JPH11254617A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフィルム

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JPH11254617A
JPH11254617A JP5799898A JP5799898A JPH11254617A JP H11254617 A JPH11254617 A JP H11254617A JP 5799898 A JP5799898 A JP 5799898A JP 5799898 A JP5799898 A JP 5799898A JP H11254617 A JPH11254617 A JP H11254617A
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film
layer
polyester film
laminated polyester
polymer layer
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JP5799898A
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Yukari Nakamori
ゆか里 中森
Shoji Nakajima
彰二 中島
Iwao Okazaki
巌 岡崎
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特定のIVを有するポリプロピレンテレフタレ
ートからなるポリマー層を少なくとも1層有する積層構
成とすることによって、オリゴマのフィルム表面への析
出が極めて少ない二軸配向積層ポリエステルフィルムを
提供することを目的とする。 【解決手段】熱可塑性樹脂Bを主成分とするポリマ層
(B層)と、ポリプロピレンテレフタレートからなるポ
リマー層(A層)を少なくとも1層有する積層ポリエス
テルフィルムであって、該A層のポリマーの固有粘度が
0.8以上であり、かつ、該A層の厚みが0.01〜3
μmである二軸配向積層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向積層ポリエ
ステルフィルム、特に、表面に微細な突起を形成し、低
分子量体の析出量が極めて少ない二軸配向積層ポリエス
テルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、種々の用途に
幅広く用いられている。ポリエステルフィルムの加工工
程、例えば包装用途における蒸着、印刷工程、磁気記録
媒体用途における磁性層塗布・カレンダー工程などの工
程速度、工程張力の増大に伴い、ポリエステルフィルム
には、一層良好な走行性、耐摩耗性等の表面特性が要求
されている。さらに、これらの工程速度、工程張力の増
大や工程内の高温処理下あるいは高温高湿度化でのフィ
ルム輸送時、フィルム保存時に表面に析出する低分子量
体(以下オリゴマと言う)がフィルム加工後の性能低下
の原因となりやすく、表面析出オリゴマを抑制しうるフ
ィルム品質設計が求められている。
【0003】例えば、表面突起形成のための粒子を含有
する薄層を基層に積層したポリエステルフィルムや(例
えば特開平2−77431号公報)、ポリエステルフィ
ルムの表面に水溶性ポリエステルを塗布することによっ
て、オリゴマの析出を抑止したり(例えば特開昭62−
290535号公報)、高級脂肪酸エステルをフィルム
中に添加することによってオリゴマを抑止したフィルム
が知られている(例えば特開平9−131839号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の粒
子を含有した二軸配向ポリエステルフィルムは、延伸に
よって粒子周りにボイドが生じやすい。このボイドが、
例えば、透明性悪化、表面突起が脆弱になることによる
表面削れとその削れ粉によるドロップアウト等のトラブ
ルを引き起こす。また、積層フィルムに高機能層をコー
ティングにより付加したフィルムにおいては、水溶性ポ
リエステルを塗設するための装置や塗料調合などの手間
が掛かり、生産を効率的に、かつ低コストで行う上では
望ましくない条件である。また、高級脂肪酸エステルを
フィルム中に添加した二軸配向ポリエステルフィルム
は、フィルムの延伸時の挙動がポリエステルと高級脂肪
酸エステルとで異なるためと考えられる表面凹みなどの
表面欠点が問題となっている。
【0005】本発明は、従来のようなコーティング法や
高級脂肪酸エステルを添加する方法を採用しなくても、
特定の固有粘度(以下IVという)を有するポリプロピ
レンテレフタレートからなるポリマー層を少なくとも1
層有する積層構成とすることによって、オリゴマのフィ
ルム表面への析出が極めて少ない二軸配向積層ポリエス
テルフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的にそう本発明の
二軸配向積層ポリエステルフィルムは、熱可塑性樹脂B
を主成分とするポリマ層(B層)と、ポリプロピレンテ
レフタレートからなるポリマー層(A層)を少なくとも
1層有する積層ポリエステルフィルムであって、該A層
のポリマーの固有粘度が0.8以上であり、かつ、該A
層の厚みが0.01〜3μmである二軸配向積層ポリエ
ステルフィルムからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の二軸配向積層
ポリエステルフィルムにおいては、熱可塑性樹脂Bと特
定の固有粘度を有するポリプロピレンテレフタレートか
らなるポリマ層との積層構成をとることによって、表面
に微細で緻密な表面突起を多数形成し、オリゴマの析出
が抑止される。
【0008】熱可塑性樹脂Bとしては、特に限定されな
いが、ポリエステルが好ましく、エチレンテレフタレー
ト、エチレンα、β−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
タン−4,4'-ジカルボキシレート、エチレン2,6−
ナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単
位を主要構成成分とするものが挙げられるが、優れた機
械強度、寸法安定性の点から、エチレンテレフタレート
やエチレン2,6−ナフタレートを主要構成成分とする
ポリエステルが好ましいが、特に、特定のIVを有する
ポリプロピレンテレフタレートからなるポリマ層との積
層フィルムの安定製膜の点からエチレンテレフタレート
が好ましい。なお、本発明の目的を阻害しない範囲内
で、2種以上のポリエステルを混合してもよいし、共重
合ポリマを用いてもよい。さらに、リサイクルポリマを
用いることも可能である。この場合のリサイクルポリマ
とは、ポリエステルの末端カルボン酸が55当量/10
6g以上でポリマの溶液ヘイズが20%以下のものをい
う。
【0009】本発明におけるポリマ層(A)は、熱可塑
性樹脂Bを主成分とするポリマ層(B)の少なくとも片
面の最外層であることが好ましい。好ましくは、両最外
層面がポリプロピレンテレフタレートからなるポリマ層
(A)であるとオリゴマ析出量の極めて少ない二軸配向
積層ポリエステルフィルムが得られ好ましい。
【0010】本発明のポリマ層(A)は、ポリマーの固
有粘度(以下IVという)が0.8以上のポリプロピレ
ンテレフタレートからなるポリマー層であって、好まし
くは、ポリマーIVが0.9以上のポリプロピレンテレ
フタレートからなるポリマー層である。ポリマーIVの
上限は特に限定されないが、均一薄膜積層の点から、ポ
リマーIVの上限は1.8以下である。ポリプロピレン
テレフタレートのポリマーIVを本発明の範囲内とする
ことによって、熱可塑性樹脂Bを主成分とするポリマ層
(B)への薄膜積層が均一に行えると共に、オリゴマ抑
止効果や工程内の削れなどのトラブルに有効である。
【0011】本発明のポリマ層(A)の厚みは、0.0
1〜3μmである。好ましくは、0.05〜2μmであ
り、さらに好ましくは、0.1〜1μmである。ポリマ
層(A)の厚みが、かかる範囲を越えると、二軸配向積
層ポリエステルフィルムとしたときの延伸性が悪化し、
延伸破れが発生するので好ましくない。また、ポリマ層
(A)の厚みがかかる範囲よりも小さくなると、オリゴ
マ抑止効果がなくなり、好ましくない。
【0012】また、ポリマ層(A)の表面の中心線平均
粗さ(Ra)が50nm以下であることが好ましく、よ
り好ましくは3nm以上30nm以下、更に好ましくは
5nm以上25nm以下にすることにより、金属ロール
などのガイド上を走行するときに、良好な走行性をフィ
ルムに付与することができる。表面の中心線平均粗さが
50nmより大きいと、磁気記録媒体用基材とした時の
出力特性や耐削れ性が悪化することがある。
【0013】本発明のポリマ層(A)の表面の中心線平
均粗さ(Ra)を上記の好ましい範囲内とするための方
法としては、特に限定されないが、公知の有機粒子ある
いは不活性無機粒子の添加によって達成することが可能
である。また、延伸条件、特に長手方向の延伸温度をポ
リマ層(B)を構成する熱可塑性樹脂のTg以上Tg+
60℃以下の温度条件で4段階以上に分けて、延伸速度
10000〜50000%/分の速度で、面配向係数が
大きくならないように延伸する方法は、表面にポリプロ
ピレンテレフタレートの結晶化に起因する表面突起が有
効に形成されるので望ましい。この時の予熱、延伸ロー
ル群の表面材質としては非粘着性のテフロン、あるいは
シリコンゴム等が好ましい。
【0014】また、ポリマ層に粒子を含有させる場合、
ポリマ層A中における粒子の含有量としては、0.5重
量%以下が好ましく、より好ましくは0.3重量%以
下、更に好ましくは0.2重量%以下とするのがよい。
粒子の含有量がかかる範囲より大きいと、特に、幅方向
のヤング率を高めた時に、粒子の周りにボイドが生じて
突起が破壊されやすくなり、金属ガイドなど硬いガイド
上を走行するときにフィルム表面に突起が削れてフィル
ム表面に傷が生じ易くなったり、削れにより生じた粉が
走行手段上やフィルムの表面に付着したりする。
【0015】本発明のポリマ層(A)の表面突起のう
ち、ポリプロピレンテレフタレートの結晶に起因する突
起の割合は、80%以上であることが好ましく、90%
以上であることがより好ましい。結晶に起因する突起の
割合が80%より小さいと、オリゴマ抑止効果が低下し
たり、金属ガイドなど硬いガイド上を走行するときにフ
ィルムに傷がつきやすくなったり、粉が発生しやすくな
るといった問題が生じることがある。
【0016】本発明のポリマ層(A)の表面突起は、特
定のIVを有するポリプロピレンテレフタレートの結晶
に起因する突起であることが好ましく、表面突起自体の
結晶化度と共にフィルムとしたときのポリマ層(A)の
結晶化度も小さくすることができるので、フィルム表面
の突起のない地肌部も含めてフィルム表面全体が脆くな
るのを防止でき、磁気記録媒体用基材とした場合、耐削
れ性や耐カレンダ性に有効である。
【0017】ここで、表面突起がポリプロピレンテレフ
タレートの結晶に起因するものか否かについては、対象
となる突起の下をフィルム厚さ方向に適当な溶媒でエッ
チングしていき、その突起を形成する起因物が不溶物と
して残存する場合は、外部から添加された粒子、あるい
は、内部析出した粒子とする(I)。不溶物として残存
するものが実質的になかった場合は、その突起を形成す
る起因物は微細結晶であると推定できる(II)。上記
の溶媒としては、例えば、フェノール/四塩化炭素(重
量比:6/4)の混合溶媒などが好ましく用いられる。
この方法で視野を1mm2とした時のIの頻度、IIの
頻度を求め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起
の割合として用いることができる。ただし、表面突起が
ポリプロピレンテレフタレートの微細結晶からなるもの
か否かの判定法については、上記の方法に限定されるも
のではなく、適切な方法、例えば、SEM−XMAやT
EM、プラズマエッチング、フィルム中のボイド測定等
から選択することもできる。
【0018】本発明の二軸配向積層フィルムのヤング率
は、長手方向、幅方向共に4.5GPa以上であること
が好ましい。ヤング率が、かかる範囲より小さいと、磁
気記録媒体用基材に用いる場合の強度や耐削れ性が十分
でないことがある。
【0019】本発明のフィルムの製造方法の具体例につ
いて説明する。
【0020】熱可塑性樹脂Bおよびポリプロピレンテレ
フタレートを公知の方法でそれぞれ十分乾燥した後、2
台以上の溶融押出機にそれぞれ別に供給し、2または3
層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、熱可塑
性樹脂Bの少なくとも片面にポリプロピレンテレフタレ
ートからなるポリマ層をポリマ管あるいは口金の段階で
2または3層に積層し、スリット状の口金から2または
3層のシートを押し出す。この場合、合流断面が矩形の
合流ブロックを用いて積層する方法が、ポリプロピレン
テレフタレートを薄く均一に積層するのに有効である。
この溶融押出フイルムを、静電印加キャスト法を用い
て、冷却金属ロール表面で冷却し、未延伸フィルムを得
る。この未延伸フィルムを延伸して二軸配向積層フィル
ムとする。延伸方法としては、逐次二軸延伸法、または
同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に
長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法が、
延伸破れなく本発明のフィルムを得るのに有効である。
【0021】長手方向の延伸は、通常ロールを用いて行
われるが、予熱、延伸ロール群の表面材質としては非粘
着性のテフロン、あるいはシリコンゴム等が好ましい。
長手方向の延伸温度を熱可塑性樹脂BのTg以上Tg+
60℃以下の温度条件とすることが、熱可塑性樹脂Bの
少なくとも片面にポリマ層Aを積層した場合において延
伸破れなく延伸できるので好ましい。延伸温度がこの範
囲をはずれると延伸斑や面粗れが起こることがある。ま
た、このポリマ層Aの厚みは、0.01μm〜3μm、
好ましくは、0.05μ〜2μmの範囲である。長手方
向の延伸倍率は4段階以上に分けて、特に限定されない
が、延伸速度10000〜50000%/分の速度で、
面配向係数が大きくならないように延伸することによっ
て、表面にポリプロピレンテレフタレートの結晶化に起
因する表面突起が有効に形成されるので望ましい。総延
伸倍率は2〜6倍とするのが好ましく、さらには2.5
〜5倍の範囲とすることが諸望の表面粗さや本発明のヤ
ング率を得るのに好ましい。
【0022】幅方向の延伸は、公知のテンターを用い
て、90〜160℃、好ましくは100〜150℃の延
伸温度で2〜6倍、好ましくは3〜5.5倍、幅方向の
延伸速度は5000〜30000%/分の範囲で行うの
が望ましい。さらに必要に応じて、この二軸延伸フィル
ムを再度縦、幅方向に延伸を行ってもよい。この場合の
延伸倍率は、1.1〜1.9倍にすることが好ましい。
これらの範囲を外れると、ポリプロピレンテレフタレー
の微細な球晶が変形するために、諸望の表面粗さが得ら
れなくなったり、フィルム表面に緻密で均一な突起が形
成されなくなることがある。
【0023】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は180〜250℃、特に200〜2
20℃で、処理時間は1〜60秒とすることが好まし
い。本発明の用途は特に限定されないが、工程内での耐
摩耗性が要求され、削れによる粉発生が少ないこと、低
分子量体の発生がないこと等が要求されるような用途、
例えば、磁気材料や包装材料、コンデンサや電気絶縁用
のフィルム、ラベル、カバーフィルム、反射シートなど
が挙げられる。
【0024】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明にお
ける特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通り
である。
【0025】(1)固有粘度(IV) オルソクロルフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から下記式で計算される値を用いる。すなわち、 ηsp/C=(η)+K(η)2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1,Cは溶媒
100ml当たりの溶解ポリマ重量(g/100ml、
通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とす
る。)また、溶融粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計
を用いて測定した。
【0026】(2)中心線平均粗さRa 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て、中心線平均粗さRaを測定した。条件は下記のとお
りであり、フィルム幅方向に走査して20回測定を行っ
た平均値をもって値とした。
【0027】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Raの定義は、たとえば、奈良治郎著「表面粗さ
の測定・評価法」(総合技術センター、1983)に示
されているものである。
【0028】(3)粒子の含有量 顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)で組
成分析を行い、ポリエステルのカルボニル基に起因する
ピークと、ポリエステル以外の物質に起因するピークの
比から求めた。なお、ピーク高さ比を重量比に換算する
ために、あらかじめ重量比既知のサンプルで検量線を作
成してポリエステルとそれ以外の物質の合計量に対する
ポリエステル比率を求めた。また、必要に応じてX線マ
イクロアナライザーを併用した。また、ポリエステルは
溶解し粒子は溶解させない溶媒が選べる場合は、ポリエ
ステルを溶解し、粒子をポリエステルから遠心分離し、
粒子の重量百分率を求めた。
【0029】(4)結晶起因の突起の割合 対象となる突起の下をフィルム厚さ方向にフェノール/
四塩化炭素(重量比:6/4)の混合溶媒でエッチング
していき、その突起を形成する起因物が不溶物として残
存する場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内
部析出した粒子とする(I)。不溶物として残存するも
のが実質的になかった場合は、その突起を形成する起因
物は微細結晶であると推定できる(II)。この方法で
視野を1mm2とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起の割合と
した。
【0030】(5)耐摩耗性、摩擦係数 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイドピン
(表面粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行
速度250m/分、巻き付け角60゜、入側張力50
g、走行回数1回)。このとき、フィルムに入った傷を
顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あた
り2本未満は優、2本以上10本未満は良、10本以上
は不良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には
使用可能である。
【0031】また、このときの初期のμkを下記の式よ
り求めた。
【0032】μk=3/πln(T/50) ここで、Tは出側の張力である。このμkが0.3以下
だと滑り性良好、0.3を越えると滑り性不良と判断し
た。このμk値0.3は、印刷工程など加工工程で滑り
性不良によるトラブルが発生するか否かの臨界点であ
る。
【0033】(6)積層厚さ 透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加
速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(R
uO4染色)で観察し、その界面をとらえ、その積層厚
さを求める。倍率は、判定したい積層厚さによって選ぶ
ことが通常であり、特に限定されないが、1万〜10万
倍が適当である。
【0034】(7)繰り返し走行時の粉発生 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を用いてステンレス製ガイドピン
(表面粗度:Raで40nm)上を走行させる(走行速
度2m/分、巻き付け角90゜、出側張力50g、走行
回数50往復)。走行後ガイドピン表面に付着した付着
粉を目視で観察し次の基準で判定を行った。
【0035】 全く粉が付着していない 5点 やや粉が付着している 3点 多量に粉が付着している 1点 5点と3点の間を4点、3点と2点の間を1点とし、4
点より点数の高いものを金属ピン粉付着良好とした。
【0036】(8)ヤング率 ASTM−D−882にしたがって、インストロン式の
引張試験機を用いて、25℃、65%RHにて測定した。
【0037】(9)オリゴマ抑止性 150℃で30分、オーブン中に放置し、低分子量体を
強制的にフィルム表面に析出させ、表面をアルミ蒸着し
て微分干渉顕微鏡で総合倍率400倍で、25視野観察
する。各視野での低分子量体の個数を数え、その総数を
表面オリゴマ析出個数(個/mm2)とした。その個数
が100個/mm2以下であり、かつ、低分子量体の大
きさが、表面写真上で1mmより小さいものを良、1mm以
上あるものを不良とした。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。
【0039】実施例1 熱可塑性樹脂Bとして常法により重合したポリエチレン
テレフタレート、ポリマ層Aにポリプロピレンテレフタ
レート(PPT:IV0.90)を、180℃および1
20℃でそれぞれ3時間乾燥後、2台の公知の押出機を
用いて、280℃、260℃で溶融押出しを行い、3層
用の矩形の合流ブロック(フィードブロック)で合流積
層し、静電印加キャスト法を用いて、表面温度20℃の
金属キャスティングドラム上に巻き付けて、冷却、固化
し、3層積層構成の未延伸フィルムを得た。
【0040】この未延伸フィルムを、ロール間で、延伸
温度95℃、延伸速度10000%/分で縦方向に4段
階以上に分けて3.8倍延伸後、公知のステンタを用い
て、延伸温度100℃で、5000%/分の速度で幅方
向に5.5の倍率で延伸を行い、定長下で200℃にて
3秒間熱処理を行い、総厚み12μm、ポリプロピレン
テレフタレート積層厚さ0.5μmの2軸配向積層フィ
ルムを得た。
【0041】実施例2〜4、比較例1〜3 実施例1と同様に、ポリプロピレンテレフタレートのI
V、積層厚み、延伸条件を変更した3層構成の二軸配向
積層フィルムを作成した。
【0042】実施例5 実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂Bとしてポリエチ
レンテレフタレートのリサイクルポリマー(平均粒径
0.6μmの炭酸カルシウム粒子を0.05wt%含有)を
用い両面にポリマーIV1.2のポリプロピレンテレフ
タレートを1μm積層した、総厚さ12μmの3層構成
の二軸配向積層フィルムを作成した。
【0043】実施例6 熱可塑性樹脂Bとして、ポリエチレン−2.6−ナフタ
レートを用い、片面をポリマーIV1.2のポリプロピ
レンテレフタレート、反対面に平均粒径0.3μmのコ
ロイダルシリカ粒子を0.15wt%含有したポリエチ
レンテレフタレート(ポリマIV:0.71)となるよ
うに3台の押出機を用いて、それぞれ、290℃、26
0℃、280℃で溶融押出して、表面温度35℃の金属
キャスティングドラム上に巻き付けて、冷却、固化し、
3層積層構成の未延伸フィルムを得た。この未延伸フィ
ルムを、ロール間で、延伸温度130℃、延伸速度10
000%/分で縦方向に4段階以上に分けて4.2倍延
伸後、公知のステンタを用いて、延伸温度125℃で、
5000%/分の速度で幅方向に5.5の倍率で延伸を
行い、定長下で220℃にて3秒間熱処理を行い、両最
外層の厚みが0.5μm、総厚さ6μmの3層構成の二
軸配向積層フィルムを作成した。
【0044】上記の各実施例および比較例における、各
フィルム特性を表1に示す。本発明の範囲内のもので
は、オリゴマ抑止性、ヤング率、摩擦係数、耐摩耗性に
優れ、繰り返し走行時の粉発生にも優れたフィルムであ
ったが、本発明の範囲外のポリエステルフィルムは、オ
リゴマ抑止性、ヤング率、摩擦係数、耐摩耗性、繰り返
し走行時の粉発生のいずれかの劣るフィルムであった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】オリゴマ抑止性、ヤング率、耐削れ性に
優れ、特に繰り返し走行時の粉発生が少ないポリエステ
ルフィルムを提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂Bを主成分とするポリマ層
    (B層)と、ポリプロピレンテレフタレートからなるポ
    リマー層(A層)を少なくとも1層有する積層ポリエス
    テルフィルムであって、該A層のポリマーの固有粘度が
    0.8以上であり、かつ、該A層の厚みが0.01〜3
    μmである二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 A層が両最外層を構成する請求項1に記
    載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 長手方向、幅方向のヤング率が共に4.
    5GPa以上である請求項1または2に記載の二軸配向
    積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂Bがポリエチレンテレフタ
    レートである請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向
    積層ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂Bがリサイクルポリマーで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向積層ポリ
    エステルフィルム。
JP5799898A 1998-03-10 1998-03-10 二軸配向積層ポリエステルフィルム Pending JPH11254617A (ja)

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