JP2001107128A - 冷鉄源の溶解方法及び溶解設備 - Google Patents

冷鉄源の溶解方法及び溶解設備

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JP2001107128A
JP2001107128A JP28513099A JP28513099A JP2001107128A JP 2001107128 A JP2001107128 A JP 2001107128A JP 28513099 A JP28513099 A JP 28513099A JP 28513099 A JP28513099 A JP 28513099A JP 2001107128 A JP2001107128 A JP 2001107128A
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iron source
cold iron
melting chamber
melting
molten metal
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JP28513099A
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English (en)
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Takeshi Nakayama
剛 中山
Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予熱室を必要とせずに冷鉄源を連続的に予熱
することができ、且つ、冷鉄源を高温度に予熱すること
が可能な冷鉄源の溶解方法を確立する。 【解決手段】 冷鉄源装入口9を備えた溶解室3と、こ
の溶解室内に冷鉄源19を供給する冷鉄源供給手段1
0、11とを具備したアーク溶解設備1での冷鉄源の溶
解方法において、冷鉄源が溶解室内の溶湯20の湯面位
置よりも高い位置まで堆積して存在する状態を保つよう
に、前記冷鉄源供給手段を用いて前記冷鉄源装入口から
冷鉄源を連続的又は断続的に溶解室へ供給しながら溶解
室内の冷鉄源を溶解し、溶解室内に所定量の溶湯が溜ま
った時点で冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い
位置まで堆積して存在する状態で溶湯を出湯する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源をアーク熱により効率良く溶解する
溶解方法及び溶解設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク炉では、アーク発生用電極
から発生するアーク熱により鉄スクラップや直接還元鉄
等の冷鉄源を加熱・溶解し、精錬して溶鋼を製造する
が、多くの電力を消費するため、溶解中にアーク炉溶解
室から発生する高温の排ガスを利用して冷鉄源を予熱
し、予熱した冷鉄源を溶解することで電力使用量を削減
する方法が多数提案されている。
【0003】例えば、特公平6−46145号公報(以
下「先行技術1」と記す)には、溶解室に直結したシャ
フト型の予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒー
ト分の冷鉄源を溶解毎に装入して、この冷鉄源を排ガス
で予熱しつつ溶解する設備が開示されている。先行技術
1では、予熱室が溶解室に直結されているので冷鉄源の
保持・搬送用設備が必要でなく、そのため、これら設備
の設備トラブルを懸念することなく排ガス温度を上昇さ
せ、冷鉄源の予熱温度を上げることができるので、電力
削減効果に優れるが、1ヒート分の溶鋼量を溶解する毎
に予熱室内の全ての冷鉄源を溶解して出湯するため、次
ヒートの最初に溶解される冷鉄源の予熱ができず、排ガ
スの有効利用という点では十分とはいえない。
【0004】この問題を解決すべく、特開平10−29
2990号公報(以下「先行技術2」と記す)が本発明
者等により提案されている。先行技術2では、溶解室
と、その上部に直結するシャフト型の予熱室とを備えた
アーク溶解設備を用い、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連
続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的又は断
続的に予熱室へ供給しながら、溶解室内の冷鉄源をアー
クにて溶解し、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点
で、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態
で溶鋼を出湯する溶解方法としているので、予熱室内及
び溶解室内には常に冷鉄源が存在して、次ヒートの最初
に溶解される冷鉄源も予熱され、電力使用量の大幅な削
減が達成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術2でも以下の問題点がある。即ち、予熱室内での冷鉄
源の融着或いは機械的原因により棚吊りが発生して安定
操業が難しく、又、予熱室内で未燃焼ガスを燃焼させる
ために酸素含有ガスを供給しても、予熱室内では冷鉄源
が充填しているために安定的に未燃焼ガスを燃焼させる
ことができず、予熱温度を十分高くすることが困難であ
る。更に、予熱室が上方に突出しているために建家高さ
が高くなり、設備費が増大する。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、シャフト型の予熱室を必要と
せずに冷鉄源を連続的に予熱することができ、且つ、未
燃焼ガスを安定的に燃焼させて冷鉄源を高温度に予熱す
ることが可能であり、従来の排ガスを利用して冷鉄源を
予熱する方法では達成できない極めて高効率で、安定操
業が可能な冷鉄源の溶解方法及び溶解設備を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明による冷鉄源
の溶解方法は、冷鉄源装入口を備えた溶解室と、この溶
解室内に冷鉄源を供給する冷鉄源供給手段とを具備した
アーク溶解設備での冷鉄源の溶解方法において、冷鉄源
が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して
存在する状態を保つように、前記冷鉄源供給手段を用い
て前記冷鉄源装入口から冷鉄源を連続的又は断続的に溶
解室へ供給しながら溶解室内の冷鉄源を溶解し、溶解室
内に所定量の溶湯が溜まった時点で冷鉄源が溶解室内の
溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在する状態
で溶湯を出湯することを特徴とするものである。
【0008】第2の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
1の発明において、溶解室内に所定量の溶湯が溜まった
時点で、溶解室を傾動させて溶湯と溶解室内の冷鉄源と
の接触面積を減少させることを特徴とするものである。
【0009】第3の発明による冷鉄源の溶解方法は、冷
鉄源装入口を備えた溶解室と、この溶解室内に冷鉄源を
供給する冷鉄源供給手段と、溶解室に突設され、出湯口
を有する出湯部とを具備し、溶解室内の冷鉄源は溶解中
に溶解室の冷鉄源装入口が設けられている一方側から他
方側へ向けて供給され、出湯部はその冷鉄源の供給方向
とは異なる方向に設けられたアーク溶解設備での冷鉄源
の溶解方法であって、冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面位置
よりも高い位置まで堆積して存在する状態を保つよう
に、前記冷鉄源供給手段を用いて前記冷鉄源装入口から
冷鉄源を連続的又は断続的に溶解室へ供給しながら溶解
室内の冷鉄源を溶解し、溶解室内に所定量の溶湯が溜ま
った時点で冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い
位置まで堆積して存在する状態で溶湯を出湯することを
特徴とするものである。
【0010】第4の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
3の発明において、溶解室内に所定量の溶湯が溜まった
時点で、溶解室を出湯部側に傾動させて溶湯と溶解室内
の冷鉄源との接触面積を減少させることを特徴とするも
のである。
【0011】第5の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
3の発明又は第4の発明において、前記アーク溶解設備
が、溶解室の冷鉄源装入口が設けられた部分と出湯部が
設けられた部分との間に、溶解室を出湯部側に傾動した
際に溶解室内の冷鉄源が出湯部へ流出することを妨げる
ための離間部を具備したアーク溶解設備であることを特
徴とするものである。
【0012】第6の発明による冷鉄源の溶解方法は、第
3の発明乃至第5の発明の何れかにおいて、前記出湯部
が冷鉄源の供給方向に対して直交する方向に設けられて
いることを特徴とするものである。
【0013】第7の発明による冷鉄源の溶解設備は、冷
鉄源装入口を備えた溶解室と、溶解室内で冷鉄源を溶解
するためのアーク発生用電極と、冷鉄源が溶解室内の溶
湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在する状態を
保つように溶解室へ冷鉄源を連続的又は断続的に供給す
る冷鉄源供給手段と、溶解室に突設され、出湯口を有す
る出湯部とを有し、冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面位置よ
りも高い位置まで堆積して存在する状態で溶湯を出湯す
る冷鉄源の溶解設備であって、前記溶解室内の冷鉄源は
溶解中に溶解室の冷鉄源装入口が設けられている一方側
から他方側へ向けて供給され、前記出湯部はその冷鉄源
の供給方向とは異なる方向に設けられていることを特徴
とするものである。
【0014】本発明の溶解方法及び溶解設備では、冷鉄
源を溶解室内で予熱しつつ溶解するので、シャフト型の
予熱室を必要とせず、冷鉄源の棚吊り等のトラブルを発
生させることなく安定した操業を行うことができる。
又、冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い位置ま
で堆積して存在する状態を保つように、溶解室内に冷鉄
源を供給しながら溶解室内の冷鉄源をアークで溶解し、
溶解室内に所定量の溶湯が溜まった時点で、冷鉄源が溶
解室内の溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在
する状態で溶湯を出湯するので、次ヒートで溶解する冷
鉄源の予熱が可能となり、極めて高効率で冷鉄源を溶解
することができる。
【0015】又、溶解室内に所定量の溶湯が溜まった時
点で溶解室を傾動させて溶湯と溶解室内の冷鉄源との接
触面積を減少させるので、溶湯の過熱度を大きくするこ
とができ、出湯時の溶湯温度の低下に起因する出湯口の
閉塞等のトラブルを防止することができる。
【0016】但し、溶解室を傾動させると溶解室に堆積
した冷鉄源が溶湯中に崩落して、溶湯の過熱度を低下さ
せる虞があるが、第3の発明及び第7の発明では、溶解
室に突設した出湯部を溶解室内での冷鉄源の供給方向と
は異なる方向としているので、溶解室を傾動させた場合
も、冷鉄源の溶湯中への崩落を抑えることが可能であ
り、溶湯過熱度の低下を防止することができる。そし
て、出湯部を冷鉄源の供給方向に対して直交する方向に
設けること、又、溶解室の冷鉄源装入口が設けられた部
分と出湯部が設けられた部分との間に、溶解室を出湯部
側に傾動した際に溶解室内の冷鉄源が出湯部へ流出する
ことを妨げるための離間部を設けることで、溶解室を傾
動した際の冷鉄源の溶湯中への崩落を一層少なくするこ
とが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明の方法を実施
するために用いられるアーク溶解設備を示す断面図であ
り、図2はその平面図である。
【0018】図1及び図2において、内部を耐火物で構
築され、底部に炉底電極7を備えた溶解室3の側壁上部
には水冷構造の炉壁5が配置され、炉壁5の上部は開閉
自在な水冷構造の炉蓋6で覆われている。炉蓋6の溶解
室3の外周に沿った一角には、冷鉄源19を溶解室3内
に装入するための冷鉄源装入口9が設置されており、冷
鉄源装入口9は開閉可能な開閉蓋9a及び開閉蓋9bで
覆われている。溶解室3の冷鉄源装入口9を設置した部
位の反対側には突出部3aが設けられ、突出部3aの底
部には、扉24で出口側を押さえ付けられて内部に詰め
砂又はマッド剤が充填された出湯口17と、その側壁
に、扉25で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂又
はマッド剤が充填された出滓口18とが設けられてい
る。溶解室3を傾動するための傾動手段として、溶解室
3の4角に接続する4個の昇降シリンダー13から構成
された傾動装置12が設けられ、又、炉蓋6を貫通し
て、溶解室3内へ上下移動可能な黒鉛製の上部電極8が
設けられ、直流式アーク溶解設備1の基部が構成されて
いる。アーク発生用電極である炉底電極7と上部電極8
とは直流電源(図示せず)に連結し、炉底電極7と上部
電極8との間でアーク22を発生させる。
【0019】炉蓋6を貫通して、溶解室3内を上下移動
可能な酸素吹き込みランス14と炭材吹き込みランス1
5とが設けられ、酸素吹き込みランス14からは酸素ガ
スが溶解室3内に吹き込まれ、そして、炭材吹き込みラ
ンス15からは空気や窒素ガス等を搬送用ガスとしてコ
ークス、チャー、石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解
室3内に吹き込まれる。又、重油、灯油、微粉炭、プロ
パンガス、天然ガス等の化石燃料を空気又は酸素ガス若
しくは酸素富化空気により燃焼させるバーナー16が、
出湯口17に対向する上方位置に炉蓋6を貫通して設置
されている。
【0020】冷鉄源装入口9の上方には、冷鉄源供給手
段として、走行台車11に吊り下げられた底開き型の供
給用バケット10が設けられ、この供給用バケット10
より、冷鉄源装入口9を介して溶解室3内に鉄スクラッ
プや直接還元鉄等の冷鉄源19が装入される。又、冷鉄
源装入口9の直下に対応する炉壁5には、炉壁5を貫通
して集塵機(図示せず)に連結するダクト23が設けら
れ、ランス14、15からの酸素ガス吹き込み、炭材吹
き込み、又はバーナー16の加熱により溶解室3で発生
する高温の排ガスはダクト23を通って吸引される。そ
の際、溶解室3内の冷鉄源19はダクト23の前面に堆
積しているので、この排ガスによりダクト23の前面に
堆積している冷鉄源19が予熱される。
【0021】このように構成されるアーク溶解設備1に
おいて冷鉄源19を溶解するに際しては、先ず、溶解室
3に鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源19を装入
し、冷鉄源19が冷鉄源装入口9付近まで堆積して存在
する状態とする。
【0022】この状態で上部電極8によりアーク22を
形成し、発生するアーク熱により冷鉄源19を溶解して
溶湯20を生成させる。この際に、酸素吹き込みランス
14から酸素ガスを供給し、冷鉄源19の溶解を補助す
る。溶湯20の生成に伴い、生石灰、蛍石等のフラック
スを溶解室3内に装入して、溶融スラグ21を溶湯20
上に形成させ、溶湯20の酸化を防止すると共に溶湯2
0の保温を図る。溶融スラグ21の量が多すぎる場合に
は、操業中でも出滓口18から、排滓することができ
る。
【0023】又、溶解室3内に溶湯20が溜まってきた
ら、炭材吹き込みランス15からスラグ21中に補助熱
源としての炭材を吹き込み、スラグフォーミング操業に
移行し、上部電極8の先端をスラグ21中に埋没させ、
アーク22がスラグ21内に形成されるようにする。こ
の補助熱源として吹き込まれた炭材は、酸素吹き込みラ
ンス14から供給された酸素ガスと反応しCOガスが発
生すると同時に、その反応熱は冷鉄源19の溶解に寄与
する。
【0024】このような冷鉄源19の溶解により発生す
る排ガスは、溶解室3内の冷鉄源19の堆積層及びダク
ト23を経由して排出され、この排ガスの熱により溶解
室3内に堆積した冷鉄源19が予熱される。溶解室3内
で冷鉄源19が溶解すると、堆積した冷鉄源19が溶湯
20中に埋没していくため、溶解室3内に堆積する冷鉄
源19の上端位置が低下してくる。この場合、冷鉄源1
9が溶解室3内の溶湯20の湯面位置よりも高い位置ま
で堆積して存在する状態を保つように、供給用バケット
10から溶解室3へ冷鉄源19を連続的又は断続的に供
給する。これにより、常に一定量以上の冷鉄源19が溶
解室3内に堆積して存在している状態が保たれる。その
際、予熱効果を高めるために、冷鉄源19を冷鉄源装入
口9付近まで堆積させることが好ましい。
【0025】この際の冷鉄源19の装入は、操業実績に
基づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても良い
し、溶解室3内の冷鉄源19の量を検出可能なセンサー
を設け、このセンサーからの信号に基づいて供給用バケ
ット10による冷鉄源19の投入を制御するようにして
も良い。又、冷鉄源装入口9は2つの開閉蓋で覆われて
いるので、例えば開閉蓋9bを閉じた状態で開閉蓋9a
を開けて冷鉄源19を装入し、次いで開閉蓋9aを閉じ
て開閉蓋9bを開けることで、発生する排ガスを大気中
に放散することなく冷鉄源19を溶解室3内に装入する
ことができる。
【0026】冷鉄源19の溶解が進行して所定量の溶湯
20、例えば1ヒート分以上の溶湯20が溶解室3内に
溜まったら、冷鉄源19が溶解室3内の溶湯20の湯面
位置よりも高い位置まで堆積して存在する状態を保った
まま、溶解室3を出湯口17側に傾動させ、出湯口17
から1ヒート分の溶湯20を取鍋等へ出湯する。出湯に
際しては、溶湯20の凝固による出湯口17の閉塞を防
止するために、バーナー16で溶湯20を加熱しても良
い。溶湯20の出湯に引き続き、更に溶融スラグ21を
排滓した後、溶解室3を傾動装置12にて冷鉄源装入口
9側に傾動して出湯口17及び出滓口18内に詰め砂又
はマッド材を充填した後、溶解室3を水平に戻して溶解
を再開する。次回のヒートは予熱された冷鉄源19で溶
解を開始することができる。尚、出湯時に、数トン〜数
十トンの溶湯20を溶解室3内に残留させて、次回ヒー
トの溶解を再開しても良い。こうすることで初期の溶解
が促進され、溶解効率が一層向上する。尚、所定量の溶
湯量とは、例えば1ヒート分の溶湯量や、出湯後に溶解
室3内に溶湯20を残留させる場合には、1ヒート分の
溶湯量と溶解室3内の残留溶湯量とを合わせた量であ
り、操業状況により適宜決定される溶湯量である。
【0027】このようにして冷鉄源19を溶解する場合
には、プッシャーやフィンガー等の冷鉄源搬送・供給の
ための設備を必要としないので、これらが設けられてい
る従来の溶解設備よりも使用する酸素ガス量を増やすこ
とができ、排ガス温度を高めることができる。従って、
従来の溶解設備よりも高い温度に冷鉄源19を予熱する
ことが可能になると共に、ダイオキシン類の発生防止に
も有利となる。又、予熱室を必要としないので冷鉄源1
9の棚吊り等のトラブルがなく、安定操業が可能であ
る。
【0028】更に、常に冷鉄源19が溶解室3内の溶湯
20の湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在する状
態を保つように溶解室3へ冷鉄源19を供給し、溶解室
3内で所定量の溶湯20が形成されてこれを出湯する際
にも、溶解室3には冷鉄源19が溶湯20の湯面位置よ
りも高い位置まで堆積して存在するため、排ガスによる
冷鉄源19の予熱効率が高いものとなる。
【0029】溶湯20の過熱度(ΔT)は、溶解速度
(W)及び溶湯20と溶湯中に浸かっている冷鉄源19
との接触面積(S)と以下の(1)式に示す関係があ
る。 ΔT∝W/S……(1)
【0030】従って、過熱度(ΔT)を大きくするに
は、溶解速度(W)、すなわち溶解室3内への電力投入
量、酸素ガス及び燃料の供給が一定の条件では接触面積
(S)を小さくすることが有効である。このため、傾動
装置12を用いて、溶解室3に所定量の溶湯20が溜ま
った時点で溶解室3を出湯口17側に傾動させることに
よっても、溶湯20と溶解室3内の冷鉄源19との接触
面積(S)を減少させることができ、出湯時の溶湯温度
を上昇させることができる。
【0031】ところで、このように溶解室3を傾動さ
せ、溶湯20を出湯口側へ排出させて、溶湯20と冷鉄
源19との接触面積(S)を小さくする方法を採用した
場合には、上記のアーク溶解設備1では、出湯口17が
冷鉄源装入口9から冷鉄源19が溶解室3内に供給され
る方向に設けられているため、溶解室3を傾動させると
傾動方向に冷鉄源19が倒れ込んできて、溶湯20と冷
鉄源19との接触面積(S)を十分に小さくすることが
困難である。
【0032】このような問題を解決するためには、冷鉄
源装入口9から溶解室3への冷鉄源19の供給方向とは
異なる方向に出湯口17を有する出湯部4を設け、且つ
溶解室3の冷鉄源装入口9が設けられた部分と出湯部4
が設けられた部分とが、溶解室3を傾動した際に冷鉄源
19が出湯口17側に流出することを妨げることが可能
なように離間させ、これらの間の壁部により冷鉄源19
が遮られるようにする。これにより溶解室3を出湯部4
側に傾動させた際に、冷鉄源19が傾動方向に流れ込む
ことが阻止され、溶湯20と冷鉄源19との接触面積を
確実に小さくすることができる。
【0033】図3はこのようなアーク溶解設備の一例を
示す斜視図、図4はその平面図、図5は図3のX−X’
矢視による断面図である。このアーク溶解設備2は、冷
鉄源19を溶解するための溶解室3と、その一方側3b
に設けられた冷鉄源装入口9と、溶解室3に設けられた
出湯部4とを備えている。
【0034】図5に示すように、冷鉄源装入口9直下の
炉壁5には、集塵機(図示せず)に連結するダクト23
が設けられている。溶解室3内には上記アーク溶解設備
1と同様、鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源19が
装入される。冷鉄源装入口9の上方には上記例と同様に
供給用バケット10が設けられており、この供給用バケ
ット10から予熱室3内に冷鉄源19が装入される。
【0035】溶解室3には炉蓋6が設けられており、上
記アーク溶解設備1と同様に炉蓋6を貫通して酸素吹き
込みランス14及び炭材吹き込みランス15が挿入さ
れ、出湯口17と対向する上方位置にはバーナー16が
設けられている。そしてバーナー16による熱及び酸素
吹き込みランス14からの送酸と炭材吹き込みランス1
5からの炭材との反応熱で冷鉄源19の溶解が促進さ
れ、溶湯20が形成される。溶湯20の上にはスラグ2
1が形成される。
【0036】冷鉄源装入口9から装入された溶解室3内
の冷鉄源19は、溶解室3の冷鉄源装入口側3bからそ
の反対側3cに向かう方向へ供給されるが、出湯部4
は、この冷鉄源19の供給方向に対して直交する方向に
向くように溶解室3に突設されている。そして、溶解室
3は、傾動装置(図示せず)により、出湯部4側に傾動
可能となっている。又、溶解室3の冷鉄源装入口9が設
けられた部分と出湯部4が設けられた部分とは距離aだ
け離間しており、溶解室3が傾動された際に、その部分
の壁部により冷鉄源19が出湯部4側に流出することが
阻止される。この場合、図5に示すように、距離aが冷
鉄源装入口9から溶解室3に亘って安息角で拡がる冷鉄
源19の距離よりも長いことが好ましい。このようにす
ることで、溶解室3を傾動した際の冷鉄源19の出湯部
4側への流出を完全に阻止することができる。
【0037】出湯部4の先端近傍の底部には、出湯口1
7が形成されており、更に、出湯部4の先端部側面には
出滓口18が設けられている。尚、このアーク溶解設備
2は基本的にはアーク溶解設備1と同様な構造であり、
その他の同一の部分は同一符号により示し、その説明は
省略する。
【0038】このように構成されるアーク溶解設備2に
おいて冷鉄源19を溶解するに際しては、先ず、溶解室
3に鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源19を装入
し、冷鉄源19が冷鉄源装入口9付近まで堆積して存在
する状態とし、上記装置と同様に、酸素吹き込みランス
14からの送酸と炭材吹き込みランス15からの炭材と
の反応熱で冷鉄源19の溶解を促進する。
【0039】このような冷鉄源19の溶解により発生す
る排ガスは、溶解室3内の冷鉄源19の堆積層及びダク
ト23を経由して排出され、この排ガスの熱により溶解
室3内の冷鉄源19が予熱される。この場合上記アーク
溶解設備1と同様に、供給用バケット10から溶解室3
へ冷鉄源19を連続的又は断続的に供給することによ
り、常に、冷鉄源19が溶解室3内の溶湯20の湯面位
置よりも高い位置まで堆積して存在する状態が保たれ
る。
【0040】冷鉄源19が溶解していくと、溶解室3内
で冷鉄源19と溶湯20とが共存する状態となってお
り、上述したように溶湯20の温度が低く、例えば溶鋼
の場合には1540〜1550℃と溶鋼の凝固温度15
30℃に対してわずかな過熱度しかなく、このままでは
出湯の際に出湯口17の閉塞等の不都合が生じるが、こ
こでは出湯前に溶解室3を出湯部4側に傾動させてアー
ク加熱、酸素ガス及び炭材吹き込みによる加熱を続け
る。更に、バーナー加熱を併用しても良い。この場合、
出湯部4は溶解室3への冷鉄源19の供給方向に対して
直交する方向に向くように溶解室3に突設されており、
しかも溶解室3の冷鉄源装入口9が設けられた部分と出
湯部4が設けられた部分とは距離aだけ離間しており、
その部分の壁部により冷鉄源19が出湯部4側に流出す
ることが阻止されるため、出湯部4側へ流れ込んだ溶湯
20と冷鉄源19との接触面積を小さくすることができ
る。従って、溶湯20の過熱度(ΔT)を高くすること
ができ、出湯される溶湯20の温度が低いという問題を
回避することができる。この離間距離aを冷鉄源装入口
9から溶解室3に亘って安息角で拡がる冷鉄源19の距
離よりも長くすることにより、冷鉄源19の出湯部4へ
の流入をほぼ完全に阻止することができ、より一層溶湯
20の温度を高くすることができる。
【0041】以上のようにして溶解が進行し、所定量の
溶湯20が溶解室3内に溜まったら、溶解室3を傾動し
て溶湯20と冷鉄源19との接触面積を小さくし溶湯2
0をスーパーヒートさせた後、更に溶解室3を傾動さ
せ、冷鉄源19が溶解室3内の溶湯20の湯面位置より
も高い位置まで堆積して存在する状態を保ったまま、出
湯口17を塞いでいた扉24を開いて出湯口17を開
き、出湯口17から1ヒート分の溶湯20を取鍋等へ出
湯する。
【0042】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ことなく種々の変形が可能である。例えば、上記の実施
の形態では、冷鉄源の供給方向に対して直交する方向に
向くように出湯部4を設けたが、これに限らず冷鉄源の
供給方向以外の方向であれば良い。冷鉄源の供給方向以
外の方向であれば出湯部への冷鉄源の流出防止効果を得
ることができる。
【0043】
【実施例】[実施例1]図1に示す直流式アーク溶解設
備における実施例を以下に説明する。炉容量が180ト
ンで、炉径が7.2m、高さが4mの溶解室内に100
トンの鉄スクラップを装入し、28インチの黒鉛電極に
より、最大650V、115kAの電源容量でアークを
形成して鉄スクラップを溶解した。又、炉蓋に設けた酸
素吹き込みランスから6000Nm3 /hrの量で送
酸した。溶解室内に溶鋼が溜まってきた時点で、80k
g/minでコークスをスラグ中に吹き込んでスラグフ
ォーミング操業に移行し、黒鉛電極の先端をフォーミン
グスラグ中に埋没させた。この時の電圧及び電流は40
0V、90kAに設定した。溶解室内に冷鉄源装入口付
近まで堆積させた鉄スクラップが鉄スクラップの溶解に
伴って下降したら、供給用バケットにて鉄スクラップを
供給し、溶解室内の鉄スクラップの高さを一定の高さ範
囲に保持した。
【0044】このように、溶解室内に冷鉄源装入口付近
までスクラップが存在する状態で溶解を進行させ、溶解
室内に180トンの溶鋼が生成した段階で、60トンを
溶解室内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼を出
湯口から取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の温度は155
0℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であった。出
湯口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱した。
【0045】120トン出湯後も送酸とコークス吹き込
みを行いながらスラグフォーミング操業を行って溶解を
継続し、再度溶解室内の溶鋼量が180トンになったら
120トン出湯することを繰り返した。平均して出湯か
ら出湯までの時間が約40分間で120トンの溶鋼が得
られた。酸素量33Nm3 /t、コークス原単位26
kg/tで電力原単位196kWh/tが得られた。
【0046】出湯した120トンの溶鋼は取鍋精錬炉
(LF)により1620℃に昇温し、連続鋳造により1
75mm×175mmのビレットを製造した。取鍋精錬
炉の電力原単位は平均60kW/tであった。一方、先
行技術2に示したシャフト型の予熱室を具備したアーク
溶解設備(炉容量:180トン)を用いて、鉄スクラッ
プを連続して予熱室に供給しつつ溶解した場合(比較
例)についても、同様に電力原単位を求めた。
【0047】表1に電力原単位の結果を、又、図6に操
業中のトラブル発生頻度を示す。表1に示すように、電
力原単位は実施例及び比較例ではほぼ同様の結果が得ら
れた。しかし、図6に示すように、シャフト型の予熱室
で予熱した比較例では予熱室内での鉄スクラップの融着
或いは機械的原因により棚吊りが発生し、安定操業が困
難になったが、実施例ではこれらのトラブルが全く発生
しなかった。この結果から実施例と比較例とを比較する
と、エネルギー効率は両者がほぼ等しく、操業安定性は
実施例の方が優れることが確認できた。
【0048】
【表1】
【0049】[実施例2]図3に示す直流式アーク溶解
設備における実施例を以下に説明する。炉容量が180
トンで、炉径が7.2m、高さが4mの溶解室内に10
0トンの鉄スクラップを装入し、28インチの黒鉛電極
により、最大650V、115kAの電源容量でアーク
を形成して鉄スクラップを溶解した。又、炉蓋に設けた
酸素吹き込みランスから6000Nm3 /hrの量で
送酸した。溶解室内に溶鋼が溜まってきた時点で、80
kg/minでコークスをスラグ中に吹き込んでスラグ
フォーミング操業に移行し、黒鉛電極の先端をフォーミ
ングスラグ中に埋没させた。この時の電圧及び電流は4
00V、90kAに設定した。溶解室内に冷鉄源装入口
付近まで堆積させた鉄スクラップが鉄スクラップの溶解
に伴って下降したら、供給用バケットにて鉄スクラップ
を供給し、溶解室内の鉄スクラップの高さを一定の高さ
範囲に保持した。
【0050】このように、溶解室内に冷鉄源装入口付近
までスクラップが存在する状態で溶解を進行させ、溶解
室内に180トンの溶鋼が生成した段階で、溶解室を出
湯部側に10°傾斜させて溶鋼を昇温後、60トンを溶
解室内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼を出湯
口から取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の温度は1580
℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であった。出湯
口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱した。
【0051】120トン出湯後も送酸とコークス吹き込
みを行いながらスラグフォーミング操業を行って溶解を
継続し、再度溶解室内の溶鋼量が180トンになったら
120トン出湯することを繰り返した。平均して出湯か
ら出湯までの時間が約45分間で120トンの溶鋼が得
られた。酸素量33Nm3 /t、コークス原単位26
kg/tで電力原単位220kWh/tが得られた。出
湯した120トンの溶鋼は直ちに連続鋳造機に搬送し、
連続鋳造により175mm×175mmのビレットを製
造した。
【0052】[実施例3]図1に示す直流式アーク溶解
設備における実施例を以下に説明する。炉容量が180
トンで、炉径が7.2m、高さが4mの溶解室内に10
0トンの鉄スクラップを装入し、28インチの黒鉛電極
により、最大650V、115kAの電源容量でアーク
を形成して鉄スクラップを溶解した。又、炉蓋に設けた
酸素吹き込みランスから6000Nm3 /hrの量で
送酸した。又、溶解室内に空気を吹き込み、その時の排
ガス用ダクト入口で排ガス温度を測定すると共に、ダイ
オキシン類等の有害物質の発生状況及びそれに伴う白
煙、悪臭の状況を調査した。
【0053】尚、溶解室内に溶鋼が溜まってきた時点
で、80kg/minでコークスをスラグ中に吹き込ん
でスラグフォーミング操業に移行し、黒鉛電極の先端を
フォーミングスラグ中に埋没させた。この時の電圧及び
電流は400V、90kAに設定した。溶解室内に冷鉄
源装入口付近まで堆積させた鉄スクラップが鉄スクラッ
プの溶解に伴って下降したら、供給用バケットにて鉄ス
クラップを供給し、溶解室内の鉄スクラップの高さを一
定の高さ範囲に保持した。
【0054】このように、溶解室内に冷鉄源装入口付近
までスクラップが存在する状態で溶解を進行させ、溶解
室内に180トンの溶鋼が生成した段階で、60トンを
溶解室内に残し、1チャージ分の120トンの溶鋼を出
湯口から取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の温度は155
0℃であった。溶鋼中のC濃度は0.1%であった。出
湯口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱した。
【0055】120トン出湯後も送酸とコークス吹き込
みを行いながらスラグフォーミング操業を行って溶解を
継続し、再度溶解室内の溶鋼量が180トンになったら
120トン出湯することを繰り返した。平均して出湯か
ら出湯までの時間が約40分間で120トンの溶鋼が得
られた。酸素量33Nm3 /t、コークス原単位26
kg/tで電力原単位190kWh/tが得られた。
【0056】この時の排ガスダクト入口における排ガス
温度、ダイオキシン類等の有害物質の発生量を表2に示
す。表2に示すように、本発明の実施例では溶解室から
の排ガス温度を900℃以上にすることができ、従っ
て、ダイオキシン類等の有害物質の発生量をほぼ0にす
ることができ、白煙、悪臭の発生をなくすことが確認で
きた。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明では、冷鉄源が溶解室内の溶湯湯
面位置よりも高い位置まで堆積して存在する状態を保つ
ように冷鉄源を供給しながら溶解室内の冷鉄源をアーク
により溶解し、溶解室に所定量の溶湯が溜まった時点
で、冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い位置ま
で堆積して存在する状態で溶湯を出湯するので、次チャ
ージの冷鉄源の予熱も可能であり、極めて高効率の冷鉄
源の溶解を実現することができる。又、予熱室を必要と
しないので、冷鉄源の棚吊り等の操業トラブルがなく、
安定操業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するために用いられるアー
ク溶解設備の断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明によるアーク溶解設備の斜視図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3のX−X’矢視による断面図である。
【図6】実施例及び比較例の操業中トラブルの発生頻度
を比較して示す図である。
【符号の説明】
1 アーク溶解設備 2 アーク溶解設備 3 溶解室 4 出湯部 5 炉壁 6 炉蓋 7 炉底電極 8 上部電極 9 冷鉄源装入口 10 供給用バケット 12 傾動装置 14 酸素吹き込みランス 15 炭材吹き込みランス 16 バーナー 19 冷鉄源 20 溶湯 21 スラグ 22 アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 隆二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K014 CA01 CB07 CC05 CD07 CD13 CD14 4K045 AA07 BA02 GB02 RB02 RC01 RC11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷鉄源装入口を備えた溶解室と、この溶
    解室内に冷鉄源を供給する冷鉄源供給手段とを具備した
    アーク溶解設備での冷鉄源の溶解方法において、冷鉄源
    が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して
    存在する状態を保つように、前記冷鉄源供給手段を用い
    て前記冷鉄源装入口から冷鉄源を連続的又は断続的に溶
    解室へ供給しながら溶解室内の冷鉄源を溶解し、溶解室
    内に所定量の溶湯が溜まった時点で冷鉄源が溶解室内の
    溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在する状態
    で溶湯を出湯することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
  2. 【請求項2】 溶解室内に所定量の溶湯が溜まった時点
    で、溶解室を傾動させて溶湯と溶解室内の冷鉄源との接
    触面積を減少させることを特徴とする請求項1に記載の
    冷鉄源の溶解方法。
  3. 【請求項3】 冷鉄源装入口を備えた溶解室と、この溶
    解室内に冷鉄源を供給する冷鉄源供給手段と、溶解室に
    突設され、出湯口を有する出湯部とを具備し、溶解室内
    の冷鉄源は溶解中に溶解室の冷鉄源装入口が設けられて
    いる一方側から他方側へ向けて供給され、出湯部はその
    冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられたアーク溶
    解設備での冷鉄源の溶解方法であって、冷鉄源が溶解室
    内の溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在する
    状態を保つように、前記冷鉄源供給手段を用いて前記冷
    鉄源装入口から冷鉄源を連続的又は断続的に溶解室へ供
    給しながら溶解室内の冷鉄源を溶解し、溶解室内に所定
    量の溶湯が溜まった時点で冷鉄源が溶解室内の溶湯湯面
    位置よりも高い位置まで堆積して存在する状態で溶湯を
    出湯することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
  4. 【請求項4】 溶解室内に所定量の溶湯が溜まった時点
    で、溶解室を出湯部側に傾動させて溶湯と溶解室内の冷
    鉄源との接触面積を減少させることを特徴とする請求項
    3に記載の冷鉄源の溶解方法。
  5. 【請求項5】 前記アーク溶解設備が、溶解室の冷鉄源
    装入口が設けられた部分と出湯部が設けられた部分との
    間に、溶解室を出湯部側に傾動した際に溶解室内の冷鉄
    源が出湯部へ流出することを妨げるための離間部を具備
    したアーク溶解設備であることを特徴とする請求項3又
    は請求項4に記載の冷鉄源の溶解方法。
  6. 【請求項6】 前記出湯部が冷鉄源の供給方向に対して
    直交する方向に設けられていることを特徴とする請求項
    3乃至請求項5の何れか1つに記載の冷鉄源の溶解方
    法。
  7. 【請求項7】 冷鉄源装入口を備えた溶解室と、溶解室
    内で冷鉄源を溶解するためのアーク発生用電極と、冷鉄
    源が溶解室内の溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積し
    て存在する状態を保つように溶解室へ冷鉄源を連続的又
    は断続的に供給する冷鉄源供給手段と、溶解室に突設さ
    れ、出湯口を有する出湯部とを有し、冷鉄源が溶解室内
    の溶湯湯面位置よりも高い位置まで堆積して存在する状
    態で溶湯を出湯する冷鉄源の溶解設備であって、前記溶
    解室内の冷鉄源は溶解中に溶解室の冷鉄源装入口が設け
    られている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出
    湯部はその冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられ
    ていることを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293877A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Toda Iron Works Co Ltd 電気炉の原料投入シュートのシャッター機構
CN105627733A (zh) * 2016-02-29 2016-06-01 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种电弧炉抗冲击折流加料废钢预热室-除尘结构

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