JPH11256350A - 無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴 - Google Patents

無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴

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JPH11256350A
JPH11256350A JP7312498A JP7312498A JPH11256350A JP H11256350 A JPH11256350 A JP H11256350A JP 7312498 A JP7312498 A JP 7312498A JP 7312498 A JP7312498 A JP 7312498A JP H11256350 A JPH11256350 A JP H11256350A
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acid
tin
film
naphthol
plating bath
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JP7312498A
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Seiki Tsuji
清貴 辻
Tetsuji Nishikawa
哲治 西川
Kaoru Tanaka
薫 田中
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Ishihara Chemical Co Ltd
Original Assignee
Ishihara Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無電解スズ又はスズ−鉛合金メッキ浴から得
られる皮膜の接合強度を向上する。 【解決手段】 (A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び鉛塩
の混合物とのいずれかよりなる可溶性金属塩、(B)錯化
剤、(C)特定のナフトールスルホン酸類、或はナフトー
ルカルボン酸類などのナフトール有機酸類よりなる皮膜
接合強度向上剤を含有する無電解スズ又はスズ−鉛合金
メッキ浴である。特定のナフトール有機酸類を添加剤と
して含有するため、例えば、芳香族スルホン酸類に属す
るナフタレンスルホン酸類などを含有する無電解浴に比
べても、浴から得られる皮膜の接合強度が向上するう
え、スズ−鉛合金メッキ浴では、浴組成比と同じ組成比
のスズ−鉛合金皮膜が得られ、皮膜組成比安定性も優れ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無電解スズ及びスズ
−鉛合金メッキ浴に関して、得られる皮膜の接合強度を
強固に向上するうえ、浴組成と同じ組成比の無電解皮膜
が得られるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】芳香族スルホン酸類を添加剤として含有
する無電解スズ−鉛合金メッキ浴の従来技術1として
は、特開平50−15741号公報に、チオ尿素などの
溶解促進剤と、塩素イオンと、ホウフッ化イオンと、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩などの(鉛とスズの)析出
安定剤とをメッキ浴に含有させて、これらの相乗作用に
より、メッキ皮膜の密着性や平滑化、並びにSn/Pb
の共析量の制御などを図ることが開示されている。
【0003】また、同従来技術2としては、特開平3−
291385号公報に、メッキ浴に還元剤と、錯化剤
と、界面活性剤としての改質剤とを含有させ、鉛塩の濃
度を初めに高く後で低く設定し、錯化剤としてのチオ尿
素の濃度を初めに低く後で高く設定するとともに、上記
改質剤としてアルキルベンゼンスルホン酸、フェノール
スルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの芳香族スルホ
ン酸、或はこれらの塩などを使用することにより、皮膜
のピンホールを解消して平滑化し、メッキ外観及び密着
性の均一化を図ることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、銅及び銅合金
上のスズ或はスズ−鉛合金メッキは、ハンダ付け性が良
好で、メッキ皮膜の接合強度が強いなどの理由から、電
子部品、半導体装置用パッケージなどに常用されてい
る。近年、電子部品は小型化、複雑化、多ピン化が急速
に進み、電気メッキでは対応に限界があることから、無
電解スズ又はスズ−鉛合金メッキに要求される性能は益
々高くなって来ており、特に、TABなどの高密度実装
の電子部品では、接合強度やハンダ付け性に関するメッ
キ皮膜への要求は一段と厳しくなっている。しかしなが
ら、前記従来技術1〜2の無電解メッキ浴では、実際に
は、均一なフィレット形成による充分な接合強度を得る
のは容易でなく、接合不良によるトラブルの恐れがある
ため、得られたメッキ皮膜は上述の厳しい要求を満足さ
せるものではない。
【0005】一方、スズ−鉛合金メッキに関し、ホイス
カーの発生を抑制したい場合には皮膜の鉛組成比は数%
〜20%程度が好ましく、耐食性が要求される皮膜では
70〜80%の鉛組成が好ましく、また、プリント基盤
のエッチングレジスト用としてはSn/Pb=60/4
0の共晶皮膜が適している。このように、スズ−鉛合金
メッキはその用途に応じて、組成の異なるメッキ皮膜が
要求されることから、無電解メッキに際しては、予め適
正に浴組成を調整し、この浴組成と同じような組成比の
皮膜が得られるならば、メッキの生産性が向上すること
になるが、上記従来技術1〜2では、無電解メッキ皮膜
の組成は調製時の浴組成とはかなり異なってしまい、用
途に適した組成比の皮膜を迅速に形成するのは容易でな
いという実情がある。また、実際には、メッキ浴中のS
n/Pb組成比を適正に調整しても、被メッキ物の形状
などに起因する皮膜密度の差異により、同一被メッキ物
中においてもSn/Pb組成比にバラツキが生じるとい
う場合もある。
【0006】本発明は得られたメッキ皮膜の接合強度を
強固に向上するとともに、浴組成と同じ組成比の皮膜を
形成して、TABなどの高密度実装の電子部品などにも
充分に対応できるスズ、及びスズ−鉛合金無電解メッキ
浴を開発することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に、特開
平5−186878号公報で、有機スルホン酸をベース
酸に用いて、チオ尿素と還元剤とイミダゾリンベタイン
などの特定の含窒素化合物を含有するスズ及びスズ−鉛
合金メッキ浴(以下、先行技術という)を開示しており、
上記ベース酸に用いる有機スルホン酸の具体例として、
一連のナフトールスルホン酸を含む複数種の芳香族スル
ホン酸を列挙した。
【0008】本発明者らは、先ず、上記ナフトールスル
ホン酸に着目し、この化合物の概念を、ナフトール環に
スルホン酸基ばかりではなく、カルボキシル基などの所
定の官能基が置換した特定のナフトール有機酸類にまで
拡張し、当該ナフトール有機酸類を上記先行技術のよう
なベース酸としてではなく、前記従来技術1のアルキル
ナフタレンスルホン酸塩(析出安定剤)や、従来技術2の
芳香族スルホン酸類(改質剤)のような添加剤としてスズ
浴、或はスズ−鉛合金メッキ浴に含有させて、形成され
る無電解皮膜への影響を鋭意研究した。その結果、上記
ナフトール有機酸類を含有する浴では、皮膜の接合強度
が向上し、浴組成と皮膜組成とに強い対応関係があるこ
となどを見い出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明1は、(A)第一スズ塩と、第
一スズ塩及び鉛塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性
金属塩、(B)有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などの
有機酸、及び無機酸の少なくとも一種、(C)錯化剤の少
なくとも一種、(D)下記の一般式(1)で表される皮膜接
合強度向上剤
【化2】 (XはSO3M、CO2M、但し、Mは水素、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアミンであ
る;m及びnは夫々1〜4の整数である)を含有するこ
とを特徴とする無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴で
ある。
【0010】本発明2は、上記本発明1において、皮膜
接合強度向上剤をメッキ浴に対して0.01〜70g/
Lの割合で含有することを特徴とするものである。
【0011】本発明3は、上記本発明1又は2の無電解
メッキ浴に、さらに還元剤を含有することを特徴とする
無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴である。
【0012】本発明4は、上記本発明1〜3のいずれか
の無電解メッキ浴に、さらに界面活性剤を含有すること
を特徴とする無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】上記皮膜接合強度向上剤はナフタ
レン環に水酸基と、スルホン酸基、或はカルボキシル基
のいずれかとを少なくとも各1個以上有するナフトール
スルホン酸、ナフトールカルボン酸、或はこれらの塩な
どから成るナフトール有機酸類を基本とする化合物であ
る。ナフタレン環への水酸基の置換数mは1〜4個、ス
ルホン酸基、或はカルボキシル基のナフタレン環への置
換数nも1〜4個であり、これらの置換基のナフトール
環への置換位置は任意である。例えば、本発明のナフト
ールスルホン酸類には、ナフトールモノスルホン酸、ナ
フトールジスルホン酸、ナフトールトリスルホン酸、ジ
ヒドロキシナフタレンモノスルホン酸、ジヒドロキシナ
フタレンジスルホン酸などが含まれる。同様に、ナフト
ールカルボン酸類には、ナフトールモノカルボン酸、ナ
フトールジカルボン酸、ナフトールトリカルボン酸、ジ
ヒドロキシナフタレンモノカルボン酸、ジヒドロキシナ
フタレンジカルボン酸などが含まれる。また、置換数n
が2〜4個の場合、スルホン酸基とカルボキシル基はナ
フタレン環に同時に置換することができ、その置換基の
個数はスルホン酸基とカルボキシル基で互いに分け合う
ことになる。従って、本発明のナフトール有機酸類に
は、例えば、ナフトールモノカルボキシモノスルホン
酸、ナフトールモノカルボキシジスルホン酸、ナフトー
ルジカルボキシジスルホン酸、ジヒドロキシモノカルボ
キシナフタレンモノスルホン酸などが含まれる。一方、
ナフトールスルホン酸、或はナフトールカルボン酸など
の各種ナフトール有機酸の塩は、当該有機酸のアルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又はアミンな
どの塩をいう。
【0014】上記皮膜接合強度向上剤の具体例としては
次の化合物などが挙げられる。 (1)1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム (2)2−ナフトール−6−スルホン酸 (3)1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸アンモニウ
ム (4)2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸カリウム (5)1,7−ジヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸
ナトリウム (6)1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナトリウム (7)2−ヒドロキシ−1,5−ジナフトエ酸 (8)2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸 (9)1−ナフトール−3−スルホン酸 (10)2−ナフトール−7−スルホン酸カルシウム (11)3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸 (12)1−ナフトール−8−スルホン酸 (13)2−ナフトール−8−スルホン酸 (14)1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸 (15)2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸 (16)2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸 (17)1−ナフトール−2−カルボキシ−6−スルホン酸 (18)1−ナフトール−4−スルホン酸 (19)2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸
【0015】上記皮膜接合強度向上剤は単用又は併用で
き、メッキ浴に対するこれらの化合物の総濃度は基本的
に任意で良いが、好ましくは0.01〜70g/L、よ
り好ましくは、0.1〜30g/Lである。即ち、本発
明のスズ又はスズ−鉛合金メッキ浴では、皮膜接合強度
向上剤は任意の含有率でメッキ皮膜の接合強度を向上す
る効果はあるが、その一方で、当該向上剤の含有率と得
られる皮膜の接合強度とは無制限の含有範囲で比例関係
にあるというものではなく、例えば、0.1〜30g/
Lの範囲で少量添加した場合には、スズ又はスズ−鉛合
金皮膜のフィレット形成が全体に均一化して接合強度が
より一層強固に向上する。換言すると、メッキ皮膜の接
合強度を顕著に向上するための添加形態としては、本発
明の皮膜接合強度向上剤をいわゆる添加剤レベルの適正
範囲で少量使用するのが有効且つ生産的である。
【0016】上記第一スズ塩又は第一スズ塩と鉛塩の混
合物としては、任意の可溶性の塩類を使用でき、好まし
くは後述する有機スルホン酸との塩類であり、また当該
有機スルホン酸に金属又は金属酸化物を溶解して得られ
る錯塩(水溶性)も使用できる。当該金属塩としての換算
添加量は、一般に0.1〜200g/Lであり、好まし
くは5〜80g/Lである。
【0017】本発明の無電解浴のベースを構成する酸と
しては、メッキ浴での反応が比較的穏やかなアルカンス
ルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸
等の有機スルホン酸、或は、脂肪族カルボン酸などの有
機酸が好ましいが、塩酸、ホウフッ化水素酸、硫酸(ス
ズ−鉛合金メッキ浴では排除される)、ケイフッ化水素
酸、過塩素酸などの無機酸を選択することを排除するも
のではない。上記の酸は単用又は併用され、酸の添加量
は一般に0.1〜200g/Lであり、好ましくは20
〜120g/Lである。上記アルカンスルホン酸として
は、化学式Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜5、好まし
くは1〜3)で示されるものが使用でき、具体的には、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンス
ルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホ
ン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸など
の外、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカ
ンスルホン酸などが挙げられる。
【0018】上記アルカノールスルホン酸としては、化
学式 Cm2m+1-CH(OH)-Cp2p-SO3H(例えば、m=0
〜2、p=1〜3) で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキ
シエタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシプロパン―
1―スルホン酸、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン
酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの
外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒ
ドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブ
タン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―
スルホン酸、2―ヒドロキシデカン―1―スルホン酸、
2―ヒドロキシドデカン―1―スルホン酸などが挙げら
れる。
【0019】上記芳香族スルホン酸は、基本的にはベン
ゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノ
ールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフ
タレンスルホン酸などであって、具体的には、1−ナフ
タレンスルホン酸、2―ナフタレンスルホン酸、トルエ
ンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p―フェノールス
ルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、
ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニ
ルアミン―4―スルホン酸などが挙げられる。
【0020】上記脂肪族カルボン酸としては、一般に、
炭素数1〜6のカルボン酸が使用できる。具体的には、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、酒石酸、グルコ
ン酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
【0021】上記界面活性剤は、ノニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、或はアニ
オン系界面活性剤が挙げられ、これら各種の活性剤を単
用又は併用できる。その添加量は一般に0.01〜10
0g/L、好ましくは0.1〜50g/L、より好まし
くは1〜20g/Lである。
【0022】当該ノニオン系界面活性剤の具体例として
は、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトー
ル、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノー
ル、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキル
ナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソ
ルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1
22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチ
レンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(P
O)を2〜300モル付加縮合させたものや、C1〜C25
アルコキシル化リン酸(塩)などが挙げられる。
【0023】エチレンオキシド(EO)及び/又はプロピ
レンオキシド(PO)を付加縮合させるC1〜C20アルカ
ノールとしては、n−ブタノール、t−ブタノール、n
−ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ラウリル
アルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、ス
テアリルアルコール、エイコサノール、セチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ドコサノールなどが挙げられ
る。同じくビスフェノール類としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールB、ビスフェノールFなどが挙げら
れる。C1〜C25アルキルフェノールとしては、モノ、
ジ、若しくはトリアルキル置換フェノール、例えば、p
−メチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−イソ
オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ヘキ
シルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,4,
6−トリブチルフェノール、ジノニルフェノール、p−
ドデシルフェノール、p−ラウリルフェノール、p−ス
テアリルフェノールなどが挙げられる。アリールアルキ
ルフェノールとしては、2−フェニルイソプロピルフェ
ノール、クミルフェノール、(モノ、ジ又はトリ)スチレ
ン化フェノール、(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェノー
ルなどが挙げられる。C1〜C25アルキルナフトールの
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシ
ルなどが挙げられ、ナフタレン核の任意の位置にあって
良い。C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)は、下記の
一般式(a)で表されるものである。
【0024】
【化3】 (式(a)中、Ra及びRbは同一又は異なるC1〜C25アル
キル、但し、一方がHであっても良い。MはH又はアルカ
リ金属を示す。)
【0025】ソルビタンエステルとしては、モノ、ジ又
はトリエステル化した1,4−、1,5−又は3,6−ソ
ルビタン、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソル
ビタンジオレエート、ソルビタン混合脂肪酸エステルな
どが挙げられる。C1〜C22脂肪族アミンとしては、プ
ロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチル
アミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの飽和
及び不飽和脂肪酸アミンなどが挙げられる。C1〜C22
脂肪族アミドとしては、プロピオン酸、酪酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ヤシ油脂
肪酸、牛脂脂肪酸などのアミドが挙げられる。
【0026】更に、上記ノニオン系界面活性剤として
は、 R1N(R2)2→O (上式中、R1はC5〜C25アルキル又はRCONHR3(R
3はC1〜C5アルキレンを示す)、R2は同一又は異なるC
1〜C5アルキルを示す。)などで示されるアミンオキシド
を用いることができる。
【0027】上記カチオン系界面活性剤としては、下記
の一般式(b)で表される第4級アンモニウム塩
【0028】
【化4】 (式(b)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アル
カンスルホン酸又は硫酸、R1、R2、R3及びR4は同一
又は異なるC1〜C20アルキル、アリール又はベンジル
を示す。) 或は、下記の一般式(c)で表されるピリジニウム塩など
が挙げられる。
【0029】
【化5】 (式(c)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アル
カンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R
6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
【0030】塩の形態のカチオン系界面活性剤の例とし
ては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリル
トリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルア
ンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウ
ム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチ
ルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメ
チルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアン
モニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ジメ
チルジフェニルアンモニウム塩、ベンジルジメチルフェ
ニルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラ
ウリルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ステ
アリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、
オクタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
【0031】上記アニオン系界面活性剤としては、アル
キル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、(モノ、ジ、トリ)ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。アル
キル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイ
ル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレ
ン(EO12)ノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレン(EO15)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム
などが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(EO
15)ノニルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられ
る。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。ま
た、(モノ、ジ、トリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩と
しては、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど
が挙げられる。尚、本発明の皮膜接合強度向上剤として
ナフトールスルホン酸塩を用いる場合には、当該アニオ
ン系界面活性剤としての機能を併せて発揮する可能性を
排除しない。
【0032】上記両性界面活性剤としては、ベタイン、
スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド
とアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化
或はスルホン酸化付加物も使用できる。当該ベタインは
下記の一般式(d)又は(e)などで表されるものである。
【0033】
【化6】 (式(d)中、R7はC1〜C20アルキル、R8及びR9は同
一又は異なるC1〜C5アルキル、nは1〜3の整数を示
す。)
【0034】
【化7】 (式(e)中、R10はC1〜C20アルキル、R11は(CH2)m
OH又は(CH2)mOCH2CO2 -、R12は(CH2)nCO2
-、(CH2)nSO3 -、CH(OH)CH2SO3 -、m及びn
は1〜4の整数を示す。)
【0035】代表的なベタインは、ラウリルジメチルア
ミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタ
イン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸
ベタイン、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−オ
クチル−1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチル
イミダゾリニウムベタインなどが挙げられ、硫酸化及び
スルホン酸化付加物としてはエトキシル化アルキルアミ
ンの硫酸付加物、スルホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリ
ウム塩などが挙げられる。
【0036】スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪酸ア
ミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプ
ロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナトリ
ウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウムなど
が挙げられる。アミノカルボン酸としては、ジオクチル
アミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピオン
酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩な
どが挙げられる。
【0037】上記錯化剤はTABのリードを構成する
銅、銅合金などの当該母材金属に配位して錯イオンを形
成するものであり、下記の(1)〜(3)のキレート剤などを
単用又は併用するのが好ましい。 (1)チオ尿素及びその誘導体 チオ尿素の誘導体としては、1,3―ジメチルチオ尿
素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素(例えば、
1,3―ジエチル―2―チオ尿素)、N,N′―ジイソプ
ロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、
エチレンチオ尿素、1,3―ジフェニルチオ尿素、二酸
化チオ尿素、チオセミカルバジドなどが挙げられる。 (2)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエ
チレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテト
ラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラプロ
ピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジ
エチレントリアミンペンタメチレンリン酸など。 (3)ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、
イミノジプロピオン酸(IDP)、アミノトリメチレンリ
ン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールア
ミン、トリプロパノールアミン、ベンジルアミン、2―
ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミ
ン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレン
ヘプタミン、シンナミルアミン、p―メトキシシンナミ
ルアミンなど。 上記錯化剤の添加量は、一般に5〜300g/Lであ
り、好ましくは50〜200g/Lである。5g/Lよ
り少ないと母材の銅金属に配位せずにメッキ皮膜の形成
に支障を来し、300g/L以上ではメッキ皮膜の析出
が非常に速く密着不良になる。
【0038】上記還元剤は、前記金属塩の還元用、及び
その析出速度や析出合金比率の調整用などに添加され、
次亜リン酸化合物、アミンボラン類、水素化ホウ素化合
物、ヒドラジン誘導体などを単用又は併用するのが好ま
しい。当該次亜リン酸化合物としては、次亜リン酸、そ
のアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム等の塩が挙げられる。当該アミンボラン類とし
ては、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラ
ン、イソプロピルアミンボラン、モルホリンボランなど
が挙げられる。当該水素化ホウ素化合物としては水素化
ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。当該ヒドラジン誘
導体としては、ヒドラジン水和物、メチルヒドラジン、
フェニルヒドラジンなどが挙げられる。上記還元剤の添
加量は一般に5〜200g/Lが好ましく、さらに好ま
しくは30〜150g/Lである。5g/Lより少ない
と析出速度が遅くなり、200g/Lより多くなるとメ
ッキ皮膜のハンダ付け性などが低下する。
【0039】上記メッキ浴の条件としては、浴温は45
〜90℃であるが、析出速度を増す見地からは50〜7
0℃が好ましい。尚、当該メッキ浴には上述の成分以外
に、酸化防止剤、pH調整剤、平滑剤、光沢剤、半光沢
剤などの無電解メッキ浴に通常使用される添加剤を必要
に応じて混合できることは言うまでもない。例えば、上
記酸化防止剤は第一スズ塩の第二スズ塩への酸化を防止
するためのもので、ヒドロキノン、カテコール、ピロガ
ロール、レゾルシン、フェノールスルホン酸、アスコル
ビン酸などが挙げられる。
【0040】
【発明の効果】(1)本発明では、スズ及びスズ−鉛合金
メッキ浴に特定のナフトール有機酸類をいわば添加剤と
して含有するため、後述の試験例に示すように、メッキ
浴から得られる無電解スズ又はスズ−鉛合金皮膜の接合
強度を強固に向上でき、接合不良によるトラブルを有効
に解消して、TABなどの高密度実装の電子部品にも充
分に対応できる。特に、後述の試験例に示すように、従
来技術1〜2に開示された同じ芳香族スルホン酸類に属
するナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、フェノールスルホン酸、或はアルキルベンゼン
スルホン酸塩の含有浴では皮膜の接合強度は不充分であ
るのに対して、本発明の無電解メッキ浴から得られた皮
膜は優れた接合強度を示し、両者の間に明らかな差異が
認められた。尚、後述の試験例に示すように、本発明の
ナフトール有機酸類に属する化合物はいずれもスズ又は
スズ−鉛合金メッキ皮膜の接合強度向上に有効に寄与す
るが、とりわけ、ナフトールカルボン酸類を使用するよ
り、ナフトールスルホン酸類を使用する方が、フィレッ
ト形成が全体に均一化してメッキ皮膜の接合強度がより
一層向上する。相対的には本発明のナフトールスルホン
酸類の使用がより好ましい。
【0041】(2)本発明の無電解スズ−鉛合金メッキ浴
では、浴のSn/Pb比と同じ組成比のスズ−鉛合金メ
ッキ皮膜が得られ(即ち、皮膜組成比安定作用が強く)、
ホイスカー防止や耐食性の具備、或はエッチングレジス
ト用などの各種用途に適した組成比に浴を調整するだけ
で、当該浴組成に対応した組成比の皮膜を迅速且つ容易
に形成でき、無電解メッキの生産性を向上できる。特
に、従来技術1のアルキルナフタレンスルホン酸類を含
むスズ−鉛合金メッキ浴では、スズ及び鉛の共析量を制
御できることが一応述べられているが、実際には、後述
の試験例に見るように、比較例8では、皮膜のSn/P
b比率は浴のSn/Pb組成比からかなりのズレを生じ
て、皮膜組成比の安定性は不充分である。これに対し
て、本発明のナフトール有機酸類を含有した無電解メッ
キ浴では、従来技術1の弊害を円滑に解消して皮膜組成
比安定性を向上できる。
【0042】(3)本発明のナフトール有機酸類は無電解
スズ又はスズ−鉛合金メッキ浴に含有すると、得られる
皮膜の接合強度が実用レベル以上に向上するが、浴への
添加量に関しては、後述の試験例に示すように、例え
ば、0.01〜70g/L程度の範囲で浴に含有する
と、フィレットが連続形成されて皮膜接合強度が一層向
上し、さらに詳述すると、0.1〜30g/Lの範囲で
(あくまでも添加剤として)少量含有すると、フィレット
形成が全体に均一化して皮膜接合強度が顕著に向上す
る。従って、含有率とその効果との関係を勘案すると、
本発明のナフトール有機酸類は適正範囲で少量含有する
のが皮膜接合強度向上の観点から好適である。ちなみ
に、本発明のナフトール有機酸類のメッキ浴への含有率
の増減は、前記(2)の皮膜組成比安定性にはほとんど影
響せず、広い範囲の含有率で高い皮膜組成比安定性を保
持できる。
【0043】
【実施例】以下、無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴
の実施例を順次説明するとともに、浴から得られた皮膜
の接合強度、浴組成比と皮膜組成比の対比などの各種試
験例を併記する。尚、本発明は下記の実施例に拘束され
るものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の
変形を成し得ることは勿論である。
【0044】下記の実施例1〜10は無電解スズ−鉛合
金メッキ浴、実施例11〜12は無電解スズメッキ浴で
あり、これらのうち、実施例1〜5及び9〜12はナフ
トールスルホン酸類、実施例6〜8はナフトールカルボ
ン酸類の各含有例である。
【0045】《実施例1》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 30g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 20g/L ・エタンスルホン酸 :170g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸 : 20g/L ・1−ナフトール−5−スルホン酸ナトリウム : 12g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 18g/L 上記メッキ浴を65℃に保持して、VLP(電解銅箔の
一種)によりパターン形成したTABのフィルムキャリ
アーの試験片を10分間浸漬させた(無電解メッキ条件
は下記の実施例1〜11、比較例1a・b〜5a・b及び
6〜10共に同じ)。得られた皮膜は2.2μmの膜厚と
40.3%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外
観を呈した。
【0046】《実施例2》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 35g/L ・メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 15g/L ・メタンスルホン酸 :120g/L ・1,3−ジフェニルチオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸カリウム : 80g/L ・2−ナフトール−6−スルホン酸 : 10g/L ・ラウリルトリメチルアンモニウム塩 : 2g/L ・ビスフェノールAポリエトキシレート(EO12) : 15g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.8μmの膜厚と3
0.5%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0047】《実施例3》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 14g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸 :130g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 60g/L ・1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸アンモニウム : 8g/L ・ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル 硫酸ナトリウム: 7g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は3.0μmの膜厚と2
9.4%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0048】《実施例4》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・p−フェノールスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 20g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 5g/L ・トルエンスルホン酸 :100g/L ・p−フェノールスルホン酸 : 10g/L ・チオ尿素 :150g/L ・2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸カリウム : 6g/L ・オクチルフェノールポリエトキシレート(EO10) : 10g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は3.0μmの膜厚と2
0.1%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0049】《実施例5》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・2−プロパンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 45g/L ・メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 5g/L ・クレゾールスルホン酸 : 85g/L ・チオ尿素 :100g/L ・1,3−ジメチルチオ尿素 : 50g/L ・次亜リン酸カルシウム : 40g/L ・1,7−ジヒドロキシナフタレン −3−スルホン酸ナトリウム : 5g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は4.2μmの膜厚と9.
2%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観を呈
した。
【0050】《実施例6》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 28g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 12g/L ・p−フェノールスルホン酸 :115g/L ・アリルチオ尿素 :150g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 35g/L ・1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ナトリウム : 7g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 10g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は3.6μmの膜厚と3
0.3%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0051】《実施例7》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 24g/L ・メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・メタンスルホン酸 : 20g/L ・プロピオン酸 :100g/L ・アセチルチオ尿素 :130g/L ・次亜リン酸 : 15g/L ・2−ヒドロキシ−1,5−ジナフトエ酸 : 12g/L ・ステアリルアミンアセテート : 5g/L ・クミルフェノールポリエトキシレート(EO15) : 15g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.8μmの膜厚と1
9.7%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0052】《実施例8》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 27g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 3g/L ・エタンスルホン酸 : 90g/L ・エチレンチオ尿素 : 50g/L ・1,3−ジメチルチオ尿素 : 50g/L ・1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸 : 3g/L ・N−ドデシル−N,N−ジメチル −N−カルボキシメチルベタイン : 10g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.2μmの膜厚と1
0.5%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0053】《実施例9》下記の組成で無電解スズ−鉛
合金メッキ浴を建浴した。但し、本実施例9は、前記実
施例2を基本として、本発明のナフトールスルホン酸の
含有量を10g/Lから40g/Lに増量したものであ
る。 ・メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 35g/L ・メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 15g/L ・メタンスルホン酸 :120g/L ・1,3−ジフェニルチオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸カリウム : 80g/L ・2−ナフトール−6−スルホン酸 : 40g/L ・ラウリルトリメチルアンモニウム塩 : 2g/L ・ビスフェノールAポリエトキシレート(EO12) : 15g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.8μmの膜厚と2
9.6%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0054】《実施例10》下記の組成で無電解スズ−
鉛合金メッキ浴を建浴した。但し、本実施例10は、前
記実施例2を基本として、本発明のナフトールスルホン
酸の含有量を10g/Lから80g/Lに上記実施例9
より大幅に増量したものである。 ・メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 35g/L ・メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 15g/L ・メタンスルホン酸 :120g/L ・1,3−ジフェニルチオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸カリウム : 80g/L ・2−ナフトール−6−スルホン酸 : 80g/L ・ラウリルトリメチルアンモニウム塩 : 2g/L ・ビスフェノールAポリエトキシレート(EO12) : 15g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.9μmの膜厚と3
1.2%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0055】《実施例11》下記の組成で無電解スズメ
ッキ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 38g/L ・メタンスルホン酸 :140g/L ・エチレンチオ尿素 : 70g/L ・次亜リン酸カルシウム : 60g/L ・1−ナフトール−3−スルホン酸 : 8g/L ・オクチルフェノールポリプロポキシレート(PO3) −ポリエトキシレート(EO15): 12g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は3.0μmの膜厚を有
し、無光沢、均一で良好な外観を呈した。
【0056】《実施例12》下記の組成で無電解スズメ
ッキ浴を建浴した。 ・p−フェノールスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 55g/L ・p−フェノールスルホン酸 :120g/L ・チオ尿素 :150g/L ・トリメチルチオ尿素 : 15g/L ・2−ナフトール−7−スルホン酸カルシウム : 2g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.6μmの膜厚を有
し、無光沢、均一で良好な外観を呈した。
【0057】以下に示す比較例では、基本的に、比較例
1a・b〜5a・bは後述の接合強度試験を意図したもの
であり、比較例6〜10は無電解スズ−鉛合金メッキ浴
における浴と皮膜の各組成比の測定対比を意図したもの
である。ちなみに、a系列の比較例は無電解スズ−鉛合
金メッキ浴を、また、b系列の比較例は無電解スズメッ
キ浴を夫々示す。《比較例1a》前記実施例1を基本と
しながら、本発明のナフトール有機酸類を省略したブラ
ンク例を比較例1aとして、下記の組成で無電解スズ−
鉛合金メッキ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 30g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 20g/L ・エタンスルホン酸 :170g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸 : 20g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 18g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.2μmの膜厚と1
2.2%の鉛含有率を有した。
【0058】《比較例1b》前記実施例11を基本とし
ながら、本発明のナフトール有機酸類を省略したブラン
ク例を比較例1bとして、下記の組成で無電解スズメッ
キ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 38g/L ・メタンスルホン酸 :140g/L ・エチレンチオ尿素 : 70g/L ・次亜リン酸カルシウム : 60g/L ・オクチルフェノールポリプロポキシレート(PO3) −ポリエトキシレート(EO15): 12g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は0.9μmの膜厚を有
した。
【0059】《比較例2a》前記実施例1を基本としな
がら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示さ
れたナフタレンスルホン酸に代替したものを比較例2a
として、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッキ浴を建
浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 30g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 20g/L ・エタンスルホン酸 :170g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸 : 20g/L ・ナフタレンスルホン酸 : 2g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 18g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.3μmの膜厚と2
5.3%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0060】《比較例2b》前記実施例11を基本とし
ながら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示
されたナフタレンスルホン酸に代替したものを比較例2
bとして、下記の組成で無電解スズメッキ浴を建浴し
た。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 38g/L ・メタンスルホン酸 :140g/L ・エチレンチオ尿素 : 70g/L ・次亜リン酸カルシウム : 60g/L ・ナフタレンスルホン酸 : 2g/L ・オクチルフェノールポリプロポキシレート(PO3) −ポリエトキシレート(EO15): 12g/L 上記メッキ条件でメッキ付けを行った。得られた皮膜
は、1.4μmの膜厚を有し、無光沢、均一で良好な外
観を呈した。
【0061】《比較例3a》前記実施例1を基本としな
がら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示さ
れたアルキルナフタレンスルホン酸塩に代替したものを
比較例3aとして、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メ
ッキ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 30g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 20g/L ・エタンスルホン酸 :170g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸 : 20g/L ・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム : 4g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 18g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.8μmの膜厚と1
7.0%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0062】《比較例3b》前記実施例11を基本とし
ながら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示
されたアルキルナフタレンスルホン酸塩に代替したもの
を比較例3bとして、下記の組成で無電解スズメッキ浴
を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 38g/L ・メタンスルホン酸 :140g/L ・エチレンチオ尿素 : 70g/L ・次亜リン酸カルシウム : 60g/L ・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム : 4g/L ・オクチルフェノールポリプロポキシレート(PO3) −ポリエトキシレート(EO15): 12g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.3μmの膜厚を有
し、無光沢、均一で良好な外観を呈した。
【0063】《比較例4a》前記実施例1を基本としな
がら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示さ
れたアルキルベンゼンスルホン酸塩に代替したものを比
較例4aとして、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッ
キ浴を建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 30g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 20g/L ・エタンスルホン酸 :170g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸 : 20g/L ・n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム : 3g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 18g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は3.2μmの膜厚と3
1.8%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0064】《比較例4b》前記実施例11を基本とし
ながら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示
されたアルキルベンゼンスルホン酸塩に代替したものを
比較例4bとして、下記の組成で無電解スズメッキ浴を
建浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 38g/L ・メタンスルホン酸 :140g/L ・エチレンチオ尿素 : 70g/L ・次亜リン酸カルシウム : 60g/L ・n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム : 3g/L ・オクチルフェノールポリプロポキシレート(PO3) −ポリエトキシレート(EO15): 12g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.1μmの膜厚を有
し、無光沢、均一で良好な外観を呈した。
【0065】《比較例5a》前記実施例1を基本としな
がら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示さ
れたフェノールスルホン酸に代替したものを比較例5a
として、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッキ浴を建
浴した。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 30g/L ・エタンスルホン酸鉛(Pb2+として) : 20g/L ・エタンスルホン酸 :170g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸 : 20g/L ・p−フェノールスルホン酸 : 4g/L ・スチレン化フェノールポリエトキシレート(EO18) : 18g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は3.0μmの膜厚と3
4.9%の鉛含有率を有し、無光沢、均一で良好な外観
を呈した。
【0066】《比較例5b》前記実施例11を基本とし
ながら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示
されたフェノールスルホン酸に代替したものを比較例5
bとして、下記の組成で無電解スズメッキ浴を建浴し
た。 ・エタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 38g/L ・メタンスルホン酸 :140g/L ・エチレンチオ尿素 : 70g/L ・次亜リン酸カルシウム : 60g/L ・p−フェノールスルホン酸ナトリウム : 4g/L ・オクチルフェノールポリプロポキシレート(PO3) −ポリエトキシレート(EO15): 12g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.5μmの膜厚を有
し、無光沢、均一で良好な外観を呈した。
【0067】《比較例6》前記実施例3を基本としなが
ら、本発明のナフトール有機酸類を省略したブランク例
を比較例6として、下記の組成で無電解スズメッキ浴を
建浴した。 ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 14g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸 :130g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 60g/L ・ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル 硫酸ナトリウム: 7g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.5μmの膜厚と1
0.0%の鉛含有率を有した。
【0068】《比較例7》前記実施例3を基本としなが
ら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示され
たナフタレンスルホン酸に代替したものを比較例7とし
て、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッキ浴を建浴し
た。 ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 14g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸 :130g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 60g/L ・ナフタレンスルホン酸 : 4g/L ・ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル 硫酸ナトリウム: 7g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は2.1μmの膜厚と2
5.1%の鉛含有率を有した。
【0069】《比較例8》前記実施例3を基本としなが
ら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示され
たアルキルナフタレンスルホン酸塩に代替したものを比
較例8として、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッキ
浴を建浴した。 ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 14g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸 :130g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 60g/L ・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム : 3g/L ・ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル 硫酸ナトリウム: 7g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.8μmの膜厚と2
6.6%の鉛含有率を有した。
【0070】《比較例9》前記実施例3を基本としなが
ら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示され
たアルキルベンゼンスルホン酸塩に代替したものを比較
例9として、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッキ浴
を建浴した。 ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 14g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸 :130g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 60g/L ・n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム : 3g/L ・ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル 硫酸ナトリウム: 7g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.3μmの膜厚と1
5.8%の鉛含有率を有した。
【0071】《比較例10》前記実施例3を基本としな
がら、本発明のナフトール有機酸類を従来技術2に示さ
れたフェノールスルホン酸に代替したものを比較例10
として、下記の組成で無電解スズ−鉛合金メッキ浴を建
浴した。 ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸第一スズ(Sn2+として) : 14g/L ・2−ヒドロキシプロパン −1−スルホン酸鉛(Pb2+として) : 6g/L ・2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸 :130g/L ・チオ尿素 :100g/L ・次亜リン酸ナトリウム : 60g/L ・p−フェノールスルホン酸 : 4g/L ・ポリオキシエチレン(EO12)ノニルエーテル 硫酸ナトリウム: 7g/L 前記メッキ条件で得られた皮膜は1.5μmの膜厚と2
1.5%の鉛含有率を有
【0072】そこで、前記実施例1〜12、並びに比較
例1a・b〜5a・bの各スズ又はスズ−鉛合金メッキ浴
において、無電解メッキを施したTABを夫々銅板上に
ボンディングし、スズ及びスズ−鉛合金メッキ皮膜の接
合強度を調べた。
【0073】《接合強度試験例》ボンディングマシーン
(アビオニクス社製TCW−115A)を使用し、0.5
μmの金メッキを施した銅板上に前記実施例及び比較例
の各TABの回路パターン(具体的には、インナリード)
を、荷重50g/単位インナリード、温度450℃、時
間5秒の条件下でボンディングした。そして、ボンディ
ング後のインナリードの一端を、上記銅板に対して直角
方向に破断するまで引っ張り、その破断モードを調べる
ことでリードのピーリング強度(引き剥がし強度)の簡易
試験を行った。
【0074】但し、当該接合強度試験の評価基準は、接
合強度の強弱を主要な基準としながら、且つ、ボンディ
ング後のインナリード周辺のフィレットの形成状態(拡
大鏡での俯瞰観察)を補足的な参考基準として、下記の
通りに設定した。 ◎:リード自体で破断し、且つ、フィレットはリードの
全周で均一な形状で連続形成されていた。 ○:リード自体で破断し、且つ、フィレットはリードの
全周でほぼ均一な形状で連続形成されていた。 ◇:フィレット形成は局部的に不充分であったが、リー
ド自体で破断しており、実用的な接合強度のレベルは保
持していた。 △:フィレットは不連続に形成され、リードと金メッキ
の界面で破断した。 ×:リードと金メッキの界面で破断し、フィレットは形
成されなかった。
【0075】《接合強度試験結果の評価》図1はその試
験結果を示す。 (1)最初に、無電解スズ−鉛合金メッキ浴から得られた
メッキ皮膜の接合強度について述べる。本発明のナフト
ール有機酸類を含有した無電解メッキ浴である実施例1
〜10では、接合強度は全て◎〜◇の評価であるのに対
して、当該ナフトール有機酸類を含有しない比較例1a
の接合強度は△であった。従って、本発明のナフトール
有機酸類は、先ず、無電解スズ−鉛合金浴から得られた
メッキ皮膜の接合強度を強固に向上することが確認でき
た。また、比較例2a〜5aでは、実施例1〜5又は9
〜10のナフトールスルホン酸類と同じ芳香族スルホン
酸類に属する化合物を含有させた。即ち、比較例2aで
はナフタレンスルホン酸、比較例3aではアルキルナフ
タレンスルホン酸塩、比較例4aではアルキルベンゼン
スルホン酸塩、或は比較例5aではフェノールスルホン
酸を各々含有させたが、これらの接合強度は全て△であ
った。従って、無電解スズ−鉛合金浴に芳香族スルホン
酸類を添加剤として含有させた場合、浴から得られるメ
ッキ皮膜の接合強度の点では、本発明のナフトールスル
ホン酸類の方が、比較例2a〜5aのナフタレンスルホ
ン酸やアルキルナフタレンスルホン酸塩などに比べて格
段に優れた接合強度向上効果を発揮し、皮膜接合強度に
及ぼす両者の差異は顕著であった。
【0076】しかも、本発明のナフトール有機酸類(具
体的には、2−ナフトール−6−スルホン酸)を10g/
Lの割合で少量含有させた実施例2と、40g/Lに増
量した実施例9、さらには80g/Lに大幅増量した実
施例10を比較すると、三者ともにリード自体で破断す
る状態のモードを示したが、フィレットが均一に連続形
成していた実施例2が◎の評価であったのに対して、実
施例9ではほぼ均一な連続形成であったために○の評
価、また、最後の実施例10では、フィレット形成は局
部的にやや不充分であった(但し、接合強度の実用レベル
に問題はなかった)ために、◇の評価にとどまった。こ
のことから、本発明のナフトール有機酸類は無電解スズ
−鉛合金浴への含有率の大小に拘わらず、実用レベルを
越える良好な皮膜接合強度を示すことが認められるが、
特に、適正範囲で少量含有させる方が皮膜接合強度の向
上に顕著な寄与を示し、有効且つ生産的であることが明
らかになった。
【0077】一方、実施例1〜8の接合強度を対比する
と、ナフトールスルホン酸類を含有した実施例1〜5の
評価は全て◎であったのに対して、ナフトールカルボン
酸類を含有した実施例6〜8の評価は○であった。実施
例1〜8は、全てリード自体で破断が起きており、接合
強度の実用レベルに問題はないが、ナフトールスルホン
酸類と他のナフトール有機酸類の間にはフィレット形成
の状態に若干の差異が認められ、ナフトールスルホン酸
類の方がフィレット形成の均一化への寄与が大きかっ
た。
【0078】(2)上記(1)は無電解スズ−鉛合金メッキ浴
に関する評価説明であるが、無電解スズメッキ浴から得
られた皮膜の接合強度に関しても、実施例11〜12と
比較例1b〜5bを対比する限り、基本的に無電解スズ
−鉛合金皮膜と同様の評価であった。
【0079】《皮膜組成比安定性試験例》無電解スズ−
鉛合金メッキ浴を具体的に述べた前述の各実施例及び比
較例では、その説明中に、メッキ浴の組成、並びに得ら
れたメッキ皮膜のSn/Pb組成比を夫々示した。そこ
で、上記実施例1〜10のうちから、スズ−鉛合金浴の
代表例として実施例2、3及び6を3例抽出するととも
に、当該実施例3を基本として、本発明のナフトール有
機酸類を省略し、或はこのナフトール有機酸類をナフタ
レンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸塩など
の特定の芳香族スルホン酸類に代替したものを比較例6
〜10として新たに設定して、上記抽出実施例2、3、
6とこれらの比較例6〜10において、メッキ浴のSn
/Pb組成比と浴から得られた無電解皮膜の組成比を対
比して、皮膜組成比安定性の度合を調べた。
【0080】図2はその結果を示す。先ず、実施例にお
ける浴のSn/Pb組成比を詳述すると、例えば、実施
例2では、第一スズ塩はSn2+として35g/L、鉛塩
はPb2+として15g/L夫々含有するため、当該組成
比は下記の通りである。 浴のSn/Pb組成比=35/15=70/30 同じように、実施例3では、 浴のSn/Pb組成比=14/6=70/30 また、実施例6では、 浴のSn/Pb組成比=28/12=70/30であ
る。
【0081】本発明のナフトールスルホン酸類を含有す
る実施例2〜3では、メッキ皮膜のSn/Pb組成比は
69.5/30.5、或は70.6/29.4であり、ナフ
トールカルボン酸類を含有する実施例6では69.7/
30.3であって、無電解メッキ皮膜の組成比とメッキ
浴の組成比とのズレはきわめて小さかった。即ち、当該
実施例は優れた皮膜組成比安定作用を示し、実質的に浴
の組成比と同じ組成比のスズ−鉛合金皮膜が容易に形成
できることが確認できた。これに対して、本発明のナフ
トールスルホン酸類を含有しないブランク例である比較
例6や、本発明のナフトールスルホン酸類と同じ芳香族
スルホン酸類に属するナフタレンスルホン酸、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、或はフェノールスルホン酸などを含有する比較例7
〜10では、図2に示す通り、皮膜の組成比は浴の組成
比から大きくズレ、皮膜組成比安定性は低いことが認め
られた。
【0082】ちなみに、前記接合強度試験例において、
本発明のナフトール有機酸類(具体的には、ナフトールス
ルホン酸)を10g/Lの割合で少量含有した実施例
2、40g/Lに増量した実施例9、並びに80g/L
に大幅増量した実施例10の試験結果を抽出して、浴の
Sn/Pb組成比と皮膜の組成比の各数値を併せて示す
と下記の通りであった(図1参照)。 皮膜のSn/Pb組成比 浴のSn/Pb組成比 実施例2 69.5/30.5 70/30 実施例9 70.4/29.6 70/30 実施例10 68.8/31.2 70/30 上記結果を見ると、三者ともに無電解メッキ皮膜の組成
比はメッキ浴の組成比からきわめて小さなズレしか見ら
れず、優れた皮膜組成比安定性を示した。このことか
ら、本発明のナフトール有機酸類の浴への含有率の増減
は、皮膜組成比安定性にはほとんど影響を与えないと思
われる。この点では、本発明のナフトール有機酸類を大
幅含有した実施例10は、前記皮膜接合強度の面では顕
著な寄与に至らなかったものの、皮膜組成比安定性の面
では優れたレベルを示すことから、皮膜接合強度と皮膜
組成比安定性の両面から総合評価した場合には、本発明
のナフトール有機酸類を含有したメッキ浴は、その含有
率の大小を問わず、優れた無電解スズ又はスズ−鉛合金
メッキ浴としての地位を要求できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜12を比較例1a・b〜5a・bと対
比させた皮膜接合強度試験の結果を示す図表である。
【図2】実施例2、3及び6を比較例6〜10と対比さ
せた皮膜組成比安定性試験の結果を示す図表である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び鉛塩
    の混合物とのいずれかよりなる可溶性金属塩、 (B)有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機酸、
    及び無機酸の少なくとも一種、 (C)錯化剤の少なくとも一種、 (D)下記の一般式(1)で表される皮膜接合強度向上剤 【化1】 (XはSO3M、CO2M、但し、Mは水素、アルカリ金
    属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアミンであ
    る;m及びnは夫々1〜4の整数である)を含有するこ
    とを特徴とする無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴。
  2. 【請求項2】 皮膜接合強度向上剤をメッキ浴に対して
    0.01〜70g/Lの割合で含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ
    浴。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の無電解メッキ浴
    に、さらに還元剤を含有することを特徴とする無電解ス
    ズ及びスズ−鉛合金メッキ浴。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載した
    無電解メッキ浴に、さらに界面活性剤を含有することを
    特徴とする無電解スズ及びスズ−鉛合金メッキ浴。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209425A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 C Uyemura & Co Ltd 無電解錫めっき浴及び無電解錫めっき方法

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