JPH08123013A - ペリクルおよびその接着方法 - Google Patents

ペリクルおよびその接着方法

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JPH08123013A JP25996194A JP25996194A JPH08123013A JP H08123013 A JPH08123013 A JP H08123013A JP 25996194 A JP25996194 A JP 25996194A JP 25996194 A JP25996194 A JP 25996194A JP H08123013 A JPH08123013 A JP H08123013A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明はペリクル膜とペリクルフレームとを
接着剤によって強固に接着させる接着方法およびこの接
着方法で作られたパーフルオロ非晶質高分子物質のペリ
クル膜からなるペリクルの提供を目的とするものであ
る。 【構成】 ペリクル膜を接着剤を介してペリクルフレー
ムに接着するに際して、ペリクル膜とペリクルフレーム
用接着剤とからなる2つの層の界面に紫外線を照射して
ここに接着力を発生させ、これらを接着することを特徴
とするものであり、このパーフルオロ非晶質高分子膜か
らなるペリクルはこのパーフルオロ非晶質高分子膜を波
長 185nmの光の透過率が70%以上のものとし、この接着
剤を波長 185nm光の透過率が30%以下のものとし、この
ペリクル膜から波長 185nmの光を照射してペリクル膜を
接着剤と接着してなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペリクル、特にはLS
I、超LSIなどの半導体装置あるいは液晶表示板を製
造する際のゴミよけとして使用される、実質的に 500nm
以下の光を用いる露光方式におけるペリクルおよびこの
ペリクルの接着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI、超LSIなどの半導体装置ある
いは液晶表示板などの製造においては、半導体ウェハー
あるいは液晶用原版に光を反射してパターニングを作成
するのであるが、この場合に用いる露光原版にゴミが付
着していると、このゴミが光を吸収したり、光を曲げて
しまうため、転写したパターニングが変形したり、エッ
ジががさついたものとなるほか、白地が黒く汚れたりし
て、寸法、品質、外観などが損なわれ、半導体装置や液
晶表示板などの性能や製造歩留りの低下を来すという問
題があった。
【0003】このため、これらの作業は通常クリーンル
ームで行われているが、このクリーンルーム内でも露光
原版(リソグラフィー用マスク)を常に清浄に保つこと
が難しいので、露光原版の表面にゴミよけのための露光
用の光をよく通過させるペリクルを貼着する方法が行な
われている。この場合、ゴミは露光原版の表面上には直
接付着せず、ペリクル上に付着するため、リソグラフィ
ー時に焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、
ペリクル上のゴミは転写されなくなり、半導体装置や液
晶表示板などの性能や製造歩留りの向上につながる。
【0004】このペリクル構造は例えば図1に示したよ
うなものであり、これは支持枠1の片面にペリクル膜2
が接着剤3によって設けられており、一方の面に露光原
版に装置するための粘着剤4が設けられている。このペ
リクルは露光原版に装着する前、もしくは装着した後
に、ペリクル膜表面の異物の有無を検査し、ペリクル膜
上に異物がある場合には、エアブローによって異物の除
去を試みるわけであるが、この場合にペリクル膜と接着
剤の間の接着力が十分でないと、膜が剥離してしまうと
いう問題がある。
【0005】そのため、ペリクル膜とペリクルフレーム
用の接着剤との間には所定以上の接着力が必要とされる
が、ペリクル膜は紫外線領域で高い透過率を得るために
厚さが数ミクロン以下と非常に薄くしてあるので接着剤
の熱キュアが困難な場合が多く、したがってこれは光キ
ュアを用いる場合もあるが、この場合も十分な接着力を
得られない場合が多く、この光キュアでは光重合開始剤
が完全に消費されず、これが光キュア接着剤の耐光性の
低さの原因となっていることがあり、これについてはペ
リクル膜が薄いために、接着強度を増すために荒面を荒
すといった物理的処理も難しいという問題点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】他方、このペリクルに
ついてはリソグラフィーの解像度が高まるに従って、リ
ソグラフィー時に用いられる光の波長が短波長化してき
て、最近ではKrFエキシマレーザー(248nm) が光源と
して用いられるようになってきており、それに対応して
ペリクル膜の材質も、従来のセルロース系からより短波
長に対しても良好な耐光性を有するフッ素系非晶質樹脂
が用いられるようになっている。
【0007】また、前記したように従来のペリクルにお
いてはペリクル膜とペリクルフレーム用接着剤との間の
接着力に問題があったけれども、このペリクル膜を非晶
質のフッ素系ポリマーからなるものとすると、これとペ
リクルフレーム用接着剤との接着力との問題はさらに大
きくなるという問題が発生し、これについてはこの種の
ペリクル膜を例えば金属ナトリウムなどで改質して接着
力を高めるという方法も提案されているが、これには異
物の管理の厳しいペリクルの生産においては歩留りが低
下するので、この表面改質は必ずしもよい方法ではな
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決したペリクルおよびその接着方法に関
するもので、この接着方法はペリクル膜を接着剤を介し
てペリクルフレームに接着するに際し、ペリクル膜とペ
リクルフレーム用接着剤とからなる2つの層の界面に紫
外線を照射してこの2層の間に接着力を生じさせ、これ
らを接着することを特徴とするものであり、このペリク
ルはペリクル膜を波長 185nmの光の透過率が70%以上で
あるパーフルオロ非晶質高分子膜からなるものとし、こ
れと支持フレームとを接着するための接着剤を波長 185
nmの光透過率が30%以下のものとし、このペリクル膜を
通して波長 185nmの光を支持フレーム上の接着剤に照射
してペリクル膜を支持フレームに接着してなることを特
徴とするものである。
【0009】すなわち、本発明者らはペリクル膜とペリ
クルフレーム用接着剤を十分な接着力で接着させる方法
について種々検討した結果、これについてはペリクル膜
とペリクルフレーム用接着剤とを紫外線の透過率に差が
あるように選択し、光の透過率の高い方から光の透過率
の低い面に紫外線を照射すると、この光の透過率の低い
界面に接着力が生じるので、これらを接着すればこの両
者を十分な接着力で接着させることができることを見出
し、ペリクル膜をパーフルオロ非晶質高分子膜として、
この手法を用いて波長 185nmの光を照射すればフッ素系
ポリマーからなるペリクル膜もペリクルフレームに強固
に接着できることを確認して本発明を完成させた。以下
にこれをさらに詳述する。
【0010】
【作用】本発明はペリクルおよびその接着方法に関する
ものであり、この接着方法は前記したようにペリクル膜
とペリクルフレーム用の接着剤とからなる2つの層の界
面に紫外線を照射してこの層の間に接着力を生じさせ、
これらを接触させることを特徴とするものであり、この
ペリクルはペリクル膜を波長 185nmの光の透過率が70%
以上であるパーフルオロ非晶質高分子膜からなるものと
し、ペリクルフレーム用接着剤は波長 185nmの光の透過
率が30%以下のものとし、このペリクル膜を通して波長
185nmの光を接着剤層に照射してペリクル膜をペリクル
フレームに接着してなることを特徴とするものである
が、これによればペリクル膜とペリクルフレーム用接着
剤の界面に紫外線照射により接着力が発生するので、こ
のペリクル膜とペリクルフレームとを十分な接着力で接
着させることができるという有利性が与えられる。
【0011】本発明によるペリクル膜の接着方法はペリ
クル膜とペリクルフレーム用接着剤とからなる2層を紫
外線の透過率に差があるものから選択し、これらに紫外
線を照射してこの界面に接着力を発生させ、ついでこれ
らを接着させるものであるが、一般に、紫外域に吸収が
ある有機物に紫外線を照射すると、有機物が紫外線を吸
収してラジカルが発生する。このラジカル発生を物質表
面ではなく物質内部で起こすと、ラジカルは周囲に伝幡
し、広範囲でラジカルの発生、移動、再結合がおこる
が、本発明は2つの物質の界面でラジカルを発生させ、
2つの物質にわたりラジカルの発生、移動、再結合を起
こす事により2つの物質を接着させるものである。
【0012】この場合、この2つの被接着物は使用する
紫外線に対する透過率の高い物質と紫外線に対する透過
率の低い物質とを選択する必要があり、これに紫外線を
照射するには紫外線透過率の高い物質の側から紫外線透
過率の低い物質の側に紫外線を照射すると、紫外線の透
過率の高い物質内では紫外線が吸収されず、したがって
ここにはラジカルは発生しないが、紫外線透過率の低い
物質内では紫外線が吸収されてラジカルが発生し、この
2つの物質の界面で接着力が発生するので、これらの2
つの物質がこの接着力により強固に接着される。なお、
ここに使用される紫外線は、これが紫外線の透過率の低
い物質に照射されたとき、この物質にラジカルを発生さ
せるものでなければならないので、これはラジカルを発
生できる程度に短波長のものとすることが必要とされ
る。
【0013】このペリクル膜の接着方法で使用されるペ
リクルは半導体装置製造時のフォトリソグラフィー工程
で用いられるものであるため、これには使用する紫外線
(g線 436nm、i線 365nm、KrFエキシマ 248nm)に
対する耐光性が要求され、この耐光性は一応問題はない
けれども、これと接着されるべきペリクルフレーム用接
着剤についてはこれが通常UV硬化型接着剤とされ、こ
の硬化に使用される紫外線は波長が 250〜450nm のもの
とされているが、この接着剤は硬化後もこの紫外線を受
けると光重合開始剤などの残留によりフリーラジカル崩
壊が進むので耐光性を期待できず、したがってペリクル
接着用としては耐光性の面で不満のものとなっている。
【0014】しかし、この接着剤として波長が 248nmの
KrFエキシマ線に対する耐光性がよく、波長が 200nm
以下の紫外線を照射したときにラジカルを発生させるよ
う物質、例えばシリコーン樹脂などを接着剤として選択
し、これをペリクル膜と本発明の方法によって接着すれ
ば非常に高い接着力をもち、かつ 248nmの紫外線に対し
て高い耐光性をもつペリクル膜を構成することができ
る。
【0015】また、本発明によるペリクルは前記したよ
うに波長 185nmの紫外線の透過率が70%以上であるパー
フルオロ非晶質高分子膜からなるペリクル膜と、波長 1
85nmの紫外線の透過率が30%以下であるペリクルフレー
ム用接着剤を使用し、このペリクルを通して接着剤層に
波長 185nmの紫外線を照射してこの界面にラジカルを発
生させ、これらを接着してなるものであるが、このパー
フルオロ非晶質高分子としてはテトラフルオロエチレン
と環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマ
ーとを共重合して得られる非晶質の含フッ素系重合体の
テフロンAF[米国デュポン社製商品名]という商品名
で市販されている式
【化1】 で示されるもの、またはサイトップCTXS[旭硝子(株)
製商品名]という商品名で市販されている式
【化2】 (m、nは正の整数)で示されるものなどが例示され
る。
【0016】なお、このフッ素系有機物からのペリクル
膜の製造は、この化合物をフッ素系の溶剤、例えばパー
フルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)やパーフル
オロ(2−プロピルテトラヒドロピラン)などを用いて
3〜10%の濃度に溶解したのち、スピンコーターやナイ
フコーターを用いる溶液キャスター法で成膜すればよい
が、この膜の厚さは 0.5〜10μm、好ましくは 0.8〜5
μmのものとすればよく、このものは実用的の面から光
の透過率が95%以上のものとされる。
【0017】このようにして作られたペリクル膜は安定
性がよく、使用中に黄変したり、亀裂を発生することが
なく、例えばg線(波長 436nm)、i線(波長 365n
m)、エキシマレーザー(KrFレーザー;波長 248n
m)の使用範囲である波長 210〜500nm においてもすぐ
れた透明性を示し、長時間使用しても透明の低下は認め
られないというものであることから、ペリクル膜として
もすぐれた物性を示すものである。
【0018】また、ここに使用されるペリクルフレーム
用接着剤としてはこれが波長 185nmの紫外線の透過率が
30%以下で、これに波長 185nmの紫外線が照射されたと
きにラジカルを発生するものとすることが必要とされる
ことから、これは例えば付加反応タイプのフッ素変性シ
リコーン接着剤X70-346P[信越化学工業(株)製]等を
使用すればよく、上記したパーフルオロ非晶質高分子膜
からなるペリクル膜を通してこの接着剤に波長 185nmの
紫外線を照射すればここにラジカルが発生するので、こ
のペリクル膜をこの接着剤によってペリクルフレームに
強固に接着させたペリクルを得ることができる。
【0019】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例 次式
【化3】 で示されるサイトップCTXSタイプ[旭硝子(株)製商品
名]をその溶剤CTsolv 180[旭硝子(株)製商品名]に
溶解し、濃度 6.0%の溶液を調製した。
【0020】ついでこの溶液を直径 200mm、厚さ3mmの
表面研磨した石英基板面に、スピンコーターを用いて膜
厚が0.84μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥
してペリクル膜を形成したところ、このものは紫外線透
過率が95%というものであった。他方、アルマイト処理
した 100× 100×5mm角のアルミニウムフレームからな
るペリクル枠の端面に接着剤として波長 254nm、 185nm
の紫外線の透過率が30%である付加反応タイプのフッ素
変性シリコーン接着剤X70-346P(前出)を厚さ1mmに塗
布し、 150℃で10分間加熱して硬化(加硫)させた。
【0021】ついで、このペリクル膜から 254nm、 185
nmという2つの波長を主な出力波長とする低圧水銀ラン
プ(25W×4本)からの紫外線をペリクル膜から20mm離
れた距離にある接着剤層に1時間照射し、照射後ペリク
ル膜と接着剤との間の剥離を行なったところ、接着面は
剥離せず膜が破れたので、ペリクル膜と接着剤との間の
接着力は実用上充分に強固であることが確認された。
【0022】比較例 比較のために実施例におけるペリクル膜と接着剤との接
着を、接着剤を硬化する前にペリクル膜と貼り合わせ、
これらを 150℃で10分間加熱してこれを硬化させて接着
させ、硬化後にペリクル膜と接着剤との間の剥離を行な
ったところ、ペリクル膜は容易に接着剤層から剥離され
た。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法でペリクル膜とペリクルフ
レーム用の接着剤とを接着すると、接着剤面にラジカル
が発生してここに接着力が生ずるのでペリクル膜と接着
剤層を強固に接着できてこれが剥離しないものとなる
し、この本発明によるパーフルオロ非晶質高分子膜製の
ペリクル膜はこの本発明の方法により接着剤と強固に接
着したものになるという有利性が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来公知のペリクル構造例の縦断面図を示した
ものである。
【符号の説明】
1…ペリクルフレーム 2…ペリクル膜 3…接着剤 4…粘着剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペリクル膜を接着剤を介してペリクルフ
    レームに接着するに際し、ペリクル膜と接着剤からなる
    2つの層の界面に紫外線を照射してこの2層の間に接着
    力を生じさせ、これらを接着することを特徴とするペリ
    クルの接着方法。
  2. 【請求項2】 ペリクル膜と接着剤層からなる2つの層
    を紫外線に対する透過率に差のあるものとし、紫外線を
    紫外線透過率の高い層側から紫外線透過率の低い層側に
    照射する請求項1に記載したペリクルの接着方法。
  3. 【請求項3】 使用する紫外線が紫外線透過率の低い層
    の面に十分なラジカルを発生させる程度に短波長のもの
    である請求項1または請求項2に記載したペリクルの接
    着方法。
  4. 【請求項4】 ペリクル膜を波長 185nmの光の透過率が
    70%以上であるパーフルオロ非晶質高分子膜からなるも
    のとし、これとペリクルフレームとを接着するための接
    着剤を波長 185nmの光の透過率が30%以下であるものと
    し、このペリクル膜を通して波長 185nmの光をペリクル
    フレーム用接着剤層に照射してペリクル膜をペリクルフ
    レームに接着してなることを特徴とするパーフルオロ非
    晶質高分子膜からなるペリクル。
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