JP2002053908A - 冷鉄源の溶解設備及び溶解方法 - Google Patents

冷鉄源の溶解設備及び溶解方法

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JP2002053908A
JP2002053908A JP2000234559A JP2000234559A JP2002053908A JP 2002053908 A JP2002053908 A JP 2002053908A JP 2000234559 A JP2000234559 A JP 2000234559A JP 2000234559 A JP2000234559 A JP 2000234559A JP 2002053908 A JP2002053908 A JP 2002053908A
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melting
iron source
chamber
cold iron
preheating
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Takeshi Nakayama
剛 中山
Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
Toshimichi Maki
敏道 牧
Keiji Wakahara
啓司 若原
Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
Yasuhiro Sato
靖浩 佐藤
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解室の上部に直結したシャフト型の予熱室
を有するアーク溶解設備を用いて溶解する際、最終ヒー
トの溶解終了時に予熱室から溶解室における冷鉄源の溶
け残りを抑制する。 【解決手段】 本発明のアーク溶解設備1は、冷鉄源1
8を溶解するための溶解室3と、その上部に直結し、溶
解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予熱するシャフト型
の予熱室2と、冷鉄源を溶解するためのアーク発生用電
極6,7と、予熱室へ冷鉄源を供給するための冷鉄源供
給手段17と、溶湯19を出湯するための出湯口15
と、を具備し、予熱室下方の溶解室の側壁が、溶解室内
に所定量の溶湯が溜まったときの溶湯湯面位置から上部
側に渡って、鉛直又は下方に広がるテーパーを有する。
又は、プッシャー11や加熱手段12、又は底吹きノズ
ル13を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップや直
接還元鉄等の冷鉄源をアーク熱により溶解する溶解設備
及び溶解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク溶解設備では、アーク熱に
て鉄スクラップや直接還元鉄等の冷鉄源を加熱・溶解
し、精錬して溶鋼を製造するが、多くの電力を消費する
ため、溶解中にアーク溶解設備の溶解室から発生する高
温の排ガスを利用して冷鉄源を予熱し、予熱した冷鉄源
を溶解することによって電力使用量を削減する方法が多
数提案されている。
【0003】例えば、特公平6−46145号公報(以
下「先行技術1」と記す)には、溶解室に直結するシャ
フト型の予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒー
ト分の冷鉄源を溶解毎に装入し、装入した冷鉄源を排ガ
スで予熱しつつ溶解するアーク溶解設備が開示されてい
る。又、本発明者等は特開平10−292990号公報
(以下「先行技術2」と記す)において、溶解室の上部
に直結するシャフト型の予熱室を備えたアーク溶解設備
を用い、冷鉄源が溶解室と予熱室とに連続して存在する
状態を保つように冷鉄源を予熱室へ供給しながら溶解室
内の冷鉄源をアークにて溶解し、溶解室に所定量の溶鋼
が溜まった時点で、溶解室及び予熱室に冷鉄源が存在す
る状態で溶鋼を出湯する溶解方法を提案した。
【0004】先行技術1及び先行技術2では、予熱室が
溶解室に直結されているので、予熱室内で予熱する際の
冷鉄源の保持設備や予熱した冷鉄源を溶解室に供給する
ための搬送設備等の保持・搬送用設備を必要とせず、そ
のため、これら設備の熱による設備トラブルを懸念する
ことなく排ガス温度を上昇させ、冷鉄源の予熱温度を上
げることができ、電力原単位を大幅に削減することがで
きる。特に先行技術2では、予熱室内及び溶解室内には
常に冷鉄源が存在し、2ヒート目以降では溶解される全
ての冷鉄源が溶解室で発生する高温の排ガスにより予熱
されるので、電力使用量の大幅な削減が達成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1及び先行技術2には以下の問題点がある。即ち、複
数のヒートを連続して溶解する溶解操業の最終ヒートの
溶解時において、アーク発生用電極から離れた、溶解室
内の予熱室下方の部位には、溶鋼に浸漬されない部分の
冷鉄源が溶け残ることがあり、これをアーク熱によって
溶解するためにはかなりの時間が必要になる。この溶け
残りをそのままの状態で残し、次の溶解操業を行うこと
もできるが、溶け残り量が多い場合には、予熱室から溶
解室への冷鉄源の供給が阻害されたり、又、溶解設備や
耐火物等の補修時には障害物となって補修作業の妨げと
なる。補修時に溶け残りを除去する場合には、多大な時
間と労力を必要とする。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、溶解室の上部に直結されたシ
ャフト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用いて冷鉄
源を溶解する際に、最終ヒートの溶解終了時に、溶解室
内の予熱室下方の部位における冷鉄源の溶け残りを抑制
することができる溶解設備及び溶解方法を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明による冷鉄源
の溶解設備は、冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予
熱するシャフト型の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解
するためのアーク発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給
するための冷鉄源供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯す
るための出湯口と、を具備し、前記予熱室下方の溶解室
の側壁が、溶解室内に所定量の溶湯が溜まったときの溶
湯湯面位置から上部側に渡って、鉛直又は下方に広がる
テーパーを有することを特徴とするものである。
【0008】第2の発明による冷鉄源の溶解設備は、冷
鉄源を溶解するための溶解室と、その上部に直結し、溶
解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予熱するシャフト型
の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク
発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給するための冷鉄源
供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯するための出湯口
と、溶解室の側壁を貫通して設置され、予熱室直下の溶
解室内に存在する冷鉄源を強制的に移動させるプッシャ
ーと、を具備することを特徴とするものである。
【0009】第3の発明による冷鉄源の溶解設備は、冷
鉄源を溶解するための溶解室と、その上部に直結し、溶
解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予熱するシャフト型
の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク
発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給するための冷鉄源
供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯するための出湯口
と、予熱室直下の溶解室の底部に設置された底吹きノズ
ルと、を具備することを特徴とするものである。
【0010】第4の発明による冷鉄源の溶解設備は、冷
鉄源を溶解するための溶解室と、その上部に直結し、溶
解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予熱するシャフト型
の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク
発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給するための冷鉄源
供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯するための出湯口
と、溶解室の側壁を貫通して設置され、予熱室直下の溶
解室内に存在する冷鉄源を加熱して溶融する加熱手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】第5の発明による冷鉄源の溶解方法は、溶
解室と、その上部に直結するシャフト型の予熱室とを具
備するアーク溶解設備を用いて冷鉄源を溶解する方法に
おいて、予熱室下方の溶解室内に冷鉄源の溶け残りが発
生した際には、吊り上げた重量物を予熱室の上方から予
熱室内を通して溶け残った冷鉄源の上に置き、この重量
物の自重によって溶け残った冷鉄源を溶解室内の溶湯中
に落とし込むことを特徴とするものである。
【0012】第1の発明による冷鉄源の溶解設備は、予
熱室下方の溶解室の側壁が、溶解室内に所定量の溶湯が
溜まったときの溶湯湯面位置から上部側に渡って、鉛直
又は下方に広がるテーパーを有しているので、この部分
で冷鉄源同士のブリッジングが起こり難くなり、冷鉄源
の溶け残り量を減少させることができる。
【0013】第2の発明による冷鉄源の溶解設備は、予
熱室下方の溶解室内を出入りして冷鉄源を強制的に移動
させるプッシャーを備えているので、冷鉄源の溶け残り
が発生しても、この溶け残った冷鉄源を強制的に溶湯中
に落とし込むことができるので、冷鉄源の溶け残り量を
減少させることができる。
【0014】第3の発明による冷鉄源の溶解設備は、予
熱室下方の溶解室底部に底吹きノズルを備えているの
で、冷鉄源の溶け残りが発生しても、底吹きノズルから
攪拌用ガスを吹き込んで溶湯を攪拌することにより、溶
け残った冷鉄源の溶解が促進され、冷鉄源の溶け残り量
を減少させることができる。
【0015】第4の発明による冷鉄源の溶解設備は、予
熱室下方の溶解室内の冷鉄源を加熱して溶融する加熱手
段を備えているので、冷鉄源の溶け残りが発生しても、
この溶け残った冷鉄源を溶融して溶湯中に落とし込むこ
とができるので、冷鉄源の溶け残り量を減少させること
ができる。
【0016】第5の発明による冷鉄源の溶解方法では、
重量物を溶け残った冷鉄源の上に置き、重量物の自重に
より溶け残った冷鉄源を溶湯中に落とし込むことができ
るので、冷鉄源の溶け残り量を減少させることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明によるアーク
溶解設備の実施の形態の1例を示す縦断面概略図、図2
及び図3は、図1に示すアーク溶解設備を用いた溶解方
法の例を示す縦断面概略図である。
【0018】この直流式アーク溶解設備1は、冷鉄源1
8をアーク溶解するための溶解室2と、その上部に直結
するシャフト型の予熱室3とを備えている。予熱室3の
上端には、集塵機(図示せず)に連結するダクト23が
設けられている。この溶解室2及び予熱室3には鉄スク
ラップや直接還元鉄、冷銑等の冷鉄源18が装入され
る。
【0019】予熱室3の上方には、走行台車26に吊り
下げられた供給用バケット17が設けられており、この
供給用バケット17から、予熱室3の上部に設けられた
開閉自在な供給口22を介して予熱室3内に冷鉄源18
が装入される。この場合に、供給用バケット17からの
冷鉄源18の装入は、操業中に、冷鉄源18が溶解室2
と予熱室3とに連続して存在する状態を保つように、予
熱室3へ冷鉄源18を連続的又は断続的に供給する。こ
の際の冷鉄源18の装入は、操業実績に基づいて予め設
定されたレシピに基づいて行っても良いし、予熱室3内
の冷鉄源18の量を検出可能なセンサーを設け、このセ
ンサーからの信号に基づいて供給用バケット17による
冷鉄源18の投入を制御するようにしても良い。
【0020】溶解室2の上部には、水冷構造の炉壁4が
配置され、炉壁4の上部には開閉可能な炉蓋5が設けら
れており、その炉蓋5を貫通して溶解室2の上方からそ
の中に上部電極7が挿入されている。又、溶解室2の底
部には、上部電極7と対向する位置に炉底電極6が設け
られている。そして、これらの電極によって形成される
アーク21により、冷鉄源18が溶解されて溶湯19と
なる。溶湯19の上には溶融スラグ20が形成されてお
り、アーク21はこの溶融スラグ20内に形成されるこ
ととなる。
【0021】又、溶解室2には酸素吹き込みランス8及
び炭材吹き込みランス9がその先端を溶湯湯面に向けて
挿入されており、酸素吹き込みランス8からは酸素が溶
解室2内に吹き込まれ、そして、炭材吹き込みランス9
からは空気や窒素等を搬送用ガスとしてコークス、チャ
ー、石炭、木炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室2内に吹き
込まれる。
【0022】溶解室2の予熱室3が直結されている側と
は異なる部分に設けられた突出部2aの底部には出湯口
15が形成されており、この出湯口15を開閉するため
の扉24が設けられている。更に、突出部2aの側壁に
はその出口側を扉25で塞がれた出滓口16が設けられ
ている。尚、出湯口15を出滓口16と同様に側壁に設
置しても良い。又、突出部2aには、その上方からバー
ナー10が挿入されており、出湯される溶湯19の温度
を上昇させることが可能となっている。この場合、バー
ナー10の代わりにアーク電極等の他の加熱装置を用い
ても良い。
【0023】溶解室2の側壁のうち、予熱室3と接続す
る部位は、溶解室2内に所定量の溶湯19が溜まったと
きの溶湯19の湯面位置(M)から上部側に渡って、鉛
直又は下方に広がるテーパーを有するようにする。図2
の例では、溶解室2の全周、全ての側壁が鉛直になって
いるが、溶解室2の側壁のうち、少なくとも予熱室3と
接続する部位の、図2に示す湯面位置(M)から上部側
は、鉛直とするか、又は、湯面位置(M)から上部側に
向かって狭くなるような傾斜を設けることとする。更
に、溶解室2の側壁の、予熱室3との接続部は、予熱室
3の側壁よりも内側に突出させず、平滑面とするは若し
くは後退させ、冷鉄源18の下降の妨げにならないよう
にする。尚、本発明における所定量の溶湯19とは、例
えば1ヒート分の溶湯量や、出湯後に溶解室2内に溶湯
19を残留させる場合には、1ヒート分の溶湯量と溶解
室2内の残留溶湯量とを合わせた量であり、操業状況に
より適宜決定される溶湯量である。
【0024】溶解室2の予熱室3が直結されている側の
側壁には、その側壁を貫通し、予熱室3の下方の溶解室
2内に出入り可能なプッシャー11と加熱手段12とが
設置されている。プッシャー11を溶解室2内で出入り
させることで、プッシャー11の前面にある冷鉄源18
を上部電極7側へ押し込むことができる。加熱手段12
としては、重油、灯油、プロパンガス、天然ガス等の化
石燃料を空気又は酸素若しくは酸素富化空気で燃焼させ
るバーナーや、酸素を吹き込む酸素吹き込み装置を用い
ることができる。加熱手段12を溶解室2内に挿入して
着火又は送酸することで、加熱手段12の前面にある冷
鉄源18を溶融させることができる。加熱手段12は、
その挿入方向が左右上下で変更できるようになってお
り、広い範囲の冷鉄源18を溶融することができる。プ
ッシャー11及び加熱手段12は、通常その先端が溶解
室2内に突出しない状態で待機している。
【0025】予熱室3直下の溶解室2の底部には、Ar
や窒素等の不活性ガスを攪拌用ガスとして吹き込む底吹
きノズル13が設置されている。底吹きノズル13とし
ては、ポーラス質の煉瓦や管状のノズルを用いることが
できる。底吹きノズル13から攪拌用ガスを吹き込むこ
とにより溶解室2内の溶湯19の湯面は擾乱し、溶湯1
9の湯面上に存在する冷鉄源18を溶解することができ
る。
【0026】又、本発明による直流式アーク溶解設備1
では、図3に示すようにクレーン等により吊り上げた重
量物14を供給口22から予熱室3内に装入することが
できる。重量物14は0.5トン〜数トン規模の質量を
有するものであれば良い。重量物14を冷鉄源18の上
に載せれば、重量物14の自重により冷鉄源18は溶解
室2内に押し込まれる。重量物14は冷鉄源18と共に
溶解室2内に落下させて溶解しても良く、又、冷鉄源1
8を押し込んだ後に引き上げ、次の使用まで待機させて
も良い。
【0027】このように構成される直流式アーク溶解設
備1において冷鉄源18を溶解するに際しては、先ず、
溶解室2と予熱室3に冷鉄源18を装入し、冷鉄源18
が溶解室2と予熱室3とに連続して存在する状態とす
る。そして、この状態でアーク21を形成して溶解室2
内に装入した冷鉄源18を溶解する。この際に、酸素吹
き込みランス8から酸素を供給し、冷鉄源18の溶解を
補助する。そして、溶解室2内に溶湯19が溜まってき
たら、炭材吹き込みランス9から溶融スラグ20中に炭
材を吹き込んでスラグフォーミング操業に移行し、上部
電極7の先端を溶融スラグ20中に埋没させ、アーク2
1が溶融スラグ20内に形成されるようにする。
【0028】この溶解により発生する排ガスは、予熱室
3及びダクト23を経由して排出され、この排ガスの熱
により予熱室3内の冷鉄源18が予熱される。溶解室2
内で冷鉄源18が溶解するに伴い、予熱室3の冷鉄源1
8が順次溶解室2に供給されるため、予熱室3内の冷鉄
源18の上端位置が低下してくる。この場合、予熱室3
内に供給した冷鉄源18が溶解室2と予熱室3に連続し
て存在する状態を保つように、供給用バケット17から
予熱室3へ冷鉄源18を連続的又は断続的に供給する。
これにより、常に一定量以上の冷鉄源18が溶解室2及
び予熱室3内に存在している状態が保たれる。
【0029】冷鉄源18の溶解が進行して、溶解室2内
に所定量、例えば1ヒート分以上の溶湯19が溜まった
ら、必要に応じて溶湯19の成分を調整した後、溶解室
2を出湯口15側へ傾動させつつ、予熱室3に供給した
冷鉄源18が溶解室2及び予熱室3に連続して存在する
状態を保ったまま、出湯口15を塞いでいた扉24を開
き、出湯口15から1ヒート分の溶湯19を溶湯保持容
器(図示せず)へ出湯する。出湯に際しては、溶湯19
の凝固による出湯口15の閉塞を防止するために、バー
ナー10で溶湯19を加熱しても良い。又、出湯時に、
数トン〜数十トンの溶湯19を溶解室2内に残留させ
て、次回ヒートの溶解を再開しても良い。こうすること
で初期の溶解が促進され、溶解効率が向上する。
【0030】出湯後、必要に応じて溶湯19を取鍋精錬
炉等にて昇温して精錬した後、連続鋳造機等で鋳造す
る。溶湯19を出湯し、更に必要に応じて溶融スラグ2
0を排滓した後、溶解室2を水平に戻し、出湯口15及
び出滓口16内に詰め砂又はマッド材を充填した後、次
回ヒートの溶解を開始する。
【0031】このようにして冷鉄源18の溶解を繰り返
し実施する。そして、最終ヒートの溶解時には、1ヒー
ト分の溶湯19を得るために必要な冷鉄源18を予熱室
3内に装入したならば、冷鉄源18の予熱室3への装入
を停止し、予熱室3内の冷鉄源18をアーク21にて溶
解する。溶解中に、予熱室3内の冷鉄源18の下降が停
止した時点や、冷鉄源18の溶け残りが確認できた時
点、又は、予熱室3内のほとんどの冷鉄源18が溶解さ
れた時点で、プッシャー11を作動させるか、底吹きノ
ズル13から攪拌用ガスを吹き込むか、加熱手段12を
着火する若しくは加熱手段12から送酸するか、重量物
14を予熱室3内に装入するか、又は、これら手段の内
の幾つかを組み合わせて実施し、予熱室3の下方に溶け
残った冷鉄源18を溶湯19中に供給する。図2は、プ
ッシャー11を作動させ、溶解室2内及び予熱室3内に
溶け残った冷鉄源18を強制的に溶解室2の中心側に押
し込む様子を示す図であり、図3は、重量物14を予熱
室3内に装入して、溶解室2内及び予熱室3内に溶け残
った冷鉄源18を強制的に溶湯19に押し込む様子を示
す図である。尚、本発明の直流式アーク溶解設備1で
は、溶解室2の側壁を鉛直としているので、冷鉄源18
の溶け残りは少なく、従って、冷鉄源18の溶け残りが
無いことが確認できた場合には、これらの手段を実施す
る必要はない。
【0032】このように、本発明による直流式アーク溶
解設備1を用いて冷鉄源18の溶解操業を実施すること
で、複数のヒートを連続して溶解する溶解操業の最終ヒ
ートの溶解終了時に、溶解室2内の予熱室3下方の位置
で冷鉄源18の溶け残りを抑制することが可能となる。
又、常に冷鉄源18が溶解室2と予熱室3とに存在する
ので、2ヒート目以降は溶解する冷鉄源18の全てが予
熱され、電力原単位を大幅に低減することが可能とな
る。
【0033】尚、上記の実施の形態では、冷鉄源18が
常に溶解室2と予熱室3とに連続して存在する状態で冷
鉄源18を溶解するアーク溶解設備に本発明を適用した
場合について説明したが、1ヒート分の冷鉄源18を溶
解毎に装入し、装入した全ての冷鉄源18溶解する先行
技術1のようなアーク溶解設備にも適用できることはい
うまでもない。その他、プッシャー11、加熱手段1
2、及び底吹きノズル13の設置位置や設置数等は上記
説明に限るものではなく、個々のアーク溶解設備により
適宜変更することができる。
【0034】
【実施例】図1に示す直流式アーク溶解設備における本
発明の実施例を以下に説明する。用いた直流式アーク溶
解設備は、溶解室が直径7.2m、高さ4m、予熱室が
横幅5m、縦幅3m、高さ7mで、溶解容量は180ト
ンである。
【0035】先ず、溶解室及び予熱室に150トンの常
温の鉄スクラップを装入し、直径30インチの黒鉛製上
部電極を用い、最大750V、130kAの電源容量に
よりアークを形成して溶解を開始した。又、酸素吹き込
みランスから6000Nm3/hrの量で送酸した。溶
解室内に溶鋼が溜まってきた時点で、80kg/min
でコークスをスラグ中に吹き込み、スラグフォーミング
操業に移行し、黒鉛製上部電極の先端をフォーミングス
ラグ中に埋没させた。この時の電圧は550Vに設定し
た。予熱室内の鉄スクラップが溶解室内での鉄スクラッ
プの溶解に伴って下降したら、予熱室上部から供給用バ
ケットを介して鉄スクラップを供給し、予熱室内の鉄ス
クラップの高さを一定の高さに保持した。
【0036】このように、溶解室内及び予熱室内に連続
して鉄スクラップが存在する状態で溶解を進行させ、溶
解室内に180トンの溶鋼が生成した段階で、60トン
を溶解室内に残し、1ヒート分の120トンの溶鋼を出
湯口から取鍋に出湯した。出湯時の溶鋼の温度は156
5℃であり、溶鋼中のC濃度は0.1%であった。出湯
口付近の溶鋼は、酸素−オイルバーナーで加熱した。
【0037】120トン出湯後、通電を再開し、通電再
開後も送酸とコークス吹き込みを行いながらスラグフォ
ーミング操業を行って溶解を継続し、再度溶解室内の溶
鋼量が180トンになったら120トン出湯することを
繰り返した。
【0038】最終ヒートの14ヒート目では、予熱室へ
の鉄スクラップの供給停止後、プッシャー11を作動さ
せず、加熱手段12も用いず、底吹きノズル13から攪
拌用ガスを吹き込まず、更に、重量物14を使用するこ
となく予熱室内の冷鉄源を溶解し、溶解室内の溶鋼を全
量出湯した(本発明例1)。出湯後、冷鉄源の溶け残り
量を測定した。
【0039】その後、溶解室底部の耐火物の補修を実施
し、補修後、上記と同一の操業条件で溶解操業を再開し
た。但し、最終ヒートの14ヒート目では、予熱室内の
冷鉄源がほぼ無くなった時点で、プッシャー11を作動
させ、加熱手段12として設置したバーナーを着火さ
せ、底吹きノズル13から窒素を吹き込みつつ、更に、
重量物14を予熱室内に装入して、予熱室内の冷鉄源を
溶解し、溶解室内の溶鋼を全量出湯した(本発明例
2)。出湯後、冷鉄源の溶け残り量を測定した。
【0040】その結果、溶解室側壁の溶鋼湯面位置に相
当する部位が下方に向かって狭くなるようなアーク溶解
設備を用いて溶解した場合に比較して、本発明例1にお
ける冷鉄源の溶け残り量はおよそ1/5に減少し、本発
明例2における冷鉄源の溶け残り量はおよそ1/10に
減少した。又、本発明例1及び本発明例2ともに、酸素
吹き込み量が33Nm3 /t、コークス原単位が26k
g/tの操業条件で、120トンの溶鋼を出湯から出湯
までの平均時間が約40分間で、電力原単位が218k
Wh/tで溶解することができた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、溶解室の上部に直結さ
れたシャフト型の予熱室を有するアーク溶解設備を用い
て冷鉄源を溶解する際に、最終ヒートの溶解終了時に溶
解室内における冷鉄源の溶け残りを大幅に抑制すること
ができ、次の溶解操業や溶解室内の補修に支障を来すこ
とがなく、効率の良い操業を継続することが可能とな
り、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアーク溶解設備の実施の形態の1
例を示す縦断面概略図である。
【図2】図1に示すアーク溶解設備を用いた溶解方法の
例を示す縦断面概略図である。
【図3】図1に示すアーク溶解設備を用いた溶解方法の
例を示す縦断面概略図である。
【符号の説明】
1 直流式アーク溶解設備 2 溶解室 3 予熱室 6 炉底電極 7 上部電極 11 プッシャー 12 加熱手段 13 底吹きノズル 14 重量物 15 出湯口 17 供給用バケット 18 冷鉄源 19 溶湯 20 溶融スラグ 21 アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 隆二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 牧 敏道 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 若原 啓司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 久保 博嗣 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 靖浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K045 AA04 BA02 RA01 RB02 RB12 RB16 RC02 4K063 AA04 AA12 BA02 CA06 GA02 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
    上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予
    熱するシャフト型の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解
    するためのアーク発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給
    するための冷鉄源供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯す
    るための出湯口と、を具備し、前記予熱室下方の溶解室
    の側壁が、溶解室内に所定量の溶湯が溜まったときの溶
    湯湯面位置から上部側に渡って、鉛直又は下方に広がる
    テーパーを有することを特徴とする冷鉄源の溶解設備。
  2. 【請求項2】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
    上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予
    熱するシャフト型の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解
    するためのアーク発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給
    するための冷鉄源供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯す
    るための出湯口と、溶解室の側壁を貫通して設置され、
    予熱室直下の溶解室内に存在する冷鉄源を強制的に移動
    させるプッシャーと、を具備することを特徴とする冷鉄
    源の溶解設備。
  3. 【請求項3】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
    上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予
    熱するシャフト型の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解
    するためのアーク発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給
    するための冷鉄源供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯す
    るための出湯口と、予熱室直下の溶解室の底部に設置さ
    れた底吹きノズルと、を具備することを特徴とする冷鉄
    源の溶解設備。
  4. 【請求項4】 冷鉄源を溶解するための溶解室と、その
    上部に直結し、溶解室で発生する排ガスにて冷鉄源を予
    熱するシャフト型の予熱室と、溶解室内で冷鉄源を溶解
    するためのアーク発生用電極と、予熱室へ冷鉄源を供給
    するための冷鉄源供給手段と、溶解室内の溶湯を出湯す
    るための出湯口と、溶解室の側壁を貫通して設置され、
    予熱室直下の溶解室内に存在する冷鉄源を加熱して溶融
    する加熱手段と、を具備することを特徴とする冷鉄源の
    溶解設備。
  5. 【請求項5】 溶解室と、その上部に直結するシャフト
    型の予熱室とを具備するアーク溶解設備を用いて冷鉄源
    を溶解する方法において、予熱室下方の溶解室内に冷鉄
    源の溶け残りが発生した際には、吊り上げた重量物を予
    熱室の上方から予熱室内を通して溶け残った冷鉄源の上
    に置き、この重量物の自重によって溶け残った冷鉄源を
    溶解室内の溶湯中に落とし込むことを特徴とする冷鉄源
    の溶解方法。
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