JP4345119B2 - 車載電子制御ユニットと同電子制御ユニットの交換方法 - Google Patents

車載電子制御ユニットと同電子制御ユニットの交換方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される電子制御ユニット、特に車両固有情報を不揮発性メモリに記憶している車載電子制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、個々の識別を図る目的で車両固有情報としてのVINコード(VINは、Vehicle Identification Number の略)が付けられており、このVINコードを電子制御ユニット(ECU)に電子情報として記憶したいという要望がある。そこで一般には、車両メーカでの車両組み付け工程において車両個々にVINコードが付与され、そのVINコードが電子制御ユニット内の不揮発性メモリに書き込まれる。また、VINコードと併せて車両の故障・修理履歴等の情報を同じく不揮発性メモリに書き込むことも考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両が市場に出てから例えば故障などの原因でVINコード(車両固有情報)を記憶していた電子制御ユニットを交換する場合には、その交換作業時において、当然、交換後の電子制御ユニットにVINコードやその他、故障履歴等を記憶させる必要が生ずる。このとき、例えば交換前の車両故障の履歴を残しても、それだけではECU交換前の故障情報と交換後のECUに記憶される情報とのつじつまが合わなくなるおそれがある。従って、ECU交換の事実を作業者が作業票に別途記録しておくか、或いは作業者が交換後のECUに記憶させなければならず、ECU交換の作業性が悪化するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる車載電子制御ユニットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、電子制御ユニットの交換に際し、外部診断装置が交換前の電子制御ユニットから読み出した車両固有情報及び外部診断装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードについて、交換後の電子制御ユニットが外部診断装置に対しその送信を要求する送信要求を送信するとに、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記不揮発性メモリに書き込む手段とを備える。
【0006】
本発明は、電子制御ユニットの交換時に車両固有情報を不揮発性メモリに書き込み直すという要求があることを受けて、その書き込み時に当該電子制御ユニットが交換されたと判断し、その交換の事実を履歴に残すものである。上記構成によれば、電子制御ユニットの交換時に、車両固有情報と交換履歴とが同時に新しい電子制御ユニットの不揮発性メモリに書き込まれるため、別途煩わしい作業が強いられることもなく、速やかにこれらの情報を記憶保持することができる。その結果、車載電子制御ユニットの交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる。かかる場合、電子制御ユニットの交換前の故障情報と交換後の記憶内容とのつじつまが合わなくなるといった不都合も回避される。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であるとに、個々の車両を識別する目的で設
定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、電子制御ユニットの交換に際し、外部診断装置が交換前の電子制御ユニットから読み出した車両固有情報及び外部診断装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードについて、交換後の電子制御ユニットが外部診断装置に対しその送信を要求する送信要求を送信、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して、この作業者若しくは修理工場固有のコードを不揮発性メモリに新規に書き込むと共に、前記車両固有情報についてはこれを他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報と比較し、これらの車両固有情報が一致した場合にのみ、前記外部診断装置から送信された車両固有情報を不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記不揮発性メモリに書き込む手段とを備える。
【0008】
上記構成によれば、電子制御ユニットの交換時に、前記の如く車両固有情報が比較されるため、車両の不正改造が行われていないことを前提に車両固有情報の書き込みが行われるようになる。従って、不正改造が抑止できる。また、車両固有情報と交換履歴とが同時に新しい電子制御ユニットの不揮発性メモリに書き込まれるため、別途煩わしい作業が強いられることもなく、速やかにこれらの情報を記憶保持することができる。本請求項2の構成においても、請求項1と同様に、車載電子制御ユニットの交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる。
またここで、車載電子制御ユニットの不揮発性メモリには、作業者若しくは修理工場固有のコードを記憶させておくことが考えられる。上記請求項1,2に記載の発明では、電子制御ユニットの交換に際し、交換後の電子制御ユニットが、車両固有情報に加え、外部診断装置に対しこれに入力された作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して、作業者若しくは修理工場固有のコードを不揮発性メモリに書き込む手段を備える。これにより、不揮発性メモリに書き込まれる上記作業者若しくは修理工場固有のコードを交換以後の解析等に役立てることが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記外部診断装置により交換前の電子制御ユニットから読み出された車両固有情報と、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報とが不一致の場合、車両エンジンの始動を禁止する。
【0010】
仮に、認可されていない修理工場等で電子制御ユニットの交換が行われ、車両固有情報が正規に書き込まれなかった場合、車両固有情報の不一致の状態が生じ、エンジンの始動が禁止される。本構成によれば、不正改造を抑止したいという要望に応えることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御
ユニットと相互にデータ通信が可能であるとに、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、電子制御ユニットが交換された後、交換後の電子制御ユニットが前記他の電子制御ユニットに対し前記車両固有情報の送信を要求する送信要求を送信するとに、この送信要求に基づき他の電子制御ユニットから送信された同車両固有情報を受信して自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報の書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段とを備え、前記電子制御ユニットの交換後、電源投入時において自らの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報と、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報とを比較し、両者が不一致の場合、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報を所定回数、自らの不揮発性メモリに書き込み、それでも前記不一致が解消されないと、当該不揮発性メモリの異常と判断する
【0013】
請求項5に記載の発明では、通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であると共に、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、電子制御ユニットが交換された後、交換後の電子制御ユニットが当該電子制御ユニットに接続された外部診断装置に対しこれに入力された作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同作業者若しくは修理工場固有のコードを自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記他の電子制御ユニットに対し前記車両固有情報の送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき他の電子制御ユニットから送信された同車両固有情報を受信して前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段と、前記車両固有情報の書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段とを備える
請求項6に記載の発明では、通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であると共に、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、電子制御ユニットが交換された後、交換後の電子制御ユニットが当該電子制御ユニットに接続された外部診断装置に対しこれに入力された作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同作業者若しくは修理工場固有のコードを自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記他の電子制御ユニットに対し前記車両固有情報の送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき他の電子制御ユニットから送信された同車両固有情報を受信して前記自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報の書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段とを備え、前記電子制御ユニットの交換後、電源投入時において自らの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報と、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報とを比較し、両者が不一致の場合、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに
記憶されている車両固有情報を所定回数、自らの不揮発性メモリに書き込み、それでも前記不一致が解消されないと、当該不揮発性メモリの異常と判断する。
【0014】
上記請求項4〜6の構成によれば、電子制御ユニットの交換後に、車両固有情報と交換履歴とが同時に新しい電子制御ユニットの不揮発性メモリに書き込まれるため、別途煩わしい作業が強いられることもなく、速やかにこれらの情報を記憶保持することができる。本請求項4〜6の構成においても、請求項1,2と同様に、車載電子制御ユニットの交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる。
また、交換前後の車載電子制御ユニットについて車両固有情報が正しく受け渡しされたとしても、仮に不揮発性メモリが故障していれば車両固有情報は正規の情報とならない。こうした事態に対し、上記請求項4,6に記載の通り電子制御ユニットへの電源投入時に不揮発性メモリの異常の有無が判断されることで、当該不揮発性メモリを原因とする異常が正しく検出できる。
加えて、上記請求項5,6の構成では、交換後の電子制御ユニットが当該電子制御ユニットに接続された外部診断装置に対しこれに入力された作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同作業者若しくは修理工場固有のコードを自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段を備える。これにより、上記請求項1,2と同様に、不揮発性メモリに書き込まれる上記作業者若しくは修理工場固有のコードを交換以後の解析等に役立てることが可能となる。
【0015】
またここで、車載電子制御ユニットの不揮発性メモリには、車両の異常診断情報を記憶させておくことが考えられる。そこで、請求項に記載の発明では、電子制御ユニットの交換に際し、前記車両診断装置により交換前の電子制御ユニットから読み出された車両の異常診断情報を、前記車両診断装置から読み出して不揮発性メモリに新規に書き込む手段を更に備える。請項7によれば、前記の如く不揮発性メモリに書き込まれる車両の異常診断情報を交換以後の解析等に役立てることが可能となる。
【0016】
請求項8に記載の発明では、請求項1,2,3,5,6の何れか一項に記載の発明において、作業者若しくは修理工場固有のコードが不正である時と判断される時、車両エンジンの始動を禁止する。
【0017】
仮に、認可されていない作業者若しくは修理工場等で電子制御ユニットの交換が行われた場合、エンジンの始動が禁止される。本構成によれば、不正改造を抑止したいという要望に応えることができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、車載電子制御ユニットの交換方法の発明であり、電子制御ユニットの交換に際し、同電子制御ユニットに接続されてその内部情報を読み出すことのできる外部診断装置が、交換前の電子制御ユニットに接続され、同交換前の電子制御ユニットから読み出した車両固有情報と、当該外部診断装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードとを一旦記憶するステップと、新たに搭載された電子制御ユニットが、前記外部診断装置に接続され同外部診断装置に対して前記記憶された車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信するステップと、前記新たに搭載された電子制御ユニットが、前記送信要求に基づき外部診断装置から送信された前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して当該電子制御ユニットの不揮発性メモリに新規に書き込むステップと、前記新たに搭載された電子制御ユニットが、前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記不揮発性メモリに書き込むステップと、の順次の実行を通じて前記電子制御ユニットの交換が行われる。
【0019】
上記発明によれば、電子制御ユニットの交換時に、外部診断装置を介して車両固有情報が受け渡されると共に、車両固有情報と交換履歴とが同時に新しい電子制御ユニットの不揮発性メモリに書き込まれる。そのため、別途煩わしい作業が強いられることもなく、速やかにこれらの情報を記憶保持することができる。本請求項9の発明においても、車載電子制御ユニットの交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる。また、外部装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードが、新たに搭載された電子制御ユニットの不揮発性メモリに書き込まれるため、この作業者若しくは修理工場固有のコードを交換以後の解析等に役立てることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態における車両制御システムの概要を示す構成図である。車両には各種の車載電子制御ユニットとして、例えばエンジンECU100、ブレーキECU200、トランスミッションECU300が搭載され、各ECUは通信ライン400により接続されている。通信ライン400上にはコネクタC1が設けられており、このコネクタC1とチェッカ500側のコネクタC2とが接続されることで、各ECU100〜300で記憶保持される種々の情報が外部診断装置としてのチェッカ500により適宜読み出されるようになっている。
【0022】
エンジンECU100はエンジンの制御を司るものであって、その基本構成を図2(a)に示す。図2(a)において、エンジンECU100内のマイコン110は、CPU120、ROM130、RAM140及びI/O150を備える。マイコン110には、不揮発性メモリとしてのEEPROM160が接続されており、同EEPROM160には車両固有情報としてのVINコードが予め記憶されている。また、マイコン110には、入出力回路170を介して回転センサ10、エアフロメータ20、水温センサ30等による各種検出信号が逐次入力される。マイコン110は、これら各種センサ信号に基づいてエンジンが最適状態で運転されるようインジェクタ40による燃料噴射量やイグナイタ50による点火時期を制御する。
【0023】
他のECU200,300も基本構成はエンジンECU100と同様であるためその図示及び説明を省略するが、ブレーキECU200は、ABS(アンチロックブレーキシステム)機能を備え、車輪への制動力を調整することにより車輪スリップを抑制する。また、トランスミッションECU300は、エンジン回転数やスロットル弁開度等の情報に基づいて図示しないオートマチックトランスミッションのシフト位置を電子制御する。ブレーキECU200のEEPROM(図示略)には前記エンジンECU100と同様、車両固有情報としてのVINコードが予め記憶されている。
【0024】
上記図1の構成の車両制御システムにおいて、各ECU100〜300は、異常診断処理をそれぞれ実施し、同処理により得られたダイアグ情報(故障履歴のデータ)を各自のEEPROMに随時記憶する。
【0025】
そして、例えば上記異常診断に基づく警告に従いエンジンECU100の交換が必要であると判断される場合、同ECU100は、別のエンジンECU600に付け替えられる。エンジンECU600は図2(b)に示す通り、エンジンECU100と同様の構成を有する(図では、部品番号のみが相違する)。つまり、エンジンECU600は、CPU620、ROM630、RAM640及びI/O650からなるマイコン610と、不揮発性メモリとしてのEEPROM660と、入出力回路670とを備える。新旧のエンジンECU100,600間では、図1のチェッカ500を介してVINコード及び故障履歴の受け渡しが行われる。
【0026】
次に、本実施の形態における特徴的な作用を説明する。先ずは、図3を用いてECU交換過程の概要を説明する。
図3において、エンジンECU100の交換前に車両が修理工場に持ち込まれると、同ECU100とチェッカ500とが接続され、エンジンECU100のEEPROM160からVINコードと故障履歴とが読み出され、それらがチェッカ500に書き込まれる。このとき、正規な修理工場(修理担当者)による修理作業が行われたことを表す、ディーラコードがチェッカ500に入力される。このディーラコードは主に不正改造防止を目的として設けられる。
【0027】
ディーラコード、VINコード及び故障履歴がチェッカ500に書き込まれると、ECU交換可能な状態となり、その状態でエンジンECU100が別のエンジンECU600に交換される。
【0028】
ECU交換後、エンジンECU600はディーラコード、VINコード、故障履歴の送信を要求し、それに応えてチェッカ500はディーラコード、VINコード、故障履歴を各々送信する。エンジンECU600はチェッカ500から受信した前記各データをEEPROM660に書き込み、その書き込みが正常に行われると、ECUの交換履歴をEEPROM660に書き込む。そしてその後、エンジンの始動が許可される。
【0029】
上記図3を実現するためのチェッカ500,エンジンECU600の処理を以下に説明する。ここで、チェッカ500側の処理を図4〜図7のフローチャートに示し、エンジンECU600側の処理を図8〜図12のフローチャートに示す。
【0030】
エンジンECUの交換前、チェッカ500の通信ポートにエンジンECU100が接続され、通信可能な状態になると、当該チェッカ500は図4の処理を実行する。すなわち、図4のステップS100では、エンジンECU100より過去の故障履歴を読み込んで記憶し、続くステップS110ではVINコードを読み込んで記憶する。
【0031】
また、エンジンECUの交換後において、チェッカ500は図5〜図7の処理を逐次実行する。すなわち、交換後のエンジンECU600からのディーラコード送信要求に応えて図5がスタートすると、ステップS120では、ディーラコードを同エンジンECU600に送信する。
【0032】
また、エンジンECU600からのVINコード送信要求に応えて図6がスタートすると、ステップS130では、交換前のエンジンECU100から読み取ったVINコードを交換後のエンジンECU600に送信する。
【0033】
さらに、エンジンECU600からの故障履歴送信要求に応えて図7がスタートすると、ステップS140では、交換前のエンジンECU100から読み込んだ故障履歴を交換後のエンジンECU600に送信する。
【0034】
次に、交換後のエンジンECU600により実施される処理を図8のフローチャートに従い説明する。VINコードの書き込み要求に応えて図8がスタートすると、先ずステップS200では、ディーラコード送信要求をチェッカ500に出すと共に、同チェッカ500から返信されてきたディーラコードをEEPROM660に記憶する。なお、ディーラコードを受け取ることで、正規な修理工場(修理担当者)によりECU交換並びにVINコード書き換えが行われたか否かが判断される。また、ディーラコードと修理工場での修理情報とを共に記憶しておき(加えて修理内容を記憶しても良い)、後日これらの情報を解析することで、修理工場の修理能力を採点評価することが可能となる。
【0035】
続くステップS220では、VINコード送信要求をチェッカ500に出すと共に、同チェッカ500から返信されてきたVINコードをEEPROM660に記憶する。また、ステップS240では、故障履歴送信要求をチェッカ500に出すと共に、同チェッカ500から返信されてきた故障履歴をEEPROM660に記憶する。但し、ステップS200,S220,S240の詳細は後述する。
【0036】
最後に、ステップS260では、VINコードが書き込まれたことを受けてエンジンECUが交換されたと判断し、エンジンECUの交換履歴をEEPROM660に記憶する。ここで、交換履歴として記憶される情報は、ECU交換の累積回数、交換日時、交換場所、交換内容等の少なくとも一つを含むものであればよい。
【0037】
次に、前記図8のステップS200の処理を図9を用いて詳細に説明する。図9において、ステップS201では、カウンタC1,C2を「0」にクリアする。カウンタC1は、図10に示されるように、4ms周期で「1」ずつインクリメントされるカウンタである(ステップS210)。
【0038】
その後、ステップS202では、ディーラコードの送信要求をチェッカ500に出し、続くステップS203では、ECU自身を受信可能な状態とする。ステップS204では受信の有無を判別し、受信有りならば、ステップS205でチェッカ500から送信されるディーラコードをEEPROM660に書き込む。また、受信がなければ、ステップS206〜S208でディーラコードの送信待ち処理を行う。
【0039】
詳細には、ステップS206では、カウンタC1が所定値K1に達したか否かを判別し、C1≠K1であればステップS203に戻る。すなわち、受信可能状態を持続し、受信の有無を再び判別する。また、C1=K1であれば、カウンタC2を「1」インクリメントすると共に、カウンタC2が所定値K2に達したか否かを判別する(ステップS207,S208)。このとき、C2≠K2であればステップS202に戻る。また、受信のないままC2=K2になると、ステップS209に進み、認可されていない修理工場等で不正改造された可能性があるとしてインジェクタ40による燃料噴射を禁止する。つまり、エンジンを始動させないこととする。またこのとき、不正改造の可能性があることを表す表示などを行い、作業者にその旨を警告する。
【0040】
要するに、チェッカ500からの受信が無い場合(S204がNOの場合)、「K1・4ms」毎にディーラコードの送信要求を出し、その送信要求がK2回実施されてもチェッカ500からディーラコードが送信されないと、不正改造と判断する。
【0041】
次に、前記図8のステップS220の処理を図11を用いて詳細に説明する。図11において、ステップS221では、カウンタC3,C4,C5,C6を「0」にクリアする。カウンタC3,C5は、前記カウンタC1と同様、4ms周期で「1」ずつインクリメントされるカウンタである(図10参照)。
【0042】
その後、ステップS222では、VINコードの送信要求をチェッカ500に出し、続くステップS223では、ECU自身を受信可能な状態とする。ステップS224では受信の有無を判別し、受信がなければステップS230〜S232でチェッカ500からのVINコードの送信待ち処理を行う。
【0043】
詳細には、ステップS230では、カウンタC3が所定値K3に達したか否かを判別し、C3≠K3であればステップS223に戻る。また、C3=K3であれば、カウンタC4を「1」インクリメントすると共に、カウンタC4が所定値K4に達したか否かを判別する(ステップS231,S232)。このとき、C4≠K4であればステップS222に戻る。また、受信のないままC4=K4になると、ステップS233に進み、不正改造された可能性があるとしてインジェクタ40による燃料噴射を禁止する。つまり、エンジンを始動させないこととする。またこのとき、不正改造の可能性があることを表す表示などを行い、作業者にその旨を警告する。
【0044】
チェッカ500からのVINコードの受信があると、ステップS225に進む。ステップS225では、VINコードの送信要求を別のECU(本実施の形態では、ブレーキECU200)に出し、続くステップS226では、ECU自身を受信可能な状態とする。また、ステップS227では受信の有無を判別し、受信がなければステップS234〜S236でブレーキECU200からのVINコードの送信待ち処理を行う。
【0045】
詳細には、ステップS234では、カウンタC5が所定値K5に達したか否かを判別し、C5≠K5であればステップS226に戻る。また、C5=K5であれば、カウンタC6を「1」インクリメントすると共に、カウンタC6が所定値K6に達したか否かを判別する(ステップS235,S236)。このとき、C6≠K6であればステップS225に戻る。また、受信のないままC6=K6になると、ステップS237に進み、ブレーキECU200との通信に異常があると判断し、エラー情報をチェッカ500に送信する。
【0046】
また、ブレーキECU200からの受信があると、ステップS228に進み、チェッカ500から受信したVINコードと、ブレーキECU200から受信したVINコードとが一致するか否かを判別する。VINコードが一致すれば、正規なECU交換が行われたとみなされ、ステップS229に進んで当該VINコードをEEPROM660に書き込む。また、VINコードが不一致であればステップS233に進み、不正改造された可能性があるとしてインジェクタ40による燃料噴射を禁止する。
【0047】
要するに、チェッカ500からの受信が無い場合(S224がNOの場合)、「K3・4ms」毎にVINコードの送信要求を出し、その送信要求がK4回実施されてもチェッカ500からVINコードが送信されないと、不正改造と判断する。また、ブレーキECU200からの受信が無い場合(S227がNOの場合)、「K5・4ms」毎にVINコードの送信要求を出し、その送信要求がK6回実施されてもブレーキECU200からVINコードが送信されないと、通信異常と判断する。
【0048】
次に、前記図8のステップS240の処理を図12を用いて詳細に説明する。図12において、ステップS241では、カウンタC7,C8を「0」にクリアする。カウンタC7は、前記カウンタC1と同様、4ms周期で「1」ずつインクリメントされるカウンタである(図10参照)。
【0049】
その後、ステップS242では、故障履歴の送信要求をチェッカ500に出し、続くステップS243では、ECU自身を受信可能な状態とする。ステップS244では受信の有無を判別し、受信有りならば、ステップS245で故障履歴をEEPROM660に書き込む。また、受信がなければステップS246〜S248でチェッカ500からの故障履歴の送信待ち処理を行う。
【0050】
詳細には、ステップS246では、カウンタC7が所定値K7に達したか否かを判別し、C7≠K7であればステップS243に戻る。また、C7=K7であれば、カウンタC8を「1」インクリメントすると共に、カウンタC8が所定値K8に達したか否かを判別する(ステップS247,S248)。このとき、C8≠K8であればステップS242に戻る。また、受信のないままC8=K8になると、ステップS249に進み、エラー情報をチェッカ500に送信する。
【0051】
要するに、チェッカ500からの受信が無い場合(S244がNOの場合)、「K7・4ms」毎に故障履歴の送信要求を出し、その送信要求がK8回実施されてもチェッカ500から故障履歴が送信されないと、エラー情報をチェッカ500に送信する。
【0052】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)ECUの交換に際し、交換前のECUから読み出されたVINコード(車両固有情報)をEEPROMに新規に書き込むと共に、それに引き続いてECU交換の履歴を同EEPROMに書き込むこととした。本構成によれば、ECUの交換時に、VINコードと交換履歴とが同時に新しいECUのEEPROMに書き込まれるため、別途煩わしい作業が強いられることもなく、速やかにこれらの情報を記憶保持することができる。その結果、ECUの交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる。かかる場合、ECUの交換前の故障情報と交換後の記憶内容とのつじつまが合わなくなるといった不都合も回避される。
【0053】
(b)ECUの交換に際し、交換前のECUから読み出されたVINコードと、前記他のECUのEEPROMに記憶されているVINコードとを比較し、両者が一致した場合にのみ、VINコードをEEPROMに新規に書き込むこととした。本構成によれば、ECUの交換時に、前記の如くVINコードが比較されるため、車両の不正改造が行われていないことを前提にVINコードの書き込みが行われる。従って、不正改造が抑止できる。
【0054】
(c)交換前のECUから読み出されたVINコードと、他のECUのEEPROMに記憶されているVINコードとが不一致の場合、車両エンジンの始動を禁止するようにした。本構成によれば、不正改造を抑止したいという要望に応えることができる。
【0055】
(d)ECUの交換に際し、交換前のECUから読み出された車両の故障履歴(異常診断情報)と、ECU交換時に付与されるディーラコード(作業者若しくは修理工場固有のコード)とをEEPROMに書き込むようにした。本構成によれば、これらの各種情報をEEPROMから必要に応じて読み出すことで、交換以後の解析等に役立てることが可能となる。
【0056】
(e)ディーラコードが不正である時と判断される時、車両エンジンの始動を禁止するようにしたため、不正改造を抑止したいという要望に応えることができる。
【0057】
次に、本発明における第2,第3の実施の形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、チェッカ500からのディーラコードが受信できない場合に不正改造と判断したが(前記図9のフロー参照)、本実施の形態ではこれに加えて、ディーラコードに所定の規則性を持たせこの規則性に合わない場合に不正改造と判断する。
【0059】
図13は、前記図8のステップS200の処理を詳細に示すフローチャートであり、同処理は前記図9の処理に置き換えて実行される。
図13では、前記図9との相違点として、ステップS204でディーラコードの受信有りと判別された時に、ステップS210に進み、前記受信したディーラコードが所定の規則性に合致するか否かを判別する。そして、この規則性に合致しない場合に不正改造と判断する(ステップS209)。
【0060】
より具体的には、例えば数値化されたディーラコードにおいて修理工場を特定する部分の各桁の和を求め、その和を特定部分の下位の桁に持たせる。そして、特定部分の和の値が不一致となる場合、不正改造と判断する。或いは、正規ディーラを表すディーラコードの一覧をEEPROM660内に持たせておき、この一覧のどのコードにも合致しない場合に不正改造と判断する。
【0061】
以上第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で既述した効果に加えて次の効果が得られる。つまり、所定の規則性を持たせてディーラコードの適否を判断するようにしたため、不正改造かどうかを判断する際、その信頼性を高めることができる。
【0062】
(第3の実施の形態)
上記各実施の形態では、エンジンECUの交換時においてチェッカ500を介してVINコードを受け渡しする構成であったが、本実施の形態ではこれを変更し、VINコードを他のECUより読み出す構成とする。
【0063】
図14は、交換後のエンジンECU600により実施される処理を示すフローチャートであり、本処理は前記図8に置き換えて実行される。前記図8との相違点として、図14では前記図8のステップS220,S260を省略し、同図8のステップS200,S240のみを実施するものとなっている。
【0064】
すなわち、図14において、ECU交換に際して本処理がスタートすると、ステップS200では、ディーラコード送信要求をチェッカ500に出すと共に、同チェッカ500から返信されてきたディーラコードをEEPROM660に記憶する。また、続くステップS240では、故障履歴送信要求をチェッカ500に出すと共に、同チェッカ500から返信されてきた故障履歴をEEPROM660に記憶する。但し、ステップS200,S240は前記図8の処理(前記図9,図12の処理)に等しく、ここではその詳細な説明を省略する。
【0065】
図15は、エンジンECU600のベースルーチンを示すフローチャートである。イグニッションキー(IGキー)のON操作に伴い図15が起動されると、先ずステップS301では、他のECU(本実施の形態ではブレーキECU200)のEEPROMに記憶されているVINコードを読み出す。ステップS302ではカウンタBを「0」にクリアし、続くステップS303ではカウンタAを「1」インクリメントする。ここで、カウンタAは、エンジンECUの交換後におけるIGキーのON回数を計数するためのカウンタであり、カウンタBは、後述するEEPROM660の異常診断時に用いられるカウンタである。
【0066】
その後、ステップS304では、前記読み出した他のECUのVINコードとそれ以前にEEPROM660に書き込まれたVINコードとを比較し、両者が一致するか否かを判別する。エンジンECU600の交換直後においてはVINコードが書き込まれていないため、ステップS304がNOとなり、ステップS305に進んで他のECUのVINコードをEEPROM660に書き込む。
【0067】
ステップS306では、ECU交換後におけるIGキーのON回数(カウンタA)が5回未満であるか否かを判別し、A<5であればステップS307に進み、エンジンECUが交換されたとしエンジンECUの交換情報をEEPROM660に書き込む。その後、ステップS308に進むと、エンジンの運転に係わる通常の制御を実施する。
【0068】
VINコードが正規に書き込まれると、それ以降(例えば2回目以降)のIG−ON時において、ステップS304がYESとなり、そのままステップS308に進み、エンジンの運転に係わる通常の制御を実施する。
【0069】
また、ECU交換後におけるIGキーのON回数(カウンタA)が5回以上となっても、VINコードが不一致の場合(ステップS304,S306が共にNOの場合)、ステップS309に進んでカウンタBを「1」インクリメントし、続くステップS310では、B=Kであるか否かを判別する。そして、B=KとなるまではステップS304,S305等の処理を繰り返し行い、VINコードが一致しないままB=Kになると、ステップS311でEEPROM660の異常発生であると判断する。つまり、ECU交換後、IGキーのON操作の度に他のECUからVINコードを書き込み、それが5回以上となってもVINコードが不一致であるならば、ECU交換に不備があったのではなくEEPROM660等、VINコードを記憶する構成の異常とみなす。
【0070】
以上第3の実施の形態では、以下の効果が得られる。
(A)交換後のECUにおいて、他のECUのEEPROMからVINコードを読み出してEEPROMに新規に書き込むと共に、それに引き続いてECU交換の履歴を同EEPROMに書き込むこととした。本構成によれば、VINコードと交換履歴とが同時に新しいECUのEEPROMに書き込まれるため、別途煩わしい作業が強いられることもなく、速やかにこれらの情報を記憶保持することができる。本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、ECUの交換の必要が生じた際において、その交換時の作業性を向上させることができる。
【0071】
(B)ECUが交換された後、電源投入時においてEEPROMに記憶されているVINコードと、他のECUのEEPROMに記憶されているVINコードとを比較し、両者が不一致の場合、他のECUのEEPROMに記憶されているVINコードを所定回数だけ、EEPROMに書き込み、それでも上記不一致が解消されないと、当該EEPROMの異常と判断するようにした。
【0072】
交換前後のECUについてVINコードが正しく受け渡しされたとしても、仮にEEPROMが故障していればVINコードは正規の情報とならない。こうした事態に対し、上記の通りECUへの電源投入時にEEPROMの異常の有無が判断されることで、当該EEPROMを原因とする異常が正しく検出できる。
【0073】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記第1の実施の形態(図11の処理)では、チェッカ500からVINコードを受信した際、該受信したVINコードを他のECUのVINコードと比較し、コード一致の場合のみ、VINコードの書き込みを許可したが、同構成においてVINコードの比較の処理(図11のステップS225〜S228,S234〜S237の処理)を省略してもよい。この場合、チェッカ500からのVINコードの受信確認がなされれば、直ちにVINコードがEEPROMに書き込まれる。
【0074】
上記実施の形態では、交換前のエンジンECU100が保持する故障履歴(異常診断情報)をチェッカ500に一旦記憶させてその後、新しいエンジンECU600に書き込んだが、この構成を変更する。例えば交換前のエンジンECU100が保持する故障履歴(異常診断情報)をブレーキECU200又はトランスミッションECU等、他のECUに一旦移し、その後、新しいエンジンECU600に書き込むようにしてもよい。
【0075】
他のECUからVINコードを読み出し、該VINコードとチェッカ500から受信したVINコードとを比較してその適否を判断する場合(図11)、或いは当該他のECUのVINコードをそのままEEPROMに書き込む場合(図15)、他のECUのVINコードそのものが正しいか否かの審査を行うとよい。つまり、他のECU側に問題がある場合も考えられるので、その際の不都合を排除する。具体的には、3つ以上の他のECUにVINコードを記憶させておき、各ECUからVINコードを回収して該回収したVINコードの多数決を取る。そして、必要とするVINコードがその過半数を占めるコードと同一であるかを審査し、過半数コードと同一であれば当該VINコードが正しいものであると判断して前記図11や図15の処理に採用する。かかる構成によれば、より一層信頼性の高いECU交換作業が実現できる。
【0076】
上記各実施の形態では、ECUの交換に際し、VINコード、故障履歴、ディーラコードを全て受け渡す構成としたが、これらのうち、故障履歴及びディーラコードの一方又は両方を要件から削除してもよい。要は、少なくともVINコードを受け渡す装置(車両制御システム)であれば、本発明の特徴的な効果が得られる。
【0077】
上記各実施の形態では、VINコードが実際に書き込まれた時にECU交換と判断して交換履歴を交換後のECUの不揮発性メモリに書き込んだが、過去の車両故障情報(故障履歴)又はディーラコードが書き込まれた時にECU交換と判断して交換履歴を交換後のECUの不揮発性メモリに書き込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における車両制御システムの概要を示す構成図。
【図2】エンジンECUの構成を示すブロック図。
【図3】エンジンECUの交換の過程を説明するためのタイムチャート。
【図4】チェッカの処理を示すフローチャート。
【図5】チェッカの処理を示すフローチャート。
【図6】チェッカの処理を示すフローチャート。
【図7】チェッカの処理を示すフローチャート。
【図8】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図9】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図10】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図11】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図12】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図13】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図14】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【図15】エンジンECUの処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
100…エンジンECU、160…不揮発性メモリとしてのEEPROM、200…ブレーキECU、300…トランスミッションECU、400…通信ライン、500…外部診断装置としてのチェッカ、600…エンジンECU、660…不揮発性メモリとしてのEEPROM。

Claims (9)

  1. 個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報を不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、
    電子制御ユニットの交換に際し、外部診断装置が交換前の電子制御ユニットから読み出した車両固有情報及び外部診断装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードについて、交換後の電子制御ユニットが外部診断装置に対しその送信を要求する送信要求を送信するとに、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記不揮発性メモリに書き込む手段と
    を備えることを特徴とする車載電子制御ユニット。
  2. 通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であるとに、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、
    電子制御ユニットの交換に際し、外部診断装置が交換前の電子制御ユニットから読み出した車両固有情報及び外部診断装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードについて、交換後の電子制御ユニットが外部診断装置に対しその送信を要求する送信要求を送信、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して、この作業者若しくは修理工場固有のコードを不揮発性メモリに新規に書き込むと共に、前記車両固有情報についてはこれを他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報と比較し、これらの車両固有情報が一致した場合にのみ、前記外部診断装置から送信された車両固有情報を不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記不揮発性メモリに書き込む手段と
    を備えることを特徴とする車載電子制御ユニット。
  3. 請求項2に記載の車載電子制御ユニットにおいて、
    前記外部診断装置により交換前の電子制御ユニットから読み出された車両固有情報と、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報とが不一致の場合、車両エンジンの始動を禁止する車載電子制御ユニット。
  4. 通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であるとに、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、
    電子制御ユニットが交換された後、交換後の電子制御ユニットが前記他の電子制御ユニットに対し前記車両固有情報の送信を要求する送信要求を送信するとに、この送信要求に基づき他の電子制御ユニットから送信された同車両固有情報を受信して自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報の書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段と
    を備え
    前記電子制御ユニットの交換後、電源投入時において自らの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報と、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報とを比較し、両者が不一致の場合、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報を所定回数、自らの不揮発性メモリに書き込み、それでも前記不一致が解消されないと、当該不揮発性メモリの異常と判断する
    ことを特徴とする車載電子制御ユニット。
  5. 通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であると共に、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、
    電子制御ユニットが交換された後、交換後の電子制御ユニットが当該電子制御ユニットに接続された外部診断装置に対しこれに入力された作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同作業者若しくは修理工場固有のコードを自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記他の電子制御ユニットに対し前記車両固有情報の送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき他の電子制御ユニットから送信された同車両固有情報を受信して前記自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と前記車両固有情報の書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段と
    を備えることを特徴とする車載電子制御ユニット。
  6. 通信ラインを介して同一の車両に搭載された他の電子制御ユニットと相互にデータ通信が可能であると共に、個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報についての同一の情報を前記データ通信の可能な他の電子制御ユニットと同様に不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットにおいて、
    電子制御ユニット交換された後、交換の電子制御ユニットが当該電子制御ユニットに接続された外部診断装置に対しこれに入力された作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき外部診断装置から送信された同作業者若しくは修理工場固有のコードを自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記他の電子制御ユニットに対し前記車両固有情報の送信を要求する送信要求を送信すると共に、この送信要求に基づき他の電子制御ユニットから送信された同車両固有情報を受信して前記自らの不揮発性メモリに新規に書き込む手段と、前記車両固有情報の書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記自らの不揮発性メモリに書き込む手段と
    を備
    前記電子制御ユニットの交換後、電源投入時において自らの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報と、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報とを比較し、両者が不一致の場合、前記他の電子制御ユニットの不揮発性メモリに記憶されている車両固有情報を所定回数、自らの不揮発性メモリに書き込み、それでも前記不一致が解消されないと、当該不揮発性メモリの異常と判断する
    ことを特徴とする車載電子制御ユニット。
  7. 車両の異常診断を行い、その診断結果を不揮発性メモリに随時書き込む車載電子制御ユニットにおいて、
    電子制御ユニットの交換に際し、前記外部診断装置により交換前の電子制御ユニットから読み出された車両の異常診断情報を、前記外部診断装置から読み出して不揮発性メモリに新規に書き込む手段を更に備える請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の車載電子制御ユニット。
  8. 請求項1,2,3,5,6の何れか一項に記載の車載電子制御ユニットにおいて、
    作業者若しくは修理工場固有のコードが不正である時と判断される時、車両エンジンの始動を禁止する車載電子制御ユニット。
  9. 個々の車両を識別する目的で設定された車両固有情報を不揮発性メモリに記憶する車載電子制御ユニットの交換方法において、
    電子制御ユニットの交換に際し、同電子制御ユニットに接続されてその内部情報を読み出すことのできる外部診断装置が、交換前の電子制御ユニットに接続され同交換前の電子制御ユニットから読み出した車両固有情報と、当該外部診断装置に入力された作業者若しくは修理工場固有のコードとを一旦記憶するステップと、
    新たに搭載された電子制御ユニットが、前記外部診断装置に接続され、同外部診断装置に対して前記記憶された車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの送信を要求する送信要求を送信するステップと、
    前記新たに搭載された電子制御ユニットが、前記送信要求に基づき外部診断装置から送信された前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードを受信して当該電子制御ユニットの不揮発性メモリに新規に書き込むステップと、
    前記新たに搭載された電子制御ユニットが、前記車両固有情報及び作業者若しくは修理工場固有のコードの書き込みに引き続き、電子制御ユニットの交換の履歴を前記不揮発性メモリに書き込むステップと、
    の順次の実行を通じて前記電子制御ユニットの交換が行われることを特徴とする車載電子制御ユニットの交換方法。
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