JPH11240779A - Si含有多孔質炭素材の製造方法 - Google Patents

Si含有多孔質炭素材の製造方法

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JPH11240779A
JPH11240779A JP6477198A JP6477198A JPH11240779A JP H11240779 A JPH11240779 A JP H11240779A JP 6477198 A JP6477198 A JP 6477198A JP 6477198 A JP6477198 A JP 6477198A JP H11240779 A JPH11240779 A JP H11240779A
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thermosetting resin
carbon material
porous carbon
silane compound
compound
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Mitsuo Enomoto
三男 榎本
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Tokai Carbon Co Ltd
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    • C04B38/0022Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof obtained by a chemical conversion or reaction other than those relating to the setting or hardening of cement-like material or to the formation of a sol or a gel, e.g. by carbonising or pyrolysing preformed cellular materials based on polymers, organo-metallic or organo-silicon precursors
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Siを含有するガラス状カーボンを骨格組織
とし、耐蝕性や耐酸化性に優れたSi含有多孔質炭素材
の製造方法を提供する。 【解決手段】 α−セルロースを主成分とするレーヨン
パルプを抄紙したシートに、1分子中に1〜3個のSi
原子を有するシラン化合物を溶解した熱硬化性樹脂溶液
を含浸して積層し、熱圧成形して硬化後、非酸化性雰囲
気中800℃以上の温度で焼成炭化する。シラン化合物
はアミノシラン化合物あるいはエポキシシラン化合物が
好ましく、多孔質炭素材のSi含有率は0.1〜15重
量%が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸化性及び耐蝕
性に優れ、特に水溶液中における腐食に対して優れた耐
久力を備え、例えばリン酸型燃料電池用電極基板や電気
化学的水処理用電極として有用な多孔質炭素材の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質炭素材は軽量な上に耐熱性、耐蝕
性、導電性等に優れ、フィルター、断熱材、リン酸型燃
料電池や二次電池用の電極材、電気化学的水処理用電極
材、触媒担体等の広い用途分野において各種工業用部材
として使用されている。
【0003】多孔質炭素材の製造技術としては、炭素繊
維や炭素繊維製造用有機繊維をパルプとともに抄紙して
得られるシートに熱硬化性樹脂溶液を含浸して積層成形
し、焼成炭化する方法(例えば、特開昭50−25808 号公
報、同61−236664号公報等)が知られている。この製造
方法によれば炭素繊維が多孔質炭素材の補強骨格を形成
し、その骨格に付着した熱硬化性樹脂がガラス状カーボ
ンに転化するので材質強度の増大が図られ、また電気や
熱の伝導性が向上する利点がある。
【0004】また、本出願人は炭素繊維や炭素繊維製造
用有機繊維に代えて かに安価な紙類原料を用い、低コ
ストで多孔質炭素材を製造する技術として、平均気孔径
50〜150μm 、気孔率50%以上の性状を有する紙を所定
の厚さに積層し、これに残炭率40%以上の熱硬化性樹脂
溶液を含浸して加熱硬化したのち、非酸化性雰囲気下に
1000℃以上の温度で焼成炭化処理する多孔質炭素材の製
造方法を開発(特開平1−320279号公報)した。
【0005】一般に、ガラス状カーボンは焼成温度が低
い場合には表面が不安定となって耐蝕性が小さく、耐蝕
性を向上させるためには焼成温度を上げて黒鉛化度を高
くすることが有効である。したがって、ガラス状カーボ
ン質の骨格で構成された多孔質炭素材は、その黒鉛化度
(黒鉛結晶性)が低い場合には耐蝕性が低下し、例えば
電気化学的水処理用の電極材として用いた場合には水溶
液中における耐蝕性が不充分なため、特に1.2V/RHE以上
の電位では陽極酸化による炭素材の損傷が発生する。
【0006】逆に、黒鉛化度(黒鉛結晶性)が高い場合
には、例えば硫酸等の電解液中における陽極酸化により
層間化合物が生成し、これが起点となって崩壊が生じ、
生成した陽極酸化物の溶出により電解液が汚染着色する
等の問題が生じる。
【0007】そこで、本出願人はガラス状カーボン材の
耐酸化性能を向上させる方法として熱硬化性樹脂と1分
子中に単一のSi原子を有するSiアルコキシドの加水
分解物を有機溶媒中で撹拌混合し、架橋反応により得ら
れるゲル化物を硬化成形したのち、硬化成形体を非酸化
性雰囲気下で800℃以上の温度により焼成炭化処理す
ることを特徴とするSi含有ガラス状カーボン材の製造
方法を開発、提案(特願平7−155177号)した。この方
法によればSi成分を連続相としてガラス状カーボンの
組織中に複合構造化することにより、優れた耐酸化性を
有する緻密な組織構造のSi含有ガラス状カーボン材を
製造することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記特願平
7−155177号の発明を応用して多孔質炭素材につ
いて適用したものであって、その目的はSi含有ガラス
状カーボン材を骨格組織とする耐蝕性及び耐熱性に優れ
たSi含有多孔質炭素材の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によるSi含有多孔質炭素材の製造方法は、α
−セルロースを主成分とするレーヨンパルプを抄紙した
シートに、1分子中に1〜3個のSi原子を有するシラ
ン化合物を溶解した熱硬化性樹脂溶液を含浸して積層
し、熱圧成形して硬化後、非酸化性雰囲気中800℃以
上の温度で焼成炭化することを構成上の特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】α−セルロースを主成分とするレ
ーヨンパルプは抄紙によりシートを成形する際のフィラ
ー成分となるもので、α−セルロースを90%以上含む
ものが好ましく用いられる。レーヨンパルプの性状は、
多孔質炭素材の気孔率や気孔径等の気孔性状に基づいて
選定されるが、概ね太さ0.5〜15デニール、長さ1
〜10mm程度のものが使用される。
【0011】シートの成形には、レーヨンパルプの繋ぎ
材として針葉樹系のパルプが加えられる。針葉樹系パル
プとしては、例えばアカマツ、エゾマツ、トドマツ、カ
ラマツ、モミ、ツガ等が用いられ、レーヨンパルプと針
葉樹系パルプを所定の割合で水中に混合分散し、分散液
を長綱式、丸網式等の適宜な抄紙装置により抄紙し、乾
燥することによりシート状成形体が得られる。レーヨン
パルプと針葉樹系パルプとの混合割合はレーヨンパルプ
60〜90重量部に対し針葉樹系パルプ40〜10重量
部の割合で混合することが好ましい。レーヨンパルプが
60重量部を下回り、針葉樹系パルプが40重量部を越
えると気孔性状の制御が難しく、またレーヨンパルプが
90重量部を上回り、針葉樹系パルプが10重量部を下
回るとシート強度が低下するためである。
【0012】このようにして作製したシートに、1分子
中に1〜3個のSi原子を有するシラン化合物を溶解し
た熱硬化性樹脂溶液を含浸する。シラン化合物は熱硬化
性樹脂との相溶性が良好で樹脂の硬化反応時に樹脂分子
中にSiが固定化され、炭化時にSiが原子レベルでガ
ラス状カーボンの組織中に均一に分散複合化することが
できる。Si原子の数が3個より多い場合には熱硬化性
樹脂溶液中に均一分散させることが困難でSiが凝集し
た状態になり易く、多孔質炭素材中に原子レベルのSi
を均質分散させ難くなり、その結果、多孔質炭素材の耐
蝕性や耐熱性を充分に向上させることが難しくなる。
【0013】1分子中に1〜3個のSiを有するシラン
化合物としては、例えば、3−アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、(3−グリドキシプロピル)ピス(トリメチル
シロキサン)メチルシラン、3−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、イソプチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメト
キシシラン、メチルトリ−n−デシルシラン、メチルト
リエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタ
メチルトリシロキサン、N−フェニルアミノプロピルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−
プロピルトリメトキシシラン、テトラ−n−プトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラキス(2−エトキ
シエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロ
キシ)シラン、テトラキス(メトキシエトキシエトキ
シ)シラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラメチルシラン、N−
(トリエトキシシリルプロピル)尿素、O−トリメチル
シリルアセテート、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シ
ランが挙げられる。これらのシラン化合物はアルコー
ル、エーテル、アセトン等の適宜な有機溶媒により熱硬
化性樹脂とともに溶解することにより熱硬化性樹脂溶液
が調製される。
【0014】本発明においては、上記のシラン化合物の
うち、アミノ基を有するアミノシラン化合物、エポキシ
基を有するエポキシシラン化合物がとくに好適に使用さ
れる。アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物は、
熱硬化性樹脂との混合工程或いは成形硬化工程で、シラ
ン化合物の凝集を招く前に熱硬化性樹脂とアミノ基、エ
ポキシ基が反応して、樹脂中への均質分散を達成し、焼
成してSi含有ガラス状カーボンにする炭化工程の際に
もSiの凝集を抑え、Siの均質分散、固定化されるこ
とに役立つ。
【0015】熱硬化性樹脂は焼成炭化することによりガ
ラス状カーボンに転化する炭素源となるもので、炭化残
留率が40%以上の熱硬化性樹脂が好ましく、例えばフ
ェノール系樹脂、フラン系樹脂、イミド系樹脂等が用い
られる。この熱硬化性樹脂溶液を浸漬、塗布等の方法に
より上記のシートに含浸し、乾燥して溶媒成分を除去し
て半硬化する。この半硬化状態のシートは、シートを構
成しているレーヨンパイプにシラン化合物を溶解した熱
硬化性樹脂溶液が付着保持されている。この半硬化状態
のシートを所定枚数積層し、温度70〜180℃、圧力
0.5〜30Kg/cm2の条件で熱圧成形して硬化後、常法
により非酸化性雰囲気中で800℃以上の温度、好まし
くは1000〜2500℃の温度に加熱して焼成炭化す
ることによりSi含有多孔質炭素材が製造される。
【0016】焼成炭化過程において、シートを構成する
レーヨンパルプ及び針葉樹系パルプの大部分は揮散して
気孔を形成し、一部は炭化残留して骨格を形成する。一
方、含浸されてシートを構成するパイプにシラン化合物
を溶解した熱硬化性樹脂溶液は、シートを構成するパイ
プを被覆する状態で炭化してガラス状カーボンに転化す
るとともにシラン化合物の分解により生じたSiがガラ
ス状カーボンの組織中に均一に分散複合化して、Siを
含有するガラス状カーボンが骨格を形成する多孔質炭素
材を製造することができる。
【0017】このようにして製造される多孔質炭素材中
のSi含有率は0.1〜15重量%であることが好まし
く、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。Si含
有率が0.1重量%を下回ると充分な耐蝕性が得られ
ず、一方15重量%を越えると組織中でSiが凝集して
粒状化したり、その周辺部から腐食やひび割れが発生し
易くなるためである。なお、多孔質炭素材中のSi含有
率の調整は、熱硬化性樹脂溶液を作製する際に用いる熱
硬化性樹脂の炭化率とシラン化合物のSi残留率とから
両者の混合比率を算出し、その混合比率で有機溶媒中に
溶解することにより設定制御することができる。
【0018】Siを含有するガラス状カーボンを骨格と
する多孔質炭素材は、とくに水溶液中において優れた耐
酸化性、耐蝕性を発揮する。すなわち、電解酸化(陽極
酸化)や空気酸化などの酸化侵食は、ガラス状カーボン
の組織の中で腐食しやすい構造的に乱れた部分、欠陥を
優先的に腐食、侵食することにより進行していくが、原
子レベルで均質分散、複合化されたSiは、SiとCと
が強固に結合しているため、ガラス状カーボン組織の乱
れた構造部分、欠陥を保護する役割を果たす。Siが凝
集し粒状化して均質分散が達成できない場合には、上記
の保護機能が低下するばかりでなく、粒界部分から腐食
が進行しやすくなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0020】実施例1〜5 太さ10デニール、長さ10mmのレーヨンパルプ〔ダイ
ワボウレーヨン(株)製〕を73重量部、針葉樹パルプ
(NBKP)を27重量部の割合で水に均一に分散させたの
ち、分散液を長網式抄紙機により抄紙、乾燥して坪量7
0g/m2のシートを得た。シラン化合物として、1分子中
に1個のSi原子を有する3−アミノプロピルトリエト
キシシランを用い、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂
初期縮合物〔住友デュレズ(株)製、PR-940〕を用い、
それらの配合比を変えてメタノール中に溶解して不揮発
分40%の熱硬化性樹脂溶液を調製した。
【0021】この熱硬化性樹脂溶液中にシートを浸漬し
て熱硬化性樹脂溶液を含浸し、含浸シートを揮発分が6
%になるまで加熱乾燥して樹脂成分を半硬化した。この
シート17枚を積層して、温度150℃、圧力3Kg/cm2
の条件で2時間熱圧成形して、縦横300mm、厚さ4mm
の硬化成形体を作製した。この硬化成形体を黒鉛板に挟
んだ状態で窒素雰囲気中2000℃の温度で焼成炭化し
て、Si含有多孔質炭素材を製造した。
【0022】このようにして製造したSi含有多孔質炭
素材の物理特性を測定して表1に示した。また、耐蝕性
の試験として温度210℃の100%リン酸中で1.2
V/RHEの定電位腐食試験を行って、10000分間腐食
試験を行った際の平均電流密度(電流値を BET比表面積
で割った値)、10000分間腐食試験を行った後の重
量減少率、電解液の着色状態を観察した。その結果を表
2に示した。
【0023】実施例6 実施例3においてシラン化合物として、1分子中に1個
のSi原子を有する3−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシランを用いたほかは全て実施例3と同一の方
法、条件によりSi含有多孔質炭素材を製造し、その物
理特性の測定及び耐蝕性試験を行ってその結果を表1、
表2に示した。
【0024】実施例7 実施例3においてシラン化合物として、1分子中に3個
のSi原子を有する3−グリシドキシプロピルビストリ
メチルシロキサンメチルシランを用いたほかは全て実施
例3と同一の方法、条件によりSi含有多孔質炭素材を
製造し、その物理特性の測定及び耐蝕性試験を行ってそ
の結果を表1、表2に示した。
【0025】比較例1 フェノール樹脂初期縮合物〔住友デュレズ(株)製、PR
-940〕をメタノール中に溶解して調製した不揮発分40
%の熱硬化性樹脂溶液を含侵したほかは、実施例と同一
の方法、条件により多孔質炭素材を製造し、その物理特
性の測定及び耐蝕性試験を行って、その結果を表1、表
2に併載した。
【0026】比較例2 実施例のレーヨンパルプ及び針葉樹パルプに代えて炭素
繊維〔呉羽化学(株)製、C-110T〕を用いて坪量70g/
m2の炭素繊維シートを作製した。このシートにフェノー
ル樹脂初期縮合物〔住友デュレズ(株)製、PR-940〕を
メタノールに溶解した熱硬化性樹脂溶液(不揮発分40
%)を含浸したほかは実施例と同一の方法、条件により
多孔質炭素材を製造し、その物理特性の測定及び耐蝕性
試験を行ってその結果を表1、表2に併載した。
【0027】比較例3 実施例のレーヨンパルプ及び針葉樹パルプに代えて炭素
繊維〔呉羽化学(株)製、C-110T〕を用いて坪量70g/
m2の炭素繊維シートを作製した。このシートに実施例3
と同じ方法により調製した熱硬化性樹脂溶液を含浸して
実施例と同一の方法、条件により多孔質炭素材を製造
し、その物理特性の測定及び耐蝕性試験を行ってその結
果を表1、表2に併載した。
【0028】比較例4 シラン化合物として、1分子中に5個のSi原子を有す
るデカメチルシクロペンタシロキサンを用いたほかは全
て実施例3と同一の方法、条件によりSi含有多孔質炭
素材を製造し、その物理特性の測定及び耐蝕性試験を行
ってその結果を表1、表2に併載した。
【0029】
【表1】 (表注) *1 シラン化合物1分子中のSi原子の数 *2 熱硬化性樹脂溶液中のシラン化合物と熱硬化性樹脂との重量比(シラン化 合物/熱硬化性樹脂)
【0030】
【表2】
【0031】表1、表2に示すように、原子レベルでS
iが含有したガラス状カーボンを骨格からなる多孔質炭
素材は、熱燐酸中での陽極酸化に対して消耗量が少な
く、電解液への着色もほとんどなく優れた耐食性を示
し、Siを含有させることによって多孔質炭素材の気孔
特性をほとんど変化させることはないことが判る。一
方、Siが含有しない場合或いはSi成分が凝集して含
有している多孔質炭素材では、消耗が激しく耐食性が悪
い。また、炭素繊維とSi含有ガラス状カーボンをバイ
ンダーとして構成する複合構造を有する多孔質炭素材で
は(比較例3)、炭素繊維部分をSi含有ガラス状カー
ボンで被覆できず、炭素繊維露出部分が優先的に腐食を
受け、十分な耐食性向上には至っていない。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のSi含有多孔質
炭素材の製造方法によれば、ガラス状カーボンの組織中
にSiが原子レベルの状態で均一に分散して炭素と強固
に結合した複合組織構造を有する多孔質炭素材を製造す
ることができる。この複合組織構造により、腐食反応に
対する優れた保護機能が発揮され、特に水溶液中におけ
る腐食に対して優れた耐久力を備え、リン酸型燃料電池
用電極材や電気化学的水処理用電極材をはじめ、耐熱
性、耐蝕性、導電性等が要求される各種工業用部材に用
いられる多孔質炭素材の製造方法として極めて有用であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】また、本出願人は炭素繊維や炭素繊維製造
用有機繊維に代えてはるかに安価な紙類原料を用い、低
コストで多孔質炭素材を製造する技術として、平均気孔
径50〜150μm、気孔率50%以上の性状を有する
紙を所定の厚さに積層し、これに残炭率40%以上の熱
硬化性樹脂溶液を含浸して加熱硬化したのち、非酸化性
雰囲気下に1000℃以上の温度で焼成炭化処理する多
孔質炭素材の製造方法を開発(特開平1−320279
号公報)した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】熱硬化性樹脂は焼成炭化することによりガ
ラス状カーボンに転化する炭素源となるもので、炭化残
留率が40%以上の熱硬化性樹脂が好ましく、例えばフ
ェノール系樹脂、フラン系樹脂、イミド系樹脂等が用い
られる。この熱硬化性樹脂溶液を浸漬、塗布等の方法に
より上記のシートに含浸し、乾燥して溶媒成分を除去し
て半硬化する。この半硬化状態のシートは、シートを構
成しているレーヨンパルプにシラン化合物を溶解した熱
硬化性樹脂溶液が付着保持されている。この半硬化状態
のシートを所定枚数積層し、温度70〜180℃、圧力
0.5〜30Kg/cmの条件で熱圧成形して硬化
後、常法により非酸化性雰囲気中で800℃以上の温
度、好ましくは1000〜2500℃の温度に加熱して
焼成炭化することによりSi含有多孔質炭素材が製造さ
れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】焼成炭化過程において、シートを構成する
レーヨンパルプ及び針葉樹系パルプの大部分は揮散して
気孔を形成し、一部は炭化残留して骨格を形成する。一
方、含浸されてシートを構成するパルプにシラン化合物
を溶解した熱硬化性樹脂溶液は、シートを構成するパル
プを被覆する状態で炭化してガラス状カーボンに転化す
るとともにシラン化合物の分解により生じたSiがガラ
ス状カーボンの組織中に均一に分散複合化して、Siを
含有するガラス状カーボンが骨格を形成する多孔質炭素
材を製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−セルロースを主成分とするレーヨン
    パルプを抄紙したシートに、1分子中に1〜3個のSi
    原子を有するシラン化合物を溶解した熱硬化性樹脂溶液
    を含浸して積層し、熱圧成形して硬化後、非酸化性雰囲
    気中800℃以上の温度で焼成炭化することを特徴とす
    るSi含有多孔質炭素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 シラン化合物がアミノシラン化合物ある
    いはエポキシシラン化合物である請求項1記載のSi含
    有多孔質炭素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 Si含有率が0.1〜15重量%である
    請求項1記載のSi含有多孔質炭素材の製造方法。
JP6477198A 1998-02-27 1998-02-27 Si含有多孔質炭素材の製造方法 Pending JPH11240779A (ja)

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