JP2001172713A - 冷鉄源の溶解方法 - Google Patents

冷鉄源の溶解方法

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JP2001172713A
JP2001172713A JP35388699A JP35388699A JP2001172713A JP 2001172713 A JP2001172713 A JP 2001172713A JP 35388699 A JP35388699 A JP 35388699A JP 35388699 A JP35388699 A JP 35388699A JP 2001172713 A JP2001172713 A JP 2001172713A
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iron source
melting
cold iron
chamber
preheating
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • Y02P10/20Recycling

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解室の上部に直結された予熱室を有するア
ーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解する際に、次ヒート
の最初に溶解される冷鉄源の予熱を可能にすると共に、
出湯時の溶湯温度を上昇させて温度低下に伴うトラブル
を防止する。 【解決手段】 アーク発生用電極7、8を備えた溶解室
3と、溶解室の上方に直結し、溶解室の排ガスが導入さ
れるシャフト型の予熱室4とを具備したアーク溶解設備
1での冷鉄源の溶解方法において、冷鉄源20が予熱室
と溶解室とに連続して存在する状態を保つように冷鉄源
を連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら溶解室内の
冷鉄源をアークにて溶解し、1ヒート分以上の所定量の
冷鉄源を予熱室へ装入した時点で、冷鉄源の予熱室への
装入を停止して溶解室内の冷鉄源の溶解を続行し、溶解
室内の冷鉄源を実質的に全量溶解した時点で溶解室内に
所定量の溶湯21を残して、1ヒート分の溶湯を出湯す
る。以上を繰り返し行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源をアーク熱により効率良く溶解する
溶解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク溶解設備では、アーク発生
用電極から発生するアーク熱により鉄スクラップや直接
還元鉄等の冷鉄源を加熱・溶解し、精錬して溶鋼を製造
するが、多くの電力を消費するため、溶解中にアーク溶
解設備の溶解室から発生する高温の排ガスを利用して冷
鉄源を予熱し、予熱した冷鉄源を溶解することで電力使
用量を削減する方法が多数提案されている。
【0003】例えば、特公平6−46145号公報(以
下「先行技術1」と記す)には、溶解室に直結したシャ
フト型の予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒー
ト分の冷鉄源を溶解毎に装入して、この冷鉄源を排ガス
で予熱しつつ溶解する設備が開示されている。先行技術
1では、予熱室が溶解室に直結されているので冷鉄源の
保持・搬送用設備が必要でなく、そのため、これら設備
の設備トラブルを懸念することなく排ガス温度を上昇さ
せ、冷鉄源の予熱温度を上げることができるので、電力
削減効果に優れるが、1ヒート分の溶鋼量を溶解する毎
に予熱室内の全ての冷鉄源を溶解して出湯し、再度冷鉄
源を溶解室及び予熱室に装入して溶解を再開するため、
溶解される冷鉄源の約50%は予熱されず、排ガスの有
効利用と云う点では十分とは云えない。
【0004】この問題を解決すべく、特開平10−29
2990号公報(以下「先行技術2」と記す)が本発明
者等により提案されている。先行技術2では、溶解室の
上部に直結するシャフト型の予熱室を備えたアーク溶解
設備を用い、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在
する状態を保つように冷鉄源を連続的又は断続的に予熱
室へ供給しながら、溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解
し、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で、冷鉄源が
予熱室と溶解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出湯
する溶解方法としているので、予熱室内及び溶解室内に
は常に冷鉄源が存在し、次ヒート以降では最初に溶解さ
れる冷鉄源も予熱され、電力使用量の大幅な削減が達成
される。先行技術2では、更に溶鋼中に炭材と酸素を吹
き込み、これにより発生する排ガスで冷鉄源を予熱する
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術2でも以下の問題点がある。第1の問題点は、溶解室
内において溶鋼と冷鉄源とが常に共存する状態、即ち溶
鋼中に冷鉄源が浸かった状態で出湯するため、出湯され
る溶鋼の温度が低く、出湯時に出湯口での凝固地金付着
により出湯が阻害される虞があり、又、溶鋼温度が低い
ために、取鍋等の溶湯保持容器への出湯後、溶湯保持容
器内壁へ凝固地金が付着して、鉄歩留まりの低下や鋼製
品の品質低下が発生する虞があることである。
【0006】第2の問題点は、予熱効率を向上されるた
めには、溶解室内に吹き込まれた炭材及び酸素により発
生するCOガスを二次燃焼させて、より温度の高いCO
2 ガスとして予熱することが望ましいが、先行技術2に
は効率的な二次燃焼方法が開示されておらず、十分高い
予熱効率で予熱しているとは云い難いと云う点である。
溶解室内は外気と完全には遮断されておらず、従って、
外気から入り込む空気により溶解室内で二次燃焼が起こ
る。しかし、発生するCOガスの全量を溶解室内で二次
燃焼させた場合には、大量の発熱量により溶解室内が局
所的に高温になり、炉蓋や炉壁等の設備破損を招く。更
に、一旦生成したCO2 ガスが解離して酸素が存在する
ようになり、これにより予熱室内で冷鉄源が酸化され、
歩留まり低下を発生させると共に、この酸化鉄還元のた
めの熱エネルギーを必要とする。又、予熱室側壁に酸素
吹き込み用ノズルを設け、充填された冷鉄源内に酸素を
吹き込んで二次燃焼させた場合には、冷鉄源に邪魔され
て酸素は、COガスと十分に反応しないまま予熱室の周
辺部を上昇し、中心部を流れるCOガスは未燃焼のまま
予熱室から排出されてしまい、予熱効率が低下する。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
本発明の第1の目的は、溶解室の上部に直結されたシャ
フト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源
を溶解する方法において、次ヒート以降では最初に溶解
される冷鉄源の予熱を可能にすると共に、出湯時の溶湯
温度を上昇させて、溶湯温度の低下に伴う出湯口での地
金付着による閉塞や溶湯保持容器内壁への地金付着を防
止することができる冷鉄源の溶解方法を提供することで
あり、又、第2の目的は、溶解室の上部に直結されたシ
ャフト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄
源を溶解する方法において、次ヒート以降では最初に溶
解される冷鉄源の予熱を可能にすると共に、発生するC
Oガスを効率良く二次燃焼させて冷鉄源の予熱効果を高
め、高効率で安定した溶解を行うことのできる冷鉄源の
溶解方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る冷鉄源
の溶解方法は、アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶
解室の上方に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入さ
れるシャフト型の予熱室とを具備したアーク溶解設備で
の冷鉄源の溶解方法において、冷鉄源が予熱室と溶解室
とに連続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的
又は断続的に予熱室へ装入しながら溶解室内の冷鉄源を
アークにて溶解し、1ヒート分以上の所定量の冷鉄源を
予熱室へ装入した時点で、冷鉄源の予熱室への装入を停
止して溶解室内の冷鉄源の溶解を続行し、溶解室内の冷
鉄源を実質的に全量溶解した時点で溶解室内に所定量の
溶湯を残して1ヒート分の溶湯を出湯し、出湯後、再度
冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保
つように冷鉄源を連続的又は断続的に予熱室へ装入しな
がら溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解し、1ヒート分
以上の所定量の冷鉄源を予熱室へ装入した時点で、冷鉄
源の予熱室への装入を停止して溶解室内の冷鉄源の溶解
を続行し、溶解室内の冷鉄源を実質的に全量溶解した時
点で溶解室内に所定量の溶湯を残して1ヒート分の溶湯
を出湯することを繰り返し行うことを特徴とするもので
ある。
【0009】第2の発明に係る冷鉄源の溶解方法は、第
1の発明において、出湯時、溶解室内に残す溶湯量を、
1ヒート分の溶湯量の30%以上とすることを特徴とす
るものである。
【0010】第3の発明に係る冷鉄源の溶解方法は、ア
ーク発生用電極を備えた溶解室と、溶解室の上方に直結
し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型の
予熱室とを具備したアーク溶解設備での冷鉄源の溶解方
法において、予熱室内に開閉可能な仕切板を設けて予熱
室を鉛直方向に2以上の予熱部屋に分割し、各予熱部屋
の上部には冷鉄源で充填されない空間が存在する状態を
保つように、且つ、冷鉄源が鉛直方向最下段の予熱部屋
と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、各仕
切板を開閉させると共に鉛直方向最上段の予熱部屋へ冷
鉄源を装入しながら、溶解室内に酸素及び炭材を吹き込
みつつ溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解室に
所定量の溶湯が溜まった時点で冷鉄源が鉛直方向最下段
の予熱部屋と溶解室とに連続して存在する状態で溶湯を
出湯することを特徴とするものである。
【0011】第4の発明に係る冷鉄源の溶解方法は、第
3の発明において、予熱部屋の上部の、冷鉄源で充填さ
れない空間に酸素又は酸素を含む混合ガスを吹き込むこ
とを特徴とするものである。
【0012】第5の発明に係る冷鉄源の溶解方法は、第
3の発明又は第4の発明において、鉛直方向最下段の予
熱部屋と溶解室との接合部位に、冷鉄源で充填されない
空間を設け、この空間に酸素又は酸素を含む混合ガスを
吹き込むことを特徴とするものである。
【0013】第6の発明に係る冷鉄源の溶解方法は、第
4の発明又は第5の発明において、冷鉄源で充填されな
い空間に吹き込む酸素の総量(Qin)を溶解室に吹き込
む酸素量(Q)に対して下記の(1)式の範囲を満足す
るように制御することを特徴とするものである。 0.55×Q≦Qin≦0.9×Q……(1)
【0014】第1の発明では、所定量の冷鉄源を予熱室
に装入した時点で、冷鉄源の装入を停止して溶解室内の
冷鉄源を実質的に全量溶解してしまうので、出湯時には
冷鉄源と溶湯とが共存しない状態になり、所望する溶湯
過熱度に昇温することが可能であり、又、次ヒート以降
では冷鉄源を予熱室にのみ装入するので、最初に予熱室
に装入される冷鉄源は溶解室内に残留する溶湯中に浸漬
するが、続いて装入される冷鉄源はその上に堆積するの
で、次ヒート以降では冷鉄源の大部分を予熱室内で予熱
することができ、上記第1の目的を達成することができ
る。
【0015】更に、第1の発明では、溶解室に溶湯が残
っている状態で通電して溶解を再開するので、溶解の最
初から酸素及び炭材を溶融スラグ中に吹き込んだスラグ
フォーミング操業が可能となり、アーク着熱効率が向上
し、電力使用量が大幅に削減される。又、操業の開始か
らスラグフォーミング操業が可能となるので、溶解初期
の電圧変動及びフリッカー発生量が少なくなり、溶解毎
に全量の溶湯を出湯するバッチ溶解の場合に比較して、
小規模の電源設備で溶解することが可能になると共に溶
解初期の騒音が少なくなる。その際、溶湯量を1ヒート
分の溶湯量の30%以上とすることで、溶解初期から容
易にスラグフォーミング操業を行うことができる。
【0016】第3の発明では、開閉可能な仕切板で分割
された各予熱部屋の上部に冷鉄源で充填されない空間を
設けているので、溶解室内に吹き込まれた酸素及び炭材
の反応生成物であるCOガスはこの空間で燃焼し、燃焼
ガスがその空間の上方の予熱部屋内に入って冷鉄源を予
熱するので、冷鉄源を高い温度に予熱可能であり、上記
第2の目的を達成することができる。その際、この空間
内に酸素又は酸素を含む混合ガスを吹き込むことで、C
Oガスの二次燃焼の制御が容易となり、より一層高効率
で冷鉄源を予熱することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。先ず、第1の実施の形態につ
いて、図1及び図2に基づき説明する。図1は本発明を
実施するために用いられるアーク溶解設備の縦断面概略
図であり、図2はその平面図である。
【0018】図1及び図2において、内部を耐火物で構
築され、底部に炉底電極7を備えた溶解室3の上部に
は、シャフト型の予熱室4と水冷構造の炉壁5とが配置
され、この予熱室4で覆われない炉壁5の上部開口部
は、開閉自在な水冷構造の炉蓋6で覆われている。この
炉蓋6を貫通して、溶解室3内へ上下移動可能な黒鉛製
の上部電極8が設けられている。炉底電極7と上部電極
8とは直流電源(図示せず)に連結し、炉底電極7と上
部電極8との間でアーク23を発生させる。
【0019】予熱室4の上方には、走行台車28に吊り
下げられた底開き型の供給用バケット19が設けられ、
この供給用バケット19から、予熱室4の上部に設けた
開閉自在な供給口24を介して鉄スクラップや直接還元
鉄等の冷鉄源20が予熱室4内に装入される。そして、
予熱室4の上端に設けられたダクト25は集塵機(図示
せず)に連結し、溶解室3で発生する高温の排ガスは、
予熱室4及びダクト25を順に通って吸引され、予熱室
4内の冷鉄源20は予熱される。予熱された冷鉄源20
は、溶解室3内で溶解される冷鉄源20の量に見合っ
て、溶解室3内に自由落下し、溶解室3へ装入される。
【0020】予熱室4の側壁は下方に向かって広がるテ
ーパーを有している。テーパーを設けることにより予熱
された冷鉄源20を溶解室3へ安定して供給することが
できる。テーパーが形成されない場合には、冷鉄源20
が落下し難くなり、予熱室4内で棚吊りを起こす原因と
なる。このテーパーは2.5〜7度の範囲であることが
好ましい。2.5度未満では予熱室4内の棚吊り発生を
有効に防止することができず、又、7度を越えると予熱
室4内の冷鉄源20の装入量が減少して、冷鉄源20の
予熱室4内の滞留時間を十分に長くすることができず、
十分な予熱効果を得ることができなくなる。
【0021】炉蓋6を貫通して、溶解室3内を上下移動
可能な酸素吹き込みランス14と炭材吹き込みランス1
5とが設けられ、酸素吹き込みランス14からは酸素が
溶解室3内に吹き込まれ、炭材吹き込みランス15から
は空気や窒素等を搬送用ガスとしてコークス、チャー、
石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室3内に吹き込ま
れる。又、溶解室3の予熱室4を設置した部位の反対側
には、その炉底に、扉26で出口側を押さえ付けられて
内部に詰め砂又はマッド剤が充填された出湯口17と、
その側壁に、扉27で出口側を押さえ付けられて内部に
詰め砂又はマッド剤が充填された出滓口18とが設けら
れている。この出湯口17の鉛直上方に対応する部位の
炉蓋6には、バーナー16が取り付けられている。バー
ナー16は、重油、灯油、微粉炭、プロパンガス、天然
ガス等の化石燃料を、空気又は酸素若しくは酸素富化空
気により溶解室3内で燃焼させる。このようにして直流
式アーク溶解設備1が構成されている。
【0022】このように構成されるアーク溶解設備1に
おける冷鉄源20の溶解方法は次のようにして行われ
る。先ず、供給用バケット19より予熱室4内に冷鉄源
20を装入する。予熱室4内に装入された冷鉄源20
は、溶解室3内にも装入され、やがて予熱室4内を充填
する。尚、溶解室3内へ冷鉄源20を均一に装入するた
めに、補修等からの立ち上がりの最初の溶解時には、炉
蓋6を開けて予熱室4と反対側の溶解室3内に冷鉄源2
0を装入することもできる。
【0023】次いで、炉底電極7と上部電極8との間に
直流電流を給電しつつ上部電極8を昇降させ、上部電極
8と炉底電極7及び装入した冷鉄源20との間でアーク
23を発生させる。そして、発生するアーク熱により冷
鉄源20を溶解し、溶湯21を生成させる。溶湯21の
生成と共に、生石灰、蛍石等のフラックスを溶解室3内
に装入して、溶融スラグ22を溶湯21上に形成させ、
溶湯21の酸化を防止すると共に溶湯21の保温を図
る。溶融スラグ22の量が多すぎる場合には、操業中で
も出滓口18から、排滓することができる。
【0024】溶湯21の生成する頃から、酸素吹き込み
ランス14及び炭材吹き込みランス15から、酸素及び
炭材を溶解室3内の溶湯21又は溶融スラグ22中に吹
き込む。溶湯21中に溶解した炭材又は溶融スラグ22
中に懸濁した炭材は、酸素と反応して燃焼熱を発生し、
補助熱源として作用して電力使用量を節約する。同時
に、反応生成物のCOガスが溶融スラグ22をフォーミ
ングさせ、アーク23が溶融スラグ22に包まれた、所
謂スラグフォーミング操業となるので、アーク23の着
熱効率が上昇する。又、大量に発生する高温のCOガス
と、このCOガスが燃焼して生成するCO2 ガスとが、
予熱室4内の冷鉄源20を効率良く予熱する。この炭材
の吹き込み量は、酸素吹き込み量に対応して決める。即
ち、吹き込まれる酸素の化学当量に等しい程度の炭材を
吹き込むこととする。吹き込まれる炭材が酸素吹き込み
量に比べて少ないと、溶湯21が過剰に酸化するので好
ましくない。酸素吹き込みランス14から吹き込まれる
酸素量は、溶解される溶湯21の1トン当り25Nm3
以上、望ましくは40Nm3 以上であることが好まし
い。これにより一層効率良く冷鉄源20を溶解すること
ができる。
【0025】溶湯21の生成に伴い、予熱室4内の冷鉄
源20は溶解室3内で溶解された量に見合って溶解室3
内に自由落下して減少するので、この減少分を補うため
に供給用バケット19から予熱室4へ冷鉄源20を装入
する。この冷鉄源20の予熱室4内への装入は、冷鉄源
20が予熱室4と溶解室3とに連続して存在する状態を
保つように、連続的又は断続的に行う。
【0026】このようにして冷鉄源20を溶解しつつ、
冷鉄源20の装入量が、1ヒート分の溶湯量と溶解室3
内に残留させる溶湯量との合計値になったなら、冷鉄源
20の予熱室4への装入を停止して溶解室3内での溶解
を続け、そして、溶解室3及び予熱室4に残っている冷
鉄源20を実質的に全量溶解して所定の温度まで昇温し
た後、溶解室3内に所定量の溶湯21を残して、溶解室
3を傾動して出湯口17から取鍋等の溶湯保持容器(図
示せず)に1ヒート分の溶湯21を出湯する。その際、
溶解室3に残留させる溶湯量は、前述したように1ヒー
ト分の溶湯量の30%以上とすることが好ましい。出湯
に際しては、溶湯温度の低下に伴う出湯口17の閉塞等
のトラブルを防止するために、バーナー16で溶湯21
を加熱しても良い。
【0027】溶湯21を出湯し、更に必要に応じて溶融
スラグ22を排滓した後、溶解室3を水平に戻し、出湯
口17及び出滓口18内に詰め砂又はマッド材を充填
し、次いで、再度冷鉄源20が溶解室3と予熱室4とに
連続して存在する状態となるように、冷鉄源20を供給
口24から予熱室4に装入し、通電を再開して溶解を再
開する。再開後は溶解室3内に所定量の溶湯21がすで
に存在するので、最初から酸素及び炭材の吹き込みを行
う。尚、再溶解時には、例えば炉蓋6等を外して溶解室
3内に冷鉄源20を直接装入しない。
【0028】溶解の進行に伴い、予熱室4内の冷鉄源2
0のレベルが低下したら、冷鉄源20が予熱室4と溶解
室3とに連続して存在する状態を保つように、冷鉄源2
0を供給用バケット19を介して予熱室4へ連続的又は
断続的に装入する。そして、1ヒート分以上の所定量の
冷鉄源20を予熱室4内に装入したならば、冷鉄源20
の予熱室4への装入を停止し、溶解室3及び予熱室4に
残っている冷鉄源20を実質的に全量溶解し、溶解室3
内に所定量の溶湯21を残留させて1ヒート分の溶湯2
1を出湯する。
【0029】冷鉄源20の予熱室4への装入から溶湯2
1の出湯までを、このようにして繰り返し行い、冷鉄源
20を溶解する。出湯された溶湯21は、必要により溶
湯21を取鍋精錬炉等にて精錬した後、連続鋳造機等で
鋳造する。
【0030】このようにして冷鉄源20を溶解すること
で、所望する溶湯過熱度を得ることができると共に、次
ヒート以降で用いる冷鉄源20の大部分を予熱室4内で
予熱することができ、更に、次ヒート以降では溶解の最
初からスラグフォーミング操業が可能となってアーク着
熱効率が向上し、これらにより電力使用量が大幅に削減
される。又、次ヒート以降では溶解の開始からスラグフ
ォーミング操業が可能となるので、溶解初期の電圧変動
及びフリッカー発生量が少なくなり、溶解毎に全量の溶
湯21を出湯するバッチ溶解の場合に比較して、小規模
の電源設備で溶解することが可能になると共に、溶解初
期の騒音を少なくすることができる。
【0031】次いで、第2の実施の形態について、図3
に基づき説明する。図3は本発明を実施するために用い
られるアーク溶解設備の縦断面概略図である。このアー
ク溶解設備2は、図1に示すアーク溶解設備1と同様に
冷鉄源20を溶解するための溶解室3と、その上方に直
結するシャフト型の予熱室4とを備えている。
【0032】この予熱室4には開閉可能な仕切板9及び
仕切板10が設置されており、予熱室4は鉛直方向に3
つの予熱部屋4a、4b、4cに分割されている。そし
て、予熱部屋4a及び予熱部屋4bには二次燃焼用の酸
素又は酸素を含む混合ガス(以下「酸素含有ガス」と記
す)を吹き込むためのノズル12及びノズル13が設置
されている。又、溶解室3と予熱室4との接合部位に
は、二次燃焼用の酸素含有ガスを吹き込むためのノズル
11が設けられている。その他の構造は図1に示すアー
ク溶解設備1と同一の構造となっており、同一の部分は
同一符号により示し、その説明は省略する。
【0033】このように構成される直流式アーク溶解設
備2において冷鉄源20を溶解するに際しては、先ず、
冷鉄源20が溶解室3と鉛直方向最下段の予熱部屋4a
に連続して存在し、且つ予熱部屋4aの上部に二次燃焼
空間30が形成される状態にすると共に、予熱部屋4b
及び予熱部屋4cにも冷鉄源20が存在し、且つ、予熱
部屋4bの上部にも二次燃焼空間31が形成される状態
になるように、溶解室3及び予熱室4に冷鉄源20を装
入する。尚、鉛直方向最上段の予熱部屋4cの上部にも
空間が形成されるが、この空間は排ガスを二次燃焼させ
るための空間ではなく、排ガスをダクト25に流すため
の空間である。又、溶解室3と予熱室4との接合部位
の、ノズル11が設置された部分にも、二次燃焼空間2
9が形成される状態とすることが好ましい。
【0034】この状態で上部電極8によりアーク23を
形成して冷鉄源20を溶解する。この際に、酸素吹き込
みランス14から酸素を供給し、冷鉄源20の溶解を補
助する。そして、炉内に溶湯21が溜まってきたら、炭
材吹き込みランス15から炭材を吹き込み、スラグフォ
ーミング操業に移行し、上部電極8の先端を溶融スラグ
22中に埋没させ、アーク23が溶融スラグ22内に形
成されるようにする。この補助熱源として吹き込まれた
炭材は、酸素により酸化して生成したFeOを還元して
COガスを発生させるので、結果的にCOガスが生成し
た時の燃焼熱の一部が溶湯21に着熱したことになる。
【0035】又、発生したCOガスの一部は、二次燃焼
空間29でノズル11から吹き込まれた酸素含有ガスに
より燃焼して予熱部屋4aに入り、冷鉄源20に着熱す
る。又、未燃焼のCOガスは二次燃焼空間30でノズル
12から吹き込まれた酸素含有ガスにより燃焼して予熱
部屋4bに入り、冷鉄源20に着熱する。更に、未燃焼
のCOガスは二次燃焼空間31でノズル13から吹き込
まれた酸素含有ガスにより燃焼して予熱部屋4cに入
り、冷鉄源20に着熱した後、ダクト25から排気され
る。
【0036】溶解室3内で冷鉄源20が溶解すると、予
熱部屋4a内の冷鉄源20の上端位置が低下する。所定
量低下したら仕切板9を解放して予熱部屋4b内の冷鉄
源20を予熱部屋4aへ落下させる。次いで、仕切板1
0を解放して予熱部屋4c内の冷鉄源20を予熱部屋4
bへ落下させ、最後に、予熱部屋4cに供給用バケット
19から冷鉄源20を連続的又は断続的に供給する。こ
のようにすることで、常に、一定量の冷鉄源20が溶解
室3と予熱部屋4aとに連続して存在し、且つ、予熱部
屋4b及び予熱部屋4cに冷鉄源20が存在する状態を
保つことができる。この際の仕切板9の開閉は、操業実
績に基づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても
良いし、予熱部屋4a内の冷鉄源20の量を検出可能な
センサーを設け、このセンサーからの信号に基づいて行
っても良い。
【0037】冷鉄源20の溶解が進行して所定量、例え
ば1ヒート分以上の溶湯21が溶解室3内に溜まった
ら、溶解室3及び予熱部屋4a内に冷鉄源20が連続し
て存在する状態を保ったまま、溶解室3を傾動させて出
湯口17から1ヒート分の溶湯21を溶湯保持容器へ出
湯する。出湯に際しては、溶湯21の凝固による出湯口
17の詰まりを防止するために、バーナー16で溶湯2
1を加熱しても良い。
【0038】本発明では予熱室4の中に仕切板9、10
を設置しているが、溶解室3と予熱部屋4aとに冷鉄源
20が連続して存在している状態を保ち、且つ、予熱部
屋4b内にも冷鉄源20がほとんどの時間存在している
ので、これらの冷鉄源20に排ガスの有する熱量が着熱
して排ガスの熱量が低下し、従って、仕切板9、10へ
の熱負荷が小さくなり、溶解室3内に大量の酸素及び炭
材を吹き込んで大量のCOガスを発生させても、仕切板
9、10の熱変形は発生しない。
【0039】二次燃焼空間29、30、31に吹き込む
酸素の総量(Qin)を酸素吹き込みランス14から溶解
室3内に吹き込む酸素量(Q)に対して下記の(1)式
の範囲を満足するように制御することが好ましい。酸素
総量(Qin)が0.9×Qを越えると、燃焼に関与しな
い余剰の酸素が存在するようになり、空気の場合にはそ
れに伴い窒素量も増え、発生ガスの温度が低下して予熱
効率が低下すると共に、余剰酸素により冷鉄源20が酸
化してしまう。一方、酸素総量(Qin)が0.55×Q
未満では、発生するCOガスの全量を燃焼させることが
できず、排ガス中に未燃焼のCOガスが残留することに
なる。 0.55×Q≦Qin≦0.9×Q……(1)
【0040】又、供給する酸素量(Q)は溶解される溶
湯21の1トン当り25Nm3 以上であること、更に好
ましくは40Nm3 以上であることが好ましい。これに
より、一層効率良く冷鉄源20を溶解することができ
る。
【0041】ところで、このように常に冷鉄源20が溶
解室3内に存在している状態で溶解を行うと溶湯温度が
1560℃程度と低いことがあり、溶湯21が出湯口1
7に詰まるおそれがある。このような問題を回避するた
めに、上述のように出湯時にバーナー16で溶湯21を
加熱しても良い。更に、溶湯保持容器に出湯後、十分な
温度に上昇させるために、アーク加熱等により所定の温
度まで溶湯21を昇温しても良い。
【0042】このようにして冷鉄源20を溶解する場合
には、常に冷鉄源20が溶解室3と予熱部屋4aに連続
して存在する状態を保ちながら、且つ、溶解室3から発
生するCOガスを二次燃焼空間29、30、31におい
て燃焼させることが可能であり、補助熱源として吹き込
んだ炭材の燃焼熱を有効に冷鉄源20に着熱させること
ができると共に、次ヒート以降で用いる冷鉄源20を予
熱することができるので、電力原単位の大幅な削減が達
成される。
【0043】尚、上記説明では、アーク発生装置が直流
式の場合について説明したが、交流式としても全く支障
なく本発明を適用することができる。又、図3では、2
つの仕切板を設置した場合について説明したが、仕切板
は1つ以上であれば幾つでも良く、上記に沿って溶解す
ることができる。
【0044】
【実施例】[実施例1]図1に示すアーク溶解設備にお
ける実施例1を以下に説明する。アーク溶解設備は、溶
解室が炉径7.2m、高さ4m、予熱室が幅3m、長さ
5m、高さ7m、炉容量が180トンである。
【0045】先ず、予熱室及び溶解室に約130トンの
常温の鉄スクラップを装入し、直径30インチの黒鉛製
上部電極を用い、最大600V、100KAの電源容量
で溶解を開始した。通電直後、生石灰と蛍石を添加する
と共に、酸素吹き込みランスから6000Nm3 /hr
で酸素を吹き込んだ。溶解室内に溶鋼が溜まってきた時
点で、炭材吹き込みランスからコークスを80kg/m
inとしてスラグ中に吹き込み、スラグフォーミング操
業に移行し、上部電極の先端をフォーミングしたスラグ
中に埋没させた。この時の電圧を500Vに設定した。
そして、予熱室内の鉄スクラップが溶解につれて下降し
たならば、供給用バケットにて鉄スクラップを予熱室に
装入し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の高さに保
持しながら溶解を続けた。
【0046】そして、溶解室内及び予熱室内に連続して
鉄スクラップが存在する状態で溶解を進行させ、予熱室
内に約50トンの鉄スクラップを追加装入した時点で鉄
スクラップの装入を停止し、その後、溶解室内及び予熱
室内の鉄スクラップを溶解し、溶解室内に180トンの
溶鋼が生成した時点で、約60トンの溶鋼を溶解室に残
し、1ヒート分の120トンの溶鋼を取鍋に出湯した。
出湯時の溶鋼の炭素濃度は0.1wt%で、溶鋼温度は
1620℃であった。出湯後、予熱室内に鉄スクラップ
を装入し、再通電すると共に酸素及びコークスの吹き込
みを再開した。この時の電圧は500Vで開始した。再
開後、予熱室内へ約120トンの鉄スクラップを装入し
た時点で鉄スクラップの装入を停止し、その後、溶解室
及び予熱室内の鉄スクラップを溶解して、1620℃ま
で昇温後、約60トンの溶鋼を溶解室に残し、1ヒート
分の120トンの溶鋼を取鍋に出湯した。これを繰り返
し実施した。
【0047】その結果、出湯時の溶鋼温度低下によるト
ラブルを発生させることなく、酸素吹き込み量が33N
3 /t、コークス吹き込み量が26kg/tの条件
で、出湯から出湯までの平均時間を45分とし、電力原
単位を310kWh/tとして溶解することができた。
【0048】表1に、実施例1における電力原単位及び
溶解再開時のアーク騒音の調査結果を示す。又、表1に
は、図1に示すアーク溶解設備と同様な設備を用いて、
1ヒート毎に1ヒート分の120トンの鉄スクラップを
溶解室と予熱室に装入して、溶解した120トンの溶湯
全量を出湯する、従来方法により溶解した時の電力原単
位及び溶解再開時のアーク騒音の調査結果を比較として
合わせて示す。表1に示すように、酸素及びコークス使
用量が同一条件において、実施例1では従来例に比較し
て電力原単位が9%低下した。又、溶解再開時のアーク
騒音も約30%低減していた。
【0049】
【表1】
【0050】[実施例2]図3に示すアーク溶解設備に
おける実施例2を以下に説明する。アーク溶解設備は、
溶解室が炉径7.2m、高さ4m、予熱室が幅3m、長
さ5m、高さ7m、炉容量が180トンである。
【0051】先ず、各予熱部屋及び溶解室に総量で約1
50トンの常温の鉄スクラップを装入し、直径28イン
チの黒鉛製上部電極を用い、最大600V、100KA
の電源容量で溶解を開始した。通電直後、生石灰と蛍石
を添加すると共に、酸素吹き込みランスから6000N
3 /hrで酸素を吹き込んだ。
【0052】溶解室と予熱室との接合部位に設けた二次
燃焼空間、最下段の予熱部屋の二次燃焼空間、及び、中
段の予熱部屋の二次燃焼空間の、それぞれの二次燃焼空
間には各4個のノズルを設置し、3つの各二次燃焼空間
においてそれぞれ毎分125Nm3 の空気を各ノズルか
ら吹き込んだ。そして、溶解室内に溶鋼が溜まってきた
時点で、炭材吹き込みランスからコークスを80kg/
minとしてスラグ中に吹き込み、スラグフォーミング
操業に移行し、上部電極の先端をフォーミングしたスラ
グ中に埋没させた。この時の電圧を400Vに設定し
た。最下段の予熱部屋内の鉄スクラップが溶解につれて
下降したならば、順次仕切板を解放して鉄スクラップを
供給すると共に、供給用バケットにて最上段の予熱部屋
に鉄スクラップを装入し、各予熱部屋内の鉄スクラップ
高さを一定の高さに保持しながら溶解を続けた。
【0053】そして、この状態で溶解室内及び各予熱部
屋内に鉄スクラップが存在する状態で溶解を進行させ、
溶解室内に約180トンの溶鋼が生成した時点で、約6
0トンの溶鋼を溶解室に残し、1ヒート分の120トン
の溶鋼を取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の炭素濃度は
0.1wt%で、溶鋼温度は1560℃であった。出湯
後、再通電すると共に酸素及びコークスの吹き込みを再
開し、再度溶解室内の溶鋼量が180トンになった時点
で120トン出湯することを繰り返し実施した。
【0054】表2に、このようにして繰り返し実施した
5ヒートの操業結果の平均値を示す。又、表2には、同
一アーク溶解設備を用い、二次燃焼用空気を吹き込まず
に、その他の条件を実施例2と同一とした比較例1の5
ヒートの操業結果の平均値、及び、二次燃焼用空気を吹
き込まず、1ヒート毎に1ヒート分の120トンの鉄ス
クラップを溶解室と予熱室に装入し、溶解した120ト
ンの溶湯全量を出湯した比較例2の5ヒートの操業結果
の平均値を合わせて示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2に示すように、実施例2では効率良く
未燃焼ガスを二次燃焼させることができ、電力原単位の
低減が可能となり、酸素吹き込み量が33Nm3 /t、
コークス吹き込み量が26kg/tの条件で、出湯から
出湯までの平均時間を45分とし、電力原単位を220
kWh/tとして溶解することができた。電力原単位は
比較例1及び比較例2に較べて60〜80kWh/t低
減した。出湯後、取鍋精錬炉により1620℃に昇温
し、連続鋳造機にてビレットを鋳造した。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、1ヒート分以上の
所定量の冷鉄源を予熱室へ装入した時点で、冷鉄源の予
熱室への装入を停止して溶解室内の冷鉄源の溶解を続行
し、溶解室内の冷鉄源を実質的に全量溶解した時点で溶
解室内に所定量の溶湯を残して1ヒート分の溶湯を出湯
することを繰り返し行う、本発明による冷鉄源の溶解方
法では、次ヒート以降では最初に溶解される冷鉄源の予
熱を行うことができると共に、溶湯温度の低下に伴う出
湯口での地金付着による閉塞や溶湯保持容器内壁への地
金付着を防止することが可能となる。
【0058】又、仕切板を設けて予熱室を鉛直方向に2
以上の予熱部屋に分割し、各予熱部屋の上部には冷鉄源
で充填されない空間が存在する状態を保つように、且
つ、冷鉄源が鉛直方向最下段の予熱部屋と溶解室とに連
続して存在する状態を保つように、各仕切板を開閉させ
ると共に鉛直方向最上段の予熱部屋へ冷鉄源を装入しな
がら、溶解室内に酸素及び炭材を吹き込みつつ溶解室内
の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶湯が
溜まった時点で冷鉄源が鉛直方向最下段の予熱部屋と溶
解室とに連続して存在する状態で溶湯を出湯する、本発
明による冷鉄源の溶解方法では、次ヒート以降では最初
に溶解される冷鉄源の予熱を行うことができると共に、
COガスを効率良く二次燃焼させて冷鉄源の予熱効果を
高め、高効率で安定した冷鉄源の溶解を行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために用いられるアーク溶解
設備の縦断面概略図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明を実施するために用いられるアーク溶解
設備の縦断面概略図である。
【符号の説明】
1 アーク溶解設備 2 アーク溶解設備 3 溶解室 4 予熱室 4a、4b、4c 予熱部屋 5 炉壁 6 炉蓋 7 炉底電極 8 上部電極 9 仕切板 10 仕切板 11 ノズル 12 ノズル 13 ノズル 14 酸素吹き込みランス 15 炭材吹き込みランス 16 バーナー 17 出湯口 18 出滓口 19 供給用バケット 20 冷鉄源 21 溶湯 22 溶融スラグ 23 アーク
フロントページの続き (72)発明者 久保 博嗣 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K001 AA10 BA22 BA23 EA03 FA11 GA16 GB01 GB02 GB10 JA01 4K014 CA01 CB02 CB05 CB07 CC02 CC04 CC07 CC09 CD02 CD13 CD16 CD18 4K045 AA04 AA07 BA02 CA01 CA02 DA03 DA06 RA03 RA06 RA12 RB02 RB14 RB16 RB22 RC03 RC08 RC10 RC12 RC18 4K063 AA04 AA12 AA13 BA02 CA01 GA02 GA07 GA09 GA33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶
    解室の上方に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入さ
    れるシャフト型の予熱室とを具備したアーク溶解設備で
    の冷鉄源の溶解方法において、冷鉄源が予熱室と溶解室
    とに連続して存在する状態を保つように冷鉄源を連続的
    又は断続的に予熱室へ装入しながら溶解室内の冷鉄源を
    アークにて溶解し、1ヒート分以上の所定量の冷鉄源を
    予熱室へ装入した時点で、冷鉄源の予熱室への装入を停
    止して溶解室内の冷鉄源の溶解を続行し、溶解室内の冷
    鉄源を実質的に全量溶解した時点で溶解室内に所定量の
    溶湯を残して1ヒート分の溶湯を出湯し、出湯後、再度
    冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保
    つように冷鉄源を連続的又は断続的に予熱室へ装入しな
    がら溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解し、1ヒート分
    以上の所定量の冷鉄源を予熱室へ装入した時点で、冷鉄
    源の予熱室への装入を停止して溶解室内の冷鉄源の溶解
    を続行し、溶解室内の冷鉄源を実質的に全量溶解した時
    点で溶解室内に所定量の溶湯を残して1ヒート分の溶湯
    を出湯することを繰り返し行うことを特徴とする冷鉄源
    の溶解方法。
  2. 【請求項2】 出湯時、溶解室内に残す溶湯量を、1ヒ
    ート分の溶湯量の30%以上とすることを特徴とする請
    求項1に記載の冷鉄源の溶解方法。
  3. 【請求項3】 アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶
    解室の上方に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入さ
    れるシャフト型の予熱室とを具備したアーク溶解設備で
    の冷鉄源の溶解方法において、予熱室内に開閉可能な仕
    切板を設けて予熱室を鉛直方向に2以上の予熱部屋に分
    割し、各予熱部屋の上部には冷鉄源で充填されない空間
    が存在する状態を保つように、且つ、冷鉄源が鉛直方向
    最下段の予熱部屋と溶解室とに連続して存在する状態を
    保つように、各仕切板を開閉させると共に鉛直方向最上
    段の予熱部屋へ冷鉄源を装入しながら、溶解室内に酸素
    及び炭材を吹き込みつつ溶解室内の冷鉄源をアークにて
    溶解し、溶解室に所定量の溶湯が溜まった時点で冷鉄源
    が鉛直方向最下段の予熱部屋と溶解室とに連続して存在
    する状態で溶湯を出湯することを特徴とする冷鉄源の溶
    解方法。
  4. 【請求項4】 予熱部屋の上部の、冷鉄源で充填されな
    い空間に酸素又は酸素を含む混合ガスを吹き込むことを
    特徴とする請求項3に記載の冷鉄源の溶解方法。
  5. 【請求項5】 鉛直方向最下段の予熱部屋と溶解室との
    接合部位に、冷鉄源で充填されない空間を設け、この空
    間に酸素又は酸素を含む混合ガスを吹き込むことを特徴
    とする請求項3又は請求項4に記載の冷鉄源の溶解方
    法。
  6. 【請求項6】 冷鉄源で充填されない空間に吹き込む酸
    素の総量(Qin)を溶解室に吹き込む酸素量(Q)に対
    して下記の(1)式の範囲を満足するように制御するこ
    とを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の冷鉄源の
    溶解方法。 0.55×Q≦Qin≦0.9×Q……(1)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9932649B2 (en) 2012-12-21 2018-04-03 Posco Fixed-type electric furnace and molten steel production method

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