JPH11246605A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH11246605A
JPH11246605A JP5345298A JP5345298A JPH11246605A JP H11246605 A JPH11246605 A JP H11246605A JP 5345298 A JP5345298 A JP 5345298A JP 5345298 A JP5345298 A JP 5345298A JP H11246605 A JPH11246605 A JP H11246605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
weight
polymerization
pvc
based resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5345298A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Kawaguchi
泰広 川口
Keiji Fukuda
啓二 福田
Yuki Maruyama
由紀 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Sekisui Co Ltd filed Critical Tokuyama Sekisui Co Ltd
Priority to JP5345298A priority Critical patent/JPH11246605A/ja
Publication of JPH11246605A publication Critical patent/JPH11246605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂表面のスキン層がなく、、脱モノマー性
及び可塑剤吸収性が良好でゲル化性に優れた塩化ビニル
系樹脂の製造方法及び上記塩化ビニル系樹脂を原料とす
る塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁
重合するにあたり、分散剤として、ケン化度68〜82
モル%、重合度300〜500で片末端にメルカプト基
を導入した部分ケン化ポリビニルアルコ−ル及び重量平
均分子量200万〜800万のポリエチレンオキサイド
を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
の製造方法に関し、詳しくは樹脂表面のスキン層がな
く、脱モノマー性及び可塑剤吸収性が良好でゲル化性に
優れたな塩化ビニル系樹脂の製造方法に関し、得られた
塩化ビニル系樹脂を塩素化する塩素化塩化ビニル系樹脂
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル系樹脂(以下、P
VCという)は、機械的強度、耐侯性、耐薬品性に優
れ、配管材料、建築材料などに広く利用されている。し
かしながら、PVCは耐熱性に劣るという欠点があるた
め、PVCを塩素化して耐熱性を向上させた塩素化塩化
ビニル系樹脂(以下、CPVCという)が開発された。
しかしながら、CPVCは熱変形温度が高いため、成形
加工時にゲル化させるためには、高温度と剪断力を必要
とするため、分解して着色し易いという傾向があった。
従って、CPVCは成形加工幅が狭く、不充分なゲル化
状態で製品化されることが多く、素材のもつ性能を充分
発揮できているとは言えなかった。
【0003】従来、PVCの製造方法としては、水性媒
体と、塩化ビニル単量体、又は塩化ビニル単量体と共重
合可能な他の単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単
量体(VCM)という)を懸濁重合するにあたり、水性
媒体中にポリビニルアルコール及びセルロース誘導体等
の分散剤の存在下に懸濁重合する方法が知られている。
そしてこの場合のポリビニルアルコールとしては優れた
分散力を有するものが一般的である。
【0004】しかしながら、従来の懸濁重合法によって
得られるPVCは、比較的厚いスキン層に覆われ多孔性
に乏しいという問題点があった。これらの樹脂では可塑
剤吸収性が悪化して加工時の作業性が低下し、またゲル
化速度が遅くなるので、加工製品が不均一なものになり
やすく、フィッシュアイも増加するという問題があっ
た。これらの問題点を改善するために、低鹸化度あるい
は低重合度の部分鹸化ポリビニルアルコールを分散剤と
して使用することが試みられているが、いずれも重合系
が不安定になり、得られるPVCの粒度分布が広がり、
その成果は不十分なものであった。
【0005】また、スキン層のないPVCを懸濁重合に
より製造する方法として、例えば、特開昭50−135
192号公報では、アルカリ化合物の存在下で、親油性
ソルビタン高級脂肪酸エステルと親水性ポリオキシエチ
レン高級脂肪酸エステルとの併用系で、所定の重合転化
率(10〜30重量%)で水溶性セルロース誘導体を添
加する方法が開示されている。しかし、これらの方法で
は重合が不安定になり、得られるPVCが粗粒となり易
い。またスケールの付着も激しく、スキン層のないPV
Cを安定して得ることができなかった。
【0006】また、CPVCはPVCより熱変形温度が
高い故、CPVCを加工して成形体とするには、PVC
よりも高い温度に加熱してゲル化させなければならない
が、熱安定性の点からできるだけ低温度でCPVCのゲ
ル化特性を改善することが要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであって、樹脂表面のスキン層がな
く、、脱モノマー性及び可塑剤吸収性が良好でゲル化性
に優れたPVCの製造方法及び上記PVCを原料とする
CPVCの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のPVCの
製造方法は、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁重
合するにあたり、分散剤として、ケン化度68〜82モ
ル%、重合度300〜500で片末端にメルカプト基を
導入した部分ケン化ポリビニルアルコ−ル及び重量平均
分子量200万〜800万のポリエチレンオキサイドを
使用することを特徴とする。
【0009】請求項2記載のCPVCの製造方法は、請
求項1記載の製造方法で得られるPVCを用いて塩素化
することを特徴とする。
【0010】上記部分ケン化ポリビニルアルコ−ル(以
下、PVAという)は、主(一次)分散剤として用いら
れ、十分な分散力と保護コロイド力を併せて持つものが
好ましい。部分ケン化PVAのケン化度は68〜82モ
ル%に限定される。ケン化度が、68モル%未満では保
護コロイド力より、分散力が勝るため、重合安定性が悪
くなり、82モル%を超えると、得られるPVCの粒度
分布が広くなったり、可塑剤吸収性が低下するからであ
る。
【0011】また、上記部分ケン化PVAの重合度は3
00〜500に限定され、重合度が300未満のものは
製造が困難であり、500を超えると、得られるPVC
粒子表面のスキン層が厚くなり、可塑剤吸収性、ゲル化
性が悪くなる。
【0012】さらに、上記部分ケン化PVAの末端にメ
ルカプト基を導入することにより、塩化ビニル単量体界
面に対するグラフト効率が良くなり、その結果、未導入
のものに比べ少ない添加量で、もしくは、より低い重合
度の部分ケン化PVAが使用でき、PVCの重合が可能
となる。
【0013】このような部分ケン化PVAは、ポリ酢酸
ビニルをアルカリ、酸などで部分的にケン化することに
よって得られる。市販品としては、例えば、ポバールM
−505、ポバールM−504(クラレ社製)などが挙
げられる。これらは、ケン化度が68〜82モル%、重
合度300〜500の範囲内のもので、2種以上が併用
されてもよい。
【0014】上記部分ケン化PVAの使用量としては、
単量体として仕込まれるVCM100重量部に対して
0.03〜0.2重量部が好ましく、より好ましくは
0.05〜0.1重量部である。部分ケン化PVAの使
用量が0.03重量部未満では重合安定性が得られず、
0.2重量部を超えると得られるPVCの可塑剤吸収性
の低下やフィッシュアイの増加等の問題点が生ずる。
【0015】上記ポリエチレンオキサイドは、補助(二
次)分散剤として用いられ、主分散剤である部分ケン化
PVAと併用することにより、熱安定性が向上し、PV
Cの内部空隙率が増加して可塑剤吸収性が向上する。
【0016】上記ポリエチレンオキサイドは、重量平均
分子量200万〜800万のものが用いられ、重量平均
分子量200万未満では重合安定性に寄与せず、800
万を超えるものは入手が困難であるからである。
【0017】重量平均分子量200万〜800万のポリ
エチレンオキサイドとしては、例えば、市販の、PEO
−18(住友精化社製)、アルコックスE−100、ア
ルコックスE−240(明成化学社製)やポリオックス
(ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
【0018】上記ポリエチレンオキサイドの使用量とし
ては、単量体として仕込まれるVCM100重量部に対
して0.005〜0.03重量部が好ましく、より好ま
しくは0.01〜0.02重量部である。ポリエチレン
オキサイドの使用量が0.005重量部未満ではその添
加効果が得られず、0.03重量部を超えて添加して
も、著しい効果が得られず、また重合安定性が悪化す
る。
【0019】上記VCMとは、VCM単独、又はVCM
と共重合可能な他の単量体との混合物のことをいう。V
CMと共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の
(メタ)アクリル酸エステル類;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等のオレフィン類;フマル酸、マレイン酸
のエステル類及びその無水物;フェニルマレイミド、シ
クロヘキシルマレイミド等の窒素置換マレイミド類;ア
クリロニトリル:セチルビニルエ−テル等のニトリル化
合物;塩化ビニリデンなどのビニリデン化合物などが挙
げられ、これらは単独で使用されても、2種以上が併用
されてもよい。
【0020】本発明のPVCの製造工程では、懸濁重合
を行うための媒体として水性媒体が使用され、例えば、
脱イオン水が好適に用いられる。水性媒体/VCの重量
比率は従来使用されてきた範囲と同様で良いが、おおよ
その範囲は1.0〜3.0が好ましい。
【0021】上記重合開始剤としては一般にVCMの懸
濁重合に使用される油溶性の開始剤が好適に用いられ
る。このような重合開始剤としては、例えば、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシ
エチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキ
シネオデカーネート、t−ブチルパーオキシネオデカー
ネート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチル
パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエ−ト、
アセチルシクロヘキシルスルホニルパ−オキサイド、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パ−オキシフェ
ノキシアセテ−ト、ラウロイルパ−オキサイド、2、2
´−アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられ、これら
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。上記重合開始剤の使用量としては、従来の方法と同
様でよい。
【0022】本発明のPVCの製造工程では、分散剤と
して上記のような分散剤を併用すること以外は、従来の
VCMの懸濁重合と同様に行われる。即ち、容器として
はオ−トクレ−ブが使用され、初めに水性媒体、例え
ば、脱イオン水を入れ、次いで上記分散剤を加えて攪拌
したのち、オ−トクレ−ブ内を減圧脱気して酸素を除
き、その後VCMをいれて、VCMを水性媒体中に分散
させて懸濁状態とした後、重合開始剤を加える。その後
オ−トクレ−ブを加熱して、内容物を数時間高い温度に
維持してVCMの重合を行う。重合が進行してオ−トク
レ−ブ内にあるVCMの圧力が低下した時点で、オ−ト
クレ−ブを冷却して、内容物の温度を下げ、未反応のV
CMを回収し、内容物を取り出す。その後、脱水、乾燥
してPVCを得る。
【0023】請求項2のCPVCの製造方法は、上述の
ようにして得られたPVCをその後塩素化する。塩素化
の工程は一般的に行われている方法が採用され、塩素化
はPVCに塩素を接触させることにより行う。
【0024】PVCを懸濁状態で塩素化する場合には、
懸濁重合によって得られたPVCを水性媒体から分離し
ないで、懸濁重合によって得られた懸濁物そのものの中
へ直接塩素を吹き込んで塩素化を行うことができる。ま
た上記の懸濁物からPVCを分離したのち、PVCを再
び別の水性媒体中に分散させて、この分散物中に塩素を
吹き込んで塩素化を行うこともできる。この時、紫外線
を照射して塩素化を促進させることが好ましい。また、
水性媒体中にはアセトン、メチルエチルケトンのような
ケトン類を少量加えてもよく、また必要に応じて、塩
酸、トリクロロエチレン、四塩化炭素のような塩素系溶
剤を少量加えてもよい。
【0025】上記塩素化の工程では、得られるCPVC
の塩素含有率が60〜70重量%となるようにすること
が好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0027】(実施例1)600リットルのステンレス
製重合器に脱イオン水143重量部、分散剤として、ケ
ン化度72.8モル%、重合度500で片末端にメルカ
プト基を導入した部分ケン化PVA0.05重量部、及
び重量平均分子量430万のポリエチレンオキサイド
0.01重量部を投入し、減圧にして重合器内の空気を
除き、VCM100重量部、重合触媒として、α−クミ
ルパ−オキシネオデカノエ−ト0.017重量部、及び
t−ブチルパ−オキシネオデカノエ−ト0.06重量部
を仕込んだ。次いで、重合器を58℃に昇温して重合を
開始させ、一定時間重合を行い、重合器の内圧が7.0
kg/cm2 に低下した時点で、未反応のVCMを回収
し、内容物を取り出して、脱水乾燥してPVCを得た。
得られたPVCの重合収率は85重量%で、平均重合度
は1000であった。
【0028】(実施例2)分散剤として、ケン化度80
モル%、重合度400で片末端にメルカプト基を導入し
た部分ケン化PVA0.08重量部、及び重量平均分子
量450万のポリエチレンオキサイド0.01重量部使
用し、その他の分散剤としてケン化度50モル%、重合
度250の部分ケン化PVA0.01重量部使用したこ
と以外は実施例1と同様にして、PVCを得た。
【0029】(実施例3)分散剤として、ケン化度76
モル%、重合度400で片末端にメルカプト基を導入し
た部分ケン化PVA、及び重量平均分子量250万のポ
リエチレンオキサイドを使用したこと以外は実施例1と
同様にして、PVCを得た。
【0030】(比較例1)分散剤として、ケン化度76
モル%、重合度400で片末端にメルカプト基を未導入
の部分ケン化PVAを使用したこと以外は実施例1と同
様にして重合を行ったが、重合不能であった。
【0031】(比較例2)分散剤として、ケン化度7
2.6モル%、重合度650で片末端にメルカプト基を
導入した部分ケン化PVAを使用したこと以外は実施例
1と同様にして、PVCを得た。
【0032】(比較例3)補助分散剤として、ポリエチ
レンオキサイドを使用しなかったこと以外は実施例1と
同様にして、PVCを得た。
【0033】尚上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得
られたPVCに付いて、下記の物性評価を行い、その結
果を表1に示す。 (1)嵩比重(g/cc) JIS K 6721に準拠して測定した。 (2)粒度分布(パス率、重量%) JIS Z 8801に準拠し、♯60、♯100、♯
200の各篩を用いてふるい分けし、パス量(重量%)
を計量した。
【0034】(3)可塑剤吸収性(重量%) PVC5〜10gを秤量し、これに過剰量のジオクチル
フタレ−トを添加し、常温で24時間放置後、過剰のジ
オクチルフタレ−トを除去し、PVCに吸収された可塑
剤量を測定した。この吸収可塑剤量のPVCに対する割
合を可塑剤吸収度(重量%)とした。
【0035】(4)フィッシュアイ(個) 得られたPVCに、以下の組成の配合物を作り、この配
合物を140℃の6インチロ−ルで5分間混練した後、
これを厚み0.3mmのシ−トとし、このシ−ト100
cm2 中にある白色透明粒子の数を測定して、フィッシ
ュアイの個数とした。 (配合物)PVC100重量部、ジオクチルフタレ−ト
50重量部、ステアリン酸バリウム0.5重量部、ステ
アリン酸亜鉛0.5重量部、二酸化チタン0.5重量
部、カ−ボンブラック0.1重量部。
【0036】(5)ゲル化性(秒)得られたPVCに、
以下の組成の配合物(64g)をブラベンダー・プラス
トグラフに投入し、ヒーター温度215℃、投入時温度
190℃、回転数50回転/分でゲル化するまでの時間
(秒)を測定した。 (配合物)PVC100重量部、ジオクチル錫メルカプ
ト2重量部、ステアリン酸カルシウム0.5重量部、エ
ステル系ワックス0.5重量部、及びポリエチレンワッ
クス0.75重量部。
【0037】(6)スキン層の有無 得られたPVC粒子を電子顕微鏡により、スキン層の有
無を観察した。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例4)内容積300リットルのグラ
スライニング製反応器に、脱イオン水500重量部と実
施例1で得られたPVC100重量部を投入し、攪拌し
てPVCを水中に分散させた後、反応器を加熱して、器
内温度を70℃に保った。次いで、反応器に窒素ガスを
吹き込み器内を窒素ガスで置換した後、塩素ガスを吹き
込み、水銀ランプで器内に紫外線を照射しながら、PV
Cの塩素化を行った。器内の塩酸濃度を測定して塩素化
反応の進行状況を把握し、得られたCPVCの塩素含有
率が約66.5重量%に達した時点で塩素ガスの供給を
停止し、塩素化反応を終了した。その後、器内に窒素ガ
スを吹き込みながら未反応塩素を除去し、得られた分散
物を水酸化ナトリウムで中和し、水で洗浄して脱水した
後、乾燥して、粉状CPVCを得た。
【0040】得られたCPVCの塩素含有率は66.5
重量%であり、スキン層がなく、嵩比重0.570、空
隙率28重量%、ゲル化温度180℃、及び熱変形温度
104℃であった。
【0041】(比較例4)分散剤として、ケン化度7
2.6モル%、重合度800で片末端にメルカプト基を
導入した部分ケン化PVAを使用したこと以外は実施例
1と同様にして、PVCを得た。このPVCを用いて実
施例4と同様にしてCPVCを得た。
【0042】得られたCPVCの塩素含有率は66.5
重量%であり、スキン層があり、嵩比重0.590、空
隙率25重量%、ゲル化温度196℃、及び熱変形温度
102℃であった。
【0043】実施例4で得られたCPVCと比較例4で
得られたCPVCとを比較すると、両者はPVCの製造
工程において、片末端にメルカプト基を導入した部分ケ
ン化PVAの重合度が異なるだけであり、塩素含有率も
66.5重量%と同じでありながら、熱変形温度が実施
例4のほうが高いにもかかわらず、ゲル化温度は実施例
4のほうが16℃も低く、ゲル化し易いものとなってい
る。このことは、低重合度の部分ケン化PVAを使用す
ることによるスキン層の除去がもたらす効果の顕著なこ
とが明らかである。
【0044】(実施例5)CPVCの塩素含有率が6
8.5重量%に達した時点で塩素ガスの供給を停止した
こと以外は、実施例4と同様に実施してCPVCを得
た。
【0045】得られたCPVCの塩素含有率は68.5
重量%であり、スキン層がなく、嵩比重0.587、空
隙率26重量%、ゲル化温度190℃、及び熱変形温度
140℃であった。
【0046】(比較例5)分散剤として、ケン化度7
2.6モル%、重合度800で片末端にメルカプト基を
導入した部分ケン化PVAを使用したこと以外は実施例
1と同様にして、PVCを得た。このPVCを用いて実
施例5と同様にしてCPVCを得た。
【0047】従って、得られたCPVCの塩素含有率は
68.5重量%であり、スキン層があり、嵩比重0.6
10、空隙率24重量%、ゲル化温度202℃、及び熱
変形温度137℃であった。
【0048】実施例5で得られたCPVCと比較例5で
得られたCPVCとを比較すると、両者はPVCの製造
工程において、片末端にメルカプト基を導入した部分ケ
ン化PVAの重合度が異なるだけであり、塩素含有率も
68.5重量%と同じでありながら、熱変形温度が実施
例4のほうが高いにもかかわらず、ゲル化温度は実施例
4のほうが12℃も低く、ゲル化し易いものとなってい
る。このことは、低重合度の部分ケン化PVAを使用す
ることによるスキン層の除去がもたらす効果の顕著なこ
とが明らかである。
【0049】(実施例6)分散剤として、ケン化度76
モル%、重合度400で片末端にメルカプト基を導入し
た部分ケン化PVA、及び重量平均分子量250万のポ
リエチレンオキサイドを使用したこと以外は実施例1と
同様にして、PVCを得た。このPVCを用いて実施例
4と同様にしてCPVCを得た。
【0050】得られたCPVCの塩素含有率は66.5
重量%であり、スキン層がなく、嵩比重0.563、空
隙率28.7重量%、ゲル化温度183℃、及び熱変形
温度102℃であった。このCPVCは前述の比較例4
で得られたCPVCと比較すると、ゲル化温度が13℃
も低く、加工が容易なものであった。
【0051】(実施例7)分散剤として、ケン化度80
モル%、重合度400で片末端にメルカプト基を導入し
た部分ケン化PVA0.08重量部、及び重量平均分子
量450万のポリエチレンオキサイド0.01重量部を
使用し、その他の分散剤としてケン化度50モル%、重
合度250の部分ケン化PVA0.01重量部使用した
こと以外は実施例1と同様にして、PVCを得た。この
PVCを用いて実施例4と同様にしてCPVCを得た。
【0052】得られたCPVCの塩素含有率は66.5
重量%であり、スキン層がなく、嵩比重0.578、空
隙率27.5重量%、ゲル化温度185℃、及び熱変形
温度100℃であった。このCPVCは前述の比較例4
で得られたCPVCと比較すると、ゲル化温度が11℃
も低く、加工が容易なものであった。
【0053】尚上記実施例4〜7及び比較例4、5で得
られたCPVCに付いて、下記の方法で物性評価を行っ
た。 (7)嵩比重(g/cc) PVCと同様に、JIS K 6721に準拠して測定
した。
【0054】(2)空隙率(重量%) 水銀ポロシメ−タ−(Carloerba社製)によ
り、圧力100kg/cm2 までかけた時の樹脂内部に
圧入された水銀量より算出した。
【0055】(3)スキン層の有無 得られたCPVC粒子を電子顕微鏡により、スキン層の
有無を観察した。
【0056】(4)ゲル化温度 得られたCPVCに、以下の組成の配合物を作り、この
配合物55gをHaake社製のプラストミルR−90
に投入し、回転数40回転/分で、温度を150℃から
毎分5℃の昇温速度で上昇させながら混練し、混練トル
クがピークになる時の温度をゲル化温度とした。 (配合物)CPVC100重量部、ジオクチル錫メルカ
プト3重量部、ステアリン酸カルシウム1重量部、エス
テル系ワックス1重量部、及びMBS樹脂10重量部。
【0057】(5)熱変形温度 上記の配合物を8インチロール2本からなる混練機に供
給し、190℃で3分間混練して厚さ0.5mmのシー
トを得た。このシートを重ね合わせ、195℃×150
kg/cm2 で3分間プレス成形して、厚さ6mmのプ
レス板を作った。このプレス板を試験片としてASTM
D 648に準拠し、負荷荷重18.6kg/cm2
で熱変形温度を測定した。
【0058】
【発明の効果】本発明のPVCの製造方法は、上述の通
りであり、得られたPVCはスキン層がないものであ
り、かつ可塑剤吸収性やゲル化性に優れたものとなる。
またこのPVCを塩素化して得られたCPVCは耐熱温
度が高いにもかかわらず、ゲル化し易く、成形性のよい
ものが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁
    重合するにあたり、分散剤として、ケン化度68〜82
    モル%、重合度300〜500で片末端にメルカプト基
    を導入した部分ケン化ポリビニルアルコ−ル及び重量平
    均分子量200万〜800万のポリエチレンオキサイド
    を使用することを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で得られる塩化
    ビニル系樹脂を塩素化することを特徴とする塩素化塩化
    ビニル系樹脂の製造方法。
JP5345298A 1998-03-05 1998-03-05 塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 Pending JPH11246605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5345298A JPH11246605A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5345298A JPH11246605A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11246605A true JPH11246605A (ja) 1999-09-14

Family

ID=12943260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5345298A Pending JPH11246605A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11246605A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113831432A (zh) * 2020-06-24 2021-12-24 中国石油化工股份有限公司 高熔体流动性cpvc树脂的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113831432A (zh) * 2020-06-24 2021-12-24 中国石油化工股份有限公司 高熔体流动性cpvc树脂的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109803987B (zh) 制备基于氯乙烯的聚合物的方法
CN113166303B (zh) 氯化聚氯乙烯树脂的制备方法
JP2001151815A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
CN109843940B (zh) 制备氯化氯乙烯树脂的方法
JPH11246605A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP4338703B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
US3583956A (en) Vinyl chloride polymers
JP3863279B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP3164743B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP3652832B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2818101B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH1135627A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH11209425A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2000344830A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH10306108A (ja) 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2000119333A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH1129613A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP3487742B2 (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2006322013A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH06211909A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法およびその組成物
JPH09132612A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH10279627A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH05345805A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤
JPH1112318A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH09118713A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法