JP3822724B2 - コンタクトプローブの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ICチップや液晶デバイス等の各端子にコンタクトピンをそれぞれ接触させて電気的なテストを行うコンタクトプローブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ICチップやLSIチップ等の半導体チップ又はLCD(液晶表示体)の各端子に接触させて電気的なテストを行うためには、プローブ装置が用いらられている。ここで、このようなプローブ装置に使用されるコンタクトプローブおよびその製造方法について順次説明する。
【0003】
図14に示すように、コンタクトプローブ1は、ポリイミド樹脂フィルム2の片面に金属で形成されるパターン配線3を張り付けた構造となっており、前記樹脂フィルム2の端部から前記パターン配線3の先端が突出してコンタクトピン3aとされている。なお、符号4はコンタクトプローブ1を図示しないベース部材に位置合せするための位置合わせ穴を示している。
【0004】
図15は上記コンタクトプローブ1の製造方法を工程順に示す要部断面図である。
〔ベースメタル層形成工程〕
先ず、図15(a)に示すように、Cu(銅)メッキにより、支持金属板5の上にベースメタル層6を形成する。
【0005】
〔レジストパターン形成工程〕
このベースメタル層6の上にフォトレジスト層7を形成した後、図15(b)に示すように、写真製版技術によりフォトレジスト層7に所定のパターンのフォトマスク8を施して露光し、図15(c)に示すように、フォトレジスト層7を現像して、フォトレジスト層7に前記パターン配線3となる部分を除去して開口部7aを形成する。ここで、図16はフォトレジスト層7の平面図(ハッチングを施した部分にフォトレジスト層7が存在する)であり、図15(c)および図16に示すように、フォトレジスト層7の各開口部7aはパターン配線3を形成するための空間であり、各開口部7aはそれぞれの一端(図16における右端)で開口している。この開口している理由は、後述するコーティング工程において、メッキ法によりパターン配線3に貴金属をコーティング処理する際の共通電極を設けるためである。
【0006】
〔電解メッキ工程〕
そして、図15(d)に示すように、前記開口部7aに前記パターン配線3となるNiまたはNi合金層Nをメッキ処理により形成した後、図15(e)に示すように、フォトレジスト層7を除去する。これにより、断面高縦横比(アスペクト比)の複数のパターン配線3が共通電極(不図示)に狭ピッチで接続された櫛状パターンが形成される。ここで、狭ピッチとは、ピッチが100μm以下の場合をいい、断面高縦横比(アスペクト比)とは、パターン配線3の断面における高さ寸法hと幅寸法Bとの比、すなわちh/Bを示し、これが1以上であると、断面縦横比が高いすなわち高アスペクト比であるという。
【0007】
〔フィルム被着工程〕
次に、図15(f)に示すように、前記NiまたはNi合金層Nの上であって、図14に示した前記パターン配線3の先端、すなわち、コンタクトピン3aとなる部分以外に、前記樹脂フィルム2を接着剤2aにより接着する。この樹脂フィルム2は、例えばポリイミド樹脂PIに金属フィルム(例えば銅箔)500が一体に設けられた二層テープである。
【0008】
〔分離工程〕
そして、図15(g)に示すように、樹脂フィルム2とパターン配線3とベースメタル層6とからなる部分を、支持金属板5から分離させた後、ベースメタル層6を取り除いて、樹脂フィルム2にパターン配線3のみを接着させた状態とする。
〔金コーティング工程〕
次に、前記櫛状パターンの共通電極を使用して、露出状態のパターン配線3に、図15(h)に示すように、Auメッキを施し、表面にAuメッキ層Aを形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特にLCD(液晶表示体)の高集積化および微細化に伴って、その端子が狭ピッチ化されるとともに、コンタクトピンの多ピン狭ピッチ化が要望されている。これに応じて、LCD用コンタクトプローブのパターン配線は、幅寸法が一様に小さく、断面高縦横比のものが要求される。このような狭ピッチおよび断面高縦横比のパターン配線をメッキにて作製する際に、図16に示したように、フォトレジスト層7の複数の規定パターン7bも同様に、狭ピッチおよび断面高縦横比を満たしていなければならない。ここで、前記規定パターン7bの断面縦横比とは、高さ寸法h(図15(c)参照)と幅寸法b(図15(c)参照)との比である。ところが、狭ピッチでありながら断面高縦横比を達成しようとすると、例えば図15(c)および図16に示すように、前記規定パターン7bの高さ寸法hおよびピッチP(図15(c)および図16参照)がそれぞれ100μmの場合、前記規定パターン7bの幅bは50μmしかなく(縦横比h/bは1)、前記規定パターン7bとベースメタル層(下地金属)との接触面積が小さくなる。
【0010】
その結果、図17に示すように、現像の際に、前記規定パターン7bが特に現像液により大きな衝撃を受けた場合、前記規定パターン7bの特に開口端側(自由端側)が部分的にベースメタル層6(下地金属)からはがれて、曲がり、結果的に、パターン配線3を所望のパターン通りにメッキすることができないという問題点がある。
【0011】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、狭ピッチで断面高縦横比のパターン配線を、設計通りにまっすぐにパターンニングできるコンタクトプローブの製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、フィルム上に、断面高縦横比の複数のパターン配線を並列に形成し、これらのパターン配線の各先端部を前記フィルムから突出状態に配してコンタクトピンとされるコンタクトプローブの製造方法であって、
ベースメタル層上の一部領域に、フォトレジスト層を形成した後、このフォトレジスト層に所定のパターンのフォトマスクを施して露光し、さらに、現像することにより、前記フォトレジスト層より、前記複数のパターン配線、各パターン配線の各後端よりそれぞれ延びる配線延長部、および各配線延長部が並列に接続される共通電極から構成される櫛状パターンとなる部分を除去するレジストパターン形成工程と、
前記フォトレジスト層の前記除去された部分に、前記櫛状パターンに供される金属層をメッキ処理して前記櫛状パターンを形成するメッキ処理工程と、
前記パターン配線上に、前記コンタクトピンに供される部分以外をカバーする前記フィルムを被着するフィルム被着工程と、
前記フィルムと前記パターン配線とからなる部分を、前記ベースメタル層から分離する分離工程と、
前記櫛状パターンの前記共通電極を利用して、前記パターン配線の表面に、貴金属をメッキしてコーティグするコーティング工程と、
前記パターン配線を、前記配線延長部より分離するために切断する切断工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の作用としては、レジストパターン形成工程において、露光後に、現像液により、フォトレジスト層から、複数のパターン配線、各パターン配線の各後端よりそれぞれ延びる配線延長部、および各配線延長部が並列に接続される共通電極から構成される櫛状パターンとなる部分を除去することにより、フォトレジスト層に、前記配線延長部を形成するための延長パターンが形成される。したがって、この延長パターンが現像液により衝撃を受けた場合でも、延長パターンの特に自由端側のみがベースメタル層からはがれて、曲がるにとどまり、配線パターンを形成するためのフォトレジスト層のパターンに、前記曲がりの影響が及ぼされない。そして、この曲がった延長パターンにより形成されたパターン配線の配線延長部を正規のパターン配線より分離する。
また、前記櫛状パターンの前記共通電極を利用して、一括して各パターン配線の表面に、貴金属をメッキしてコーティングできる。
【0014】
ところで、パターン配線の狭ピッチ化や現像能力(現像液の温度、圧力、現像時間等に依存する)を高めるほど、フォトレジスト層の延長パターンの特に自由端部がベースメタル層からはがれて大きく曲がる傾向にあり、場合によっては、この曲がった自由端部が隣の延長パターンに接触して、双方の延長パターン間が共通電極から遮断される等の不具合が発生することがある。このような不具合を解消するために、請求項2を採用することが好ましい。
すなわち、請求項2の発明のように、前記パターン配線の前記配線延長部を形成するための、前記フォトレジスト層の延長パターンの少なくとも一部を、前記パターン配線を形成するための規定パターンよりも幅広(補強部)にすることにより、この幅広部の分だけ延長パターンとベースメタルとの接着面積が高まるので、結果的に、延長パターンとベースメタル層との接着強度が高まって良好な密着状態を得ることができる。したがって、フォトレジスト層の規定パターンおよび延長パターンが現像液により大きな衝撃を受けても、延長パターンが若干曲がるにとどまり、隣接する延長パターンに接触しない。また、フォトレジスト層の前記規定パターンの位置ずれは皆無となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のコンタクトプローブの製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明のコンタクトプローブの製造方法の一実施形態に係わる、現像後のフォトレジストおよび櫛状パターンの平面図、図2は本発明のコンタクトプローブの製造方法の一実施形態に係わる、フォトマスクの平面図である。
〔ベースメタル層形成工程(第1の金属層形成工程)〕
まず、図15(a)に示すように、支持金属板5の上に、Cu(銅)メッキにより、例えば厚さ25μmのベースメタル層6を形成する。
【0016】
〔レジストパターン形成工程〕
このベースメタル層6上の一部領域にフォトレジスト層7を形成した後、図15(b)に示すように、写真製版技術によりフォトレジスト層7に、図2に示すような、複数の溝8aの後端が延長されて幅広の溝800〜805となっているフォトマスク8を施す。この後、露光し、さらに、図15(c)に示すように、フォトレジスト層7を現像することにより、図1に示すように、フォトレジスト層7より、断面高縦横比(断面縦横比が1以上)の複数のパターン配線3、各パターン配線3の各後端よりそれぞれ延びる配線延長部3b、および各配線延長部3bが並列に接続される共通電極Dから構成される櫛状パターンとなる部分を除去する。これにより、フォトレジスト層7には、各パターン配線3を形成するための規定パターン7bと、この規定パターン7bの後端よりそれぞれ延長する延長パターン700〜705が形成される。規定パターン7b間は従来と同様に開口部7aとなっている。
【0017】
延長パターン700〜705の一部としての自由端部(図1では右端部)は、規定パターン7bよりも幅広となっており、この幅広部の具体的な形態としては、符号700のような逆L字型のものや、符号701、703、704のように幅方向両側がテーパ状に徐々に拡大して矩形状の幅広部となるものや、符号702のようにほぼ円形のものや、符号705のように幅方向片側のみがテーパ状に徐々に拡大して矩形状の幅広部となるもの等が挙げられる。
【0018】
上述のように、本実施形態の製造方法では、パターン形成工程において、露光後に、現像液により、各規定パターン7b の後端に延長パターン700〜705をそれぞれ形成する。そして、延長パターン700〜705の後端の幅広部がベースメタル層6(下地金属)と大きな面積で良好に密着するので、断面高縦横比の規定パターン7bや延長パターン700〜705が現像液により大きな衝撃を受けても、ベースメタル層6からはがれたり曲がったりすることはなく、設計通りのパターン配線3を形成できる。
【0019】
上記実施形態では、延長パターン700〜705の自由端部が規定パターン7bよりも幅広になっているが、延長パターン700〜705の中途部を幅広にしてもよい。
また、延長パターンはその全長において規定パターン7bと同幅にしてもよい。この場合、延長パターンが現像液により大きな衝撃を受けても、延長パターンの特に自由端側のみがベースメタル層からはがれて、曲がるにとどまり、この曲がりの影響が規定パターンに及ぼされない。そして、この曲がった延長パターンにより形成されたパターン配線の配線延長部を正規のパターン配線より分離することより、曲がった前記配線延長部が製品に残らない。
なお、パターン配線の狭ピッチ化や現像能力(現像液の温度、圧力、現像時間等に依存する)を高めるほど、フォトレジスト層の延長パターンの特に自由端部がベースメタル層からはがれて大きく曲がる傾向にあり、場合によっては、この曲がった自由端部が隣の延長パターンに接触して、双方の延長パターン間が共通電極から遮断される等の不具合が発生することがある。この不具合は図1の実施形態のものでは生じないが、延長パターンをその全長において規定パターンと同幅にするものは、前記不具合を解消することはできないので、図1に示したものと比較して好ましくない。
【0020】
なお、本実施形態においては、フォトレジスト層7をネガ型フォトレジストによって形成して、フォトレジスト層7に、フォトマスク8によって覆われた部分に開口部を形成したが、これに限られず、ポジ型フォトレジストを採用して所望の開口部7aを形成しても構わない。ポジ型フォトレジストを採用する場合には、これに応じて、フォトマスクを図1に示したフォトレジストと同じパターンのものを用いる。
【0021】
〔電解メッキ工程〕
そして、図15(d)に示すように、フォトレジスト層7の前記除去された部分(開口部7aや、各延長パターン700〜705の間等)に、前記櫛状電極となる、NiまたはNi合金層Nをメッキ処理により形成した後、図15(e)に示すように、フォトレジスト層7を除去する。
【0022】
〔フィルム被着工程〕
次に、図15(f)に示すように、前記NiまたはNi合金層Nの上であって、図4に示すように、前記パターン配線3の先端、すなわち、コンタクトピン3aとなる部分以外に、前記樹脂フィルム2を接着剤2aにより接着する。この樹脂フィルム2は、ポリイミド樹脂PIに金属フィルム500が一体に設けられた二層テープである。このフィルム被着工程の前までに、二層テープのうちの金属フィルム500に、写真製版技術を用いて、グラウンド面を形成しておき、このフィルム被着工程では、二層テープのうちのポリイミド樹脂PIを接着剤2aを介して前記NiまたはNi合金層Nに被着させる。
【0023】
〔分離工程〕
そして、図15(g)に示すように、樹脂フィルム2とパターン配線3とベースメタル層6とからなる部分を、支持金属板5から分離させた後、ベースメタル層6を取り除いて、樹脂フィルム2にパターン配線3のみを接着させた状態とする。
【0024】
〔金コーティング工程〕
次に、前記共通電極Dを利用して、露出状態のパターン配線3や配線延長部3bに、図15(h)に示すように、Auメッキを施し、表面にAuメッキ層Aを形成する。このとき、樹脂フィルム2から突出状態とされた前記コンタクトピン3aでは、全周に亙る表面全体にAu層Aが形成される。
【0025】
〔切断工程〕
最後に、ICプローブ用(あるいはLCDプローブ用)の所定形状に切り出すとともに、正規のパターン配線3をその延長配線部3bより分離するために切断する(切断箇所は図1中の符号Kで示される)。
以上の工程により、図3および図4に示すような、樹脂フィルム2に、断面高縦横比(断面縦横比が1以上)のパターン配線3を狭ピッチ(ピッチが100μm以下)で接着させたコンタクトプローブ1が作製される。
【0026】
図3は、前記コンタクトプローブ1をICプローブとして所定形状に切り出したものを示す図であり、図4は、図3のC−C線断面図である。図3および図4に示すように、コンタクトプローブ1の樹脂フィルム2には、コンタクトプローブ1を固定するための孔9が設けられ、また、パターン配線3から得られた信号引き出し用配線10を介してプリント基板20(図6参照)に伝えるための窓11が設けられている。
【0027】
次に、図5乃至図7を参照して、前記コンタクトプローブ1をメカニカルパーツ60に組み込んでプローブ装置(プローブカード)70にする構成について説明する。なお、本実施形態に係るコンタクトプローブ1は、全体が柔軟で曲げやすいため、プローブ装置に組み込む際にフレキシブル基板として機能する。
【0028】
前記メカニカルパーツ60は、マウンティングベース30と、トップクランプ40と、ボトムクランプ50とからなっている。まず、プリント基板20の上にトップクランプ40を取付け、次に、コンタクトプローブ1を取り付けたマウンティングベース30をトップクランプ40にボルト穴41にボルト42を螺合させて取り付ける(図7参照)。そして、ボトムクランプ50でコンタクトプローブ1を押さえ込むことにより、パターン配線3を一定の傾斜状態に保ち、該パターン配線3の先端に位置するコンタクトピン3aをICチップIに押しつける。
【0029】
図6は、組立終了後のプローブ装置70を示している。図7は、図6のE−E線断面図である。樹脂フィルム2の先端側は、前記下面32に当接して下方に傾斜した状態で支持され、コンタクトピン3aはICチップIに接触している。
【0030】
前記マウンティングベース30には、コンタクトプローブ1の位置を調整するための位置決めピン31が設けられており、この位置決めピン31をコンタクトプローブ1の前記位置合わせ穴4に挿入することにより、パターン配線3とICチップIとを正確に位置合わせすることができるようになっている。コンタクトプローブ1に設けられた窓11の部分のパターン配線3に、ボトムクランプ50の弾性体51を押しつけて、前記引き出し用配線10をプリント基板20の電極21に接触させ、パターン配線3から得られた信号を電極21を通して外部に伝えることができるようになっている。
【0031】
上記のように構成されたプローブ装置70を用いて、ICチップIのプローブテスト等を行う場合は、プローブ装置70をプローバーに装着するとともにテスターに電気的に接続し、所定の電気信号をパターン配線3のコンタクトピン3aからウェーハ上のICチップIに送ることによって、該ICチップIからの出力信号がコンタクトピン3aからテスターに伝送され、ICチップIの電気的特性が測定される。
【0032】
なお、上記の実施形態においては、コンタクトプローブ1をプローブカードであるプローブ装置70に適用したが、他の測定用治具等に採用しても構わない。例えば、ICチップを内側に保持して保護し、ICチップのバーンインテスト用装置等に搭載されるICチップテスト用ソケット等に適用してもよい。
【0033】
次に、図8乃至図13を参照して、コンタクトプローブおよびプローブ装置の他の例について説明する。
このコンタクトプローブ200は、ICプローブ用として所定形状に切り出したコンタクトプローブ1(図3および図4参照)を、それに代えてLCD用プローブ用として所定形状に切り出して使用するものである。なお、符号201は樹脂フィルムである。
【0034】
図11に示すように、LCD用プローブ装置(プローブ装置)100は、コンタクトプローブ挟持体110と、このコンタクトプローブ挟持体110を額縁状フレーム120に固定してなる構造を有しており(実際には複数個のコンタクトプローブ挟持体110が取り付けられるがここでは1つのみを図示した)、このコンタクトプローブ挟持体110から突出したコンタクトピン3aの先端がLCD(液晶表示体)90の端子(図示せず)に接触するようになっている。
【0035】
図10に示すように、コンタクトプローブ挟持体110は、トップクランプ111とボトムクランプ115とを備えている。トップクランプ111は、コンタクトピン3aの先端を押さえる第一突起112、ドライバーICであるTABIC(回路)300側の端子301を押さえる第二突起113およびリードを押さえる第三突起114を有している。ボトムクランプ115は、傾斜板116、取付板117および底板118から構成されている。
【0036】
コンタクトプローブ200を傾斜板116の上に載置し、さらにTABIC300の端子301がコンタクトプローブ200の樹脂フィルム201,201間に位置するように載置する。その後、トップクランプ111を第一突起112が樹脂フィルム201の上でかつ第二突起113が端子301に接触するように乗せボルトにより組み立てる。
【0037】
図12に示すように、コンタクトプローブ200を組み込み、ボルト130によりトップクランプ111とボトムクランプ115を組み合わせることにより、コンタクトプローブ挟持体110が作製される。
【0038】
上記コンタクトプローブ挟持体110は、図13に示すように、ボルト131により固定されてLCD用プローブ装置100に組み立てられる。LCD用プローブ装置100を用いたLCD90の電気的テストは、LCD用プローブ装置100のコンタクトピン3aの先端をLCD90の端子(図示せず)に接触させた状態で、TABIC300を駆動させて種々のテスト用信号を送り、該信号に反応してコンタクトピン3aから得られた信号をTABIC300を通して外部に取り出すことにより行われる。なお、LCD90の場合は、ON−OFFのみがテストされるため、前記ICのテストに比べて、高周波特性は特に問題とされない。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したとおりに構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、レジストパターン形成工程において、露光後に、現像液により、フォトレジスト層から、複数のパターン配線、各パターン配線の各後端よりそれぞれ延びる配線延長部、および各配線延長部が並列に接続される共通電極から構成される櫛状パターンとなる部分を除去する際に、フォトレジスト層に、前記配線延長部を形成するための延長パターンが形成される。したがって、この延長パターンが現像液により衝撃を受けた場合でも、延長パターンの特に自由端側のみがベースメタル層からはがれて、曲がるにとどまり、配線パターンを形成するためのフォトレジスト層の規定パターンに、前記曲がりの影響が及ぼされない。そして、この曲がった延長パターンにより形成されたパターン配線の配線延長部を正規のパターン配線より分離することにより、結果的に、各パターン配線をそれぞれまっすぐに設計通りに形成できるという効果を奏する。
また、櫛状パターンの前記共通電極を利用して、一括して各パターン配線の表面に、貴金属をメッキしてコーティグできる。
【0040】
請求項2の発明のように、前記パターン配線の前記配線延長部を形成するための、前記フォトレジスト層の延長パターンの一部を、前記パターン配線を形成するための規定パターンよりも幅広(補強部)にすることにより、この幅広部の分だけ延長パターンとベースメタルとの接着面積が高まるので、延長パターンとベースメタル層との接着強度が高まって良好な密着状態を得ることができる。したがって、パターン配線の狭ピッチ化や現像能力を高めて、フォトレジスト層の規定パターンおよび延長パターンが現像液により大きな衝撃を受ける場合でも、延長パターンが若干曲がるにとどまり、隣接する延長パターンに接触しない。また、フォトレジスト層の前記規定パターンの位置ずれを確実に防止できる。
そして、本発明は、特に前記パターン配線の断面縦横比およびピッチがそれぞれ、1以上および100μm以下の場合に、上記効果をより発揮することができて、極めて有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンタクトプローブの製造方法の一実施形態に係わる、現像後のフォトレジストおよび櫛状パターン等の平面図である。
【図2】 本発明のコンタクトプローブの製造方法の一実施形態に係わる、フォトマスクの平面面図である。
【図3】 本発明に係るコンタクトプローブの一例を示す平面図である。
【図4】 図3のC−C線断面図である。
【図5】 本発明に係るコンタクトプローブの一例を組み込んだプローブ装置の一例を示す分解斜視図である。
【図6】 本発明に係るコンタクトプローブの一例を組み込んだプローブ装置の一例を示す要部斜視図である。
【図7】 図6のE−E線断面図である。
【図8】 本発明に係るコンタクトプローブの他の例を示す斜視図である。
【図9】 図8のA−A線断面図である。
【図10】 図8に示したコンタクトプローブ用のコンタクトプローブ挟持体を示す分解斜視図である。
【図11】 本発明に係わるコンタクトプローブの他の例を組み込んだプローブ装置を示す斜視図である。
【図12】 図8に示したコンタクトプローブ用のコンタクトプローブ挟持体を示す斜視図である。
【図13】 図10のB−B線断面図である。
【図14】 従来技術を説明するためのコンタクトプローブの要部斜視図である。
【図15】 従来技術および本発明を説明するための、コンタクトプローブの製造方法を工程順に示す要部断面図である。
【図16】 従来のコンタクトプローブの製造方法に係わる、現像後のフォトレジストの平面図である。
【図17】 従来のコンタクトプローブの製造方法における問題点を説明するための、現像後のフォトレジストの平面図である。
【符号の説明】
1 コンタクトプローブ
2 フィルム(樹脂フィルム)
3 パターン配線
3a コンタクトピン
3b 配線延長部
5 基板層(支持金属板)
6 第1の金属層(ベースメタル層)
7 フォトレジスト層
7a 開口部
7b 規定パターン
20 基板(プリント基板)
21 端子(電極)
30 傾斜保持部材(マウンティングベース)
70 プローブ装置(プローブカード)
100 プローブ装置
110 コンタクトプローブ挟持体
200 コンタクトプローブ
201 フィルム
300 回路(TABIC)
301 端子
500 金属フィルム
700〜705 延長パターン
D 共通電極
N 第2の金属層(NiまたはNi合金層)
K 切断箇所
Claims (3)
- フィルム(2,201)上に、断面高縦横比の複数のパターン配線(3)を並列に形成し、これらのパターン配線(3)の各先端部を前記フィルム(2,201)から突出状態に配してコンタクトピン(3a)とされるコンタクトプローブの製造方法であって、
ベースメタル層(6)上の一部領域に、フォトレジスト層(7)を形成した後、このフォトレジスト層(7)に所定のパターンのフォトマスク(8)を施して露光し、さらに、現像することにより、前記フォトレジスト層(7)より、前記複数のパターン配線(3)、前記各パターン配線(3)の各後端よりそれぞれ延びる配線延長部(3b)、および各配線延長部(3b)が並列に接続される共通電極(D)から構成される櫛状パターンとなる部分を除去するレジストパターン形成工程と、
前記フォトレジスト層(7)の前記除去された部分に、前記櫛状パターンに供される金属層(N)をメッキ処理して前記櫛状パターンを形成するメッキ処理工程と、
前記パターン配線(3)上に、前記コンタクトピン(3a)に供される部分以外をカバーする前記フィルム(2,201)を被着するフィルム被着工程と、
前記フィルム(2,201)と前記パターン配線(3)とからなる部分を、前記ベースメタル層(6)から分離する分離工程と、
前記櫛状パターンの前記共通電極(D)を利用して、前記パターン配線(3)の表面に、貴金属をメッキしてコーティグするコーティング工程と、
前記パターン配線(3)を、前記配線延長部(3a)より分離するために切断する切断工程と、
を備えていることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。 - 請求項1に記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記パターン配線(3)の前記配線延長部(3b)を形成するための、前記フォトレジスト層(7)の延長パターン(700〜705)の少なくとも一部は、前記パターン配線(3)を形成するための規定パターン(7b)よりも幅広になっていることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載のコンタクトプローブの製造方法において、前記パターン配線(3)の断面縦横比およびピッチはそれぞれ、1以上および100μm以下となっていることを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
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