JP2000119333A - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JP2000119333A
JP2000119333A JP10298135A JP29813598A JP2000119333A JP 2000119333 A JP2000119333 A JP 2000119333A JP 10298135 A JP10298135 A JP 10298135A JP 29813598 A JP29813598 A JP 29813598A JP 2000119333 A JP2000119333 A JP 2000119333A
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cpvc
pvc
chlorination reaction
chlorine
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Yuki Maruyama
由紀 丸山
Hideaki Yoshitomi
英明 吉冨
Hiroshi Sakai
拓 酒井
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • C08F8/20Halogenation
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  • Polymers & Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射せずに塩素化反応を行い、熱安定性に
優れた塩素含有率が66重量%〜72重量%のCPVC
の製造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を水懸濁下で光を照射
せずに塩素化し、塩素含有率が66重量%〜72重量%
の範囲内の塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する際、その
塩素化反応に要する時間が3時間以上6時間以内で完了
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素化塩化ビニル系
の製造方法に関し、詳しくは熱安定性に優れた塩素化塩
化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル系樹脂(以下「CPV
C」という)は、通常塩化ビニル系樹脂(以下「PV
C」という)を後塩素化して得られる。
【0003】CPVCは、PVCの長所といわれる優れ
た特性をそのまま保有し、かつPVCの欠点といわれる
性質が改良されているので、有用な樹脂として多方面の
用途に使用されている。即ち、CPVCはPVCの長所
といわれる優れた難燃性、耐候性、耐薬品性などを有
し、さらにPVCよりも熱変形温度が20℃〜40℃も
高いため、PVCの使用可能な上限温度が60℃〜70
℃付近であるのに対して、CPVCは100℃付近でも
使用可能であるため、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱シー
トなどに使用されている。
【0004】しかしながら、上述したように、CPVC
はPVCよりも熱変形温度が高いため、PVCよりも高
温で加熱溶融しなければ成形加工することができない。
ところが、CPVCは一般的に熱安定性が悪く、高温で
成形加工しようとすると着色が著しく、時には分解して
しまうこともある。その為に、成形体の色調や外観に問
題が生じる。また着色、分解を抑制するために、低い温
度で成形加工をおこなうと、十分にゲル化させることが
できず、成形体の耐衝撃性などの諸物性が劣るという問
題が生じる。そのために、CPVCはその利用を狭めら
れることになっている。そこで、CPVCの熱安定性を
改良する必要が生じた。
【0005】熱安定性の良好なCPVCを製造する方法
は、これまでいろいろ提唱されている。例えば、特公昭
45−30833号公報では、特定の重合方法によって
作られた特定粒径のPVCを原料とし、これを水性媒体
中に懸濁させ、この中へ酸素が0.05容量%〜0.3
5容量%含まれている塩素を特定の流量で供給して55
℃〜80℃の温度でPVCを塩素化することにより、熱
安定性の良好なCPVCを得る方法が開示されている。
しかしながら、PVC原料が特定の重合方法によって作
られた特定粒径のPVCに限定されているため実用上の
制約が多く、また塩素中に比較的多い量の酸素を含有さ
せるため熱安定性に著しく優れているとはいえなかっ
た。
【0006】また、特表昭57−501285号公報で
は、PVCを高圧密閉容器に入れて水性媒体中に懸濁さ
せ、水性媒体中から全ての酸素を除いた後に塩素を圧入
し、紫外線を照射しながら1.76kg/cm2 以上の
加圧下で65℃〜120℃の比較的高い温度でPVCを
塩素化することにより、熱安定性の良好なCPVCを得
る方法が開示されている。しかしながら、高温高圧下で
紫外線を照射するには、これに耐えうる高価な装置が必
要とされ、コストの高いものとなり、また、熱安定性も
十分なものではなかった。
【0007】特開平6−228226号公報において
は、PVCを密閉容器内で水性媒体中に懸濁させ、容器
内に窒素を吹き込んで容器内の酸素を除いた後、容器内
に塩素を吹き込んでPVCを塩素化する過程においてP
VCに対し5ppm〜50ppmの過酸化水素を添加
し、100℃〜140℃の温度で塩素化することによ
り、熱安定性の良好なCPVCを得る方法が開示されて
いる。この反応方法においては熱安定性の良好なCPV
Cが得られるが、高い塩素含有率(66重量%〜72重
量%)まで塩素化を行った場合には、この方法では反応
時間が6時間以上と長くなり、得られたCPVCの熱安
定性はそれほど優れたものではなかった。
【0008】特開平6−128320号公報において
は、PVCを2段階に分けて塩素化する方法、すなわ
ち、第1段階においては、有機パーオキシ触媒存在下で
塩素含有率が67重量%〜72重量%まで塩素化反応を
おこない、次いで第2段階において、過酸化水素もしく
は有機パーオキシ触媒を更に添加し塩素化反応を促進さ
せ、塩素含有率が約75重量%のCPVCを約3時間以
内で製造する方法が開示されている。この反応方法にお
いては、有機パーオキシ触媒を使用するために、良好な
熱安定性のCPVCが得られなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光照射せず
に塩素化反応を行い、熱安定性に優れた塩素含有率が6
6重量%〜72重量%のCPVCの製造方法を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
塩化ビニル系樹脂を水懸濁下で光を照射せずに塩素化
し、塩素含有率が66重量%〜72重量%の範囲内の塩
素化塩化ビニル系樹脂を製造する際、その塩素化反応に
要する時間が3時間以上6時間以内で完了させることを
特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の塩
素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、80℃〜1
40℃の温度範囲内で塩素化反応を行うことを特徴とす
る。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の塩
素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、反応器内の
塩素分圧が0.2MPa〜1.0MPaの範囲内で塩素
化反応を行うことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の塩
素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、塩素化反応
中に過酸化水素を塩化ビニル樹脂に対して5ppm〜1
00ppm/時間添加することを特徴とする。
【0014】本発明者等は、特公平6−228226号
公報に従って、塩素含有率が66重量%〜72重量%に
なるまでPVCを塩素化したところ、塩素化反応時間が
6時間以上かかり、得られたCPVCの熱安定性も良好
なものではなかった。そこで塩素化反応時間を短縮する
目的で過酸化水素をPVCに対して5〜100ppm/
時間添加したところ、反応時間を6時間以内に短縮させ
ることができた。
【0015】そして、上記CPVCの熱安定性を評価し
たところ、反応時間を短縮させる前のCPVCよりも熱
安定性が優れていることがわかった。即ち、反応時間を
短縮すると、CPVCの熱安定性は良くなると考えら
れ、他の反応時間を短くする方法として、反応温度を上
げる方法、反応器中の塩素分圧を高くする方法等を行い
塩素化反応時間を6時間以下にしたところ、反応時間が
6時間を超えるCPVCよりも熱安定性が優れていた。
【0016】すなわち、この結果は塩素化反応の反応時
間がその熱安定性に影響を与えていることを示してい
る。反応時間が長くなると、必然的に主反応である塩素
化反応以外の副反応も多くなり、CPVC中に不要な構
造が作られたり、CPVC主鎖が切断されたり、また原
料PVCの重合時に使用されている分散剤、触媒の残査
が塩素化されること等によって、様々なCPVCの熱安
定性を悪化させる不純物や、不安定な構造が多くなり、
その結果CPVCの熱安定性が悪くなっていると考えら
れる。
【0017】つまり、この発明は、塩素化反応時間を6
時間以内にすることによって、このような不純物、不要
な構造を少なくし、CPVCの熱安定性を良化させると
いうものである。以下に本発明を詳述する。
【0018】本発明で用いられるPVCは特に制限され
ない。即ち、PVCは懸濁重合法、乳化重合法、溶液重
合法、塊状重合法などいろいろな重合法によって作られ
るが、そのいずれも原料PVCに使用することができ
る。得られたCPVCの加工性が良好なものであるため
には、水懸濁重合法によって得られた高い空隙率を有す
るものが好ましい。また、PVCの空隙率が低くなると
塩素化反応時間も長くなるので、その空隙率は20容量
%以上が好ましい。
【0019】上記PVCの平均粒子径は小さくなると取
り扱いが難しくなり、大きくなると塩素化反応に時間が
かかるので、100〜200μmが好ましい。
【0020】PVCの平均重合度としては成形加工性に
優れた500〜2000の範囲のものが好適に用いられ
る。
【0021】本発明で用いられるPVCは、例えば以下
の製造方法により得られる。反応器に塩化ビニル系単量
体、水性媒体、分散剤を投入し、更に重合開始剤を投入
する。この時水性媒体/塩化ビニル系単量体の重量比率
は1〜2が好ましい。
【0022】次いで、所定の重合温度に昇温して重合反
応を行う。塩化ビニル系単量体の重合転化率が70重量
%〜90重量%の所定の割合に達した後、冷却、排ガ
ス、脱モノマーの処理を行い、PVCを含むスラリーを
得る。このスラリーを脱水、乾燥することによりPVC
が得られる。
【0023】反応器は攪拌器、バッフル、ジャケットを
備えたステンレス製の耐圧容器を使用するのが好まし
い。この時必要に応じてリフラックスコンデンサーを備
えたものを用いることができる。
【0024】上記塩化ビニル系単量体とは、塩化ビニル
単量体単独、又は塩化ビニル単量体と共重合可能な他の
単量体との混合物のことをいう。上記塩化ビニルと共重
合可能な他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;メタアクリル酸メチル、
メタアクリル酸エチル等のメタアクリル酸エステル;エ
チレン、プロピレン等のオレフィン;無水マレイン酸;
アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデンなど公知
の単量体が例示されるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0025】上記分散剤としては一般に塩化ビニルの懸
濁重合に使用されるものが好適に用いられる。このよう
な分散剤としては、例えば、メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等の水溶性セルロース類;部
分ケン化ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、アクリル酸重合体、ゼラチン等の水溶性高分子;ソ
ルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレート等の水溶性乳化剤などがあげられ、こ
れらは単独で用いられても、2種以上が併用されても良
い。上記分散剤の使用量としては、塩化ビニル系単量体
の重量に対して0.01重量%〜0.5重量%の範囲が
好ましい。
【0026】上記重合開始剤としては、一般に塩化ビニ
ルの懸濁重合に使用される油溶性の開始剤が好適に用い
られる。このような重合開始剤としては、例えば、ジ−
2−エチルヘキシルパ−オキシジカ−ボネ−ト、ジエト
キシエチルパ−オキシジカ−ボネ−ト、α−クミルパ−
オキシネオデカノエ−ト、t−ブチルパ−オキシネオデ
カノエ−ト、t−ブチルパ−オキシピバレ−ト、t−ブ
チルパ−オキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエー
ト、アセチルシクロヘキシルスルホニルパ−オキサイ
ド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ
フェノキシアセテート、ラウロイルパ−オキサイド等が
あげられ、これらは単独で用いられても、2種以上が併
用されても良い。上記重合開始剤の使用量としては、塩
化ビニル系単量体の重量に対して0.001〜2重量%
の範囲が好ましい。
【0027】さらに、塩化ビニル系単量体の重合に通常
使用される重合調整剤、連鎖移動剤、PH調整剤、帯電
防止剤、架橋剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、スケー
ル防止剤等が添加されても良い。
【0028】本発明において、PVCを水性媒体中で塩
素化する場合には、反応器中に懸濁重合で得られたPV
Cを水性媒体から分離せずにそのまま使用するか、また
は、上記懸濁物からPVCを分離した後、PVCを再び
別の水性媒体中に分散させてもよい。
【0029】本発明において、上述のようにして得たP
VC懸濁液の入った容器を減圧にし、容器内の酸素量を
100ppm以下にすることが好ましい。上述のように
して、容器内の酸素を除いてから、容器内に塩素を導入
してPVCを塩素化する。その時導入する塩素は、一般
に市販されている塩素であっても構わないが、より熱安
定性の優れるCPVCを得るために、酸素量が100p
pm以下の塩素を用いるのが好ましい。
【0030】本発明において、反応時間を短縮させる方
法としては (1)80℃〜140℃の温度で塩素化反応をおこな
う。 (2)反応中に原料PVCに対して過酸化水素を5pp
m〜100ppm/時間で添加しながら塩素化反応をお
こなう。 (3)反応器内の塩素分圧が0.2MPa〜1.0MP
aの範囲内で塩素化反応をおこなう。 これら3通りの方法があり、これらの方法を単独に用い
て塩素化反応をおこなっても、複数の方法を同時に用い
て塩素化反応をおこなっても良く、結果的に塩素化反応
時間が3時間以上6時間以内になるようであれば良い。
反応時間が3時間未満にした場合、塩素化反応の速度が
速い為に反応時の発熱が高く、結果的に除熱が追いつか
ず反応温度制御が困難となる。
【0031】本発明において、80℃〜140℃の温度
で塩素化反応をおこなう際に、一定の温度であっても、
連続的または段階的に昇温しても構わない。反応温度を
80℃〜140℃に限定した理由は、80℃以下で反応
した場合、(2)や(3)の方法と併用しても塩素化時
間を短縮する効果が小さく、また140℃以上の温度で
反応した場合、塩素化時間の短縮効果は大きいが、反応
中に脱塩酸がおこり、得られたCPVCの熱安定性が悪
くなるためである。
【0032】本発明において、反応中に過酸化水素を添
加する方法は、5ppm〜100ppm/時間の範囲内
で一定量の過酸化水素を添加する方法であっても、塩素
化が進むに連れて5ppm〜100ppm/時間の範囲
内で連続的または段階的に過酸化水素の添加量を増やし
て添加する方法であってもよい。より熱安定性の優れた
CPVCを得るためには過酸化水素量を5ppm〜30
ppm/時間にするのが好ましい。
【0033】また、特に68重量%以上の高い塩素含有
率まで塩素化反応を行う場合には、塩素化の進むに連れ
て過酸化水素の添加量を増やしていく方法のほうが、反
応時間を短縮する効果が大きい。過酸化水素添加量を5
ppm〜100ppm/時間に限定した理由は5ppm
/時間以下の添加量では塩素化反応促進の効果が少な
く、また100ppm/時間以上の添加量では得られた
CPVCの熱安定性が悪くなる為である。
【0034】本発明では、過酸化水素の添加効果を発揮
させるため、PVCを塩素化する過程で過酸化水素を添
加する際、塩素化反応の開始時より末期に至るまで、連
続的添加であっても断続的添加であっても構わない。塩
素導入の直後より過酸化水素の添加を開始し、反応終了
の1時間から30分前に添加を停止するのが好ましい。
本発明で用いられる過酸化水素は、純粋な過酸化水素の
状態で添加されても良いが、水溶液の状態で添加される
のが好ましい。
【0035】本発明において塩素化反応時の反応器内の
塩素分圧は、0.2MPa〜1.0MPaの範囲内にお
いて、一定圧であっても、また塩素化反応が進むに連れ
て塩素分圧を段階的に高くしても良い。反応器内の塩素
分圧を0.2MPa〜1.0MPaに限定した理由は、
0.2MPa未満であると塩素供給不足を招き、塩素化
反応が円滑に進まず、また1.0MPaを超える高い圧
力では、反応容器に費用がかかりコスト的に有効ではな
いからである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0037】(実施例1)内容積300リットルのグラ
スライニング製反応器に、脱イオン水200kgと平均
重合度600のPVC56kgを投入し、攪拌してPV
Cを水中に分散させた後反応器内を加熱して、70℃に
昇温した。次いで反応器中を減圧にして酸素を除去した
後、塩素分圧が0.4MPaになるように塩素ガスを導
入しながら、さらに90℃まで昇温した。次いで200
ppmの過酸化水素水をPVCに対して過酸化水素とし
て15ppm/時間となるように添加し塩素化反応を開
始した。塩素化反応は90℃、塩素分圧0.4MPa一
定、過酸化水素添加量PVCに対し15ppm/時間一
定、の条件で塩素含有率が68重量%に達した時点で塩
素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。
【0038】次いで、窒素ガスを通気して、未反応塩素
を除去し、得られたCPVCスラリーを水酸化ナトリウ
ムで中和し、水で洗浄し、脱水した後、乾燥して粉末状
のCPVCを得た。
【0039】(実施例2〜5、比較例1〜4)PVCの
平均重合度、塩素化反応の温度、及び過酸化水素の添加
速度を表1に示すとおりに行った事以外は実施例1と同
様に行い、CPVCを得た。
【0040】(実施例6)内容積300リットルのグラ
スライニング製反応器に、脱イオン水200kgと平均
重合度600のPVC56kgを投入し、攪拌してPV
Cを水中に分散させた後反応器内を加熱して、70℃に
昇温した。次いで反応器中を減圧にして酸素を除去した
後、塩素分圧が0.25MPaになるまで塩素ガスを導
入しながら、さらに80℃まで昇温した。次いで200
ppmの過酸化水素水をPVCに対して過酸化水素とし
て15ppm/時間となるように添加し塩素化反応を開
始した。
【0041】塩素含有率が60.0重量%に達した時点
で、塩素分圧を0.35MPaまで昇圧し、さらに塩素
含有率が62.0重量%に達した時点で塩素分圧を0.
45MPaまで昇圧し、以降は0.45MPa一定の条
件で塩素含有率が68重量%に達した時点で塩素ガスの
供給を停止し、塩素化反応を終了した。以後は実施例1
と同様の処理をおこない乾燥CPVCを得た。
【0042】(実施例7〜10、比較例5〜6)PVC
の平均重合度、塩素化反応の温度、及び過酸化水素の添
加速度を表2に示すとおりに行った事以外は実施例1と
同様に行い、塩素含有率70重量%のCPVCを得た。
【0043】上記実施例及び比較例で得られたCPVC
の熱安定性評価は以下の通りおこない、評価結果を表
1、2に示す。
【0044】(1)初期着色 CPVC100重量部、マレート錫系安定剤2.0重量
部、加工助剤0.5重量部、MBS10重量部からなる
配合物100gを6インチ異速ロールでロール温度21
0℃で3分間混練し、ロールシートを作製した。このロ
ールシートを200℃の温度で、予熱4分、加圧(15
0kg/cm2)5分の条件でプレス成形し、得られたプレス
板の黄色度(YI値)を測定した。
【0045】(2)老化熱安定性 上記(1)で作製したロールシートをギヤオーブン中で
200℃の温度で加熱し、黒化するまでの時間(分)を
測定した。
【0046】(3)脱塩酸量 CPVC1gを10mlのガラス製試験管に取り、窒素
気流下で190℃のオイルバス中で加熱し、樹脂から発
生する塩酸を水中でトラップし、その水のPHを測定す
ることにより、60分間で発生した塩酸量(ppm)を
求めた。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明は、塩素含有率が66重量%〜7
2重量%のCPVCを製造するにあたり、塩素化反応時
間を3時間以上6時間以内にすることにより、熱安定性
に優れたCPVCを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 拓 山口県新南陽市開成町4560 徳山積水工業 株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AC03P AC04Q AG02Q AG04Q AK32Q AL03Q AM02Q BB01H CA01 CA04 CA31 HA21 HA61 HB04 HB34 HE00 HE06 HE12 HE32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を水懸濁下で光を照射
    せずに塩素化し、塩素含有率が66重量%〜72重量%
    の範囲内の塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する際、その
    塩素化反応に要する時間が3時間以上6時間以内で完了
    させることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 80℃〜140℃の温度範囲内で塩素化
    反応を行うことを特徴とする請求項1記載の塩素化塩化
    ビニル系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応器内の塩素分圧が0.2MPa〜
    1.0MPaの範囲内で塩素化反応を行うことを特徴と
    する請求項1記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 塩素化反応中に過酸化水素を塩化ビニル
    樹脂に対して5ppm〜100ppm/時間添加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の塩素化塩化ビニル系樹脂
    の製造方法。
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