JP2002206859A - 冷鉄源の溶解設備 - Google Patents

冷鉄源の溶解設備

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JP2002206859A
JP2002206859A JP2001004322A JP2001004322A JP2002206859A JP 2002206859 A JP2002206859 A JP 2002206859A JP 2001004322 A JP2001004322 A JP 2001004322A JP 2001004322 A JP2001004322 A JP 2001004322A JP 2002206859 A JP2002206859 A JP 2002206859A
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chamber
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cold iron
preheating
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Mitsuhito Fujimoto
光仁 藤本
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Nippon Kokan Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解室に直結された予熱室を有するアーク溶
解設備を用いて溶解する際に、予熱室での冷鉄源の棚吊
りを防止することのできる溶解設備を提供する。 【解決手段】 本発明の溶解設備1は、冷鉄源16を溶
解するための溶解室2と、その上部に直結し、冷鉄源を
予熱するためのシャフト型の予熱室3と、冷鉄源を溶解
するためのアーク発生用電極6,7と、冷鉄源が溶解室
と予熱室に連続して存在する状態を保つように予熱室へ
冷鉄源を供給する冷鉄源供給手段14と、溶湯17を出
湯するための出湯口10とを有し、溶解室内の冷鉄源を
アーク20にて溶解し、溶解室に所定量の溶湯が溜まっ
た時点で溶解室及び予熱室に冷鉄源が存在する状態で溶
湯を出湯する溶解設備において、予熱室と溶解室とが直
結する部位の溶解室側壁2bの内面が、曲面形状若しく
は多面形状であり且つ溶解室の底部に向かって次第に小
さくなる傾斜を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源をアーク熱により溶解する溶解設備
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク溶解設備では、アーク熱に
て鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源を加熱・溶解
し、精錬して溶鋼を製造するが、多くの電力を消費する
ため、溶解中にアーク溶解設備の溶解室から発生する高
温の排ガスを利用して冷鉄源を予熱し、予熱した冷鉄源
を溶解することにより電力使用量を削減する方法が多数
提案されている。
【0003】例えば、特開平7−180975号公報
(以下「先行技術1」と記す)には、開閉可能な火格子
を装着したシャフト型の予熱室を溶解室の上方に冷鉄源
導入路を介して接続して設け、火格子で保持した冷鉄源
を排ガスにより予熱し、予熱した冷鉄源を冷鉄源導入路
に設けたプッシャーにて溶解室内に供給する設備が開示
されている。しかし、先行技術1では火格子及びプッシ
ャーといった冷鉄源の保持・搬送用装置が必要であり、
このため、排ガスで予熱する際に予熱温度に限界があ
り、効率的な予熱ができない。何故なら、高温の排ガス
で冷鉄源を予熱すれば予熱効果が向上するが、上記の保
持・搬送用装置の熱変形や融着等の設備トラブルが発生
するので、排ガス温度を上げることができないからであ
る。
【0004】特公平6−46145号公報(以下「先行
技術2」と記す)には、溶解室に直結するシャフト型の
予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒート分の冷
鉄源を溶解毎に装入し、装入した冷鉄源を排ガスで予熱
しつつ溶解する設備が開示されている。先行技術2で
は、予熱室が溶解室に直結されているので、先行技術1
のような冷鉄源の保持・搬送用設備を必要とせず、その
ため、これら設備の熱による設備トラブルを懸念するこ
となく排ガス温度を上昇させ、冷鉄源の予熱温度を上げ
ることができる。しかし、先行技術2では、1ヒート分
の溶鋼量を溶解する毎に予熱室内の全ての冷鉄源を溶解
し、予熱室内に冷鉄源が残らない状態で溶鋼を出湯する
ため、次ヒートで溶解される冷鉄源の約50%は予熱さ
れず、排ガスの有効利用という点では十分とは云えな
い。
【0005】先行技術2における問題を解決すべく、特
開平10−292990号公報(以下「先行技術3」と
記す)が提案されている。先行技術3による溶解方法
は、溶解室の上部に直結するシャフト型の予熱室を備え
たアーク溶解設備を用い、冷鉄源が溶解室と予熱室とに
連続して存在する状態を保つように冷鉄源を予熱室へ供
給しながら溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解
室に所定量の溶鋼が溜まった時点で、溶解室及び予熱室
に冷鉄源が存在する状態で溶鋼を出湯する方法である。
この溶解方法では、冷鉄源の保持・搬送用設備を必要と
せず、且つ、予熱室内及び溶解室内には常に冷鉄源が存
在し、2ヒート目以降では溶解される全ての冷鉄源が溶
解室で発生する高温の排ガスにより予熱されるので、電
力使用量の大幅な削減が達成できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術3でも以下の問題点がある。即ち、先行技術3では冷
鉄源が連続的に予熱室から溶解室内の溶湯に供給されて
いる場合には、高温に予熱された冷鉄源の定常的な溶解
が可能となり、電力原単位の低減を図ることができるも
のの、予熱室の下部又は下方位置で冷鉄源が棚吊りし
て、冷鉄源の前面には空間があるにも拘わらず冷鉄源が
溶湯中に落ちていかず、冷鉄源の溶解が停滞することが
ある。この現象は特にトラブルにはならないが、このよ
うな現象が生じると、溶解時間の延長や溶湯温度の上昇
等が生じ、安定操業に支障をきたすこととなる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、溶解室の上部に直結されたシ
ャフト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄
源を溶解する際に、予熱室の下部又は下方位置における
冷鉄源の棚吊りを防止し、常に安定操業を行うことので
きる冷鉄源の溶解設備を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明による冷鉄源
の溶解設備は、冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
上部に直結し、冷鉄源を予熱するためのシャフト型の予
熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク発生
用電極と、冷鉄源が溶解室と予熱室に連続して存在する
状態を保つように予熱室へ冷鉄源を供給する冷鉄源供給
手段と、溶湯を出湯するための出湯口とを有し、溶解室
内の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶湯
が溜まった時点で溶解室及び予熱室に冷鉄源が存在する
状態で溶湯を出湯する、冷鉄源の溶解設備において、予
熱室と溶解室とが直結する部位の溶解室の側壁内面が、
曲面形状若しくは多面形状であり且つ溶解室の底部に向
かって次第に小さくなる傾斜を有していることを特徴と
し、第2の発明による冷鉄源の溶解設備は、第1の発明
において、前記予熱室の側壁内面と前記溶解室の側壁内
面との接合部位に段差がないことを特徴とし、第3の発
明による冷鉄源の溶解設備は、第1の発明又は第2の発
明において、前記予熱室が、下方に向かって次第に広く
なる断面形状を有していることを特徴とする。
【0009】本発明では、予熱室と接続する溶解室の側
壁内面をサイクロイド又は放物線等の曲面形状若しくは
多面形状とし、且つ、その傾斜を溶解室の底部に向かっ
て次第に小さくなるようにしているので、予熱室内の冷
鉄源は自重により容易に予熱室側壁及び溶解室側壁を滑
り落ちて溶解室内に供給され、予熱室の下部又は下方位
置で長期間に渡って滞留することがなくなるため、冷鉄
源の棚吊りが防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明によるアーク
溶解設備の実施の形態例を示す斜視図、図2はその平面
図、図3は、図1のX−X’矢視による縦断面図、図4
は、図1のY−Y’矢視による断面図である。
【0011】この直流式アーク溶解設備1は、冷鉄源1
6をアーク溶解するための溶解室2と、その上部に直結
し、溶解室2の反対側に傾斜したシャフト型の予熱室3
とを備えている。予熱室3の上部には、集塵機(図示せ
ず)に連結するダクト15が設けられている。この溶解
室2及び予熱室3には鉄スクラップや直接還元鉄等の冷
鉄源16が装入される。予熱室3への冷鉄源16の装入
時に、予熱室3内が外気と遮断されるように、予熱室3
はゲート4及びゲート5の二重の装入用開閉ゲートを備
えている。
【0012】予熱室3の上方には供給用バケット台車1
4が設けられており、この供給用バケット台車14か
ら、予熱室3の上部に設けられた二重の開閉ゲート4,
5を介して予熱室3内に鉄スクラップや直接還元鉄等の
冷鉄源16が装入される。この場合に、供給用バケット
台車14からの冷鉄源16の装入は、操業中に、冷鉄源
16が溶解室2と予熱室3に連続して存在する状態を保
つように、予熱室3へ冷鉄源16を連続的又は断続的に
供給する。この際の冷鉄源16の装入は、操業実績に基
づいて予め設定されたレシピに基づいて行っても良い
し、予熱室3内の冷鉄源16の量を検出可能なセンサー
を設け、このセンサーからの信号に基づいて供給用バケ
ット台車14による冷鉄源16の投入を制御するように
しても良い。
【0013】溶解室2の上部には開閉可能な蓋19が設
けられており、その蓋19を貫通して溶解室2の上方か
らその中に上部電極7が挿入されている。又、溶解室2
の底部には、上部電極7と対向する位置に底部電極6が
設けられている。そしてこれらの電極によって形成され
るアーク20により、冷鉄源16が溶解され、溶湯17
となる。溶湯17の上には溶融スラグ18が形成されて
おり、アーク20はこの溶融スラグ18内に形成される
こととなる。
【0014】又、溶解室2には酸素吹き込みランス8及
び炭材吹き込みランス9がその先端を溶湯湯面に向けて
挿入されており、酸素吹き込みランス8からは酸素が溶
解室2内に吹き込まれ、そして、炭材吹き込みランス9
からは空気や窒素等を搬送用ガスとしてコークス、チャ
ー、石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室2内に吹き
込まれる。
【0015】溶解室2の予熱室3が直結されている側と
は異なる部分に設けられた突出部2aの底部には出湯口
10が形成されており、この出湯口10を開閉するため
の扉11が設けられている。又、突出部2aと対向する
溶解室2の側壁には、その出口側を扉13で塞がれた出
滓口12が設けられている。
【0016】予熱室3の側壁は、下方に向かって広がる
テーパーを有している。このようなテーパーを設けるこ
とにより、溶解室2内の溶湯17中へ高温の冷鉄源16
を安定的に供給することができる。テーパーが形成され
ていない場合には、冷鉄源16が予熱室3の壁部に拘束
され、冷鉄源16の自然落下が阻害され、棚吊りの原因
となる。
【0017】予熱室3と溶解室2とが接続する部位の溶
解室2の側壁2bは、図3に示すように、その内面が溶
解室2の底部に向かって次第に小さくなる傾斜を有する
曲面形状となっている。この曲面はサイクロイド又は放
物線等とすれば良い。又、曲面形状に限ることはなく、
各々の傾斜が溶解室2の底部に向かって次第に小さくな
るならば、多面形状としても良い。又、予熱室3の側壁
内面と、溶解室2の側壁2b内面との接合部位には段差
がなく、接合部位が冷鉄源16の降下の際に抵抗となら
ないようになっている。但し、このような冷鉄源16の
溶解設備は精密装置ではなく、従って、10mm未満の
段差は許容することとする。
【0018】予熱室3の底部の冷鉄源16は、加熱源で
あるアーク20から離れているために溶解が遅い。その
ため、予熱室3内において、溶解室2の中心側に存在す
る冷鉄源16に比較してそれと反対側に存在する冷鉄源
16の降下速度は遅くなり、通常、この部分に存在する
冷鉄源16は滞留しがちであるが、溶解室2の側壁2b
の形状を上記のようにすることで、冷鉄源16の滞留が
解消され、棚吊りを未然に防止することができる。
【0019】このように構成される直流式アーク溶解設
備1において冷鉄源16を溶解するに際しては、先ず、
溶解室2と予熱室3に冷鉄源16を装入し、冷鉄源16
が溶解室2と予熱室3に連続して存在する状態とする。
そして、この状態でアーク20を形成して溶解室2内に
装入した冷鉄源16を溶解する。
【0020】この際に、酸素吹き込みランス8から酸素
を供給し、冷鉄源16の溶解を補助する。そして、溶解
室2内に溶湯17が溜まってきたら、炭材吹き込みラン
ス9から溶融スラグ18中に炭材を吹き込む。吹き込ま
れた炭材は酸素と反応して燃焼熱を発生し、補助熱源と
して作用して電力使用量を節約する。同時に、反応生成
物のCOガス気泡21が溶融スラグ18をフォーミング
させ、アーク20が溶融スラグ18に包まれた、所謂ス
ラグフォーミング操業となるので、アーク20の着熱効
率が上昇する。
【0021】この溶解により発生する排ガスは、予熱室
3及びダクト15を経由して排出され、この排ガスの熱
により予熱室3内の冷鉄源16が予熱される。溶解室2
内で冷鉄源16が溶解するに伴い、予熱室3の冷鉄源1
6が順次溶解室2に供給されるため、予熱室3内の冷鉄
源16の上端位置が低下してくる。この場合、予熱室3
内に供給した冷鉄源16が溶解室2と予熱室3に連続し
て存在する状態を保つように、供給用バケット台車14
から予熱室3へ冷鉄源16を連続的又は断続的に供給す
る。これにより、常に一定量以上の冷鉄源16が溶解室
2及び予熱室3内に存在している状態が保たれる。
【0022】冷鉄源16の溶解が進行して、溶解室2内
に所定量の溶湯17、例えば1ヒート分以上の溶湯17
が溜まったなら、必要に応じて溶湯17の成分を調整し
た後、溶解室2を傾動させつつ、予熱室3に供給した冷
鉄源16が溶解室2及び予熱室3に連続して存在する状
態を保ったまま、出湯口10を塞いでいた扉11を開
き、出湯口10から1ヒート分の溶湯17を溶湯保持容
器(図示せず)へ出湯する。
【0023】出湯後、必要に応じて溶湯17を取鍋精錬
炉等にて昇温して精錬した後、連続鋳造機等で鋳造す
る。溶湯17を出湯し、更に必要に応じて溶融スラグ1
8を排滓した後、溶解室2を水平に戻し、出湯口10内
に詰め砂又はマッド材を充填した後、次回ヒートの溶解
を開始する。又、出湯時に、数トン〜数十トンの溶湯1
7を溶解室2内に残留させて、次回ヒートの溶解を再開
しても良い。こうすることで初期の溶解が促進され、溶
解効率が向上する。
【0024】このように、本発明による直流式アーク溶
解設備1を用いて冷鉄源16を溶解する場合には、予熱
室3内には火格子やプッシャー等の冷鉄源16の保持・
搬送用装置を備えていないので、これらが備えられたア
ーク溶解設備に較べて酸素使用量を増加することがで
き、排ガス温度を高めることができる。又、常に冷鉄源
16が溶解室2と予熱室3とに連続して存在する状態を
保ちつつ溶解して出湯するので、2ヒート目以降では溶
解される全ての冷鉄源16が溶解室2で発生する高温の
排ガスにより予熱され、排ガスによる冷鉄源16の予熱
効率を高めることができる。そして、上述したように、
溶解室2の側壁2bを、溶解室2の底部に向かって次第
に小さくなる傾斜を有する曲面形状若しくは多面形状と
しているので、予熱室3から溶解室2への冷鉄源16の
供給が円滑になり、冷鉄源16の棚吊りが防止されるの
で、安定した溶解を継続することができる。
【0025】上述したように、効率良く冷鉄源16を溶
解する観点から、コークス等の保持熱源を使用すること
が望ましく、上述した炭材吹き込みランス9から炭材を
吹き込むと共に酸素吹き込みランス8から酸素を吹き込
むことにより、COガスを生成させ、熱を発生させるこ
とができる。この場合に、酸素吹き込みランス8から供
給する酸素量を溶湯トン当たり25Nm3 (以下「Nm
3 /t」と記す)以上、望ましくは40Nm3 /t以上
とすることが好ましい。これにより一層効率良く冷鉄源
16を溶解することができる。
【0026】尚、上記説明では直流式アーク溶解設備1
の場合について説明したが、交流式アーク溶解設備でも
全く支障なく本発明を適用でき、又、底部電極6や出湯
口10等の構造の違いは、本発明の支障とならないこと
は云うまでもない。
【0027】
【実施例】図1〜4に示すアーク溶解設備における本発
明例を説明する。溶解室(幅:3m、長さ:8.5m、
高さ:4m)と予熱室(幅:3m、長さ:3m、高さ:
7m)とが直結した直流式アーク溶解設備の溶解室内及
び予熱室内に、鉄スクラップ150トンを装入し、溶解
室にて30インチの黒鉛製上部電極により、最大750
V、130kAの電源容量でアークを形成し、鉄スクラ
ップを溶解した。又、酸素吹き込みランスから5500
Nm3 /hrの量で送酸した。溶解室内に溶鋼が溜まっ
てきた時点で、80kg/minでコークスをスラグ中
に吹き込み、スラグフォーミング操業に移行し、黒鉛製
上部電極の先端をフォーミングスラグ中に埋没させた。
この時の電圧は550Vに設定した。予熱室内の鉄スク
ラップが溶解室内での鉄スクラップの溶解に伴って下降
したら、予熱室上部から供給用バケット台車を介して鉄
スクラップを供給し、予熱室内の鉄スクラップの高さを
一定の高さに保持した。
【0028】このように、溶解室内及び予熱室内に連続
して鉄スクラップが存在する状態で溶解を進行させ、溶
解室内に180トンの溶鋼が生成した段階で、60トン
を溶解室内に残し、1ヒート分の120トンの溶鋼を出
湯口から取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の温度は156
0℃であり、溶鋼中のC濃度は0.1%であった。出湯
口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱した。
【0029】120トン出湯後も送酸とコークス吹き込
みを行いながらスラグフォーミング操業を行って溶解を
継続し、再度溶解室内の溶鋼量が180トンになったら
120トン出湯することを繰り返した。その結果、酸素
吹き込み量が33Nm3 /t、コークス原単位が26k
g/tの操業条件で、120トンの溶鋼を出湯から出湯
までの平均時間が約40分間で、電力原単位が170k
Wh/tで溶解することができた。
【0030】一方、予熱室と接合する部位の溶解室の側
壁内面を鉛直形状とし、その他は本発明例と同一の直流
式アーク溶解設備を用い、本発明例と同様の方法で鉄ス
クラップを溶解した従来例では、予熱室の下部及び下方
位置で棚吊り現象が長時間継続する異常操業が6ヒート
に1回程度の頻度で発生した。
【0031】図5は、本発明例と従来例とで出湯から出
湯までの時間とその頻度を比較して示す図である。図5
に示すように、従来例では溶解室内の溶鋼への鉄スクラ
ップの供給が遅れ、その結果、出湯から出湯までの時間
が長くなったヒートが存在したが、本発明例では何れの
ヒートもほぼ40分間であり、安定した操業を継続する
ことができた。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、溶解室へ冷鉄源を搬送
供給するための装置を特に設けなくても、冷鉄源が予熱
室から溶解室へ自重で滑らかに降下していくため、棚吊
りを発生させずに、冷鉄源を安定して溶解室へ供給する
ことができる。又、冷鉄源が溶解室と予熱室とに連続し
て存在する状態を保ちつつ溶解して出湯するので、2ヒ
ート目以降では溶解される全ての冷鉄源が溶解室で発生
する高温の排ガスにより予熱され、排ガスによる冷鉄源
の予熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアーク溶解設備の実施の形態例を
示す斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のX−X’矢視による縦断面図である。
【図4】図1のY−Y’矢視による断面図である。
【図5】本発明例と従来例とで出湯から出湯までの時間
を比較して示す図である。
【符号の説明】
1 直流式アーク溶解設備 2 溶解室 3 予熱室 6 底部電極 7 上部電極 10 出湯口 14 供給用バケット台車 16 冷鉄源 17 溶湯 18 溶融スラグ 20 アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 13/00 F27D 13/00 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
    上部に直結し、冷鉄源を予熱するためのシャフト型の予
    熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク発生
    用電極と、冷鉄源が溶解室と予熱室に連続して存在する
    状態を保つように予熱室へ冷鉄源を供給する冷鉄源供給
    手段と、溶湯を出湯するための出湯口とを有し、溶解室
    内の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶湯
    が溜まった時点で溶解室及び予熱室に冷鉄源が存在する
    状態で溶湯を出湯する、冷鉄源の溶解設備において、予
    熱室と溶解室とが直結する部位の溶解室の側壁内面が、
    曲面形状若しくは多面形状であり且つ溶解室の底部に向
    かって次第に小さくなる傾斜を有していることを特徴と
    する冷鉄源の溶解設備。
  2. 【請求項2】 前記予熱室の側壁内面と前記溶解室の側
    壁内面との接合部位に段差がないことを特徴とする請求
    項1に記載の冷鉄源の溶解設備。
  3. 【請求項3】 前記予熱室が、下方に向かって次第に広
    くなる断面形状を有していることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の冷鉄源の溶解設備。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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