JP2011069606A - アーク溶解設備および当該アーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鉄源を連続的にアーク炉に供給して溶解する際に、炉内に供給された鉄源の状態の変化を検知して、アーク炉内の溶湯を安定状態で維持する。
【解決手段】 電極2から発生させたアーク放電により鉄源20を溶解する溶解室1と、この溶解室に鉄源を連続して供給する鉄源供給装置8とを具備するアーク溶解設備22であって、電極からアーク放電を発生させた際の溶解室の状態変化を検出する状態変化検出部12a、12b、12cと、当該状態変化検出部の検出結果に基づいて鉄源供給装置で溶解室に鉄源を供給する際の供給速度を調整する制御装置6と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 電極2から発生させたアーク放電により鉄源20を溶解する溶解室1と、この溶解室に鉄源を連続して供給する鉄源供給装置8とを具備するアーク溶解設備22であって、電極からアーク放電を発生させた際の溶解室の状態変化を検出する状態変化検出部12a、12b、12cと、当該状態変化検出部の検出結果に基づいて鉄源供給装置で溶解室に鉄源を供給する際の供給速度を調整する制御装置6と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、鉄スクラップ、直接還元鉄等の鉄源を連続的に供給してアークにより溶解して溶湯を製造する、アーク溶解設備および当該アーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法に関する。
スクラップ等の鉄源の溶解・精錬を行うバッチ式の電気炉では、処理するスクラップは上方に配置した炉蓋を開きバスケットにより炉に投入する方法がとられているが、炉蓋を開く際に溶解作業を一時停止させる必要があり、また炉蓋を開くことによる熱損失が大きく、さらに発塵が環境を悪化させるという問題があった。これに対して、スクラップを投入する際に炉蓋を開くことなく連続的に炉内にスクラップを供給する電気炉が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
図8は、特許文献1で提案されているスクラップ連続供給式電気炉(アーク溶解設備22)の構成を示す概略図である。電気炉(溶解室)1の側面にスクラップの投入口を設け、これにスクラップ供給装置(鉄源供給装置)8を連接し連続的に炉内にスクラップ(鉄源)15を供給する構造としている。
図9は、特許文献2で提案されているスクラップ連続供給式電気炉(アーク溶解設備22)の構成を示す概略図である。電気炉1の側面に予熱室16を直結し、予熱室16内にプッシャー(押し出し装置)17を出入りさせて電気炉1内にスクラップ15を供給する構造を有している。
このようなスクラップを連続供給する方式の電気炉では、炉内に溶湯を保持してその溶湯の持つエネルギーにより、供給されるスクラップを溶解する。供給エネルギーは溶湯の温度の維持に向けられ、溶湯温度はスクラップの融点以上に保つように調整されている。従って、スクラップを連続供給する方式の電気炉では、スクラップの供給量速度と、溶湯温度すなわち溶解のための供給エネルギーとのバランスが重要となる。
そのため、このようなスクラップを連続供給する方式の電気炉の操業方法として、スクラップ連続投入式アーク炉において、スクラップ累積投入量から算出した炉内全溶湯量と、溶湯の測定温度値とを用いて、スクラップ投入後の溶湯温度を精度よく推定し、これにより適切な溶湯温度範囲内になるよう、スクラップ供給速度を制御する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3に記載の方法を用いれば、ある程度までは正確に炉内溶湯量を推定して、それに合わせてスクラップ搬送装置の速度制御を行うことができるが、実際にアーク炉内の状態を観察しているわけではないので、鉄源の供給量や、電気炉に供給するエネルギーを最適に調整できているわけではない点が問題である。
すなわち、電気炉に供給されるスクラップにはさまざまな種類があり、鉄以外の成分が含まれ、溶湯になった時の量が異なるものが投入される。そのため、スクラップの投入量から算出して推定された炉内溶湯量と実際の精錬溶湯量に大きなが誤差が生じることとなる。そして、溶湯温度の推定も実際の温度と誤差が生じることとなる。
また、形状やかさ比重等の異なるスクラップが供給される場合、ある長期の期間では供給された量を推定することができるが、短時間で見た場合は、実際に炉内に供給されるスクラップ量が変動している。短時間に大量のスクラップが供給された場合は、溶解のための供給エネルギーとのバランスがくずれて炉内にスクラップが山積状態となり、それを溶解するために多量のエネルギーが必要となり、溶解時間も長時間とする必要がある。アーク炉内でのスクラップの溶解速度に合わせてスクラップの投入速度をバランスよく制御することが溶解を円滑に行う上で重要である。
したがって、その時々に電気炉に供給されてまだ溶解していない状態の鉄源の量と溶湯の量とを連続的に測定して、それらの量に応じて鉄源の供給量や、電気炉に供給するエネルギーを調整することが望ましい。しかし、上記のように鉄源の状態が時々刻々と変化するような場合に、電気炉内の鉄源の量や溶湯量を実際に連続して測定することは困難である。
本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、電気炉の中でも特に溶解室としてアーク炉を用いる場合であって、鉄源を連続的にアーク炉に供給して溶解する際に、炉内に供給された鉄源の状態の変化を検知して、アーク炉内の溶湯を安定状態で維持できる、アーク溶解設備およびアーク溶解設備の操業方法を提供することにある。
本発明の一態様は、電極から発生させたアーク放電により鉄源を溶解する溶解室と、該溶解室に前記鉄源を連続して供給する鉄源供給装置とを具備するアーク溶解設備であって、前記電極から前記アーク放電を発生させた際の前記溶解室の状態変化を検出する状態変化検出部と、該状態変化検出部の検出結果に基づいて前記鉄源供給装置で前記溶解室に前記鉄源を供給する際の供給速度を調整する制御装置と、を含むことを特徴とするアーク溶解設備に関係する。
本発明の一態様によれば、鉄源を連続的に溶解室となるアーク炉に供給して溶湯を製造する際に、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出して、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができる。このため、アーク炉内の溶湯を安定した状態で維持できるようになる。
また、本発明の一態様では、前記状態変化検出部は、前記溶解室の状態変化として、前記電極に供給される電流および電圧の少なくとも何れか1つの変動を検出することとしてもよい。
このように、溶解室の状態変化として、電極に供給される電流および電圧の少なくとも何れか1つの変動に基づいて、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出することによって、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記状態変化検出部は、前記電極に供給される前記電流および前記電圧の少なくとも何れか1つの変動として、前記電流および前記電圧に含まれる高調波量の少なくとも何れか1つの変動を検出することとしてもよい。
このように、溶解室の状態変化として、電極に供給される電流および電圧の少なくとも何れか1つの変動として、電流および電圧に含まれる高調波量の少なくとも何れか1つの変動に基づいて、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出することによって、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記状態変化検出部は、前記電極に供給される前記電流および前記電圧の少なくとも何れか1つの変動として、前記電流および前記電圧の少なくとも何れか1つの値または単位時間あたりの変化量を検出することとしてもよい。
このように、溶解室の状態変化として、電極に供給される電流および電圧の少なくとも何れか1つの値または単位時間あたりの変化量に基づいて、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出することによって、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記状態変化検出部は、前記溶解室の状態変化として、前記アーク放電の発生時に前記溶解室に伝わる前記炉体振動の変化を検出することとしてもよい。
このように、溶解室の状態変化として、アーク放電の発生時の溶解室に伝わる炉体振動の変化に基づいて、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出することによって、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記状態変化検出部は、前記溶解室の状態変化として、前記電極の位置の変動を検出することとしてもよい。
このように、溶解室の状態変化として、電極の位置の変動に基づいて、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出することによって、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができるようになる。
また、本発明の一態様は、上記のアーク溶解設備を用いて前記鉄源を溶解して溶湯を製造する方法であって、前記アーク放電を発生させた際の前記溶解室の状態変化を検出する状態変化検出工程と、該状態変化検出工程の検出結果に基づいて前記溶解室に前記鉄源を供給する際の供給速度を調整する供給速度調整工程と、を含むことを特徴とするアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法に関係する。
本発明の一態様によれば、鉄源を連続的に溶解室となるアーク炉に供給して溶湯を製造する際に、炉内の鉄源の状態変化を間接的に素早く検出して、当該検出結果に応じて鉄源の供給速度を調整することができる。このため、アーク炉内の溶湯を安定した状態で維持して溶湯を製造することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記溶湯の製造方法は、前記状態変化検出部の検出結果に基づいて、前記供給速度に併せて前記電極に供給する電力を調整することとしてもよい。
このように、鉄源の供給速度に併せて、アーク炉の電極に投入する電力を調整することによって、溶湯の状態をより安定的に制御することができるようになる。
上記の溶湯の製造方法において、さらに、鉄源を予熱する予熱室の下部に配置される押し出し装置を駆動して鉄源を前記予熱室から溶解室に供給する鉄源供給工程と、
前記溶解室で発生する排ガスを前記予熱室に導入して該予熱室内の前記鉄源を予熱する鉄源予熱工程と、前記鉄源が前記予熱室と前記溶解室に存在する状態を保つように前記鉄源を前記予熱室に供給しながら、前記溶解室でアーク放電による加熱にて前記鉄源を溶解する鉄源溶解工程と、を含むこととしてもよい。
前記溶解室で発生する排ガスを前記予熱室に導入して該予熱室内の前記鉄源を予熱する鉄源予熱工程と、前記鉄源が前記予熱室と前記溶解室に存在する状態を保つように前記鉄源を前記予熱室に供給しながら、前記溶解室でアーク放電による加熱にて前記鉄源を溶解する鉄源溶解工程と、を含むこととしてもよい。
このようにすれば、さらに生産性が向上し、かつ排ガスの熱回収効率を高めることができ、エネルギー効率を十分に向上させることができる。
本発明によれば、鉄スクラップ等の鉄源を連続的にアーク炉に供給して溶湯を製造する際に、鉄源の炉内での状態の変化を間接的に素早く検知することができ、これに応じて操業条件を調整することで炉内の溶湯を安定した状態で維持できる。これにより、鉄源の溶解時間が延長されること無く、エネルギー効率のよい操業を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
上記のように、鉄源を連続的にアーク炉(溶解室)に供給して溶湯を製造する際に、アーク炉内の鉄源や溶湯の状態を直接観察するのは困難である。本発明では、上記課題を解決するため、炉内の鉄源量が増加し、電極近傍の溶湯面上に鉄源が存在する状態となったときに、アークが電極から当該電極近傍の溶湯面上に存在する鉄源に対して飛び、その際に、電流に含まれる高調波量、電圧に含まれる高調波量、電流の変動、電圧の変動、電極の位置の変動、炉体振動等、溶解室の状態に影響を及ぼす状態因子に顕著な変化が現れることに着目した。そして、アーク炉内に鉄源が過剰に供給されて、当該鉄源が溶解し切れずに電極近傍の溶湯面上に残存する場合に、アーク炉の電極から当該溶湯面上に残存する鉄源へのアーク放電の発生を上記の溶解室の状態変化を検出することによって、間接的に検出し、該検出の有無に応じて鉄源をアーク炉に供給する速度を調整することで炉内の状態を安定に維持することが可能であることを見出し、本発明を完成した。なお、本明細書において、電流に含まれる高調波量、電圧に含まれる高調波量、電流の変動、電圧の変動、電極の位置の変動、炉体振動等、溶解室の状態変化に影響を及ぼす状態因子の変化を「溶解室の状態変化」と表記するものとする。
ここで、本発明のアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明のアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法の一実施形態の動作概要を示すフローチャートである。
鉄源を連続的に溶解室に供給して(鉄源供給工程S11)、電極から発生させたアーク放電により鉄源を溶解する(鉄源溶解工程S12)。そして、アーク放電を発生させた際の溶解室の状態変化を検出する(状態変化検出工程S13)。前述したように、鉄源の状態が時々刻々と変化するような場合に、電気炉内の鉄源の量や溶湯量を実際に連続して測定することは困難であるので、本実施形態では、上述したような溶解室の状態変化を検出することによって、間接的に溶湯面上に残存する鉄源へのアーク放電の発生を検出する。状態変化検出工程S13で状態変化の発生を検出すると、溶解室に鉄源を供給する際の供給速度を調整する(供給速度調整工程S14)。
状態変化検出工程S13では、アーク炉の電極から炉内の溶湯面上に残存する鉄源へのアーク放電の発生の検出は、アーク炉(溶解室)の状態変化として、炉体振動、電極の位置の変動、電流の変動、電圧の変動、電流に含まれる高調波量、電圧に含まれる高調波量の少なくとも1つを計測して、その変化を検出する。そして、供給速度調整工程S14では、状態変化検出工程S13で検出された溶解室の状態変化のうち、少なくとも1つ、または複数の組み合わせを用いて、鉄源の供給速度の調整を行う。具体的には、状態変化検出工程S13で鉄源の供給が過剰であるために、溶湯面上に残存する鉄源へのアーク放電が発生したことを高調波量の変動を元に検出すると、溶解室への鉄源の供給を停止する。なお、鉄源が溶解室内で余分に残存した状態を解消するために、鉄源の供給速度を低減させるように制御してもよい。また、溶解室の状態変化を精度良く検出するために、前述の溶解室の各状態変化のうち、複数の検出結果を元に検出することが好ましい。特に、検出が容易であり、変化の検知に優れている点から、電流や電圧に含まれる高調波量を用いることが好ましい。高調波量は、具体的には、アーク炉に給電される電流または電圧を測定し、その周波数解析により得られる高調波から得られるものであり、例えば高調波歪率を用いることができる。
本発明で用いるアーク溶解設備としては、アーク炉と、アーク炉に鉄源を連続して供給する鉄源供給装置と、溶解室の状態変化の検出部と、検出部からの出力を用いて鉄源供給装置の供給速度を調整する制御装置とを有するものを用いることができる。溶解室の状態変化の検出部とは、アーク炉の電極からアーク炉内に供給された鉄源へのアーク放電の発生を検出可能な装置である。
鉄源の供給速度を制御する替わりに、アーク炉に投入する電力を調整することも考えられるが、供給速度を変えずにアーク電力を増大させることは、炉内の鉄源に加えて新たに供給される鉄源をも溶解する必要があるため、大きな電力が必要になり、本発明の目的であるエネルギー効率の良い操業を達成できない。しかし、鉄源の状態を検知し、これを用いて鉄源の供給速度とアーク炉に投入する電力の両方を制御することも可能である。
例えば、本発明を適用するアーク溶解設備として、特許文献2に記載されているような鉄源を溶解する溶解室と、該溶解室に供給する鉄源を予熱するために溶解室に直結して設けられるシャフト型の予熱室と、溶解室内に供給される鉄源を溶解するために溶解室内に設けられる電極と、予熱室の下部に配置され、予熱室から供給される鉄源を電極の方向に移動させる押し出し装置とを有するタイプのアーク溶解設備を用い、溶解室で発生する排ガスを予熱室に導入して予熱室内の鉄源を予熱し、鉄源が予熱室と溶解室とに存在する状態を保つように鉄源を予熱室へ供給しながら、溶解室でアーク加熱にて鉄源を溶解するような操業を行う際に本発明を用いると、さらに生産性を落とすことなく、エネルギー効率を十分に向上させることができるので非常に好ましい。この場合は押し出し装置の駆動装置に制御機構を設け、鉄源の供給速度を制御する。
上記のようなアーク溶解設備を用いた場合、鉄源の供給は押し出し装置を用いて行われるため、1回の押し出し終了後に押し出し装置を押し出しの開始位置に復帰させる必要があるため、供給が完全に連続して行われるわけではないが、このような所定の間隔で継続的に供給する場合も、アーク炉への鉄源の供給は連続的であるものとする。連続的でない供給とは、バッチ式のようにバスケット等を用いて鉄源をまとめて落下させるような方式の供給であり、1回分の鉄源のアーク炉への供給を開始すると、途中で止めることができないような供給形態を指す。
なお、鉄源とは鉄スクラップ、直接還元鉄等のアーク溶解設備における溶解処理対象物であり、鉄スクラップは、例えば、ステンレス屑、銑鉄、ミルスケール、伸鉄材等で、鉄鋼メーカーでの製鋼や加工過程、工場での鉄製品使用時の加工過程、あるいは建物や自動車、家電、橋梁等が解体されたときなどに発生するものである。
次に、本発明の各実施形態の詳細について、図面を用いて詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明のアーク溶解設備の第1の実施形態の概略構成の説明図であり、アーク溶解に用いる電流あるいは電圧の高調波を用いて炉内スクラップ状態を検知する場合の図である。本実施形態では、溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、アーク炉1への給電線11(11a、11b、11c)に電気的センサ12(12a、12b、12c)を取り付け、給電線11の電流あるいは電圧波形を測定する。測定した波形を信号処理装置13でフーリエ変換することで含まれる高調波を算出し、信号処理後状態信号14(14a、14b、14c)として制御装置6に入力する。炉内の鉄源が供給過剰となり、電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、電流あるいは電圧の高調波が変化する。信号処理後状態信号14の値あるいは時間単位の変化量が所定の値以上になった場合、制御装置6から制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。
図2は、本発明のアーク溶解設備の第1の実施形態の概略構成の説明図であり、アーク溶解に用いる電流あるいは電圧の高調波を用いて炉内スクラップ状態を検知する場合の図である。本実施形態では、溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、アーク炉1への給電線11(11a、11b、11c)に電気的センサ12(12a、12b、12c)を取り付け、給電線11の電流あるいは電圧波形を測定する。測定した波形を信号処理装置13でフーリエ変換することで含まれる高調波を算出し、信号処理後状態信号14(14a、14b、14c)として制御装置6に入力する。炉内の鉄源が供給過剰となり、電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、電流あるいは電圧の高調波が変化する。信号処理後状態信号14の値あるいは時間単位の変化量が所定の値以上になった場合、制御装置6から制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。
アーク溶解に用いる電流あるいは電圧の高調波を用いて炉内スクラップ状態を検知する場合には、信号処理後状態信号14として、高調波歪率を用いることが好ましい。具体的には、高調波歪率を連続して測定し、2つの閾値(高調波判定値)を設け、高い閾値を高調波判定値H、低い閾値を高調波判定値Lとする。鉄源のアーク炉での溶解中に、異常が発生し、鉄源が電極近傍に存在する状態となると、高調波歪率が高調波判定値Hを超えるように高調波判定値Hを設定し、鉄源の溶解が進んで炉内がフラットバスの状態に近くなると高調波歪率が高調波判定値L未満となるように高調波判定値Lを設定する。これにより、高調波歪率が高調波判定値Hを超えた場合に、鉄源供給速度を低下させ、高調波歪率が高調波判定値L未満となった場合に、鉄源供給速度を増加させる制御を行うことで、炉内に鉄源が過剰供給となる異常が発生しても、すみやかに現状復帰させ、安定状態で溶湯の製造を継続することが可能となる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明のアーク溶解設備の第2の実施形態の概略構成の説明図であり、アーク溶解に用いる電流あるいは電圧により炉内のスクラップ状態を検知する場合の図である。本実施形態では、溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、アーク炉1への給電線11(11a、11b、11c)に電気的センサ12(12a、12b、12c)を取り付けて給電線11の電流あるいは電圧を測定する。炉内の鉄源が供給過剰となり、鉄源が電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、電流あるいは電圧が変化する。電気的センサ12の状態信号5(5a、5b、5c)を制御装置6に入力し、給電線11の電流あるいは電圧の値あるいは時間単位の変化量が所定の値以上になった場合、制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。
図3は、本発明のアーク溶解設備の第2の実施形態の概略構成の説明図であり、アーク溶解に用いる電流あるいは電圧により炉内のスクラップ状態を検知する場合の図である。本実施形態では、溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、アーク炉1への給電線11(11a、11b、11c)に電気的センサ12(12a、12b、12c)を取り付けて給電線11の電流あるいは電圧を測定する。炉内の鉄源が供給過剰となり、鉄源が電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、電流あるいは電圧が変化する。電気的センサ12の状態信号5(5a、5b、5c)を制御装置6に入力し、給電線11の電流あるいは電圧の値あるいは時間単位の変化量が所定の値以上になった場合、制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明のアーク溶解設備の第3の実施形態の概略構成の説明図であり、炉体振動により炉内の鉄源の状態を検知する場合を示す。本実施形態では、アーク炉炉体(溶解室)1に溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、加速度センサ4(状態変化検出部)を取り付けて連続的に炉体振動を測定し、その状態信号5を制御装置6に入力する。炉内の鉄源が供給過剰となり、電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、炉体振動が変化するので、加速度センサ4の測定値が所定の値以上になった場合、制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。これにより炉内の鉄源の供給過剰状態はすみやかに解消されて、安定した操業を継続することができる。
図4は、本発明のアーク溶解設備の第3の実施形態の概略構成の説明図であり、炉体振動により炉内の鉄源の状態を検知する場合を示す。本実施形態では、アーク炉炉体(溶解室)1に溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、加速度センサ4(状態変化検出部)を取り付けて連続的に炉体振動を測定し、その状態信号5を制御装置6に入力する。炉内の鉄源が供給過剰となり、電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、炉体振動が変化するので、加速度センサ4の測定値が所定の値以上になった場合、制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。これにより炉内の鉄源の供給過剰状態はすみやかに解消されて、安定した操業を継続することができる。
(第4の実施形態)
図5は、本発明のアーク溶解設備の第4の実施形態の概略構成の説明図であり、電極位置変化により炉内のスクラップ状態を検知する場合を示す。本実施形態では、溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、電極の電極昇降装置3の可動部分に電極位置検出器9を取り付けて連続的に電極位置を測定し、その信号を制御装置6に入力する。炉内の鉄源が供給過剰となり、電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、電流および電圧の変動が大きくなり電流値を設定値にするべく電極の位置の変動量が増大するので、電極位置の時間単位の変化量が所定の値以上になった場合、制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。
図5は、本発明のアーク溶解設備の第4の実施形態の概略構成の説明図であり、電極位置変化により炉内のスクラップ状態を検知する場合を示す。本実施形態では、溶解室1の状態変化を検出する状態変化検出部として、電極の電極昇降装置3の可動部分に電極位置検出器9を取り付けて連続的に電極位置を測定し、その信号を制御装置6に入力する。炉内の鉄源が供給過剰となり、電極近傍に存在する状態が発生すると、アークが電極から鉄源に対して飛び、電流および電圧の変動が大きくなり電流値を設定値にするべく電極の位置の変動量が増大するので、電極位置の時間単位の変化量が所定の値以上になった場合、制御信号7を鉄源供給装置となるスクラップ供給装置8に送り、スクラップ供給速度を低下もしくは停止させる。その後、測定値が別の所定の値まで下がったら、制御装置6から制御信号7をスクラップ供給装置8に送って、スクラップ供給速度を所定の速度まで増加させる。
なお、上記の実施形態においては鉄源の供給速度を制御することで鉄源の溶解状態を制御したが、併せてアーク炉に投入する電力を調整することでも溶湯の状態をより安定的に制御することができる。
また、上記のように、電流に含まれる高調波量、電圧に含まれる高調波量、電流の変動、電圧の変動、炉体振動、電極の位置の変動は、それぞれ単独で鉄源の状態を検知するのに用いることができるが、これらを2つ以上組み合わせることで、よりスクラップの状態を正確に把握して、一層炉内の状態を安定させることができる。例えば、アーク電流変動と、アーク電流に含まれる高調波量とを用いて、スクラップの状態を検知する。
図2に示すアーク溶解設備を用いて、鉄スクラップの溶解試験を行った。
図6に、前述した第1の実施形態のアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法として、電極に供給する電流の高調波を測定して、スクラップ供給速度を変更した場合の例を示す。一定の速度でアーク炉にスクラップを供給し、アーク電流の測定点に高調波解析装置を設置し、高調波歪率を求めた。なお、高調波歪率とは、発生した全ての高調波の実行値の和が、基本周波数の実行値に対して何パーセントであるかを表したものである。
本実施例は、高調波歪率が所定の値(高調波判定値H)を超えた場合に、スクラップが炉内で電極近傍に存在する状態になったと判定して、スクラップ供給を停止するものである。炉内にスクラップが増加してくると、高調波歪率が増加してくる。高調波判定値Hを超えた時(図6における時間a)にスクラップ供給を停止すると、スクラップの溶解が進み、次第に高調波歪率が低下してくる。高調波歪率の低下はアークが溶湯に向かって飛び、スクラップが電極近傍に無くなったことを意味する。
高調波歪率が所定の値(高調波判定値L)まで低下したことを検出したところで(図6における時間b)、再びスクラップ供給を所定の速度で開始する。これにより炉内状況の変化をすばやく検知して、すみやかに定常状態に戻してスクラップの溶解を継続することができた。
図7は本発明の比較例であり、アーク電流の高調波歪率が増加しても、スクラップ供給速度を変化させない場合を示す。本発明を用いる場合は、図7における時間aの時点でスクラップの供給を停止または供給量を減少させるが、スクラップの供給を継続したので、炉内にスクラップが増加し、高調波歪率が増大して、その状態が継続している。これはすなわち、スクラップが溶け切らずに残り続けていることを示し、このような状態で操業を継続すると過剰なエネルギー投入が必要となり、溶解時間も増大し、エネルギー効率が低下するとともに、生産性も低下した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 アーク炉(溶解室)
2(2a、2b、2c) 電極
3 電極昇降装置
4 加速度センサ(状態変化検出部)
5(5a、5b、5c) 状態信号
6 制御装置
7 制御信号
8 スクラップ供給装置(鉄源供給装置)
9 電極位置検出器(状態変化検出部)
10 電源装置
11(11a、11b、11c) 給電線
12(12a、12b、12c) 電気的センサ(状態変化検出部)
13 信号処理装置
14(14a、14b、14c) 信号処理後状態信号
15 スクラップ(鉄源)
16 予熱室
17 押し出し装置
20 溶湯
21 アーク
22 アーク溶解設備
2(2a、2b、2c) 電極
3 電極昇降装置
4 加速度センサ(状態変化検出部)
5(5a、5b、5c) 状態信号
6 制御装置
7 制御信号
8 スクラップ供給装置(鉄源供給装置)
9 電極位置検出器(状態変化検出部)
10 電源装置
11(11a、11b、11c) 給電線
12(12a、12b、12c) 電気的センサ(状態変化検出部)
13 信号処理装置
14(14a、14b、14c) 信号処理後状態信号
15 スクラップ(鉄源)
16 予熱室
17 押し出し装置
20 溶湯
21 アーク
22 アーク溶解設備
Claims (9)
- 電極から発生させたアーク放電により鉄源を溶解する溶解室と、該溶解室に前記鉄源を連続して供給する鉄源供給装置とを具備するアーク溶解設備であって、
前記電極から前記アーク放電を発生させた際の前記溶解室の状態変化を検出する状態変化検出部と、
該状態変化検出部の検出結果に基づいて前記鉄源供給装置で前記溶解室に前記鉄源を供給する際の供給速度を調整する制御装置と、を含むことを特徴とするアーク溶解設備。 - 前記状態変化検出部は、前記溶解室の状態変化として、前記電極に供給される電流および電圧の少なくとも何れか1つの変動を検出することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶解設備。
- 前記状態変化検出部は、前記電極に供給される前記電流および前記電圧の少なくとも何れか1つの変動として、前記電流および前記電圧に含まれる高調波量の少なくとも何れか1つの変動を検出することを特徴とする請求項2に記載のアーク溶解設備。
- 前記状態変化検出部は、前記電極に供給される前記電流および前記電圧の少なくとも何れか1つの変動として、前記電流および前記電圧の少なくとも何れか1つの値または単位時間あたりの変化量を検出することを特徴とする請求項2に記載のアーク溶解設備。
- 前記状態変化検出部は、前記溶解室の状態変化として、前記アーク放電の発生時に前記溶解室に伝わる前記炉体振動の変化を検出することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶解設備。
- 前記状態変化検出部は、前記溶解室の状態変化として、前記電極の位置の変動を検出することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶解設備。
- 請求項1から請求項6の何れかに記載のアーク溶解設備を用いて前記鉄源を溶解して溶湯を製造する方法であって、
前記アーク放電を発生させた際の前記溶解室の状態変化を検出する状態変化検出工程と、
該状態変化検出工程の検出結果に基づいて前記溶解室に前記鉄源を供給する際の供給速度を調整する供給速度調整工程と、
を含むことを特徴とするアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法。 - 前記状態変化検出工程の検出結果に基づいて、前記供給速度を調整する前記供給速度調整工程に併せて、前記電極に供給する電力を調整する供給電力調整工程を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法。
- さらに、鉄源を予熱する予熱室の下部に配置される押し出し装置を駆動して鉄源を前記予熱室から溶解室に供給する鉄源供給工程と、
前記溶解室で発生する排ガスを前記予熱室に導入して該予熱室内の前記鉄源を予熱する鉄源予熱工程と、
前記鉄源が前記予熱室と前記溶解室に存在する状態を保つように前記鉄源を前記予熱室に供給しながら、前記溶解室でアーク放電による加熱にて前記鉄源を溶解する鉄源溶解工程と、
を含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のアーク溶解設備を用いた溶湯の製造方法。
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