JPH11240038A - 樹脂の多層成形方法および装置 - Google Patents

樹脂の多層成形方法および装置

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JPH11240038A
JPH11240038A JP10045078A JP4507898A JPH11240038A JP H11240038 A JPH11240038 A JP H11240038A JP 10045078 A JP10045078 A JP 10045078A JP 4507898 A JP4507898 A JP 4507898A JP H11240038 A JPH11240038 A JP H11240038A
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Akio Okamoto
昭男 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフト感やクッション性と同時に手触り感や
質感等を持った表面加飾性能に優れた高品質の樹脂の多
層成形部品を、効率良く安定して得ることができる樹脂
の多層成形方法および多層成形装置を提供すること。 【解決手段】 対向する一対の金型の間に表面に加飾層
を有する表皮材を介在させて型締後、表皮材と金型とで
形成される金型空間内に第1溶融樹脂を射出充填し、引
き続き第1樹脂層と金型との空間に第2溶融樹脂を射出
充填し、表皮材と第1樹脂層と第2樹脂層を順次積層成
形させた後、加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾
性を示す温度領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層
を加熱するとともに、表皮材と金型との間に所定の型開
量を設けて、所定の設定時間保持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型内に表皮材を
セットした後、第1溶融樹脂を射出充填し引き続き第2
溶融樹脂を射出充填して、あるいは第2溶融樹脂を射出
充填した後に、一旦金型を開いて表皮材をセットし、引
き続き第1溶融樹脂を射出充填して、表皮材と第1溶融
樹脂と第2溶融樹脂とを融着一体化させることにより、
表面に加飾性を有した樹脂の多層成形品を得る樹脂の多
層成形方法および多層成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電、建材等に使用され
る樹脂成形部品には、益々付加価値が求められている。
ソフト感やクッション性と同時に手触り感や質感等の付
加価値付与の要求とともに、成形工程の省工程化による
コストダウンの要求も大きくなってきている。これらに
対応するため、従来は下記のような多層成形が実施され
ている。すなわち、 金型内に表皮材(加飾材)をインサート・セットし
て、型締あるいは型開保持状態でコア材を射出充填した
後、射出保圧力あるいは型締力を負荷するとともにコア
材を冷却する。冷却の完了を待って、型開の上成形品を
取り出すことにより、コア材樹脂成形品の表面に表皮材
(加飾材)が融着一体化された表面加飾成形品を得てい
る(表皮材インサート成形)。 金型内に第1層樹脂(コア材)射出充填し、金型を
部分的あるいは全面的に後退または型締力を低下させた
状態で、第2層樹脂(加飾材)を射出充填した後、金型
を前進または型締力を負荷するとともに充填樹脂を冷却
する。冷却の完了を待って、型開の上成形品を取り出す
ことにより、コア材樹脂の表面に加飾材樹脂が積層一体
化された表面加飾成形品を得ている(サンドイッチ成
形)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、下記に示すような問題があった。 (1)表皮材インサート成形の場合は、ソフト感やクッ
ション性を持たせるために、裏面(コア材樹脂側)に発
泡層をラミネートした表皮材を使用するが、射出充填時
に高温・高圧のコア材樹脂により発泡層は容易に溶損し
て、ソフト感やクッション性が消失してしまう。この対
策として、発泡層の裏面に耐熱・耐圧性を有する保護層
をラミネートした表皮材を使用しているが、表皮材のコ
ストアップを招くとともに、完全な発泡層の保護は困難
であった。 (2)サンドイッチ成形においても、手触り感や質感を
要求される場合も多くなってきているが、成形用樹脂の
みでは手触り感や質感を持たせることはできない。手触
り感や質感を持たせる方法としては加飾材として起毛布
や織布が理想的であり、従来のサンドイッチ成形では対
応はできなかった。ソフト感やクッション性と手触り感
や質感が同時に要求される場合は従来の成形方法では対
応は困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明においては、第1の発明では、対向
する一対の金型間に表面に加飾層を有する表皮材を介在
させて型締した後、該表皮材と該両金型とで形成される
金型キャビティ空間内に第1溶融樹脂を射出充填して表
皮材と第1溶融樹脂とを積層させ第1樹脂層を形成し、
引き続き該第1樹脂層と金型とで形成される金型キャビ
ティ空間内に第2溶融樹脂を射出充填して第2樹脂層を
形成するとともに表皮材と第1樹脂層と該第2樹脂層と
を順次積層形成させた後、加熱手段を用いて表皮材加飾
層のゴム状弾性を示す温度領域内で設定した設定温度に
表皮材加飾層を加熱するとともに、表皮材と金型との間
に所定の型開量を設けて、所定の設定時間保持すること
とした。また、第2の発明では、対向する一対の金型で
形成される金型キャビティ空間内に第2溶融樹脂を射出
充填して第2樹脂層を形成させた後、該両金型を相対的
に離間させて、該第2樹脂層と該金型との間に表皮材を
介在させて型締し、引き続き第2樹脂層と該表皮材との
金型キャビティ空間内に第1溶融樹脂を射出充填して、
表皮材と第1樹脂層と第2樹脂層を順次に積層成形させ
た後、加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾性を示
す温度領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層を加熱
するとともに、表皮材と金型との間に所定の型開量を設
けて、所定の設定時間保持することとした。さらに、第
3の発明では、第1溶融樹脂および第2溶融樹脂を射出
充填する多層射出機構と、多層射出機構を制御する射出
制御部と、表皮材を金型内にセットするとともに多層成
形品を金型外へ搬出する搬出入機構と、表皮材加飾層の
ゴム状弾性を示す温度領域内に表皮材加飾層を加熱させ
る温度を設定入力する温度条件設定部と、表皮材加飾層
の温度をモニタする温度モニタ部と、温度モニタ部の信
号と温度条件設定部の設定値とを比較して表皮材加飾層
を加熱させる加熱手段と、第1溶融樹脂および第2溶融
樹脂を射出充填する際の型締条件および加熱手段と連動
した型締動作の型開量値と型開保持時間を設定する型締
条件設定部と、型締条件設定部の設定値に基づいて型締
機構を制御する型締制御部とを有した樹脂の多層成形装
置とした。
【0005】
【発明の実施の形態】表皮材を金型内にセットして型締
した後、第1溶融樹脂(中間材)を射出充填する。引き
続き第1樹脂層(中間層)と金型とで形成される金型キ
ャビティ空間内に第2溶融樹脂(コア材)を射出充填す
る。または、先に第2溶融樹脂(コア材)を射出充填し
た後、金型を開いて表皮材を金型内にセットする。型締
した後引き続き第2樹脂層(コア層)と金型とで形成さ
れる金型キャビティ空間内に第1溶融樹脂(中間材)を
射出充填して、表皮材と第1樹脂層と第2樹脂層とを順
次積層形成させる。これにより各層の材質選択・組み合
わせにより表面加飾性を自由自在に付与することが可能
となる。例えば、コア材に成形品の形状保持・強度付与
を目的として硬質樹脂を、中間材にソフト感・クッショ
ン性の付与を目的として発泡樹脂・軟質樹脂を、表皮加
飾層に手触り感・高級感の付与を目的として起毛布・織
布・レーザシートを採用することにより、従来の耐熱・
耐圧保護層のラミネート表面処理等をしないでソフト感
・クッション性と手触り感・高級感を兼ね備えた表面加
飾成形品(従来の成形方法では不可能であった)を効率
よく安定して得ることができる。
【0006】更に表皮材・中間材・コア材の融着一体化
と賦形が完了した時点で、加熱手段を用いて表皮材加飾
層のゴム状弾性を示す温度領域内で設定した設定温度
に、表皮材加飾層を加熱するとともに、表皮材と金型と
の間に隙間を設けて回復スペースを確保した状態で規定
時間保持することによって、成形中の外力で変形した
(損傷を受けた)表皮材加飾層は、弾性力により自己回
復し表皮材本来の風合いが復元される。これにより表皮
材・中間材・コア材の融着一体化および賦形と、表皮材
の損傷防止という相反する制御因子を同時にかつ安定し
て解決でき、損傷回復のための後工程や表皮材の多層化
処理が不要となり、成形品全面において表面加飾性能に
優れた高品質な多層成形品を効率よく安定して得ること
ができる。
【0007】更に、中間材にソフト感・クッション性の
付与を目的として発泡樹脂を用いた場合、表皮材加飾層
の弾性回復のための加熱処理で、同時に発泡樹脂の発泡
制御ができるため、表皮材インサート成形と樹脂の多層
成形と発泡成形の三つの成形を一連の成形工程で達成で
き、極めて高品質かつ多機能な多層成形体を効率よく安
定して得ることができる。
【0008】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図5は本発明の実施例に係り、
図1は樹脂の多層成形装置の全体構成図、図2は本発明
の請求項1に関する実施例に係る樹脂の多層成形工程の
フローチャート、図3は本発明の請求項2に関する実施
例に係る樹脂の多層成形工程のフローチャート、図4〜
図5は本発明の加熱手段の説明図である。
【0009】図1に示すように、本発明における多層成
形装置100は、金型装置10と型締装置20と多層射
出機構30と制御装置60と図示しない表皮材や成形品
の搬出入装置とで構成される。金型装置10は、固定盤
1に取り付けられた固定金型3と可動盤2に取り付けら
れた可動金型4とからなり、可動盤2および可動金型4
は型締装置20の型締シリンダ22で前後進できるよう
構成される。型締装置20は、金型装置10の両金型
3、4の型開、型閉を作動する型締シリンダ22を備え
ており、可動金型4が固定金型3に対して図示しないタ
イバーに案内されて前後進する。
【0010】多層射出機構30は、キャビティ5内に第
1溶融樹脂(中間材)を供給する第1射出ユニット30
Aとキャビティ5内に第2溶融樹脂(コア材)を供給す
る第2射出ユニット30Bとからなり、それぞれノズル
・樹脂流路を経由して三方弁31に接続されている。更
に、この三方弁31はキャビティ5と連通している。
【0011】一方、制御装置60は、図1に示すよう
に、表皮材加飾層の表面温度を検知する温度モニタ部6
1、温度条件設定部62、加熱手段制御部63、型締制
御部64、射出制御部65、型締条件設定部66等から
構成されている。型締制御部64は加熱手段制御部63
や射出制御部65、型締条件設定部66に接続されてお
り、加熱手段制御部63は温度モニタ部61や温度条件
設定部62と接続されている。なお、本実施例では、直
圧式の型締装置を有する射出成形機を用いたが、トグル
型締装置の射出成形機や、あるいは竪型の射出成形機ま
たは電動式の型締装置を有する射出成形機を使用しても
よい。
【0012】図2は本発明の請求項1に関する実施例1
に係る樹脂の多層成形工程のフローチャート、図3は本
発明の請求項2に関する実施例2に係る樹脂の多層成形
工程のフローチャート、図4〜図5は本発明の加熱手段
の説明図であり、以下にその概要と運転方法について説
明する。
【0013】実施例1 (a)金型装置10の両金型3、4を型開きした状態
で、金型キャビティ面の所定位置に、たとえば真空吸引
方式や針刺し方式等の手段を用いて表皮材Sをセット保
持する。表皮材Sとしては、加飾層がゴム状弾性挙動を
示すもので要求される加飾特性に合った加飾層を有した
ものを用いる。また、必要に応じて、たとえば中間材溶
融樹脂が表面側にしみだすのを防止する役割および中間
材樹脂との融着一体化促進の役割を兼用した、中間材樹
脂と同種同系統の樹脂製のシートを加飾層の裏側にラミ
ネートしたものや、ソフト感を演出する目的でクッショ
ン層を設けたものや、その他の目的で着色層や接着層を
設けた多層構成の表皮材や、印刷フィルムを表皮材とし
て用いることもできる。なお、本実施例ではシート状の
表皮材を用いたが、三次元的な成形品形状に予めプリ成
形したものを表皮材として用いてもよい。また、本実施
例では一方の面にだけ表皮材を貼合せるようにしたが、
コア材樹脂の両面に表皮材を貼合せるようにしてもよ
い。
【0014】(2)予め設定した型締条件で第1溶融樹
脂(中間材)を射出充填し、保圧を負荷する。中間材の
射出充填に際しては表皮材と中間材の種類・組合せ、製
品形状等によって適切な型締制御パターンを選択・採用
する。例えば、中間材樹脂の充填条件が悪い場合(低流
動樹脂、金型キャビティが複雑・薄肉形状)には、予め
所定の設定型開量位置で型開保持した状態で中間材樹脂
を射出充填し、射出完了時あるいは射出中の任意の時点
で型締力を負荷して保圧工程に移行する型締制御パター
ンを採用する。この場合は、型開保持による金型キャビ
ティの流動通路拡大や両金型間の隙間よりのエア・ガス
抜け効果と、表皮材加飾層の損傷防止(特にゲート部の
損傷防止)に大きい効果を発揮する。
【0015】(3)引き続き第1樹脂層と金型のキャビ
ティ空間内に第2溶融樹脂(コア材)を射出充填し保圧
を負荷する。ここでも第1溶融樹脂の射出充填の場合と
同様に、表皮材と中間材とコア材の種類・組合せ、製品
形状等によって適切な型締制御パターンを選択・採用す
る。コア材樹脂の射出開始のタイミングは、コア材を射
出充填した際に中間材と融着一体化できることが必要で
あり、例えば中間材の射出開始で起動するタイマのタイ
ムアウト信号(t1)で設定できる。
【0016】(4) 表皮材加飾層は、中間材樹脂の射
出充填開始と同時に高温・高圧状態の溶融樹脂より高い
負荷を受けて損傷し、コア材樹脂の射出充填後の保圧工
程で損傷程度はピークとなる。表皮材加飾層の損傷防止
の観点からは負荷される外力を小さく(保圧力を小さく
し、保圧時間を短くする)したいが、表皮材・中間材・
コア材の融着一体化および積層体の賦形の観点からは保
圧力・保圧時間を大きくすることが望ましい。この相反
する制御因子を一つの成形工程の中で同時に達成するこ
とは極めて困難であるが、本発明では表皮材加飾層の損
傷防止は次工程(保圧完了後の微少型開工程)で行うこ
とができるので、この保圧工程では表皮材・中間材・コ
ア材の溶着一体化と賦形を主体に行なうことができる。
【0017】(5)保圧工程の完了後は、例えば金型内
部に組込まれた加熱手段を用いて直接的または間接的に
表皮材加飾層を加熱する(図4、図5を参照のこと)。
金型内部に組込まれた加熱手段とは、例えば金型を閉じ
た状態で表皮材加飾層の金型キャビティ形状に沿って金
型内部に配設させた通電型発熱体で金型キャビティを加
熱し、表皮材加飾層を加熱する(図4参照のこと)。加
熱と同時に表皮材加飾層の温度を検出し、表皮材加飾層
の温度が設定温度(加飾層のゴム状弾性を示す温度領域
内で予め設定する)(M)に到達した時点で、設定型開
量値(T)で設定時間(t2)だけ型開保持する(図5
参照のこと)。なお、型開保持中も引き続き加熱を継続
しても必要に応じて加熱を停止してもよい。また、予め
設定型開量値(T)に型開保持した状態(図5)で表皮
材加飾層を加熱(この場合は金型キャビティ加熱による
輻射熱を利用する)して設定温度(M)に到達後、設定
時間(t2)保持してもよし、型開保持の動作と加熱動
作を同時に行ってもよい。
【0018】上記の加熱手段の他に、例えば加熱媒体循
環による金型加熱、キャビティ面に通電加熱薄膜をコー
ティングした薄膜加熱、磁気あるいは高周波等による誘
導発熱を利用した金型加熱等の金型内部に加熱手段を設
けた加熱方法、ヒータ・温熱風吹出し・ハロゲン加熱照
射等の金型外部の加熱手段を金型内に挿入して加熱する
方法、表皮材加飾層に誘導発熱材質を混入させて直接誘
導発熱させる等の加熱手段を単独あるいは複合的に用い
ることもできる。
【0019】設定温度(M)は、成形中に受けた表皮材
加飾層の損傷を回復させる温度条件として、表皮材加飾
層がゴム状弾性を示す温度領域内(ガラス転移点Tg以
上の温度)で設定する。設定型開量(T)は、表皮材加
飾層の弾性力による自己回復スペースの確保のため、表
皮材加飾層を含む表皮材の厚さと同等かこれ以上の金型
と表皮材の隙間、または加熱手段を挿入できるスペース
を加算した隙間で設定する。設定時間(t2)は、表皮
材加飾層のゴム状弾性による自己回復に要する時間であ
り、例えば加熱手段で設定温度(M)に到達した時点で
起動するタイマのタイムアウト信号で設定することがで
きる。
【0020】(6)設定時間(t2)の経過後は、型開
動作を行って成形品を取り出して1サイクルを完了す
る。
【0021】実施例2 (1)実施例1と同様に、予め設定した型締条件で第2
溶融樹脂(コア材)を射出充填し、保圧を負荷する。コ
ア材の射出充填に際してはコア材の種類や製品形状等に
よって適切な型締制御パターンを選択・採用する。 (2)金型を所定の型開位置に型開保持させて、表皮材
を第2樹脂層とは反対側の金型内にセットし、型締を行
なった後、引き続き第2樹脂層と金型との隙間に第1溶
融樹脂(中間材)を射出充填し、保圧を負荷する。ここ
でも実施例1と同様に、表皮材と中間材とコア材の種類
・組合せ、製品形状等によって適切な型締制御パターン
を予め選択・採用する。なお、表皮材および表皮材・中
間材・コア材の組合せは実施例1と同じである。中間材
樹脂の射出開始タイミングは、中間材を射出充填した際
にコア材と融着一体化および表皮材と融着一体化できる
ことが条件であり、例えば、コア材の射出開始で起動す
るタイマのタイムアウト信号(t3)で設定する。実施
例1と同様に、この保圧工程では表皮材と中間材および
コア材の融着一体化と賦形を主体に行なう。
【0022】(3)保圧工程の完了後は、実施例1と同
様に、例えば金型内部に組み込まれた加熱手段を用いて
直接または間接的に表皮材加飾層を加熱するとともに
(図4参照)、表皮材加飾層の温度を検出し、表皮材加
飾層の温度が設定温度(加飾層のゴム状弾性を示す温度
領域内で予め設定)(M)に到達した時点で、設定型開
量(T)で設定時間(t2)の間型開保持する(図5参
照)。 (4)設定時間(t2)の経過後は、型開動作を行って
成形品を取り出して1成形サイクルを完了する。
【0023】このように、保圧工程の完了後(表皮材と
中間材樹脂の融着一体化や中間材・コア材樹脂の賦形は
完了)に、加熱手段を用いて表皮材加飾層を加熱して、
ゴム状弾性を示す温度領域内の設定温度(M)で、設定
型開量(T)の金型と表皮材加飾層間の隙間を与えて、
設定時間(t2)保持することにより、成形中に変形し
た(損傷を受けた)表皮材加飾層はゴム状弾性により自
己回復し、その結果成形後においても表皮材本来の風合
いが確保される。これにより、表皮材と中間材およびコ
ア材樹脂の融着一体化や賦形と、表皮材の損傷防止とい
う相反する制御因子を同時にかつ安定して解決でき、損
傷回復のための後工程や表皮材の多層化処理が不要とな
り、ソフト感・クッション性と手触り感・高級感が同時
に達成された成形品全面ににおいて表面加飾性能に優れ
た高品質な樹脂の多層成形品を効率よく安定して得るこ
とができる。
【0024】更に、本発明の付帯効果として、中間材に
ソフト感・クッション性の付与を目的として発泡樹脂を
用いた場合に大きな効果を発揮する。即ち、表皮材加飾
層の弾性回復のための加熱処理で、同時に発泡樹脂の発
泡度の制御ができるので、表皮材インサート成形と樹脂
の多層成形と発泡成形の3つの成形を一連の成形工程で
達成することが可能である。この場合は、加熱処理工程
において、型締側の制御で所定の型開量で型開保持を合
わせて行うことにより、発泡樹脂の発泡倍率を正確に制
御することができる。なお、型締力制御で所定の型開量
になるように制御することもできる。
【0025】上記の他に、例えば、中間材樹脂層の中に
コア材樹脂を射出充填した多層成形品への適用、表皮材
を片面ではなく両面に貼り付けること、コア材と中間材
の組合せを変えたり第3・第4層と多層にすることもで
きる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、下記のような優れた効果が達成される。 (1)コア層・中間層・表皮加飾層の各層の材質選択と
組合せにより自由自在に表面加飾の表現が可能となり、
これにより表面加飾成形品についての幅広い要求にも柔
軟に対応が可能となり、高品質の表面加飾成形品を安定
して効率よく供給することができる。 (2)成形中の表皮材加飾層の変形(損傷)による表皮
材本来の風合いを損なうことなく、非常に優れた表面加
飾性能を有する表皮材で表面加飾した樹脂の多層成形品
を効率よく安定して供給することができる。 (3)特に中間層に発泡樹脂を用いた場合には、発泡樹
脂の発泡度制御と表皮材の損傷防止が一連の成形工程の
中で同時に達成でき、成形工程の短縮によるコストダウ
ンと品質向上の両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する樹脂の多層成形装置の全体構
成図である。
【図2】本発明の実施例1に係る樹脂の多層成形工程の
フローチャートである。
【図3】本発明の実施例2に係る樹脂の多層成形工程の
フローチャートである。
【図4】本発明の加熱手段の説明図である。
【図5】本発明の加熱手段の説明図である。
【符号の説明】
1 固定盤 2 可動盤 3 固定金型 4 可動金型 5 金型キャビティ 10 金型装置 20 型締装置 22 型締シリンダ 30 多層射出機構 30A 第1射出ユニット(第1溶融樹脂用) 30B 第2射出ユニット(第2溶融樹脂用) 31 三方弁 60 制御装置 61 温度モニタ部 62 温度条件設定部 63 加熱手段制御部 64 型締制御部 65 射出制御部 66 型締条件設定部 100 多層成形装置 S 表皮材 M 設定温度 T 設定型開量 t1、t2、t3 設定時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の金型間に表面に加飾層を
    有する表皮材を介在させて型締した後、該表皮材と該両
    金型とで形成される金型キャビティ空間内に第1溶融樹
    脂を射出充填して表皮材と第1溶融樹脂とを積層させ第
    1樹脂層を形成し、引き続き該第1樹脂層と金型とで形
    成される金型キャビティ空間内に第2溶融樹脂を射出充
    填して第2樹脂層を形成するとともに表皮材と第1樹脂
    層と該第2樹脂層とを順次積層形成させた後、 加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度
    領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層を加熱すると
    ともに、表皮材と金型との間に所定の型開量を設けて、
    所定の設定時間保持したことを特徴とする樹脂の多層成
    形方法
  2. 【請求項2】 対向する一対の金型で形成される金型キ
    ャビティ空間内に第2溶融樹脂を射出充填して第2樹脂
    層を形成させた後、該両金型を相対的に離間させて、該
    第2樹脂層と該金型との間に表皮材を介在させて型締
    し、 引き続き第2樹脂層と該表皮材との金型キャビティ空間
    内に第1溶融樹脂を射出充填して、表皮材と第1樹脂層
    と第2樹脂層を順次に積層成形させた後、 加熱手段を用いて表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度
    領域内で設定した設定温度に表皮材加飾層を加熱すると
    ともに、表皮材と金型との間に所定の型開量を設けて、
    所定の設定時間保持したことを特徴とする樹脂の多層成
    形方法
  3. 【請求項3】 第1溶融樹脂および第2溶融樹脂を射出
    充填する多層射出機構と、多層射出機構を制御する射出
    制御部と、表皮材を金型内にセットするとともに多層成
    形品を金型外へ搬出する搬出入機構と、 表皮材加飾層のゴム状弾性を示す温度領域内に表皮材加
    飾層を加熱させる温度を設定入力する温度条件設定部
    と、表皮材加飾層の温度をモニタする温度モニタ部と、
    温度モニタ部の信号と温度条件設定部の設定値とを比較
    して表皮材加飾層を加熱させる加熱手段と、 第1溶融樹脂および第2溶融樹脂を射出充填する際の型
    締条件および加熱手段と連動した型締動作の型開量値と
    型開保持時間を設定する型締条件設定部と、型締条件設
    定部の設定値に基づいて型締機構を制御する型締制御部
    と、を有した樹脂の多層成形装置。
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