JPH10239351A - コンタクトプローブおよびその製造方法 - Google Patents

コンタクトプローブおよびその製造方法

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JPH10239351A
JPH10239351A JP4442397A JP4442397A JPH10239351A JP H10239351 A JPH10239351 A JP H10239351A JP 4442397 A JP4442397 A JP 4442397A JP 4442397 A JP4442397 A JP 4442397A JP H10239351 A JPH10239351 A JP H10239351A
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contact
contact probe
probe
film
adhesive
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Application number
JP4442397A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Tachikawa
宣芳 立川
Toshinori Ishii
利昇 石井
Hideaki Yoshida
秀昭 吉田
Atsushi Matsuda
厚 松田
Mitsuyoshi Ueki
光芳 植木
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトプローブをプローブカードとして
組み込む際に正確に位置決めされた配置状態を保持する
ための高精度部品が不要なため部品コストが低廉である
コンタクトプローブを提供する。 【解決手段】 複数のパターン配線3がフィルム2上に
形成されこれらのパターン配線3の各先端が前記フィル
ム2から突出状態に配されてコンタクトピン3aとされ
るコンタクトプローブ1に、前記コンタクトピン3aが
測定対象物Pの接触面Paに加圧された状態で接触した
ときに該コンタクトプローブ1が変形しない程度の剛性
を付与する接着剤30を塗布してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブピンやソ
ケットピン等として用いられ、半導体ICチップや液晶
デバイス等の各端子に接触して電気的なテストを行うコ
ンタクトプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICチップやLSIチップ等の
半導体チップ又はLCD(液晶表示体)の各端子に接触
させて電気的なテストを行うために、プローブカードが
用いられている。近年、ICチップ等の高集積化および
微細化に伴って電極であるコンタクトパッドが狭ピッチ
化されるとともに、コンタクトピンの多ピン狭ピッチ化
が要望されている。しかしながら、コンタクトピンとし
て用いられていたタングステン針のコンタクトプローブ
では、タングステン針の径の限界から多ピン狭ピッチへ
の対応が困難になっていた。
【0003】これに対して、例えば、特開平6−331
655号公報に、複数のパターン配線が樹脂フィルム上
に形成されこれらのパターン配線の各先端が前記樹脂フ
ィルムから突出状態に配されてコンタクトピンとされる
コンタクトプローブを、各種メカニカルパーツによって
組み込んだプローブカードの技術が提案されている。こ
の技術例では、複数のパターン配線の先端をコンタクト
ピンとすることによって、多ピン狭ピッチ化を図るとと
もに、複雑な多数の部品を不要とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
記載されるコンタクトプローブにおいては、図11から
図13に示すように、コンタクトプローブCpをプロー
ブカードPcとして組み込むに際し、各種メカニカルパ
ーツが必要とされていた。すなわち、これらメカニカル
パーツは、コンタクトプローブCpのうちコンタクトピ
ンCpiに近い部分を受ける傾斜面20aを前方に有す
る一方、後方にプリント基板25への水平な取り付け面
20bを有するステンレス製の支持体20と、この支持
体20の前記傾斜面20a上に重ねられたコンタクトプ
ローブCpをボルト21によって支持体20に取り付け
る第1のクランパ22と、コンタクトプローブCpの後
方側をボルト23によって支持体20に取り付ける第2
のクランパ24等からなっている。
【0005】これら各種のメカニカルパーツ20,2
2,24等は、コンタクトピンCpiを位置決めするも
のであるため、設計製作にはミクロン単位の高精度が要
求される。例えば、コンタクトプローブCpにオーバー
ドライブをかけることによりコンタクトピンCpiでパ
ッドPにおけるアルミニウムの表面酸化膜を擦り取る作
業(この作業をスクラブ(scrub)という)を行う際
に、上記メカニカルパーツ20,22,24等の精度が
僅かに足りないだけでも、コンタクトピンCpiのパッ
ド面Paに対する接触角が狂い、その結果、スクラブ距
離(パッド表面に沿って皮膜を削り取る長さ)が過度に
長くなったり、コンタクトピンCpiの先端部がパッド
Pからはみ出してしまうことがあった。
【0006】ここで、メカニカルパーツ20,22,2
4等は、コンタクトプローブCpを位置決めする機能の
みならず、コンタクトピンCpiがパッドPに接触して
も、その位置決めされた配置状態がずれないように該コ
ンタクトプローブCpを保持する機能をも有する。した
がって、メカニカルパーツ20,22,24等は、コン
タクトプローブCpがプローブカードPcとして構成さ
れるときの必須構成部品であり、プローブカードPcの
台数分だけ必要とされる。以上のことから、上記公報の
コンタクトプローブCpでは、高い精度の要求されるメ
カニカルパーツ20,22,24等を、プローブカード
Pcの台数分、生産する必要があることから、コストが
嵩むという欠点があった。
【0007】また、これらメカニカルパーツ20,2
2,24等は、例えばステンレス鋼からなるため、半導
体チップIを高温下で試験する場合、熱膨張することが
あり、これによりコンタクトピンCpiの位置がずれ、
パッドPに対する接触不良を招き、正確な電気的テスト
を行えないことがあった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の点を目的とする。 コンタクトプローブをプローブカードとして組み込む
際に正確に位置決めされた配置状態を保持するための高
精度部品が不要なため部品コストが低廉であるコンタク
トプローブを提供すること。 高温下での使用に際しても位置ずれが起きないコンタ
クトプローブを提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載のコンタクトプローブでは、複数のパターン配線
がフィルム上に形成されこれらのパターン配線の各先端
が前記フィルムから突出状態に配されてコンタクトピン
とされるコンタクトプローブに、前記コンタクトピンが
測定対象物の接触面に加圧された状態で接触したときに
該コンタクトプローブが変形しない程度の剛性を付与す
る接着剤を塗布してなる技術が採用される。
【0010】このコンタクトプローブでは、接着剤が塗
布されることで剛性が付与されて、コンタクトピンが測
定対象物の接触面に加圧された状態で接触したときに
も、該コンタクトプローブが変形しないため、プローブ
カードとして組み込む際にコンタクトプローブを正確に
位置決めした状態で取り付けるだけで足り、その配置状
態を保持するための高精度な部品が不要とされる。よっ
て、部品コストが低廉で済む。
【0011】請求項2記載のコンタクトプローブでは、
複数のパターン配線がフィルム上に形成されこれらのパ
ターン配線の各先端が前記フィルムから突出状態に配さ
れてコンタクトピンとされる単位コンタクトプローブを
複数備えてなるコンタクトプローブであって、該コンタ
クトプローブは、複数の単位コンタクトプローブを互い
に位置決めした状態で接着し、これら複数の単位コンタ
クトプローブを一体に固定してなる技術が採用される。
【0012】このコンタクトプローブでは、複数の単位
コンタクトプローブが互いに位置決めされた状態で接着
され、これら複数の単位コンタクトプローブが一体に固
定されてなる構成であるため、各々の単位コンタクトプ
ローブは、当該単位コンタクトプローブ以外の他の単位
コンタクトプローブによって一体に支持された状態とな
り、本コンタクトプローブ全体としては、その分、剛性
が向上する。したがって、コンタクトピンが測定対象物
の接触面に加圧された状態で接触したときにも、本コン
タクトプローブは変形しない。よって、プローブカード
として組み込む際に本コンタクトプローブを正確に位置
決めした状態で取り付けるだけで足り、その配置状態を
保持するための高精度な部品は不要とされる。
【0013】請求項3記載のコンタクトプローブでは、
コンタクトプローブまたは複数の単位コンタクトプロー
ブのそれぞれのコンタクトピンの軸線が測定対象物の接
触面に対して必要とされる接触角を保持する位置に位置
決めされた状態で固定されている技術が採用される。
【0014】このコンタクトプローブでは、上記請求項
1または2記載のものと同様に、高い剛性が得られるの
に加えて、コンタクトプローブまたは複数の単位コンタ
クトプローブのそれぞれのコンタクトピンの軸線が測定
対象物の接触面に対して必要とされる接触角を保持する
位置に位置決めされた状態で固定されているため、プロ
ーブカードとして組み込む際の本コンタクトプローブの
位置決め作業が容易となる。
【0015】請求項4記載のコンタクトプローブでは、
4つの単位コンタクトプローブが平面視等間隔に配置さ
れ、これら4つの単位コンタクトプローブの各上面同士
または各下面同士が平面視四角枠状の範囲に塗布された
接着剤により固着されてなる技術が採用される。
【0016】このコンタクトプローブでは、例えば、平
面視四角形のICチップの各辺に沿って配置されたパッ
ドを測定可能なように、単位コンタクトプローブの数が
4つとされる。これら4つの単位コンタクトプローブ
は、各上面同士または下面同士が接着剤により固着され
るため、本コンタクトプローブに上下方向の力が作用し
ても(例えば、コンタクトピンがパッドの接触面に加圧
された状態で接触するときにはコンタクトプローブに上
向きの力が作用する)、該接着剤により固着された部分
が伸縮しないため、本コンタクトプローブは変形しな
い。
【0017】請求項5記載のコンタクトプローブでは、
前記コンタクトプローブまたは前記複数の単位コンタク
トプローブの接着には、エポキシ樹脂からなる接着剤が
用いられる技術が採用される。
【0018】このコンタクトプローブで採用されるエポ
キシ樹脂からなる接着剤は、電気絶縁性は勿論のこと、
比較的安価で、少なくとも本コンタクトプローブに作用
する外力に対しては十分な剛性を有している。本接着剤
としては、コンタクトプローブを正確に位置決めした状
態のまま固める必要があることから、パテ状速硬化の性
質のものが適している。
【0019】請求項6記載のコンタクトプローブでは、
前記コンタクトプローブまたは前記複数の単位コンタク
トプローブの接着には、前記フィルムと膨張係数の等し
い接着剤が用いられる技術が採用される。
【0020】このコンタクトプローブで採用される接着
剤は、前記フィルムと膨張係数の等しいものが使用され
るため、高温下試験の場合にも、両者の熱膨張量の相違
により、前記接着剤により固定された前記フィルム上の
コンタクトピンの位置がずれることがない。
【0021】請求項7記載のコンタクトプローブでは、
前記コンタクトプローブまたは前記複数の単位コンタク
トプローブの前記フィルムにおける前記パターン配線が
形成された面の裏側の面には、金属フィルムが設けら
れ、前記コンタクトプローブまたは前記複数の単位コン
タクトプローブの接着には、前記金属フィルムと膨張係
数の等しい接着剤が用いられる技術が採用される。
【0022】このコンタクトプローブでは、前記フィル
ムに金属フィルムを設けることで、該フィルム上に形成
されるコンタクトピンが支持される。本コンタクトプロ
ーブで採用される接着剤は、前記金属フィルムと膨張係
数の等しいものが使用されるため、高温下試験の場合に
も、両者の熱膨張量の相違により、前記接着剤により固
定され、かつ、前記金属フィルムに支持されるコンタク
トピンの位置がずれることがない。なお、前記金属フィ
ルムは、後述するグラウンドとして用いることができ
る。
【0023】請求項8記載のコンタクトプローブでは、
複数のパターン配線をフィルム上に形成しこれらのパタ
ーン配線の各先端を前記フィルムから突出状態に配して
コンタクトピンとする単位コンタクトプローブを複数備
え、これら複数の単位コンタクトプローブを、それらの
それぞれのコンタクトピンの軸線が測定対象物の接触面
に対して必要とされる接触角を保持する位置に互いに位
置決めした状態で接着し、これらを一体に固定してなる
コンタクトプローブの製造方法であって、前記複数の単
位コンタクトプローブのそれぞれのコンタクトピンを位
置決めするための位置決め部と、前記コンタクトピンの
測定対象物の接触面に対して必要とされる接触角と等し
い角度に形成される傾斜面と、該傾斜面をその面に沿っ
て延長させた仮想面との間に接着剤充填空間を形成する
ための段部とが形成された位置決め台の、前記接着剤充
填空間に、接着剤を充填する接着剤充填工程と、前記位
置決め台の前記傾斜面に前記複数の単位コンタクトプロ
ーブを載置しつつ前記位置決め部により前記コンタクト
ピンを位置決めするコンタクトピン位置決め工程と、そ
の下面が前記傾斜面および前記仮想面と等しい角度に形
成された押さえ部材の、該下面を、前記位置決め台の前
記傾斜面に載置された前記複数の単位コンタクトプロー
ブの上面に当接させて前記接着剤に向けて該単位コンタ
クトプローブの下面を均一に加圧する加圧工程と、前記
押さえ部材により前記単位コンタクトプローブを加圧し
た状態のまま前記接着剤を固化させる接着剤固化工程と
を備えてなる技術が採用される。
【0024】このコンタクトプローブの製造方法では、
前記位置決め台の前記位置決め部および前記傾斜面によ
り、コンタクトプローブの位置決めが完全に行われると
ともに、その配置状態を維持したまま、押さえ部材と接
着剤により、該コンタクトプローブを固定するため、作
業が容易でかつ反復性に優れる。また、前記位置決め台
および前記押さえ部材は、前述した上記公報における各
種メカニカルパーツとは異なり、接着の際の位置決めに
しか用いず、その配置状態を保持するための部品ではな
いため、一度、高精度に設計製作すれば、多数のコンタ
クトプローブに使用でき、部品コストを低く抑えること
ができる。
【0025】請求項9記載のコンタクトプローブでは、
前記コンタクトプローブまたは前記単位コンタクトプロ
ーブの前記フィルムには、金属フィルムが直接張り付け
られて設けられている技術が採用される。
【0026】このコンタクトプローブでは、前記フィル
ムが、例えば水分を吸収して伸張し易い樹脂フィルム等
であっても、該フィルムには、金属フィルムが直接張り
付けられて設けられているため、該金属フィルムにより
前記フィルムの伸びが抑制される。さらに、該金属フィ
ルムは、グラウンドとして用いることができ、それによ
り、コンタクトプローブの先端近くまでインピーダンス
マッチングをとる設計が可能となり、高周波域でのテス
トを行う場合にも反射雑音による悪影響を防ぐことがで
きる。
【0027】すなわち、プローバーと呼ばれるテスター
からの伝送線路の途中で基板配線側とコンタクトピンと
の間の特性インピーダンスが合わないと反射雑音が生
じ、その場合、特性インピーダンスの異なる伝送線路が
長ければ長いほど反射雑音が大きいという問題がある。
反射雑音は信号歪となり、高周波になると誤動作の原因
になり易い。本コンタクトプローブでは、前記金属フィ
ルムをグラウンドとして用いることによりコンタクトピ
ン先の近くまで基板配線側と特性インピーダンスを合わ
せることができ、反射雑音による誤動作を抑えることが
できる。
【0028】請求項10記載のコンタクトプローブで
は、前記フィルムに張り付けられる金属フィルムは、該
フィルム面に沿う方向において前記コンタクトピンの近
傍まで設けられている技術が採用される。
【0029】このコンタクトプローブでは、前記金属フ
ィルムがコンタクトピンの近傍までグラウンドとして機
能するため、コンタクトピン先の近くまで基板配線側と
の特性インピーダンスのずれを最小限に抑えることがで
き、反射雑音による誤動作を抑えることができる。
【0030】請求項11記載のコンタクトプローブで
は、前記金属フィルムには、第二のフィルムが直接張り
付けられて設けられている技術が採用される。
【0031】このコンタクトプローブでは、前記金属フ
ィルムに第二のフィルムが直接張り付けられて設けられ
ているため、プローブカードとしてコンタクトプローブ
を組み込む際の締付けに対して緩衝材となるという作用
効果を得ることができる。したがって、組み込み時に配
線パターンに与えるダメージを軽減することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンタクトプ
ローブの第一の実施形態を図1から図10を参照しなが
ら説明する。これらの図にあって、符号1は単位コンタ
クトプローブ、2は樹脂フィルム(フィルム)、3はパ
ターン配線、70はコンタクトプローブ、80はプロー
ブ装置(プローブカード)を示している。
【0033】単位コンタクトプローブ1は、図6に示す
ように、ポリイミド樹脂フィルム2の片面に金属で形成
されるパターン配線3を張り付けた構造となっており、
前記樹脂フィルム2の端部から前記パターン配線3の先
端が突出してコンタクトピン3aとされている。
【0034】本実施形態のコンタクトプローブ70は、
図2および図3に示すように、4つの前記単位コンタク
トプローブ1が平面視等間隔に配置され、これら4つの
単位コンタクトプローブ1の各下面同士が平面視四角枠
状の範囲に塗布された接着剤30により一体に固着され
てなる構成とされている。この場合、これら4つの単位
コンタクトプローブ1は、それらのそれぞれのコンタク
トピン3aの軸線がパッド(測定対象物)Pの接触面P
aに対して必要とされる接触角θを保持する位置に互い
に位置決めされた状態で、前記接着剤30により接着さ
れている。
【0035】前記接着剤30は、エポキシ樹脂系接着剤
であり、少なくとも通常の使用条件においてコンタクト
プローブ70(単位コンタクトプローブ1)に作用する
外力に対しては変形しない程度の十分な剛性を有するも
のである。ここで、接着剤30としては、単位コンタク
トプローブ1を正確に位置決めした状態のままコンタク
トプローブ70として固めるのに適したパテ状速硬化の
性質を備え、また、樹脂フィルム2に設けられる金属フ
ィルム500の材質(銅)に近い線膨張係数を備えたも
のが好適である。これらの性質を備えるものとして、例
えば、アラルダイト(登録商標)の、樹脂がAV158
0GBで硬化剤がHV1580GBの二液性接着剤があ
る。この接着剤の線膨張係数は、0〜30℃で18×1
-61/℃である。
【0036】次に、図7から図9を参照して、前記単位
コンタクトプローブ1の作製工程について工程順に説明
する。
【0037】〔ベースメタル層形成工程〕まず、図7の
(a)に示すように、ステンレス製の支持金属板5の上
に、Cu(銅)メッキによりベースメタル層6を形成す
る。このベースメタル層6は、支持金属板5の上面に均
一の厚さで形成する。 〔パターン形成工程〕このベースメタル層6の上にフォ
トレジスト層(マスク)7を形成した後、図7の(b)
に示すように、写真製版技術によりフォトレジスト層7
に所定のパターンのフォトマスク8を施して露光し、図
7の(c)に示すように、フォトレジスト層7を現像し
て前記パターン配線3となる部分を除去して残存するフ
ォトレジスト層7に開口部(マスクされていない部分)
7aを形成する。なお、本実施形態においては、フォト
レジスト層7をネガ型フォトレジストによって形成して
いるが、ポジ型フォトレジストを採用して所望の開口部
7aを形成しても構わない。ここで使用される「マス
ク」は、本実施形態のフォトレジスト層7のように、フ
ォトマスク8を用いた露光・現像工程を経て開口部7a
が形成されるものに限定されるわけではない。例えば、
メッキ処理される箇所に予め孔が形成された(すなわ
ち、予め、図7(c)の符号7で示す状態に形成されて
いる)フィルム等でもよい。このようなフィルム等を
「マスク」として用いる場合には、本実施形態における
パターン形成工程は不要である。
【0038】〔電解メッキ工程〕そして、図7の(d)
に示すように、前記開口部7aに前記パターン配線3と
なるNiまたはNi合金層Nをメッキ処理により形成し
た後、図7の(e)に示すように、フォトレジスト層7
を除去する。
【0039】〔フィルム被着工程〕次に、図7の(f)
に示すように、前記NiまたはNi合金層Nの上であっ
て、図6に示した前記パターン配線3の先端、すなわ
ち、コンタクトピン3aとなる部分以外に、前記樹脂フ
ィルム2を接着剤2aにより接着する。前記樹脂フィル
ム2は、ポリイミド樹脂PIに金属フィルム(銅箔)5
00が一体に設けられた二層テープである。このフィル
ム被着工程の前までに、二層テープのうちの銅面500
に、部分的な銅エッチングの後、用途により金メッキを
施して、グラウンド面を形成しておく。そして、このフ
ィルム被着工程では、二層テープのうちの樹脂面PIを
接着剤2aを介して前記NiまたはNi合金層Nに被着
させる。なお、金属フィルム500は、銅箔に加えて、
Ni、Ni合金等でもよい。 〔分離工程〕そして、図7の(g)に示すように、樹脂
フィルム2とパターン配線3とベースメタル層6とから
なる部分を、支持金属板5から分離させた後、Cuエッ
チングを経て、樹脂フィルム2にパターン配線3のみを
接着させた状態とする。
【0040】〔金コーティング工程〕そして、露出状態
のパターン配線3に、図7の(h)に示すように、Au
メッキを施し、表面にAuメッキ層Aを形成する。この
とき、樹脂フィルム2から突出状態とされた前記コンタ
クトピン3aでは、全周に亙る表面全体にAu層Aが形
成される。
【0041】以上の工程により前記単位コンタクトプロ
ーブ1が作製される。
【0042】図8は、前記単位コンタクトプローブ1を
ICプローブとして所定形状に切り出したものを示す図
であり、図9は、図8のC−C線断面図である。図に示
すように、単位コンタクトプローブ1の樹脂フィルム2
には、パターン配線3から得られた信号を引き出し用配
線10を介してプリント基板25(図2参照)に伝える
ための窓11が設けられている。
【0043】次に、図4および図5を参照して、この単
位コンタクトプローブ1からコンタクトプローブ70を
作製する方法について説明する。
【0044】コンタクトプローブ70の作製に際して
は、位置決め台60と押さえ部材40とを使用する。位
置決め台60は、全体が平面視正方形の直方体状に形成
され、その中心部には、上下に貫通する平面視正方形の
貫通穴61が設けられている。貫通穴61には、コアピ
ン62が上下動可能に挿通されている。コアピン62の
上部には、コンタクトプローブ70の完成後、位置決め
台60から該コンタクトプローブ70を取り外す際に、
該コンタクトプローブ70のコンタクトピン3aの部分
を押し上げるためのピン押上部62aが形成されてい
る。
【0045】位置決め台60の上部には、貫通穴61に
向けて下方に傾斜する4つの傾斜面63が形成されてい
る。これら各傾斜面63の傾斜角αは、基準面に対して
前記コンタクトピン3aのパッドPに対して必要とされ
る接触角θ(図1参照)と等しい角度とされている。
【0046】これら傾斜面63には、平面視正四角枠状
となる段部64が形成されており、この段部64は、各
傾斜面63をそれらの面63に沿って延長させた仮想面
との間に、前記接着剤30を充填(塗布)するための接
着剤充填空間65を形成するようになっている。これら
傾斜面63の下端部で貫通穴61の近傍には、平面視正
方形の4つの案内突部66(位置決め部)が形成されて
いる。案内突部66は、隣接する2つの案内突部66の
間に、単位コンタクトプローブ1の樹脂フィルム2先端
部におけるコンタクトピン3aと平行な側端部(図8に
符号2aで示す)を進入させることで、単位コンタクト
プローブ1先端部の位置決めを行うためのものである。
【0047】押さえ部材40は、平面視正四角枠状に形
成され、その下部には、前記傾斜面63と等しい角度で
前記貫通穴61から離間する向きに上方に傾斜して該傾
斜面63に面接触可能な4つの傾斜押さえ面41が形成
されている。
【0048】次に、前記コンタクトプローブ70の作製
工程について工程順に説明する。
【0049】〔接着剤充填工程〕まず、位置決め台60
の段部64に接着防止用テープを貼った上で、該段部6
4に接着剤30を塗布する。 〔コンタクトピン位置決め工程〕次いで、位置決め台6
0の各傾斜面63に、それぞれ単位コンタクトプローブ
1を載置しつつ前記案内突部66によりコンタクトピン
3aを位置決めする。この場合、単位コンタクトプロー
ブ1は、前記金属フィルム500面側が傾斜面63に接
触する向きに載置する。
【0050】〔加圧工程〕押さえ部材40の傾斜押さえ
面41の全面に接着防止用テープを貼った上で、該傾斜
押さえ面41を、前記傾斜面63に載置した単位コンタ
クトプローブ1の上面に当接させて、前記接着剤30に
該単位コンタクトプローブ1の下面を均一に加圧する。 〔接着剤固化工程〕前記押さえ部材40により単位コン
タクトプローブ1を加圧した状態のまま、必要に応じて
加熱して、接着剤30を固化させる。前記エポキシ樹脂
の固化(硬化)条件としては、25℃で2時間または6
0℃で20分である。
【0051】〔コンタクトプローブ取り外し工程〕その
後、押さえ部材40を単位コンタクトプローブ1の上面
から外し、さらに、コアピン62を上昇させることで、
コンタクトプローブ70のコンタクトピン3aを押し上
げ、位置決め台60からコンタクトプローブ70を取り
外す。
【0052】〔接着防止用テープ剥離工程〕位置決め台
60の段部64と、押さえ部材40の傾斜押さえ面41
に貼り付けられた前記接着防止用テープを剥して、次の
コンタクトプローブ70の作製に備える。
【0053】以上の工程により前記コンタクトプローブ
70が作製される。
【0054】上記のコンタクトプローブ70の製造方法
では、位置決め台60の案内突部66および傾斜面63
により、コンタクトプローブ70の位置決めが完全に行
われるとともに、その配置状態を維持したまま、押さえ
部材40と接着剤30により、コンタクトプローブ70
を固定するため、作業が容易でかつ反復性に優れる。ま
た、位置決め台60および押さえ部材40は、前述した
上記公報における各種メカニカルパーツとは異なり、接
着の際の位置決めにしか用いず、その配置状態を保持す
るための部品ではないため、一度、高精度に設計製作す
れば、多数のコンタクトプローブ70に使用でき、部品
コストを低く抑えることができる。
【0055】また、コンタクトプローブ70は、各単位
コンタクトプローブ1を前記傾斜面63上で位置決めし
た状態で固定されるため、各コンタクトピン3aの軸線
が、パッドPの接触面Paに対して必要とされる接触角
θを保持した状態で固定される。
【0056】次に、図1および図2を参照して、前記コ
ンタクトプローブ70をプローブ装置80として組み込
む構成について説明する。プリント基板25に対して、
Oリング51を介して、クランプ50でコンタクトプロ
ーブ70の後端側を押さえ込むだけで、プローブ装置8
0は組立が終了する。この場合、コンタクトプローブ7
0は、全体が柔軟で曲げ易いため、組込み時にはフレキ
シブル基板として機能する。すなわち、コンタクトプロ
ーブ70の先端側が前記接着剤30により、コンタクト
ピン3aがパッドPに対して必要とされる接触角θと等
しい角度αに固定されていてもなお、コンタクトプロー
ブ70の後端側をプリント基板25に対してクランプ5
0で押さえつける角度(水平)に曲げることは容易であ
る。
【0057】上記のように構成されたプローブ装置80
を用いて、ICチップIのプローブテスト等を行う場合
は、プローブ装置80をプローバーに装着するとともに
テスターに電気的に接続し、所定の電気信号をパターン
配線3のコンタクトピン3aからウェーハ上のICチッ
プIに送ることによって、該ICチップIからの出力信
号がコンタクトピン3aからテスターに伝送され、IC
チップIの電気的特性が測定される。
【0058】このコンタクトプローブ70では、接着剤
30が塗布されることで剛性が付与されて、コンタクト
ピン3aがパッドPの接触面Paに向けてオーバードラ
イブをかけられたときにも、該コンタクトプローブ70
が変形しないため、プローブ装置80として組み込む際
にコンタクトプローブ70を正確に位置決めした状態で
取り付けるだけで足り、その配置状態を保持するための
高精度な部品が不要とされる。よって、部品コストが低
廉で済む。
【0059】また、このコンタクトプローブ70では、
4つの単位コンタクトプローブ1が互いに位置決めされ
た状態で接着され、これら4つの単位コンタクトプロー
ブ1が一体に固定されてなる構成であるため、各々の単
位コンタクトプローブ1は、当該単位コンタクトプロー
ブ1以外の他の単位コンタクトプローブ1によって一体
に支持された状態となり、コンタクトプローブ70全体
としては、その分、剛性が向上する。
【0060】さらに、このコンタクトプローブ70で
は、各単位コンタクトプローブ1が前記傾斜面63上で
位置決めされ、それぞれのコンタクトピン3aの軸線が
パッドPの接触面Paに対して必要とされる接触角θを
保持する位置で固定されているため、プローブ装置80
として組み込む際の位置決め作業が容易である。
【0061】また、このコンタクトプローブ70では、
各単位コンタクトプローブ1は、各下面同士が接着剤3
0により固着されるため、コンタクトピン3aがパッド
Pの接触面Paに加圧された状態で接触して、コンタク
トプローブ70に上向きの力が作用しても、平面視正四
角枠状の範囲に塗布された接着剤30により固着された
部分が伸縮しないため、コンタクトプローブ70は変形
しない。したがって、コンタクトピン3aのパッドPに
対して必要とされる接触角θがずれたり、コンタクトピ
ン3aとパッドPとの接触不良が起きることがない。
【0062】このコンタクトプローブ70では、樹脂フ
ィルム2に金属フィルム500を設けることで、該樹脂
フィルム2上に形成されるコンタクトピン3aが支持さ
れている。接着剤30は、金属フィルム500と膨張係
数の等しいものが使用されるため、バーンインテストや
接着剤30の固化のための加熱の際にも、両者の熱膨張
量の相違により、コンタクトピン3aの位置がずれるこ
とがない。この場合、図8に示すように、樹脂フィルム
2においてパターン配線3が形成されている部分に比べ
て、パターン配線3が形成されていない部分Kの方が、
熱の影響(例えばシュリンク)を受け易いことが分かっ
ている。
【0063】図8および図9に示すように、コンタクト
プローブ70において、金属フィルム500は、コンタ
クトピン3aの近傍まで設けられ、コンタクトピン3a
は、金属フィルム500の先端部からの突出量Lが5m
m以下とされている。この金属フィルム500は、グラ
ウンドとして用いることができ、それにより、プローブ
装置80の先端近くまでインピーダンスマッチングをと
る設計が可能となり、高周波域でのテストを行う場合に
も反射雑音による悪影響を防ぐことができる。
【0064】また、樹脂フィルム2(ポリイミド樹脂P
I)に張り付けられた金属フィルム500には、さらに
以下の利点がある。すなわち、金属フィルム500が無
い場合、樹脂フィルム2は、ポリイミド樹脂からなって
いるため、水分を吸収して伸びが生じ、図10に示すよ
うに、コンタクトピン3a,3a間の間隔tが変化する
ことがあった。そのため、コンタクトピン3aが端子電
極の所定位置に接触することができず、正確な電気テス
トを行うことができないという問題があった。本実施形
態では、樹脂フィルム2に金属フィルム500を張り付
けて設けることにより、湿度が変化しても前記間隔tの
変化を少なくし、コンタクトピン3aを端子電極の所定
位置に確実に接触させるようになっている。
【0065】なお、上記の第一の実施形態においては、
4つの単位コンタクトプローブ1によりコンタクトプロ
ーブ70を構成したが、これに代えて、1つの単位コン
タクトプローブのみで、コンタクトプローブ70を構成
してもよい。
【0066】また、第一の実施形態においては、単位コ
ンタクトプローブ1の下面にのみ接着剤30を塗布した
が、これに代えて、上面のみに塗布してもよく、また、
上下双方の面に塗布してもよい。この場合、単位コンタ
クトプローブ1と接着剤30との接着強度を向上させる
ためには、樹脂フィルム2において接着剤30を塗布す
る部分に穴を設け、その穴を通じて樹脂フィルム2の上
下双方の面に塗布された接着剤30をつなげるようにし
てもよい。
【0067】また、同様に、接着強度を上げるために
は、樹脂フィルム2において接着剤30を塗布する部分
の一部を、該樹脂フィルム2面から例えば垂直に折曲
し、その状態で接着剤30を塗布すればよい。この場
合、樹脂フィルム2の平面上に接着剤30を塗布すると
きに比べて、接着剤30が樹脂フィルム2にくい込む
分、接着強度が向上する。
【0068】本実施形態では、プローブ装置80をプロ
ーブカードとして用いたが、他の測定用治具等に採用し
ても構わない。例えば、ICチップを内側に保持して保
護し、ICチップのバーンインテスト用装置等に搭載さ
れるICチップテスト用ソケット等に適用してもよい。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載のコンタクトプローブによ
れば、接着剤が塗布されることで剛性が付与されて、コ
ンタクトピンが測定対象物の接触面に加圧された状態で
接触したときにも、該コンタクトプローブが変形しない
ため、プローブカードとして組み込む際にコンタクトプ
ローブを正確に位置決めした状態で取り付けるだけで足
り、その配置状態を保持するための高精度な部品が不要
とされ、部品コストが低廉で済むという効果が得られ
る。
【0070】請求項2記載のコンタクトプローブによれ
ば、複数の単位コンタクトプローブが互いに位置決めさ
れた状態で接着され、これら複数の単位コンタクトプロ
ーブが一体に固定されてなる構成であるため、各々の単
位コンタクトプローブは、当該単位コンタクトプローブ
以外の他の単位コンタクトプローブによって一体に支持
された状態となり、本コンタクトプローブ全体として
は、その分、剛性が向上し、したがって、コンタクトピ
ンが測定対象物の接触面に加圧された状態で接触したと
きにも、本コンタクトプローブは変形しない。よって、
プローブカードとして組み込む際に本コンタクトプロー
ブを正確に位置決めした状態で取り付けるだけで足り、
その配置状態を保持するための高精度な部品は不要とさ
れるという効果が得られる。
【0071】請求項3記載のコンタクトプローブによれ
ば、上記請求項1または2記載のものと同様に、高い剛
性が得られるのに加えて、コンタクトプローブまたは複
数の単位コンタクトプローブのそれぞれのコンタクトピ
ンの軸線が測定対象物の接触面に対して必要とされる接
触角を保持する位置に位置決めされた状態で固定されて
いるため、プローブカードとして組み込む際の本コンタ
クトプローブの位置決め作業が容易となる。
【0072】請求項4記載のコンタクトプローブによれ
ば、4つの単位コンタクトプローブが平面視等間隔に配
置され、これら4つの単位コンタクトプローブの各上面
同士または各下面同士が平面視四角枠状の範囲に塗布さ
れた接着剤により固着されてなるため、例えば、平面視
四角形のICチップの各辺に沿って配置されたパッドを
測定することができる。これら4つの単位コンタクトプ
ローブは、各上面同士または下面同士が接着剤により固
着されるため、本コンタクトプローブに上下方向の力が
作用しても(例えば、コンタクトピンがパッドの接触面
に加圧された状態で接触するときにはコンタクトプロー
ブに上向きの力が作用する)、該接着剤により固着され
た部分が伸縮しないため、本コンタクトプローブは変形
しないという効果が得られる。
【0073】請求項5記載のコンタクトプローブによれ
ば、前記コンタクトプローブまたは前記複数の単位コン
タクトプローブの接着には、エポキシ樹脂からなる接着
剤が用いられ、このエポキシ樹脂からなる接着剤は、電
気絶縁性は勿論のこと、比較的安価で、少なくとも本コ
ンタクトプローブに作用する外力に対しては十分な剛性
を有している。
【0074】請求項6記載のコンタクトプローブによれ
ば、接着剤は、前記フィルムと膨張係数の等しいものが
使用されるため、高温下試験の場合にも、両者の熱膨張
量の相違により、前記接着剤により固定された前記フィ
ルム上のコンタクトピンの位置がずれることがない。
【0075】請求項7記載のコンタクトプローブによれ
ば、前記フィルムに金属フィルムを設けることで、該フ
ィルム上に形成されるコンタクトピンが支持され、本コ
ンタクトプローブで採用される接着剤は、前記金属フィ
ルムと膨張係数の等しいものが使用されるため、高温下
試験の場合にも、両者の熱膨張量の相違により、前記接
着剤により固定され、かつ、前記金属フィルムに支持さ
れるコンタクトピンの位置がずれることがないという効
果が得られる。なお、前記金属フィルムは、後述するグ
ラウンドとして用いることができる。
【0076】請求項8記載のコンタクトプローブによれ
ば、前記位置決め台の前記位置決め部および前記傾斜面
により、コンタクトプローブの位置決めが完全に行われ
るとともに、その配置状態を維持したまま、押さえ部材
と接着剤により、該コンタクトプローブを固定するた
め、作業が容易でかつ反復性に優れる。また、前記位置
決め台および前記押さえ部材は、前述した上記公報にお
ける各種メカニカルパーツとは異なり、接着の際の位置
決めにしか用いず、その配置状態を保持するための部品
ではないため、一度、高精度に設計製作すれば、多数の
コンタクトプローブに使用でき、部品コストを低く抑え
ることができる。
【0077】請求項9記載のコンタクトプローブによれ
ば、前記フィルムが、例えば水分を吸収して伸張し易い
樹脂フィルム等であっても、該フィルムには、金属フィ
ルムが直接張り付けられて設けられているため、該金属
フィルムにより前記フィルムの伸びが抑制される。さら
に、該金属フィルムは、グラウンドとして用いることが
でき、それにより、コンタクトプローブの先端近くまで
インピーダンスマッチングをとる設計が可能となり、高
周波域でのテストを行う場合にも反射雑音による悪影響
を防ぐことができる。
【0078】請求項10記載のコンタクトプローブによ
れば、前記金属フィルムがコンタクトピンの近傍までグ
ラウンドとして機能するため、コンタクトピン先の近く
まで基板配線側との特性インピーダンスのずれを最小限
に抑えることができ、反射雑音による誤動作を抑えるこ
とができる。
【0079】請求項11記載のコンタクトプローブによ
れば、前記金属フィルムに第二のフィルムが直接張り付
けられて設けられているため、プローブカードとしてコ
ンタクトプローブを組み込む際の締付けに対して緩衝材
となるという作用効果を得ることができる。したがっ
て、組み込み時に配線パターンに与えるダメージを軽減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプローブ装置の一実施形態を示
す側断面図である。
【図2】 同分解斜視図である。
【図3】 同装置を構成するコンタクトプローブを示す
平面図である。
【図4】 単位コンタクトプローブからコンタクトプロ
ーブを作製する治具を示す分解斜視図である。
【図5】 同側断面図である。
【図6】 単位コンタクトプローブを示す要部斜視図で
ある。
【図7】 単位コンタクトプローブの製造方法を工程順
に示す要部断面図である。
【図8】 単位コンタクトプローブを示す平面図であ
る。
【図9】 図8のC−C線断面図である。
【図10】 単位コンタクトプローブにおいて金属フィ
ルムを説明するための正面図である。
【図11】 従来のプローブカードを示す側面図であ
る。
【図12】 同斜視図である。
【図13】 同分解斜視図である。
【符号の説明】
1 単位コンタクトプローブ(コンタクトプローブ) 2 フィルム(樹脂フィルム) 3 パターン配線 3a コンタクトピン 30 接着剤 40 押さえ部材 41 下面(傾斜押さえ面) 60 位置決め台 63 傾斜面 64 段部 65 接着剤充填空間 66 位置決め部(案内突部) 70 コンタクトプローブ 80 プローブ装置(プローブカード) 500 金属フィルム L コンタクトピンの金属フィルムから突出した長さ N 金属層 P 測定対象物(パッド) Pa 接触面 α 傾斜面の角度 θ 接触角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 厚 兵庫県三田市テクノパーク十二番の六 三 菱マテリアル株式会社三田工場内 (72)発明者 植木 光芳 兵庫県三田市テクノパーク十二番の六 三 菱マテリアル株式会社三田工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパターン配線(3)がフィルム
    (2)上に形成されこれらのパターン配線(3)の各先
    端が前記フィルム(2)から突出状態に配されてコンタ
    クトピン(3a)とされるコンタクトプローブ(1)
    に、前記コンタクトピン(3a)が測定対象物(P)の
    接触面(Pa)に加圧された状態で接触したときに該コ
    ンタクトプローブ(1)が変形しない程度の剛性を付与
    する接着剤(30)を塗布してなることを特徴とするコ
    ンタクトプローブ。
  2. 【請求項2】 複数のパターン配線(3)がフィルム
    (2)上に形成されこれらのパターン配線(3)の各先
    端が前記フィルム(2)から突出状態に配されてコンタ
    クトピン(3a)とされる単位コンタクトプローブ
    (1)を複数備えてなるコンタクトプローブ(70)で
    あって、 該コンタクトプローブ(70)は、複数の単位コンタク
    トプローブ(1)を互いに位置決めした状態で接着し、
    これら複数の単位コンタクトプローブ(1)を一体に固
    定してなることを特徴とするコンタクトプローブ。
  3. 【請求項3】 前記コンタクトプローブ(1)または前
    記複数の単位コンタクトプローブ(1)のそれぞれのコ
    ンタクトピン(3a)の軸線が測定対象物(P)の接触
    面(Pa)に対して必要とされる接触角(θ)を保持す
    る位置に位置決めされた状態で固定されていることを特
    徴とする請求項1または2記載のコンタクトプローブ。
  4. 【請求項4】 4つの単位コンタクトプローブ(1)が
    平面視等間隔に配置され、これら4つの単位コンタクト
    プローブ(1)の各上面同士または各下面同士が平面視
    四角枠状の範囲に塗布された接着剤(30)により固着
    されてなることを特徴とする請求項2または3記載のコ
    ンタクトプローブ。
  5. 【請求項5】 前記コンタクトプローブ(1)または前
    記複数の単位コンタクトプローブ(1)の接着には、エ
    ポキシ樹脂からなる接着剤(30)が用いられることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコンタク
    トプローブ。
  6. 【請求項6】 前記コンタクトプローブ(1)または前
    記複数の単位コンタクトプローブ(1)の接着には、前
    記フィルム(2)と膨張係数の等しい接着剤(30)が
    用いられることを特徴とする請求項1から5のいずれか
    に記載のコンタクトプローブ。
  7. 【請求項7】 前記コンタクトプローブ(1)または前
    記複数の単位コンタクトプローブ(1)の前記フィルム
    (2)における前記パターン配線(3)が形成された面
    の裏側の面には、金属フィルム(500)が設けられ、 前記コンタクトプローブ(1)または前記複数の単位コ
    ンタクトプローブ(1)の接着には、前記金属フィルム
    (500)と膨張係数の等しい接着剤(30)が用いら
    れることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    のコンタクトプローブ。
  8. 【請求項8】 複数のパターン配線(3)をフィルム
    (2)上に形成しこれらのパターン配線(3)の各先端
    を前記フィルム(2)から突出状態に配してコンタクト
    ピン(3a)とする単位コンタクトプローブ(1)を複
    数備え、これら複数の単位コンタクトプローブ(1)
    を、それらのそれぞれのコンタクトピン(3a)の軸線
    が測定対象物(P)の接触面(Pa)に対して必要とさ
    れる接触角(θ)を保持する位置に互いに位置決めした
    状態で接着し、これらを一体に固定してなるコンタクト
    プローブ(70)の製造方法であって、 前記複数の単位コンタクトプローブ(1)のそれぞれの
    コンタクトピン(3a)を位置決めするための位置決め
    部(66)と、前記コンタクトピン(3a)の測定対象
    物(P)の接触面(Pa)に対して必要とされる接触角
    (θ)と等しい角度(α)に形成される傾斜面(63)
    と、該傾斜面(63)をその面に沿って延長させた仮想
    面との間に接着剤充填空間(65)を形成するための段
    部(64)とが形成された位置決め台(60)の、前記
    接着剤充填空間(65)に、接着剤(30)を充填する
    接着剤充填工程と、 前記位置決め台(60)の前記傾斜面(63)に前記複
    数の単位コンタクトプローブ(1)を載置しつつ前記位
    置決め部(66)により前記コンタクトピン(3a)を
    位置決めするコンタクトピン位置決め工程と、 その下面(41)が前記傾斜面(63)および前記仮想
    面と等しい角度(θ,α)に形成された押さえ部材(4
    0)の、該下面(41)を、前記位置決め台(60)の
    前記傾斜面(63)に載置された前記複数の単位コンタ
    クトプローブ(1)の上面に当接させて前記接着剤(3
    0)に向けて該単位コンタクトプローブ(1)の下面を
    均一に加圧する加圧工程と、 前記押さえ部材(40)により前記単位コンタクトプロ
    ーブ(1)を加圧した状態のまま前記接着剤(30)を
    固化させる接着剤固化工程とを備えてなることを特徴と
    するコンタクトプローブの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記コンタクトプローブ(1)または前
    記単位コンタクトプローブ(1)の前記フィルム(2)
    には、金属フィルム(500)が直接張り付けられて設
    けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    かに記載のコンタクトプローブ。
  10. 【請求項10】 前記フィルム(2)に張り付けられる
    金属フィルム(500)は、該フィルム(2)面に沿う
    方向において前記コンタクトピン(3a)の近傍まで設
    けられていることを特徴とする請求項9記載のコンタク
    トプローブ。
  11. 【請求項11】 前記金属フィルム(500)には、第
    二のフィルムが直接張り付けられて設けられていること
    を特徴とする請求項9または10記載のコンタクトプロ
    ーブ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015064382A (ja) * 2012-01-10 2015-04-09 スター テクノロジーズ インコーポレイテッドStar Technologies Inc. プローブの電気的接点を強化した構造を備えた集積回路用プローブカード
CN112384811A (zh) * 2018-07-04 2021-02-19 泰克诺探头公司 用于高频应用的探针卡
JP2021085717A (ja) * 2019-11-26 2021-06-03 ダイトロン株式会社 プローブカード、プローブシート、プローブカードの製造方法及び検査装置

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