JP5555921B2 - 電気炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気炉の操業方法に関し、より詳しくは、スラグの組成が炉況に及ばす影響の大きいフェロニッケル製錬においてスラグの流動性を調整して効率的な操業を可能にする電気炉の操業方法に関する。
従来、鉄鋼及び非鉄金属製錬に用いる電気炉では、原料の鉱石の熔融に伴って産出されるスラグの流動性を調整することが、生産効率上、及び安全上において非常に重要な課題であった。
具体例として、フェロニッケル製錬に用いる電気炉の一般的な操業方法について、三相交流電極式電気炉を用いた場合について説明する。まず、電気炉においては、その底部にメタル層が存在し、その上にスラグ層が存在する。この電気炉では、電気炉内のスラグ層上に鉱石が装入され、電気炉内に垂下させることができる3本の電極を用いることにより、電気炉内を加熱して鉱石を還元熔解する。
ここで、従来の三相交流電極式電気炉による鉱石の還元熔解においては、以下の2通りの操業方法が用いられてきた。
(1)電極をスラグ層まで浸漬させて、電極からメタル及びスラグに直接通電させ、抵抗発熱によりスラグを介して間接的に鉱石を熔解させる方法(高電流低電圧操業方法)。
(2)スラグ層と電極にある程度の距離を設けて、電極からアークを発生させ、アークの熱により直接的に鉱石を熔解させる方法(低電流高電圧操業方法)。
しかしながら、上記(1)の操業方法では、熱を与えられたスラグの熱対流で炉壁付近のスラグの温度も上昇し、その結果、スラグホール付近におけるスラグの流動性が過剰となってしまう。また、炉壁煉瓦を熔損させるという問題がある。一方、(2)の操業方法では、アークの熱で直接鉱石を熔解させるため、炉壁付近のスラグ温度は上昇し難いものの、電気炉側壁のコーチングが厚くなることがあり、出滓や出銑に支障を来たすという問題がある。
また、フェロニッケル製錬においては、原料組成に起因するスラグ組成が炉況に及ぼす影響が大きい。一方で、原料組成は、原料条件や経済市況の影響によりコントロールできないことがある。スラグは通常1500〜1600℃で抜き出しが行われるが、原料組成に起因するスラグ組成が適正化できないことが原因となり、スラグの融点が上昇した場合、スラグの抜き出しが困難となる。この場合、炉況の悪化により操業度を落とさざるを得ない可能性も生じる。逆に、スラグの流動性が過剰な場合は、抜き出しの経路でスラグ樋がオーバーフローしたりして、水蒸気爆発を含む安全面で大きなリスクを有することとなる。
このような電気炉の操業において、例えば特許文献1には、スラグ浴抵抗により電流を調整し、スラグ組成の変動があってもアーク抵抗を一定に制御して安定操業を可能とする操業方法が提案されている。しかしながら、この特許文献1に記載の技術では、スラグ浴抵抗を算出するために必要となるスラグ層の厚さは、電気炉を停電して測定する必要がある。そのため、頻繁に測定することができず、スラグ組成に対して操業の対応が遅れる可能性がある。また、スラグ組成から炉低抗を算出して電流を調整するという間接的な方法であり、大変手間がかかる。
また同様に、特許文献2には、スラグ浴抵抗を近似式より算出して電流を調整し、コーチング厚さを一定に維持して電気炉内の耐火物を保護する操業方法が提案されている。しかしながら、この特許文献2に記載の技術においても、スラグ組成から炉抵抗を算出して電流を調整するという間接的な方法であり、大変手間がかかる。電気炉からのスラグの抜き出しは随時行っていることから、現場作業を低減させるためには、より簡便で効率的な方法が要請されている。
特開2004−68048号公報 特開2011−17032号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、従来に比してより簡便な方法により、スラグの流動性を調整して効率的な操業を行うことができる電気炉の操業方法を提供することを目的とする。
本件発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、スラグ組成からスラグの流動性を把握し、電極の昇降によりスラグに対して通電される電流を制御してスラグの流動性を調整することによって、効率的な操業が実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る電気炉の操業方法は、電気炉内に垂下した3本の電極に三相交流を印加して通電する電気炉の操業方法であって、前記電気炉内で生成するスラグの組成を定期的に測定し、測定した該スラグのスラグ塩基度、Fe(質量%)、Al (質量%)の組成に応じて3相交流電流を印加して、3本の電極をスラグ層まで浸漬させ、電極からメタル及びスラグに直接通電させて抵抗発熱する方法(高電流低電圧操業方法)、又は、3本の電極をスラグ層に対し距離を設けて、電極からアークを発生させてアークの熱により直接的に鉱石を熔解させる方法(低電流高電圧操業方法)を使い分けることにより、電気炉内の該スラグの流動性を調整することを特徴とする。
本発明によれば、簡便な方法によりスラグの流動性を調整することができるので、スラグの抜き出しを容易にするとともに安全性を向上させ、効率的な操業ができる。
三相交流電極式電気炉の高電流低電圧操業時の状態を示す模式図である。 三相交流電極式電気炉の低電流高電圧操業時の状態を示す模式図である。 電気炉操業の時間経過に伴うスラグ塩基度指数に応じて設定2次電流を増減させたときの各値に推移を示すグラフである。 電気炉操業の時間経過に伴うスラグ塩基度指数(A)、スラグ鉄品位(B)、スラグ量適正値からの差(C)のそれぞれの推移を示すグラフである。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係る電気炉の操業方法は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜変更することができる。
本実施の形態に係る電気炉の操業方法は、電気炉内に垂下した3本の電極に三相交流を印加して通電する電気炉の操業方法であって、スラグの組成を定期的に測定し、測定したそのスラグの組成に応じてスラグに対して通電させる電流を制御する。特に、この電気炉の操業方法は、フェロニッケル製錬用として好適に用いることができる。
具体的に、スラグに対して通電させる電流の制御方法としては、電気炉内に垂下した3本の電極を昇降させて、図1及び図2に示すスラグに対して通電される電流の異なる操業方法を使い分けることによって行う。まず、図1及び図2に示す操業方法についてそれぞれ説明する。
電気炉10は、図1及び図2に示されるように、その内部が耐火物により構成され、電気炉10内部に溶融状態のメタル12層、溶融状態のスラグ13層が存在し、スラグ13層の表面を鉱石(焼鉱)14が覆っている。鉱石14は、鉱石シュートから電気炉10内のスラグ13層上部に装入される。また、電気炉10には、3本の電極11(例えば炭素電極)が垂下されている。この電気炉10では、3相交流電流を印加して3本の電極11をスラグ13層まで浸漬させ、電極11からメタル12及びスラグ13に直接通電させて抵抗発熱する方法(高電流低電圧操業方法)、又は、3本の電極11からアーク17を発生させてアーク17の熱により直接的に鉱石を熔解させる方法(低電流高電圧操業方法)により、スラグ温度及びメタル温度をそれぞれ所定の温度にし、これにより鉱石14を還元溶融することによってメタル12とスラグ13とを生成する。生成したメタル12とスラグ13は、比重差によってメタル12層とスラグ13層とに分離される。なお、生成されたメタル12はメタルホール15を介して抜き出され、またスラグ13はスラグホール16を介して抜き出される。
より具体的に、図1に示す操業方法は、高電流低電圧操業であり、電気炉10内に垂下した3本の電極11の先端をスラグ13層に浸漬させて電極11からスラグ13及びメタル12に直接電流を通電させ、抵抗発熱によってスラグ13を介して間接的に鉱石14を熔解させる。この操業方法の場合には、スラグ13に直接通電されるので、スラグ13の流動性を高めることができる。したがって、スラグ13の流動性が悪化した場合には、この操業方法を行うことによってスラグの流動性を高め、スラグホール16を介したスラグ13の抜き出しを良好にすることができる。なお、この操業方法では、炉壁に付着したコーチング層の厚さが薄くなる方向に作用する。
一方で、図2に示す操業方法は、低電流高電圧操業であり、電気炉10内に垂下した3本の電極11の先端をスラグ13層からある程度距離を設けて電極11からアーク17を発生させ、アーク熱により直接的に鉱石14を熔解させる。この操業方法の場合には、スラグ13に直接通電されないのでスラグ13の温度上昇を抑制することができる。したがって、スラグ13の流動性が過剰となってオーバーフローするような場合には、この操業方法を行うことによってスラグ13の流動性を低くし、適度な流動性とすることができる。なお、この操業方法では、炉壁に付着したコーチング層の厚さが厚くなる方向に作用する。
このように、図1及び図2に示される操業方法は、スラグ13に対して通電される電流が異なるものであり、これら操業方法の使い分けることによってスラグ13に対する電流を制御して、スラグ13の流動性を調整することができる。そしてこのとき、本実施の形態に係る電気炉の操業方法においては、その操業方法の使い分けをスラグ13の組成に応じて決定する。つまり、スラグ13の組成を定期的に測定し、測定したスラグ13の組成に応じて電気炉10内に垂下した3本の電極11を昇降させることによって上述した操業方法を使い分け、スラグ13に対して通電させる電流(設定2次電流)を制御する。
特に、フェロニッケル製錬においては、スラグ13の組成が炉況に及ぼす影響が大きい。したがって、スラグ組成を測定し、その測定したスラグ組成に応じてスラグ13に対して通電させる電流を制御することによって、効果的にスラグの流動性を調整することができ、効率的な操業を行うことができる。
スラグ13の組成は、電気炉操業中において一定時間毎にスラグホール16を介してスラグ13の抜き出し、その抜き出したスラグ13により定期的に分析する。スラグ13の組成分析対象としては、例えばフェロニッケル製錬においては、Ni、Fe、MgO,SiO、CaO、Al、S、P、Cr(全て質量%)等が代表的である。スラグ13の組成分析は、特に限定されないが、例えば蛍光X線分析装置等を用いて行う。
本実施の形態においては、このスラグ13の組成分析結果に基づいて、特に、スラグ塩基度、Fe品位等のスラグ13の融点を大きく左右する要素を算出し、その算出値に応じて3本の電極11を昇降させて電流を制御する。また、長期的な鉱石調合組成の推移等も考慮するようにしてもよい。
ここで、スラグ塩基度とは、スラグ成分中のMgO質量%をSiO質量%で除した数値であり、スラグ13の融点、粘性等に影響するものである。
具体的に、例えば、スラグ塩基度、Fe(質量%)、Al(質量%)が上昇している状態や長期的な鉱石調合でスラグ塩基度が高くなっている状態を想定する。この状態においては、スラグ13の融点が上昇してスラグ13の流動性が悪化し、スラグホール16からのスラグ13の抜き出しが困難となる。
したがって、このような場合には、3本の電極11を降下させてその電極11の先端をスラグ13層に浸漬させるようにしてスラグ13に対して通電する電流を高めるように制御する。すなわち、図1に示した高電流低電圧操業を行う。このようにして電極11から電流をスラグ13に直接通電させることにより、スラグ13の温度を上昇させてスラグ13全体の流動性を改善させることができる。
一方、スラグ塩基度、Fe(質量%)、Al(質量%)が低下している状態や長期的な鉱石調合でスラグ塩基度が低くなっている状態では、スラグ13の融点が低下してスラグ13の流動性が過剰となる。スラグ13の流動性が過剰であると、スラグ13の抜き出し経路に設けたスラグ樋がオーバーフローして水蒸気爆発の可能性が生じる。
したがって、このような場合には、3本の電極11を上昇させてその電極11の先端をスラグ13層には浸漬させないようにし、スラグ13に対して通電する電流を低くするように制御する。すなわち、図2に示した低電流高電圧操業を行う。この操業では、アーク熱により、スラグ13の電極下部は局部的に高温となっているものの、電極11の先端をスラグ13に浸漬させていないため側壁近傍のスラグ13の温度は上昇し難くなり、それによりスラグ13全体の流動性を低くして出滓速度を緩和でき、安全性の高い抜き出しを行うことができる。
図3は、フェロニッケル製錬の電気炉操業開始からの時間経過に伴うスラグ塩基度の算出値と、その算出値に応じて制御した電流(設定2次電流)の関係を示すグラフである。スラグ塩基度が高くなると、スラグ13の流動性が悪化してスラグ13の抜き出しが困難となるため、図3に示すように、スラグ塩基度の上昇に応じて3本の電極11を降下させて電極11とスラグ13層とを近接させ、スラグ13に対して通電させる電流を高くするように制御する。
3本の電極11の上昇及び降下の調整は、上述した図1及び図2のように電極11の先端をスラグ13の層に浸漬させるか否かの2通りのみの調整に限られず、スラグ塩基度等に応じて段階的に上昇又は降下させるようにすればよい。すなわち、電極11の先端とスラグ13層との距離によってスラグ13に対して通電させる電流を制御することができるため、例えばスラグ塩基度が高くなった場合には、それに応じてスラグ13に対して電極11を徐々に(段階的に)浸漬させることによって、スラグ13に対して通電させる電流を高めるように制御する。また、反対に、スラグ塩基度が低くなった場合には、それに応じてスラグ13層(スラグ13表面)と電極11との距離を徐々に(段階的に)離間させていくことによって、スラグ13に対して通電させる電流を低くするように制御する。
さらに、スラグ組成に応じてスラグ13の流動性が悪化していると判断した場合には、電極11の降下による電流制御に加え、還元剤を添加してスラグ13中に含まれる鉄品位を下げるようにしてもよい。スラグ13中の鉄品位が多い場合、スラグ13の融点が高くなる。そのため、還元剤を添加して鉄品位を下げることによってスラグ13の融点を低下させることができ、スラグ13の流動性をより効率的に高めることができる。なお、還元剤としては、特に限定されず、例えば石炭、コークス、木材等を挙げることができ、これらの投入時の取扱いを考慮すれば、粒状石炭、粒状コークス、木質ペレット等として用いることが好ましい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る電気炉の操業方法は、電気炉10内に垂下した3本の電極11に三相交流を印加して通電する電気炉10の操業方法において、電気炉10内で生成するスラグ13の組成を定期的に測定し、測定したスラグ13の組成に応じて3本の電極11を昇降させ、スラグ13に対して通電させる電流を制御する。この操業方法によれば、スラグ13の組成が炉況に及ぼす影響の高いフェロニッケル製錬においても、簡便にかつ効果的にスラグの流動性を調整することができる。したがって、スラグホール16を介したスラグ13の取出しを容易にするとともにスラグ13のオーバーフローを抑制してスラグの出滓量(出滓速度)を適正化することができ、安全性高く効率的な操業を行うことができる。
また、上述した図1の操業方法では炉壁に付着したコーチング層の厚さが薄くなる方向に作用し、一方で図2の操業方法では炉壁に付着したコーチング層の厚さが厚くなる方向に作用する。そのため、スラグ組成に応じてスラグ13に通電させる電流を制御することによって、炉壁に形成されるコーチング層の厚さも最適化することができ、電気炉10の側壁にコーチング層が過剰に形成されることや、反対にコーチング層が熔けて薄くなることで操業に際して炉壁に損傷を与えることを効果的に抑制することができる。これにより、鉱石14の熔解処理量を維持してより効率的な操業ができるとともに電気炉10の耐久性を向上させることができ、経済的効果を高めることができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
電気炉の水平断面の直径が17.5m、高さが6.0m、日間電力量で700〜850MWh/日、電極は3本、交流電源のトランス容量を65MVA、平均的なメタル出銑量は約150〜250ton/日、スラグ出滓量は約1000〜1400ton/日で操業を行った。
実施例1では、電気炉操業中の一定時間毎に定期的に蛍光X線分析装置(MXF−2400、株式会社島津製作所製)を用いてスラグ組成を分析し、そのスラグの組成に応じて電極を昇降させて電流を制御した。具体的には、スラグの組成に基づいて算出されたスラグ塩基度に応じて電流を制御した。
図4は、本発明の電気炉の操業方法を行った際の設定2次電流の増減、スラグ塩基度の指数、スラグFe品位の指数、スラグ量適性値からの差の推移である。図4(A)に示されるように、時間の経過とともにスラグの塩基度が上昇(スラグの融点が上昇)していったので、3相交流電極を徐々に降下させて電流(設定2次電流)を高くする調整を行った。また、図4(B)に示されるように、還元剤である粒状の石炭を投入して鉄品位を下げる調整も行った。
すると、図4(C)に示されるように、スラグ出滓量を、その適正値からの差が±15%以内に収めることができ、スラグの流動性が悪くなったり過剰になったりせず、安定的に操業を行うことができた。このことは、スラグの組成に応じて3相交流電極を昇降させてスラグに対して通電させる電流を制御したことにより、スラグの流動性を調整することができためと考えられる。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様の操業条件で操業を行うに際して、特許文献1に記載の技術と同様に、スラグ炉抵抗により電流を調整して制御する操業方法を行った。その際、スラグ浴抵抗を算出するためにスラグ層の値を測定した。
その結果、週単位といった比較的長時間のレンジでは適切な操業を実施可能であったものの、スラグ層の厚み値を得るために電気炉を停電させて電気炉上部から測定棒を電気炉に装入してスラグ層の値を測定しなければならず、その際、操業の停止時間は実質的に10分/回を要した。また、このスラグ層の厚み値の測定頻度は、3回/日程度必要であった。このため、同一操業日内で、スラグの組成や流動性が変動する場合には十分に対応することができなかった。このように、比較例1では、多くの手間を要し、効率的な操業ができなかった。
10 電気炉、11 電極、12 メタル、13 スラグ、14 鉱石(焼鉱)、15 スラグホール、16 メタルホール、17 アーク

Claims (5)

  1. 電気炉内に垂下した3本の電極に三相交流を印加して通電する電気炉の操業方法において、
    前記電気炉内で生成するスラグの組成を定期的に測定し、測定した該スラグのスラグ塩基度、Fe(質量%)、Al (質量%)の組成に応じて3相交流電流を印加して、
    3本の電極をスラグ層まで浸漬させ、電極からメタル及びスラグに直接通電させて抵抗発熱する方法、
    又は、3本の電極をスラグ層に対し距離を設けて、電極からアークを発生させてアークの熱により直接的に鉱石を熔解させる方法
    を使い分けることにより、電気炉内の該スラグの流動性を調整することを特徴とする電気炉の操業方法。
  2. 前記スラグの組成に応じて前記電極を段階的に昇降させ、該電極の先端をスラグに浸漬又は該電極の先端とスラグとの距離を離間させることを特徴とする請求項1記載の電気炉の操業方法。
  3. スラグ組成に応じてスラグの流動性が悪化していると判断した場合には、電極の降下による電流制御に加え、還元剤を添加してスラグ中に含まれる鉄品位を下げることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1つに記載の電気炉の操業方法
  4. スラグ塩基度に応じて前記電極を昇降させることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炉の操業方法。
  5. 前記スラグ塩基度が上昇した場合には、前記電極を降下させて前記スラグに対して通電させる電流を高く、前記スラグ塩基度が低下した場合には、前記電極を上昇させて前記スラグに対して通電させる電流を低くするように制御することを特徴とする請求項記載の電気炉の操業方法。
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