JPH11254939A - 自動車用空気調和装置のインテークユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタの清掃・交換時に、フィルタ上面に
捕捉した異物がファンスクロール内に落下することを防
止することが可能な「自動車用空気調和装置のインテー
クユニット」を提供する。 【解決手段】 空気導入部５からフィルタ部２０を引き
出す際に、ファンスクロール６の上方を塞ぐシートＳも
引き出されるようにしたので、このシートＳによりファ
ンスクロール６の上方を塞ぎ、フィルタ部２０上に捕捉
した異物Ｗの落下を防止することができ、これにより枯
れ葉等の異物ＷがファンＦに巻き込まれて異音が生じた
り、腐敗して異臭が発生することがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車室内空気あるい
は車室外空気を選択的に取り込むための自動車用空気調
和装置のインテークユニットに関し、特に、取り込み空
気中に含まれる異物を除去するフィルタ上に溜った異物
をユニット内に落下させないようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車用空気調和装置は、車室
内空気（内気）あるいは車室外空気（外気）を選択的に
取り込むインテークユニットを有しているが、最近のイ
ンテークユニットには、取り込まれる空気に含まれてい
る塵埃、木の葉等を除去するフィルタ部が設けられてい
る。

【０００３】このフィルタ部は、目詰りを起こすと、空
気の取込み量が低減し、空調性能が低下することから、
定期的に清掃を行なわなければならないが、この清掃を
簡便にするため、ユニットケースに着脱自在に設けられ
ている。

【０００４】例えば、インテークユニットは、図５に示
すように、ユニットケース１の上部に外気導入口２と内
気導入口３が開設され、内部に両導入口２，３を選択的
に切り換えるインテークドア４が設けられた空気導入部
５と、この空気導入部５の下方に設れられたファンスク
ロール６と、このファンスクロール６内のファンＦを回
転するモータＭと、ファンスクロール６に流入する空気
を濾過するためのフィルタ部７とを有している。

【０００５】このフィルタ部７は、前記空気導入部５を
形成しているユニットケース１の一側壁に設けられた開
口部８から挿入され、当該開口部８の反対側内壁に設け
られた支持部９で、ガタなく保持されている。

【０００６】このフィルタ部７自体は、図６に示すよう
に、端板１０に矩形状のフィルタケース１１が取り付け
られ、このフィルタケース１１内にフィルタ１２が設け
られている。このフィルタ１２は定期的に清掃あるいは
交換されるが、この清掃等を行なう場合には、端板１０
を持ってユニットケース１から略水平方向に引くと、フ
ィルタ部７全体が引き出され、交換等を容易に行ない得
るようになっている。

【０００７】なお、フィルタ部７は、主として空気中に
含まれる小さな異物（花粉、煙等）を捕捉するために設
けられているが、実際に捕捉されるものには、前記小さ
な異物のみでなく、枯れ葉や紙くず等のような比較的大
きな異物Ｗもある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記開口部
８は、フィルタ部７との間に隙間があると、空気漏れを
起こし、空調性能が低下する虞れがあるので、隙間が生
じないようにフィルタ部７の大きさに対応させて開設
し、また端板１０は、この隙間を塞ぐために開口部８よ
り多少大きくしている。

【０００９】この結果、フィルタ部７の上面に比較的大
きな異物Ｗが捕捉されている場合に、この開口部８から
フィルタ部７を引き出すと、異物Ｗが開口部８の口縁部
分に当たったり、すり切られることがあり、ベルマウス
１３の口１３ａからファンスクロール６内に落下するこ
とがある。

【００１０】落下した異物Ｗは、取り出しにくい。また
放置すると、ファンＦに巻き込まれて異音を生じさせた
り、長期間放置すれば、腐敗し異臭を生じさせる。

【００１１】本発明は、上述した従来技術に伴う課題を
解決するためになされたもので、フィルタの清掃や交換
時に、フィルタ上面に捕捉した異物がファンスクロール
内に落下することを防止するようにした自動車用空気調
和装置のインテークユニットを提供することを目的とす
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。

【００１３】（１） 下方にファンスクロールが設けら
れた空気導入部に、フィルタ部が略水平方向に引き出し
可能に設けられたインテークユニットにおいて、前記空
気導入部から前記フィルタ部を引き出す際に、前記ファ
ンスクロールの上方を塞ぐシートが引き出されるように
したシート装置を有することを特徴とする自動車用空気
調和装置のインテークユニット。

【００１４】（２） 前記シート装置は、前記シートの
一端が前記前記フィルタ部の終端板に取り付けられ、他
端側が巻取装置に卷回され、当該巻取装置が空気導入部
を形成するユニットケースの内壁に設置されていること
を特徴とする自動車用空気調和装置のインテークユニッ
ト。

【００１５】（３） 前記シートの端部は、前記フィル
タ部の終端板に係止部材により着脱可能に取り付けられ
ていることを特徴とする自動車用空気調和装置のインテ
ークユニット。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明の実施の形態に係る
自動車用空気調和装置のインテークユニットの縦断面
図、図２は同実施の形態のフィルタを引き出した状態を
示す縦断面図、図３は同実施の形態のシートが取り付け
られたフィルタ部の斜視図、図４は同実施の形態の巻取
装置の斜視図であり、前記図５，６に示す部材と共通す
る部材には同一符号を付し、以下説明を一部省略する。

【００１７】本実施の形態に係るインテークユニット
は、図１，２に示すように、ユニットケース１の上部に
空気導入部５が、この空気導入部５の下方にファンスク
ロール６がそれぞれ設れられ、前記空気導入部５の下方
のユニットケース１には、開口部８が形成され、この開
口部８にフィルタ部２０が取り付けられている。

【００１８】このフィルタ部２０は、ユニットケース１
に対して略水平方向に引き出し可能となるように、ユニ
ットケース１の内壁に沿って棚部２１が形成され、この
棚部２１にガイドされてスムーズに挿入されるようにな
っている。

【００１９】このフィルタ部２０自体は、図３に示すよ
うに、一端には前記開口部８を完全に閉塞するように当
該開口部８より大きな閉塞端板２２が設けられ、他端部
には終端板２３が設けられ、これら両端板２２，２３間
は側板２４により連結され、両端板２２，２３及び側板
２４により形成された矩形状の内部空間にはフィルタ１
２が設けられている。

【００２０】このフィルタ１２は、空気導入部５から導
入された空気に含まれた塵埃を取り除くことができる程
度の多孔質の濾紙等から構成されており、場合によって
は脱臭材等が含浸され、異臭までも取り除くようにした
ものもあるが、当該フィルタ１２である濾紙等を直接前
記端板２２等に貼っても良いが、好ましくは、濾紙等が
図示しないフィルタケースによって保持された、いわゆ
るカセット状に構成されものとし、これを直接前記端板
２２等により形成された内部空間に嵌め込むようにして
も良い。このようにすれば、フィルタ交換が容易にで
き、利便性が向上する。

【００２１】特に、本実施の形態では、前記開口部８の
対向するユニットケース１の内壁にシート装置２５が設
けられている。このシート装置２５は、前記終端板２３
に先端部が固着されたシートＳと、このシートＳが卷回
されている巻取装置２６とから構成されている。

【００２２】このシートＳは、フィルタ部２０が空気導
入部５から引き出されるときに、フィルタ部２０の上面
の異物Ｗが開口部８の口縁部分に当たったり、すり切ら
れても、ベルマウス１３等に落下しないようにキャッチ
するためのものであり、一端が終端板２３の上端にクリ
ップ等の係止部材２７で係止され、フィルタ部２０を引
き出すとき、シートＳがフィルタ部２０とともに引き出
され、空気導入部５内を覆い、異物Ｗがベルマウス１３
等に落下しないようにしている。

【００２３】このシートＳは、材質的には合成樹脂材
料、紙材料あるいは皮革材等、どのようなものであって
も良く、より好ましくは、薄くて比較的強度のある合成
樹脂材料が使用される。また大きな異物をキャッチする
ので、メッシュ状であっても良い。このシートＳの大き
さとしては、空気導入部５の内壁の幅と略同じ幅を有
し、長さはフィルタ部２０が引き出されても十分追従し
得る程度の長さである。

【００２４】このシートＳは、常時は、内気導入口３の
下部内壁に取り付けられた巻取装置２６に卷回されると
ともに、その先端が前記終端板２３の上端に係止部材２
７で係止された状態となっている。

【００２５】前記巻取装置２６は、図４に示すように、
両端に回転軸２８を備えた円柱状の巻付軸部２９と、こ
の巻付軸部２９をシートＳの巻き取り方向に回転させる
ためのゼンマイばね３０とを備え、前記回転軸２８が空
気導入部５の内壁から突出されたブラケット（図示せ
ず）等に回転可能に支持されている。

【００２６】したがって、シートＳは、常時は巻取装置
２６の巻付軸部２９に巻き取られているので、空気の流
れの邪魔をしたり、空気流によりがバタつくこともな
く、引き出されるときには、ゼンマイばね３０の付勢力
により、巻き取り方向に引っ張られ、ピント張った状態
となるので、引き出し時に開口部８等に引っ掛かり破断
する虞れも少ない。

【００２７】ただし、ファンＦが回転しているときに、
シートＳが引き出されると好ましくないので、ファンＦ
が回転しているときは当該巻付軸部２９をロックするロ
ック機構（図示せず）を設けても良い。

【００２８】次に、作用を説明する。フィルタ部２０
が、目詰りを起こすと、閉塞端板２２の把手２２ａを持
って棚部２１から略水平方向に引き出す。

【００２９】これによりシート装置２５のシートＳもフ
ィルタ部２０とともに引き出され、空気導入部５の空気
通路を閉鎖する。この場合、フィルタ部２０の上面に異
物Ｗが存在しており、開口部８の口縁部分に当たった
り、すり切られると、フィルタ部２０の終端板２３を越
えるようなことがある。

【００３０】しかし、この異物Ｗは、前記シートＳ上に
落下するのみであり、ベルマウス１３等の上には落下せ
ず、キャッチされる。そして、このシートＳ上の異物Ｗ
は、フィルタ部２０全体をユニットケース１の外部に引
き出したとき、簡単に除去することができる。

【００３１】そして、フィルタ交換した後に、ユニット
ケース１の開口部８よりフィルタ部２０を挿入するとき
には、巻取装置２６がシートＳを卷回しつつ取り込むの
で、シートＳが邪魔になってフィルタ部２０を挿入する
ことができないという虞れはない。

【００３２】なお、上述した実施形態では、巻取装置２
６を空気導入部５の内壁側に設けているが、フィルタ部
２０側に巻取装置２６を設けてもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたように請求項１に記載の本発
明は、空気導入部からフィルタ部を引き出す際に、ファ
ンスクロールの上方を塞ぐシートも引き出されるように
したので、このシートによりファンスクロールの上方を
塞ぎ、フィルタ部上に捕捉した異物の落下を防止するこ
とができる。この結果、枯れ葉等の異物がファンに巻き
込まれて異音が生じたり、腐敗して異臭が発生すること
がない。

【００３４】請求項２に記載の発明によれば、シートの
一端をフィルタ部の終端板に、他端側を巻取装置に卷回
し、当該巻取装置をユニットケース側に設置したので、
シートの収納が簡単で、フィルタを引き出す際にシート
も一緒に引き出されて確実にファンスクロールの上方を
塞ぐので、シートの引き出しや巻取という取扱いが極め
て容易となる。

【００３５】請求項３に記載の発明によれば、シートの
端部がフィルタ部の終端板に係止部材により着脱可能に
取り付けたので、フィルタの清掃作業あるいは交換作業
を行う際に、フィルタからシートを取り外すことができ
るので、作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態を示す縦断面図である。

【図２】 同実施の形態のフィルタ引出し状態を示す縦
断面図である。

【図３】 同実施の形態のシートが取り付けられたフィ
ルタ部の斜視図である。

【図４】 同実施の形態の巻取装置の斜視図である。

【図５】 従来のインテークユニットの縦断面図であ
る。

【図６】 同インテークユニットのフィルタ部分の斜視
図である。

【符号の説明】

１…ユニットケース、 ６…ファンスクロール、 ５…空気導入部、 ２０…フィルタ部、 ２７…係止部材、 ２３…終端板、 ２５…シート装置、 ２６…巻取装置、 Ｓ…シート、 Ｗ…異物。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下方にファンスクロール（６）が設けら
   れた空気導入部（５）に、フィルタ部（２０）が略水平
   方向に引き出し可能に設けられたインテークユニットに
   おいて、 前記空気導入部（５）から前記フィルタ部（２０）を引
   き出す際に、前記ファンスクロール（６）の上方を塞ぐ
   シート（Ｓ）が引き出されるようにしたシート装置（２
   ５）を有することを特徴とする自動車用空気調和装置の
   インテークユニット。
2. 【請求項２】 前記シート装置（２５）は、前記シート
   （Ｓ）の一端が前記前記フィルタ部（２０）の終端板
   （２３）に取り付けられ、他端側が巻取装置（２６）に
   卷回され、当該巻取装置（２６）が空気導入部（５）を
   形成するユニットケース（１）の内壁に設置されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の自動車用空気調和装
   置のインテークユニット。
3. 【請求項３】 前記シート（Ｓ）の端部は、前記フィル
   タ部（２０）の終端板（２３）に係止部材（２７）によ
   り着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求
   項１又は２に記載の自動車用空気調和装置のインテーク
   ユニット。