JPH11248751A - コンタクトプローブおよびプローブ装置 - Google Patents

コンタクトプローブおよびプローブ装置

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JPH11248751A
JPH11248751A JP5545298A JP5545298A JPH11248751A JP H11248751 A JPH11248751 A JP H11248751A JP 5545298 A JP5545298 A JP 5545298A JP 5545298 A JP5545298 A JP 5545298A JP H11248751 A JPH11248751 A JP H11248751A
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pin
film
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contact probe
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JP5545298A
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English (en)
Inventor
Akira Tai
晶 戴
Toshinori Ishii
利昇 石井
Tatsuo Sugiyama
達雄 杉山
Hideaki Yoshida
秀昭 吉田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピン欠如部と隣合うコンタクトピンの根元部
が折れ曲がらず、オーバードライブを繰り返しても、コ
ンタクトピンの先端の高さ位置が変化しない。 【解決手段】 複数のパターン配線3がフィルム2上に
形成され、かつこれらのパターン配線3の各先端部がフ
ィルム2の先端から突出状態に配されてコンタクトピン
3aとされるコンタクトプローブ1において、被測定対
象物Iの端子電極P2の配置に応じて、フィルム2の一
部はピン欠如部104a〜d…となっており、各ピン欠
如部104a〜104dの、コンタクトピン3aの配列
方向の両端に、切込み線105a,105bがコンタク
トピン3aとほぼ平行にそれぞれ形成されている。オー
バードライブの際に、撓みにくいピン欠如部104a〜
104dの張力は、その両端の切込み線105a,10
5bで完全に遮断されて隣合うコンタクトピン3aの根
元部Kに伝わらず、根元部Kは折れ曲がらない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ICチップ
や液晶デバイス等の各端子にコンタクトピンをそれぞれ
接触させて電気的なテストを行うコンタクトプローブ、
およびこのコンタクトプローブを備えたプローブ装置
(プローブカード)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICチップやLSIチップ等の
半導体チップ又はLCD(液晶表示体)の各端子に接触
させて電気的なテストを行うためには、プローブ装置が
用いられている。このプローブ装置は、一般に、図11
および図12に示すように、複数のパターン配線3がフ
ィルム2上に形成されこれらのパターン配線3の各先端
部が前記フィルム2から突出状態に配されてされてコン
タクトピン3aとされる複数(本例では2つ)のコンタ
クトプローブ100,101を、図示しないメカニカル
パーツに組み込んで構成されるものである。詳述する
と、このメカニカルパーツは、マウンティングベース
と、トップクランプと、ボトムクランプとから構成さ
れ、先ず、プリント基板の上にトップクランプを取付
け、次に、複数のコンタクトプローブ100,101を
取り付けたマウンティングベースをトップクランプに取
り付ける。そして、ボトムクランプでコンタクトプロー
ブ100,101を押さえ込むことにより、パターン配
線3を一定の傾斜状態に保つことができる。
【0003】図11および図12に示したように、例え
ばコンタクトプローブ100,101を2つ備えたプロ
ーブ装置において、一方のコンタクトプローブ100の
各コンタクトピン3aは、被測定対象物I(例えばI
C)の一方側の複数の端子電極P1に接触するものであ
り、他方のコンタクトプローブ101の各コンタクトピ
ン3aは、前記被測定対象物Iの他方側の複数の端子電
極P2に接触するものである。前記プローブ装置を被測
定対象物Iに対して位置決めし、下降させてオーバード
ライブをかける(コンタクトピン3aが端子電極P1,
P2に接触してからさらに下方に向けて引き下げる)こ
とにより、コンタクトピン3aの先端で端子電極P1,
P2の表面の酸化膜を擦り、内部のアルミニウムを露出
させることができる。なお、このような動作をスクラブ
という。
【0004】そして、各コンタクトプローブ100,1
01は被測定対象物Iの端子電極P1,P2の配列に応じ
て固有のものが使用される。すなわち、被測定対象物I
の一方側には端子電極P1が等ピッチで配列され、他方
側においては端子電極P2は部分的に欠如し、非等ピッ
チで配列されている場合、これに対応して、プローブ装
置は、コンタクトピン3aが等ピッチで配列されている
コンタクトプローブ100および、フィルム2の先端部
の一部がコンタクトピンの存在しないピン欠如部104
a〜104dとなっており、コンタクトピン3aが非等
ピッチで配列されているコンタクトプローブ101を備
えている。なお、本例では、ピン欠如部104b,10
4c,104dはそれぞれ1本のコンタクトピンが欠如
しているものであり、ピン欠如部104bは2本のコン
タクトピンが欠如しているものを示している。また、ピ
ン欠如部104aとは、このピン欠如部104にコンタ
クトピンが存在すると仮定した場合、このコンタクトピ
ンと一方の隣のコンタクトピンとの中間と、前記このコ
ンタクトピンと他方の隣のコンタクトピンとの中間との
間のフィルム2の部分をいう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11およ
び図12に示したように、オーバードライブの際には、
フィルム2の先端部および各コンタクトピン3aは若干
撓み、各コンタクトピン3aの根元部がフィルム2の先
端より力を受けるが、ピン欠如部104a〜104dを
有するコンタクトプローブ100においては、このピン
欠如部104a〜104dがコンタクトピンを欠如され
ている分、ピン欠如部104a〜104dと隣合うコン
タクトピン3aの根元部Kに大きな力を受けるので、こ
のコンタクトピン3aはその根元部Kで折れ曲る恐れが
ある。
【0006】例えば、1本のコンタクトピンが欠如して
いるピン欠如部104aにおいて、本来この欠如してい
るコンタクトピンの根元部がピン欠如部104aから受
ける力を、このピン欠如部104と隣合う2本のコンタ
クトピン3aが半分づつ受け、この2本のコンタクトピ
ン3aの根元部Kは通常の1.5倍の力を受けることに
なる。このように、複数のコンタクトピン3aの針圧が
相違することにより、コンタクトプローブ100にかか
る荷重に偏りが生じ、結果的に、均一なコンタクトを図
れない。また、上述のような折れ曲がる現象は、コンタ
クトプローブ101のオーバードライブを繰り返すに伴
って顕著になり、コンタクトトピン3aの先端の高さ位
置が変化して、コンタクトの際にコンタクトピン3aの
位置ずれ(針跡のずれ)が生じ、このコンタクトピン3
aを端子電極P2に良好に接触させることが困難になる
という問題点がある。
【0007】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、ピン欠如部と隣合うコンタ
クトピンの根元部が折れ曲がることがなく、オーバード
ライブを繰り返しても、このコンタクトピンの先端の高
さ位置が変化せず、コンタクトピンを端子電極に良好に
接触させることができるコンタクトプローブおよびこの
コンタクトプローブを備えたプローブ装置を提供するこ
とを第1の目的としている。
【0008】また、一般に、コンタクトプローブの後端
部はボトムクランプとプリント基板との間で挟持される
ため、図13に示すように、コンタクトプローブのフィ
ルム2が反りやすくなって、このフィルム2の先端2b
が一直線状にならないとともに、フィルム2をコンタク
トピン3aの先端側から見た図14(図13中の矢印D
方向から見た図)において、フィルム2の先端2bがほ
ぼ正弦波を描くように変形する。すなわち、前記フィル
ム2の反りが発生して、平らにすることが困難となる。
このため、コンタクトピン3aの先端部の二次元方向
(フィルム2の面方向)の位置ずれや、高さ方向(フィ
ルム2の厚さ方向)の位置ずれが発生しやすく、結果的
に、コンタクトピン3aの位置精度をコンタクトプロー
ブの精度とおりに達成することが不可能となり、各コン
タクトピン3aの先端部を被測定対象物の端子電極に良
好に接触させることができないという問題点がある。な
お、図14において、符号Hは、前記正弦波の変曲点を
示している。
【0009】本発明の第2の目的は、フィルムの反り変
形を防止して、各コンタクトピンの先端部の位置ずれを
なくし、各コンタクトピンの先端部を被測定対象物の端
子電極に良好に接触させることができるコンタクトプロ
ーブおよびこのコンタクトプローブを備えたプローブ装
置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための本発明は、複数のパターン配線がフィルム上に
形成され、これらのパターン配線の各先端部が前記フィ
ルムの先端から突出状態に配されてコンタクトピンとさ
れるコンタクトプローブにおいて、前記フィルムの複数
の、隣合う2つのパターン配線間の部位の少なくとも一
箇所に、このパターン配線とほぼ平行に延びるような切
込みが形成されていることを特徴とするものである。こ
こで、被測定対象物の端子電極の配置に対応して、前記
フィルムの先端部の一部は前記コンタクトピンが存在し
ないピン欠如部となっており、前記ピン欠如部に前記切
込みが形成されている。
【0011】このような本発明においては、フィルムの
先端部の一部がピン欠如部となっているコンタクトプロ
ーブにおいて、ピン欠如部に切込みが形成されているの
で、オーバードライブの際に、ピン欠如部の張力は、切
込みにより隣合うコンタクトピンの根元部に伝わりにく
くなるので、この根元部にかかる力は低減する。
【0012】ここで、前記切込みを前記ピン欠如部の幅
方向両端にそれぞれ形成することにより、ピン欠如部の
張力は、その両端の切込みで完全に遮断されて隣合うコ
ンタクトピンの根元部に伝わらず、結果的に、フィルム
からコンタクトピン1本当りに作用する力は、コンタク
トピンが等ピッチに配列する場合と同様に均一になる。
また、前記切込みを形成する代わりに、前記フィルムの
前記ピン欠如部を除去することにより、万一、このピン
欠如部を挟んで隣合う2つのコンタクトピンの高さが異
なる場合でも、先に一方のコンタクトピンが被測定物に
コンタクトしたと同時に、他方のコンタクトピンが上方
に大きく持ち上げらることはなく、他方のコンタクトピ
ンを確実にコンタクトできる上に、このコンタクトのタ
イミングが先のコンタクトより大きく遅れることもな
い。
【0013】本発明のプローブ装置は、上記本発明のコ
ンタクトプローブを少なくとも1つ以上含む複数のコン
タクトプローブをメカニカルパーツに組み込んでなるプ
ローブ装置において、前記フィルムの先端部以外は前記
メカニカルパーツで押えられて撓まないので、前記切込
みや前記除去部は、前記フィルムの先端部の、前記メカ
ニカルパーツのマウンティングベースから突出する部位
に形成されていれば充分である。
【0014】上記第2の目的を達成するための本発明
は、前記切込みは、前記コンタクトプローブを前記コン
タクトピンの先端側から見た場合に、前記フィルムの変
曲点に形成されていることを特徴とするものである。こ
のような本発明においては、フィルムの張力は切込みの
部分で絶たれて、フィルムの反り変形は低減する。した
がって、コンタクトプローブをボトムクランプとプリン
ト基板との間で挟持する組立に際に、コンタクトプロー
ブを平らにすることができ、結果的に、コンタクトピン
の位置精度をコンタクトプローブの精度とおりに達成す
ることができる。
【0015】ここで、本発明の他のプローブ装置は、こ
のコンタクトプローブがメカニカルパーツに複数組み込
まれ、前記切込みは、前記フィルムの、前記メカニカル
パーツのボトムクランプから突出する部位に形成されて
いれば充分である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明のプローブ装置
の一実施形態例の要部(コンタクトピンの近傍)の平面
図である。
【0017】図1に示すように、本実施形態のプローブ
装置では、複数(本例では2つ)のコンタクトプローブ
1a,1のうち、一方のコンタクトプローブ1aは、図
10に示したコンタクトプローブ100と同様に、30
0本のコンタクトピン3aが等ピッチで形成されてお
り、他方のコンタクトプローブ1においては、図10に
示したコンタクトプローブ101と同様に、フィルム2
に、部分的にコンタクトピン3aが存在しないピン欠如
部104a〜104dがあり、30本のコンタクトピン
3aが非等ピッチで形成されている。
【0018】また、各ピン欠如部104a〜104d
の、コンタクトピン3aの配列方向の両端に、例えばカ
ッター(不図示)により切込みとしての切込み線(スリ
ット)105a,105b(その幅は微小である)がそ
れぞれ形成されているものである。切込み線105a,
105bは、コンタクトピン3aとほぼ平行に形成され
ているが、これに限らず、コンタクトピン3aに対して
若干斜めに形成してもよい。なお、プローブ装置は、2
つのコンタクトプローブ1a,1を備えるものに限ら
ず、他の複数(例えば後述する4つ)のコンタクトプロ
ーブを備えるものでもよい。
【0019】各コンタクトプローブ100,101は、
後述するメカニカルパーツ(治具)に、フィルム2がメ
カニカルパーツ(治具)のマウンティングベース30
(図9参照)より突出する形態で組み込まれるため、切
込み線105a,105bは、オーバードライブの際に
フィルム2の撓む部位である、前記突出する部位Tに形
成すれば充分である。また、本例のフィルム2は、図5
および図6(a)に示すように、金属フィルム(銅箔)
500およびポリイミド樹脂PIの2層フィルムからな
る。切込み線105a,105bは、例えばコンタクト
プローブの製造後にレーザービームをフィルム2に照射
することにより形成することができる。切込み線に代え
て、この切込み線よりも幅寸法の大きな切込み溝を形成
してもよい。その他の構成は図10に示したものと同一
である。なお、フィルム2の形態は図6(a)で示した
ものに限らず、図6(b)に示すような、ポリイミド樹
脂PIが金属フィルム(銅箔)500よりも長く、コン
タクトピン3a側に突出する形態のものでもよい。前記
切込み線105a,105bは、金属フィルム500お
よびポリイミド樹脂PIともに形成したり、あるいは、
ポリイミド樹脂PIは柔らかく撓みやすいので、前記切
込み線105a,105bを金属フィルム500のみに
形成してもよい。この場合、コンタクトプローブ1の全
体的な撓みを防止できる。
【0020】したがって、この第1の実施形態のコンタ
クトプローブ1において、各コンタクトピン3aを前記
被測定対象物Iの各端子電極P2にそれぞれ押圧するオ
ーバードライブの際に、ピン欠如部104a〜104d
の張力は、その両端の切込み線105a,105bで完
全に遮断されて隣合うコンタクトピン3aの根元部Kに
伝わらず、結果的に、フィルム2から各コンタクトピン
3aの根元部Kに作用する力は、コンタクトピンが等ピ
ッチに配列する場合と同様に均一になる。したがって、
従来のような、ピン欠如部104a〜104dと隣合う
コンタクトピン3aの根元部Kが折れ曲がらないので、
オーバードライブを繰り返しても、コンタクトピン3a
の先端の高さ位置が変化することはなく、コンタクトピ
ン3aを端子電極P2に良好にそれぞれ接触させること
ができる。
【0021】上記第1の実施形態では、ピン欠如部の、
コンタクトピンの配列方向の両端に切込み線をそれぞれ
形成したが、これに限らず、例えばピン欠如部の幅方向
中央に切込み線を形成してもよい。この場合、オーバー
ドライブの際に、ピン欠如部の張力は、切込み線により
隣合うコンタクトピンに伝わりにくくなるので、ピン欠
如部と隣合うコンタクトピンの根元部にかかる力は低減
する。これにより、ピン欠如部と隣合うコンタクトピン
はその根元部Kで折れ曲がりにくくなる。
【0022】図2は本発明の第2の実施形態を示す図で
ある。本実施形態では、切込み線を形成する代わりに、
フィルム2の前記ピン欠如部(図1中の符号104参
照)が除去されて矩形状の除去部107がそれぞれ形成
されているものである。この除去部107を形成する方
法の一例としては、フィルム2に、前記ピン欠如部10
4のみが覆われないようにマスキングを施した後、エッ
チングにより前記ピン欠如部104a〜104dの金属
フィルム(銅箔)を除去し、最後に、前記ピン欠如部1
04a〜104dのポリイミド樹脂にレーザービームを
照射して焼くことにより、除去部107を形成できる。
また、除去部107の形成方法の他の例としては、後述
するように金属フィルム(銅箔)にエッチングによりグ
ラウンドを形成するので、予めピン欠如部104a〜1
04dのポリイミド樹脂を除去しておいたフィルム2を
使用し、前記エッチングの際に、ピン欠如部104a〜
104dの金属フィルム(銅箔)を除去することが挙げ
られる。この場合、除去部107をコンタクトプローブ
の製造中に形成することができる。
【0023】このようなコンタクトプローブ1において
も、図1のものと同様に、各コンタクトピン3aを被測
定対象物Iの各端子電極P2にそれぞれ押圧するオーバ
ードライブの際に、除去部107がこれと隣合うコンタ
クトピン3aに力を何等影響を及ぼさないので、従来の
ような、コンタクトピン3aの根元部が折れ曲がること
がなくなるので、オーバードライブを繰り返しても、コ
ンタクトピン3aの先端の高さ位置が変化することはな
く、コンタクトピン3aを端子電極P2に良好にそれぞ
れ接触させることができる。
【0024】ここで、本発明に係わるコンタクトプロー
ブの詳細構造や製造方法について説明する。先ず、図3
乃至図9において、符号1はコンタクトプローブ、符号
2はフィルム、符号3はパターン配線を示している。本
実施形態のコンタクトプローブ1は、図3に示すよう
に、フィルム2の片面に金属で形成されるパターン配線
3を張り付けた構造となっており、前記フィルム2の端
部から前記パターン配線3の先端が突出してコンタクト
ピン3aとされている。なお、符号4は、後述する位置
合わせ穴である。
【0025】図4から図6を参照して、前記コンタクト
プローブ1の作製工程について工程順に説明する。な
お、図4はコンタクトプローブ1の製造方法を工程順に
示す要部断面図、図5はコンタクトプローブ1を示す平
面図、図6は図5のC−C線断面図である。
【0026】〔ベースメタル層形成工程〕まず、図4
(a)に示すように、ステンレス製の支持金属板5の上
に、Cu(銅)メッキにより、例えば厚さ25μmのベ
ースメタル層6を形成する。
【0027】〔パターン形成工程〕このベースメタル層
6の上にフォトレジスト層(マスク)7を形成した後、
図4の(b)に示すように、写真製版技術によりフォト
レジスト層7に所定のパターンのフォトマスク8を施し
て露光し、図4(c)に示すように、フォトレジスト層
7を現像して前記パターン配線3となる部分を除去して
残存するフォトレジスト層7に開口部(マスクされてい
ない部分)7aを形成する。なお、本実施形態において
は、フォトレジスト層7をネガ型フォトレジストによっ
て形成しているが、ポジ型フォトレジストを採用して所
望の開口部7aを形成しても構わない。
【0028】〔電解メッキ工程〕そして、図4(d)に
示すように、前記開口部7aに前記パターン配線3とな
るNiまたはNi合金層Nをメッキ処理により形成した
後、図4の(e)に示すように、フォトレジスト層7を
除去する。
【0029】〔フィルム被着工程〕次に、図4の(f)
に示すように、前記NiまたはNi合金層Nの上であっ
て、図3に示した前記パターン配線3の先端、すなわ
ち、コンタクトピン3aとなる部分以外に、前記フィル
ム2を接着剤2aにより接着する。このフィルム2は、
ポリイミド樹脂PIに金属フィルム(銅箔)500が一
体に設けられた二層テープである。このフィルム被着工
程の前までに、二層テープのうちの金属フィルム500
に、写真製版技術を用いて銅エッチングを施して、グラ
ウンド面を形成しておき、このフィルム被着工程では、
二層テープのうちのポリイミド樹脂PIを接着剤2aを
介して前記NiまたはNi合金層Nに被着させる。な
お、金属フィルム500は、銅箔に加えて、Niまたは
Ni合金等でもよい。
【0030】〔分離工程〕そして、図4の(g)に示す
ように、フィルム2とパターン配線3とベースメタル層
6とからなる部分を、支持金属板5から分離させた後、
Cuエッチングを経て、フィルム2にパターン配線3の
みを接着させた状態とする。 〔金コーティング工程〕次に、露出状態のパターン配線
3に、図4の(h)に示すように、Auメッキを施し、
表面にAuメッキ層Aを形成する。このとき、フィルム
2から突出状態とされた前記コンタクトピン3aでは、
全周に亙る表面全体にAu層Aが形成される。
【0031】図5は、前記コンタクトプローブ1(1
a)をICプローブとして所定形状に切り出したものを
示す図であり、図6は、図5のC−C線断面図である。
図5および図6に示すように、コンタクトプローブ1の
樹脂フィルム2には、コンタクトプローブ1(1a)を
固定するための孔9が設けられ、また、パターン配線3
から得られた信号を引き出し用配線10を介してプリン
ト基板20(図8参照)に伝えるための窓11が設けら
れている。
【0032】次に、図7から図9を参照して、前記コン
タクトプローブ1(1a)をメカニカルパーツ60に組
み込んでプローブ装置(プローブカード)70にする構
成について説明する。なお、本実施形態に係わるコンタ
クトプローブ1(1a)は、全体が柔軟で曲げやすいた
め、プローブ装置に組み込む際にフレキシブル基板とし
て機能する。
【0033】前記メカニカルパーツ60は、マウンティ
ングベース30と、トップクランプ40と、ボトムクラ
ンプ50とからなっている。まず、プリント基板20の
上にトップクランプ40を取付け、次に、複数(本例で
は4つ)のコンタクトプローブ1(1a)を取り付けた
マウンティングベース30をトップクランプ40にボル
ト穴41にボルト42を螺合させて取り付ける(図9参
照)。そして、ボトムクランプ50でコンタクトプロー
ブ1を押さえ込むことにより、パターン配線3を一定の
傾斜状態に保ち、該パターン配線3の先端に位置するコ
ンタクトピン3aをICチップIに押しつける。
【0034】図8は、組立終了後のプローブ装置70を
示している。図9は、図8のE−E線断面図である。樹
脂フィルム2の先端側は、前記下面32に当接して下方
に傾斜した状態で支持され、コンタクトピン3aはIC
チップIに接触している。
【0035】前記マウンティングベース30には、コン
タクトプローブ1の位置を調整するための位置決めピン
31が設けられており、この位置決めピン31をコンタ
クトプローブ1の前記位置合わせ穴4に挿入することに
より、パターン配線3とICチップIとを正確に位置合
わせすることができるようになっているコンタクトプロ
ーブ1に設けられた窓11の部分のパターン配線3に、
ボトムクランプ50の弾性体51を押し付けて、前記引
き出し用配線10をプリント基板20の電極21に接触
させ、パターン配線3から得られた信号を電極21を通
して外部に伝えることができるようになっている。
【0036】上記のように構成されたプローブ装置70
を用いて、ICチップIのプローブテスト等を行う場合
は、プローブ装置70をプローバーに装着するとともに
テスターに電気的に接続し、所定の電気信号をパターン
配線3のコンタクトピン3aからウェーハ上のICチッ
プIに送ることによって、該ICチップIからの出力信
号がコンタクトピン3aからテスターに伝送され、IC
チップIの電気的特性が測定される。
【0037】図10は本発明に係わるコンタクトプロー
ブの第3の実施形態の平面図である。このコンタクトプ
ローブ1は、図13に示した、コンタクトピン3aが等
ピッチで配列された従来例を改良したものであり、フィ
ルム2の複数の、隣合う2つのパターン配線3間の部位
に一つおきに、このパターン配線3とほぼ平行に延びる
ような切込み108a〜108f(切込み線)が形成さ
れているものである。
【0038】各切込み108a〜108fを形成する箇
所としては、フィルム2の反りを効果的になくすため
に、図14に示した変曲点Hの箇所が好ましいが、この
変曲点Hよりずれた位置でもよい。また、切込み108
a〜108fの形態としては、例えば、符号108a,
108b,108fで示すような単なる一直線状のもの
や、符号108d,108eで示すような破線状のもの
や、符号108cで示すようなフィルム2の先端部に切
込みを形成しないもの等を挙げることができる。ここ
で、切込み108dはほぼ円形状の小孔を一直線状に配
列したものであり、一方、切込み108eはほぼ矩形の
小孔を一直線状に配列したものであり、これら2つの形
態の切込み108d,108eのうち、小孔の部分から
フィルム2が破れにくくする観点から、円形状の小孔よ
り構成されるものの方が好ましい。また、前記切込み1
08a〜108fは、コンタクトプローブ1を製造後に
形成したり、あるいは、図4に示した製造プロセスにお
いて、パターンニングにより形成することもできる。
【0039】また、このコンタクトプローブ1は、図9
に示したように、ボトムクランプ50とプリント基板2
0との間に挟持されるものであるから、前記切込み10
8a〜108fは、ボトムクランプ50から突出する部
位に形成すれば充分である。そして、前記切込み108
a〜108fは、隣合う2つのパターン配線3間の部位
に一つおきに形成されているが、こうした理由は、切込
み108a〜108fによる撓みがコンタクトプローブ
全体1に波及せず、コンタクトピン3aの位置がずれな
いようにするためである。すなわち、切込み108a〜
108fの数が多すぎると、コンタクトプローブ1全体
が撓みやすくなるので、コンタクトプローブ1の大きさ
(コンタクトピン3aの本数)に応じて切込み108a
〜108fの本数を適宜設定する。
【0040】さらに、前記切込み108a〜108f
は、金属フィルム500およびポリイミド樹脂PIとも
に形成してもよく、また、ポリイミド樹脂PIは柔らか
く撓みやすいので、前記切込み108a〜108fは金
属フィルム500のみに形成してもよい。この場合、コ
ンタクトプローブ1の全体的な撓みを防止できる。
【0041】このような第3の実施形態においては、フ
ィルム2の張力は切込み108a〜108fの部分で絶
たれて、フィルム2の反り変形は低減する。このため、
コンタクトピン3aの先端部の二次元方向(フィルム2
の面方向)の位置ずれや、高さ方向(フィルム2の厚さ
方向)の位置ずれが発生しにくく、結果的に、各コンタ
クトピン3aの先端部を被測定対象物の端子電極に良好
に接触させることができる。また、フィルム2の表面積
は切込み108a〜108fの分だけ増大するので、フ
ィルム2の放熱効果が向上する。
【0042】なお、上記実施形態においては、コンタク
トプローブ1をプローブカードであるプローブ装置70
に適用したが、他の測定用治具等に採用しても構わな
い。例えば、ICチップを内側に保持して保護し、IC
チップのバーンインテスト用装置等に搭載されるICチ
ップテスト用ソケット等に適用してもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1および請求項2に記載の発明は、フィルムの先端
部の一部がピン欠如部となっているコンタクトプローブ
において、ピン欠如部に切込み線あるいは切込み溝が形
成されているので、オーバードライブの際に、撓みにく
いピン欠如部の張力は、切込みにより隣合うコンタクト
ピンに伝わりにくくなるので、ピン欠如部と隣合うコン
タクトピンの根元部にかかる力は低減する。結果的に、
コンタクトピンの根元部が折れ曲がりにくくなり、オー
バードライブを繰り返しても、コンタクトピンの先端の
高さ位置が変化することはなく、コンタクトピンを端子
電極に良好にそれぞれ接触させることができる。
【0044】また、温度や湿度等の変化によりフィルム
は伸縮する傾向にあるが、前記切込みにより、ピン欠如
部のフィルムの伸縮の影響が、ピン欠如部と隣合うコン
タクトピンにおよぼされにくくなって、このコンタクト
ピンの特に高さ方向の位置ずれを低減できる。さらに、
被測定物の端子電極の高さが不均一の場合、従来、位置
の高い端子電極に対応するコンタクトピンは破損しやす
かったが、本発明では、コンタクトピンを支持するフィ
ルムが変形しやすくなるので、前記破損を防止できる。
【0045】請求項3に記載の発明は、上記効果の他、
前記切込みを前記ピン欠如部の、コンタクトピンの配列
方向の両端にそれぞれ形成することにより、ピン欠如部
の張力は、その両端の切込みで完全に遮断されて隣合う
コンタクトピンの根元部に伝わらず、結果的に、フィル
ムからコンタクトピン1本当りに作用する力は、均一に
なって、コンタクトピンの根元部の折れ曲がりを確実に
防止できる。
【0046】請求項4に記載の発明は、上記効果の他、
万一このピン欠如部を挟んで隣合う2つのコンタクトピ
ンの高さが異なる場合でも、先に一方のコンタクトピン
が被測定物にコンタクトしたと同時に、他方のコンタク
トピンが上方に大きく持ち上げらることはなく、他方の
コンタクトピンを確実にコンタクトできる上に、このコ
ンタクトが先のコンタクトより大きく遅れることもな
い。請求項5に記載の発明は、フィルムの張力は切込み
の部分で絶たれて、フィルムの反り変形は低減する。こ
のため、コンタクトピンの先端部の二次元方向(フィル
ムの面方向)の位置ずれや、高さ方向(フィルムの厚さ
方向)の位置ずれが発生しにくく、結果的に、コンタク
トプローブの組み込み位置を調整することなく、各コン
タクトピンの先端部を被測定対象物の端子電極に良好に
接触させることができる。また、フィルムの表面積は切
込みの分だけ増大するので、フィルムの放熱効果が向上
する。
【0047】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4に記載のコンタクトプローブを備えたプローブ装
置を提供できる。請求項7に記載の発明は、請求項5に
記載のコンタクトプローブを備えたプローブ装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプローブ装置の一実施形態例の要部
(コンタクトピンの近傍)の平面図である。
【図2】 本発明のプローブ装置の他の実施形態例の要
部(コンタクトピンの近傍)の平面図である。
【図3】 本発明に係るコンタクトプローブを示す要部
斜視図である。
【図4】 本発明に係るコンタクトプローブの製造方法
を工程順に示す要部断面図である。
【図5】 本発明に係るコンタクトプローブを示す平面
図である。
【図6】 図5のC−C線断面図である。
【図7】 本発明に係るコンタクトプローブを組み込ん
だプローブ装置の一例を示す分解斜視図である。
【図8】 本発明に係るコンタクトプローブを組み込ん
だプローブ装置の一例を示す要部斜視図である。
【図9】 図8のE−E線断面図である。
【図10】 本発明のコンタクトプローブの第3の実施
形態の平面図である。
【図11】 従来のコンタクトプローブの問題点を説明
するための要部(コンタクトピンの近傍)の平面図であ
る。
【図12】 図11の側面図である。
【図13】 従来のコンタクトプローブの他の問題点を
説明するための平面図である。
【図14】 図13に示したフィルムをコンタクトピン
の先端側から見た図である。
【符号の説明】
I 被測定対象物(例えばIC) P1,P2 端子電極 PI ポリイミド樹脂 1,1a コンタクトプローブ 2 フィルム 3 パターン配線 3a コンタクトピン 5 基板層(支持金属板) 6 第1の金属層(ベースメタル層) 7 マスク(フォトレジスト層) 7a マスクされていない部分(開口部) 20 基板(プリント基板) 30 傾斜保持部材(マウンティングベース) 40 トップクランプ 50 ボトムクランプ 60 メカニカルパーツ 70 プローブ装置(プローブカード) 104a〜104d ピン欠如部 105a,105b,108a〜108f 切込み線
(切込み) 107 除去部 500 金属フィルム(銅箔)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 秀昭 兵庫県三田市テクノパーク十二番地の六 三菱マテリアル株式会社三田工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパターン配線(3)がフィルム
    (2)上に形成され、これらのパターン配線(3)の各
    先端部が前記フィルム(2)の先端から突出状態に配さ
    れてコンタクトピン(3a)とされるコンタクトプロー
    ブ(1)において、 前記フィルム(2)の複数の、隣合う2つのパターン配
    線(3)間の部位の少なくとも一箇所に、このパターン
    配線(3)とほぼ平行に延びるような切込み(105
    a,105b,108a〜108f)が形成されている
    ことを特徴とするコンタクトプローブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコンタクトプローブに
    おいて、被測定対象物(I)の端子電極(P2)の配置
    に対応して、前記フィルム(2)の先端部の一部は前記
    コンタクトピン(3a)が存在しないピン欠如部(10
    4a〜104d)となっており、前記ピン欠如部(10
    4a〜104d)に前記切込み(105a,105b)
    が形成されていることを特徴とするコンタクトプロー
    ブ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のコンタクトプローブに
    おいて、前記切込み(105a,105b)は、前記ピ
    ン欠如部(104a〜104d)の、コンタクトピン
    (3a)の配列方向の両端にそれぞれ形成されているこ
    とを特徴とするコンタクトプローブ。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のコンタ
    クトプローブ(1)において、前記切込み(105a,
    105b)を形成する代わりに、前記フィルム(2)の
    前記ピン欠如部(104a〜104d)が除去されて除
    去部(107)となっていることを特徴とするコンタク
    トプローブ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のコンタクトプローブ
    (1)において、前記切込み(108a〜108f)
    は、前記コンタクトプローブ(1)を前記コンタクトピ
    ン(3a)の先端側から見た場合に、前記フィルム
    (2)の変曲点(H)に形成されていることを特徴とす
    るコンタクトプローブ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のコンタクトプローブ(1)を少なくとも1つ以上
    含む複数のコンタクトプローブ(1,1a)がメカニカ
    ルパーツ(60)に組み込まれ、前記切込み(105
    a,105b)あるいは前記除去部(107)は、前記
    フィルム(2)の先端部の、前記メカニカルパーツ(6
    0)のマウンティングベース(30)から突出する部位
    (T)に形成されていることを特徴とするプローブ装置
    (70)。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項5に記載のコンタ
    クトプローブ(1)がメカニカルパーツ(60)に複数
    組み込まれ、前記切込み(108a〜108f)は、前
    記フィルム(2)の、前記メカニカルパーツ(60)の
    ボトムクランプ(50)から突出する部位に形成されて
    いることを特徴とするプローブ装置(70)。
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