JPH11255079A - 車両用電子制御装置、電子制御ユニット及び記録媒体 - Google Patents

車両用電子制御装置、電子制御ユニット及び記録媒体

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JPH11255079A
JPH11255079A JP10058562A JP5856298A JPH11255079A JP H11255079 A JPH11255079 A JP H11255079A JP 10058562 A JP10058562 A JP 10058562A JP 5856298 A JP5856298 A JP 5856298A JP H11255079 A JPH11255079 A JP H11255079A
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稔 穂塚
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  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】車両識別情報を記憶していた電子制御ユニット
を交換した場合であっても、車両識別情報が交換後の新
しい電子制御ユニットに自動的に書き込まれることで交
換時の作業工数低減などを実現可能な車両用電子制御装
置を提供する。 【解決手段】トランスポンダ10あるいはECU30,
50,70の電子制御ユニットのいずれかが故障などに
よって交換され、その交換された電子制御ユニット1
0,30,50,70のEEPR0M内に車両識別情報
であるVINコードが記憶されていない場合でも、その
VINコードの記憶されていない電子制御ユニット1
0,30,50,70自らが、他の電子制御ユニット1
0,30,50,70からVINコードを入手してEE
PROMに書き込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載され、
通信ラインを介して相互にデータ通信が可能な複数の電
子制御ユニットを備える車両用電子制御装置やその車両
用電子制御装置に用いて有効な電子制御ユニット及びそ
の電子制御ユニットをコンピュータシステムにて実現す
るための記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用電子制御装置として、
複数の電子制御ユニット(ECU)が通信ラインを介し
て接続され、相互にデータ通信ができるようにしたもの
が知られており、例えば一例として車両診断装置があ
る。この車両診断装置は、例えばエンジン制御を司るエ
ンジンECU等の車載機器用制御ユニットと、その車載
機器用制御ユニットによる診断結果を外部の管理センタ
側へ送信する通信用制御ユニットとを備える。この構成
により、車両側にて検査に関わる情報(例えば、エンジ
ン関連部品の異常に関する情報)を車両から無線通信に
て監督局側に送信し、特に修理が必要な車両に対してそ
のユーザに指示し報告させるようにすることができる。
このように、各車両から診断結果を得た後は、故障や不
良があって整備の必要がある車両のユーザだけに指示す
る形態を採用できるため、一律に管理される場合のユー
ザの煩わしさが解消される。
【0003】ところで、このように各車両から送信され
る診断結果を集中管理する場合は、管理上、各車両から
は車両固有の車両識別情報(例えば製造番号などのシリ
アル番号)を診断結果に加えた診断情報を送信してもら
うことが必要である。つまり、診断対象を識別しない
と、診断結果を適切に処理できないからである。この車
両識別情報は、車両単位で個別に設定しなくてはならな
いため、通常、上述したエンジンECUなどの車載機器
用制御ユニットあるいは通信用制御ユニットを車両へ組
み付ける際に、制御ユニット内の不揮発性メモリに車両
識別情報を記憶させることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両が
市場に出てから、例えば故障などの原因で車両識別情報
が記憶されていた電子制御ユニット自体を交換する事態
が生じた場合には、交換作業時に次のような追加作業が
必要となる。つまり、交換される電子制御ユニットに記
憶されていた車両識別情報を調べた上で、その調べた車
両識別情報を、交換する新しい電子制御ユニットのメモ
リに書き込まなくてはならない。このようにしないと、
交換前と同じ車両識別情報を記憶した電子制御ユニット
とならないからである。
【0005】そこで本発明は、車両識別情報を記憶して
いた電子制御ユニットを交換した場合であっても、車両
識別情報が交換後の新しい電子制御ユニットに自動的に
書き込まれることで交換時の作業工数低減などを実現可
能な車両用電子制御装置、また、この車両用電子制御装
置に用いて有効な電子制御ユニット、さらに、この電子
制御ユニットをコンピュータシステムにて実現するため
の記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するためになされた請求項1記載の車両用電子制
御装置によれば、通信ラインを介して相互にデータ通信
が可能な複数の電子制御ユニットそれぞれが、自ユニッ
トが搭載されている車両固有の車両識別情報が記憶して
おくための記憶手段を備えている。そして、各電子制御
ユニットは、記憶手段に車両識別情報が記憶されていな
い場合には他の電子制御ユニットに対して車両識別情報
の送信を要求する。そして、その送信要求の結果、他の
電子制御ユニットから前記車両識別情報が送信されてき
た場合には、その送信されてきた車両識別情報を記憶手
段に記憶させる。なお、他の電子制御ユニットからの送
信要求に応えるため、他の電子制御ユニットから送信要
求がきた場合には、自ユニットの記憶手段に記憶されて
いる車両識別情報を読み出して送信する。
【0007】このようにすることで、記憶手段に車両識
別情報が記憶されていなくても、自動的に他の電子制御
ユニットから入手して書き込むことができる。したがっ
て、例えば車両製造メーカにおいて電子制御ユニットを
組み付ける際には全ての電子制御ユニットに車両識別情
報が記憶していたものが、市場に出てから故障などの原
因で一つの電子制御ユニットだけ交換するような場合、
その交換作業工数の低減につながる。つまり、交換作業
者は、新しい電子制御ユニットに対するハード的な交換
作業をすればよく、その後は、交換された電子制御ユニ
ット自身が交換時に必要なソフト的な作業を実行するの
である。
【0008】上述した従来の問題は、車両識別情報を記
憶している電子制御ユニット自体が交換されてしまう
と、それ以外に車両識別情報を持つ電子制御ユニットが
存在しないために生じていた。したがって、本発明で
は、まず各電子制御ユニットが車両識別情報を持つよう
にした。その前提で、例えば交換などの理由で車両識別
情報を持たない状態の場合には、他の電子制御ユニット
から車両識別情報を入手して自動的に書き込むようにす
れば、交換時の作業工数低減などを実現できる。
【0009】本発明の車両用電子制御装置の適用先とし
ては種々考えられるが、例えば車両診断用の装置として
用いる場合には、複数の電子制御ユニットの内の少なく
とも一つは、車載機器を制御すると共に、車載機器の状
態を診断する車載機器用制御ユニットとし、少なくとも
他の一つは、前記車載機器用制御ユニットによる診断結
果に車両識別情報を含めた診断情報を外部の管理センタ
側へ送信する通信用制御ユニットとすることが考えられ
る。
【0010】車両診断用の装置とする場合、管理センサ
における診断結果の管理のためには車両識別情報が必要
となるが、次の2通りが考えられる。まず一つ目は、車
載機器用制御ユニットが自ら記憶している車両識別情報
を診断結果と共に通信用制御ユニットへ送り、通信用制
御ユニットは、その送られてきた車両識別情報及び診断
結果を外部の管理センタ側へ送信するのである。2つ目
としては、車載機器用制御ユニットから通信用制御ユニ
ットへは診断結果だけを送り、通信用制御ユニットが自
ら記憶している車両識別情報を診断結果と共に外部の管
理センタ側へ送信するのである。これらいずれの場合に
おいても、外部の管理センサ側へ送信するための車両識
別情報を記憶している電子制御ユニットが交換された場
合には、車両識別情報を他から入手して記憶しておく必
要がある。そのため、本発明は有効である。
【0011】また、車両診断のための装置以外にも適用
は可能である。例えば、各電子制御ユニットにおけるプ
ログラムを書き換える場合などでも適用できる。例えば
一言でエンジン制御用プログラムと言っても、車種など
に応じて特有のプログラムが準備される場合が多い。し
たがって、プログラムを書き換える前に、車両識別情報
に基づいて車種などを判別し、その判別した車種に対応
するプログラム書き換えを実行することが必要である。
この場合、各電子制御ユニットに車両識別情報が記憶さ
れていれば容易に車種などを判別できるが、記憶されて
いなければ、わざわざ他の電子制御ユニットから車両識
別情報を読み出したりしなくてはならず作業工数の増大
につながる。したがって、複数の電子制御ユニットが実
行する処理において扱うデータが、同じ車両に搭載され
ているものであることを前提として成り立つ車両用電子
制御装置であれば、同様に適用でき、同様の効果を得る
ことができる。
【0012】ところで、情報要求手段は、車両識別情報
の記憶の有無を判断し、記憶されていなければ他の電子
制御ユニットへの送信要求を実行するのであるが、この
車両識別情報の記憶有無判断及び他の電子制御ユニット
への送信要求を実行は、例えば電子制御ユニットが通常
動作するために必要な電力供給が開始された際に行うこ
とが考えられる。例えば、一般的な車両においてはイグ
ニッションスイッチをON位置(あるいはACC位置)
にした場合に電力供給が開始される。したがって、電子
制御ユニットを交換した後は、一度イグニッションスイ
ッチを操作するだけで車両識別情報の新規記憶を実行さ
せることができる。
【0013】なお、「通常動作するために必要な電力」
としたのは、次の理由からである。例えばマイクロコン
ピュータにおけるRAM内のデータを車両不使用状態で
も保持しておくためには、電力供給はされる必要があ
る。しかし、これは例えば電子制御ユニットとしてエン
ジンECUを考えると、通常のエンジン制御を実行した
りするのに必要な電力までは不要である。したがって、
もちろんこのようなRAM内のデータを保持したりする
必要がなければ、電力供給を完全に停止してもよいが、
上述の事情も含め、「通常動作するのに必要な電力」と
した。
【0014】また、車両識別情報を記憶しておくための
記憶手段としては、EEPROMなどの不揮発性メモリ
を採用することが好ましい。つまり、電力供給がなくて
も記憶データが消失しないからである。もちろん、イグ
ニッションスイッチがOFFであっても常時電力供給が
なされることを前提とすれば、RAMなどの揮発性メモ
リを記憶手段とすることも可能ではあるが、車載バッテ
リの交換などを想定すると、不揮発性メモリを用いるの
が好ましいと言える。
【0015】これまでの説明では、例えば故障により電
子制御ユニットを交換する必要が生じた場合など、正規
の電子制御ユニットが装着されることを想定していた。
そのため、データ化けなどの特別な異常状態を想定しな
い限り、車両用電子制御装置が備える全ての電子制御ユ
ニットの記憶手段に記憶されている車両識別情報は同一
である。しかし、例えば意図的に正規でない電子制御ユ
ニットを装着した場合や、上記通常の交換時に交換作業
者の過誤によって古い電子制御ユニットを装着した場合
などには、複数種類の車両識別情報が存在することとな
る。この状態は不適切であるので、正規でない電子制御
ユニットが装着されていることを何らかの方法で見つけ
ることが好ましい。
【0016】したがって、電子制御ユニットを少なくと
も3つ備えている場合には、次のようにして対処するこ
とができる。つまり、各電子制御ユニットが、他の電子
制御ユニットから取得した車両識別情報の内の過半数を
占めるものと自己の持つ車両識別情報とが一致するかど
うかを判定し、一致しない場合には、所定の異常時対応
処理を実行するのである。この異常時対応処理として
は、例えば異常が生じていることを警告ランプなどによ
って報知したり、車載機器の機能を制限することが考え
られる。
【0017】このようにすれば、不正な電子制御ユニッ
トが装着されている場合に報知されることで、上述した
過誤により古い電子制御ユニットを装着してしまった場
合に有効である。また、車載機器の機能を制限し、例え
ばエンジンを停止させるなどの処置をすれば、上述した
意図的な不正ユニットの装着の場合にも有効である。
【0018】以上は、複数の電子制御ユニットを備える
ことを前提として車両用電子制御装置について説明し
た。しかし、電子制御ユニット単体として考えた場合で
あっても、以下に示すような構成であれば、上記車両用
電子制御装置に用いて有効である。
【0019】つまり、車両に搭載され、通信ラインを介
して他の電子制御ユニットとの間で相互にデータ通信が
可能な電子制御ユニットであって、搭載されている車両
固有の車両識別情報を記憶しておくための記憶手段と、
その記憶手段に車両識別情報が記憶されていない場合に
は、他の電子制御ユニットに対して車両識別情報の送信
を要求する情報要求手段と、他の電子制御ユニットから
車両識別情報の送信要求がきた場合には、記憶手段に記
憶されている車両識別情報を読み出して送信する情報返
答手段と、情報要求手段による送信要求の結果、他の電
子制御ユニットから前記車両識別情報が送信されてきた
場合には、その送信されてきた車両識別情報を前記記憶
手段に記憶させる情報書込手段とを備えることを特徴と
するものである。
【0020】この電子制御ユニットは、記憶手段に車両
識別情報が記憶されていない状態で新規に交換装着され
た場合には、自動的に他の電子制御ユニットに対して車
両識別情報の送信を要求し、他の電子制御ユニットから
送信されてきた車両識別情報を自己の記憶手段に記憶さ
せる。また、記憶手段に車両識別情報が記憶されている
状態で既に装着されている場合には、他の電子制御ユニ
ットから送信要求が来ると、自ユニットの記憶手段に記
憶されている車両識別情報を読み出して送信する。した
がって、上述した種々の効果を持つ車両用電子制御装置
に用いて有効である。
【0021】そして、情報要求手段が、電子制御ユニッ
トが通常動作するために必要な電力供給が開始された際
に、車両識別情報の記憶の有無判断及びその判断結果に
基づく他の電子制御ユニットへの送信要求を実行するよ
うにしてもよいこと、及びそれに基づく効果などについ
ては、車両用電子制御装置を前提として上述した内容と
同様なので繰り返さない。
【0022】なお、このような電子制御ユニットにおけ
る情報要求手段、情報返答手段及び情報書込手段をコン
ピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピ
ュータシステム側で起動するプログラムとして備えられ
る。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピー
ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ハ
ードディスク等の記録媒体に記録し、必要に応じてコン
ピュータシステムにロードして起動することにより用い
ることができる。この他、ROMやバックアップRAM
を記録媒体として前記プログラムを記録しておき、この
ROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシス
テムに組み込んで用いても良い。
【0023】また、正規でない電子制御ユニットが装着
されていた場合の対処としての工夫についても、電子制
御ユニット単位で実現できる。つまり、他の電子制御ユ
ニットから取得した車両識別情報の内の過半数を占める
ものと自己の持つ車両識別情報とが一致するかどうかを
判定し、一致しない場合には、所定の異常時対応処理を
実行する異常時処理手段を備えたり、その異常時処理手
段が実行する異常時対応処理が、異常報知や車載機器の
機能を制限する点などである。
【0024】なお、この場合には、上述した電子制御ユ
ニットにおける情報要求手段、情報返答手段及び情報書
込手段に加えて異常時処理手段をコンピュータシステム
にて実現する機能をコンピュータシステム側で起動する
プログラムとして備え、このようなプログラムをフロッ
ピーディスク等の記録媒体に記録し、必要に応じてコン
ピュータシステムにロードして起動することにより用い
ればよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の
形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発
明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得るこ
とは言うまでもない。
【0026】図1は、本発明の車両用電子制御装置の実
施例である車両用診断装置を搭載した車両を含む診断シ
ステムの概略構成を示す図である。当該システムの概略
を説明する。監督局をなす管理センタCは、レシーバB
を介して複数の車両Aからそれぞれエミッション(排ガ
ス)に関連するデータ、エンジンの故障に関するデータ
等を無線通信にて入手する。管理センタCは不具合のあ
る車両Aを特定して、その車両保有者に対して車両Aの
修理、改善を促す。なお、この車両Aの修理、改善を促
すのは、例えば書類を郵送するなど種々の方法が採用で
きる。
【0027】図2は、車両A内の概略的なシステム構成
を示すブロック図である。通信用制御ユニットであるト
ランスポンダ10はレシーバBからの要求を受け、車載
機器用制御ユニットであるエンジンECU30、ナビE
CU50、メータECU70から必要な情報を通信ライ
ン5を介して入手し、その入手した情報をレシーバB
(図1参照)に対して送信する。
【0028】エンジンECU30は、エンジンの制御を
司ると共に、エンジンのエミッションに関連する異常を
自己診断し、トランスポンダ10の要求に応じてその情
報をトランスポンダ10に送信する。また、ナビECU
50、メータECU70は、それぞれナビゲーション制
御、メータ表示制御を実行すると共に、エンジンECU
30が自己診断にて何らかの異常を検出したときに、エ
ンジンECU30から出される要求に応じてそれぞれ車
両の走行距離,車両位置をエンジンECU30に出力
し、またトランスポンダ10からの要求が来たときにそ
のときの走行距離,車両位置をトランスポンダ10に出
力する。
【0029】図3〜図6はそれぞれ、トランスポンダ1
0、エンジンECU30、ナビECU50、メータEC
U70の構成を示すブロック図である。まず、図3を参
照してトランスポンダ10について説明する。トランス
ポンダ10が動作するための電力を供給する電源回路1
3には、バッテリ3から常時電力が供給されているの
で、車両のキーSWの状態に関係無く動作する。マイコ
ン11内のCPUは、同じくマイコン11内のROMに
記憶された制御プログラムに従い、アンテナ20を介し
て外部から来る要求に応じた処理を実行する。また、マ
イコン11内のRAMはエンジンECU30などからの
データ等を一時的に記憶する。また、入出力回路12が
アンテナ20及び通信ライン5と接続されており、この
入出力回路12を介して入出力されたデータはマイコン
11内のI/Oを介してCPUなどをやりとりされる。
なお、マイコン11には記憶手段であるEEPR0M1
8が接続されている。
【0030】次に、図4を参照してエンジンECU30
について説明する。エンジンECU30は、メイン電源
回路33がイグニッションSW4を介してバッテリ3と
接続されており、基本的には、イグニッションSW4が
投入されることによってメイン電源回路33から電源が
供給されて動作する。但し、イグニッションSW4を介
さずバッテリ3と直接つながるサブ電源回路34からマ
イコン31に電力供給されることで、マイコン31のR
AMのデータがイグニッションSW4のオフ後も保持さ
れることとなる。
【0031】マイコン31では、CPUがROMに記憶
された制御プログラムに従い、入出力回路32及びマイ
コン31内のI/Oを介して入力したセンサ信号に基づ
いてエンジンが最適な動作をするようインジェクタ47
やイグナイタ48を制御する信号を出力する。また、エ
ンジンのエミッションに関連する異常を自己診断してエ
ンジンの動作やセンサ41〜46の異常等を診断し、外
部(DIAGテスタ49やトランスポンダ10)からの
要求に応じて診断結果のデータを出力する。また、マイ
コン31内のRAMは、CPUでの演算処理に使うセン
サデータ、演算にて求まった制御データ、あるいは上記
診断にて得た種々の診断データ等を保持している。な
お、マイコン31には記憶手段であるEEPR0M38
が接続されている。
【0032】入出力回路32に接続されているセンサ4
1〜46は、空燃比(A/F)センサ41、エンジンの
回転数を検出する回転センサ42、エアフローメータ4
3、水温センサ44、スロットルセンサ45、スタータ
SW46である。次に、図5を参照してナビECU50
について説明する。
【0033】ナビECU50は、電源回路53がアクセ
サリSW6を介してバッテリ3と接続されており、アク
セサリSW6が投入されることによってマイコン51や
入出力回路52が動作する。この入出力回路52には、
受信機62、地図データ入力装置64及び表示モニタ6
6が接続されている。受信機62にはGPSアンテナ6
0が接続されており、これらは、GPS衛星からの電波
に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Posit
ioning System )のための構成である。また、地図デー
タ入力装置64は、位置検出の精度向上のためのいわゆ
るマップマッチング用データ、地図データを含む各種デ
ータを記憶媒体から入力するための装置である。このた
めの記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROM
を用いるのが一般的であるが、例えばDVDやメモリカ
ード等の他の媒体を用いても良い。また、表示モニタ6
6は地図や誘導経路などを表示するためのものであり、
本実施例では、利用者からの指示を入力する機能も備え
ている。
【0034】マイコン51では、CPUがROMの記憶
された制御プログラムに従い、入出力回路52及びマイ
コン51内のI/Oを介して入力した地図データ入力装
置64からの地図データや受信機62からの信号をもと
に、表示モニタ66から得られる利用者からの指示情報
に対応して表示処理を実行し、表示モニタ66に利用者
が所望する情報を表示させる。また、マイコン51は、
エンジンECU30やトランスポンダ10からの要求が
通信ライン5を介して来たときには、受信した時点の車
両位置を、要求してきたエンジンECU30やトランス
ポンダ10に出力することができる。なお、マイコン5
1には記憶手段であるEEPR0M58が接続されてい
る。
【0035】次に、図6を参照してメータECU70に
ついて説明する。メータECU70は、電源回路73が
アクセサリSW6を介してバッテリ3と接続されてお
り、アクセサリSW6が投入されることによってマイコ
ン71や入出力回路72が動作する。この入出力回路7
2には、メータパネル80や車速センサ85などが接続
されている。
【0036】マイコン71では、CPUがROMに記憶
された制御プログラムに従い、車速センサ85などのセ
ンサ信号を入力し、メータパネル80に車速などの情報
を表示させる。また、マイコン71は、エンジンECU
30やトランスポンダ10からの要求が通信ライン5を
介して来たときには、受信した時点の車両の累積走行距
離を、要求してきたエンジンECU30やトランスポン
ダ10に出力することができる。なお、マイコン71に
は記憶手段であるEEPR0M78が接続されている。
【0037】以上の構成を有する本実施例の車両用診断
装置によれば、車両Aに搭載された各ECU30,5
0,70がそれぞれ管轄する各種機器の状態を診断し、
その診断結果は、通信ライン5で接続されたトランスポ
ンダ10によって外部のレシーバBに送信され、さらに
管理センタCへ転送される。このトランスポンダ10か
ら送信される診断結果に含まれる運転状態のデータ(フ
リーズフレームデー夕)は、車両を診断する際の異常解
析用として使われるものであり、例えば、エンジン回転
数、吸入空気量、水温、スロットル開度、噴射量に関す
る制御データ、点火時期に関する制御データ、車両の走
行距離、車両の位置などである。この内、走行距離及び
車両の位置については、エンジンECU30から通信ラ
イン5を介してメータECU70及びナビECU50に
要求し、メータECU70からはその時点での累積走行
距離、ナビECU50からはその時点での位置を出力し
てもらうことによって入手する。
【0038】そして、このフリーズフレームデータに、
車両固有の識別番号であるVINコードを付加してレシ
ーバBへ送信する。つまり、管理センタCでは、多くの
車両Aから送信される診断結果を集中管理することとな
るため、送信されてきた診断結果を確実に区別して適切
に管理するためには、このVINコードが付加されてい
ることが必要だからである。例えばトランスポンダ10
がVINコードを記憶していれば、フリーズフレームデ
ータにVINコードを付加してレシーバBへ送信するこ
とができるが、このトランスポンダ10が故障などにお
いて交換されることでVINコードが記憶されていない
状態になると対処できない。
【0039】そのため、トランスポンダ10、エンジン
ECU30、ナビECU50、メータECU70にそれ
ぞれ接続されているEEPR0M18,38,58,7
8にVINコードを記憶しておき、仮にその内の一部の
電子制御ユニットにおいてVINコードが記憶されてい
ない状態となっても、他の電子制御ユニットに記憶され
ているVINコードを用いて新規に書き込めるようにし
てある。なお、ECUメーカからの出荷時においてはV
INコードは書き込まれていないが、車両メーカにおけ
る車両組み付け工程において車両固有の識別番号が決定
されるため、その時点で書き込まれる。例えば、車両組
み付けラインの最後において、通信ライン5上にVIN
コード送信用のツールが接続され、書き込まれる。した
がって、市場に出た後は、通常はトランスポンダ10、
エンジンECU30、ナビECU50、メータECU7
0の全てのEEPR0M18,38,58,78内にV
INコードが記憶されているはずである。
【0040】しかし、トランスポンダ10あるいはEC
U30,50,70のいずれかが故障などによって交換
された場合には、その交換されたトランスポンダ10あ
るいはECU30,50,70のいずれかのEEPR0
M18,38,58,78内には、そのままではVIN
コードが記憶されていない。そこで、本実施例の車両診
断装置においては、この交換された電子制御ユニット内
の、まだVINコードが記憶されていないEEPR0M
18,38,58,78に、VINコードを書き込むの
である。
【0041】次に、このVINコード書込に関する処理
について説明する。これから説明する処理は、トランス
ポンダ10、エンジンECU30、ナビECU50、メ
ータECU70のいずれにおいても実行されるものであ
るが、ここでは、エンジンECU30を代表して考え、
エンジンECU30のマイコン31にて実行される処理
について説明する。
【0042】まず、エンジンECU30では、イグニッ
ションSW4(図4参照)が投入されると図7のフロー
チャートに示すIGON時処理を実行する。この処理の
最初のステップS110では、まず現在の状態が初期状
態であるかどうかを判断する。ここでいう初期状態とは
EEPROM38内にVINコードが書き込まれていな
い(記憶されていない)状態のことであり、初期状態フ
ラグF(INI)が1となっている。なお、この初期状
態フラグF(INI)はECUメーカからの出荷時には
1となっており、通常は車両メーカにおける組み付けの
際にVINコードが書き込まれるためこの初期状態フラ
グF(INI)は0とされる。但し、上述したように、
市場に出てから故障などから例えばディーラにてエンジ
ンECU30を交換した場合には、そのままでは交換後
のエンジンECU30内のEEPROM38にはVIN
コードが記憶されていないこととなる。
【0043】したがって、このS110では初期状態で
あるかどうかを判断し、初期状態であれば(S110:
YES)、S120へ移行して、VINコード要求フラ
グF(CODE)を1とし、その後通常処理へ移行す
る。このVINコード要求フラグF(CODE)は、後
述の処理でVINコードを他の電子制御ユニットへ要求
するかどうかの判断に用いられる。S120の処理後は
通常処理へ移行する。
【0044】一方、初期状態でなければ(S110:N
O)、S120の処理を実行せずそのまま通常処理へ移
行する。続いて、通常処理中で実行されるVINコード
要求処理について図8のフローチャートを参照して説明
する。
【0045】このVINコード要求処理は、例えば64
ms毎に実行されるべース処理であり、まず最初のステ
ップS210においては、VINコード要求フラグF
(CODE)が1になっているかどうかを判断する。F
(CODE)が1になっている場合は(S210:YE
S)、続くS220において、通信ライン5を介して他
の電子制御ユニットにVINコードを要求する。この場
合には、トランスポンダ10、ナビECU50及びメー
タECU70に要求することとなる。そして、VINコ
ードを要求したら続くS230にて、VINコード要求
フラグF(CODE)を0としてから、本処理ルーチン
を終了する。
【0046】一方、最初のステップS210においては
VINコード要求フラグF(CODE)が1になってい
なければ(S210:NO)、S220,S230の処
理を実行せずそのまま本処理ルーチンを終了する。な
お、図7のIGON時処理及び図8のVINコード要求
処理の実行が「情報要求手段」としての処理の実行に相
当する。
【0047】次に、通常処理中において実行されるコー
ド返答対応処理について図9のフローチャートを参照し
て説明する。このコード返答対応処理は、受信割込によ
って実行される処理であり、まず最初のステップS31
0にて、受信割込で入ったものがVINコードデータの
返答であるかどうかを判断する。そして、VINコード
の返答であれば(S310:YES)、続くS320に
て、VINコード書込フラグF(WCODE)を1とし
てから、本処理ルーチンを終了する。
【0048】一方、最初のステップS310においてV
INコードの返答でないと判断された場合には(S31
0:NO)、S320の処理を実行せずそのまま本処理
ルーチンを終了する。次に、通常処理中において実行さ
れるVINコード書込処理について図10のフローチャ
ートを参照して説明する。
【0049】このVINコード書込処理は、例えば64
ms毎に実行されるべース処理であり、まず最初のステ
ップS410においては、VINコード書込フラグF
(WCODE)が1になっているかどうかを判断する。
VINコード書込フラグF(WCODE)が1になって
いなければ(S410:NO)、そのまま本処理ルーチ
ンを終了するが、VINコード書込フラグF(WCOD
E)が1になっている場合は(S410:YES)、続
くS420において、上述した受信割込で入ってきたV
INコードをEEPROM38に書き込む。S420に
てVINコードの書込が終了したため、続くS430で
はVINコード書込フラグF(WCODE)を0にす
る。
【0050】そして、EEPROM38内にVINコー
ドが記憶されている状態というのは上述した初期状態で
はなくなるため、S440において、初期状態フラグF
(INI)を0にしてから、本処理ルーチンを終了す
る。なお、このように初期状態フラグF(INI)が0
にされた場合には、次回イグニッションSW4がONさ
れた場合であっても、図7のS110にて否定判断され
る。つまり、図7のS120でのVINコード要求フラ
グF(CODE)が1にされないため、図8のS210
でも否定判断され、結果的にVINコードの要求はされ
ない。
【0051】このように、エンジンECU30は、自己
の持つEEPR0M18内にVINコードが記憶されて
いないと自己判断した場合には、他の電子制御ユニッ
ト、つまりこの場合はトランスポンダ10、ナビECU
50及びメータECU70にVINコードを送信してく
れるように要求する。そして、その要求に応じて送信さ
れてきたVINコードをEEPR0Mに書き込むのであ
る。
【0052】なお、図9のコード返答対応処理及び図1
0のVINコード書込処理の実行が「情報書込手段」と
しての処理の実行に相当する。次に、VINコードの送
信を要求された側の電子制御ユニット、つまりこの場合
にはトランスポンダ10、ナビECU50及びメータE
CU70のマイコン11,50,71にて実行される処
理について説明する。
【0053】図11は、受信割込にて実行される応答処
理を示すフローチャートであり、まず最初のステップS
1010にて、受信割込で入ったものがVINコードの
要求であるかどうかを判断する。そして、VINコード
の要求であれば(S1010:YES)、続くS102
0にて、VINコード送信フラグF(OUT)を1とし
てから、本処理ルーチンを終了する。
【0054】一方、最初のステップS1010において
VINコードの要求でないと判断された場合には、その
まま本処理ルーチンを終了する。続いて、ベース処理と
して実行されるVINコード送信処理について図12の
フローチャートを参照して説明する。
【0055】まず最初のステップS1110において
は、VINコード送信フラグF(OUT)が1になって
いるかどうかを判断する。VINコード送信フラグF
(OUT)が1になっていなければ(S1110:N
O)、そのまま本処理ルーチンを終了するが、VINコ
ード送信フラグF(OUT)が1になっている場合は
(S1110:YES)、続くS1120において、E
EPROM18,58,78に記憶されているVINコ
ードを読み出して送信する。S1120にてVINコー
ドの送信が終了したため、続くS1130ではVINコ
ード送信フラグF(OUT)を0にしてから、本処理ル
ーチンを終了する。
【0056】なお、図11の応答処理及び図12のVI
Nコード送信処理の実行が「情報返答手段」としての処
理の実行に相当する。以上の説明では、エンジンECU
30は、自己の持つEEPR0M18内にVINコード
が記憶されていないため、トランスポンダ10、ナビE
CU50及びメータECU70にVINコードを送信し
てくれるように要求し、その要求に応じて送信されてき
たVINコードをEEPR0M18に書き込む例を説明
したが、VINコードを要求する主体は、トランスポン
ダ10、ナビECU50及びメータECU70のいずれ
であってもよい。
【0057】このように本実施例の車両診断装置におい
ては、トランスポンダ10あるいはECU30,50,
70の電子制御ユニットのいずれかが故障などによって
交換され、その交換された電子制御ユニット10,3
0,50,70のEEPR0M18,38,58,78
内にVINコードが記憶されていない場合でも、そのV
INコードの記憶されていない電子制御ユニット10,
30,50,70自らが、他の電子制御ユニット10,
30,50,70からVINコードを入手してEEPR
OM18,38,58,78に書き込むことができる。
したがって、車両Aが市場に出た後に故障などからディ
ーラにてエンジンECU30をはじめいずれかの電子制
御ユニットを交換した場合には、交換後の、イグニッシ
ョンSW4をONするだけで、上述の処理が実行されて
エンジンECU30内のEEPROM38にはVINコ
ードが記憶される。つまり、ディーラの交換作業者は、
新しい電子制御ユニットに対するハード的な交換作業を
すればよく、その後は、交換された電子制御ユニット自
身がVINコードの自動入手及び書込作業を実行するの
である。なお、トランスポンダ10、エンジンECU3
0、ナビECU50、メータECU70のEEPR0M
18,38,58,78には、車両メーカにおける車両
組み付け工程時点で、例えば通信ライン5上にVINコ
ード送信用のツールが接続され、VINコードが書き込
まれると説明した。この際、例えば4つの電子制御ユニ
ットの内の1つにVINコードを書き込んだ後で、イグ
ニッションSW4をONすれば、残りの3つの電子制御
ユニットにも自動的にVINコードが書き込まれるの
で、そのようにすれば作業負担は軽減する。
【0058】以上の実施例説明では、例えば故障により
電子制御ユニットを交換する必要が生じた場合など、正
規の電子制御ユニットが装着されることを想定してい
た。そのため、データ化けなどの特別な異常状態を想定
しない限り、車両Aに搭載されている電子制御ユニッ
ト、つまりトランスポンダ10及びECU30,50,
70のEEPROM18,38,58,78に記憶され
ているVINコードは同一である。しかし、例えば意図
的に正規でない電子制御ユニットを装着した場合や、過
誤によって古い電子制御ユニットを装着した場合などに
は、複数種類のVINコードが存在することとなる。こ
の状態は不適切であるので、正規でない電子制御ユニッ
トが装着されていることを何らかの方法で見つけること
が好ましい。上述の実施例の場合には、電子制御ユニッ
トを4つ備えているので、各電子制御ユニットが、他の
電子制御ユニットから取得したVINコードの内の過半
数を占めるものと自己の持つVINコードとが一致する
かどうかを判定し、一致しない場合には不適切な状態で
あることが判る。
【0059】その具体的な処理を図13のフローチャー
トを参照して説明する。この処理は、トランスポンダ1
0及びECU30,50,70にてそれぞれ実行され
る。まず最初のステップS2010においては、VIN
コードの回収を行う。上述したように、トランスポンダ
10及びECU30,50,70の4つの電子制御ユニ
ットの内のいずれかからVINコードの送信要求が出さ
れると、他の電子制御ユニットはVINコードを通信ラ
イン5を介して送信する。したがって、各電子制御ユニ
ットは基本的に他の3つの電子制御ユニットからのVI
Nコードを回収することができる。
【0060】続くS2020では、コード審査を行う。
具体的には、コードの多数決を取り、自己の持つVIN
コードがその過半数を占めるコードと同一であるかどう
かを審査する。そして、自己のVINコードが過半数コ
ードと同一であれば(S2030:YES)、そのまま
本処理ルーチンを終了するが、自己のVINコードが過
半数コードと同一でなければ(S2030:NO)、S
2040へ移行する。
【0061】S2040では、例えば図示しない警告ラ
ンプを点灯して異常が生じていることを報知したり、あ
るいはエンジンを停止させたりする。エンジンECU3
0がこの処理主体であれば、直接エンジン停止処理を実
行することができるし、他の電子制御ユニット10,5
0,70が処理主体である場合には、エンジンECU3
0に対してエンジン停止を指示することとなる。なお、
エンジン停止は、車載機器の機能を制限する一例であ
り、他の対処方法であってもよい。不正な電子制御ユニ
ットが装着されている場合に報知されれば、上述した過
誤により古い電子制御ユニットを装着してしまった場合
に有効である。また、エンジン停止がされれば、特に上
述した意図的な不正ユニットの装着の場合に有効であ
る。
【0062】また、上記実施例では車両診断装置として
実現した場合について説明したが、それ以外にも適用は
可能である。例えば、各電子制御ユニット10,30,
50,70におけるプログラムを書き換える場合などで
も適用できる。例えばエンジンECU30におけるエン
ジン制御用プログラムと言っても、車種などに応じて特
有のプログラムが準備される場合が多い。したがって、
プログラムを書き換える前に、VINコードに基づいて
車種などを判別し、その判別した車種に対応するプログ
ラム書き換えを実行することが必要である。この場合、
各電子制御ユニット10,30,50,70にVINコ
ードが記憶されていれば容易に車種などを判別できる
が、記憶されていなければ、わざわざ他の電子制御ユニ
ット10,30,50,70からVINコードを読み出
したりしなくてはならず作業工数の増大につながる。
【0063】したがって、複数の電子制御ユニット1
0,30,50,70が実行する処理において扱うデー
タが、同じ車両Aに搭載されているものであることを前
提として成り立つ車両用の電子制御装置であれば、同様
に適用でき、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両用診断装置の搭載された車両を
含む診断システムの概略説明図である。
【図2】 実施例の車両内の概略的なシステム構成を示
すブロック図である。
【図3】 実施例のトランスポンダの構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】 実施例のエンジンECUの構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】 実施例のナビECUの構成を示すブロック図
である。
【図6】 実施例のメータECUの構成を示すブロック
図である。
【図7】 実施例の電子制御ユニットで実行されるIG
ON時処理を示すフローチャートである。
【図8】 実施例の電子制御ユニットで実行されるVI
Nコード要求処理を示すフローチャートである。
【図9】 実施例の電子制御ユニットで実行されるコー
ド返答対応処理を示すフローチャートである。
【図10】 実施例の電子制御ユニットで実行されるV
INコード書込処理を示すフローチャートである。
【図11】 実施例の電子制御ユニットで実行される応
答処理を示すフローチャートである。
【図12】 実施例の電子制御ユニットで実行されるV
INコード送信処理を示すフローチャートである。
【図13】 実施例の電子制御ユニットで実行されるV
INコード真偽判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3…バッテリ 4…イグニッション
SW 5…通信ライン 6…アクセサリSW 10…トランスポンダ 11…マイコン 12…入出力回路 13…電源回路 18…EEPROM 20…アンテナ 30…エンジンECU 31…マイコン 32…入出力回路 33…メイン電源回
路 34…サブ電源回路 38…EEPROM 41…A/Fセンサ 42…回転センサ 43…エアフローメータ 44…水温センサ 45…スロットルセンサ 46…スタータSW 47…インジェクタ 48…イグナイタ 49…DIAGテスタ 50…ナビECU 51…マイコン 52…入出力回路 53…電源回路 58…EEPROM 60…GPSアンテ
ナ 62…受信機 64…地図データ入
力装置 66…表示モニタ 70…メータECU 71…マイコン 72…入出力回路 73…電源回路 78…EEPROM 80…メータパネル 85…車速センサ A…車両 B…レシーバ C…管理センタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穂塚 稔 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に搭載され、通信ラインを介して相互
    にデータ通信が可能な複数の電子制御ユニットを備える
    車両用電子制御装置であって、 前記各電子制御ユニットは、 搭載されている車両固有の車両識別情報を記憶しておく
    ための記憶手段と、 その記憶手段に前記車両識別情報が記憶されていない場
    合には、他の電子制御ユニットに対して車両識別情報の
    送信を要求する情報要求手段と、 他の電子制御ユニットから前記車両識別情報の送信要求
    がきた場合には、前記記憶手段に記憶されている車両識
    別情報を読み出して送信する情報返答手段と、 前記情報要求手段による送信要求の結果、他の電子制御
    ユニットから前記車両識別情報が送信されてきた場合に
    は、その送信されてきた車両識別情報を前記記憶手段に
    記憶させる情報書込手段と、 を備えることを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】前記複数の電子制御ユニットの内の少なく
    とも一つは、車載機器を制御すると共に、前記車載機器
    の状態を診断する車載機器用制御ユニットであり、 前記複数の電子制御ユニットの内の少なくとも他の一つ
    は、前記車載機器用制御ユニットによる診断結果に前記
    車両識別情報を含めた診断情報を外部の管理センタ側へ
    送信する通信用制御ユニットであること、 を特徴とする請求項1記載の車両用電子制御装置。
  3. 【請求項3】前記情報要求手段は、電子制御ユニットが
    通常動作するために必要な電力供給が開始された際に、
    前記車両識別情報の記憶の有無判断及びその判断結果に
    基づく他の電子制御ユニットへの送信要求を実行するこ
    と、 を特徴とする請求項1又は2記載の車両用電子制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記記憶手段が不揮発性メモリであるこ
    と、 を特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の車両用電子
    制御装置。
  5. 【請求項5】前記電子制御ユニットを少なくとも3つ備
    えると共に、 前記各電子制御ユニットは、 他の電子制御ユニットから取得した車両識別情報の内の
    過半数を占めるものと自己の持つ車両識別情報とが一致
    するかどうかを判定し、一致しない場合には、所定の異
    常時対応処理を実行する異常時処理手段を備えること、 を特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の車両用電子
    制御装置。
  6. 【請求項6】前記異常時処理手段が実行する異常時対応
    処理は、異常が生じていることを報知する処理であるこ
    と、 を特徴とする請求項5記載の車両用電子制御装置。
  7. 【請求項7】前記異常時処理手段が実行する異常時対応
    処理は、車載機器の機能を制限する処理であること、 を特徴とする請求項5又は6記載の車両用電子制御装
    置。
  8. 【請求項8】車両に搭載され、通信ラインを介して他の
    電子制御ユニットとの間で相互にデータ通信が可能な電
    子制御ユニットであって、 搭載されている車両固有の車両識別情報を記憶しておく
    ための記憶手段と、 その記憶手段に前記車両識別情報が記憶されていない場
    合には、他の電子制御ユニットに対して車両識別情報の
    送信を要求する情報要求手段と、 他の電子制御ユニットから前記車両識別情報の送信要求
    がきた場合には、前記記憶手段に記憶されている車両識
    別情報を読み出して送信する情報返答手段と、 前記情報要求手段による送信要求の結果、他の電子制御
    ユニットから前記車両識別情報が送信されてきた場合に
    は、その送信されてきた車両識別情報を前記記憶手段に
    記憶させる情報書込手段と、 を備えることを特徴とする電子制御ユニット。
  9. 【請求項9】前記情報要求手段は、電子制御ユニットが
    通常動作するために必要な電力供給が開始された際に、
    前記車両識別情報の記憶の有無判断及びその判断結果に
    基づく他の電子制御ユニットへの送信要求を実行するこ
    と、 を特徴とする請求項8記載の電子制御ユニット。
  10. 【請求項10】前記記憶手段が不揮発性メモリであるこ
    と、 を特徴とする請求項8又は9記載の車両用電子制御装
    置。
  11. 【請求項11】他の電子制御ユニットから取得した車両
    識別情報の内の過半数を占めるものと自己の持つ車両識
    別情報とが一致するかどうかを判定し、一致しない場合
    には、所定の異常時対応処理を実行する異常時処理手段
    を備えること、 を特徴とする請求項8〜10のいずれか記載の電子制御
    ユニット。
  12. 【請求項12】前記異常時処理手段が実行する異常時対
    応処理は、異常が生じていることを報知する処理である
    こと、 を特徴とする請求項11記載の電子制御ユニット。
  13. 【請求項13】前記異常時処理手段が実行する異常時対
    応処理は、車載機器の機能を制限する処理であること、 を特徴とする請求項11又は12記載の電子制御ユニッ
    ト。
  14. 【請求項14】前記請求項8〜10のいずれか記載の電
    子制御ユニットにおける情報要求手段、情報返答手段及
    び情報書込手段としてコンピュータシステムを機能させ
    るためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な
    記録媒体。
  15. 【請求項15】前記請求項11〜13のいずれか記載の
    電子制御ユニットにおける情報要求手段、情報返答手
    段、情報書込手段及び異常時処理手段としてコンピュー
    タシステムを機能させるためのプログラムを記録したコ
    ンピュータ読取可能な記録媒体。
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