JP3814768B2 - アーク炉操業方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶解室と溶解室に直結するシャフト型予熱室とを有するアーク炉で、鉄スクラップや直接還元鉄等の鉄源を溶解して溶鋼を製造する操業方法において、効率良く鉄源を溶解する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄スクラップの発生量の増大と共に、世界的に製鋼用アーク炉が新設されている。このアーク炉では、電極から発生するアーク熱により、鉄スクラップや直接還元鉄等の鉄源を加熱・溶解し、精錬して溶鋼を製造するが、多くの電力を消費するため、溶解中にアーク炉溶解室から発生する高温の排ガスにより鉄源を予熱して加熱・溶解し、電力使用量を極力少なくする方法が多数提案されている。
【0003】
例えば、特開平7−180975号公報(以下、「先行技術1」と記す)には、1段又は2段以上の開閉可能な火格子を装着したシャフト型予熱炉を、アーク炉溶解室の上方に、鉄スクラップ導入路を介して接続して設け、アーク炉溶解室の排ガスにより、シャフト型予熱炉内で予熱された鉄スクラップを、シャフト型予熱炉下部に設けたプッシャーにより、アーク炉予熱室内に連続的又は間歇的に装入する方法が開示されている。
【0004】
特開平7−332874号公報(以下、「先行技術2」と記す)には、アーク炉溶解室の上蓋に接続する水平方向に配置したロータリードラム型の第1の予熱室と、第1の予熱室と底部で接続するシャフト型の第2の予熱室とを配置し、第2の予熱室内で溶解室から発生する排ガスにて鉄源を予熱した後、プッシャーにて第1の予熱室に鉄源を押し込み、そして、回転する第1の予熱室を介して、溶解室内に予熱された鉄源を装入する方法が開示されている。
【0005】
又、特公平6−46145号公報(以下、「先行技術3」と記す)には、溶解室に直結するシャフト型予熱室を設け、溶解室内とシャフト型予熱室内とに1ヒート分の鉄源を溶解毎に装入し、排ガスでシャフト型予熱室内の鉄源を予熱しつつ、溶解された鉄源に見合う量を溶解室内に自由落下させ、こうして、溶解室内とシャフト型予熱室内とに装入された全ての鉄源を溶解する設備が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような方法により、予熱効果の高いものでは、250〜270kWh/tの電力原単位が達成されるとしているが、上記先行技術1〜3には以下の問題点がある。
【0007】
先行技術1及び先行技術2では、予熱された鉄源をアーク炉溶解室内に装入するために、プッシャー又はロータリードラムといった鉄源搬送用の装置が必要であり、このため、溶解室からの排ガスで予熱する際に、予熱温度に限界がある。即ち、溶解室に大量のコークス等の補助熱源と酸素ガスとを吹き込み、この排ガスで鉄源を予熱すれば、予熱温度が高くなり予熱効果が向上するが、上記の搬送用装置の熱変形や融着等の設備トラブルが発生するので、排ガス温度を上げることができない。
【0008】
これに対して、先行技術3では、シャフト型予熱室が溶解室に直結されているため、上述した鉄源搬送用装置を必要とせず、従って、上記の問題点も発生しない。しかしながら、先行技術3では、1ヒート分の溶鋼量を溶解する毎に、予熱室内の鉄源を全て溶解し、予熱室内に鉄源が残らない状態で溶鋼を出鋼するため、次ヒートの最初に装入される鉄源の予熱ができないために、排ガスの有効利用という点では十分とはいえない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、予熱室から溶解室への鉄源搬送用装置を必要とせず、又、次ヒートの初期に装入される鉄源の予熱も可能であり、そして、従来の排ガスを利用した予熱方法では達成できなかった高効率で鉄源を溶解することのできるアーク炉操業方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるアーク炉操業方法は、溶解室と、溶解室に直結したシャフト型の予熱室とを有し、溶解室で発生する排ガスを予熱室に導入して鉄スクラップ等の鉄源を予熱して溶解するアーク炉の操業方法において、鉄源が溶解室と予熱室とに連続して存在する状態を保つように予熱室への鉄源の供給を継続しながら溶解室内の鉄源を溶解し、溶解室に複数ヒート分の溶鋼量が確保された時点で予熱室への鉄源の供給を停止し、次いで、溶解室及び予熱室内の未溶解の鉄源を全て溶解した後、1ヒート分の溶鋼量ずつ分割して出鋼することを特徴とするものである。
【0011】
第2の発明によるアーク炉操業方法は、第1の発明において、溶解室と予熱室とに連続して存在する鉄源の量が、1ヒートの溶鋼量の50wt%以上であることを特徴とするものである。
【0012】
第3の発明によるアーク炉操業方法は、第1又は第2の発明において、コークス等の補助熱源と酸素ガスとを溶解室内に供給することを特徴とするものである。
【0013】
第4の発明によるアーク炉操業方法は、第3の発明において、酸素ガスの供給量が25Nm3 /t以上であることを特徴とするものである。
【0014】
第5の発明によるアーク炉操業方法は、第1の発明ないし第4の発明の何れかの発明において、出鋼前溶解室内に4ヒート分以上の溶鋼量を確保することを特徴とするものである。
【0015】
第6の発明によるアーク炉操業方法は、第1の発明ないし第5の発明の何れかの発明において、分割して出鋼する際に、少なくとも1回は20分間以上の間隔を置いて出鋼することを特徴とするアーク炉操業方法である。
【0016】
本発明においては、溶解室の上部に直結したシャフト型予熱室内で予熱された鉄源が、溶解室内での鉄源の溶解速度に見合って、自然落下して溶解室に装入されるので、予熱室から溶解室への鉄源搬送用装置が不要であり、予熱温度を上昇させることができる。そして、鉄源が溶解室と予熱室とに連続して存在する状態を保つように予熱室への鉄源の供給を継続しながら、複数ヒート分の多量の溶鋼量を一括して溶解するので、予熱された鉄源の使用比率が向上すると共に、排ガスが鉄源の充填された予熱室を通過する時間比率も高くなり、極めて高い予熱効率で溶解することができる。
【0017】
その際に、溶解室と予熱室とに連続して存在する鉄源の量が、1ヒートの溶鋼量の50wt%以上であれば、熱効率が一層向上し、そして、溶解室にコークス等の補助熱源と酸素ガスとを供給して、補助熱源を燃焼させれば、燃焼熱が電力エネルギーの代替となるので、電力原単位を一層低減することができる。この酸素ガスの供給量は、25Nm3 /t以上とすることが好ましい。25Nm3 /t以上とすることで、後述するように、電力原単位の目標値である250kWh/tを達成できるからである。
【0018】
又、一括して溶解する溶鋼量は、少なくとも4ヒート分の溶鋼量を確保することが好ましい。一括して溶解する量が4ヒート分未満では、溶解室に最初に装入される予熱されない鉄源の使用比率が高くなり、予熱の効果が少なくなるためである。そして、連続鋳造等の鋳造作業は、ヒート毎に20分間以上の間隔をおいて実施されるので、出鋼する際に、少なくとも1回は20分間以上の間隔を置いて分割して出鋼すれば、溶鋼収納搬送容器内での待機時間が少なくなり、溶鋼の温度降下を防止することができる。その間、残りの溶鋼は溶解室内で保持されるが、溶鋼温度が低下した場合には、所定の温度まで再度昇熱して出鋼することが可能であり、溶鋼温度の低下によるトラブルを防止することができる。
【0019】
尚、本発明の1ヒートの溶鋼量とは、連続鋳造等の鋳造作業に用いる取鍋等の溶鋼収納搬送容器の1つの容器に収納される溶鋼量であり、これは鋳造作業を実施する建物のクレーン等の吊り上げ荷重から決まる重量である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態の1つの例を示すアーク炉設備の断面概略図である。
【0021】
図において、内部を耐火物で構築され、底部に炉底電極5を備えた溶解室2の上部に、溶解室2と直結してシャフト型の予熱室3が配置され、そして、予熱室3で覆われない溶解室2の上部開口部は開閉自在な炉蓋4で覆われ、この炉蓋4を貫通して溶解室2内を上下移動可能な黒鉛製の上部電極6が設けられて直流アーク炉1が構築されている。
【0022】
予熱室3の上方には、走行台車18に吊り下げられた鉄源供給用バケット7が設けられ、この鉄源供給用バケット7より、予熱室3の上部に設けた開閉自在な鉄源供給口16を介して予熱室3内に鉄源10が供給される。そして、予熱室3の上端のダクト17は集塵機(図示せず)に連結し、溶解室2で発生する高温の排ガスは、予熱室3、及びダクト17を順に通って吸引され、予熱室3内の鉄源10は予熱され、次いで、溶解室2内で溶解された量に見合って、溶解室2内に自由落下して装入される。
【0023】
炉蓋4を貫通して、溶解室2内を上下移動可能な酸素ガス吹き込みランス8と補助熱源吹き込みランス9とが設けられ、酸素ガス吹き込みランス8からは酸素ガスが溶解室2内に吹き込まれ、そして、補助熱源吹き込みランス9からは空気や窒素ガス等を搬送用ガスとして補助熱源が溶解室2内に吹き込まれる。又、溶解室2には、その炉底に、扉14aで出口側を押さえ付けられて内部にマッド剤が充填した出鋼口14と、その側壁に、扉15aで出口側を押さえ付けられて内部にマッド剤が充填した出滓口15とが設けられている。
【0024】
この直流アーク炉1における操業は、先ず、鉄源供給バケット7より予熱室3内に、鉄スクラップや直接還元鉄等の鉄源10を供給する。予熱室3内に供給された鉄源10は、溶解室2内にも初装入として装入され、次いで予熱室3内を充填する。尚、溶解室2内への初装入としての鉄源10を均一に装入するため、炉蓋4を開けて予熱室3と反対側の溶解室2内に鉄源10を装入することもできる。そして、炉底電極5と上部電極6との間に直流電流を給電しつつ、上部電極6を昇降させて上部電極6と炉底電極5及び装入した鉄源10との間でアーク13を発生させる。そして、発生するアーク熱により鉄源10を溶解し、溶鋼11を生成させる。溶鋼11の生成と共に、生石灰、蛍石等のフラックスを溶解室2内に装入して、溶融スラグ12を溶鋼11上に形成させ、溶鋼11の酸化を防止すると共に溶鋼11の保温を図る。溶融スラグ12の量が多すぎる場合には、操業中でも出滓口15から、排滓することができる。
【0025】
溶鋼11の生成する頃から、酸素ガス吹き込みランス8及び補助熱源吹き込みランス9から、酸素ガスと補助熱源とを溶鋼11面又は溶融スラグ12中に吹き込む。補助熱源としては、安価なコークス、チャー、石炭、木炭、黒鉛等の炭材を使用する。溶鋼11中に溶解した炭材又は溶融スラグ12中に懸濁した炭材と、吹き込まれる酸素ガスとが反応して燃焼熱を発生すると共に、反応生成物のCOガスが溶融スラグ12をフォーミングさせて、アーク13が溶融スラグ12に包まれるので、アークの着熱効率が上昇する。この炭材の吹き込み量は、吹き込む酸素ガスの量に対応して決める。即ち、吹き込まれる酸素ガスの化学等量に等しい程度の炭材を添加する。炭材量が吹き込まれる酸素ガス量に比べて少ないと、溶鋼11が過剰に酸化するので好ましくない。酸素ガスの吹き込み量は、溶鋼トン当たり25Nm3 以上とすることが好ましい。酸素ガスの吹き込み量が、溶鋼トン当たり25Nm3 以上となると、後述するように、電力原単位は250kWh/t以下の低い水準を確保することができる。
【0026】
溶鋼11の生成と共に、予熱室3内の鉄源10は、溶解室2内で溶解された量に見合って溶解室2内に自由落下して減少するので、この減少分を補うために、鉄源供給用バケット7から予熱室3へ鉄源10を供給する。この鉄源10の予熱室3内への供給は、鉄源10が溶解室2と予熱室3とに連続して存在する状態を保つように、連続的又は間歇的に行う。その際に、溶解室2と予熱室3とに連続して存在する鉄源10の量が、1ヒート分の溶鋼量の50wt%以上となるようにすることで、予熱効果を高めることができる。
【0027】
このようにして、溶解室2内に複数ヒート分の溶鋼11の量が確保され、溶解室2及び予熱室3に残留する未溶解の鉄源10の溶解により、所定のヒート分に対応する溶鋼量が確保される時点で、予熱室3への鉄源10の供給を停止し、溶解室2及び予熱室3内の全ての未溶解の鉄源10を溶解し、そして、溶鋼11を出鋼するのに都合の良い温度に調整する。次いで、直流アーク炉1を傾動させ、出鋼口14から溶鋼11を1ヒート分ずつ、溶鋼収納搬送容器(図示せず)に分割して出鋼する。
【0028】
その際に、溶解室2内で4ヒート分以上の溶鋼量を確保すると、予熱効果を高めることができる。又、少なくとも1回は、20分間以上、例えば1ヒートの鋳造時間が30分の場合には30分程度の間隔をおいて出鋼することで、溶鋼収納搬送容器内での待機時間を短くすることができる。分割出鋼により、溶解室2内の溶鋼11の温度が低下した場合には、再度アーク加熱して溶鋼温度を上昇させることもできる。尚、出鋼後にLF設備等の昇温機能を有する二次精錬炉を経由してから鋳造しても良い。
【0029】
溶解室2内の溶鋼11を出鋼し、溶融スラグ12を排滓したら、再度鉄源10を溶解室2内に装入して溶解を再開する。その際に、1ヒート分程度の溶鋼11を溶解室2内に残留させて、次回の溶解を再開しても良い。こうすることで、初期の溶解が促進され、溶解効率が一層向上する。
【0030】
このようにして溶解することで、溶解室2内への初装入の鉄源10は予熱されないが、その後に装入される鉄源10は全て予熱されるので、予熱効率の極めて高い状態でアーク炉操業を行うことができ、電力原単位は大幅に低減可能となる。
【0031】
尚、上記説明では、直流アーク炉1の場合について説明したが、交流アーク炉でも全く支障なく本発明を適用でき、更に、上部電極6の数や、炉底電極5等の構造の違いは、本発明の支障とならないことは言うまでもない。
【0032】
【実施例】
図1に示す直流アーク炉と、ビレット連続鋳造機とを有する製鋼工場における実施例を以下に説明する。アーク炉は、溶解室が炉径7.6m、高さ5.5mであり、予熱室が幅3m、長さ5m、高さ7mの直方体形状で、炉容量が600トンである。ビレット連続鋳造機は、鋳片の厚み及び幅共に175mmの5ストランドで、鋳片引抜き速度3.5m/minで鋳造した。取鍋の溶鋼収納量は100トン、即ち1ヒート分の溶鋼量は100トンであり、前記鋳造条件では1ヒートの鋳造時間は約24分である。
【0033】
先ず溶解室及び予熱室内に鉄スクラップ150トンを装入し、直径28インチの黒鉛製上部電極を用い、最大600V、100KAの電源容量により溶解した。溶鋼の生成と共に、生石灰と蛍石とを添加して溶融スラグを形成し、次いで、酸素ガス吹き込みランスから酸素ガスを、補助熱源吹き込みランスからコークスを溶融スラグ中に吹き込んだ。酸素ガスとコークスの吹き込みにより、溶融スラグはフォーミングして上部電極の先端は溶融スラグ中に埋没した。この時の電圧を400Vに設定した。
【0034】
予熱室内の鉄スクラップが溶解につれて下降したら、鉄源供給用バケットにより鉄スクラップを予熱室に供給し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の高さに保持しながら溶解を続け、溶解室内に530トンの溶鋼が生成した時点で、予熱室への鉄スクラップの供給を停止し、その後、溶解室と予熱室内の未溶解の鉄スクラップを完全に溶解して1620℃まで昇温し、600トン即ち6ヒート分の溶鋼を得た。
【0035】
この溶解中、酸素ガス及びコークスの吹き込み量を5水準に変更し、それぞれ酸素ガス原単位及びコークス原単位を、実施例1では20Nm3/t、16kg/t、実施例2では25Nm3/t、20kg/t、実施例3では33Nm3/t、26kg/t、実施例4では38Nm3/t、30kg/t、実施例5では45Nm3/t、36kg/tとして実施した。
【0036】
次いで、5分間隔で100トンずつ分割して取鍋に連続して3ヒート分を出鋼した後、溶解室内に300トン残留した状態で保持した。そして、3ヒート目の出鋼開始から65分間溶解室内で保持した後、1620℃に昇温して、残りの3ヒート分の溶鋼を5分間隔で取鍋に分割して出鋼した。ビレット連続鋳造機では、先の3ヒートに続き、合計6ヒート分の溶鋼を連続して鋳造した。
【0037】
比較のために、100トンの鉄スクラップを溶解室と予熱室とに装入し、鉄スクラップの追加装入なしに1ヒート分の溶鋼を、連続して6回バッチ溶解する比較例も実施した。比較例での酸素ガス原単位及びコークス原単位は、それぞれ33Nm3/t、26kg/tであり、実施例3と同じ条件である。
【0038】
表1に、実施例1〜5及び比較例の操業結果を示す。実施例1〜5共に、比較例より電力原単位が低減し、特に、酸素ガス及びコークス原単位が同一な実施例3との比較では、電力原単位は85kWh/t低下していた。又、酸素ガス原単位の高い実施例5では、比較例に比べて130kWh/tの電力原単位を低減することができた。
【0039】
【表1】
Figure 0003814768
【0040】
又、図2に、実施例1〜5において得られた電力原単位に及ぼす酸素ガス原単位の影響を示す。図に示すように酸素ガス原単位が増加するに従い電力原単位は低減し、電力原単位の目標を250kWh/tとすると、250kWh/tを達成するためには、酸素ガス原単位を25Nm3/t以上とすれば良いことが分かった。このように、本発明により予熱効果が向上し、電力原単位を大幅に低減することができた。
【0041】
【発明の効果】
本発明では、溶解室と直結した予熱室を有するアーク炉にて、鉄源が溶解室と予熱室とに連続して存在する状態を保ちつつ鉄源を予熱し、複数ヒート分の溶鋼を一括して溶解するので、予熱室から溶解室への鉄源搬送用装置を必要とせずに予熱温度を高めることが可能であり、且つ、予熱された鉄源の使用比率が高くなると共に、高温の排ガスが鉄源の充填された予熱室を通過する時間比率も高くなり、極めて高い予熱効率で溶解することができ、その結果、電力原単位を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つの例を示すアーク炉設備の断面概略図である。
【図2】実施例から得られた電力原単位に及ぼす酸素ガス原単位の影響を示す図である。
【符号の説明】
1 直流アーク炉
2 溶解室
3 予熱室
4 炉蓋
5 炉底電極
6 上部電極
7 鉄源供給用バケット
8 酸素ガス吹き込みランス
9 補助熱源吹き込みランス
10 鉄源
11 溶鋼
12 溶融スラグ
13 アーク

Claims (6)

  1. 溶解室と、溶解室に直結したシャフト型の予熱室とを有し、溶解室で発生する排ガスを予熱室に導入して鉄スクラップ等の鉄源を予熱して溶解するアーク炉の操業方法において、鉄源が溶解室と予熱室とに連続して存在する状態を保つように予熱室への鉄源の供給を継続しながら溶解室内の鉄源を溶解し、溶解室に複数ヒート分の溶鋼量が確保された時点で予熱室への鉄源の供給を停止し、次いで、溶解室及び予熱室内の未溶解の鉄源を全て溶解した後、1ヒート分の溶鋼量ずつ分割して出鋼することを特徴とするアーク炉操業方法。
  2. 溶解室と予熱室とに連続して存在する鉄源の量が、1ヒートの溶鋼量の50wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアーク炉操業方法。
  3. コークス等の補助熱源と酸素ガスとを溶解室内に供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアーク炉操業方法。
  4. 前記酸素ガスの供給量が25Nm3 /t以上であることを特徴とする請求項3に記載のアーク炉操業方法。
  5. 出鋼前溶解室内に4ヒート分以上の溶鋼量を確保することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載のアーク炉操業方法。
  6. 分割して出鋼する際に、少なくとも1回は20分間以上の間隔を置いて出鋼することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載のアーク炉操業方法。
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