JP2000141897A - 画像形成方法及び画像記録体 - Google Patents

画像形成方法及び画像記録体

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JP2000141897A
JP2000141897A JP32201898A JP32201898A JP2000141897A JP 2000141897 A JP2000141897 A JP 2000141897A JP 32201898 A JP32201898 A JP 32201898A JP 32201898 A JP32201898 A JP 32201898A JP 2000141897 A JP2000141897 A JP 2000141897A
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image forming
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JP32201898A
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Takuji Hasegawa
拓治 長谷川
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Konica Minolta Inc
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2値の画像濃度から成る画像へ階調性を付与
するための画像形成方法、及び該形成方法によって得ら
れる透過光での観察に適した画像記録体を提供する。 【解決手段】 供与材料と被転写体から成る画像形成材
料にレーザー光を照射し、供与材料から被転写体に濃度
形成層を転写することで面積階調を用いて階調を有する
画像形成方法において、レーザー光の照射面積及び照射
位置パターンを変化させることにより、供与材料から被
転写体に転写する面積を変えて階調数を付与することを
特徴とする画像形成方法。上記画像形成方法において、
最小単位面積当たりのレーザー光照射面積が同一でレー
ザー光照射位置の違いにより、供与材料から被転写体に
転写する面積が異なること、供与材料のレーザー光照射
部がアブレートして被転写体に画像が転写されること、
供与材料のレーザー光照射部が熱溶融接着により被転写
体に画像が転写されることは、何れも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成材料及び画
像形成方法に関し、詳しくは、面積階調を用いて高解像
力な画像を安定に出力できる画像形成材料及び画像記録
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザー光線等の光エネルギ
ーを集束させ、記録材料に照射して材料の一部を融解変
形させたり、飛散、燃焼あるいは蒸発除去する記録方法
が知られている。これらは、薬品等の処理液を必要とし
ない乾式処理であり、かつ光照射部のみを融解変形、飛
散又は蒸発除去することから高コントラストが得られる
利点を有しており、レジスト材料、光ディスク等の光学
的記録材料、医療診断時の透過画像、あるいは印刷版作
成時の透過原稿等に利用されている。これらの画像形成
方法を以下アブレーションと定義する。
【0003】アブレーションによる画像形成方法は、例
えば特開昭59−5447号、同59−105638
号、同62−115153号等に、パターン露光により
バインダー樹脂を光分解させてレジストパターンを形成
する方法とその為の材料が、特開昭55−132536
号、同57−27788号、同57−103137号等
に、蒸着法により設けた無機化合物薄膜に露光して膜の
融解変形により情報を記録することが、又、特開昭64
−56591号、特開平1−99887号、同6−40
163号等に、光熱変換により着色バインダー層を除去
して情報記録するための材料が、又、米国特許4,24
5,003号等には、グラファイト又はカーボンブラッ
クを含有する画像形成層を有する画像形成材料が、それ
ぞれ記載されている。
【0004】更に、特開平8−310124号、同8−
334894号、同8−337053号、同8−337
054号、同8−337055号、同8−337056
号、同9−15849号、同9−106079号、同9
−226236号等には、色材として強磁性粉末を用い
た画像形成材料が提案されており、これらの材料を用い
ることにより汚れの少ない高解像度の画像を得ることが
できる。
【0005】しかしながら、上述の画像形成材料は、印
刷版作成時の透過原稿のように印刷版の感光波長領域の
遮光性には優れたものであるが、医療診断時の透過画像
に対しては濃度が不足する場合があった。
【0006】一方、医療診断時の透過画像などに用いよ
うとした場合には濃度階調が要求されるが、これらの画
像形成材料では、露光装置によっては連続階調部分での
ムラが目立つ場合があった。
【0007】これらを解決する手段として、レーザー光
の集光径を小さくして画素密度を高密度にし解像力を高
くする方法が考えられるが、集光させるために装置が複
雑化したり、コストあるいは露光時間が掛かることなど
から実現には至っていない。
【0008】上記の欠点を解決するために、特開平9−
109462号では、画像の濃度の高い領域に染料を含
有する材料を用いて階調性を持たせることが提案されて
いる。しかしながら、これらの材料では経時での階調性
の変化が問題になる場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
よって為されたものであり、その目的は、2値の画像濃
度から成る画像へ階調性を付与するための画像形成方
法、更には、これにより形成された画像記録体を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成によって達成された。
【0011】(1)供与材料と被転写体から成る画像形
成材料にレーザー光を照射し、供与材料から被転写体に
濃度形成層を転写することで面積階調を用いて階調を有
する画像形成方法において、レーザー光の照射面積及び
照射位置パターンを変化させることにより、供与材料か
ら被転写体に転写する面積を変えて階調数を付与する画
像形成方法。
【0012】(2)最小単位面積当たりのレーザー光照
射面積が同一でレーザー光照射位置の違いにより、供与
材料から被転写体に転写する面積が異なる(1)に記載
の画像形成方法。
【0013】(3)供与材料のレーザー光照射部がアブ
レートして被転写体に画像が転写される(1)又は
(2)に記載の画像形成方法。
【0014】(4)供与材料のレーザー光照射部が熱溶
融接着により被転写体に画像が転写される(1)又は
(2)に記載の画像形成方法。
【0015】(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記
載の方法で得られた画像を、透過光により観察する画像
記録体。
【0016】以下、本発明を、より詳細に説明する。
【0017】本発明において、画像形成層を転写して画
像を形成するとは、昇華熱転写の如く色素成分だけを転
写するものではなく、色を構成する成分を含有する層ご
と転写する方法を言う。又、供与材料及び被転写体の画
像の何れを使用してもよく、被転写体と反応して発色し
てもよい。
【0018】本発明で用いるレーザー光は、光熱変換色
素によって熱に換えたり、顔料そのものが光を吸収し発
熱した熱を利用することができる。
【0019】〈供与材料〉本発明の供与材料は、支持体
上に画像形成層を少なくとも有する。
【0020】支持体としては、透明フィルムであれば特
に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、シン
ジオタクチックポリスチレン、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂
フィルム、更には上記樹脂を2層以上積層して成る樹脂
フィルム等の透明支持体を挙げることができ、特にポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が好ましく
用いられる。
【0021】画像形成層は、色剤又はその前駆体、それ
を保持するためのバインダー樹脂を少なくとも有する。
【0022】色剤は露光光源の波長光を吸収可能なもの
であり、例えばカーボンブラックやグラファイト等は、
紫外線領域から可視、赤外線領域まで広く吸収を有する
色剤なので好ましく用いられる。その他、無機又は有機
の顔料、染料が用いられ、単色、2色混合、3色混合等
の顔料系化合物で構成される。
【0023】無機顔料としては、二酸化チタン、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミ
ウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウ
ムのクロム酸塩等が挙げられる。有機顔料としては、ア
ゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアン
スロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染
料顔料、フタロシアニン顔料(銅フタロシアニン及びそ
の誘導体)、キナクリドン顔料等が挙げられる。又、有
機染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料等が挙
げられる。
【0024】露光光源の波長が近赤外線の場合、近赤外
光吸収剤としては、シアニン系、ポリメチン系、アズレ
ニウム系、スクワリウム系、チオピリリウム系、ナフト
キノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタ
ロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体等
が好適に用いられ、具体的には特開昭63−13919
1号、同64−33547号、特開平1−160683
号、同1−280750号、同1−293342号、同
2−2074号、同3−26593号、同3−3099
1号、同3−34891号、同3−36093号、同3
−36094号、同3−36095号、同3−4228
1号、同3−97589号、同3−103476号等に
記載の化合物が挙げられる。
【0025】本発明の効果を有効に発揮する色剤として
金属原子含有粒子を好ましく用いることが出来る。画像
形成層中の色剤として金属原子含有粒子を用いると、感
度、解像度、露光部の汚れの改善において、より一層効
果が顕著となる。
【0026】金属原子含有粒子とは、鉄、クロム、マン
ガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、銀、ア
ルミニウム、金、白金等の金属又はその酸化物等の化合
物を総称する。
【0027】好ましく用いられる金属原子含有粒子とし
ては、強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、立方晶板状
粉末等が挙げられ、中でも強磁性金属粉末が好適であ
る。
【0028】強磁性酸化鉄としては、γ−Fe23、F
34又はこれらの中間酸化鉄でFeOx(1.33<
x<1.50)で表されるものが挙げられる。
【0029】強磁性金属粉末としては、Fe、Coを初
め、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−
Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、F
e−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co
系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−
Ni−Si系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe
−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al
−Co系、Fe−Al−Si系、Fe−Al−Zn系、
Fe−Co−Ni−P系、Fe−Co−Al−Ca系、
Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタ
ル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられ、中でもFe
系金属粉末が好ましく、例えばCo含有γ−Fe23
Co被着γ−Fe23、Co含有Fe34、Co被着F
34、Co含有磁性FeOx(4/3<x<3/2)
粉末等のコバルト含有酸化鉄系磁性粉末が挙げられる。
又、耐蝕性及び分散性の点から、Fe系金属粉末の中で
Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−Ni
系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−
Ni−Si−Al−Co系、Fe−Co−Al−Ca系
等のFe−Al系強磁性粉末が好ましく、更にこの中で
は、強磁性粉末に含有されるFe原子とAl原子との含
有量比が原子数比でFe:Al=100:1〜100:
20であり、かつ強磁性粉末のESCA(X線光電子分
光分析法)による分析深度で100Å以下の表面域に存
在するFe原子とAl原子との含有量比が原子数比でF
e:Al=30:70〜70:30である構造を有する
もの、又はFe原子とNi原子とAl原子とSi原子、
更にCo原子とCa原子の少なくとも1つとが強磁性粉
末に含有され、Fe原子の含有量が90原子%以上、N
i原子の含有量が1〜10原子%、Al原子の含有量が
0.1〜5原子%、Si原子の含有量が0.1〜5原子
%、Co原子又はCa原子の含有量(両者を含有する場
合は合計量)が0.1〜13原子%であり、かつ強磁性
粉末のESCAによる分析深度で100Å以下の表面域
に存在するFe原子とNi原子とAl原子とSi原子
と、Co原子及び/又はCa原子との含有量比が原子数
比でFe:Ni:Al:Si:(Co及び/又はCa)
=100:(4以下):(10〜60):(10〜7
0):(20〜80)である構造を有するものが好まし
い。
【0030】尚、強磁性粉末の形状は、長軸径が0.3
0μm以下、好ましくは0.20μm以下である。この
ような強磁性粉末の使用により画像形成層の表面性が向
上する。
【0031】六方晶板状粉末としては、バリウムフェラ
イトやストロンチウムフェライト等の六方晶系フェライ
トを挙げることができ、鉄元素の一部が他の原子(T
i、Co、Zn、In、Mn、Ge、Hb等)で置換さ
れていてもよく、このようなフェライト磁性体はIEE
E trans on MAG,p18,16(198
2)に記載されたものを挙げることができる。この中
で、バリウムフェライト磁性粉末の例としては、Feの
一部が少なくともCo及びZnで置換された平均粒径
(六方晶系フェライトの板面の対角線の高さ)が400
〜900Åであり、板状比(六方晶系フェライトの板面
の対角線の長さを板厚で除した値)が2.0〜10.0
のものである。又、バリウムフェライト磁性粉末は、更
にFeの一部をTi、In、Mn、Cu、Ge、Sn等
の遷移金属で置換されていてもよい。
【0032】立方晶系の磁性粉末を製造する方法は、例
えば目的とするバリウムフェライトを形成するのに必要
な各原子の酸化物、炭酸化物を、硼酸の様なガラス形成
物質と共に溶融し、得られた融液を急冷してガラスを形
成し、次いでこのガラスを所定温度で熱処理して目的と
するバリウムフェライトの結晶粉末を析出させ、最後に
ガラス成分を熱処理によって除去するという方法のガラ
ス結晶化法の他、共沈−焼成法、水熱合成法、フラック
ス法、アルコキシド法、プラズマジェット法等がある。
【0033】画像形成層に含有される金属原子含有粒子
の含有量は、画像形成層形成成分の50〜99重量%程
度、好ましくは60〜95重量%である。
【0034】レーザー光の照射部がアブレートして被転
写体に画像を転写するためのバインダー樹脂は、露光光
源の波長光を吸収可能な色剤又は金属原子含有粒子を十
分に保持できるものであれば、特に制限なく用いること
ができる。
【0035】この様なバインダー樹脂としては、ポリウ
レタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化
ビニル系樹脂が代表的なものであり、これらの樹脂は−
SO3M、−OSO3M、−COOM及び−PO(O
12〔ここに、Mは水素原子又はアルカリ金属を、M
1は水素原子、アルカリ金属又はアルキル基を表す〕か
ら選ばれる少なくとも1種の極性基を有する繰返し単位
を含むことが好ましく、この様な極性基を導入した樹脂
を用いることにより、磁性粉末の分散性を向上させるこ
とができる。尚、この極性基の各樹脂中の含有比率は
0.1〜8.0モル%程度、好ましくは0.2〜6.0
モル%である。
【0036】バインダー樹脂は、1種単独でも2種以上
を組み合わせて用いてもよく、2種以上混合して用いる
場合、例えばポリウレタン及び/又はポリエステルと塩
化ビニル系樹脂との比は、90:10〜10:90であ
り、好ましくは70:30〜30:70である。
【0037】極性基含有塩化ビニルとしては、例えば塩
化ビニル−ビニルアルコール共重合体等水酸基を有する
樹脂と、Cl−CH2CH2SO3M、Cl−CH2CH2
OSO3M、Cl−CH2COOM、Cl−CH2P(=
O)(OM12〔M及びM1は前出の通り〕等の極性基
及び塩素原子を有する化合物との付加反応により合成す
ることができる。
【0038】極性基含有塩化ビニル系樹脂は、極性基を
含む繰り返し単位が導入される不飽和結合を有する反応
性モノマーを所定量オートクレーブ等の反応容器に仕込
み、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリル等の一般的なラジカル重合開始剤や、レドックス
重合開始剤、カチオン重合開始剤等を用いて重合するこ
とにより得ることができ、スルホン酸又はその塩を導入
するための反応性モノマーの具体例としては、ビニルス
ルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、
p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸
及びこれらの塩を挙げることができる。又、カルボン酸
もしくはその塩を導入する時には、例えば(メタ)アク
リル酸やマレイン酸を用い、燐酸若しくはその塩を導入
する時には(メタ)アクリル−2−燐酸エステルを用い
ればよい。
【0039】更に、バインダー樹脂の熱安定性を向上さ
せるためには、塩化ビニル系共重合体にエポキシ基を導
入することが好ましい。この場合、エポキシ基を有する
繰返し単位の共重合体中における含有率は1〜30モル
%程度、好ましくは1〜20モル%であり、エポキシ基
を導入するためのモノマーとしてはグリシジルアクリレ
ート等を挙げることができる。
【0040】極性基を有するポリエステルは、ポリオー
ルと一部に極性基を有する多塩基酸との脱水縮合反応に
より合成することができ、極性基を有する多塩基酸とし
ては5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル
酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホフタル酸、5
−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−スルホイソフタ
ル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸ジアルキル、
3−スルホフタル酸ジアルキル及びこれらのアルカリ金
属塩等が挙げられ、ポリオールとしてはトリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリス
リトール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0041】極性基を有するポリウレタンは、ポリオー
ルとポリイソシアナートとを反応させることにより合成
することができ、具体的には、ポリオールとしてポリオ
ールと一部に極性基を有する多塩基酸との反応によって
得られるポリエステルポリオールを原料とすることによ
り合成する。又、ポリイソシアナートとしては、ジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアナート、2,4−ト
リレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシア
ナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、リジン
イソシアナートメチルエステル等を挙げることができ
る。尚、極性基を有するポリウレタンの他の合成法とし
ては、水酸基を有するポリウレタンと極性基及び塩素原
子を有するCl−CH2CH2SO3M、Cl−CH2CH
2OSO3M、Cl−CH2COOM、Cl−CH2P(=
O)(OM12〔M及びM1は前出の通り〕等の化合物
との付加反応も有効である。
【0042】その他のバインダー樹脂として、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体等のポリオレフィン系
樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール
系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を併
用しても構わないが、これらを併用する場合は全バイン
ダー樹脂の20重量%以下とするのが好ましい。
【0043】画像形成層中のバインダー樹脂の含有率
は、画像形成層形成成分中の1〜50重量%程度、好ま
しくは5〜40重量%である。
【0044】画像形成層には、本発明の効果を阻害しな
い範囲で、耐久性向上剤、分散剤、帯電防止剤、フィラ
ー、硬化剤等の添加剤を含有せしめてもよい。
【0045】耐久性向上剤としてはポリイソシアナート
等を挙げることができる。分散剤としては、ラウリル酸
やステアリン酸等の炭素原子数12〜18の脂肪酸やそ
れらのアミド、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩;
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸塩、レシチ
ン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第4級アンモニ
ウム塩;カルボキシル基及びスルホン基を有するアゾ系
化合物等を挙げることができ、帯電防止剤としては、カ
チオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等の
他、「11290の化学商品」化学工業日報社,875
〜876頁等に記載の化合物等を挙げることができる。
【0046】フィラーとしては、カーボンブラック、グ
ラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgC
3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、M
gO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeO
OH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、B
C、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイア
モンド、石榴石、ガーネット、珪石、トリボリ、珪藻
土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン樹脂粒
子、弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂
粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の有機フ
ィラーを挙げることができ、これらは離型剤を兼ねても
よい。これらの無機・有機樹脂粒子は比重により異なる
が、0.1〜70重量%の添加が好ましい。
【0047】本発明の供与材料には硬化剤を使用するこ
ともできる。硬化剤は、画像形成層を硬化できるもので
あれば特に制限なく用いることができ、このような硬化
剤としては、例えば前述のバインダー樹脂の中のポリウ
レタンを合成する際に用いられるポリイソシアナート等
を挙げることができる。
【0048】この様な硬化剤を添加して画像形成層を硬
化させることにより、形成された画像の耐久性を高める
だけではなく、アブレーションを生じせしめた部分の地
汚れをなくすことができる。更には、溶剤に対する耐久
性を向上させることができるので、画像保護層を塗布す
る際に有機溶剤を用いても画像形成層を損傷することな
しに画像保護層を積層することができる。その結果、水
溶性もしくは水分散性樹脂から成る画像保護層よりも更
に耐久性の優れた供与材料を作製することができる。し
かし、一方で解像力の低下も伴う場合があり必要に応じ
て量を調整することが好ましい。
【0049】これら添加剤の添加量は0〜20重量%程
度、好ましくは0〜15重量%である。
【0050】画像形成層の厚みは、0.05〜5.0μ
m程度、好ましくは0.1〜3.0μmの範囲である。
又、画像形成層は単層で構成しても組成の異なる多層で
構成してもよいが、多層で構成される場合、支持体に近
い側の層中に露光光源の波長光を吸収可能な色剤をより
多く含有させることが好ましい。又、支持体に遠い側の
層中に露光光源の波長光以外の波長光を吸収可能な色剤
を添加してもよい。
【0051】画像形成層は、例えば、色剤、バインダー
樹脂及び必要に応じて耐久性向上剤、分散剤、帯電防止
剤、充填剤、フィラー、硬化剤等と溶媒とを混練して塗
料を調製し、次いでこの塗料を希釈して、支持体上に塗
布し乾燥させて形成する。
【0052】溶媒としては、アルコール類(エタノー
ル、プロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸
ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、ジクロルベ
ンゼン等)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等)等を用いることができ
る。又、画像形成層成分の混練分散には、二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、コボル
ミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラインダー、
Sqegvariアトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、オープ
ンニーダー、連続ニーダー等を用いることができる。
【0053】支持体上への画像形成層の形成は、例えば
エクストルージョン方式の押出しコータにより塗布・乾
燥して行う。必要に応じて磁性粉末の配向を揃えたり、
画像形成層の表面性を均一にするためにカレンダー処理
を行ってもよい。特に高解像度の画像を得るためには、
磁性粉末を配向させる方が、層内の凝集力をコントロー
ルすることが容易になって好ましい。
【0054】尚、画像形成層の上に画像保護層を設ける
時、各層毎に塗布・乾燥を繰り返してもよいが、ウェッ
ト−オン−ウェット方式で重層塗布して乾燥させてもよ
い。その場合、リバースロール、グラビアロール、エア
ドクターコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、
スクイズコータ、含浸コータ、バーコータ、トランスフ
ァロールコータ、キスコータ、キャストコータあるいは
スプレーコータ等と押出しコータとの組合せにより塗布
することができる。
【0055】尚、ウェット−オン−ウェット方式におけ
る重層塗布においては、下側の層が湿潤状態になったま
まで上側の層を塗布するので、上下層間の接着性が向上
する。
【0056】上記カレンダー処理とは、画像形成層を支
持体上に積層した後に、通常、直径1〜100cmの平
滑性の高いニップローラーとそれに対面する加熱可能な
ローラーの間を温度と圧力をかけて処理することで、画
像形成層塗工液の塗布・乾燥工程等で生じる画像形成層
の空隙を減少させ、画像形成層自体の密度を高める工程
を言う。
【0057】カレンダー処理する際の条件としては、画
像形成層の空隙率を低下させる為には通常線圧として2
〜100kg/cm、好ましくは5〜50kg/cmの
ニップ圧を掛けて処理することが好ましい。加熱温度と
しては、通常40〜200℃、好ましくは50〜120
℃であるが最適な加熱温度は搬送速度によって異なるた
め通常はカレンダー処理時に画像形成層が昇温する最大
瞬間温度が30〜100℃程度になるのを目安に設定さ
れる。カレンダー処理の線圧及び加熱温度がこの範囲よ
りも低い場合は本発明の目的とする効果が少なく、高い
場合は画像形成材料の支持体や画像形成層自体に変形、
ひび割れなどの欠陥を生じるようになるため好ましくな
い。カレンダー処理は画像形成層の硬化処理の有無に関
わらず画像形成層塗布直後に行われることが好ましい
が、必要に応じて画像保護層まで塗布積層した後にカレ
ンダー処理しても差支えない。
【0058】又、熱溶融接着により被転写体に転写され
る手段としては、熱活性像形成層を設ける。熱活性像形
成層は画像形成に関与する層で、画像形成材料に高密度
エネルギー光で露光することで熱活性化可能な層であ
り、該層は急速な冷却により、露光部は画像形成層に堅
固に付着する。この熱活性像形成層は支持体の軟化温度
より低い軟化温度を有する樹脂を主成分とする層から形
成するのが好ましく、このような樹脂としては、スチレ
ン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、あるいは特表平5−503899号記載
の化合物等を適時選択して用いることができる。
【0059】本発明においては必要に応じて画像形成層
の上に画像保護層を設けるが、その膜厚は0.03〜
1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.
5μmである。薄すぎると画像耐久性が余り向上せず、
厚すぎると感度や解像度が低下してしまう。画像保護層
は、主として樹脂バインダーと微粒子から構成される。
このバインダー樹脂は、微粒子を十分に保持できるもの
であれば、特に制限なく用いることができ、ポリウレタ
ン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等
のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール等のポ
リビニルアセタール系樹脂、ニトロセルロース等のセル
ロース系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチ
レン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系
樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
トアセタール、ポリビニルホルマール等のアセタール系
樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の水溶性樹脂
等があり、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0060】画像保護層中のバインダー樹脂の含有率
は、画像保護層形成成分中の10〜99.5重量%程
度、好ましくは40〜98重量%である。
【0061】又、画像保護層の耐久性を高めるために、
ポリイソシアナート等の硬化剤を添加することが好まし
い。
【0062】画像保護層を硬化する時に選択されるバイ
ンダーとしては、分子内に硬化剤と架橋反応し得る官能
基を有している樹脂を用いることが好ましい。具体的に
は、硬化剤としてイソシアナート系硬化剤を用いる場合
はフェノキシ系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹
脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いる
ことが好ましい。
【0063】本発明に用いる微粒子としては、カーボン
ブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、Zn
S、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2
MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23
α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、M
oC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人
造ダイアモンド、石榴石、ガーネット、珪石、トリボ
リ、珪藻土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレ
ン樹脂粒子、弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アク
リル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等
の有機フィラーを挙げることができ、これらは離型剤を
兼ねてもよい。
【0064】微粒子は粒度分布が狭く粒径が均一である
ものが好ましい。具体的には東芝シリコーン社製:シリ
コーン樹脂微粒子(製品名トスパール)や総研化学社
製:架橋アクリル微粉体MRシリーズ、架橋ポリスチレ
ン微粉体SGPシリーズ、アクリル超微粉体MPシリー
ズ等を採用できる。
【0065】微粒子の平均粒径rは好ましくは0.3〜
20μmであり、より好ましくは0.8〜4.5μmで
ある。小さすぎると感度、カブリが劣化してしまうし、
大きすぎると画像耐久性が低くなってしまう。
【0066】微粒子の単位面積当たりの存在量、いわゆ
る付量は5〜150mg/m2であり、好ましくは10
〜100mg/m2である。少量すぎると感度、カブリ
が劣化してしまうし、多量すぎると解像度が低下する。
【0067】微粒子の表面が重合可能な官能基を有する
場合、画像形成層の硬化時に画像形成層と微粒子の接着
性が向上するために、更に画像耐久性が向上し、具体的
には日本触媒社製:FX−GSZ−07等を採用でき
る。
【0068】画像保護層の被転写体と面する表面のスム
ースター値は、23℃・55%RHで5〜200mmH
g、更に10〜100mmHgであるものが好ましい。
この値が小さすぎるとカブリが劣化し、大きすぎると露
光時の解像度が劣化してしまう。このスムースター値は
例えばサンドブラスト法による粗面化や微粒子の添加に
よって所望の値に調整することができる。
【0069】〈被転写体〉本発明に用いる被転写体は、
高密度エネルギー光の露光により照射部の支持体と画像
形成層との結合力が低下した画像形成層部分を受容可能
でありかつ、被転写体と画像形成層を保持する支持体と
を引き離すことにより照射部の画像形成層が転写され得
る部材であり、主として樹脂から構成され、必要に応じ
て微粒子など添加剤を含有し画像保護層と接する表面の
スムースター値が23℃・55%RHで5〜200mm
Hgであることが好ましい。更に好ましくは23℃・5
5%RHで20〜100mmHgである。画像保護層と
被転写体両方の表面を粗面化すると解像度の向上や必要
露光エネルギーの低減が可能となる。
【0070】被転写体のスムースター値は画像保護層の
項に記載した同様の方法によって所望の値に調整するこ
とができる。
【0071】後述する本発明の画像形成方法において、
画像露光後に剥離して画像を受像するために設ける被転
写体は上記画像形成材料支持体の様な支持体として用い
られる樹脂フィルムを被転写体支持体として用いること
もでき、またその樹脂フィルム上に高密度エネルギー光
照射部の画像形成層を受容可能な受像層を設けたもの等
を用いることができる。
【0072】被転写体の支持体用基材としては、合成紙
(例えばポリプロピレンを主成分とする合成紙等)、等
が挙げられ、具体的には、王子油化加工(株)製商品名
ユポ或いは日清紡(株)製商品名ピーチコートの各グレ
ード、或いはダイアホイルヘキスト(株)製W−900
E等を好ましく用いることができる。
【0073】本発明において、樹脂からなる基材は、シ
ート或いはフィルム状に延伸し、ヒートセットしたもの
が寸法安定性の面から好ましく、基材は、ミクロボイド
がないものでも、ミクロボイドのあるものでも、用途に
応じて適宜に選択することができる。具体的にはダイア
ホイルヘキスト(株)製W−400等を好ましく用いる
ことができる。
【0074】本発明の被転写体の支持体用基紙は、天然
パルプ、合成パルプ、又はそれらの混合物から抄紙され
るパルプ紙が好ましく、この中で、木材パルプを主成分
とする天然パルプ紙が好ましい。紙は、長網抄紙機等を
用いて抄造され、平滑度向上の目的で、抄紙後にマシン
カレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用
いてカレンダー処理することが好ましい。又、平滑性向
上のために、顔料を含有した樹脂層でコートした基紙も
本発明においては好適に用いることができる。具体的な
基紙としては、上質紙、アート紙、コート紙、片艶紙、
含浸紙、板紙等が挙げられる。
【0075】尚、紙としては、後述する白色微粒子を含
有するポリプロピレン及びポリオレフィンのラミネート
層を設ける際に、平滑性を持たせるためにベック平滑度
50秒以上にするのが好ましく、100秒以上更には2
00秒以上の平滑性を有することが好ましい。又、紙の
厚みは特に制限はないが、30〜800μmが好まし
く、50〜500μmがより好ましい。
【0076】上記基紙中には、必要に応じてサイズ剤、
定着剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、染料、顔料、
蛍光増白剤、酸化防止剤、減摩剤等の添加剤が含まれて
いても良い。
【0077】前記基材としては、OHP等の透過原稿、
ガラス等に貼付けるシール用途の様に透明性が要求され
る場合には透明度の高いものが好ましく、また反射画像
の場合は形成される画像の鮮明性を高めるために、基材
を構成する層中に白色顔料例えば、酸化チタン、酸化亜
鉛、シリカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー等が添加されても良い。
【0078】前記基材の厚みは通常20〜1,000μ
m、好ましくは50〜500μmであり、このような範
囲の中から適宜に選定される。
【0079】又、本発明に用いられる被転写体の第2の
形態としては、ポリプロピレンシート、若しくは供与材
料の画像形成層又は画像保護層がある場合はその上に押
し出しコーティングしたポリプロピレン樹脂層若しくは
ポリプロピレン樹脂を含有した塗布液を塗布、乾燥して
得られたポリプロピレン樹脂層が挙げられる。このポリ
プロピレン樹脂層はポリプロピレンを主成分とする組成
物であって樹脂成分中のポリプロピレン含有率が全体の
50重量%以上、その他の樹脂成分として例えばポリエ
チレン、ポリブテン、ポリスチレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を混合
したものである。更には塩素化ポリオレフィン(例えば
塩素化ポリエチレン)、変性ポリオレフィン(例えば化
学変性ポリエチレン、化学変性ポリプロピレン)等を挙
げることもできる。ポリプロピレンは、プロピレンのホ
モポリマーであっても良く、またエチレン等の他のコモ
ノマーを含有するコポリマーであっても良い。
【0080】供与材料上に直接被転写体を形成する方法
としては、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分
散したものを、ブレードコーター、ロールコーター、バ
ーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター等で
塗布する方法、ホットメルトによる押出しラミネーショ
ン法、クッション層フィルムの貼合せ法等を適用でき
る。
【0081】被転写体を画像保護層上(以下供与材料は
画像保護層を有する場合について説明するが、画像保護
層がない場合は画像形成層が相当する)に隣接させる場
合、被転写体が自己支持性のある樹脂ならば被転写体形
成樹脂を溶剤に溶解させて画像保護層と同様に塗布乾燥
させて設けることができる。又、支持体に用いられるよ
うな樹脂フィルムを被転写体として用いる場合には、ポ
リプロピレン等の様なヒートシール性を有するフィルム
であれば、画像保護層面とフィルムとを積層してヒート
ロールやホットスタンプを用いて加熱加圧処理すること
により被転写体とすることができる。ヒートシール性の
無いフィルムを用いる場合は、画像保護層上に接着層を
設けてフィルムを積層する。即ち、画像保護層上に接着
層形成組成物を塗布乾燥して樹脂フィルムを積層、又は
樹脂フィルム上に接着層形成組成物を塗布乾燥、又は、
接着層形成組成物を加熱溶融させエクストルージョンラ
ミネートした後、画像保護層に接着層面を重ね、ヒート
ロールやホットスタンプを用いて加熱加圧処理により貼
合して被転写体を設ける。加熱処理としては、ヒートロ
ールでは、室温〜180℃程度、好ましくは30〜16
0℃で、0.1〜20kg/cm程度、好ましくは0.
5〜10kg/cmの圧力で、速度1〜200mm/
秒、好ましくは5〜100mm/秒で搬送しながら行
う。ホットスタンプを用いる場合は、室温〜180℃程
度、好ましくは30〜150℃で、0.05〜10kg
/cm2程度、好ましくは0.5〜5kg/cm2の圧力
で、0.1〜50秒程度、好ましくは0.5〜20秒加
熱する。
【0082】本発明において、被転写体と画像形成層又
は画像保護層との剥離強度をJISC 2107(JI
S Z 0237)の180度引き剥がし法において5
〜50gf/cmとすれば、十分な濃度を与え、且つ被
転写体を剥離した後の支持体上の露光部の画像形成層の
残存率が少なく、高解像度の画像が得られ、しかも剥離
現像が容易となる。
【0083】剥離強度は、被転写体と画像形成層又は画
像保護層との貼合及び密着に当たり、加圧又は加熱・加
圧を適宜調整することにより設定できる。又、自己支持
性が有る樹脂を用いて、画像形成層上に直接、塗布ある
いはホットメルト押出し法等の方法で被転写体を設けて
設定してもよいし、前記の様な支持体として用いられる
樹脂フィルム上に塗布あるいはホットメルト押出し法等
の方法で接着層又は粘着層を設け、その接着層又は粘着
層を画像形成層又は保護層と対面させて貼合して被転写
体として剥離強度を設定してもよい。貼合は露光前、後
いずれでも構わない。
【0084】ここに言う接着層又は粘着層は、それ自身
常温で接着性又は粘着性を有するもの、熱や圧力を掛け
ることにより接着性又は粘着性を発現するものの何れで
もよく、例えば低軟化点の樹脂、接着性付与剤、熱溶剤
を適宜選択することにより形成することができる。
【0085】低軟化点の樹脂としては、エチレン−酢酸
ビニル、エチレン−エチルアクリレート等のエチレン共
重合体;スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレ
ン、スチレン−エチレン−ブチレン等のポリスチレン系
樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂;ポリビニルエーテル系
樹脂;ポリブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;
アイオノマー樹脂;セルロース系樹脂;エポキシ系樹
脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系
樹脂等が挙げられ、接着性付与剤としては、ロジン、水
添ロジン、ロジンマレイン酸、重合ロジン及びロジンフ
ェノール等の未変性若しくは変性物、テルペン並びに石
油樹脂及びそれらの変性物等が挙げられる。熱溶剤とし
ては、常温で固体であり、加熱時に可逆的に液化又は軟
化する化合物が挙げられ、具体的にはテルピネオール、
メントール、アセトアミド、ベンズアミド、クマリン、
桂皮酸ベンジル、ジフェニルエーテル、クラウンエーテ
ル、カンファー、p−メチルアセトフェノン、バニリ
ン、ジメトキシベンズアルデヒド、p−ベンジルビフェ
ビル、スチルベン、マルガリン酸、エイコサノール、パ
ルミチン酸セチル、ステアリン酸アミド、ベヘニルアミ
ン等の単分子化合物、蜜蝋、キャンデリラワックス、パ
ラフィンワックス、エステルワックス、モンタン蝋、カ
ルナバワックス、アミドワックス、ポリエチレンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類、エ
ステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール
樹脂等のロジン誘導体、フェノール樹脂、ケトン樹脂、
エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、テルペン系炭
化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のポリオレフィン
オキサイド等に代表される高分子化合物等を挙げること
ができる。
【0086】接着層又は粘着層の厚みは0.1〜40μ
m程度、好ましくは0.3〜30μmであり、支持体を
含めた被転写体全体の厚みは0.1〜200μm程度、
好ましくは0.5〜100μmである。
【0087】形成成分を溶媒に分散あるいは溶解して塗
工液を調製し、この塗工液を塗布し乾燥する塗工法に用
いる溶媒としては、水、アルコール類(エタノール、プ
ロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ等)、芳香族類(トルエン、キシレン、
クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチ
ルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン
等)、塩素系溶剤(クロロホルム、トリクロロエチレン
等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられ
る。又、形成成分をホットメルトで融解し、押出し法で
層を形成することもできる。
【0088】加圧又は加熱・加圧処理するには、密着性
が稼げて気泡などが混入せずに加圧又は加熱・加圧処理
できるものであれば特に制限なく用いることができ、加
圧する場合には圧力ロールやスタンパー等を、加熱・加
圧処理する場合にはサーマルヘッド、ヒートロール、ホ
ットスタンプ等を用いることができる。
【0089】〈画像形成方法〉本発明の画像形成方法は
高密度エネルギー光の露光により照射部の支持体と画像
形成層との結合力を低下させた後、照射部の画像形成層
を除去することにより画像を形成するものである。
【0090】本発明では、上述した画像形成材料の構成
から二つの方法により画像形成することができ、以下そ
れぞれの画像形成方法に従って詳述する。
【0091】−画像形成方法1− 第1の画像形成方法は、高密度エネルギー光の露光によ
り照射部の支持体と画像形成層との結合力を低下させた
後、前記支持体との結合力が低下した画像形成層部(以
下、アブレーション部と称す)のみを画像保護層ごと除
去可能な手段を用いて画像を形成する。
【0092】画像露光は、高解像度を得るためには、エ
ネルギー印加面積が絞り込める電磁波、可視光線、赤外
線が好ましく、このような光エネルギーを印加し得る光
源としてレーザー光を用いる。この際加えられるエネル
ギーは、画像形成材料の種類により、露光距離、時間、
強度を調整することにより適時選択する。
【0093】レーザー光はビーム状に絞り、画像データ
に応じた走査露光で潜像形成を行うことが可能であり、
更に、レーザーを光源として用いると、露光面積を微小
サイズに絞ることが容易で高解像度の画像形成が可能と
なる。
【0094】本発明で用いられるレーザー光源として
は、一般によく知られている、ルビーレーザー、YAG
レーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー;He−N
eレーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザ
ー、CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザ
ー、N2レーザー、エキシマーレーザー等の気体レーザ
ー;InGaPレーザー、AlGaAsレーザー、Ga
AsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsPレ
ーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザー等の
半導体レーザー;化学レーザー、色素レーザー等を挙げ
ることができ、これらの中でも効率的にアブレーション
を起こさせるためには、波長が600〜1200nmの
可視光から近赤外領域のレーザーを用いるのが、効率的
に光エネルギーを熱エネルギーに変換できることから、
感度の面で好ましい。
【0095】高密度光エネルギーの露光方向は、画像形
成層の支持体側からでも画像形成層側からでも露光する
ことができる。
【0096】−画像形成方法2− 第2の方法は、上述の画像保護層上に被転写体が予め積
層された(一体型)画像形成材料を用い、高密度エネル
ギー光の露光により支持体と画像形成層との結合力が低
下して後、被転写体と支持体を引き離すことにより照射
部の画像形成層が被転写体に転写されるものである。画
像形成材料の画像保護層と被転写体を剥離するのに必要
な剥離力が、JIS C 2107(JIS Z 02
37)の180度引剥がし法において5〜50gf/c
mであることが好ましい。この剥離力が5gf/cmよ
り小さい場合は露光前の取扱い中に不要な剥離が生じる
ことがあり、又、50gf/cmより大きい場合は大面
積の画像形成材料を露光した後の剥離に要する装置が大
型化したり、画像形成層を保持する支持体や被転写体の
支持体に伸び等の寸法変化を生じる懸念がある。
【0097】又、この方法において、光エネルギーの露
光方向は支持体側から露光するのが好ましく、更に、画
像露光部分の着色剤層の破壊が起こらず、支持体と着色
剤層間の接着力のみ低下する、又は無くなるように画像
露光するのが、画像露光部分を均一に被転写体側に引き
抜くことができるので好ましい。
【0098】上記二通りの画像方法に共通して、被転写
体の厚みは5〜300μmであることが好ましく、更に
は10〜150μmであることが好ましい。
【0099】被転写体を引き剥がす際の方法としては、
剥離板、剥離ロールによる剥離角度固定方法、手で被転
写体と画像形成材料を固定せずに引き剥がす手剥離方法
等、画像形成に影響を与えなければ種々の剥離方法を用
いることができる。
【0100】次に、本発明の画像形成方法の骨子であ
る、面積階調を用いた階調を有する画像形成におけるレ
ーザー光の照射面積及び照射位置パターンの変化による
画像形成手段について、図を用いて詳細に説明する。
【0101】通常、面積階調による画像を表現する場
合、入力画像を2値化手法により入力画像データを2値
化処理し、処理された2値データをレーザーのオン/オ
フで記録する。
【0102】通常の面積階調によって画像階調を表現す
るには、例えば図1〜図3に示すような最小画素密度が
3×3から成る場合、レーザー照射部の面積は1/9〜
9/9の9種の階調数により画像が形成される。
【0103】しかしながら、本発明では図1のパターン
2−1と2−2の違い又は3−1,3−2及び3−3の
違いのようにレーザー照射面積が同一でも照射位置パタ
ーンを変えて露光を行うことで転写体へ転写される濃度
形成層の面積が異なる。即ち、供与材料の最小画素単位
へのレーザー照射面積をaとした場合、被転写体での転
写面積Sは、パターン3−1ではS=3aであるが、3
−2ではS=3a+b、3−3ではS=3a+2bとな
る。ここでbは、レーザーが隣接する画素単位へ照射さ
れた場合に生ずる光滲により増加する転写面積である。
更に図2のパターン4−5,5−5,6−4及び図3の
パターン7−2,7−3,8−2,8−3,9では、4
個の互いに接する画素単位へのレーザー照射で生ずる光
滲による増加面積分cが加算されることになる。
【0104】このような現象を利用して階調数を増やす
ことに本発明の特徴がある。つまり、最小画素密度が3
×3から成る場合、パターン1,2−1,2−2・・・
8−2,8−3,9で示される如く、レーザー照射パタ
ーンの組合せで27種の階調数を得ることができる。
【0105】最小画素密度単位が更に多くなった場合で
も、同様に階調数を増やすことができ、更なる効果を発
現できる。
【0106】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。
【0107】実施例1 〈画像形成材料〉以下に示す支持体、画像形成層、画像
保護層から成る供与材料と被転写体を用いて、本発明に
用いる画像形成材料を作製した。
【0108】−支持体− 画像形成層積層面をコロナ放電処理した、厚み180μ
mの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム。
【0109】−画像形成層− 下記組成物をオープンニーダを用いて混練分散して、磁
性粉末を含有する画像形成層塗工液を調製し、押出し塗
布で支持体上に塗布した後、塗膜が未乾燥であるうちに
磁場配向処理を行い、続いて乾燥を施してから、下記条
件にてカレンダー表面処理を行い、その後60℃で72
時間加熱処理して硬化反応を完了させ、黒色顔料層(画
像形成層1)を形成した。尚、黒色顔料層の濃度は、カ
レンダー処理後の透過濃度が3.4になるように調整し
た。
【0110】 黒色顔料層塗工液用組成物 Fe−Al系強磁性金属粉末(色材兼金属含有粉体) 着色剤P−1(Fe:Al原子数比=100:4(全体), 50:50(表面),平均長軸径:0.14μm) 100部 スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 (日本ゼオン社製:MR−110) 10部 スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 (東洋紡績社製:UR−8700) 10部 α−アルミナ(平均粒径0.15μm) 8部 ステアリン酸 1部 ポリイソシアナート化合物 (日本ポリウレタン工業社製:コロネートL) 5部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 (カレンダー処理)直径300mmの金属ロールの外周
に厚み3mmのポリイミド樹脂を巻き付けたカレンダー
ロールと、それに対面する直径300mmの80℃に加
熱した金属ロールの間を10kg/cmの線圧を掛けな
がら10m/分の速度で加熱・加圧処理を行った。
【0111】−画像保護層− 樹脂バインダー及び微粒子から成る下記組成物を、ワイ
ヤーバーコーティングにより前記画像形成層上に乾燥後
の膜厚が0.3μmとなるよう積層した。
【0112】 画像保護層塗工液用組成物 フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製: UCARフェノキシ樹脂PKHH) 3.5部 ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアナート (日本ポリウレタン工業社製:ミリオネートMT) 1.5部 メチルエチルケトン 95部 シリコーン樹脂微粒子(平均粒径0.5μm) (東芝シリコーン社製:トスパール120) 15mg/m2 −被転写体− 厚さ38μmの白色PETフィルム(ダイアホイルヘキ
スト社製:W−400)に、下記組成から成る被転写層
を付量1.1g/m2となるよう塗布・乾燥することに
より被転写体を得た。
【0113】 被転写層組成物 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業社製: ニッポラン3116;固形分20.9%) 30部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部 上記供与材料の画像保護層と被転写体の被転写層を対面
させ、圧着ローラー(搬送速度30mm/秒,圧力3.
0kg/cm2)で両者を貼合することにより一体型試
料とした。
【0114】〈画像形成〉半導体レーザー(シャープ社
製:LT090MD,主波長830nm,レーザービー
ム径5.0μm)を用い、画像形成材料を直径10イン
チのドラムに吸引により装着し、画像形成層表面に焦点
を合わせ、図1〜3のパターン1、2−1、3−1、4
−1、5−1、6−1、7−1、8−1及び9の9種
の、それぞれの繰返し単位の画像が各々1×1cm程度
になるように、それぞれの画像パターンをドラムを10
00rpmで回転することにより画像形成層の支持体側
から露光しながら、画像を形成した。
【0115】次に、同様の装置で、図1〜3のパターン
1、2−1、2−2、3−1〜3−3、4−1〜4−
5、5−1〜5−5、6−1〜6−4、7−1〜7−
3、8−1〜8−3及び9の27種の、それぞれの繰返
し単位の画像が各1×1cm程度になるように、それぞ
れの画像パターンを画像形成層の支持体側から露光しな
がら、ドラムを1000rpmで回転することにより画
像を形成した。
【0116】それぞれの露光パターンから得られた画像
の透過濃度を、濃度計PDA−65(コニカ社製)を用
いて測定した。結果を図4に示す。
【0117】図4より明らかなように、本発明は画素密
度を増加させることなく2値の画像濃度から成る画像濃
度階調を露光パターンを変化させることによって階調数
を増加させることができる。
【0118】実施例2 第1の支持体として、易接処理をした厚み38μmのP
ETフィルム(ダイアホイルヘキスト社製:T100
E)の易接面に、蒸留水で20%に希釈したポリウレタ
ン(アイシーアイジャパン社製:ネオタックR−961
9)をバーコータを用いて塗布・乾燥し、乾燥膜厚0.
5μmの応力吸収層を形成した。
【0119】次いで、トルエン/メチルエチルケトン=
1/1の混合溶剤に固形分5%で溶解したスチレン系樹
脂(三井東圧化学社製:ライタックA 200PC)溶
液を押出しコータを用いて塗布・乾燥し、応力吸収層上
に乾燥膜0.9μmの熱活性像形成層を形成した。
【0120】次に、平均粒径0.08μmのカーボンブ
ラック、ポリビニルアルコール(日本合成化学社製:ゴ
ーセノールEG−30)、スチレン系分散剤(ジョンソ
ンワックス社製:ジョンクリル67)及び1,4−ブタ
ンジオールジグリシジルエーテルを、5/1/0.5/
0.18の比率で蒸留水にサンドミルを用いて分散させ
20%分散液Aを調製した。別途、プロピルガレート4
部と界面活性剤(ロームアンドハースジャパン社製:ト
ライトンX200)1部とを蒸留水20部と混合した
後、サンドミルを用いて分散させ、平均粒径0.05μ
mの固形分20%の顕色剤分散液Bを調製した。
【0121】上記分散液A100部と分散液B10部を
混合した後、超音波分散を行い、塗工液を調製し、押出
しコーターを用いて前述の熱活性像形成層上に塗布・乾
燥し、乾燥膜厚1.0μmの多孔質の像形成層を形成し
た。
【0122】この多孔質の像形成層上に、ポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製:ゴーセノールGL−0
5)、無水マレイン酸共重合体樹脂(GAF社製:ガン
トレズS−97)及び弗素系界面活性剤(住友スリーエ
ム社製:フロラードFC−120)を21/0.6/
0.2の比率で蒸溜水に15%で溶解した溶液100部
に、シリカ(日本アエロジェル社製:アエロジェル20
0)を20.6部添加して超音波分散し、更に蒸溜水で
20%に希釈したスチレン系樹脂(ジョンソンワックス
社製:ジョンクリル87)を6.88部添加した後、超
音波分散して塗工液を調製し、押出しコータを用いて塗
布・乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの剥離層を形成した。
【0123】更に剥離層上に、蒸留水で希釈溶解した固
形分20%の塩化ビニリデン(WRグレース社製:ダラ
ンSL−11)とスルホ琥珀酸エステル・ナトリウム塩
(エアプロダクツ&ケミカルズ社製:エアロゾル−O
T)の70.2/1の組成比の塗工液を、押出しコータ
を用いて塗布・乾燥し、乾燥膜厚2.5μmの第1接着
層を形成した。
【0124】別途、第2支持体として180μmのPE
Tフィルムの片面に、アクリル系樹脂(イーアイデュポ
ンドヌムール社製:エルバサイト2045)、50%の
アクリル系樹脂(ドックレジン社製:ドレスコRAC−
102)、メトキシハイドロキノン、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン(日本チバガイギー社
製:イルガキュア−651)、酸化防止剤(日本チバガ
イギー社製:イルガノックス1010/イルガノックス
1035の1:1のブレンド品)、トリメチロールプロ
パントリアクリレート(日本化薬社製:カヤラッドTM
PTA)及びエチルアクリレートを11/240/0.
1/14/0.7/50/13の比率でメチルエチルケ
トンに固形分30%になるように溶解し、押出しコータ
を用いて塗布・乾燥し、乾燥膜厚17μmの第2接着層
を形成した。
【0125】上述のようにして作製した第1の支持体の
第1接着層面と、第2の支持体上の第2の接着層面を合
わせて、ヒートロールを用いて加熱・加圧処理(ロール
温度;40℃,搬送速度;100mm/秒,圧力6.0
kg/cm)し、次いで第2の支持体側から紫外線を照
射して第1の支持体の第1接着層面と第2の支持体上の
第2の接着層面間を貼合し画像形成材料を作製した。
【0126】得られた画像形成材料を用いて実施例1と
同様の方法で画像形成を行い、実施例1同様に評価し
た。
【0127】図5より明らかなように、本発明の熱溶融
接着型画像形成材料においても、実施例1同様に階調数
を増加させることができた。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、画素密度を増加させる
ことなく、2値の画像濃度から成る画像濃度階調を露光
パターンを変化させることによって階調数を増加させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いる2値データ(レ
ーザー光の照射面積と照射位置)パターンを示す模式図
(パターン1〜パターン3−3)。
【図2】本発明の画像形成方法に用いる2値データ(レ
ーザー光の照射面積と照射位置)パターンを示す模式図
(パターン4−1〜パターン6−4)。
【図3】本発明の画像形成方法に用いる2値データ(レ
ーザー光の照射面積と照射位置)パターンを示す模式図
(パターン7−1〜パターン9)。
【図4】従来の画像形成方法と本発明の画像形成方法の
面積階調再現を示す曲線。
【図5】本発明の画像形成方法に熱溶融接着型画像形成
材料を用いた時の面積階調再現を示す曲線。
【符号の説明】
P パターン、P−2−1はパターン2−1、P−2−
2はパターン2−2を表す a 供与材料の最小画素単位へのレーザー照射部面積
(=被転写体の転写画像面積) b 最小画素単位が隣接することにより増加する被転写
体の転写画像面積 c 最小画素単位が4個互いに隣接することにより増加
する被転写体の転写画像面積 S 被転写体に転写される画像面積の合計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/26 V

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供与材料と被転写体から成る画像形成材
    料にレーザー光を照射し、供与材料から被転写体に濃度
    形成層を転写することで面積階調を用いて階調を有する
    画像形成方法において、レーザー光の照射面積及び照射
    位置パターンを変化させることにより、供与材料から被
    転写体に転写する面積を変えて階調数を付与することを
    特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 最小単位面積当たりのレーザー光照射面
    積が同一でレーザー光照射位置の違いにより、供与材料
    から被転写体に転写する面積が異なることを特徴とする
    請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 供与材料のレーザー光照射部がアブレー
    トして被転写体に画像が転写されることを特徴とする請
    求項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 供与材料のレーザー光照射部が熱溶融接
    着により被転写体に画像が転写されることを特徴とする
    請求項1又は2記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法
    で得られた画像を、透過光により観察することを特徴と
    する画像記録体。
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