JPH07113179A - 無電解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴 - Google Patents

無電解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴

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JPH07113179A
JPH07113179A JP22405194A JP22405194A JPH07113179A JP H07113179 A JPH07113179 A JP H07113179A JP 22405194 A JP22405194 A JP 22405194A JP 22405194 A JP22405194 A JP 22405194A JP H07113179 A JPH07113179 A JP H07113179A
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tin
salt
lead
plating bath
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JP22405194A
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Seiki Tsuji
清貴 辻
Kaoru Tanaka
薫 田中
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Ishihara Chemical Co Ltd
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Ishihara Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無電解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴におい
て、皮膜を厚くメッキし、フュ−ジング性やハンダ付け
性を高め、メッキ外観を改善する。 【構成】 2価のスズ塩及び/又は鉛塩と、スルホン酸
やカルボン酸などの酸と、チオ尿素などの錯化剤とを基
本組成とする、又はこれらと還元剤とを基本組成とする
無電解メッキ浴に、ハロゲン化合物並びにイミダゾリン
ベタインなどの含窒素化合物を併用添加する。ハロゲン
イオンと含窒素化合物の併用効果で、膜厚メッキが可能
になり、メッキ皮膜のフュ−ジング性やハンダ付け性が
向上するうえ、皮膜に均一なメッキ外観が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅或は銅合金などの上
にスズ又はスズ―鉛合金皮膜を施すのに使用される無電
解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴に関する。
【0002】
【発明の背景】銅或は銅合金上へのスズ又はスズ―鉛合
金メッキは、ハンダ付け性及びボンディング性が良好で
あるなどの理由から、電子部品、半導体、プリント基板
などに使用されてきている。しかしながら、電子部品の
小型化、複雑化、多ピン化が進む近年の状況下では、ス
ズ又はスズ―鉛合金メッキの性能には益々高いものが要
求されるため、例えば、電気メッキ方式では対応が容易
でない場合がある。
【0003】一方、従来の無電解スズ又はスズ―鉛合金
メッキ浴では、厚付けメッキが困難であるうえ、得られ
るメッキ皮膜のフュージング性やハンダ付け性(特に、加
熱条件下でのハンダ付け性)が、上記電気メッキで得ら
れるスズ又はスズ―鉛合金の皮膜に比べて極めて劣って
いるうえ、ムラのない均一なメッキ外観が得られないと
いう問題点があった。
【0004】
【従来の技術】この無電解方式のスズ―鉛合金メッキ浴
(即ち、ハンダメッキ浴)としては、例えば、特開昭59
―211565号公報に、ホウフッ化水素酸をベースと
し、これにスズと鉛のホウフッ化金属塩、チオ尿素並び
に還元剤を加えたものを主成分とする浴が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のメッキ浴では、実際上、金属の析出速度が遅
く、短時間で実用に足る厚メッキを施すことは容易でな
い。因みに、上記公報の実施例では、メッキ皮膜は15
分の浸漬条件下で最大膜厚3.6μmに達したことが開
示されているが、通常、メッキ膜厚が厚くなると、皮膜
内部にスポンジ組織が生じて、皮膜の緻密性が低下する
傾向が強く、当該従来技術もこの例外ではない。また、
母材から溶出する銅イオンなどの許容濃度はきわめて低
いために、浴寿命が短く、経済的にも不利である。
【0006】一方、無電解メッキを施す場合、フュージ
ングによりメッキ皮膜の密着性を高めることが前提とな
るが、上記従来技術で得られるメッキ皮膜のフュージン
グ性や熱履歴を受けないハンダ付け性(以下、熱解除方式
のハンダ付け性という)は、実用に供し得る水準にはな
い。特に、リフロー方式による実装では、通常、熱履歴
を経た後に、部品をプリント配線基板にハンダ付けする
ことが行われている(以下、これを熱履歴方式という)
が、この苛酷な条件下でのハンダ付けにおいては、前記
熱解除方式のハンダ付けに比べても、従来技術で良好な
結果を得ることは一層困難である。また、従来技術で
は、メッキ外観もムラが多く極めて不均一であり、皮膜
の緻密性も低い。
【0007】本発明は、無電解スズ又はスズ―鉛合金メ
ッキ浴において、主に、下記の列挙事項を達成して、上
述の問題点を解消することを技術的課題とする。 短時間での厚メッキと、皮膜の緻密性の向上との両立
を図る。 メッキ皮膜のフュージング性、及び、熱解除方式並び
に熱履歴方式のハンダ付け性を共に良好にする。 ムラがなく均一なメッキ外観を得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般に、電子部品、半導
体、プリント基板などでは、製品の清浄度の点からハロ
ゲンイオンの存在は避けなければならないので、無電解
メッキ浴では、塩素イオンを初めとするハロゲンイオン
の使用にはポジティブな評価がないのが従来の実情であ
った。
【0009】しかしながら、本発明者らは、無電解スズ
又はスズ―鉛合金メッキ浴中では、ハロゲンイオン濃度
がメッキ皮膜の性能(特に、メッキ膜厚の促進)や、フュ
ージング性の向上に大きく寄与するという予測外の傾向
を発見するとともに、所定の含窒素化合物を併用添加す
ると、皮膜の緻密性や、熱解除並びに熱履歴方式のハン
ダ付け性が一層改善され、メッキ皮膜の外観なども向上
する点に着目して、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明1は、(A)第一スズ塩と、第
一スズ塩及び鉛塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性
金属塩、(B)アルカンスルホン酸、アルカノールスルホ
ン酸、芳香族スルホン酸及び脂肪族カルボン酸などの少
なくとも一種の酸、(C)錯化剤、(D)ハロゲン化合物、
(E)イミダゾリウムベタイン、ジメチルアルキルベタイ
ン及びアルキルアミンオキシドより成る群より選ばれた
一種の含窒素化合物を含有した無電解スズ又はスズ―鉛
合金メッキ浴である。
【0011】本発明2は、(A)第一スズ塩と、第一スズ
塩及び鉛塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性金属
塩、(B)アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン
酸、芳香族スルホン酸及び脂肪族カルボン酸などの少な
くとも一種の酸、(C)錯化剤、(D)次亜リン酸化合物な
どの還元剤、(E)ハロゲン化合物、(F)イミダゾリウム
ベタイン、ジメチルアルキルベタイン及びアルキルアミ
ンオキシドより成る群より選ばれた少なくとも一種の含
窒素化合物を含有した無電解スズ又はスズ―鉛合金メッ
キ浴である。
【0012】本発明3は、上記本発明1又は2におい
て、第一スズ塩と鉛塩の少なくともいずれかの可溶性金
属塩が金属塩化物であり、当該金属塩化物でハロゲン化
合物を兼ねることを特徴とするものである。
【0013】本発明1は二価のスズ塩及び/又は鉛塩
と、酸と、錯化剤とを基本組成とするメッキ浴であり、
本発明2はこれらに更に還元剤を追加したものであっ
て、本発明1〜2は、当該基本組成のメッキ浴にハロゲ
ン化合物並びに所定の含窒素化合物を併用添加した点に
特徴がある。
【0014】上記ハロゲン化合物は、原則としてメッキ
液に添加した場合に、ハロゲンイオンX-(XはCl、B
r、F、Iのハロゲン原子を示す;以下、同じ)を生成する
化合物をいい、下記のものを単用又は併用するのが好ま
しい。 (1)ハロゲン化水素:HX (2)アルカリ金属塩:LiX、NaX、KX、RbX、
CsX、FrX (3)アルカリ土類金属塩:BeX2、MgX2、CaX2
SrX2、BaX2、RaX2 (4)その他の金属塩:ZnX2、InX3、SnX2、Pb
2、BiX3、SbX3、NiX2、CuX2 (5)ハロゲン化酸素 (6)臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウムなどのハロ
ゲン化アンモニウム (7)有機アミノ化合物のハロゲン化水素酸塩 上記ハロゲン化合物の添加量は、一般に0.005〜2
mol/l、好ましくは0.05〜0.5mol/lであ
る。
【0015】但し、当該ハロゲン化合物は独立成分とし
てメッキ浴に添加することが基本であるが、前記第一ス
ズ塩、鉛塩、酸、錯化剤、還元剤、或は後述する各種の
添加剤がハロゲン含有物より調製される場合には、これ
らでハロゲン化合物を兼用しても差し支えない。因み
に、上記本発明3では、スズ供給源、鉛供給源の少なく
ともいずれかを金属塩化物としてハロゲン化合物に兼用
させるので、スズ供給源のみ、或は鉛供給源のみでハロ
ゲン化合物を兼ねても良いし、両方の供給源でハロゲン
化合物を兼ねても差し支えない。当該金属塩化物とは、
塩化第一スズ、塩化鉛などをいう。
【0016】上記含窒素化合物は、イミダゾリウムベタ
イン、ジメチルアルキルベタイン及びアルキルアミンオ
キシドを単用又は併用する。当該イミダゾリウムベタイ
ンは化1で表わされ、具体的には次のものが挙げられ
る。
【化1】 (式中、R=C5〜C25のアルキル基、R1=H、Na又は
CH2COOM、M=Na、K又はH、R2=COOM、C
2COOM又は CH(OH)CH2SO3M、R3=OH) (1)2―ウンデシル―1―カルボキシメチル―1―ヒド
ロキシエチルイミダゾリウムベタイン (2)2―オクチル―1―カルボキシメチル―1―カルボ
キシオキシエチルイミダゾリウムベタイン (3)2―オレイル―1―カルボキシメチル―1―ヒドロ
キシエチルイミダゾリウムベタイン
【0017】上記ジメチルアルキルベタインは化2で表
わされ、具体的には次のものが挙げられる。
【化2】 (1)N―ステアリル―N,N―ジメチル―N―カルボキシ
メチルベタイン (2)N―オレイル―N,N―ジメチル―N―カルボキシメ
チルベタイン (3)N―ラウリル―N,N―ジメチル―N―カルボキシメ
チルベタイン (4)N―ドデシル―N,N―ジメチル―N―カルボキシメ
チルベタイン
【0018】上記アルキルアミンオキシドは化3で表わ
され、具体的には次のものが挙げられる。
【化3】 (1)ラウリルジメチルアミンオキシド (2)やし油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシ
ド (3)ラウリルジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシド 上記含窒素化合物の添加量は、一般に0.01〜60g
/l、好ましくは0.1〜20g/lである。
【0019】上記の酸としては、メッキ浴での反応が比
較的穏やかなアルカンスルホン酸、アルカノールスルホ
ン酸、芳香族スルホン酸、脂肪族カルボン酸などの有機
酸が好ましいが、塩酸、ホウフッ化水素酸、硫酸、ケイ
フッ化水素酸、過塩素酸などの無機酸を選択することを
排除するものではない。上記の酸は単用又は併用され、
酸の添加量は一般に0.1〜200g/lである。上記
アルカンスルホン酸としては、化学式Cn2n+1SO3
(例えば、n=1〜5、好ましくは1〜3)で示されるもの
が使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンス
ルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスル
ホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン
酸、ペンタンスルホン酸などの外、ヘキサンスルホン
酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などが挙げ
られる。
【0020】上記アルカノールスルホン酸としては、化
学式 Cm2m+1-CH(OH)-Cp2p+1-SO3H(例えば、m=
0〜2、p=1〜3) で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキ
シエタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシプロパン―
1―スルホン酸、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン
酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの
外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒ
ドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブ
タン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―
スルホン酸、2―ヒドロキシデカン―1―スルホン酸、
2―ヒドロキシドデカン―1―スルホン酸などが挙げら
れる。
【0021】上記芳香族スルホン酸は、基本的にはベン
ゼンスルホン酸やナフタリンスルホン酸(例えば、2―ナ
フタリンスルホン酸)であって、その水素原子の一部を
水酸基、ハロゲン基、アルキル基、カルボキシル基、メ
ルカプト基、アミノ基、スルホン酸基などで置換したも
のも使用できる。当該置換型のスルホン酸としては、例
えば、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p―
フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホ
サリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香
酸、ジフェニルアミン―4―スルホン酸、F酸、NW
酸、1―ナフトール―8―スルホン酸、1,5―ナフタ
リンジスルホン酸、ジフェニルアミン―4―ナフタリン
スルホン酸、2―ナフトール―6―スルホン酸、クロイ
セン酸、1―クロル―3―スルホン酸、ベンズアルデヒ
ドスルホン酸などが挙げられる。
【0022】上記脂肪族カルボン酸としては、化学式C
n2n+1COOH(例えば、n=1〜5)で示されるものが
使用できる。具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸な
どが挙げられる。
【0023】上記第一スズ塩又は第一スズ塩と鉛塩の混
合物としては、任意の可溶性の塩類を使用でき、好まし
くは前記の酸との塩類であり、また前記の酸に金属又は
金属酸化物を溶解して得られる水溶性の錯塩も使用でき
る。当該金属塩としての換算添加量は、一般に0.1〜
200g/lである。
【0024】スズ又はスズ―鉛合金でメッキされる受容
側の母材金属は、例えば、プリント配線板上の回路パタ
ーンを形成する銅、銅合金を始め、鉄、ニッケル、鉄―
42%ニッケル合金、亜鉛、アルミニウムなどが考えられ
る。
【0025】上記錯化剤は銅、銅合金などの当該母材金
属に配位して錯イオンを形成するものであり、下記の
(1)〜(3)のキレート剤などを単用又は併用するのが好ま
しい。 (1)チオ尿素及びその誘導体 チオ尿素の誘導体としては、1,3―ジメチルチオ尿
素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素(例えば、
1,3―ジエチル―2―チオ尿素)、N,N′―ジイソプ
ロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、
エチレンチオ尿素、1,3―ジフェニルチオ尿素、二酸
化チオ尿素、チオセミカルバジドなどが挙げられる。 (2)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエ
チレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテト
ラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラプロ
ピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジ
エチレントリアミンペンタメチレンリン酸など。 (3)ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、
イミノジプロピオン酸(IDP)、アミノトリメチレンリ
ン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、ベン
ジルアミン、2―ナフチルアミン、イソブチルアミン、
イソアミルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
ン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p
―メトキシシンナミルアミンなど。上記錯化剤の添加量
は、一般に5〜300g/lである。
【0026】上記還元剤は、前記金属塩の析出速度や析
出合金比率の調整用などに添加され、次亜リン酸化合
物、アミンボラン類、水素化ホウ素化合物、ヒドラジン
誘導体などを単用又は併用するのが好ましい。当該次亜
リン酸化合物としては、次亜リン酸、そのアンモニウ
ム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の
塩が挙げられる。当該アミンボラン類としては、ジメチ
ルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、イソプロピ
ルアミンボラン、モルホリンボランなどが挙げられる。
当該水素化ホウ素化合物としては水素化ホウ素ナトリウ
ムなどが挙げられる。当該ヒドラジン誘導体としては、
ヒドラジン水和物、フェニルヒドラジン、などが挙げら
れる。上記還元剤の添加量は0.1〜200g/lが好
ましい。
【0027】上記メッキ浴の条件としては、浴温は45
〜90℃であるが、析出速度を増す見地からは50〜7
0℃が好ましい。尚、当該メッキ浴には上述の組成物以
外に、周知の添加剤を必要に応じて混合できる。例え
ば、 メッキ外観を調整するために非イオン界面活性剤、両
性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性
剤などを加える、 酸化防止用にヒドロキノン、カテコール、ピロガロー
ルなどを加える、 その外、pH調整剤、光沢剤、半光沢剤などを加える ことなどができる。
【0028】
【作用】銅製の母材金属上に無電解スズメッキを施す場
合を例にとり、本発明の作用を説明する。 (1)本発明1では、メッキ浴中に溶出した銅イオンはチ
オ尿素などの錯化剤の配位により錯イオンを形成し、メ
ッキ浴の反応系内で安定化する。このため、銅錯イオン
とスズイオンとの間のイオン化傾向が逆転し、浴内で置
換メッキ反応が進行する。
【0029】(2)本発明2でも、上記(1)の置換反応が原
則的に進行する。但し、本無電解メッキ浴ではメッキ速
度が高まる。これは、還元剤の補助的な作用で、皮膜形
成の一部に還元反応が寄与するために析出速度が速まる
ものと推定される。
【0030】(3)本発明1〜2では、ハロゲン化合物の
添加により、メッキ浴中にはハロゲンイオンが解離・生
成する。ハロゲン化合物の添加量の調整により、当該メ
ッキ浴中のハロゲンイオンの濃度が変化すると、これに
伴い、母材金属上に析出するメッキ皮膜の膜厚が変化す
るので、特定のハロゲンイオン濃度に対しては当該イオ
ンの作用によりメッキ皮膜に膜厚のピークが生じる。
【0031】
【発明の効果】 (1)ハロゲン化合物の添加により、スズ又はスズ―鉛合
金のメッキ皮膜の膜厚を短時間で実用上充分な厚みに確
保できる。また、本メッキ浴は、従来技術に比べて浴寿
命が長く、生産性が良い。 (2)ハロゲン化合物の添加により、従来技術の大きな問
題点であったフュージング性や熱解除方式のハンダ付け
性を顕著に改善でき、品質の点でもメッキ皮膜を充分に
実用性のある水準に引き上げられる。 (3)含窒素化合物の添加により、析出するスズ又はスズ
―鉛合金の皮膜をムラがなく均一なメッキ外観に改善で
きる。このため、電子部品の小型化、複雑化、多ピン化
などの最近の傾向にも充分に即応できる。
【0032】(4)ハロゲン化合物を添加すると、上記(1)
に示すように、短時間で厚メッキが可能になるが、本発
明では、含窒素化合物をハロゲン化合物に併用添加する
ので、厚い膜厚にも拘わらず、皮膜が緻密になり、皮膜
内部にスポンジ組織が生じるのを防止できる。 (5)含窒素化合物をハロゲン化合物に併用添加するの
で、含窒素化合物を含まずハロゲン化合物を単独添加し
た場合に比べて、上記(2)の熱解除方式のハンダ付け性
がさらに向上する。 (6)ハロゲン化合物を単独添加した場合、熱履歴を施す
方式のハンダ付け性は、上記(2)の熱解除方式のハンダ
付け性に比べて条件が苛酷なので、実用に供し得るレベ
ルとしては問題が残る。しかしながら、含窒素化合物を
ハロゲン化合物に併用添加すると、この問題は円滑に解
消されて、良好な実用性を達成できるため、本発明のメ
ッキ浴は冒述のリフロー方式の実装に充分に対応でき
る。
【0033】
【実施例】実施例を順次説明するとともに、各実施例の
メッキ浴によるメッキ皮膜のフュージング性とハンダ付
け性の試験例を併記する。尚、本発明は下記の実施例に
拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内
で多くの改変をなし得ることは勿論である。
【0034】《実施例1》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ 10g/l(第一
スズイオンとして) メタンスルホン酸鉛 10g/l(鉛イ
オンとして) メタンスルホン酸 100g/l チオ尿素 100g/l 塩化カリウム 0.2mol/l N―ラウリル―N,N―ジメチル 20g/l ―N―カルボキシメチルベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間当該浴中に浸漬させた。得ら
れたスズ―鉛合金メッキの皮膜は8.2μmの膜厚と3
9%の鉛含有率を有し、高い緻密性が認められた。ま
た、無光沢でムラのない均一な外観を呈するとともに、
優れた密着性が確認できた。
【0035】《実施例2》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 p―フェノールスルホン酸第一スズ 10g/l(第一
スズイオンとして) ホウフッ化鉛 10g/l(鉛イ
オンとして) ホウフッ酸 80g/l p―フェノールスルホン酸 80g/l トリメチルチオ尿素 100g/l 臭化マグネシウム 0.05mol/l 2―オクチル―1―カルボキシメチル 10g/l ―1―カルボキシオキシエチルイミダゾリウムベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズ―
鉛合金メッキの皮膜は5.3μmの膜厚と37.0%の鉛
含有率を有し、無光沢でムラのない均一な外観を呈する
とともに、優れた密着性と皮膜の緻密性が確認できた。
また、繰り返しによるメッキ付けにも液の劣化がほとん
どなく、良好な性能を持続した。
【0036】《実施例3》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 2―ヒドロキシプロパン 15g/l(第一
スズイオンとして) ―1―スルホン酸第一スズ 酢酸鉛 10g/l(鉛イ
オンとして) p―フェノールスルホン酸 100g/l 2―ナフタリンスルホン酸 20g/l ジエチルチオ尿素 70g/l フッ化アンチモン 0.1mol/l やし油脂肪酸アミドプロピル 15g/l ―ジメチルアミンオキシド 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズ―
鉛合金メッキの皮膜は6.0μmの膜厚と36%の鉛含
有率を有し、無光沢でムラのない均一な外観を呈すると
ともに、優れた密着性と皮膜の緻密性が確認できた。ま
た、繰り返しによるメッキ付けにも液の劣化がほとんど
なく、良好な性能を持続した。
【0037】《実施例4》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ 15g/l(第一
スズイオンとして) メタンスルホン酸鉛 15g/l(鉛イ
オンとして) メタンスルホン酸 100g/l チオ尿素 100g/l 次亜リン酸ナトリウム 20g/l 塩化ナトリウム 0.2mol/l 2―オレイル―1―カルボキシメチル 10g/l ―1―ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズ―
鉛合金メッキの皮膜は5.8μmの膜厚と39%の鉛含
有率を有し、高い緻密性が認められた。また、白色半光
沢でムラのない均一な外観を呈するとともに、優れた密
着性が確認できた。
【0038】《実施例5》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 塩化第一スズ 15g/l(第一
スズイオンとして) 酢酸鉛 15g/l(鉛イ
オンとして) p―フェノールスルホン酸 150g/l チオ尿素 150g/l 次亜リン酸ナトリウム 40g/l 塩化カリウム 0.1mol/l 2―ウンデシル―1―カルボキシメチル 10g/l ―1―ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズ―
鉛合金メッキの皮膜は7.0μmの膜厚と40%の鉛含
有率を有し、高い緻密性が認められた。また、白色半光
沢でムラのない均一な外観を呈するとともに、優れた密
着性が確認できた。
【0039】《実施例6》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 2―ヒドロキシプロパン 20g/l
(第一スズイオンとして) ―1―スルホン酸第一スズ 2―ヒドロキシプロパン 15g/l
(鉛イオンとして) ―1―スルホン酸鉛 2―ヒドロキシプロパン 120g/l ―1―スルホン酸 ジメチルチオ尿素 80g/l 次亜リン酸ナトリウム 40g/l 塩化インジウム 0.05mol/l 2―オレイル―1―カルボキシメチル 5g/l ―1―ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズ―
鉛合金メッキの皮膜は7.2μmの膜厚と38%の鉛含
有率を有し、高い緻密性が認められた。また、白色でム
ラのない均一な外観を呈するとともに、優れた密着性が
確認できた。
【0040】《実施例7》本実施例7は、スズ及び鉛供
給源でハロゲン化合物を兼用した例である。即ち、下記
の組成で無電解スズ―鉛合金メッキ浴を調製した。 塩化第一スズ 15g/l(第一
スズイオンとして) 塩化鉛 15g/l(鉛イ
オンとして) 酢酸 100g/l チオ尿素 150g/l 2―ウンデシル―1―カルボキシメチル 10g/l ―1―ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズ―
鉛合金メッキの皮膜は6.8μmの膜厚と38%の鉛含
有率を有し、高い緻密性が認められた。また、無光沢で
ムラのない均一な外観を呈するとともに、優れた密着性
が確認できた。
【0041】《実施例8》下記の組成で無電解スズメッ
キ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ 30g/l(第一
スズイオンとして) p―フェノールスルホン酸 100g/l トリメチルチオ尿素 100g/l 塩化カリウム 0.1mol/l N―ドデシル―N,N―ジメチル 3g/l ―N―カルボキシメチルベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズメ
ッキの皮膜は5.8μmの膜厚を有し、高い緻密性が認
められた。また、白色できわめて均一な外観を呈すると
ともに、優れた密着性が確認できた。
【0042】《実施例9》下記の組成で無電解スズメッ
キ浴を建浴した。 塩化第一スズ 30g/l(第一
スズイオンとして) ホウフッ化水素酸 80g/l チオ尿素 80g/l 塩化ベンザルコニウム 0.05mol/l 2―オレイル―1―カルボキシメチル 2g/l ―1―ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズメ
ッキの皮膜は5.5μmの膜厚を有し、高い緻密性が認
められた。また、白色できわめて均一な外観を呈すると
ともに、優れた密着性が確認できた。
【0043】《実施例10》下記の組成で無電解スズメ
ッキ浴を建浴した。 硫酸スズ 30g/l(第一
スズイオンとして) p―フェノールスルホン酸 120g/l チオ尿素 150g/l 次亜リン酸ナトリウム 60g/l 塩酸 0.2mol/l N―ドデシル―N,N―ジメチル 5g/l ―N―カルボキシメチルベタイン カテコール 0.5g/l 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズメ
ッキの皮膜は6.3μmの膜厚を有し、高い緻密性が認
められた。また、無光沢でムラのない均一な外観を呈す
るとともに、優れた密着性が確認できた。
【0044】《実施例11》下記の組成で無電解スズメ
ッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ 30g/l(第一
スズイオンとして) p―フェノールスルホン酸 100g/l チオ尿素 100g/l 次亜リン酸カリウム 40g/l 塩化カリウム 0.15mol/l N―ラウリル―N,N―ジメチル 2g/l ―N―カルボキシメチルベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズメ
ッキの皮膜は6.5μmの膜厚を有し、高い緻密性が認
められた。また、白色できわめて均一な外観を呈すると
ともに、優れた密着性が確認できた。
【0045】以下に比較例を列記するが、比較例1〜4
はハロゲン化合物並びに含窒素化合物を共に欠如した
例、比較例5〜6はハロゲン化合物を単独添加した例、
比較例7〜8は含窒素化合物を単独添加した例である。 《比較例1》下記の組成により、公知の無電解ハンダメ
ッキ浴を調製した。 ホウフッ化第一スズ 0.1mol/l ホウフッ化鉛 0.025mol/l ホウフッ化水素酸 0.1mol/l チオ尿素 1.3mol/l 次亜リン酸ナトリウム 0.3mol/l 非イオン界面活性剤 15g/l 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたハンダ
メッキの皮膜はムラが多く、均一性に欠け、析出速度が
小さくて、膜厚は0.6μmに過ぎなかった。また、メ
ッキ皮膜の鉛含有率は10%であった。
【0046】《比較例2》下記の組成で公知の無電解ハ
ンダメッキ浴を調製した。 p―フェノールスルホン酸第一スズ 39.2g/l ホウフッ化鉛水溶液(42%) 40g/l p―フェノールスルホン酸 60g/l チオ尿素 80g/l ペプトン 1g/l 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたハンダ
メッキの皮膜は暗灰色で著しく均一性に欠け、析出速度
が小さくて、膜厚は0.5μmに過ぎなかった。また、
浴液の安定性については、スズイオンの酸化が認めら
れ、繰り返しメッキに伴い鉛の析出量が極端に多くなっ
た。このため、メッキ皮膜の鉛含有率は45%であっ
た。
【0047】《比較例3》下記の組成により公知の無電
解ハンダメッキ浴を調製した。 メタンスルホン酸スズ 0.13mol/l メタンスルホン酸鉛 0.025mol/l メタンスルホン酸 0.4mol/l チオ尿素 1.5mol/l 次亜リン酸 0.8mol/l 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたハンダ
メッキの皮膜は1.2μmの膜厚と9%鉛含有率を有
し、無光沢で均一性に欠け、外観ムラを生じた。また、
粒子表面は粗雑で、ピンホールが多数認められた。
【0048】《比較例4》下記の組成により公知の無電
解スズメッキ浴を調製した。 ホウフッ化第一スズ 0.25mol/l ホウフッ化水素酸 0.25mol/l p―フェノールスルホン酸 0.55mol/l チオ尿素 1.5mol/l 次亜リン酸カリウム 0.5mol/l ポリオキシエチレン 10g/l ―ノニルフェニルエーテル 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間浸漬させた。得られたスズメ
ッキの皮膜は無光沢で略均一であったが、一部に外観ム
ラが生じた。また、メッキ皮膜を数日間経時的に観察し
たところ、黄変が認められた。
【0049】《比較例5》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ 10g/l(第一
スズイオンとして) メタンスルホン酸鉛 10g/l(鉛イ
オンとして) メタンスルホン酸 100g/l チオ尿素 100g/l 塩化カリウム 0.2mol/l 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間当該浴中に浸漬させた。得ら
れたスズ―鉛合金メッキの皮膜は6.1μmの膜厚と3
7%の鉛含有率を示した。皮膜表面には外観ムラがあ
り、皮膜内部の一部にスポンジ組織が認められた。
【0050】《比較例6》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 塩化第一スズ 15g/l(第一
スズイオンとして) 酢酸鉛 15g/l(鉛イ
オンとして) p―フェノールスルホン酸 150g/l チオ尿素 150g/l 次亜リン酸ナトリウム 40g/l 塩化カリウム 0.1mol/l 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間当該浴中に浸漬させた。得ら
れたスズ―鉛合金メッキの皮膜は6.3μmの膜厚と4
0%の鉛含有率を有した。皮膜表面には外観ムラがあ
り、皮膜内部の一部にスポンジ組織が認められた。
【0051】《比較例7》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 2―ヒドロキシプロパン 0.14mol
/l ―1―スルホン酸第一スズ 酢酸鉛 0.08mol
/l p―フェノールスルホン酸 0.5mol
/l 2―ナフタリンスルホン酸 0.1mol
/l チオ尿素 1.5mol
/l 次亜リン酸ナトリウム 1.0mol
/l やし油脂肪酸アミドプロピル 15g
/l ―ジメチルアミンオキシド 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間当該浴中に浸漬させた。得ら
れたスズ―鉛合金メッキの皮膜は白色できわめて均一の
良好な外観を呈し、優れた密着性が観察された。しか
し、メッキ皮膜の膜厚は1.2μm、鉛含有率は8%で
共に低かった。
【0052】《比較例8》下記の組成で無電解スズ―鉛
合金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ 0.13mol/l(第一
スズイオンとして) メタンスルホン酸鉛 0.025mol/l(鉛イ
オンとして) メタンスルホン酸 0.4mol/l チオ尿素 1.5mol/l 次亜リン酸 0.8mol/l N―ラウリル―N,N―ジメチル 20g/l ―N―カルボキシメチルベタイン 上記メッキ浴を70℃に保持して、25mm×25mmの圧
延銅板の試験片を10分間当該浴中に浸漬させた。得ら
れたスズ―鉛合金メッキの皮膜は無光沢できわめて均一
の良好な外観を呈し、優れた密着性が観察された。しか
し、メッキ皮膜の膜厚は1.1μm、鉛含有率は15%
で共に低かった。
【0053】《試験例》上記実施例1〜11及び比較例
1〜8により無電解メッキを施した各試験片に関して、
下記の方法に基づいてフュージング性、及び、熱解除方
式並びに熱履歴方式のハンダ付け性の評価試験を夫々行
った。尚、熱履歴方式のハンダ付け性の評価試験は、熱
解除方式の試験に比べて、さらに苛酷な条件下でのハン
ダ付け性を評価するためのものである。 (1)フュージング性 上記試験片を水溶性フラックス(ロジン25%含有のI
PA溶液)に予め3秒間浸漬し、次いで、グリセリン中
に260℃、10秒間の条件で浸漬した後、常温の水で
急冷し、乾燥して、試験片の表面状態を観察した。
【0054】(2)熱解除方式のハンダ付け性 前記試験片を上記(1)によりフュージングした後に、直
ちにフラックスに5秒間浸漬し、次いで、250℃に保
持した溶融ハンダ(Sn/Pb=60/40共晶組成)に5秒間浸漬
し、IPAで洗浄した後、その表面状態を観察した。
【0055】(3)熱履歴方式のハンダ付け性 上記(1)によりフュージングした前記試験片を、260
℃、10秒間の条件でホットプレート上で加熱し、次い
で10分間放冷するという処理を予め3回繰り返した
後、上記(2)と同様の条件で溶融ハンダに浸漬し、その
表面状態を観察した。
【0056】図1はその試験結果を示し、各試験の評価
は下記の通りである。 (a)フュージング性 比較例1〜4及び7〜8では、ヨリ、ブツ、ハガレ等の
欠陥が認められ、評価は全て×であったが、実施例1〜
11、並びに、ハロゲン化合物を単独添加した比較例5
〜6では、各メッキ皮膜は平滑な鏡面外観を呈したた
め、評価は○であった。
【0057】(b)熱解除方式のハンダ付け性 比較例1〜4及び7〜8では、ハジキ、非濡れ箇所が認
められ、評価は全て×であったが、上記比較例5〜6で
は、実用に供し得るレベルを確保できるために評価は○
であり、また、実施例1〜11では、この比較例5〜6
をさらに上回る良好な濡れを示し、評価は◎であった。
【0058】(c)熱履歴方式のハンダ付け性 各比較例では、ハジキ、非濡れ箇所が認められて評価は
×であり、ハロゲン化合物を単独添加した比較例5〜6
でも、この傾向に変化はなくて評価は×であった。これ
に対し、実施例1〜11では、100%の濡れが認めら
れて評価は◎であった。一般に、熱履歴を経ると、熱に
よりメッキ皮膜が酸化してハンダ付け性に悪影響を及ぼ
し易いが、ハロゲン化合物と含窒素化合物を併用添加し
た場合には、加熱処理を3回繰り返すにも拘わらず、皮
膜の緻密性が損なわれることなく高く保持されて、上記
酸化に対して強い抵抗力を示すために、ハンダ付け性が
向上したことが推定できる。これに対して、ハロゲン化
合物のみを単独添加した場合には、メッキ皮膜の緻密性
が低くて、熱履歴により皮膜酸化を受け易いために、低
い評価しか得られなかったものと推定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無電解メッキ皮膜のフュージング性とハンダ付
け性の評価試験結果を示す図表である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び鉛塩
    の混合物とのいずれかよりなる可溶性金属塩、 (B)アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳
    香族スルホン酸及び脂肪族カルボン酸などの少なくとも
    一種の酸、 (C)錯化剤、 (D)ハロゲン化合物、 (E)イミダゾリウムベタイン、ジメチルアルキルベタイ
    ン及びアルキルアミンオキシドより成る群より選ばれた
    少なくとも一種の含窒素化合物を含有することを特徴と
    する無電解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴。
  2. 【請求項2】 (A)第一スズ塩と、第一スズ塩及び鉛塩
    の混合物とのいずれかよりなる可溶性金属塩、 (B)アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳
    香族スルホン酸及び脂肪族カルボン酸などの少なくとも
    一種の酸、 (C)錯化剤、 (D)次亜リン酸化合物などの還元剤、 (E)ハロゲン化合物、 (F)イミダゾリウムベタイン、ジメチルアルキルベタイ
    ン及びアルキルアミンオキシドより成る群より選ばれた
    少なくとも一種の含窒素化合物を含有することを特徴と
    する無電解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴。
  3. 【請求項3】 第一スズ塩と鉛塩の少なくともいずれか
    の可溶性金属塩が金属塩化物であり、当該金属塩化物で
    ハロゲン化合物を兼ねることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の無電解スズ又はスズ―鉛合金メッキ浴。
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