄スクラップの上に充填された鉄スクラップが、鉄ス
クラップの全面に空間があるにもかかわらず溶解室に落
ちていかず、溶解が停滞する現象が6ヒートに1回の頻
度で発生した。
【0050】図4に実施例及び比較例における出鋼から
出鋼までの時間と、その頻度を比較して示す。図4に示
すように、本発明の実施例では出鋼から出鋼までの時間
はヒート間でのバラツキが少なく安定しており、平均値
で40分であった。それに対して比較例では、出鋼から
出鋼までの時間にヒート間のバラツキがあり、溶解が停
滞したヒートでは、出鋼から出鋼までの時間に50分間
を要し、平均値で43分であった。
【0051】比較例では、アーク炉における電力原単位
が180kWh/tで、アーク炉と取鍋精錬炉とおける
電力の総使用量が240kWh/tであり、又、従来例
では、アーク炉における電力原単位が300kWh/t
で、アーク炉と取鍋精錬炉とおける電力の総使用量は3
30kWh/tであった。このように、本発明では、従
来例に比べて総使用量で100kWh/t程度の電力原
単位を低減することが可能であった。
【0052】[実施例2]図1に示す直流式アーク炉に
おける実施例を以下に説明する。アーク炉は、溶解室が
炉径7.2m、高さ4mであり、予熱室が幅3m、長さ
5m、高さ7mの直方体形状で、炉容量が180トンで
ある。
【0053】先ず溶解室及び予熱室内に鉄スクラップ1
50トンを装入し、直径30インチの黒鉛製上部電極を
用い、最大750V、130KAの電源容量により溶解
した。溶鋼の生成と共にプッシャーを3分間隔で予熱室
に出入りさせた。又、溶鋼の生成と共に、生石灰と蛍石
とを添加して溶融スラグを形成し、次いで、酸素ガス吹
き込みランスから酸素ガスを、又、炭材吹き込みランス
からコークスを溶融スラグ中に吹き込んだ。酸素ガスと
コークスの吹き込みにより、溶融スラグはフォーミング
して上部電極の先端は溶融スラグ中に埋没した。この時
の電圧を400Vに設定した。
【0054】予熱室内の鉄スクラップが溶解につれて下
降したら、冷鉄源供給用バケットにより鉄スクラップを
予熱室に供給し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の
高さに保持しながら溶解を続け、溶解室内に180トン
の溶鋼が生成した時点で、プッシャーを停止させると共
に邪魔板を溶解室内に挿入し、次いで、溶解室を出鋼口
側に15度傾動し、この状態で更に400Vの電圧によ
るアークと重油バーナーとにより加熱し、溶鋼を158
0℃まで昇温した後、約60トンを溶解室に残し1ヒー
ト分の120トンの溶鋼を取鍋に出鋼した。出鋼時の溶
鋼の炭素濃度は0.1wt%であった。出鋼後、出鋼口
及び出滓口に詰め砂を充填して溶解を再開し、溶鋼量が
180トンとなったら上記と同一条件で加熱して昇温し
た後、120トンの溶鋼を出鋼することを繰り返し実施
した。
【0055】この溶解中、酸素ガス吹き込み量及びコー
クス吹き込み量を5水準に変更した。試験1では、酸素
ガス吹き込み量を20Nm3 /t、コークス吹き込み量
を16kg/tとした。試験2では、それぞれ、25N
3 /t、20kg/t、試験3では33Nm3 /t、
26kg/t、試験4では38Nm3 /t、30kg/
t、試験5では45Nm3 /t、36kg/tとした。
【0056】出鋼した溶鋼は取鍋精錬炉にて精錬し、更
に1620℃に昇温し、連続鋳造機により175mm平
方の断面を有するビレットに鋳造した。取鍋精錬炉の電
力使用量は、各試験共に平均35kWh/tであった。
【0057】表1に、各試験の操業条件及び操業結果を
示す。表1に示すようにアーク炉における電力原単位
は、試験1で250kWh/t、試験2で230kWh
/t、試験3で190kWh/t、試験4で165kW
h/t、試験5で135kWh/tであり、又、出鋼か
ら出鋼までの時間は、試験1で43分、試験2で42
分、試験3で40分、試験4で39分、試験5で37分
となり、少ない電力原単位で効率良く溶解することがで
きた。又、プッシャー及び邪魔板の熱による損傷は全く
発生せず、安定した操業が可能であった。
【0058】
【表1】
【0059】図5に、試験1〜5において得られた電力
原単位に及ぼす酸素ガス吹き込み量の影響を示す。図5
に示すように酸素ガス吹き込み量が増加するに従い電力
原単位は低減し、電力原単位の目標を250kWh/t
とすると、安定して250kWh/tを達成するために
は、酸素ガス吹き込み量を25Nm3 /t以上とすれば
良いことが分かった。このように、本発明により予熱効
果が向上し、電力原単位を大幅に低減することができ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明では、溶解室から発生する排ガス
による予熱温度を高めることが可能で、且つ、溶解する
冷鉄源のほとんどを予熱することが可能であるため、極
めて高い予熱効率が得られ、電力使用量を大幅に低減す
ることができると共に、冷鉄源の溶解室への供給量を調
整することができるため、溶解時間の延長や溶鋼温度の
過度の上昇をもたらすことなく安定して溶解することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示すアーク炉設備
の縦断面概略図であり、溶解室を水平としてプッシャー
を運転した状態を示す図である。
【図2】図1に示すアーク炉において、溶解室を水平と
してプッシャーを停止した状態を示す縦断面概略図であ
る。
【図3】図1に示すアーク炉において、プッシャーを停
止して溶解室を傾動した状態を示す縦断面概略図であ
る。
【図4】実施例1において、本発明の実施例と比較例と
で出鋼から出鋼までの時間と、その頻度とを比較して示
す図である。
【図5】実施例2より得られた電力原単位に及ぼす酸素
ガス吹き込み量の影響を示すである。
【符号の説明】
1 アーク炉 2 溶解室 3 予熱室 4 炉壁 5 炉蓋 6 炉底電極 7 上部電極 8 傾動装置 9 昇降シリンダー 10 プッシャー 11 邪魔板 12 酸素ガス吹き込みランス 13 炭材吹き込みランス 14 バーナー 15 出鋼口 16 出滓口 17 冷鉄源供給用バケット 18 冷鉄源 19 溶鋼 20 溶融スラグ 21 アーク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発
    生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、予熱
    室の下部に設けたプッシャーとを具備したアーク炉での
    冷鉄源の溶解方法であって、冷鉄源が予熱室と溶解室と
    に連続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的又
    は断続的に予熱室へ供給しながら、冷鉄源が充填された
    予熱室内に前記プッシャーを出入りさせて予熱室内の冷
    鉄源を溶解室へ供給し、溶解室内の冷鉄源をアークにて
    溶解して溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まっ
    た時点で、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在す
    る状態で溶鋼を出鋼することを特徴とする冷鉄源の溶解
    方法。
  2. 【請求項2】 溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発
    生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、予熱
    室の下部に設けたプッシャーとを具備したアーク炉での
    冷鉄源の溶解方法であって、冷鉄源が予熱室と溶解室と
    に連続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的又
    は断続的に予熱室へ供給しながら、冷鉄源が充填された
    予熱室内に前記プッシャーを出入りさせて予熱室内の冷
    鉄源を溶解室へ供給し、溶解室内の冷鉄源をアークにて
    溶解して溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜まっ
    た時点で、前記プッシャーを停止し、次いで、アークに
    て溶鋼を加熱して昇温した後、冷鉄源が予熱室と溶解室
    とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴
    とする冷鉄源の溶解方法。
  3. 【請求項3】 前記プッシャーの停止後、溶解室を傾動
    して溶鋼と溶解室内の冷鉄源との接触面積を減少させ、
    溶解室を傾動した状態でアークにて溶鋼を加熱すること
    を特徴とする請求項2に記載の冷鉄源の溶解方法。
  4. 【請求項4】 溶解室の傾動時に、冷鉄源保持手段にて
    溶解室内の冷鉄源を保持して溶鋼と溶解室内の冷鉄源と
    の接触面積を減少させることを特徴とする請求項3に記
    載の冷鉄源の溶解方法。
  5. 【請求項5】 溶解中及び出鋼中に、予熱室と溶解室と
    に連続して存在する冷鉄源を1ヒート分の50wt%以
    上とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何
    れか1つに記載の冷鉄源の溶解方法。
  6. 【請求項6】 炭材と、溶鋼トン当たり25Nm3 以上
    の酸素ガスとを溶解室内に吹き込むことを特徴とする請
    求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の冷鉄源の溶
    解方法。
  7. 【請求項7】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、溶解
    室の上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源
    を予熱する予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するため
    のアーク発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給する冷鉄
    源供給手段と、予熱室内を出入り可能として予熱室の下
    部に設けられたプッシャーと、溶解室に設けられた出鋼
    口とを具備することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
  8. 【請求項8】 溶解室を傾動させて溶解室内の冷鉄源と
    生成する溶鋼との接触面積を減少させるための傾動手段
    が設けられたことを特徴とする請求項7に記載の冷鉄源
    の溶解設備。
  9. 【請求項9】 溶解室の傾動時に溶解室内の冷鉄源を保
    持するための冷鉄源保持手段が設けられたことを特徴と
    する請求項8に記載の冷鉄源の溶解設備。
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