JP4520689B2 - コンタクトプローブ、プローブ装置及びコンタクトプローブの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICやLSI等の半導体チップやLCD(液晶表示体)などの電子部品(測定対象物)の微細な電極端子にコンタクトピンを接触させることによって、電子部品の電気的な回路試験を行うために用いられるコンタクトプローブ及びプローブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなプローブ装置としては、プリント配線基板の基板側電極に接続される複数のパターン配線がフィルムの表面に被着され、かつ、フィルム先端部から突出するパターン配線の先端がコンタクトピンとされるコンタクトプローブを備えていて、これらコンタクトピンが斜め下方側に傾斜するように配設されて、測定対象物の各電極端子(パッド)に対して斜めに接触させられるようなものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、測定対象物の各電極端子の配置としては、測定対象物の周辺にのみ電極端子が形成された周辺配置タイプ、測定対象物の周辺に電極端子が千鳥状に形成された千鳥状配置タイプ、測定対象物の全面に電極端子が格子状に形成された面配置タイプなどがあるが、これらのうち、千鳥状配置タイプや面配置タイプの電極端子を有する測定対象物には、上記のような斜め下方側に向けてコンタクトピンを配設するタイプのコンタクトプローブを備えたプローブ装置で対応することが困難であった。
また、測定対象物とされる半導体チップやLCD等の高集積化及び小型化によって、これらに形成された各電極端子同士の間隔が狭ピッチ化されるのにともない、コンタクトプローブにおけるコンタクトピン同士の間隔も狭ピッチ化されてきているため、このような各電極端子に対して斜めにコンタクトピンを接触させるタイプのコンタクトプローブでは、そのコンタクトピンが各電極端子の周辺に形成された保護膜等に干渉してしまうおそれもあった。
【0004】
そのため、最近では、コンタクトピンを電極端子に対して斜めに接触させるのではなく、コンタクトピンを電極端子に対して垂直に接触させるように配設したコンタクトプローブを備えたプローブ装置が主流になってきているが、このような垂直タイプのコンタクトプローブを備えたプローブ装置では、パターン配線とプリント配線基板との接続性に関して問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、プリント配線基板へのパターン配線の接続性を損ねることなく、測定対象物の電極端子へのコンタクトピンのコンタクトを確実に行うことができるコンタクトプローブ、プローブ装置及びコンタクトプローブの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明によるコンタクトプローブは、複数のパターン配線がフィルムに被着された配線回路ユニットと、複数のコンタクトピンが絶縁層内に配列されて支持されるとともに、これらコンタクトピンの先端及び基端が前記絶縁層の両面のそれぞれに露出させられたコンタクトピンユニットとから構成され、前記パターン配線の先端と前記コンタクトピンの基端とがそれぞれ互いに接続可能に配されていることを特徴とするものである。
また、本発明によるプローブ装置は、本発明によるコンタクトプローブと、前記パターン配線が接続されたプリント配線基板とを備えていることを特徴とするものであり、とくに、前記コンタクトピンの先端が、測定対象物の電極端子に対して略垂直に配設されていることを特徴とするものである。
このような本発明では、測定対象物の電極端子(パッド)に接触させられるコンタクトピンを有するコンタクトピンユニットと、プリント配線基板へ接続されるパターン配線を有する配線回路ユニットとを別に構成してから互いに接続するようになっている。
そのため、コンタクトピンの先端を電極端子に対して略垂直に接触するように配設することができて、さまざまな電極端子の配置にも対応が可能となり、さらに、これらコンタクトピンに接続されるパターン配線を有する配線回路ユニットを適宜設計することによって、パターン配線のプリント配線基板への接続性も損ねてしまうことがない。
【0006】
また、前記コンタクトピンが板状とされているとともに、その厚み方向がこれらコンタクトピンの配列方向と一致させられていてもよい。
このような構成とすると、コンタクトピンを狭ピッチに製造する、すなわち、板状をなすコンタクトピンの厚みを薄くしたときであっても、コンタクトピンの幅を大きくすることによってその断面積を大きく確保することが可能となり、コンタクトピンの強度低下を招いたり、回路抵抗値を増加させてしまうことがない。加えて、コンタクトピンを板状に形成することによって、このコンタクトピンを複雑な形状にすることを容易に行うことができ、例えば、コンタクトピンの先端に段差吸収のためのバネ構造を付与することも容易に行える。
【0007】
また、前記絶縁層の両面のそれぞれに露出する前記コンタクトピンの先端及び基端の位置が、この絶縁層の延在方向で互いに異なっていてもよい。
このような構成とすると、コンタクトピンのレイアウトの自由度を高めて、さまざまな配置の電極端子を有する測定対象物であっても容易に対応することができる。
【0008】
また、前記絶縁層における前記コンタクトピンの基端が露出する面に、このコンタクトピンの基端の露出部分を除いて支持基材が設けられていてもよい。
このような構成とすると、コンタクトピンの基端とパターン配線の先端との接続性を阻害することなく、コンタクトピンユニットの強度を向上させることができる。
【0009】
本発明によるコンタクトプローブの製造方法は、前記配線回路ユニットの製造工程と前記コンタクトピンユニットの製造工程とを備え、このコンタクトピンユニットの製造工程は、支持板の上に形成された前記コンタクトピンの材質に被着または結合する材質の第1の金属層上にマスクを施して、マスクされていない部分に前記コンタクトピンとなる第2の金属層をメッキ処理により形成してから、前記マスクと前記第1の金属層を除去することによって前記コンタクトピンを形成する工程と、前記コンタクトピンの先端及び基端を互いに対向配置された一対の位置決め部材に形成された溝部内にそれぞれ嵌め込んで前記コンタクトピンを位置決めする工程と、これら一対の位置決め部材同士の間に絶縁材料を流し込んで固化する工程と、前記固化後に、前記一対の位置決め部材を除去することにより、前記複数のコンタクトピンを前記絶縁層内で配列して支持するとともに、これらコンタクトピンの先端及び基端を前記絶縁層の両面のそれぞれに露出させる工程とを有することを特徴とするものであり、このような製造方法を用いることによって、より狭ピッチでしかもパッドレイアウトに対して適応性があり、高周波特性のよいコンタクトピンユニットを備えたコンタクトプローブを製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面により説明する。
図1は本実施形態によるコンタクトプローブを示す概略斜視図、図2乃至図6は図1に示すコンタクトプローブの製造方法を示す概略説明図である。
本実施形態によるコンタクトプローブ10は、図1に示すように、配線回路ユニット20とコンタクトピンユニット30とから構成されている。
【0011】
配線回路ユニット20は、例えば、ポリイミド等の樹脂フィルム層とCu等の金属フィルム層との2層テープである略ホームベース形のフィルム22の上面側(樹脂フィルム層側)に、NiやNi合金等(後述するが、Cuでもよい)からなる複数のパターン配線23が被着された配線回路ユニット構成部材21を複数、例えば4つ有している。
これら4つの配線回路ユニット構成部材21はそれぞれ、フィルム22における幅狭となる先端部22aを内方側に向け、これら4つの先端部22a同士の間に略正方形状の開口部が形づくられるよう平面状に配置されて固定されている。
【0012】
4つのフィルム22にそれぞれ被着されているパターン配線23は、フィルム22における幅広の基端部では広いピッチで配列されているのに対し、フィルム22における幅狭の先端部22aでは狭ピッチで配列されていて、さらに、各パターン配線23の先端23aが、4つのフィルム22における幅狭の先端部22aから、上記の開口部内に向けて水平に突出させられている。
また、4つのフィルム22における幅広の基端部には、パターン配線23を後述するプリント配線基板55の基板側電極55aに接続するための窓部24が開口して形成されている。
【0013】
次に、コンタクトピンユニット30の構成を製造工程に基づいて図2〜図6によって説明する。
まず、図示せぬ支持板の上に、図2に示すような、例えばポリイミド等の樹脂フィルム層41とCu等の金属フィルム層42(第1の金属層)とからなる2層テープを、その金属フィルム層42を上側に向けて載置する。
そして、金属フィルム層42の上にフォトレジスト層(ネガ型フォトレジストとポジ型フォトレジストとのいずれでもよい)を形成した後、写真製版技術により、フォトレジスト層に所定のパターンのフォトマスクを施して露光し、フォトレジスト層を現像することにより、後述するコンタクトピン31となる部分を除去して残存するフォトレジスト層(マスク)に開口部を形成する。
【0014】
なお、本実施形態においては、上記のフォトレジスト層が、本願請求項にいう「マスク」に相当する。ただし、本願請求項の「マスク」とは、本実施形態のフォトレジスト層のように、フォトマスクを用いた露光・現像工程を経て開口部が形成されるものに限定されるわけではなく、例えば、メッキ処理される箇所にあらかじめ孔が形成されたフィルム等でもよい。
【0015】
次に、フォトレジスト層に形成された開口部に、コンタクトピン31となるNi層やNi合金層(第2の金属層)を電解メッキ処理により形成した後、フォトレジスト層を除去する。
その後、レーザーによって2層テープにおけるポリイミド等からなる樹脂フィルム層41を除去するとともに、エッチングによってCu等からなる金属フィルム層42を除去することにより、図2に示すようなコンタクトピン31が形成される。
【0016】
このようにして形成されたコンタクトピン31は、図2に示すように、先端31aと、基端31bと、これら先端31a及び基端31bをつなぐ接続部分31cとから構成された厚み10〜20μm程度の板状をなしており、接続部分31cの両端からそれぞれ互いに反対方向に向けて先端31aと基端31bとが突出するようなL字クランク板状となっている。
【0017】
次に、上記のコンタクトピン31を組み立てる際に用いられる一対の位置決め部材43,44を形成する。
まず、コンタクトピン31の製造工程と同じく、図示せぬ支持板の上に、例えばポリイミド等の樹脂フィルム層41とCu等の金属フィルム層42とからなる2層テープを、その金属フィルム層42を上側に向けて載置する。
そして、写真製版技術を用いたエッチングによって、図3に示すように、Cu等からなる金属フィルム層42を所定の形状に残存させてから、レーザーによって、ポリイミド等からなる樹脂フィルム層41を除去することにより、一対の位置決め部材43,44が形成される。
【0018】
このようにして形成された一対の位置決め部材43,44には、図3に示すように、それぞれの周辺部に、1列に配列された複数の溝部43a,44aを複数、例えば4列ずつ有しており、一方の位置決め部材43に形成された溝部43aは、上記のコンタクトピン31の基端31bを嵌め込み可能な大きさに設定され、かつ、他方の位置決め部材44に形成された溝部44aは、上記のコンタクトピン31の先端31aを嵌め込み可能な大きさに設定されている。
【0019】
そして、図4の上図に示すように、一対の位置決め部材43,44を対向して配置し、これらの間に複数のコンタクトピン31を挟み込んで、コンタクトピン31の基端31bを一方の位置決め部材43の溝部43aに嵌め込み、かつ、コンタクトピン31の先端31aを他方の位置決め部材44の溝部44aに嵌め込むことにより、複数のコンタクトピン31を位置決めして固定する。
その後、対向する位置決め部材43,44同士の間の隙間に、例えば接着材からなる絶縁材料を流し込んで固化することによって絶縁層32を形成した後、Cu等からなる位置決め部材43,44をエッチングによって除去することにより、図4の下図に示すような状態となる。
【0020】
すなわち、複数のコンタクトピン31が、絶縁層32内に4つの列に配列されて支持され(図4では4つの列のうちの1列のみを示している)ていて、コンタクトピン31における接続部分31cが絶縁層32内に埋設しているとともに、コンタクトピン31における基端31bが絶縁層32の上面から上方に突出して露出し、かつ、コンタクトピン31における先端31aが絶縁層32の下面から下方に突出して露出した状態となっている。
【0021】
なお、本実施形態においては、コンタクトピン31における接続部分31cを絶縁層32内に完全に埋設させるため、図5に示すように、一対の位置決め部材43,44を対向して配置し、これらの間に複数のコンタクトピン31を挟み込むときに、一対の位置決め部材43,44における互いに対向しあう面にシート状の接着材32b,32bをそれぞれ貼り付け、複数のコンタクトピン31を位置決めして予備的に固定してから、シート状の接着材32b,32b同士の間に形成された隙間に接着材32aを流し込んで固化することによって、絶縁層32を形成するようにしている。
【0022】
また、複数のコンタクトピン31が絶縁層32で支持されている状態では、複数のコンタクトピン31が配列されて構成された4つの列について、同じ列に配列された複数のコンタクトピン31の厚み方向がこれらのコンタクトピン31の配列方向と一致するようになっており、また、同じ列に配列される複数のコンタクトピン31間のピッチは、30〜50μmに設定されている。
【0023】
さらに、コンタクトピン31が、先端31aと基端31bとをつなぐ接続部分31cを有するL字クランク板状をなしていることから、絶縁層32の上面に露出するコンタクトピン31の基端31bの位置と、絶縁層32の下面に露出するコンタクトピン31の先端31aの位置とが、この接続部分31cの長さの分だけ、絶縁層32の延在方向でずらされており、具体的には、コンタクトピン31の先端31aの方がコンタクトピン31の基端31bよりもコンタクトピンユニット30の内方側(中央部側)にずれている。
【0024】
最後に、図6に示すように、絶縁層32におけるコンタクトピン31の基端31bが突出して露出している上面に対して、これらコンタクトピン31の基端31bが露出する部分に対応するように開口する窓部33aが形成された例えばセラミックスからなる絶縁性の支持基材33を設けることにより、図1に示すようなコンタクトピンユニット30が製造される。
【0025】
このような構成とされた配線回路ユニット20とコンタクトピンユニット30とからなるコンタクトプローブ10は、図7に示すように、上押板51と下押板52との間に、電極押しゴム53、絶縁シート54及びプリント配線基板55と一体に、止めねじ56で組み付けられてプローブ装置とされる。
このとき、配線回路ユニット20におけるパターン配線23が、電極押しゴム53によって押し付けられることにより、フィルム22に形成された窓部24を介して、プリント配線基板55の基板側電極55aにそれぞれ接続されている。
【0026】
そして、配線回路ユニット20における4つのフィルム22に被着されたパターン配線23が、コンタクトピンユニット30における4列に配列されたコンタクトピン31とそれぞれ対応するようにして、フィルム22の先端部22aから突出するパターン配線23の先端23aと、コンタクトピンユニット30における支持基材33の窓部33aに露出しているコンタクトピン31の基端31bとが互いに接続されている。
【0027】
ここで、コンタクトピン31は、先端31aと基端31bとをつなぐ接続部分31cを有していることから、コンタクトピン31の基端31bの位置に対して、コンタクトピン31の先端31aの位置が、コンタクトピンユニット30の内方側(プローブ装置の内方側)にずれている。
さらに、配線回路ユニット20の各パターン配線21は、水平に配置されているのに対して、コンタクトピン31の先端31aは、コンタクトピンユニット30における絶縁層32の下面から下方側に突出するように配されており、このコンタクトピン31の先端31aが、測定対象物の各電極端子(パッド)に対して略垂直に接触するように配設されている。
【0028】
このような構成とされた本実施形態によれば、測定対象物の電極端子に接触させられるコンタクトピン31を有するコンタクトピンユニット30と、プリント配線基板55の基板側電極55aへ接続されるパターン配線23を有する配線回路ユニット20とを別に構成してから互いに接続するようになっている(本実施形態では、端子間接続しているが、ワイヤボンディング等の接続手段を用いても構わない)。
【0029】
そのため、コンタクトピン31の先端31aを測定対象物の電極端子に対して略垂直に接触するように配設することが可能となっているのであり、本実施形態で説明したような、例えば周辺配置タイプの電極端子を有する測定対象物に適用されるコンタクトプローブ10及びプローブ装置だけでなく、コンタクトピンユニット30を積層構造にするなどの工夫によって、さまざまな電極端子の配置(例えば千鳥状配置タイプや面配置タイプ)にも容易に対応することができる。
しかも、これらコンタクトピン31に接続されるパターン配線23を有する配線回路ユニット20を適宜設計することによって、パターン配線23のプリント配線基板55の基板側電極55aへの接続性も損ねてしまうことがない。
【0030】
また、水平に配置された配線回路ユニット20が、パターン配線23が被着された面を上方側に向けるように配置されていることによって、コンタクトピン31の直近に位置するパターン配線23上に、電子部品を搭載することができる。
このため、コンタクトピン31の直近に、バイパスコンデンサや整合回路等の電子部品を搭載して、高周波用途デバイス測定に必要な回路構成をとることが可能となり、高周波特性に優れたプローブ装置が得られる。
【0031】
ここで、測定対象物の各電極端子に接触させられるコンタクトピン31が、配線回路ユニット20におけるパターン配線23と別体になっていることから、パターン配線31を、NiやNi合金等ではなく、Cuで構成することによって、導電特性を良好にでき、また、回路構成も、配線回路ユニット20におけるフィルム22の厚みをコントロールすることによって、従来よりも、インピーダンスマッチングがとりやすくなるので、このような構成を採用したならば、より高周波特性に優れたプローブ装置を得ることが可能である。
【0032】
また、コンタクトピン31が板状とされていて、その厚み方向がこれらのコンタクトピン31の配列方向と一致させられていることから、板状をなすコンタクトピン31を30〜50μm間隔の狭ピッチに配列して、その厚みを10〜20μmのように薄くしたときであっても、コンタクトピン31の幅を大きくすることによって断面積を大きく確保することが可能となり、コンタクトピン31の強度低下を招いたり、回路抵抗値の増加を招いたりすることがなくなる。
加えて、コンタクトピン31を板状に形成したことによって、このコンタクトピンを複雑な形状にすることも容易に可能となるのであり、例えば、コンタクトピン31において電極端子に接触する先端31aを、略C字型の部分を有する板状に形成して、電極端子への接触時における段差を吸収するためのバネ構造をコンタクトピン31に付与することもできる。
【0033】
さらに、コンタクトピン31の先端31a及び基端31bの位置が絶縁層32の延在方向で互いに異なり、コンタクトピン31の先端31aの位置の方が、コンタクトピン31の基端31bの位置よりもコンタクトピンユニット30の内方側(中央部側)に寄せられているため、パターン配線23の先端23aとコンタクトピン31の基端31bとの接続部分が、測定対象物の電極端子に接触するコンタクトピン31の先端31bよりもプローブ装置の外方側に寄っていることになる。
これにより、配線回路ユニット20における各配線回路ユニット構成部材21のフィルム22の先端部22a同士が、互いに干渉してしまうようなおそれをなくすことができ、かつ、コンタクトピン31のレイアウトの自由度を高めて、さまざまな配置の電極端子を有する測定対象物であっても容易に対応することができる。
【0034】
また、コンタクトピンユニット30には、絶縁層32の上面に対し、コンタクトピン31の基端31bが突出して露出する部分を除くようにして、支持基材33が設けられていることから、コンタクトピン31の基端31bとパターン配線23の先端23aとの接続性を阻害することなく、その他の接続に関係のない部分における絶縁性をより高めるとともに、コンタクトピンユニット30の強度を向上させることができる。
【0035】
そして、本実施形態では、上述したような製造工程を経て、複数のコンタクトピン31や一対の位置決め部材43,44が形成されて、これら複数のコンタクトピン31が一対の位置決め部材43,44によって精度良く組み立てられることから、上述したように、コンタクトピン31の厚みが10〜20μmに設定され、かつ、配列されたコンタクトピン31間のピッチが30〜50μmの狭ピッチに設定されたコンタクトピンユニット30を容易に製造することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、測定対象物の電極端子に接触させられるコンタクトピンを有するコンタクトピンユニットと、プリント配線基板へ接続されるパターン配線を有する配線回路ユニットとを別に構成してから互いに接続してコンタクトプローブを構成するようになっていることから、コンタクトピンの先端を電極端子に対して略垂直に接触するように配設することができて、さまざまな電極端子の配置にも対応が可能となるのに加えて、これらコンタクトピンに接続されるパターン配線を有する配線回路ユニットを適宜設計することによって、パターン配線のプリント配線基板への接続性も損ねることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態によるコンタクトプローブを示す概略斜視図である。
【図2】 図1に示すコンタクトプローブの製造方法を示す概略説明図である。
【図3】 図1に示すコンタクトプローブの製造方法を示す概略説明図である。
【図4】 図1に示すコンタクトプローブの製造方法を示す概略説明図である。
【図5】 図1に示すコンタクトプローブの製造方法を示す概略説明図である。
【図6】 図1に示すコンタクトプローブの製造方法を示す概略説明図である。
【図7】 本実施形態によるプローブ装置を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 コンタクトプローブ
20 配線回路ユニット
22 フィルム
23 パターン配線
23a パターン配線の先端
30 コンタクトピンユニット
31 コンタクトピン
31a コンタクトピンの先端
31b コンタクトピンの基端
32 絶縁層
33 支持基材
Claims (5)
- 複数のパターン配線がフィルムに被着された配線回路ユニットと、
クランク板状の形状で配列方向の厚みが10〜20μmの複数のコンタクトピンが30〜50μmのピッチで絶縁層内に固定して配列されて支持されるとともに、前記複数のコンタクトピンの先端及び基端が測定対象物の電極端子に対して略垂直の向きで前記絶縁層の両面のそれぞれに露出させられ、当該先端及び基端の位置が前記絶縁層の前記配列方向と直交する延在方向で互いに異なっているコンタクトピンユニットと、から構成され、
前記パターン配線の先端と前記コンタクトピンの基端とがそれぞれ互いに接続していることを特徴とするコンタクトプローブ。 - 請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コンタクトピンの厚み方向がこれらコンタクトピンの配列方向と一致させられていることを特徴とするコンタクトプローブ。 - 請求項1または請求項2に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記絶縁層における前記コンタクトピンの基端が露出する面に、このコンタクトピンの基端の露出部分を除いて支持基材が設けられていることを特徴とするコンタクトプローブ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンタクトプローブと、前記パターン配線が接続されたプリント配線基板とを備えていることを特徴とするプローブ装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンタクトプローブの製造方法であって、
前記配線回路ユニットの製造工程と前記コンタクトピンユニットの製造工程とを備え、このコンタクトピンユニットの製造工程は、
支持板の上に形成された前記コンタクトピンの材質に被着または結合する材質の第1の金属層上にマスクを施して、マスクされていない部分に前記コンタクトピンとなる第2の金属層をメッキ処理により形成してから、前記マスクと前記第1の金属層を除去することによって前記コンタクトピンを形成する工程と、
前記コンタクトピンの先端及び基端を互いに対向配置された一対の位置決め部材に形成された溝部内にそれぞれ嵌め込んで前記コンタクトピンを位置決めする工程と、
これら一対の位置決め部材同士の間に絶縁材料を流し込んで固化する工程と、前記固化後に、前記一対の位置決め部材を除去することにより、前記複数のコンタクトピンを前記絶縁層内で固定して配列して支持するとともに、これらコンタクトピンの先端及び基端を前記絶縁層の両面のそれぞれに露出させる工程とを有することを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
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