JPH11254756A - 画像形成方法、画像形成装置及び画像記録体 - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置及び画像記録体

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JPH11254756A
JPH11254756A JP10055080A JP5508098A JPH11254756A JP H11254756 A JPH11254756 A JP H11254756A JP 10055080 A JP10055080 A JP 10055080A JP 5508098 A JP5508098 A JP 5508098A JP H11254756 A JPH11254756 A JP H11254756A
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JP10055080A
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English (en)
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Takuji Hasegawa
拓治 長谷川
Toshikazu Umeda
敏和 梅田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/68Preparation processes not covered by groups G03F1/20 - G03F1/50
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/24Ablative recording, e.g. by burning marks; Spark recording
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2値の画像濃度からなる画像の濃度アップ、
および2値の画像濃度からなる画像への階調性付与する
ための画像形成方法の提供。 【解決手段】 画像形成層を有する供与材料と被転写体
からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該供与材
料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積階調を
用いた階調を有する画像形成方法において、該レーザー
光のレーザースポット径を変化させて画像を形成するこ
とを特徴とする画像形成方法、画像形成装置及び画像記
録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成方法に関
し、詳しくは、面積階調を用いた高解像力な画像を安定
に出力できる画像形成方法及びそれに用いる画像形成装
置並びに画像記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザー光線等の光エネルギ
ーを集束させ記録材料に照射して、材料の一部を融解変
形させたり、飛散、燃焼或いは蒸発除去する記録方法が
知られている。これらは、薬品等の処理液を必要しない
乾式処理であり、かつ光照射部のみを融解変形、飛散又
は蒸発除去することから高コントラストが得られる、と
言う利点を有しており、レジスト材料、光ディスク等の
光学的記録材料、医療診断時の透過画像、あるいは印刷
版作製時の透過原稿等に利用されている。これらの画像
形成方法を以下アブレーションと定義する。
【0003】アブレーションによる画像形成方法は例え
ば、特開昭59−5447号、同59−105638
号、同62−115153号等にパターン露光によりバ
インダー樹脂を光分解させてレジストパターンを形成す
る方法とそのための材料が、特開昭55−132536
号、同57−27788号、同57−103137号等
に蒸着法により設けた無機化合物薄膜に露光して膜の融
解変形により情報を記録することが、又、特開昭64−
56591号、特開平1−99887号、同6−401
63号等に光熱変換により着色バインダー層を除去して
情報記録するための材料が、米国特許第4,245,0
03号等にはグラファイト又はカーボンブラックを含有
する画像形成層を有する画像形成材料が、それぞれ記載
されている。
【0004】又、特開平8−310124号、同8−3
34894号、同8−337053号、同8−3370
54号、同8−337055号、同8−337056
号、同9−15849号、同9−106079号、同9
−226236号等には、色剤として強磁性粉末を用い
た画像形成材料が提案されており、これらの画像形成材
料を用いることにより、汚れの少ない高解像度の画像を
得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
画像形成材料は、印刷版作製時の透過原稿のように印刷
版の感光波長領域の遮光性には優れたものであるが、医
療診断時の透過画像に対しては濃度が不足する場合があ
った。
【0006】一方、医療診断時の透過画像などに用いよ
うとした場合には濃度階調が要求され、これらの画像形
成材料では、露光装置によっては連続階調部分でのムラ
が目立つ場合があった。これらを解決する手段として、
レーザー光の集光径を小さくして画素密度を高密度にし
解像力を高くする方法が考えられるが、集光させるため
に装置が複雑化したりコスト、あるいは露光時間が掛か
ることなどから、実現には至っていない。
【0007】上記の欠点を解決するために、特開平9−
109462号では、画像の濃度の高い領域に染料を含
有する材料を用いて階調性を持たせることが提案されて
いる。しかしながら、これらの材料では経時での階調性
の変化が問題になる場合があった。
【0008】本発明は上記の事情によって為されたもの
であり、その目的は、2値の画像濃度からなる画像の濃
度アップ、および2値の画像濃度からなる画像への階調
性付与するための画像形成方法、さらにはこれにより形
成された画像記録体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0010】(1) 画像形成層を有する供与材料と被
転写体からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該
供与材料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積
階調を用いた階調を有する画像形成方法において、該レ
ーザー光のレーザースポット径を変化させて画像を形成
することを特徴とする画像形成方法。
【0011】(2) 画像形成層を有する供与材料と被
転写体からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該
供与材料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積
階調を用いた階調を有する画像形成方法において、該レ
ーザー光の照射エネルギーを変化させて画像を形成する
ことを特徴とする画像形成方法。
【0012】(3) 画像形成層を有する供与材料と被
転写体からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該
供与材料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積
階調を用いた階調を有する画像の形成方法において、該
レーザー光のフォーカスを変化させて画像を形成するこ
とを特徴とする画像形成方法。
【0013】(4) 前記1、2又は3記載の画像形成
方法に用いることを特徴とする画像形成装置。
【0014】(5) 前記1、2又は3記載の画像形成
方法に用いる画像形成材料の供与材料が、レーザー光の
照射部がアブレートして被転写体に画像が転写される供
与材料であることを特徴とする前記1、2又は3記載の
画像形成方法。
【0015】(6) 前記1、2又は3記載の画像形成
方法に用いる画像形成材料の供与材料が、レーザー光の
照射部が熱溶融接着により被転写体に画像が転写される
供与材料であることを特徴とする前記1、2又は3記載
の画像形成方法。
【0016】(7) 前記5又は6記載の画像形成方法
により得られた画像が、透過光により観察する画像であ
ることを特徴とする画像記録体。
【0017】本発明で言う画像形成層を転写して画像を
形成するとは、昇華熱転写のごとく色素成分だけを転写
するものではなく、色を構成する成分を含有する層ごと
転写する方法をいう。又、供与材料および被転写体の画
像のいずれを使用しても良く、被転写体と反応して発色
しても良い。
【0018】本発明で用いるレーザー光は光熱変換色素
によって熱に換えたり、顔料そのものが光を吸収し発熱
した熱を利用することができる。本発明で言う供与材料
とは画像を形成する色素または顔料またはそれらの前駆
体を含有する材料をいう。
【0019】<供与材料> 《支持体》支持体としては、透明フィルムであれば特に
限定はないが、ポリエチレンテレフタレート、シンジオ
タクチックポリスチレン、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂フィ
ルム、更には前記樹脂を2層以上積層してなる樹脂フィ
ルム等の透明支持体を挙げることができ、特にポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが好ましく用
いられる。
【0020】《画像形成層》画像形成層は色剤またはそ
の前駆体、それを保持するためのバインダー樹脂を少な
くとも有する。
【0021】本発明に用いられる色剤は露光光源の波長
光を吸収可能な色剤であり、例えばカーボンブラックや
グラファイト等は紫外線領域から可視、赤外線領域まで
広く吸収を有する色剤であるので好ましく用いることが
できる。
【0022】その他には無機或いは有機の顔料、染料が
用いられ、単色、2色混合、3色混合の顔料系化合物で
構成される。
【0023】無機顔料としては、二酸化チタン、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミ
ウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウ
ムのクロム酸塩等が挙げられる。有機顔料としては、ア
ゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアン
スロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染
料顔料、フタロシアニン顔料(銅フタロシアニン及びそ
の誘導体)、キナクリドン顔料等が挙げられる。又、有
機染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料等が挙
げられる。
【0024】露光光源の波長が近赤外線の場合、近赤外
光吸収剤としては、シアニン系、ポリメチン系、アズレ
ニウム系、スクワリウム系、チオピリリウム系、ナフト
キノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタ
ロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体等
が好適に用いられ、具体的には特開昭63−13919
1号、同64−33547号、特開平1−160683
号、同1−280750号、同1−293342号、同
2−2074号、同3−26593号、同3−3099
1号、同3−34891号、同3−36093号、同3
−36094号、同3−36095号、同3−4228
1号、同3−97589号、同3−103476号等に
記載の化合物が挙げられる。
【0025】本発明の効果を有効に発揮する色剤として
金属原子含有粒子を好ましく用いることが出来る。本発
明の画像形成材料の画像形成層中の色剤として金属原子
含有粒子を用いた場合、感度、解像度、露光部の汚れの
改善においてより一層効果が顕著となる。
【0026】ここに金属原子含有粒子とは、鉄、クロ
ム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタ
ン、銀、アルミニウム、金、白金等の金属又はその酸化
物等の化合物を総称している。
【0027】本発明に好ましく用いられる金属原子含有
粒子は、強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、立方晶板
状粉末等が挙げられ、中でも、強磁性金属粉末を好適に
用いることができる。
【0028】強磁性酸化鉄としては、γ−Fe23、F
34、又はこれらの中間酸化鉄でFeOx(1.33
<x<1.50)で表されるものを挙げることができ
る。
【0029】強磁性金属粉末としては、Fe、Coを始
め、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−
Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、F
e−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co
系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−
Ni−Si系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe
−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al
−Co系、Fe−Al−Si系、Fe−Al−Zn系、
Fe−Co−Ni−P系、Fe−Co−Al−Ca系、
Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタ
ル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられ、中でもFe
系金属粉末が好ましく、例えばCo含有γ−Fe23
Co被着γ−Fe23、Co含有Fe34、Co被着F
34、Co含有磁性FeOx(4/3<x<3/2)
粉末等のコバルト含有酸化鉄系磁性粉末が挙げられる。
又、耐蝕性及び分散性の点から見ると、Fe系金属粉末
の中で、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−A
l−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co
系、Fe−Ni−Si−Al−Co系、Fe−Co−A
l−Ca系等のFe−Al系強磁性粉末が好ましく、更
にこの中では、強磁性粉末に含有されるFe原子とAl
原子との含有量比が原子数比でFe:Al=100:1
〜100:20であり、かつ強磁性粉末のESCA(X
線光電子分光分析法)による分析深度で100Å以下の
表面域に存在するFe原子とAl原子との含有量比が原
子数比でFe:Al=30:70〜70:30である構
造を有するもの、或いはFe原子とNi原子とAl原子
とSi原子、更にCo原子とCa原子の少なくとも1つ
とが強磁性粉末に含有され、Fe原子の含有量が90原
子%以上、Ni原子の含有量が1〜10原子%、Al原
子の含有量が0.1〜5原子%、Si原子の含有量が
0.1〜5原子%、Co原子又はCa原子の含有量(両
者を含有する場合は合計量)が0.1〜13原子%であ
り、かつ強磁性粉末のESCA(X線光電子分光分析
法)による分析深度で100Å以下の表面域に存在する
Fe原子とNi原子とAl原子とSi原子と、Co原子
及び/又はCa原子との含有量比が原子数比でFe:N
i:Al:Si:(Co及び/又はCa)=100:
(4以下):(10〜60):(10〜70):(20
〜80)である構造を有するものが好ましい。
【0030】尚、強磁性粉末の形状は、長軸径が0.3
0μ以下、好ましくは0.20μ以下である。このよう
な強磁性粉末によれば画像形成層の表面性が向上する。
【0031】六方晶板状粉末としては、バリウムフェラ
イトやストロンチウムフェライト等の六方晶系フェライ
トを挙げることができ、鉄元素の一部が他の原子(T
i、Co、Zn、In、Mn、Ge、Hb等)で置換さ
れていてもよく、このようなフェライト磁性体はIEE
E trans on MAG,p18,16(198
2)に記載されたものを挙げることができる。この中
で、バリウムフェライト磁性粉末の例としては、Feの
一部が少なくともCo及びZnで置換された平均粒径
(六方晶系フェライトの板面の対角線の高さ)が400
〜900Åであり、板状比(六方晶系フェライトの板面
の対角線の長さを板厚で除した値)が2.0〜10.0
のものである。又、バリウムフェライト磁性粉末は、更
にFeの一部をTi、In、Mn、Cu、Ge、Sn等
の遷移金属で置換されていてもよい。
【0032】立方晶系の磁性粉末を製造する方法は、例
えば、目的とするバリウムフェライトを形成するのに必
要な各原子の酸化物、炭酸化物を、硼酸の様なガラス形
成物質とともに溶融し、得られた融液を急冷してガラス
を形成し、次いでこのガラスを所定温度で熱処理して目
的とするバリウムフェライトの結晶粉末を析出させ、最
後にガラス成分を熱処理によって除去するという方法の
ガラス結晶化法の他、共沈−焼成法、水熱合成法、フラ
ックス法、アルコキシド法、プラズマジェット法等があ
る。
【0033】画像形成層に含有される金属原子含有粒子
の含有量は、画像形成層形成成分の50〜99重量%程
度、好ましくは60〜95重量%である。
【0034】レーザー光の照射部がアブレートして被転
写体に画像を転写するためのバインダー樹脂は、露光光
源の波長光を吸収可能な色剤又は金属原子含有粒子を十
分に保持できるものであれば、特に制限無く用いること
ができる。
【0035】この様なバインダー樹脂としては、ポリウ
レタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化
ビニル系樹脂が代表的なものであり、これらの樹脂は−
SO3M、−OSO3M、−COOM及び−PO(O
12〔ここに、Mは水素原子又はアルカリ金属を、M
1は水素原子、アルカリ金属又はアルキル基を表す。〕
から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する繰り返し
単位を含むことが好ましく、この様な極性基を導入した
樹脂を用いることにより、磁性粉末の分散性を向上させ
ることができる。尚、この極性基の各樹脂中の含有比率
は0.1〜8.0モル%程度、好ましくは0.2〜6.
0モル%である。
【0036】バインダー樹脂は、1種単独でも2種以上
を組み合わせて用いてもよく、2種以上混合して用いる
場合、例えばポリウレタン及び/又はポリエステルと塩
化ビニル系樹脂との比は、90:10〜10:90であ
り、好ましくは70:30〜30:70である。
【0037】極性基含有塩化ビニルとしては、例えば、
塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体等水酸基を有す
る樹脂と、Cl−CH2CH2SO3M、Cl−CH2CH
2OSO3M、Cl−CH2CO2M、Cl−CH2P(=
O)(OM12等の極性基及び塩素原子を有する化合物
との付加反応により合成することができる。
【0038】極性基含有塩化ビニル系樹脂は、極性基を
含む繰り返し単位が導入される不飽和結合を有する反応
性モノマーを所定量オートクレーブ等の反応容器に仕込
み、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリル等の一般的なラジカル重合開始剤や、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤等を用いて重合するこ
とにより得ることができ、スルホン酸又はその塩を導入
するための反応性モノマーの具体例としては、ビニルス
ルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、
p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸
及びこれらの塩を挙げることができる。又、カルボン酸
若しくはその塩を導入するときには、例えば(メタ)ア
クリル酸やマレイン酸を用い、リン酸若しくはその塩を
導入するときには(メタ)アクリル−2−リン酸エステ
ルを用いればよい。
【0039】更に、バインダー樹脂の熱安定性を向上さ
せるためには、塩化ビニル系共重合体にエポキシ基を導
入することが好ましい。この場合、エポキシ基を有する
繰り返し単位の共重合体中における含有率は1〜30モ
ル%程度、好ましくは1〜20モル%であり、エポキシ
基を導入するためのモノマーとしてはグリシジルアクリ
レート等を挙げることができる。
【0040】極性基を有するポリエステルは、ポリオー
ルと一部に極性基を有する多塩基酸との脱水縮合反応に
より合成することができ、極性基を有する多塩基酸とし
ては5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル
酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5
−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタ
ル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、
3−スルホフタル酸ジアルキル及びこれらのアルカリ金
属塩等が挙げられ、ポリオールとしてはトリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリス
リトール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができ
る。
【0041】極性基を有するポリウレタンは、ポリオー
ルとポリイソシアネートとを反応させることにより合成
することができ、具体的には、ポリオールとしてポリオ
ールと一部に極性基を有する多塩基酸との反応によって
得られるポリエステルポリオールを原料とすることによ
り合成する。又、ポリイソシアネートとしては、ジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、リジン
イソシアネートメチルエステル等を挙げることができ
る。尚、極性基を有するポリウレタンの他の合成法とし
ては、水酸基を有するポリウレタンと極性基及び塩素原
子を有するCl−CH2CH2SO3M、Cl−CH2CH
2OSO3M、Cl−CH2CO2M、Cl−CH2P(=
O)(OM12等の化合物との付加反応も有効である。
【0042】その他のバインダー樹脂として、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体等のポリオレフィン系
樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール
系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を併
用してもかまわないが、これらを併用する場合は全バイ
ンダー樹脂の20重量%以下とするのが好ましい。
【0043】画像形成層中のバインダー樹脂の含有率
は、画像形成層形成成分中の1〜50重量%程度、好ま
しくは5〜40重量%である。
【0044】画像形成層には、本発明の効果を阻害しな
い範囲で、耐久性向上剤、分散剤、帯電防止剤、フィラ
ー、硬化剤等の添加剤を含有せしめてもよい。
【0045】耐久性向上剤としてはポリイソシアネート
等を挙げることができる。分散剤としては、ラウリル酸
やステアリン酸等の炭素原子数12〜18の脂肪酸やそ
れらのアミド、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩;
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸塩、レシチ
ン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第4級アンモニ
ウム塩;カルボキシル基及びスルホン基を有するアゾ系
化合物等を挙げることができ、帯電防止剤としては、カ
チオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等の他
「11290の化学商品」化学工業日報社、p.875
〜876等に記載の化合物等を挙げることができる。
【0046】フィラーとしては、カーボンブラック、グ
ラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgC
3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、M
gO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeO
OH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、B
C、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイア
モンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケ
イソウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン
樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アク
リル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等
の有機フィラーを挙げることができ、これらは離型剤を
兼ねても良い。これらの無機・有機樹脂粒子は比重によ
り異なるが、0.1〜70重量%の添加が好ましい。
【0047】本発明の画像形成方法に用いられる材料に
おいて硬化剤を使用することもできる。硬化剤は、画像
形成層を硬化できるものであれば特に制限なく用いるこ
とができ、このような硬化剤としては、例えば、前述の
バインダー樹脂の中のポリウレタンを合成する際に用い
られるポリイソシアネートなどを挙げることができる。
【0048】この様な硬化剤を添加して画像形成層を硬
化させることにより、形成された画像の耐久性を高める
だけではなく、アブレーションを生じせしめた部分の地
汚れをなくすことができる。更には、溶剤に対する耐久
性を向上させることができるために、画像保護層を塗布
する際に有機溶剤を用いたとしても画像形成層を損傷す
ることなしに画像保護層を積層することができる。その
結果、水溶性若しくは水分散性樹脂からなる画像保護層
よりも更に耐久性のすぐれた画像形成材料を作製するこ
とができる。しかし、一方で解像力の低下もともなう場
合があり必要に応じて量を調整することが好ましい。
【0049】これら添加剤の添加量は0〜20重量%程
度、好ましくは0〜15重量%である。
【0050】画像形成層の厚みは、0.05〜5.0μ
m程度、好ましくは0.1〜3.0μmの範囲である。
又、画像形成層は単層で構成しても組成の異なる多層で
構成してもよいが、多層で構成される場合、支持体に近
い側の層中に露光光源の波長光を吸収可能な色剤をより
多く含有させることが好ましい。又、支持体に遠い側の
層中に露光光源の波長光以外の波長光を吸収可能な色剤
を添加してもよい。
【0051】画像形成層は、例えば、色剤、バインダー
樹脂及び必要に応じて耐久性向上剤、分散剤、帯電防止
剤、充填剤、フィラー、硬化剤等と溶媒とを混練して塗
料を調製し、次いでこの塗料を希釈して、支持体上に塗
布し乾燥させて形成する。
【0052】溶媒としては、アルコール類(エタノー
ル、プロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸
ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、ジクロルベ
ンゼン等)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等)、等を用いることができ
る。又、画像形成層成分の混練分散には、二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、コボル
ミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、
Sqegvariアトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープ
ンニーダー、連続ニーダー等を用いる事ができる。
【0053】支持体上への画像形成層の形成は、例え
ば、エクストルージョン方式の押し出しコータにより塗
布乾燥して行う。必要に応じて磁性粉末の配向を揃えた
り、画像形成層の表面性を均一にするためにカレンダー
処理を行ってもよい。特に高解像度の画像を得るために
は、磁性粉末を配向させる方が、層内の凝集力をコント
ロールすることが容易になって好ましい。
【0054】尚、画像形成層の上に画像保護層を設ける
とき、各層毎に塗布乾燥を繰り返してもよいが、ウェッ
ト−オン−ウェット方式で重層塗布して乾燥させてもよ
い。その場合、リバースロール、グラビアロール、エア
ドクターコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、
スクイズコータ、含浸コータ、バーコータ、トランスフ
ァロールコータ、キスコータ、キャストコータ或いはス
プレーコータ等と押し出しコータとの組み合わせにより
塗布することができる。
【0055】尚、ウェット−オン−ウェット方式におけ
る重層塗布においては、下側の層が湿潤状態になったま
まで上側の層を塗布するので、上下層間の接着性が向上
する。
【0056】本発明におけるカレンダー処理とは画像形
成層を支持体上に積層したのちに、通常直径1〜100
cmの平滑性の高いニップローラーとそれに対面する加
熱可能なローラーの間を温度と圧力をかけて処理するこ
とで、画像形成層塗工液の塗布、乾燥工程等で生じる画
像形成層の空隙を減少させ、画像形成層自体の密度を高
める工程をいう。
【0057】カレンダー処理する際の条件としては、画
像形成層の空隙率を低下させる為には通常線圧として2
〜100kg/cm、好ましくは5〜50kg/cmの
ニップ厚を掛けて処理することが好ましい。加熱温度と
しては、通常40〜200℃、好ましくは50〜120
℃であるが最適な加熱温度は搬送速度によって異なるた
め通常はカレンダー処理時に画像形成層が昇温する最大
瞬間温度が30〜100℃程度になるのを目安に設定さ
れる。カレンダー処理の線圧及び加熱温度がこの範囲よ
りも低い場合は本発明の目的とする効果が少なく、高い
場合は画像形成材料の支持体や画像形成層自体に変形、
ひび割れなどの欠陥を生じるようになるため好ましくな
い。カレンダー処理は画像形成層の硬化処理の有無に関
わらず画像形成層塗布直後におこなわれることが好まし
いが必要に応じて画像保護層まで塗布積層した後にカレ
ンダー処理しても差し支えない。
【0058】また、本発明における熱溶融接着により被
転写体に転写される手段としては、熱活性像形成層を設
け、熱活性像形成層は画像形成に関与する層で、画像形
成材料に高密度エネルギー光で露光すことで熱活性化可
能な層であり、該層は急速な冷却により、露光部は像形
成層に堅固に付着する。この熱活性像形成層は支持体の
軟化温度より低い軟化温度を有する樹脂を主成分とする
層から形成するのが好ましく、このような樹脂として
は、スチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、あるいは特表平5−5038
99号記載の化合物等を適時選択して用いることができ
る。
【0059】《画像保護層》本発明において、必要に応
じて画像形成層の上に画像保護層を設けるが、その膜厚
は0.03〜1.0μmが好ましく、更に好ましくは
0.05〜0.5μmである。薄すぎると画像耐久性が
あまり向上せず、厚すぎると感度や解像度が低下してし
まう。画像保護層は、主として樹脂バインダーと微粒子
から構成される。
【0060】バインダー樹脂は、微粒子を十分に保持で
きるものであれば、特に制限無く用いることができ、ポ
リウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の
塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等
の塩化ビニル系樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール系樹脂、ニトロセルロース
等のセルロース系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のア
クリル系樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセトアセタール、ポリビニルホルマール等のアセ
タール系樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の水
溶性樹脂等があり、1種単独でも2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0061】画像保護層中のバインダー樹脂の含有率
は、画像保護層形成成分中の10〜99.5重量%程
度、好ましくは40〜98重量%である。
【0062】また画像保護層の耐久性を高めるためにポ
リイソシアネートなどの硬化剤を添加することが好まし
い。
【0063】画像保護層を硬化するときには選択される
バインダーとしては分子内に硬化剤と架橋反応し得る官
能基を有している樹脂を用いることが好ましい。具体的
には硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を用いる場合
はフェノキシ系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹
脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いる
ことが好ましい。
【0064】微粒子としては、カーボンブラック、グラ
ファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3
CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、Mg
O、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeOO
H、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、
WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモン
ド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソ
ウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン樹脂
粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル
樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の有
機フィラーを挙げることができ、これらは離型剤を兼ね
ても良い。
【0065】本発明においては、微粒子は粒度分布が狭
く粒径が均一であるものが好ましい。具体的には、東芝
シリコーン(株)製、シリコーン樹脂微粒子(製品名ト
スパール)や総研化学(株)製、架橋アクリル微粉体M
Rシリーズ、架橋ポリスチレン微粉体SGPシリーズ、
アクリル超微粉体MPシリーズ等を採用できる。
【0066】本発明に用いられる微粒子の平均粒径rは
好ましくは0.3〜20μmであり、より好ましくは
0.8〜4.5μmである。小さすぎると感度、カブリ
が劣化してしまうし、大きすぎると画像耐久性が低くな
ってしまう。
【0067】本発明に用いられる微粒子の単位面積当た
りの存在量、いわゆる付き量は5〜150mg/m2
あり、好ましくは10〜100mg/m2である。少量
すぎると感度、カブリが劣化してしまうし、多量すぎる
と解像度が低下する。
【0068】本発明においては、微粒子の表面が重合可
能な官能基を有する場合、画像形成層の硬化時に画像形
成層と微粒子の接着性が向上するために、更に画像耐久
性が向上し、具体的には(株)日本触媒製FX−GSZ
−07等を採用できる。
【0069】本発明の画像保護層の被転写体と面する表
面のスムースター値は、23℃・55%RHで5〜20
0mmHg、更に10〜100mmHgであるものが好
ましい。この値が小さすぎるとカブリが劣化し、大きす
ぎると露光時の解像度が劣化してしまう。このスムース
ター値はたとえばサンドブラスト法による粗面化や微粒
子の添加によって所望の値に調整することができる。
【0070】《被転写体》本発明に用いる被転写体は、
高密度エネルギー光の露光により照射部の支持体と画像
形成層との結合力が低下した画像形成層部分を受容可能
でありかつ、被転写体と画像形成層を保持する支持体と
を引き離すことにより照射部の画像形成層が転写され得
る部材であり、主として樹脂から構成され、必要に応じ
て微粒子など添加剤を含有し画像保護層と接する表面の
スムースター値が23℃・55%RHで5〜200mm
Hgであることが好ましい。更に好ましくは23℃・5
5%RHで20〜100mmHgである。画像保護層と
被転写体両方の表面を粗面化すると解像度の向上や必要
露光エネルギーの低減が可能となる。
【0071】被転写体のスムースター値は画像保護層の
項に記載した同様の方法によって所望の値に調整するこ
とができる。
【0072】後述する本発明の画像形成方法において、
画像露光後に剥離して画像を受像するために設ける被転
写体は上記画像形成材料支持体の様な支持体として用い
られる樹脂フィルムを被転写体支持体として用いること
もでき、またその樹脂フィルム上に高密度エネルギー光
照射部の画像形成層を受容可能な受像層を設けたもの等
を用いることができる。
【0073】被転写体の支持体用基材としては、合成紙
(例えばポリプロピレンを主成分とする合成紙等)、等
が挙げられ、具体的には、王子油化加工(株)製商品名
ユポ或いは日清紡(株)製商品名ピーチコートの各グレ
ード、或いはダイアホイルヘキスト(株)製W−900
E等を好ましく用いることができる。
【0074】本発明において、樹脂からなる基材は、シ
ート或いはフィルム状に延伸し、ヒートセットしたもの
が寸法安定性の面から好ましく、基材は、ミクロボイド
がないものでも、ミクロボイドのあるものでも、用途に
応じて適宜に選択することができる。具体的にはダイア
ホイルヘキスト(株)製W−400等を好ましく用いる
ことができる。
【0075】本発明の被転写体の支持体用基紙は、天然
パルプ、合成パルプ、又はそれらの混合物から抄紙され
るパルプ紙が好ましく、この中で、木材パルプを主成分
とする天然パルプ紙が好ましい。紙は、長網抄紙機等を
用いて抄造され、平滑度向上の目的で、抄紙後にマシン
カレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用
いてカレンダー処理することが好ましい。又、平滑性向
上のために、顔料を含有した樹脂層でコートした基紙も
本発明においては好適に用いることができる。具体的な
基紙としては、上質紙、アート紙、コート紙、片艶紙、
含浸紙、板紙等が挙げられる。
【0076】尚、紙としては、後述する白色微粒子を含
有するポリプロピレン及びポリオレフィンのラミネート
層を設ける際に、平滑性を持たせるためにベック平滑度
50秒以上にするのが好ましく、100秒以上更には2
00秒以上の平滑性を有することが好ましい。又、紙の
厚みは特に制限はないが、30〜800μmが好まし
く、50〜500μmがより好ましい。
【0077】上記基紙中には、必要に応じてサイズ剤、
定着剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、染料、顔料、
蛍光増白剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤が含まれて
いても良い。
【0078】前記基材としては、OHP等の透過原稿、
ガラス等に貼付けるシール用途の様に透明性が要求され
る場合には透明度の高いものが好ましく、また反射画像
の場合は形成される画像の鮮明性を高めるために、基材
を構成する層中に白色顔料例えば、酸化チタン、酸化亜
鉛、シリカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー等が添加されても良い。
【0079】前記基材の厚みは通常20〜1,000μ
m、好ましくは50〜500μmであり、このような範
囲の中から適宜に選定される。
【0080】又、本発明に用いられる被転写体の第2の
形態としては、ポリプロピレンシート、若しくは供与材
料の画像形成層又は画像保護層がある場合はその上に押
し出しコーティングしたポリプロピレン樹脂層若しくは
ポリプロピレン樹脂を含有した塗布液を塗布、乾燥して
得られたポリプロピレン樹脂層が挙げられる。このポリ
プロピレン樹脂層はポリプロピレンを主成分とする組成
物であって樹脂成分中のポリプロピレン含有率が全体の
50重量%以上、その他の樹脂成分として例えばポリエ
チレンポリブテン、ポリスチレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を混合し
たものである。更には塩素化ポリオレフィン(例えば塩
素化ポリエチレン)、変性ポリオレフィン(例えば化学
変性ポリエチレン、化学変性ポリプロピレン)等を挙げ
ることもできる。ポリプロピレンは、プロピレンのホモ
ポリマーであっても良く、またエチレン等の他のコモノ
マーを含有するコポリマーであっても良い。
【0081】供与材料上に直接被転写体を形成する方法
としては、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分
散したものを、ブレードコーター、ロールコーター、バ
ーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター等で
塗布する方法、ホットメルトによる押出しラミネーショ
ン法、クッション層フィルムの貼合せ法等を適用でき
る。
【0082】被転写体を画像保護層上(以下供与材料は
画像保護層を有する場合について説明するが、画像保護
層がない場合は画像形成層が相当する)に隣接させる場
合、被転写体が自己支持性のある樹脂ならば被転写体形
成樹脂を溶剤に溶解させて画像保護層と同様に塗布乾燥
させて設けることができる。又、支持体に用いられるよ
うな樹脂フィルムを被転写体として用いる場合には、ポ
リプロピレン等の様なヒートシール性を有するフィルム
であれば、画像保護層面とフィルムとを積層してヒート
ロールやホットスタンプを用いて加熱加圧処理すること
により被転写体とすることができる。ヒートシール性の
無いフィルムを用いる場合は、画像保護層上に接着層を
設けてフィルムを積層する。即ち、画像保護層上に接着
層形成組成物を塗布乾燥して樹脂フィルムを積層、又は
樹脂フィルム上に接着層形成組成物を塗布乾燥、又は、
接着層形成組成物を加熱溶融させエクストルージョンラ
ミネートした後、画像保護層に接着層面を重ね、ヒート
ロールやホットスタンプを用いて加熱加圧処理により貼
合して被転写体を設ける。加熱処理としては、ヒートロ
ールでは、室温〜180℃程度、好ましくは30〜16
0℃で、0.1〜20kg/cm程度、好ましくは0.
5〜10kg/cmの圧力で、速度1〜200mm/
秒、好ましくは5〜100mm/秒で搬送しながら行
う。ホットスタンプを用いる場合は、室温〜180℃程
度、好ましくは30〜150℃で、0.05〜10kg
/cm2程度、好ましくは0.5〜5kg/cm2の圧力
で、0.1〜50秒程度、好ましくは0.5〜20秒加
熱する。
【0083】本発明において、被転写体と画像形成層又
は画像保護層との剥離強度をJISC 2107(JI
S Z 0237)の180度引き剥がし法において5
〜50gf/cmとすれば、十分な濃度を与え、且つ被
転写体を剥離した後の支持体上の露光部の画像形成層の
残存率が少なく、高解像度の画像が得られ、しかも剥離
現像が容易となる。
【0084】剥離強度は、被転写体と画像形成層又は画
像保護層との貼合及び密着にあたり、加圧又は加熱加圧
を適宜調整することにより設定できる。又、自己支持性
が有る樹脂を用いて、画像形成層上に直接、塗布或いは
ホットメルト押し出し法等の方法で被転写体を設けて設
定してもよいし、前記の様な支持体として用いられる樹
脂フィルム上に塗布或いはホットメルト押し出し法等の
方法で接着層又は粘着層を設け、その接着層又は粘着層
を画像形成層又は保護層と対面させて貼合して被転写体
として剥離強度を設定してもよい。貼合は露光前、後い
ずれでもかまわない。
【0085】ここに言う接着層又は粘着層は、それ自身
常温で接着性又は粘着性を有するもの、熱や圧力を掛け
ることにより接着性又は粘着性を発現するもののいずれ
でもよく、例えば、低軟化点の樹脂、接着性付与剤、熱
溶剤を適宜選択することにより形成することができる。
【0086】低軟化点の樹脂としては、エチレン−酢酸
ビニル、エチレン−エチルアクリレート等のエチレン共
重合体;スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレ
ン、スチレン−エチレン−ブチレン等のポリスチレン系
樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂;ポリビニルエーテル系
樹脂;ポリブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;
アイオノマー樹脂;セルロース系樹脂;エポキシ系樹
脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系
樹脂等が挙げられ、接着性付与剤としては、ロジン、水
添ロジン、ロジンマレイン酸、重合ロジン及びロジンフ
ェノール等の未変性若しくは変性物、テルペン並びに石
油樹脂及びそれらの変性物等が挙げられる。熱溶剤とし
ては、常温で固体であり、加熱時に可逆的に液化又は軟
化する化合物が挙げられ、具体的には、テルピネオー
ル、メントール、アセトアミド、ベンズアミド、クマリ
ン、ケイ皮酸ベンジル、ジフェニルエーテル、クラウン
エーテル、カンファー、p−メチルアセトフェノン、バ
ニリン、ジメトキシベンズアルデヒド、p−ベンジルビ
フェビル、スチルベン、マルガリン酸、エイコサノー
ル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸アミド、ベヘニ
ルアミン等の単分子化合物、蜜ロウ、キャンデリラワッ
クス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタ
ンロウ、カルナバワックス、アミドワックス、ポリエチ
レンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワッ
クス類、エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジン
フェノール樹脂等のロジン誘導体、フェノール樹脂、ケ
トン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、テ
ルペン系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリ
オレフィンオキサイド等に代表される高分子化合物、等
を挙げることができる。
【0087】接着層又は粘着層の厚みは0.1〜40μ
m程度、好ましくは0.3〜30μmであり、支持体を
含めた被転写体全体の厚みは0.1〜200μm程度、
好ましくは0.5〜100μmである。
【0088】形成成分を溶媒に分散或いは溶解して塗工
液を調製し、この塗工液を塗布し乾燥する塗工法に用い
る溶媒としては、水、アルコール類(例えばエタノー
ル、プロパノール)、セロソルブ類(例えばメチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(例えばトルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン)、ケトン類(例えばア
セトン、メチルエチルケトン)、エステル系溶剤(例え
ば酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(例えば
テトラヒドロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例え
ばクロロホルム、トリクロルエチレン)、アミド系溶剤
(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。又、形成
成分をホットメルトで融解し押し出し法で層を形成する
こともできる。
【0089】加圧又は加熱加圧処理するには、密着性が
稼げて気泡などが混入せずに加圧又は加熱加圧処理でき
るものであれば特に制限なく用いることができ、加圧す
る場合には圧力ロールやスタンパー等を加熱加圧処理す
る場合にはサーマルヘッド、ヒートロール、ホットスタ
ンプ等を用いることができる。
【0090】《画像形成方法》本発明の画像形成方法は
高密度エネルギー光の露光により照射部の支持体と画像
形成層との結合力を低下させた後、照射部の画像形成層
を除去することにより画像を形成するものである。
【0091】本発明では、上述した画像形成材料の構成
から2つの方法により画像形成することができ、以下そ
れぞれの画像形成方法に従って詳述する。
【0092】−画像形成方法1− 第1の画像形成方法は高密度エネルギー光の露光により
照射部の支持体と画像形成層との結合力を低下させた
後、前記支持体との結合力が低下した画像形成層部(以
下、アブレーション部)のみを画像保護層ごと除去可能
な手段を用いて画像を形成する。
【0093】画像露光は、高解像度を得るためには、エ
ネルギー印加面積が絞り込める電磁波、可視光線、赤外
線が好ましく、このような光エネルギーを印加し得る光
源としてレーザー光を用いる。この際加えられるエネル
ギーは、画像形成材料の種類により、露光距離、時間、
強度を調整することにより適時選択することができる。
【0094】レーザー光はビーム状に絞り、画像データ
に応じた走査露光で潜像形成を行うことが可能であり、
更に、レーザーを光源として用いると、露光面積を微小
サイズに絞ることが容易で高解像度の画像形成が可能と
なる。
【0095】本発明で用いられるレーザー光源として
は、一般によく知られている、ルビーレーザー、YAG
レーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー;He−N
eレーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザ
ー、CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザ
ー、N2レーザー、エキシマーレーザー等の気体レーザ
ー;InGaPレーザー、AlGaAsレーザー、Ga
AsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsPレ
ーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザー等の
半導体レーザー;化学レーザー、色素レーザー等を挙げ
ることができ、これらの中でも効率的にアブレーション
を起こさせるためには、波長が600〜1200nmの
可視光から近赤外領域のレーザーを用いるのが、効率的
に光エネルギーを熱エネルギーに変換できることから、
感度の面で好ましい。
【0096】高密度光エネルギーの露光方向は、画像形
成層の支持体側からでも画像形成層側からでも露光する
ことができる。
【0097】−画像形成方法2− 第2の方法は、上述の画像保護層上に被転写体が予め積
層された画像形成材料を用いて、該画像形成層が高密度
エネルギー光の露光により支持体と画像形成層との結合
力が低下してその後、被転写体と支持体を引き離すこと
により照射部の画像形成層が被転写体に転写され得るも
のである。画像形成材料の画像保護層と被転写体を剥離
するのに必要な剥離力がJIS C 2107(JIS
Z 0237)の180度引き剥がし法において5g
f/cm〜50gf/cmであることが好ましく、5g
f/cmより小さい場合は露光前の取り扱い中に不要な
剥離が生じることがあり、また50gf/cmより大き
い場合は大面積の画像形成材料を露光した後の剥離に要
する力が大きくなるために装置が大型化したり、画像形
成層を保持する支持体や被転写体の支持体に伸び等の寸
法変化を生じる懸念がある。
【0098】又、この方法においても画像形成方法1と
同様に、光エネルギーの露光方向は、支持体側から露光
するのが好ましく、更に、画像露光部分の着色剤層の破
壊が起こらず、支持体と着色剤層間の接着力のみ低下す
る或いはなくなるように画像露光するのが、画像露光部
分を均一に被転写体側に引き抜くことができることから
好ましい。
【0099】上記2通りの画像方法に共通して、被転写
体の厚みは5〜300μmであることが好ましく、更に
は10〜150μmであることが好ましい。
【0100】又、被転写体を引き剥がす際の方法として
は、剥離板、剥離ロールによる剥離角度固定方法、手で
被転写体と画像形成材料を固定せずに引き剥がす手剥離
方法等、画像形成に影響を与えなければ種々の剥離方法
を用いることができる。
【0101】次に、本発明の画像形成方法において、レ
ーザー光のレーザースポット径を変化させて画像を形成
する手段について説明する。本発明におけるレーザース
ポット径とは、レーザー発生器から発したレーザーが画
像形成材料に照射したときのレーザー光の照射面積の径
(長径、短径)をいう。レーザースポット径を変化させ
る手段としては、レーザー光の焦点位置を変化させる方
法等が挙げられ、「光磁気メモリー 総合技術集成」
(株)サイエンスフォーラム、実公報第2554332
号等に記載されているような変位センサーで測定された
変位に追従して移動する移動台上に設けられたレーザー
発生装置により集光したレーザー光を安定に照射する方
法等が開示されている。但しこれらの手段は画像形成材
料に照射するレーザーのスポット径を安定にするための
手段であって、本発明のようにスポット径(照射面積)
を変化させて面積階調数を増加させる手段とは目的が異
なる。
【0102】通常、面積階調による画像を表現する場
合、入力画像を2値化手法により入力画像データを2値
化処理し、処理された2値データをレーザーのオン/オ
フで記録する。本発明では入力画像データを3値化以
上、好ましくは4〜6値化して、画像データに変換す
る。入力した画像データを3値以上に変換する手段とし
ては、特開平1−254071号等に記載されている方
法等が開示されている。得られた3値以上のデータをレ
ーザーのオン/オフの信号とレーザーのエネルギー変調
(レーザーパワーの出力変化)又は上記のレーザ光のフ
ォーカス変化により画像出力を行なうことで階調数を増
加させることができる。
【0103】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下に
おいて「部」は、特に断りがない限り「有効成分として
の重量部」を表わす。
【0104】実施例1 〈画像形成材料〉本発明に用いられる材料を下記に示し
た支持体、画像形成層、画像保護層、被転写体を用いて
作製した。
【0105】−支持体− 厚み180μmの、画像形成層積層面をコロナ放電処理
した透明ポリエチレンテレフタレートフィルム −画像形成層− 画像形成層−1 下記の組成物をオープンニーダを用いて混練分散して、
磁性粉末を含有する画像形成層形成塗工液を調製し、押
し出し塗布で支持体上に塗布した後、塗膜が未乾燥であ
るうちに磁場配向処理を行い、続いて乾燥を施してか
ら、下記の条件にてカレンダーで表面処理を行い、その
後60℃、72時間加熱処理して硬化反応を完了させて
黒色顔料層を形成した。なお、黒色顔料層の濃度はカレ
ンダー処理後の透過濃度が3.4になるように調整し
た。
【0106】(カレンダー処理)直径300mmの金属
ロールの外周に厚み3mmのポリイミド樹脂を巻きつけ
たカレンダーロールとそれに対面する直径300mmの
80℃に加熱した金属ロールの間を10kg/cmの線
圧をかけながら10m/分の速度で加熱、加圧処理を行
った。
【0107】 (黒色顔料層形成塗工液用組成物) Fe−Al系強磁性金属粉末(色剤兼金属含有粉体) 100部 〔Fe:Al原子数比=100:4(全体)、Fe:Al原子数比=50:5 0(表面)、平均長軸径:0.14μm〕 スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 10部 〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 10部 〔東洋紡績(株)製、UR−8700〕 α−アルミナ〔平均粒子径=0.15μm〕 8部 ステアリン酸 1部 ポリイソシアネート化合物 5部 〔日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL〕 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 −画像保護層− 下記の樹脂バインダー及び微粒子からなる組成物をワイ
ヤーバーコーティングにより前記画像形成層上に乾燥後
の膜厚として0.3μmの付き量となるように積層し
た。
【0108】 バインダー樹脂 フェノキシ樹脂 3.5部 (ユニオンカーバイド社製;UCARフェノキシ樹脂PKHH) 硬化剤 ジフェニルメタン−4、4′−ジイソシアネート 1.5部 (日本ポリウレタン工業(株)製;ミリオネートMT) メチルエチルケトン 95部 微粒子 シリコーン樹脂微粒子(平均粒径0.5μm) 15mg/m2 (東芝シリコーン(株)製;トスパール120) −被転写体− 厚さ38μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィル
ム〔ダイアホイルヘキスト(株)製、W−400〕に下
記組成からなる被転写層を付き量1.1g/m2となる
様に塗布乾燥することにより被転写体を得た。
【0109】 ポリウレタン樹脂(固形分20.9%) 30部 〔日本ポリウレタン工業(株)製、ニッポラン3116〕 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部 上記支持体上に画像形成層、画像保護層を積層した試料
と被転写体を対面させ圧着ローラー(搬送速度;30m
m/秒、圧力3.0kg/cm)で両者を貼合すること
により一体の試料とした。
【0110】〈画像形成方法〉 1.比較例 半導体レーザー〔シャープ社製、LT090MD、主波
長830nm、レーザービーム径5.0μm〕を用い、
画像形成材料を直径10インチのドラムに吸引により装
着し画像形成層表面に焦点を合わせ、目的の画像を25
6階調のローデータ(RAWデータ)に2値化処理を施
した上で、画像形成層の支持体側から露光しながら、ド
ラムを1000rpmで回転することにより画像を形成
した。
【0111】2.本発明A 1と同様の装置に実公報第2554332号に記載され
ているようにレーザーの焦点を変位させる手段を組み合
わせて、1画素あたりレーザーの焦点を±0、−20μ
m、−40μmに変位させながら同様に画像を形成し
た。
【0112】3.本発明B 1と同様の装置に1画素あたりレーザーの出力パワーを
±0、−20%、−30%に変化させながら同様に画像
を形成した。
【0113】形成された画像記録体の、256階調の濃
度を濃度計のビジュアル濃度[X−rite社製:X−
rite 310TR]を用いて測定した結果の透過濃
度と階調数のグラフを図1に示す。また、レーザーの焦
点を変位させた時の1ドットの平均直径を図2に、同様
にレーザーパワーを変化させた時の画像中の1ドットの
平均直径を図3に示す。
【0114】図1、2、3より本発明は、画素密度を増
加させることなく2値の画像濃度からなる画像濃度階調
をドット径を変化させコントロールすることで高階調化
させる画像形成方法を得た。
【0115】実施例2 第1の支持体として、易接処理をした38μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム[ダイアホイルヘキスト
(株)製、T100E]の易接面に、蒸留水で20%に
希釈したポリウレタン[アイシーアイジャパン(株)
製、ネオタックR−9619]をバーコータを用いて塗
布乾燥し、乾燥厚み0.5μmの応力吸収層を形成し
た。
【0116】次いで、トルエン/メチルエチルケトン=
1/1の混合溶剤に固形分5%で溶解したスチレン系樹
脂[三井東圧化学(株)製、ライタックA 200P
C]溶液を押出しコータを用いて塗布乾燥し、乾燥厚み
0.9μmの熱活性像形成層を応力吸収層上に形成し
た。
【0117】前述のように作製した熱活性像形成層上
に、平均粒子径0.08μmのカーボンブラック、ポリ
ビニルアルコール[日本合成化学(株)製、ゴーセノー
ルEG−30]、スチレン系分散剤[ジョンソンワック
ス社製、ジョンクリル67]、1,4−ブタンジオール
ジグリシジルエーテルを5/1/0.5/0.18の比
率で蒸留水に20%でサンドミルを用いて分散させ分散
液Aを調製した。別途、プロピルガレート4部と界面活
性剤[ロームアンドハースジャパン(株)製、トライト
ンX200]1部とを蒸留水20部と混合した後、サン
ドミルを用いて分散させ、平均粒子径0.05μmの固
形分20%の顕色剤の分散液Bを調製した。
【0118】上述のようにして調製した分散液A100
部と分散液B10部とを混合した後超音波分散を行な
い、この塗工液を押し出しコーターを用いて塗布乾燥
し、乾燥厚み1.0μmの多孔質の画像形成層を形成し
た。
【0119】この多孔質の画像形成層上に、ポリビニル
アルコール[日本合成化学(株)製、ゴーセノールGL
−05]、無水マレイン酸共重合体樹脂[GAF社製、
ガントレズS−97]、フッ素系界面活性剤[住友スリ
ーエム(株)製、フロラードFC−120]を21/
0.6/0.2で蒸留水に15%で溶解した溶液100
部に、シリカ[日本アエロジェル(株)製、アエロジェ
ル200]を20.6部添加して超音波分散し、さらに
蒸留水で20%に希釈したスチレン系樹脂[ジョンソン
ワックス社製、ジョンクリル87]を6.88部添加し
た後超音波分散して塗工液を調製し、この塗工液を押し
出しコータを用いて塗布乾燥し、乾燥厚み1.0μmの
剥離層に形成した。
【0120】さらにこの剥離層上に、蒸留水で希釈溶解
した固形分20%の塩化ビニリデン[WRグレース社
製、ダランSL−11]とスルホコハク酸ナトリウムの
エステル[エアプロダクツ&ケミカルズ社製、エアロゾ
ル−OT]の70.2/1の組成比の塗工液を、押し出
しコータを用いて塗布乾燥し、乾燥厚み2.5μmの第
1接着層を形成した。
【0121】別途、第2支持体としての180μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル
系樹脂[イーアイデュポンドヌムール社製、エルバサイ
ト2045]、50%のアクリル系樹脂[ドックレジン
社製、ドレスコRAC−102]、メトキシハイドロキ
ノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン[日本チバガイギー(株)製、イルガキュア−65
1]、酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、イルガ
ノックス1010/イルガノックス1035の1:1の
ブレンド品]、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト[日本化薬(株)製、カヤラッドTMPTA]、エチ
ルアクリレートを11/240/0.1/14/0.7
/50/13の比率でメチルエチルケトンに固形分30
%になるように溶解し、押し出しコータを用いて塗布乾
燥し、乾燥厚み17μmの第2接着層を形成した。
【0122】上述のようにして作製した第1の支持体の
第1接着層面と、第2の支持体上の第2の接着層面を併
せて、ヒートロールを用いて加熱加圧処理[ロール温
度;40℃、搬送速度;100mm/秒、圧力6.0k
g/cm]し、次いで第2の支持体側から紫外線を照射
して第1の支持体の第1接着層面と第2の支持体上の第
2の接着層面間を貼合し画像形成材料を作製した。
【0123】得られた画像形成材料を用いて実施例1と
同様の方法で画像形成を行ない評価した。結果を図4に
示す。
【0124】図4より本発明の熱溶融接着型画像形成材
料においても実施例1同様に、2値の画像濃度からなる
画像濃度階調を高階調化させる画像形成方法を得た。
【0125】
【発明の効果】本発明により、2値の画像濃度からなる
画像の濃度アップ、および2値の画像濃度からなる画像
への階調性付与するための画像形成方法を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透過濃度と階調数のグラフであ
る。
【図2】レーザーの焦点を変位させた時の1ドット平均
直径を示す図である。
【図3】レーザーパワーを変化させた時の1ドット平均
直径を示す図である。
【図4】本発明に係る透過濃度と階調数のグラフであ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成層を有する供与材料と被転写体
    からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該供与材
    料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積階調を
    用いた階調を有する画像形成方法において、該レーザー
    光のレーザースポット径を変化させて画像を形成するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 画像形成層を有する供与材料と被転写体
    からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該供与材
    料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積階調を
    用いた階調を有する画像形成方法において、該レーザー
    光の照射エネルギーを変化させて画像を形成することを
    特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 画像形成層を有する供与材料と被転写体
    からなる画像形成材料にレーザー光を照射して該供与材
    料から該被転写体に該画像形成層を転写し、面積階調を
    用いた階調を有する画像の形成方法において、該レーザ
    ー光のフォーカスを変化させて画像を形成することを特
    徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の画像形成方法
    に用いることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の画像形成方法
    に用いる画像形成材料の供与材料が、レーザー光の照射
    部がアブレートして被転写体に画像が転写される供与材
    料であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画
    像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載の画像形成方法
    に用いる画像形成材料の供与材料が、レーザー光の照射
    部が熱溶融接着により被転写体に画像が転写される供与
    材料であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    画像形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の画像形成方法によ
    り得られた画像が、透過光により観察する画像であるこ
    とを特徴とする画像記録体。
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