JP2001330625A - コンタクトプローブおよびそれを備えたプローブ装置並びにコンタクトプローブの製造方法 - Google Patents

コンタクトプローブおよびそれを備えたプローブ装置並びにコンタクトプローブの製造方法

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JP2001330625A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面配置端子に対応でき、オーバードライブ時
にコンタクトピンが撓む向きが同じで隣同士が誤接触し
ないプローブ装置を提供する。 【解決手段】 複数のパターン配線3がフィルム2上に
形成されこれらのパターン配線3の各先端が前記フィル
ム2から突出状態に配されてコンタクトピン3aとされ
る複数のコンタクトプローブ1を、それらのコンタクト
ピン3aの軸線が測定対象物Pの接触面Paに対して略
垂直となるように配設し、且つそれらのフィルム2の各
面間に間隔を設けて並設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブピンやソ
ケットピン等として用いられ、半導体ICチップや液晶
デバイス等の各端子に接触して電気的なテストを行うコ
ンタクトプローブおよびこれを備えたプローブ装置(プ
ローブカード)に関し、より詳しくは、フリップチップ
等の面配置端子のウェーハ上のICを検査するためのも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICチップやLSIチップ等の
半導体チップ又はLCD(液晶表示体)の各端子に接触
させて電気的なテストを行うために、プローブカードが
用いられている。
【0003】この種のプローブカードとしては、従来よ
り図14に示すものが知られている。すなわち、このプ
ローブカードは、ガラスエポキシ板のカードの測定位置
に開孔部が設けられ、この位置にコンタクトピン(針)
が突き出す形で設けられている。針の材質としては、一
般に摩耗度が小さいタングステン(W)材が用いられて
いる。この図に示すプローブカードは、コンタクトピン
が斜め下方に向けて延出された板バネ状のもので、水平
ニードル型と呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13に示
すように、プローブカードによる検査の対象となる端子
としては、チップの周辺にのみ端子電極が形成される周
辺配置端子と、チップの全面に亘り端子電極が形成され
る面配置端子とがある。ここで、前記水平ニードル型プ
ローブカードは、周辺配置端子には対応できるものの、
面配置端子には対応できず、また、多ピン化にも限界が
あった。また、水平ニードル型プローブカードは、コン
タクトピンの全長が約40〜30mmと長いため、検査
速度に限界があった。
【0005】そこで、上記水平配置型に代えて、図15
に示す垂直配置型のものが考えられている。この垂直ニ
ードル型プローブカードによれば、面配置端子にも対応
でき、多ピン化が実現できる上に、コンタクトピンの長
さが約11〜7.5mmと比較的短いため、検査速度の
問題も改善される。
【0006】しかしながら、垂直配置型のものには、以
下のような問題があった。すなわち、従来より、コンタ
クトピンの各々の全長に多少のズレがある場合、長短全
数のコンタクトピンを各端子に接触させるには、長いコ
ンタクトピンをオーバードライブ(コンタクトピンが端
子に接触してからさらに下方に向けて引き下げる)時に
撓ませ、これにより、短いコンタクトピンをも端子に接
触させて、長短全数の接触を確保している。
【0007】ここで、上記のプローブカードは、コンタ
クトピンの材質がタングステンで高剛性であるため、オ
ーバードライブ時に長いコンタクトピンが十分に撓ま
ず、短いコンタクトピンの端子への接触が不確実であ
り、特に、垂直ニードル型は、コンタクトピンが端子に
対して略垂直に当接するため、一層撓み難いという問題
があった。
【0008】また、上記のタングステン製コンタクトピ
ンは、柔軟性に欠けることから撓んだときに、撓む向き
が一定ではなく、その結果、隣接するコンタクトピン同
士が誤って接触してしまう可能性があった。また、上記
ニードル型のものは、コンタクトピンの組み込みに加え
て、各ピンの高さおよび位置合わせを手作業で行わなけ
ればならず非常に困難である上に、タングステン針の径
の限界から多ピン狭ピッチ化への対応が困難であった。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下のコンタクトプローブおよびそれを備えたプ
ローブ装置を提供することを目的としている。 面配置端子に対応できること。 コンタクトピンの全長が短く、検査速度が速いこと。 多ピン狭ピッチ化に対応できること。 オーバードライブ時にコンタクトピンが撓み易いこ
と。 コンタクトピンの撓む向きを一定に調整できること。 高周波特性に優れること。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載のプローブ装置では、複数のパターン配線がフィ
ルム上に形成されこれらのパターン配線の各先端が前記
フィルムから突出状態に配されてコンタクトピンとされ
る複数のコンタクトプローブを、それらのコンタクトピ
ンの軸線が測定対象物の接触面に対して略垂直となるよ
うに配設し、且つそれらのフィルムの各面間に間隔を設
けて並設した技術が採用される。
【0011】このプローブ装置では、フィルムからコン
タクトピンが突出状態に配されてなるコンタクトプロー
ブを、複数備え、それらのコンタクトピンの軸線が測定
対象物の接触面に対して略垂直となるように配設し、且
つそれらのフィルム間に間隔を設けつつ並設したので、
面配置端子にも対応でき、多ピン化を実現することがで
きる。この場合、フィルム上に形成されるパターン配線
(コンタクトピン)の材質を例えばNiまたはNi合金
とすれば、コンタクトピンが略垂直に配設されてもな
お、撓み易く、これにより、長短全ピンの端子に対する
接触を確保することができる。
【0012】請求項2記載のコンタクトプローブでは、
請求項1記載のプローブ装置を構成するコンタクトプロ
ーブであって、前記複数のコンタクトピンは、座屈荷重
を受けたときにその曲がる向きが略一定にされている技
術が採用される。
【0013】このコンタクトプローブでは、オーバード
ライブ時にコンタクトピンが座屈荷重を受けて撓むとき
に、その曲がりの向きが略一定となるため、隣同士のコ
ンタクトピンが誤接触することがない。
【0014】請求項3記載のコンタクトプローブでは、
請求項1または2記載のコンタクトプローブにおいて、
前記複数のコンタクトピンは、その軸線方向における座
屈点の位置が略一定にされている技術が採用される。
【0015】このコンタクトプローブでは、コンタクト
ピンが撓むときに、コンタクトピンの座屈点の位置が略
一定となるため、隣同士のコンタクトピンが誤接触する
ことがない。
【0016】請求項4記載のコンタクトプローブでは、
請求項2または3記載のコンタクトプローブにおいて、
前記複数のフィルムにおける前記パターン配線が形成さ
れた面の裏側の面には、金属薄板が設けられ、前記コン
タクトピンの軸線方向特定位置の裏側に位置する前記金
属薄板には、ハーフエッチングが施されている技術が採
用される。
【0017】このコンタクトプローブでは、金属薄板を
所定の位置に所定の量だけハーフエッチングすることに
より、コンタクトピンの撓む向きおよび撓む位置を同じ
くすることができる。また、ハーフエッチング処理をし
ないものに比べて、より少ない座屈荷重で撓み易くなる
ため、長短全ピンの端子に対する接触を確保することが
できる。この場合、ハーフエッチングした箇所におい
て、オーバードライブ時にコンタクトピンに生じる歪を
逃がし、それ以外の箇所での座屈(撓み)の発生が防止
される。また、コンタクトピン自体をハーフエッチング
すると、強度が弱くなり折損するおそれがあるが、本発
明ではそのおそれがない。なお、金属薄板は、後述する
グラウンドとして用いることができる。
【0018】請求項5記載のコンタクトプローブでは、
請求項2から4のいずれかに記載のコンタクトプローブ
において、前記複数のフィルムは、各フィルムにおける
前記パターン配線が形成された面が一定の向きに並設さ
れ、且つ前記フィルムには、前記パターン配線の軸線と
略直交する向きの打ち抜き領域が設けられている技術が
採用される。
【0019】このコンタクトプローブでは、パターン配
線が形成されるフィルム面の他の領域に比べて、打ち抜
き領域でパターン配線を支持する力が弱まるため、オー
バードライブ時に、パターン配線(コンタクトピン)
は、打ち抜き領域の箇所において撓むことになる。これ
により、撓む位置を一定にでき、かつ撓み易くすること
ができる。また、フィルムのパターン配線を支持する力
は、打ち抜き領域で略一定に弱まるため、パターン配線
の撓み量をも略一定にすることができる。
【0020】請求項6記載のコンタクトプローブでは、
請求項2から5のいずれかに記載のコンタクトプローブ
において、前記複数のフィルムは、前記パターン配線の
軸線と略直交する向きの仮想線を中心として同じ向きに
折曲されている技術が採用される。
【0021】このコンタクトプローブでは、フィルムを
パターン配線と略直交する向きの仮想線において、治具
を用いて折曲げ、フィルムを弾性変形させる。これによ
り、オーバードライブ時にコンタクトピンは、フィルム
の仮想線を中心として折曲し、長短全ピンの接触を確保
することができる。なお、フィルムを折曲させる場合、
伝送線路であるパターン配線が大きく折曲されると、反
射雑音が生じ高周波特性が悪くなるため、折曲はより小
さい方が良く、できれば滑らかな曲線状である方が良い
ことが分かっている。
【0022】請求項7記載のプローブ装置では、請求項
2から6のいずれかに記載のコンタクトプローブを備え
たプローブ装置において、前記複数のコンタクトプロー
ブは、各フィルムの両面側から一対の支持体により支持
され、前記一対の支持体のうちの一方は、他方に比べて
前記パターン配線の軸線方向の長さが長い技術が採用さ
れる。
【0023】このプローブ装置では、コンタクトピン
は、長い方の支持体により支持されるフィルム面に向け
ては曲がらず、短い方の支持体で支持されるフィルム面
側に必ず曲がるため、撓む向きを一定にすることができ
る。また、支持体の長さの大小により、各フィルム面の
支持力を調整できるため、撓む量をも一定にすることが
できる。これにより、撓む向きおよび量を一定に調整す
ることができる。
【0024】請求項8記載のコンタクトプローブでは、
請求項2から7のいずれかに記載のコンタクトプローブ
において、前記フィルムから突出状態に配されるコンタ
クトピンは、その軸線方向途中位置にて折曲されている
技術が採用される。
【0025】このコンタクトプローブでは、コンタクト
ピンは、折曲点から座屈し、その座屈量は、コンタクト
ピンの折曲量と一定の関係を有するため、これにより、
撓む向きおよび撓む量を一定に調整することができる。
【0026】請求項9記載のコンタクトプローブでは、
請求項8記載のコンタクトプローブにおいて、前記コン
タクトピンは、その軸線方向途中位置が、前記フィルム
面に沿う仮想面上において折曲されている技術が採用さ
れる。
【0027】このコンタクトプローブでは、請求項8と
同様に、撓む向きおよび撓む量を一定に調整することが
できる。
【0028】請求項10記載のコンタクトプローブの製
造方法では、請求項9記載のコンタクトプローブの製造
方法であって、前記パターン配線となる金属層と結合可
能なベースメタル層を支持基板上に形成する工程と、前
記ベースメタル層の上にマスクを施してマスクされてい
ない部分に前記金属層をメッキ処理して前記パターン配
線を形成するメッキ処理工程と、前記マスクを取り除い
た前記パターン配線のうち前記コンタクトピンとなる先
端以外に前記フィルムを被着する被着工程と、前記フィ
ルムと前記パターン配線とからなる部分と、前記支持基
板と前記ベースメタル層とからなる部分とを分離する分
離工程とを備え、前記メッキ処理工程において使用する
マスクは、前述のマスクされていない部分の中の前記コ
ンタクトピンに相当する部分の形状を、軸線方向途中位
置にて折曲するように形成する技術が採用される。
【0029】このコンタクトプローブの製造方法では、
前記マスクを施して行うメッキ処理により製造されたコ
ンタクトピンは、その軸線方向途中位置にて折曲するよ
うに形成されるため、オーバードライブ時には、その折
曲点から座屈する。この場合、マスク露光技術を用いる
等により前記マスクの形状を精確に作製することによっ
て、コンタクトピンの折曲点に関して、その折曲角度や
ピン幅の調整を精確に行うことができ、その結果、撓み
の向きや量等を正確にコントロールすることができる。
しかも、前記マスクを用いたメッキ処理によるコンタク
トピン作製と同時に折曲させるため、例えば、コンタク
トピン作製後に治具等を用いてピンを曲げるものに比べ
て、より高精度のものを大量生産することができる。ま
た、例えばコンタクトピン作製後にハーフエッチングや
ピン曲げをするものに比べて、本方法は、マスク形状を
変更するのみであり、工程数は変わらないという効果が
得られる。なお、ここで、各コンタクトピンのフィルム
からの突出長が長い場合には、各ピンがばらけないよう
にテープ等でまとめてもよい。
【0030】請求項11記載のコンタクトプローブで
は、請求項1,2,3,5,6,7,8,9のいずれか
に記載のコンタクトプローブにおいて、前記フィルムに
は、金属薄板が直接張り付けられて設けられている技術
が採用される。
【0031】このコンタクトプローブでは、前記フィル
ムが、例えば水分を吸収して伸張し易い樹脂フィルム等
であっても、該フィルムには、金属薄板が直接張り付け
られて設けられているため、該金属薄板により前記フィ
ルムの伸びが抑制される。さらに、該金属薄板は、グラ
ウンドとして用いることができ、それにより、コンタク
トプローブの先端近くまでインピーダンスマッチングを
とる設計が可能となり、高周波域でのテストを行う場合
にも反射雑音による悪影響を防ぐことができる。
【0032】すなわち、プローバーと呼ばれるテスター
からの伝送線路の途中で基板配線側とコンタクトピンと
の間の特性インピーダンスが合わないと反射雑音が生
じ、その場合、特性インピーダンスの異なる伝送線路が
長ければ長いほど反射雑音が大きいという問題がある。
反射雑音は信号歪となり、高周波になると誤動作の原因
になり易い。本コンタクトプローブでは、前記金属薄板
をグラウンドとして用いることによりコンタクトピン先
の近くまで基板配線側と特性インピーダンスを合わせる
ことができ、反射雑音による誤動作を抑えることができ
る。特に、本発明において想定しているフリップチップ
等の面配置端子は、一般に高速仕様のものが多く、高周
波特性が問題となるため、上記意義は大きいといえる。
【0033】請求項12記載のプローブ装置では、請求
項11記載のコンタクトプローブにおいて、前記フィル
ムに張り付けられる金属薄板は、該フィルム面に沿う方
向において前記コンタクトピンの近傍まで設けられてい
る技術が採用される。
【0034】このコンタクトプローブでは、前記金属薄
板がコンタクトピンの近傍までグラウンドとして機能す
るため、コンタクトピン先の近くまで基板配線側との特
性インピーダンスのずれを最小限に抑えることができ、
反射雑音による誤動作を抑えることができる。
【0035】請求項13記載のコンタクトプローブで
は、請求項12記載のコンタクトプローブにおいて、前
記コンタクトピンは、前記フィルムに張り付けられた前
記金属薄板の先端部からの突出量が5mm以下とされて
いる技術が採用される。
【0036】このコンタクトプローブでは、基板配線側
との間で特性インピーダンスの異なる伝送線路の長さ、
すなわち、グラウンドから突出するコンタクトピンの長
さが、僅か5mm以下であるため、反射雑音を最小限に
抑えることができる。なお、ここで具体的数値を比較す
れば、前述したように、水平ニードル型プローブカード
は、基板配線側と特性インピーダンスが異なる部分(=
コンタクトピンの全長)が40〜30mm、垂直ニード
ル型にあっても11〜7.5mmであるため、本プロー
ブは、両者と比較して高周波特性に優れているといえ
る。なお、コンタクトピンのグラウンドから突出する長
さが過度に短い場合には、オーバードライブ時に撓み難
くなるが、この場合には該コンタクトプローブを支持す
る支持体の位置を上げればよいことが分かっている。
【0037】請求項14のプローブ装置では、請求項1
記載のプローブ装置において、前記複数のコンタクトプ
ローブの前記フィルム面同士の空隙には、非導電性材か
らなるスペーサが配設され、且つ該コンタクトプローブ
同士は、互いに位置決めされている技術が採用される。
【0038】このプローブ装置では、複数のコンタクト
プローブが非導電性材からなるスペーサを介して位置決
めされるため、面配置端子の各電極を確実に検査するこ
とができる。
【0039】請求項15記載のコンタクトプローブで
は、請求項11から13のいずれかに記載のコンタクト
プローブにおいて、前記金属薄板には、第二のフィルム
が直接張り付けられて設けられている技術が採用され
る。
【0040】このコンタクトプローブでは、前記金属フ
ィルムに第二のフィルムが直接張り付けられて設けられ
ているため、スペーサ等によるコンタクトプローブの組
み込み時の締付けに対して緩衝材となるという作用効果
を得ることができる。したがって、組み込み時に配線パ
ターンに与えるダメージを軽減することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプローブ装置
の第一の実施形態を図1から図9を参照しながら説明す
る。これらの図にあって、符号1はコンタクトプロー
ブ、2は樹脂フィルム(フィルム)、3はパターン配
線、70はプローブ装置(プローブカード)を示してい
る。
【0042】本実施形態のコンタクトプローブ1は、図
5に示すように、ポリイミド樹脂フィルム2の片面に金
属で形成されるパターン配線3を張り付けた構造となっ
ており、前記樹脂フィルム2の端部から前記パターン配
線3の先端が突出してコンタクトピン3aとされてい
る。
【0043】前記プローブ装置70は、図1から図4に
示すように、前記コンタクトプローブ1を、それらの各
コンタクトピン3aの軸線が端子電極(測定対象物)P
の接触面Paに対して略垂直となるように配設し、且つ
それらの樹脂フィルム2の各面間にスペーサ2eを介し
て並設したものである。前記スペーサ2eは、例えばセ
ラミックス等の非導電性材からなり、前記コンタクトプ
ローブ1を支持する支持体としても機能する。前記樹脂
フィルム2の側部には、位置決め穴2hが設けられ、こ
の位置決め穴にセラミックス製の棒2jを挿通させるこ
とで、前記コンタクトプローブ1の位置決めがなされて
いる。
【0044】図3に示すように、前記樹脂フィルム2に
おける前記パターン配線3が形成された面の裏側の面に
は、金属フィルム(金属薄板)500が設けられてい
る。そして、この金属フィルム500において、前記コ
ンタクトピン3aの軸線方向特定位置の裏側には、ハー
フエッチングが施されている。
【0045】次に、図6から図9を参照して、前記コン
タクトプローブ1の作製工程について工程順に説明す
る。
【0046】〔ベースメタル層形成工程〕まず、図6の
(a)に示すように、ステンレス製の支持金属板5の上
に、Cu(銅)メッキによりベースメタル層6を形成す
る。 〔パターン形成工程〕このベースメタル層6の上にフォ
トレジスト層(マスク)7を形成した後、図6の(b)
に示すように、写真製版技術によりフォトレジスト層7
に所定のパターンのフォトマスク8を施して露光し、図
6の(c)に示すように、フォトレジスト層7を現像し
て前記パターン配線3となる部分を除去して残存するフ
ォトレジスト層7に開口部(マスクされていない部分)
7aを形成する。なお、本実施形態においては、フォト
レジスト層7をネガ型フォトレジストによって形成して
いるが、ポジ型フォトレジストを採用して所望の開口部
7aを形成しても構わない。また、本実施形態において
は、前記フォトレジスト層7が、本願請求項にいう「マ
スク」に相当する。但し、本願請求項の「マスク」と
は、本実施形態のフォトレジスト層7のように、フォト
マスク8を用いた露光・現像工程を経て開口部7aが形
成されるものに限定されるわけではない。例えば、メッ
キ処理される箇所に予め孔が形成された(すなわち、予
め、図6(c)の符号7で示す状態に形成されている)
フィルム等でもよい。本願請求項において、このような
フィルム等を「マスク」として用いる場合には、本実施
形態におけるパターン形成工程は不要である。
【0047】〔電解メッキ工程〕そして、図6の(d)
に示すように、前記開口部7aに前記パターン配線3と
なるNiまたはNi合金層Nをメッキ処理により形成し
た後、図6の(e)に示すように、フォトレジスト層7
を除去する。
【0048】〔フィルム被着工程〕次に、図6の(f)
に示すように、前記NiまたはNi合金層Nの上であっ
て、図5に示した前記パターン配線3の先端、すなわ
ち、コンタクトピン3aとなる部分以外に、前記樹脂フ
ィルム2を接着剤2aにより接着する。前記樹脂フィル
ム2は、ポリイミド樹脂PIに金属フィルム(銅箔)5
00が一体に設けられた二層テープである。このフィル
ム被着工程の前までに、二層テープのうちの銅面500
に、写真製版技術を用いて銅エッチングを施して、グラ
ウンド面を形成しておく。そして、このフィルム被着工
程では、二層テープのうちの樹脂面PIを接着剤2aを
介して前記NiまたはNi合金層Nに被着させる。な
お、金属フィルム500は、銅箔に加えて、Ni、Ni
合金等でもよい。 〔分離工程〕そして、図6の(g)に示すように、樹脂
フィルム2とパターン配線3とベースメタル層6とから
なる部分を、支持金属板5から分離させた後、Cuエッ
チングを経て、樹脂フィルム2にパターン配線3のみを
接着させた状態とする。
【0049】〔ハーフエッチング工程〕次に、金属フィ
ルム500の一部を、図3に示すようにハーフエッチン
グする。この場合のハーフエッチングは、例えば、金属
フィルム500を写真製版技術を用いてエッチングする
工程において、すべての金属(銅)をエッチングしてし
まうのではなく、その途中でエッチングを終了させるこ
とにより行う。 〔金コーティング工程〕そして、露出状態のパターン配
線3に、図6の(h)に示すように、Auメッキを施
し、表面にAuメッキ層Aを形成する。このとき、樹脂
フィルム2から突出状態とされた前記コンタクトピン3
aでは、全周に亙る表面全体にAu層Aが形成される。
【0050】図2および図8に示すように、金属フィル
ム500は、コンタクトピン3aの近傍まで設けられ、
コンタクトピン3aは、金属フィルム500の先端部か
らの突出量Lが5mm以下とされている。この金属フィ
ルム500は、グラウンドとして用いることができ、そ
れにより、プローブ装置70の先端近くまでインピーダ
ンスマッチングをとる設計が可能となり、高周波域での
テストを行う場合にも反射雑音による悪影響を防ぐこと
ができる。
【0051】また、樹脂フィルム2(ポリイミド樹脂P
I)に張り付けられた金属フィルム500には、さらに
以下の利点がある。すなわち、金属フィルム500が無
い場合、樹脂フィルム2は、ポリイミド樹脂からなって
いるため、図9に示すように、水分を吸収して伸びが生
じ、コンタクトピン3a,3a間の間隔tが変化するこ
とがあった。そのため、コンタクトピン3aが端子電極
の所定位置に接触することができず、正確な電気テスト
を行うことができないという問題があった。本実施形態
では、樹脂フィルム2に金属フィルム500を張り付け
て設けることにより、湿度が変化しても前記間隔tの変
化を少なくし、コンタクトピン3aを端子電極の所定位
置に確実に接触させるようになっている。
【0052】図7は、前記コンタクトプローブ1をIC
プローブとして所定形状に切り出したものを示す図であ
り、図8は、図のC−C線断面図である。図7に示すよ
うに、樹脂フィルム2には、前記棒2jを挿通させるた
めの位置決め穴2hが設けられている。図4および図8
に示すように、パターン配線3は、引き出し用配線10
を介してフレキシブル基板(FPC)9の一端部に接続
され、該フレキシブル基板9の他端部は、プリント基板
20に接続されて前記プローブ装置70を構成してい
る。
【0053】上記のように構成されたプローブ装置70
を用いて、ICチップのプローブテスト等を行う場合
は、プローブ装置70をプローバーに装着するとともに
テスターに電気的に接続し、所定の電気信号をパターン
配線3のコンタクトピン3aからウェーハ上のICチッ
プに送ることによって、該ICチップからの出力信号が
コンタクトピン3aからテスターに伝送され、ICチッ
プの電気的特性が測定される。
【0054】本実施形態のプローブ装置70では、樹脂
フィルム2からコンタクトピン3aが突出状態に配され
てなるコンタクトプローブ1を、複数備え、それらのコ
ンタクトピン3aの軸線が端子電極Pの接触面Paに対
して略垂直となるように配設し、且つそれらの樹脂フィ
ルム2,2間にスペーサ2eを介して間隔を設けつつ並
設したので、面配置端子にも対応でき、多ピン化を実現
することができる。この場合、本実施形態では、パター
ン配線3(コンタクトピン3a)の材質がNiまたはN
i合金とされているので、従来のタングステンを使用し
たものに比べて、コンタクトピン3aが略垂直に配設さ
れてもなお、撓み易く、これにより、長短全ピン3aの
端子電極Pに対する接触を確保することができる。
【0055】また、前記コンタクトピン3aの裏側の金
属フィルム500の所定の位置で所定の量だけハーフエ
ッチングすることにより、オーバードライブ時に該コン
タクトピン3aの撓む向きおよび撓む位置を同じくする
ことができ、また、より少ない座屈荷重で撓み易くする
ことができるため、隣同士のコンタクトピン3aが誤接
触することを防止することができる。
【0056】なお、上記の第一の実施形態においては、
プローブ装置70をプローブカードとして用いたが、他
の測定用治具等に採用しても構わない。例えば、ICチ
ップを内側に保持して保護し、ICチップのバーンイン
テスト用装置等に搭載されるICチップテスト用ソケッ
ト等に適用してもよい。
【0057】次に、図10を参照して、第二の実施形態
について説明する。本実施形態のプローブ装置70で
は、前記コンタクトプローブ1は、樹脂フィルム2の両
面側から一対のスペーサ2ea,2ebにより支持さ
れ、そのうちの一方2eaは、他方2ebに比べてパタ
ーン配線3の軸線方向の長さが長く形成されている。ま
た、前記他方のスペーサ2ebは、前記金属フィルム5
00面に隣接して設けられ、該金属フィルム500は、
前記他方のスペーサ2ebに接触(支持)されない先端
側がハーフエッチングされている(二点鎖線参照)。
【0058】本実施形態では、コンタクトピン3aは、
長い方のスペーサ2eaにより支持される樹脂フィルム
2面(図中左側)に向けては曲がらず、短い方のスペー
サ(2eb)で支持される樹脂フィルム面側(同右側)
に必ず曲がるため、撓む向きを一定にすることができ
る。また、スペーサ2ea,2ebの長さの大小によ
り、各樹脂フィルム2面の支持力を調整できるため、撓
む量をも一定にすることができる。これにより、撓む向
きおよび量の双方を一定に調整することができる。
【0059】なお、前記金属フィルム500における前
記他方のスペーサ2ebとの接触面には、さらに第二の
樹脂フィルムを直接張り付けてもよい。これにより、ス
ペーサ2ea,2ebによるコンタクトプローブ1の組
み込み時の締付けに対して緩衝材となるという作用効果
が得られる。したがって、組み込み時に配線パターン3
に与えるダメージを軽減することができる。
【0060】次に、図11を参照して、第三の実施形態
について説明する。本実施形態は、前記樹脂フィルム2
に、前記パターン配線3の軸線と略直交する向きの打ち
抜き領域2kを設けたものである。この打ち抜き領域2
kの形成は、金属フィルム500の所定箇所をエッチン
グしておき、その箇所にレーザを照射して前記樹脂フィ
ルム2および接着剤2aを焼き抜くことにより行われ
る。
【0061】本実施形態では、パターン配線3が形成さ
れる樹脂フィルム2面の他の領域に比べて、打ち抜き領
域2kでパターン配線3を支持する力が弱まるため、オ
ーバードライブ時に、パターン配線3(コンタクトピン
3a)は、打ち抜き領域2kの箇所において撓む。これ
により、撓む位置を一定にでき、かつ撓み易くすること
ができる。また、樹脂フィルム2のパターン配線3を支
持する力は、打ち抜き領域2kで略一定に弱まるため、
パターン配線3の撓み量をも略一定にすることができ
る。
【0062】次に、第四の実施の形態について説明す
る。本実施形態は、前記樹脂フィルム2を、前記パター
ン配線3の軸線と略直交する向きの仮想線を中心として
折曲したものである。すなわち、樹脂フィルム2におい
て前記スペーサ2eで支持された位置よりも下部を、治
具等を用いて折曲げ、該樹脂フィルム2を弾性変形させ
る。これにより、コンタクトピン3aは、樹脂フィルム
2の前記仮想線を中心として折曲し、長短全ピン3aの
接触を確保することができる。
【0063】次に、図12を参照して、第五の実施の形
態について説明する。本実施形態では、前記パターン形
成工程において使用されるフォトマスク8は、前記コン
タクトピン3aに相当する部分の形状が、軸線方向途中
位置Xにて折曲するように形成される。このフォトマス
ク8を使用することにより、マスク露光・現像されたフ
ォトレジスト層(マスク)7は、前記マスクされていな
い部分7aの中のコンタクトピン3aに相当する部分の
形状が、軸線方向途中位置Xにて折曲するように形成さ
れる。そして、その後のNiメッキ処理により製造され
たコンタクトピン3aは、その軸線方向途中位置Xにて
折曲するように形成されるため、オーバードライブ時に
は、その折曲点Xから撓む。
【0064】この場合、マスク露光技術を用いるため、
コンタクトピン3aの折曲点Xに関して、その折曲角度
やピン幅の調整を精確に行うことができ、その結果、撓
みの向きや量等を正確にコントロールすることができ
る。しかも、フォトマスク8は一度製作した後は、繰り
返し使用できるため、例えば、コンタクトピン3a作製
後に治具等を用いてピン3aや樹脂フィルム2を曲げる
ものに比べて、より高精度のものを大量に生産すること
ができる。また、例えばコンタクトピン3a作製後にハ
ーフエッチングやピン曲げをするものに比べて、本実施
形態は、マスク形状を変更するのみであり、工程数は変
わらないという効果が得られる。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載のプローブ装置によれば、
フィルムからコンタクトピンが突出状態に配されてなる
コンタクトプローブを、複数備え、それらのコンタクト
ピンの軸線が測定対象物の接触面に対して略垂直となる
ように配設し、且つそれらのフィルム間に間隔を設けつ
つ並設したので、面配置端子にも対応でき、多ピン化を
実現することができる。この場合、フィルム上に形成さ
れるパターン配線(コンタクトピン)の材質を例えばN
iまたはNi合金とすれば、コンタクトピンが略垂直に
配設されてもなお、撓み易く、これにより、長短全ピン
の端子に対する接触を確保することができる。
【0066】請求項2記載のコンタクトプローブによれ
ば、オーバードライブ時にコンタクトピンが座屈荷重を
受けて撓むときに、その曲がりの向きが略一定となるた
め、隣同士のコンタクトピンが誤接触することがないと
いう効果が得られる。
【0067】請求項3記載のコンタクトプローブによれ
ば、コンタクトピンが撓むときに、コンタクトピンの座
屈点の位置が略一定となるため、隣同士のコンタクトピ
ンが誤接触することがないという効果が得られる。
【0068】請求項4記載のコンタクトプローブによれ
ば、請求項2または3記載のコンタクトプローブにおい
て、前記複数のフィルムにおける前記パターン配線が形
成された面の裏側の面には、金属薄板が設けられ、前記
コンタクトピンの軸線方向特定位置の裏側に位置する前
記金属薄板には、ハーフエッチングが施されるため、所
定の位置に所定の量だけハーフエッチングすることによ
り、コンタクトピンの撓む向きおよび撓む位置を同じく
することができる。また、ハーフエッチング処理をしな
いものに比べて、より少ない座屈荷重で撓み易くなるた
め、長短全ピンの端子に対する接触を確保することがで
きる。
【0069】請求項5記載のコンタクトプローブによれ
ば、請求項2から4のいずれかに記載のコンタクトプロ
ーブにおいて、前記複数のフィルムは、各フィルムにお
ける前記パターン配線が形成された面が一定の向きに並
設され、且つ前記フィルムには、前記パターン配線の軸
線と略直交する向きの打ち抜き領域が設けられるため、
パターン配線が形成されるフィルム面の他の領域に比べ
て、打ち抜き領域でパターン配線を支持する力が弱ま
り、オーバードライブ時に、パターン配線(コンタクト
ピン)は、打ち抜き領域の箇所において撓む。これによ
り、撓む位置を一定にでき、かつ撓み易くすることがで
きる。また、フィルムのパターン配線を支持する力は、
打ち抜き領域で略一定に弱まるため、パターン配線の撓
み量をも略一定にすることができる。
【0070】請求項6記載のコンタクトプローブによれ
ば、請求項2から5のいずれかに記載のコンタクトプロ
ーブにおいて、前記複数のフィルムは、前記パターン配
線の軸線と略直交する向きの仮想線を中心として同じ向
きに折曲されているため、オーバードライブ時にコンタ
クトピンは、フィルムの仮想線を中心として折曲し、長
短全ピンの接触を確保することができる。
【0071】請求項7記載のプローブ装置によれば、請
求項2から6のいずれかに記載のコンタクトプローブを
備えたプローブ装置において、前記複数のコンタクトプ
ローブは、各フィルムの両面側から一対の支持体により
支持され、前記一対の支持体のうちの一方は、他方に比
べて前記パターン配線の軸線方向の長さが長いため、コ
ンタクトピンは、長い方の支持体により支持されるフィ
ルム面に向けては曲がらず、短い方の支持体で支持され
るフィルム面側に必ず曲がるため、撓む向きを一定にす
ることができる。また、支持体の長さの大小により、各
フィルム面の支持力を調整できるため、撓む量をも一定
にすることができる。これにより、撓む向きおよび量の
双方を一定に調整することができる。
【0072】請求項8記載のコンタクトプローブによれ
ば、請求項2から7のいずれかに記載のコンタクトプロ
ーブにおいて、前記フィルムから突出状態に配されるコ
ンタクトピンは、その軸線方向途中位置にて折曲される
ため、コンタクトピンは、折曲点から座屈し、その座屈
量は、コンタクトピンの折曲量と一定の関係を有するこ
とから、撓む向きおよび撓む量の双方を一定に調整する
ことができる。
【0073】請求項9記載のコンタクトプローブによれ
ば、請求項8記載のコンタクトプローブにおいて、前記
コンタクトピンは、その軸線方向途中位置が、前記フィ
ルム面に沿う仮想面上において折曲されるため、請求項
8と同様に、撓む向きおよび撓む量の双方を一定に調整
することができる。
【0074】請求項10記載のコンタクトプローブの製
造方法によれば、前記メッキ処理工程において使用する
マスクは、前述のマスクされていない部分の中の前記コ
ンタクトピンに相当する部分の形状が、軸線方向途中位
置にて折曲するように形成されているため、前記マスク
を施して行うメッキ処理により製造されたコンタクトピ
ンは、その軸線方向途中位置にて折曲するように形成さ
れ、オーバードライブ時には、その折曲点から座屈す
る。この場合、マスク露光技術を用いる等により前記マ
スクの形状を精確に作製することによって、コンタクト
ピンの折曲点に関して、その折曲角度やピン幅の調整を
精確に行うことができ、その結果、撓みの向きや量等を
正確にコントロールすることができる。しかも、マスク
を一度作製した後は繰り返し使用できるため、例えば、
コンタクトピン作製後に治具等を用いてピンを曲げるも
のに比べて、より高精度のものを大量に生産することが
できる。また、例えばコンタクトピン作製後にハーフエ
ッチングやピン曲げをするものに比べて、本方法は、マ
スク形状を変更するのみであり、工程数は変わらないと
いう効果が得られる。
【0075】請求項11記載のコンタクトプローブによ
れば、請求項1,2,3,5,6,7,8,9のいずれ
かに記載のコンタクトプローブにおいて、前記フィルム
には、金属薄板が直接張り付けられて設けられているた
め、前記フィルムが、例えば水分を吸収して伸張し易い
樹脂フィルム等であっても、金属薄板により前記フィル
ムの伸びが抑制される。さらに、該金属薄板は、グラウ
ンドとして用いることができ、それにより、コンタクト
プローブの先端近くまでインピーダンスマッチングをと
る設計が可能となり、高周波域でのテストを行う場合に
も反射雑音による悪影響を防ぐことができる。
【0076】請求項12記載のプローブ装置によれば、
請求項11記載のコンタクトプローブにおいて、前記フ
ィルムに張り付けられて設けられる金属薄板は、該フィ
ルム面に沿う方向において前記コンタクトピンの近傍ま
で設けられているため、前記金属薄板がグラウンドとし
て機能する際、コンタクトピン先の近くまで基板配線側
に特性インピーダンスを合わせることができ、反射雑音
による誤動作を抑えることができる。
【0077】請求項13記載のコンタクトプローブによ
れば、請求項12記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コンタクトピンは、前記フィルムに張り付けられて
設けられた前記金属薄板の先端部からの突出量、すなわ
ち、基板配線側との間で特性インピーダンスの異なる伝
送線路の長さが、僅か5mm以下であるため、反射雑音
を最小限に抑えることができる。
【0078】請求項14記載のプローブ装置によれば、
請求項1記載のプローブ装置において、前記複数のコン
タクトプローブの前記フィルム面同士の空隙には、非導
電性材からなるスペーサが配設され、且つ該コンタクト
プローブ同士は、互いに位置決めされているため、面配
置端子に対して、より正確に対応でき、測定対象物を確
実に検査することができる。
【0079】請求項15記載のコンタクトプローブによ
れば、請求項11から13のいずれかに記載のコンタク
トプローブにおいて、前記金属薄板には、第二のフィル
ムが直接張り付けられて設けられているため、スペーサ
等によるコンタクトプローブの組み込み時の締付けに対
して緩衝材となるという効果を得ることができる。した
がって、組み込み時に配線パターンに与えるダメージを
軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプローブ装置の第一の実施形態
を示す要部斜視図である。
【図2】 同側面図である。
【図3】 同拡大側面図である。
【図4】 (a)は本発明に係るプローブ装置の第一の
実施形態を示す平面図、(b)は同側面図である。
【図5】 本発明に係るコンタクトプローブの第一の実
施形態を示す要部斜視図である。
【図6】 本発明に係るコンタクトプローブの第一の実
施形態における製造方法を工程順に示す要部断面図であ
る。
【図7】 本発明に係るコンタクトプローブの第一の実
施形態を示す平面図である。
【図8】 図7のC−C線断面図である。
【図9】 本発明に係るコンタクトプローブの第一の実
施形態において金属薄板を説明するための正面図であ
る。
【図10】 本発明に係るプローブ装置の第二の実施形
態を示す要部拡大側面図である。
【図11】 本発明に係るコンタクトプローブの第三の
実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は同P−P線
断面図、(c)は同Q−Q線断面図である。
【図12】 本発明に係るコンタクトプローブの第五の
実施形態を示す平面図である。
【図13】 電極端子の配置の型を示し、(a)は周辺
配置端子、(b)は面配置端子である。
【図14】 水平ニードル型プローブカードを示す側面
図である。
【図15】 垂直ニードル型プローブカードを示す側面
図である。
【符号の説明】
1 コンタクトプローブ 2 フィルム(樹脂フィルム) 2e 支持体(スペーサ) 2ea 一方の支持体(スペーサ) 2eb 他方の支持体(スペーサ) 2k 打ち抜き領域 3 パターン配線 3a コンタクトピン 5 支持基板 6 ベースメタル層 7 フォトレジスト層(マスク) 7a マスクされていない部分 8 フォトマスク 9 フレキシブル基板(FPC) 10 引き出し用配線 20 基板(プリント基板) 70 プローブ装置(プローブカード) 500 金属薄板(金属フィルム) L コンタクトピンの金属薄板から突出した長さ N 金属層 P 測定対象物(端子電極) Pa 接触面 X 途中位置(折曲位置)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパターン配線(3)がフィルム
    (2)上に形成されこれらのパターン配線(3)の各先
    端が前記フィルム(2)から突出状態に配されてコンタ
    クトピン(3a)とされる複数のコンタクトプローブ
    (1)を、それらのコンタクトピン(3a)の軸線が測
    定対象物(P)の接触面(Pa)に対して略垂直となる
    ように配設し、且つそれらのフィルム(2)の各面間に
    間隔を設けて並設したことを特徴とするプローブ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプローブ装置(70)を
    構成するコンタクトプローブ(1)であって、 前記複数のコンタクトピン(3a)は、座屈荷重を受け
    たときにその曲がりの向きが略一定にされていることを
    特徴とするコンタクトプローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のコンタクトプロ
    ーブ(1)において、 前記複数のコンタクトピン(3
    a)は、その軸線方向における座屈点の位置が略一定に
    されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のコンタクトプロ
    ーブ(1)において、 前記複数のフィルム(2)にお
    ける前記パターン配線(3)が形成された面の裏側の面
    には、金属薄板(500)が設けられ、 前記コンタクトピン(3a)の軸線方向特定位置の裏側
    に位置する前記金属薄板(500)には、ハーフエッチ
    ングが施されていることを特徴とするコンタクトプロー
    ブ。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のいずれかに記載のコン
    タクトプローブ(1)において、 前記複数のフィルム(2)は、各フィルム(2)におけ
    る前記パターン配線(3)が形成された面が一定の向き
    に並設され、且つ前記フィルム(2)には、前記パター
    ン配線(3)の軸線と略直交する向きの打ち抜き領域
    (2k)が設けられていることを特徴とするコンタクト
    プローブ。
  6. 【請求項6】 請求項2から5のいずれかに記載のコン
    タクトプローブ(1)において、 前記複数のフィルム(2)は、前記パターン配線(3)
    の軸線と略直交する向きの仮想線を中心として同じ向き
    に折曲されていることを特徴とするコンタクトプロー
    ブ。
  7. 【請求項7】 請求項2から6のいずれかに記載のコン
    タクトプローブ(1)を備えたプローブ装置(70)に
    おいて、 前記複数のコンタクトプローブ(1)は、各フィルム
    (2)の両面側から一対の支持体(2ea,2eb)に
    より支持され、 前記一対の支持体(2ea,2eb)のうちの一方(2
    ea)は、他方(2eb)に比べて前記パターン配線
    (3)の軸線方向の長さが長いことを特徴とするプロー
    ブ装置。
  8. 【請求項8】 請求項2から7のいずれかに記載のコン
    タクトプローブ(1)において、 前記フィルム(2)から突出状態に配されるコンタクト
    ピン(3a)は、その軸線方向途中位置(X)にて折曲
    されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のコンタクトプローブ
    (1)において、 前記コンタクトピン(3a)は、その軸線方向途中位置
    (X)が、前記フィルム(2)面に沿う仮想面上におい
    て折曲されていることを特徴とするコンタクトプロー
    ブ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のコンタクトプローブ
    (1)の製造方法であって、 前記パターン配線(3)となる金属層(N)と結合可能
    なベースメタル層(6)を支持基板(5)上に形成する
    工程と、 前記ベースメタル層(6)の上にマスク(7)を施して
    マスクされていない部分(7a)に前記金属層(N)を
    メッキ処理して前記パターン配線(3)を形成するメッ
    キ処理工程と、 前記マスク(7)を取り除いた前記パターン配線(3)
    のうち前記コンタクトピン(3a)となる先端以外に前
    記フィルム(2)を被着する被着工程と、 前記フィルム(2)と前記パターン配線(3)とからな
    る部分と、前記支持基板(5)と前記ベースメタル層
    (6)とからなる部分とを分離する分離工程とを備え、 前記メッキ処理工程において使用するマスク(7)は、
    前記マスクされていない部分(7a)の中の前記コンタ
    クトピン(3a)に相当する部分の形状を、軸線方向途
    中位置(X)にて折曲するように形成することを特徴と
    するコンタクトプローブの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,3,5,6,7,8,
    9のいずれかに記載のコンタクトプローブ(1)におい
    て、 前記フィルム(2)には、金属薄板(500)が直接張
    り付けられて設けられていることを特徴とするコンタク
    トプローブ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のコンタクトプローブ
    (1)において、 前記フィルム(2)に張り付けられる金属薄板(50
    0)は、該フィルム(2)面に沿う方向において前記コ
    ンタクトピン(3a)の近傍まで設けられていることを
    特徴とするコンタクトプローブ。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のコンタクトプローブ
    (1)において、 前記コンタクトピン(3a)は、前記フィルム(2)に
    張り付けられた前記金属薄板(500)の先端部からの
    突出量(L)が5mm以下とされていることを特徴とす
    るコンタクトプローブ。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のプローブ装置(70)
    において、 前記複数のコンタクトプローブ(1)の前記フィルム
    (2)面同士の空隙には、非導電性材からなるスペーサ
    (2e)が配設され、且つ該コンタクトプローブ(1)
    同士は、互いに位置決めされていることを特徴とするプ
    ローブ装置。
  15. 【請求項15】 請求項11から13のいずれかに記載
    のコンタクトプローブ(1)において、 前記金属薄板(500)には、第二のフィルムが直接張
    り付けられて設けられていることを特徴とするコンタク
    トプローブ。
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