JPH11249285A - ペリクル用接着剤およびそれを用いたペリクル - Google Patents

ペリクル用接着剤およびそれを用いたペリクル

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JPH11249285A
JPH11249285A JP6933198A JP6933198A JPH11249285A JP H11249285 A JPH11249285 A JP H11249285A JP 6933198 A JP6933198 A JP 6933198A JP 6933198 A JP6933198 A JP 6933198A JP H11249285 A JPH11249285 A JP H11249285A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】接着強度が高く、光劣化することがなく、ペリ
クル膜にダメージを与えることがないと共に寿命が長く
高性能なペリクル用接着剤さらに、それを用いてペリク
ル膜をペリクル枠に接着したペリクルの提供。 【解決手段】接着剤の主成分が、下記一般式[1]で表
されるパーフルオロポリエーテル化合物Eまたはこの化
合物Eと増感剤から成る組成物であることを特徴とする
ペリクル用接着剤。 (ただし、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロオキシアルキル基。Aは2価の
有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有していてもよ
い。Rは炭素数1〜8の1価の炭化水素基であり、m
は0〜2の正の整数である。また、nは1〜3の正の整
数であり、m+nは3以下である。Xは加水分解性基で
ある。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リソグラフィ用ペ
リクル、特にはLSI、超LSI等の半導体装置あるい
は液晶表示板を製造する際のゴミ除けとして使用され
る、実質的に500nm以下の光を用いる露光方式にお
けるリソグラフィ用ペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI、超LSI等の半導体装置
あるいは液晶表示板を製造する際に、半導体ウエーハや
液晶用原板に光を照射してパターニングを作製するが、
その場合に用いる露光原板にゴミが付着していると、こ
のゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうため、転写
したパターニングが変形したり、エッジががさついたも
のとなる他、白地が黒く汚れたりして、寸法、外観、品
質等が損なわれるという問題があった。
【0003】このため、これらの作業は、通常クリーン
ルームで行われているが、このクリーンルーム内でも露
光原板を常に清潔に保つことが難しいので、露光原板の
表面にゴミ除け用の光透過率の高いペリクルを貼着させ
る方法がとられている。この場合、ゴミは露光原板の表
面上には直接付着せず、ペリクル上に付着するため、リ
ソグラフィ時に焦点を露光原板のパターン上に合わせて
おけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係となる利点が
ある。
【0004】このペリクルは、通常光をよく透過させる
ニトロセルロース、酢酸セルロース等からなる透明なペ
リクル膜をアルミニウム、ステンレス、ポリエチレン等
からなるペリクル枠の上部にペリクル膜の良溶媒を塗布
し、風乾して接着する(特開昭58−219023号公
報参照)か、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤で
接着し(米国特許第4861402号明細書、特公昭6
3−27707号公報参照)、ペリクル枠の下部にはポ
リブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等か
らなる粘着層および粘着層を保護する離型層(セパレー
タ)を接着して構成されている。
【0005】このペリクルを構成する材料の中で、ペリ
クル膜をペリクル枠に接着させる接着剤は、リソグラフ
ィ時に直接露光光源に曝されるため、その寿命や性能上
特に重要で、例えば、接着剤を数μmの超薄膜にしてペ
リクル枠に接着させておく必要があり、ペリクルの性能
に大きな影響を与えるものである。
【0006】しかし、従来から使用されているアクリル
系接着剤やエポキシ系接着剤では、接着強度が不十分で
あったり、接着面積が一定せず、しわも発生するため信
頼性に欠けるものであった。しかも、露光光源による光
劣化が激しく、ある程度使用すると接着剤が固化、分解
してこれがゴミの発生源になったり、ペリクル膜の張力
が変化して膜が剥離したり、亀裂を生じるという欠点が
ある。また、ペリクル膜の材質として、光透過率、耐光
性に優れているフッ素系ポリマーを用いた場合、フッ素
系ポリマーは離型性が強いため、アクリル系接着剤やエ
ポキシ系接着剤では実用的な接着力を得ることが不可能
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決するためになされたもので、ペリクル膜の
材質がフッ素系ポリマーであっても接着強度が高く、光
劣化したり分解することがなく、ペリクル膜にダメージ
を与えることがないと共に寿命が長く高性能なペリクル
用接着剤とこれを用いてペリクル膜をペリクル枠に接着
したペリクルを提供することを主目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に記載した発明は、ペリクル膜と
ペリクル枠を接着するペリクル用接着剤において、該接
着剤の主成分が、下記一般式[1]で表されるパーフル
オロポリエーテル化合物Eまたは該パーフルオロポリエ
ーテル化合物Eと増感剤から成る組成物であることを特
徴とするペリクル用接着剤である。
【化3】 (ただし、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロオキシアルキル基。Aは2価の
有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有していてもよ
い。R1 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基であり、m
は0〜2の正の整数である。また、nは1〜3の正の整
数であり、m+nは3以下である。Xは加水分解性基で
ある。)
【0009】このように、ペリクル枠にペリクル膜を接
着する際に使用するペリクル用接着剤の主成分として、
パーフルオロポリエーテル化合物Eを用いれば、接着強
度が大きく、実質的に光劣化もないので長寿命で高性能
なペリクルを製造することが出来る。また、該化合物E
に増感剤を添加した組成物を接着剤として使用すれば、
紫外線硬化反応を促進し、極めて短時間に実用接着強度
に到達し、生産性を高めると共に、耐光性に優れている
ので長寿命で高性能なペリクルを得ることが出来る。
【0010】そして、本発明の請求項2に記載した発明
は、ペリクル膜とペリクル枠を接着するペリクル用接着
剤において、該接着剤の主成分が、下記一般式[2]で
表されるパーフルオロポリエーテル化合物Fまたは該パ
ーフルオロポリエーテル化合物Fと増感剤から成る組成
物であることを特徴とするペリクル用接着剤である。
【化4】 (ただし、Rfは炭素数1〜1000のパーフルオロア
ルキレン基またはパーフルオロオキシアルキレン基。A
は2価の有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有して
いてもよい。R1 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基で
あり、m、m’は0〜2の整数であり、同一または異な
っていても良い。また、m+n及びm’+n’はそれぞ
れ3以下の整数である。Xは加水分解性基である。)
【0011】このように、ペリクル枠にペリクル膜を接
着する際に使用するペリクル用接着剤の主成分として、
パーフルオロポリエーテル化合物Fを用いれば、接着強
度が大きく、実質的に光劣化もないので長寿命で高性能
なペリクルを形成することが出来る。また、該化合物F
に増感剤を添加した組成物を接着剤として使用すれば、
紫外線硬化反応を促進し、生産性を高めると共に接着強
度も増強され、耐光性に優れているので長寿命で高性能
なペリクルを得ることが出来る。
【0012】次に、本発明の請求項3に記載した発明
は、前記増感剤を、2、2−ジエトキシアセトフェノン
または2、2’−アゾビスイソブチロニトリルとした。
そしてこの場合、請求項4に記載したように、増感剤の
配合量は前記パーフルオロポリエーテル化合物Eまたは
前記パーフルオロポリエーテル化合物Fの100重量部
に対して0.5〜2重量部とするのが好ましい。
【0013】このような増感剤を選択して適切な量を該
化合物Eまたは該化合物Fに配合すれば、ペリクル用接
着剤として使用した時に、UV硬化反応が促進されて極
めて短時間に実用接着強度に到達し、生産性を高める効
果が大きい。
【0014】そして、請求項5に記載した発明は、請求
項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したペリクル
用接着剤を使用してペリクル枠にペリクル膜を接着して
成るペリクルとした。このように特定したパーフルオロ
ポリエーテル化合物Eまたはパーフルオロポリエーテル
化合物Fあるいは該化合物Eまたは該化合物Fに増感剤
を配合した組成物を接着剤として、ペリクル枠にペリク
ル膜を接着して製造したペリクルは、ペリクル膜がペリ
クル枠に高い接着強度で均一に接着され、該膜にしわ、
歪み等の発生はなく、耐光性に優れているので、長寿命
で高性能なペリクルとすることができる。
【0015】この場合、請求項6に記載したように、ペ
リクル膜の材質を、テトラフルオロエチレンとフッ化ビ
ニリデンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキ
サフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとの三元共重
合体、テトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエー
テル基を有する含フッ素モノマーとの共重合体または環
状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマー重
合体とすることが好ましい。
【0016】このようなペリクル膜の材質をフッ素系ポ
リマーから選択し、本発明のパーフルオロポリエーテル
系接着剤を使用してペリクル枠に接着すれば、本発明接
着剤の接着性能が最大限発揮されたペリクルが形成さ
れ、ペリクル膜としてフッ素系ポリマーが持っている優
れた透明性、膜強度、耐光性等の特性を充分生かした高
性能ペリクルを提供することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前述した問題点を
解決すべく種々調査、検討を重ねた結果、パーフルオロ
ポリエーテル化合物Eまたはパーフルオロポリエーテル
化合物Fあるいはこれら化合物EまたはFに増感剤を配
合した組成物がフッ素系ポリマー製ペリクル膜をペリク
ル枠に接着するのに極めて有効であることを見出し、諸
条件を精査して本発明を完成させた。以下、本発明の実
施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0018】先ず、本発明のペリクル用接着剤の主成分
であるパーフルオロポリエーテル化合物Eについて説明
する。パーフルオロポリエーテル化合物Eは、下記一般
式[1]で表される化合物である。
【化5】 (ただし、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロオキシアルキル基。Aは2価の
有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有していてもよ
い。R1 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基であり、m
は0〜2の正の整数である。また、nは1〜3の正の整
数であり、m+nは3以下である。Xは加水分解性基で
ある。)
【0019】ここで、一般式[1]におけるRfの具体
的な例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオ
ロメチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ヘプタデカ
フルオロ−n−オクチル基等のパーフルオロアルキル
基、下記式、
【化6】 等のパーフルオロオキシアルキル基等が例示される。
【0020】Aの具体例としては、メチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基、
トリレン基等のアリレン基および下記式、
【化7】 で示される基、さらには、―CO2 ―、―SO3 ―等の
エステル結合、―O―、―S―等のエーテル結合、―C
O―等のケトン結合、―CONR―、―SO2 NR―等
のアミド結合(ただし、Rは水素または炭素数1〜6の
一価炭化水素基)等で、具体的には、―CO2 ―(CH
23 ―、―SO3 ―(CH24 ―、―CH2 O―
(CH23 ―、―(CH22 ―CO―(CH22
―、―CONH―(CH23 ―、
【化8】 等で例示されるヘテロ原子を含む結合を有してもよい。
【0021】R1 の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペノ
キシ基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基あるいは3,3,3−トリフルオロプロピル
基、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオ
ロヘキシル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基
等のこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子等で
置換された基等が例示される。
【0022】Xの具体例としては、
【化9】
【化10】
【化11】 (ただし、R2 ,R3 は水素または炭素数1〜6の一価
炭化水素基)等が例示される。
【0023】次に、下記一般式[2]で表されるパーフ
ルオロポリエーテル化合物Fについて説明する。
【化12】 (ただし、Rfは炭素数1〜1000のパーフルオロア
ルキレン基またはパーフルオロオキシアルキレン基。A
は2価の有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有して
いてもよい。R1 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基で
あり、m、m’は0〜2の整数であり、同一または異な
っていても良い。また、m+n及びm’+n’はそれぞ
れ3以下の整数である。Xは加水分解性基である。)
【0024】ここで、一般式[2]におけるRfの具体
的な例としては、―C24 ―、―C612―、C10
12―等のパーフルオロアルキレン基、下記式、
【化13】 Aの具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基等のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基等
のアリレン基および下記式、
【化14】 で示される基、さらには、―CO2 ―、―SO3 ―等の
エステル結合、―O―、―S―等のエーテル結合、―C
O―等のケトン結合、―CONR―、―SO2 NR―等
のアミド結合(ただし、Rは水素または炭素数1〜6の
一価炭化水素基)等で、具体的には、―CO2 ―(CH
23 ―、―SO3 ―(CH24 ―、―CH2 O―
(CH23 ―、―(CH22 ―CO―(CH22
―、―CONH―(CH23 ―、
【化15】 等で例示されるヘテロ原子を含む結合を有してもよい。
【0025】R1 の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペノ
キシ基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基あるいは3,3,3−トリフルオロプロピル
基、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオ
ロヘキシル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基
等のこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子等で
置換された基等が例示される。
【0026】Xの具体例としては、
【化16】
【化17】
【化18】 (ただし、R2 ,R3 は水素または炭素数1〜6の一価
炭化水素基)等が例示される。
【0027】以上説明した一般式[1]に示されるパー
フルオロポリエーテル化合物E、あるいは一般式[2]
に示されるパーフルオロポリエーテル化合物Fは、公知
の化合物であり、公知の方法で製造することが出来る。
例えば、パーフルオロポリエーテル化合物Eは、下記一
般式[3]で表される加水分解性シラン化合物と、下記
式[4]で表されるシラン化合物とを反応させることで
製造される。
【化19】
【化20】 この反応は、例えば下記の反応式[6]に従って進行す
る。
【化21】
【0028】そして、一般式[1]なるパーフルオロポ
リエーテル化合物Eと一般式[5]の副生成物を生じ
る。この反応の反応温度は、室温〜80℃程度で充分で
あり、常圧あるいは減圧下にて反応させれば良い。前記
反応式中の副生成物[5]は、しばしば[4]式のシラ
ノールと反応することがあるので、反応により生じた副
生成物[5]はただちに反応系外に除去するのが好まし
い。副生成物[5]は比較的低沸点であるので、前記理
由により反応は減圧下で行うのが望ましく、例えば、2
0〜200mmHgの減圧下で反応させることにより該
副生成物を容易に系外に除去することができる。
【0029】また、上記の反応式からも判るように、一
般式[3]のシラン化合物中の加水分解性基Xに対し
て、一般式[4]のシラン化合物の量を調製することに
より、アクリル基含有シリル基による変性率を調整する
ことができる。例えば、加水分解性基Xに対して一般式
[4]のシラン化合物を過剰に使用することによって、
残存する加水分解性基Xを消失させることができる。
【0030】上記の反応は、必要に応じて縮合触媒を使
用することによって反応を促進させることが出来る。こ
の縮合触媒は、公知のものを使用すれば良く、例えば、
鉛−2−エチルオクトエート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジラウレート、ブチル錫トリ−2−エチ
ルヘキソエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバル
ト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘ
キソエート、亜鉛−2−エチルヘキソエート、カプリル
酸第1錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫、ブチル酸錫、
ナフテン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバル
ト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;テ
トラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチ
タネート、トリエタノールアミンチタネート、テトラ
(イソプロペニルオキシ)チタネート等の有機チタン酸
エステル;オルガノシロキシチタン、β−カルボニルチ
タン等の有機チタン化合物;酢酸カリウム、酢酸ナトリ
ウム、しゅう酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪
酸;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシ
ルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;テトラメ
チルグアニジン、下記式[7]、[8]、
【化22】
【化23】 等のグアニジル基含有シランもしくはシロキサン等のグ
アニジル化合物を挙げることができ、これらは1種単独
でも、2種以上を組合せても使用することが出来る。こ
れら縮合触媒の添加量は、式[3]の加水分解性シラン
化合物100重量部に対して0.001〜5.0重量部
程度でよい。
【0031】また、上述した一般式[2]で示されるパ
ーフルオロポリエーテル化合物Fは、下記一般式[9]
で表される含フッ素有機ケイ素化合物と下記式[4]で
表されるアクリル基、およびシラノール基を有するシラ
ン化合物とを縮合触媒存在下に反応させることにより得
ることができる。
【化24】
【化25】
【0032】この反応は例えば下記反応式[10]に従
って進行し、
【化26】 そして、一般式[2]のパーフルオロポリエーテル化合
物Fと一般式[5]の副生成物を生じる。この反応の反
応温度は、室温〜80℃程度で充分であり、常圧あるい
は減圧下にて反応させれば良い。前記反応式中の副生成
物[5]は、しばしば[4]式のシラノールと反応する
ことがあるので、反応により生じた副生成物[5]はた
だちに反応系外に除去するのが好ましい。副生成物は比
較的低沸点であるので、前記理由により反応は減圧下で
行うのが望ましく、例えば、20〜200mmHgの減
圧下で反応させることにより該副生成物を容易に系外に
除去できる。
【0033】上記の反応触媒は、公知のものを使用すれ
ば良く、例えば、鉛−2−エチルオクトエート、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ブチル錫
トリ−2−エチルヘキソエート、鉄−2−エチルヘキソ
エート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン
−2−エチルヘキソエート、亜鉛−2−エチルヘキソエ
ート、カプリル酸第1錫、ナフテン酸錫、オレイン酸
錫、ブチル酸錫、ナフテン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、
ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボ
ン酸の金属塩;テトラブチルチタネート、テトラ−2−
エチルヘキシルチタネート、トリエタノールアミンチタ
ネート、テトラ(イソプロペニルオキシ)チタネート等
の有機チタン酸エステル;オルガノシロキシチタン、β
−カルボニルチタン等の有機チタン化合物;酢酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、しゅう酸リチウム等のアルカリ金
属の低級脂肪酸;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチ
ルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミ
ン;テトラメチルグアニジン、下記式[7]および式
[8]、
【化27】
【化28】 等のグアニジル基含有シランもしくはシロサン等のグア
ニジル化合物を挙げることができ、これらは1種単独で
も2種以上を組合せても使用することが出来る。これら
縮合触媒の添加量は、一般式[9]の加水分解性シラン
化合物100重量部に対して0.001〜5.0重量部
程度でよい。
【0034】以上のような反応で製造されたパーフルオ
ロポリエーテル化合物EおよびFは、共に淡黄色透明な
液体で、紫外線架橋硬化型のポリマーであるので、その
ままペリクル用接着剤として使用することができる。通
常は、アルミニウム、アルミニウム合金あるいはステン
レス製のペリクル枠の片面に接着剤を塗布し、ペリクル
膜をシワが発生しないように所定の張力で引っ張って貼
り付け、紫外線を照射して接着剤を硬化させればよい。
【0035】また、これらの接着剤化合物E、Fは、増
感剤を配合することによって、紫外線感度が上昇し、紫
外線架橋硬化反応速度が促進されるので、極めて短時間
に実用接着強度に到達し、ペリクル膜をペリクル枠に強
固に接着した高性能ペリクルを得ることが出来る。
【0036】これら化合物E、Fに添加される増感剤
は、2、2−ジエトキシアセトフェノン(DEAPとも
いう。下記式[11])または2、2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル[(CH32 C(CN)N=NC(C
32 CN]が適しており、この場合、増感剤の配合
量はパーフルオロポリエーテル化合物EまたはFの10
0重量部に対して0.5〜2重量部とするのが好まし
い。0.5部未満では増感効果はなく、2部を超えて増
量しても増感効果は飽和してしまい無駄になる。DEA
Pは、式[12]に示したようなラジカルを発生して増
感作用を発揮する。
【化29】
【化30】
【0037】本発明のペリクル用接着剤は、非晶質で、
210〜510nmのような短波長領域に吸収帯がない
ので紫外線透過率が高く、光による劣化もなく、使用中
に黄変したり、亀裂が発生したりすることはなく、長期
安定性に優れているので、エキシマレーザー(波長24
8nm)、i線(波長365nm)、g線(波長436
nm)等の紫外線領域の露光を行う半導体デバイスや液
晶表示板等のリソグラフィ用のペリクルの作製には好適
に使用することが出来る。
【0038】本発明のペリクル用接着剤が有効に作用す
るペリクル膜としては、特に短波長から長波長領域まで
広く使用出来る材質のものが適しており、テトラフルオ
ロエチレンとフッ化ビニリデンとの共重合体、テトラフ
ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビ
ニリデンとの三元共重合体、テトラフルオロエチレンと
環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマー
との共重合体あるいは環状パーフルオロエーテル基を有
する含フッ素モノマー重合体等のフッ素系ポリマーが挙
げられ、透明性が高く光劣化が比較的少ないので好まし
く用いられる。
【0039】これらの中では、非晶質フッ素系ポリマー
であるテトラフルオロエチレンと環状パーフルオロエー
テル基を有する含フッ素モノマーとの共重合体(特開平
4−104155号公報参照)、あるいは環状パーフル
オロエーテル基を有する含フッ素モノマー重合体は、波
長210〜500nmにおいて優れた透過性を有し、し
かも長時間使用しても光劣化がなく、透過性の低下も認
められないという優位性を持っておりペリクル膜として
好適に使用される。これに対して前二者のフッ化ビニリ
デン系ポリマーは、線状構造を主体としており、紫外線
により結晶化が進行して結晶粒が生成し、その結果、入
射光の散乱が起こるために経時的に透明性が低下し易い
という欠点があるが、汎用性で比較的安価な点で広く使
用されている。
【0040】この非晶質フッ素系ポリマーは、テトラフ
ルオロエチレンと環状パーフルオロエーテル基を有する
含フッ素モノマーとを共重合した共重合体とすればよい
が、これには、市販されているテフロンAF(米国デュ
ポン社製商品名)、サイトップ(旭ガラス(株)製商品
名)等がある。また、環状パーフルオロエーテル基を有
する含フッ素モノマー重合体にはサイトップ(旭ガラス
(株)製商品名)が市販されている。
【0041】この非晶質フッ素系ポリマーからなるペリ
クル膜については、膜の表面に化学的、物理的に処理し
た親水層を設けて(特開平5−27415号公報参照)
静電気の帯電を防止したものもある。また、ペリクル膜
表面に反射防止膜を設けたものであってもよい。
【0042】以上述べたように本発明のペリクル用接着
剤は、離型性の強いフッ素ポリマーを親水性のある金属
に接着するのに極めて優れているが、これはとりもなお
さず従来公知のニトロセルロース系、酢酸セルロース
系、多糖類系、ポリビニルアルコール系ポリマー等を成
膜した親水性のあるペリクル膜との接着強度も高いとい
うことで、従ってこれら親水性のペリクル膜を金属製ペ
リクル枠に接着する場合にも使用することができる。
【0043】本発明で使用されるペリクル膜は、以上述
べた膜材料を溶剤を用いて3〜10%の濃度に溶解した
後、スピンコーターやナイフコーターを使用してシリコ
ン基板やガラス基板の上に成膜して作製する。この膜の
厚さは、機械的強度と光の透過率との兼ね合いから、
0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmとすれば
よい。光の透過率は、実用上95〜98%のものが好ま
しいが、この透過率は膜の厚みと透過光の波長に依存す
るので、目安としては、厚さが5μm以上のペリクル膜
については、波長範囲が210〜500μmの光の透過
率が90%以上のものとしている。なお、ペリクルはペ
リクル膜とペリクル枠に囲まれた内面に粘着剤を塗布し
てペリクル内部に付着しているゴミを捕捉固定できるよ
うにすることもある。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) [ペリクル膜の調製] 下記、一般式[13]、
【化31】 で示され、m/n=0.66であるテトラフルオロエチ
レンと環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モ
ノマーとの共重合体であるテフロンAF1600(米国
デュポン社製商品名)を、主成分がパーフルオロ−2−
ブチルテトラヒドロフランであるフッ素系溶剤・フロリ
ナートFC−75(米国スリーエム社製商品名)に溶解
させて濃度8.0%の溶液を調整した。次いで、この溶
液を直径250mm、厚さ3mmの表面研磨した石英基
板にスピンコーターを用いて、膜厚0.82μmの透明
膜を形成させ、150℃で3時間乾燥して石英基板上に
ペリクル膜を作製した。次にエポキシ系接着剤アラルダ
イトラピッド(昭和高分子(株)製商品名)を塗布した
200mm×200mm×幅5mm×厚さ5mmのアル
ミニウム製仮枠をこの石英基板上のペリクル膜に貼り付
けた後、水中でこの膜を仮枠と共に石英基板から剥離
し、100℃で5時間乾燥して枠付きペリクル膜を作製
した。接着剤の塗布にはXYZステージを備えた自動デ
ィスペンサーを使用した。
【0045】[ペリクル用接着剤の調製] 一方、接着
剤に使用するパーフルオロポリエーテル化合物Eを以下
の方法で調製した。撹拌子、温度計、滴下ロート及びリ
ービッヒ冷却管を通して真空ラインに接続された100
ml三口フラスコに、下記式[14]、
【化32】 で示される含フッ素有機けい素化合物13.1gと、下
記式[15]、
【化33】 で示されるグアニジン誘導体を縮合触媒として0.00
5gを仕込んだ。フラスコ内を速やかに乾燥した窒素ガ
スで置換し、撹拌しながら徐々に加熱し、内温を50℃
にした。次いで、滴下ロートに下記式[4]、
【化34】 で示される有機けい素化合物をトルエンで50%に希釈
した溶液19.2gを入れ、前記100ml三口フラス
コにセットする。その後、三口フラスコ内を120mm
Hgに減圧しながら、式[4]の有機けい素化合物を約
10分かけて滴下した。滴下終了後、約20分熟成した
後、系内を3mmHgまで減圧し、溶媒および低沸点成
分を完全に留去したところ、淡黄色透明液体31.5g
を得た。このものを1H−NMR、19F−NMRおよ
びIRで分析し、下記式[16]で表されるパーフルオ
ロポリエーテル化合物Eであることを確認した。
【化35】
【0046】[ペリクルの作製] 次に、このパーフル
オロポリエーテル化合物Eを接着剤として、縦100m
m×横100mm×幅5mm×厚さ4mmのアルミニウ
ム合金製ペリクル枠に塗布し、前記ペリクル膜上に貼り
付け、ペリクル枠の接着面を上向きにして固定用の治具
に取り付けて仮枠とペリクル枠の位置がずれないように
固定した。次いで、接着剤塗布面に紫外線照射装置スポ
ットキュア(ウシオ電機(株)製商品名)を用いて、紫
外線(中心波長365nm)を照射面強度200mW/
cm2 で1分間照射し、接着剤を硬化させた。
【0047】次いで、スカラーロボットにステンレス製
カッター(厚さ0.1mm)を取り付け、ペリクル枠の
周辺部に沿ってカッターを移動させながら、ペリクル枠
の外側の膜の不要部分を切断除去してペリクルを完成さ
せた。同様にしてペリクルのサンプルを20個作製し
た。
【0048】[ペリクル用接着剤の評価] 完成したペ
リクルについて、ペリクル膜の接着強度を測定した。測
定にはオートグラフ(島津製作所(株)製商品名)を使
用した。ペリクル膜を枠の接着部分を残して幅5cmに
切断し、膜側を上部チャックに取り付け、ペリクル枠を
下部チャックに取り付け、これを100mm/分の速度
で引っ張り、20個のサンプルについてペリクル膜の剥
離強度を測定したところ、平均30g/cmの剥離強度
が得られた。剥離界面はいずれも接着剤とペリクル枠と
の間で、接着剤とペリクル膜との界面では剥離は見られ
なかった。
【0049】(実施例2)実施例1で使用したパーフル
オロポリエーテル化合物E100重量部に対して増感剤
DEAPを1重量部添加してペリクル用接着剤を調整
し、紫外線照射による照射時間を2、4、6、8、1
0、12秒と変化させた以外は実施例1と同じ材料と条
件でペリクルを作製した。接着剤の剥離強度を測定した
ところ、紫外線照射時間が8秒で平均30g/cmの剥
離強度が得られた。
【0050】(実施例3)ペリクル膜の材質を下記一般
式[17]、
【化36】 で示される、環状パーフルオロエーテル基を有する含フ
ッ素モノマー重合体であるサイトップ(旭硝子(株)製
商品名)とし、フッ素系溶剤フロリナートFC−75
(前出)に溶解して濃度5.0%の溶液を調整し、膜厚
1.63μmのペリクル膜を作製した以外は実施例1と
同様のペリクル用接着剤と接着条件でペリクルを作製し
た。ペリクル膜の剥離強度を測定したところ、平均30
g/cmの剥離強度が得られた。
【0051】(実施例4) [ペリクル用接着剤の調製] 接着剤に使用するパーフ
ルオロポリエーテル化合物Fを以下の方法で調製した。
実施例1と同様の反応装置に、下記式[18]、
【化37】 で表される含フッ素有機ケイ素化合物29.2g、縮合
触媒にジブチル錫ジラウレート0.06gおよび式
[4](前出)の有機ケイ素化合物のトルエン50%溶
液13.3gを仕込み、実施例1と同様な手順と条件に
より反応させて、淡黄色透明液体41.3gを得た。こ
のものを1H−NMR、19F−NMRおよびIRで分
析したところ、下記式[19]で表されるパーフルオロ
ポリエーテル化合物Fであることを確認した。
【化38】 [ペリクルの作製と剥離強度の測定] ペリクル用接着
剤を前記パーフルオロポリエーテル化合物Fとした以外
は実施例1と同様のペリクル膜(テフロンAF1600
製、膜厚0.82μm)、接着条件(紫外線:中心波長
365nm、照射面強度200mW/cm2 で1分間照
射)でペリクルを作製した。サンプル20個について、
剥離強度を測定したところ、平均30g/cmの剥離強
度が得られた。
【0052】(実施例5)実施例4で使用したパーフル
オロポリエーテル化合物F100重量部に対して増感剤
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を添加
してペリクル用接着剤を調整し、紫外線照射による照射
時間を2、4、6、8、10、12秒と変化させた以外
は実施例4と同じ材料と条件でペリクルを作製した。ペ
リクル膜の剥離強度を測定したところ、紫外線照射時間
が8秒で平均30g/cmの剥離強度が得られた。
【0053】(実施例6)ペリクル膜の材質を実施例3
で使用したサイトップ(膜厚1.63μm)とした以外
は実施例4と同様のペリクル用接着剤(化合物F)と接
着条件でペリクルを作製した。接着剤の剥離強度を測定
したところ、平均30g/cmの剥離強度が得られた。
【0054】(比較例1)実施例1において、ペリクル
膜(テフロンAF1600製、膜厚0.82μm)とペ
リクル枠(Al合金製)の接着に、エポキシ系接着剤ア
ラルダイトラピッド(昭和高分子(株)製商品名)を使
用した以外は、実施例1と同様の材料でペドクルを作製
した。ペリクル膜の剥離強度を測定したところ、平均
0.5g/cmの剥離強度しか得られず、剥離は全てペ
リクル膜と接着剤との界面で起こっていた。
【0055】(比較例2)実施例3において、ペリクル
膜(サイトップ製、膜厚1.63μm)とペリクル枠
(Al合金製)との接着に、エポキシ系接着剤アラルダ
イトラピッド(昭和高分子(株)製商品名)を使用した
以外は、実施例3と同様の材料でペリクルを作製した。
ペリクル膜の剥離強度を測定したところ、平均0.5g
/cmの剥離強度しか得られず、剥離は全てペリクル膜
と接着剤との界面で起こっていた。
【0056】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0057】例えば、上記では本発明の実施例として、
ペリクル膜の材質にフッ素系ポリマーを使用した例を示
したが、本発明はこのような例に限定されるものではな
く、セルロース系、多糖類系、ポリビニルアルコール系
等のポリマーから形成したペリクル膜をペリクル枠に接
着する場合にも使用できることは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】本発明のペリクル用接着剤によれば、ペ
リクル膜の材質がフッ素系ポリマーであっても、ペリク
ル枠に対する接着強度が大きく、リソグラフィ時の露光
光源による接着剤自体の光劣化がないので亀裂の発生や
枠から剥離することはなく、分解してゴミを発生するこ
ともない。従って長寿命で高性能なペリクルを作製する
ことができる。また、増感剤を配合したことにより紫外
線硬化反応が促進され、短時間に接着が完了すると共
に、接着強度も増し、生産性の改善を図ることができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペリクル膜とペリクル枠を接着するペリ
    クル用接着剤において、該接着剤の主成分が、下記一般
    式[1]で表されるパーフルオロポリエーテル化合物E
    または該パーフルオロポリエーテル化合物Eと増感剤か
    ら成る組成物であることを特徴とするペリクル用接着
    剤。 【化1】 (ただし、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキ
    ル基またはパーフルオロオキシアルキル基。Aは2価の
    有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有していてもよ
    い。R1 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基であり、m
    は0〜2の正の整数である。また、nは1〜3の正の整
    数であり、m+nは3以下である。Xは加水分解性基で
    ある。)
  2. 【請求項2】 ペリクル膜とペリクル枠を接着するペリ
    クル用接着剤において、該接着剤の主成分が、下記一般
    式[2]で表されるパーフルオロポリエーテル化合物F
    または該パーフルオロポリエーテル化合物Fと増感剤か
    ら成る組成物であることを特徴とするペリクル用接着
    剤。 【化2】 (ただし、Rfは炭素数1〜1000のパーフルオロア
    ルキレン基またはパーフルオロオキシアルキレン基。A
    は2価の有機基で途中にヘテロ原子を含む結合を有して
    いてもよい。R1 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基で
    あり、m、m’は0〜2の整数であり、同一または異な
    っていても良い。また、m+n及びm’+n’はそれぞ
    れ3以下の整数である。Xは加水分解性基である。)
  3. 【請求項3】 前記増感剤が、2、2−ジエトキシアセ
    トフェノンまたは2、2’−アゾビスイソブチロニトリ
    ルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載したペリクル用接着剤。
  4. 【請求項4】 前記増感剤の配合量が、前記パーフルオ
    ロポリエーテル化合物Eまたは前記パーフルオロポリエ
    ーテル化合物F100重量部に対し0.5〜2重量部で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    か1項に記載したペリクル用接着剤。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載したペリクル用接着剤を使用してペリクル枠にペ
    リクル膜を接着して成ることを特徴とするペリクル。
  6. 【請求項6】 前記ペリクル膜の材質が、テトラフルオ
    ロエチレンとフッ化ビニリデンとの共重合体、テトラフ
    ルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビ
    ニリデンとの三元共重合体、テトラフルオロエチレンと
    環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマー
    との共重合体または環状パーフルオロエーテル基を有す
    る含フッ素モノマー重合体であることを特徴とする請求
    項5に記載したペリクル。
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WO2022163708A1 (ja) * 2021-01-29 2022-08-04 昭和電工株式会社 含フッ素エーテル化合物、磁気記録媒体用潤滑剤および磁気記録媒体
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