JP2001220618A - 冷鉄源の溶解方法 - Google Patents

冷鉄源の溶解方法

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JP2001220618A
JP2001220618A JP2000029867A JP2000029867A JP2001220618A JP 2001220618 A JP2001220618 A JP 2001220618A JP 2000029867 A JP2000029867 A JP 2000029867A JP 2000029867 A JP2000029867 A JP 2000029867A JP 2001220618 A JP2001220618 A JP 2001220618A
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melting
chamber
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cold iron
preheating chamber
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JP2000029867A
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English (en)
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
Takeshi Nakayama
剛 中山
Toshimichi Maki
敏道 牧
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解室の上部に直結されたシャフト型の予熱
室を有するアーク溶解設備を用いて溶解する際に、予熱
室内における冷鉄源の融着を防止する。 【解決手段】 アーク発生用電極6、7を備えた溶解室
2と、溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入
されるシャフト型の予熱室3とを具備したアーク溶解設
備1を用い、冷鉄源14が予熱室と溶解室とに連続して
存在する状態を保つように冷鉄源を予熱室へ供給しなが
ら溶解室内の冷鉄源をアーク17にて溶解し、溶解室に
所定量の溶湯15が溜まった時点で、冷鉄源が予熱室と
溶解室とに連続して存在する状態で溶湯を出湯する冷鉄
源の溶解方法において、予熱室内の排ガス中の酸素濃度
を5%以下に制御しつつ溶解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源をアーク熱により効率良く溶解する
溶解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク溶解設備では、アーク発生
用電極から発生するアーク熱により鉄スクラップや直接
還元鉄等の冷鉄源を加熱・溶解し、精錬して溶鋼を製造
するが、多くの電力を消費するため、溶解中にアーク溶
解設備の溶解室から発生する高温の排ガスを利用して冷
鉄源を予熱し、予熱した冷鉄源を溶解することで電力使
用量を削減する方法が多数提案されている。
【0003】例えば、特公平6−46145号公報(以
下「先行技術1」と記す)には、溶解室に直結したシャ
フト型の予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒー
ト分の冷鉄源を溶解毎に装入して、この冷鉄源を排ガス
で予熱しつつ溶解する設備が開示されている。先行技術
1では、予熱室が溶解室に直結されているので冷鉄源の
保持・搬送用設備が必要でなく、そのため、これら設備
の設備トラブルを懸念することなく排ガス温度を上昇さ
せ、冷鉄源の予熱温度を上げることができるので、電力
削減効果に優れるが、1ヒート分の溶鋼量を溶解する毎
に予熱室内の全ての冷鉄源を溶解して出湯し、再度冷鉄
源を溶解室及び予熱室に装入して溶解を再開するため、
溶解される冷鉄源の約50%は予熱されず、排ガスの有
効利用と云う点では十分とは云えない。
【0004】この問題を解決すべく、特開平10−29
2990号公報(以下「先行技術2」と記す)及び特開
平11−248356号公報(以下「先行技術3」と記
す)が本発明者等により提案されている。先行技術2に
よる溶解方法は、溶解室の上部に直結するシャフト型の
予熱室を備えたアーク溶解設備を用い、冷鉄源が予熱室
と溶解室とに連続して存在する状態を保つように冷鉄源
を連続的又は断続的に予熱室へ供給しながら、溶解室内
の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶鋼が
溜まった時点で、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して
存在する状態で溶鋼を出湯する溶解方法である。又、先
行技術3による溶解方法は、先行技術2の溶解方法に加
えて、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で溶解室を
傾動させて冷鉄源と溶鋼との接触面積を減少させ、溶鋼
を加熱した後に出湯する溶解方法である。
【0005】先行技術2及び先行技術3においては、冷
鉄源が溶解室と予熱室に連続して存在する状態を保つよ
うに予熱室へ冷鉄源を供給しながら溶解室内の冷鉄源を
溶解し、溶解室に所定量の溶鋼が溜まった時点で溶解室
及び予熱室に連続して冷鉄源が存在する状態で出湯する
ので、次ヒート以降では使用する全ての冷鉄源が予熱さ
れ、電力使用量を大幅に削減することができ、従来の排
ガスを利用した冷鉄源の溶解方法及び溶解設備では達成
できなかった高効率の溶解を実現することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術2及び先行技術3でも以下の問題点がある。即ち、先
行技術2及び先行技術3では、予熱室に装入された冷鉄
源は、溶解室内における冷鉄源の溶解に伴い、自由落下
して溶解室内に供給されることを前提としているが、実
際には溶解中に予熱室内の冷鉄源同士が融着して、溶解
室内に冷鉄源が供給されず、溶解の停滞することが発生
する。この場合には、溶解が遅延して操業計画の修正を
余儀なくされ、安定操業が阻害されるが、先行技術2及
び先行技術3では、この対策が採られておらず、十分な
安定操業が行われているとは言い難い。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、溶解室の上部に直結されたシ
ャフト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄
源を溶解する方法において、予熱室内における冷鉄源の
融着を防止し、常に安定操業を行うことのできる冷鉄源
の溶解方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために種々検討した。その結果、予熱室内にお
ける冷鉄源同士の融着の発生頻度は、冷鉄源で充填され
た予熱室内を通過する排ガス中の酸素濃度に影響するこ
と、即ち、排ガス中の酸素濃度が高くなるに伴い、融着
の発生頻度が高くなることが分かった。この原因は、高
温に予熱された冷鉄源が局所的に酸素と反応し、この反
応熱によりFeOの融体を生成し、これにより冷鉄源同
士が融着して発生するものと想定される。排ガス中の酸
素濃度が高くなるほど、FeOの融体は生成し易くな
る。
【0009】そこで、予熱室を通過する排ガス中の酸素
濃度を変化させた操業を行い、冷鉄源の融着の発生頻度
との関係を調査した結果、予熱室を通過する排ガス中の
酸素濃度を5%以下とすることで、予熱室における冷鉄
源同士の融着が防止されるとの知見を得た。
【0010】本発明は、この知見に基づきなされたもの
で、第1の発明による冷鉄源の溶解方法は、アーク発生
用電極を備えた溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発
生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室とを具備
したアーク溶解設備を用い、冷鉄源が予熱室と溶解室と
に連続して存在する状態を保つように冷鉄源を予熱室へ
供給しながら溶解室内の冷鉄源をアークにて溶解し、溶
解室に所定量の溶湯が溜まった時点で、冷鉄源が予熱室
と溶解室とに連続して存在する状態で溶湯を出湯する冷
鉄源の溶解方法において、予熱室内の排ガス中の酸素濃
度を5%以下に制御しつつ溶解することを特徴とするも
のである。
【0011】又、第2の発明による冷鉄源の溶解方法
は、アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶解室に直結
し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシャフト型の
予熱室とを具備したアーク溶解設備を用い、冷鉄源が予
熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように冷
鉄源を予熱室へ供給しながら溶解室内の冷鉄源をアーク
にて溶解し、溶解室に所定量の溶湯が溜まった時点で溶
解室を傾動して、冷鉄源と溶湯との接触面積を減少させ
て溶湯を昇温し、昇温後、冷鉄源が予熱室と溶解室とに
連続して存在する状態で溶湯を出湯する冷鉄源の溶解方
法において、予熱室内の排ガス中の酸素濃度を5%以下
に制御しつつ溶解することを特徴とするものである。
【0012】本発明においては、冷鉄源の溶解の際に予
熱室内の排ガス中の酸素濃度を5%以下に制御する、即
ち、予熱室内のガス雰囲気中の酸素濃度を5%以下に制
御するので、予熱室内において冷鉄源は融着せず、安定
した溶解を継続することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に
係るアーク溶解設備を示す縦断面概略図である。
【0014】この直流式アーク溶解設備1は、冷鉄源1
4をアーク溶解するための溶解室2と、その上部に直結
するシャフト型の予熱室3とを備えている。予熱室3の
上端部には、排ガス吸引系に連結するダクト19が設け
られている。この溶解室2及び予熱室3には鉄スクラッ
プや直接還元鉄等の冷鉄源14が装入される。
【0015】予熱室3の上方には、走行台車22に吊り
下げられた供給用バケット13が設けられており、この
供給用バケット13から、予熱室3の上部に設けられた
開閉自在な供給口18を介して予熱室3内に冷鉄源14
が装入される。この場合、供給用バケット13からの冷
鉄源14の装入は、操業中に、冷鉄源14が溶解室2と
予熱室3に連続して存在する状態を保つように、予熱室
3へ連続的又は断続的に供給する。この際の冷鉄源14
の装入は、操業実績に基づいて予め設定されたレシピに
基づいて行っても良いし、予熱室3内の冷鉄源14の量
を検出可能なセンサーを設け、このセンサーからの信号
に基づいて制御するようにしても良い。
【0016】溶解室2の上部には、水冷構造の炉壁4が
配置され、炉壁4の上部には開閉自在な水冷構造の炉蓋
5が設けられており、その炉蓋5を貫通して溶解室2の
上方からその中に垂直に上部電極7が挿入されている。
又、溶解室2の底部には、上部電極7と対向する位置に
炉底電極6が設けられている。そしてこれらの電極によ
って形成されるアーク17により、冷鉄源14が溶解さ
れ、溶湯15となる。溶湯15の上には溶融スラグ16
が形成されており、アーク17はこの溶融スラグ16内
に形成されることとなる。
【0017】又、炉蓋5を貫通して、溶解室2内を上下
移動可能な酸素吹き込みランス8と炭材吹き込みランス
9とが設けられ、酸素吹き込みランス8からは酸素が溶
解室2内に吹き込まれ、そして、炭材吹き込みランス9
からは空気や窒素等を搬送用ガスとして、コークス、チ
ャー、石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室2内に吹
き込まれる。
【0018】溶解室2の予熱室3が直結されている側と
は異なる部分に設けられた突出部2aの底部には出湯口
11が形成されており、この出湯口11を開閉するため
の扉20が設けられている。更に、突出部2aの側壁に
はその出口側を扉21で塞がれた出滓口12が設けられ
ている。尚、出湯口11を出滓口12と同様に側壁に設
置しても良い。又、突出部2aには、その上方からバー
ナー10が挿入されており、出湯される溶湯15の温度
を上昇させることが可能となっている。この場合、バー
ナー10の代わりにアーク電極等の他の加熱手段を用い
ても良い。
【0019】予熱室3の側壁は下方に向かって広がるテ
ーパーを有している。テーパーを設けることにより予熱
された冷鉄源14を溶解室2へ安定して供給することが
できる。テーパーが形成されない場合には、冷鉄源14
が落下し難くなり、予熱室3内で棚吊りを起こす原因と
なる。このテーパーは2.5〜7度の範囲であることが
好ましい。2.5度未満では予熱室3内の棚吊り発生を
有効に防止することができず、又、7度を越えると予熱
室3内の冷鉄源14の装入量が減少して、冷鉄源14の
予熱室3内の滞留時間を十分に長くすることができず、
十分な予熱効果を得ることができなくなる。
【0020】予熱室3内に充填された冷鉄源14の上端
位置の上方には、予熱室3の側壁を貫通して排ガス回収
管26が設置されており、排ガス回収管26の他端は排
ガス分析計27に連結されている。このように、排ガス
回収管26にて回収された予熱室3内の排ガスは、排ガ
ス分析計27により酸素濃度が分析されるようになって
いる。
【0021】ダクト19には、予熱室3から排出される
排ガスの流量を調整するためのダンパー23が設置され
ており、又、空気や酸素等の酸素含有ガスを溶解室2内
に吹き込むための酸素含有ガス吹き込みノズル24と、
窒素やAr等の不活性ガスを溶解室2内に吹き込むため
の不活性ガス吹き込みノズル25とが、炉蓋5を貫通し
て設置されている。ダンパー23の開度調整や、酸素含
有ガス吹き込みノズル24及び不活性ガス吹き込みノズ
ル25からの吹き込み量の調整により、排ガス中の酸素
濃度を制御できるようになっている。尚、酸素含有ガス
吹き込みノズル24は、溶解室2で発生するCOガスを
燃焼(二次燃焼という)させるための装置である。
【0022】このように構成される直流式アーク溶解設
備1において冷鉄源14を溶解するに際しては、先ず、
溶解室2と予熱室3に冷鉄源14を装入し、冷鉄源14
が溶解室2と予熱室3に連続して存在する状態とする。
【0023】この状態でアーク17を形成して冷鉄源1
4を溶解する。この際に、酸素吹き込みランス8から酸
素を供給し、冷鉄源14の溶解を補助する。そして、溶
解室2内に溶湯15が溜まってきたら、炭材吹き込みラ
ンス9から溶融スラグ16中に炭材を吹き込んでスラグ
フォーミング操業に移行し、上部電極7の先端を溶融ス
ラグ16中に埋没させ、アーク17が溶融スラグ16内
に形成されるようにする。補助熱源として吹き込まれた
炭材は酸素と反応してCOガスを発生すると同時に、そ
の反応熱は冷鉄源14の溶解に寄与する。又、このCO
ガスは溶解室2内に侵入する空気や酸素含有ガス吹き込
みノズル24から吹き込まれる酸素含有ガスにより、一
部CO2 ガスになる。このように、溶解室2から予熱室
3に流出する時の排ガスは、主成分をCO、CO2 、O
2 、N2 とする混合ガスになる。
【0024】この溶解により発生する、上記組成の排ガ
スは、溶解室2から予熱室3及びダクト19を経由して
排出され、この排ガスの熱により溶解室2内及び予熱室
3内の冷鉄源14が予熱される。溶解室2内で冷鉄源1
4が溶解すると、予熱室3の冷鉄源14が順次溶解室2
に供給されるため、予熱室3内の冷鉄源14の上端位置
が低下してくる。この場合に、冷鉄源14が溶解室2と
予熱室3とに連続して存在する状態を保つように、供給
バケット13から予熱室3へ冷鉄源14を連続的又は断
続的に供給する。これにより、常に一定量以上の冷鉄源
14が溶解室2及び予熱室3内に存在している状態が保
たれる。
【0025】この間、予熱室3内の排ガス中の酸素濃度
を排ガス分析計27にて連続的又は間歇的に測定し、常
に酸素濃度が5%以下になるように、ダンパー23の開
度調整により溶解室2内への空気の吸い込み量を調整し
たり、酸素含有ガス吹き込みノズル24からの酸素含有
ガスの吹き込み量を調整したり、更には、不活性ガス吹
き込みノズル25からN2 等の不活性ガスを吹き込ん
で、排ガス中のCO、CO2 、O2 、N2 濃度の調整を
行い、結果的に排ガス中のO2 濃度を5%以下に保つ。
例えば、O2 濃度が5%を越える場合には、ダンパー2
3の開度を閉じて溶解室2内に侵入する空気量を少なく
したり、酸素含有ガス吹き込みノズル24からの吹き込
み量を減少させるか、若しくは、不活性ガス吹き込みノ
ズル25からN2 等の不活性ガスを吹き込む。尚、排ガ
ス回収管26を予熱室3の長さ方向に複数個設置し、予
熱室3の長さ方向の酸素濃度分布を測定し、全ての測定
点の酸素濃度が5%以下となるように制御しても良い。
この場合、複数個の不活性ガス吹き込みノズル25を予
熱室の長さ方向に設置しても良い。
【0026】冷鉄源14の溶解が進行して所定量、例え
ば1ヒート分以上の溶湯15が溶解室2内に溜まった
ら、必要に応じて溶湯15の成分を調整した後、溶解室
2を傾動させつつ、溶解室2及び予熱室3に冷鉄源14
が連続して存在する状態を保ったまま、出湯口11を塞
いでいた扉20を開き、出湯口11から1ヒート分の溶
湯15を溶湯保持容器(図示せず)へ出湯する。出湯に
際しては、溶湯15の凝固による出湯口11の閉塞を防
止するために、バーナー10で溶湯15を加熱しても良
い。
【0027】又、出湯時の溶湯温度を上昇させる場合に
は、例えば1ヒート分以上の溶湯15が溶解室2内に溜
まったら、溶解室2を出湯口11側に傾動して溶湯15
中に埋没する冷鉄源14を減少させて、溶湯15と冷鉄
源14との接触面積を低減させ、溶湯15をアーク加熱
又はアーク加熱とバーナー10との併用により加熱し、
加熱・昇温後、上記に従い溶湯15を出湯する。この場
合には、大きな過熱度を有する溶湯15を得ることがで
きる。
【0028】出湯後、必要に応じて溶湯15を取鍋精錬
炉等にて昇温して精錬した後、連続鋳造機等で鋳造す
る。溶湯15を出湯し、更に必要に応じて溶融スラグ1
6を排滓した後、溶解室2を水平に戻し、出湯口11及
び出滓口12内に詰め砂又はマッド材を充填した後、次
ヒートの溶解を開始する。
【0029】このようにして冷鉄源14を溶解する場合
には、予熱室3内の排ガス中の酸素濃度が常に5%以下
に保たれるので、予熱室3内における冷鉄源14の融着
が未然に防止され、安定操業を継続することができる。
又、常に冷鉄源14が溶解室2と予熱室3とに連続して
存在する状態を保つように予熱室3へ冷鉄源14を供給
し、溶解室2内で所定量の溶湯15が形成されてこれを
出湯する際にも、溶解室2及び予熱室3に連続して冷鉄
源14が存在するため、排ガスによる予熱効率が高い。
【0030】尚、上記説明では直流式アーク溶解設備の
場合について説明したが、交流式アーク溶解設備でも全
く支障なく本発明を適用できる。又、出湯時に、数トン
〜数十トンの溶湯15を溶解室2内に残留させて、次回
ヒートの溶解を再開しても良い。こうすることで初期の
溶解が促進され、溶解効率が向上する。
【0031】
【実施例】図1に示すアーク溶解設備における実施例を
以下に説明する。アーク溶解設備は、溶解室が炉径7.
2m、高さ4m、予熱室が幅3m、長さ5m、高さ7
m、炉容量が180トンである。
【0032】先ず、予熱室及び溶解室に約150トンの
常温の鉄スクラップを装入し、直径28インチの黒鉛製
上部電極を用い、最大650V、115kAの電源容量
でアークを形成し、溶解を開始した。通電直後、生石灰
と蛍石を添加すると共に、酸素吹き込みランスから60
00Nm3 /hrで酸素を吹き込んだ。溶解室内に溶鋼
が溜まってきた時点で、炭材吹き込みランスからコーク
スを80kg/minとしてスラグ中に吹き込み、スラ
グフォーミング操業に移行し、上部電極の先端をフォー
ミングしたスラグ中に埋没させた。この時の電圧・電流
を550V、90kAに設定した。
【0033】予熱室内の鉄スクラップが溶解室内での溶
解に伴って下降したら、供給用バケットにて鉄スクラッ
プを予熱室に装入し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一
定の高さに保持しながら溶解を続けた。又、排ガス分析
計で測定される酸素濃度が常に5%以下となるように、
ダンパーを調整すると共に、酸素含有ガス吹き込みノズ
ルからの吹き込み空気量を調整した。
【0034】このように、溶解室内及び予熱室内に連続
して鉄スクラップが存在する状態で溶解を進行させ、溶
解室内に約180トンの溶鋼が生成した時点で、約60
トンの溶鋼を溶解室に残し、1ヒート分の120トンの
溶鋼を取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の炭素濃度は0.
1wt%で、溶鋼温度は1560℃であった。出湯時は
バーナーで溶鋼を加熱した。
【0035】出湯後、再通電すると共に酸素及びコーク
スの吹き込みを再開して溶解を継続し、再度溶解室内の
溶鋼が180トンになったら120トン出湯することを
繰り返し実施した。その結果、予熱室内での鉄スクラッ
プの融着は全く発生せず、酸素吹き込み量が33Nm3
/t、コークス吹き込み量が26kg/tの条件で、出
湯から出湯までの平均時間を40分とし、電力原単位を
175kWh/tとして溶解することができた。
【0036】出湯した120トンの溶鋼は取鍋精錬炉
(LF炉)により1620℃に昇温し、連続鋳造機によ
り断面が175mm×175mmのビレットに鋳造し
た。取鍋精錬炉の電力原単位は平均60kWh/tであ
った。
【0037】一方、同じアーク溶解設備を用いて排ガス
中の酸素濃度を5%以下に制御せずに行った操業では、
6ヒートに1回程度の頻度で予熱室内での鉄スクラップ
の融着が発生し、このため出湯から出湯までの時間が長
くなり、又、電力原単位も悪化した。
【0038】図2及び図3は、排ガス中の酸素濃度を5
%以下に制御しつつ溶解した本発明の実施例と、排ガス
中の酸素濃度を制御せずに溶解した従来例とで、出湯か
ら出湯までの時間とその頻度、及び、電力原単位とその
頻度を比較して示す図である。図2及び図3から明らか
ないように、従来例では、溶解室内の溶鋼中への鉄スク
ラップの供給が遅れ、出湯から出湯までの時間が長くな
り、その結果電力原単位が悪化することが生じたが、本
発明の実施例では、何れのヒートもほぼ40分間で出湯
でき、電力原単位のばらつきも極めて少なかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶解室と、溶解室の上部に直結されたシャフト型の予熱
室を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解する際
に、予熱室内の排ガス中の酸素濃度を常に5%以下に制
御しつつ溶解するので、予熱室内における冷鉄源の融着
が未然に防止され、安定操業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るアーク溶解設備を示
す縦断面概略図である。
【図2】出湯から出湯までの時間とその頻度を実施例と
従来例とで比較して示す図である。
【図3】電力原単位とその頻度を実施例と従来例とで比
較して示す図である。
【符号の説明】
1 直流式アーク溶解設備 2 溶解室 3 予熱室 6 炉底電極 7 上部電極 10 バーナー 11 出湯口 13 供給用バケット 14 冷鉄源 15 溶湯 16 溶融スラグ 17 アーク 23 ダンパー 24 酸素含有ガス吹き込みノズル 25 不活性ガス吹き込みノズル 26 排ガス回収管 27 排ガス分析計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C21B 11/10 C21B 11/10 C22B 9/20 C22B 9/20 (72)発明者 中山 剛 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 牧 敏道 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K001 AA10 BA22 FA10 GA01 GA13 GB01 GB10 GB11 4K012 CA09 4K014 CB07 CC09 CD07 CD16 4K045 AA04 BA02 DA01 RA01 RB02 RB22 RB27 RC18 4K056 AA05 BA01 BA06 BB08 CA02 DA02 DA22 DA33 FA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶
    解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシ
    ャフト型の予熱室とを具備したアーク溶解設備を用い、
    冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保
    つように冷鉄源を予熱室へ供給しながら溶解室内の冷鉄
    源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶湯が溜まっ
    た時点で、冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在す
    る状態で溶湯を出湯する冷鉄源の溶解方法において、予
    熱室内の排ガス中の酸素濃度を5%以下に制御しつつ溶
    解することを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
  2. 【請求項2】 アーク発生用電極を備えた溶解室と、溶
    解室に直結し、溶解室で発生する排ガスが導入されるシ
    ャフト型の予熱室とを具備したアーク溶解設備を用い、
    冷鉄源が予熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保
    つように冷鉄源を予熱室へ供給しながら溶解室内の冷鉄
    源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶湯が溜まっ
    た時点で溶解室を傾動して、冷鉄源と溶湯との接触面積
    を減少させて溶湯を昇温し、昇温後、冷鉄源が予熱室と
    溶解室とに連続して存在する状態で溶湯を出湯する冷鉄
    源の溶解方法において、予熱室内の排ガス中の酸素濃度
    を5%以下に制御しつつ溶解することを特徴とする冷鉄
    源の溶解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010112573A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Tohoku Univ アーク溶解炉およびアーク鋳造装置

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JP2010112573A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Tohoku Univ アーク溶解炉およびアーク鋳造装置

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