JP2017056716A - 積層成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】最終的な積層成形体の形状に合わせた形状に予め賦形することなく、シートをそのまま用いて、インモールド成形による積層成形体を製造することができる方法を提供する。【解決手段】コア部を有する雄型と型締め状態でコア部を収容するキャビティ部を有する雌型とを備える射出成形用金型の、雌型と前記雄型との合わせ面にシートを配置する工程と、雌型と雄型とを型締めすることによりシートを合わせ面に挟み込み、該型締めを保持することによりコア部でシートを引き伸ばして賦形する工程と、雄型に形成されたゲートから、キャビティ部に溶融樹脂を充填することにより、賦形されたシートを前記溶融樹脂の樹脂圧でさらに引き伸ばしながら、成形される射出成形体と一体化させる工程と、を有する積層成形体の製造方法を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形体の表面に他の素材を一体化した積層成形体の製造方法、詳しくは、プリフォーム成形体を用いずに、他の素材を射出成形体の表面に一体化する積層成形体の製造方法に関する。
射出成形体の表面に他の素材を一体化した積層成形体が知られている。このような積層成形体は、フィルムやシートに予め賦形して得られるプリフォーム成形体を金型のキャビティに配置し、射出成形するインモールド成形により製造される。
従来のインモールド成形により積層成形体を製造する方法について、図6を参照して説明する。図6は、従来のインモールド成形により積層成形体を製造する方法の各工程を説明する説明図である。
図6中、11はプリフォーム成形体,2aは雌型,2bは雄型,3は射出成形機の射出部本体,3aはノズル,3bはシリンダ,3cはインラインスクリュ,4は充填ゲート,5は射出成形体,5aは溶融された熱可塑性樹脂,20は積層成形体である。
従来のインモールド成形を用いた積層成形体の製造方法においては、はじめに、図6(a)に示すように、雌型2aのキャビティを形成するための凹部にプリフォーム成形体11を配置する。そして、雌型2aの凹部にプリフォーム成形体11を配置させた後、図6(b)に示すように、雌型2aと雄型2bとを型締めする。そして、図6(c)に示すように、雌型2aと雄型2bとを型締めすることにより形成されるキャビティcに溶融された熱可塑性樹脂5aを充填する。そして、キャビティc内の射出成形体5を冷却する冷却工程の終了後、図6(d)に示すように、雌型2aを後退させて、雌型2aと雄型2bとを型開きすることにより、射出成形体5にプリフォーム成形体11が一体化されてなる積層成形体20が取り出される。
従来のインモールド成形を用いた積層成形体の製造方法においては、予め最終的な積層成形体の形状に一致するように賦形されたプリフォーム成形体を、金型のキャビティに収容し、射出成形していた。プリフォーム成形体は、射出成形の前に、真空成形,真空圧空成形,または加熱プレス等の方法により、予め成形されていた。
また、薄いフィルムをインモールド材として用いる場合には、金型のキャビティにフィルムをそのままの状態で収容させ、射出成形することにより射出成形の表面を加飾する方法も知られていた。例えば、下記特許文献1は、50μm以下のような加飾シートをキャビティ内に収容させ、射出成形することにより、成形された射出成形体表面に加飾シートが積層された加飾成形品を得る射出成形同時加飾方法を開示する。このような方法は、金型のキャビティに収容させたフィルムを射出成形により充填される樹脂の樹脂圧により、キャビティ形状に沿った形状をフィルムに賦形する技術である。
また、下記特許文献2は、熱可塑性合成樹脂シートを射出成形用雌金型に固定し、熱可塑性合成樹脂シートを加熱軟化させた上で雌金型キャビティ面上で真空成形し、雌金型に雄金型を型締めして、射出成形することにより、射出成形体表面に加飾シートが積層された加飾成形品を得る射出成形同時加飾方法を開示する。
特開2014−184726号公報 特開2012−16951号公報
プリフォーム成形体を用いてインモールド成形する場合、射出成形工程の前に、真空成形,真空圧空成形,または加熱プレス等の方法によりシートに最終的な積層成形体の形状に合わせた形状に予め賦形するプリフォーム成形が必要であったために、工程が煩雑であった。また、真空成形,真空圧空成形,または加熱プレス等の成形設備を有さず、射出成形機しか有さない工場においては、プリフォーム成形を自ら行うことができなかった。
また、特許文献1に開示されたような、金型のキャビティにフィルムをそのままの状態で収容させ、充填される樹脂の樹脂圧により、キャビティ形状に沿った形状をフィルムに賦形する技術は、厚いシートを用いる場合には賦形することができなかった。同様に、特許文献2に開示されたような、熱可塑性合成樹脂シートを加熱軟化させた上で雌金型キャビティ面上で真空成形したりするような方法も、薄いフィルムには適用できるものの、インモールド材として厚いシートを用いる場合には賦形することができなかった。
本発明は、最終的な積層成形体の形状に合わせた形状に予め賦形することなく、シートをそのまま用いて、インモールド成形による積層成形体を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、コア部を有する雄型と型締め状態でコア部を収容するキャビティ部を有する雌型とを備える射出成形用金型の、雌型と雄型との合わせ面に樹脂シートを配置する工程と、雌型と雄型とを型締めすることにより樹脂シートを合わせ面に挟み込み、該型締めを保持することによりコア部で樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程と、雄型に形成されたゲートから、キャビティ部に溶融樹脂を充填することにより、賦形された樹脂シートを溶融樹脂の樹脂圧でさらに引き伸ばしながら、成形される射出成形体と一体化させる工程と、を有することを特徴とする積層成形体の製造方法である。このような製造方法によれば、雌型と雄型とを型締めし、コア部でシートを引き伸ばすことにより、樹脂シートが射出成形用金型内でプリフォームされる。そして、射出成形用金型内でプリフォームされた樹脂シートを、キャビティ内に充填される溶融樹脂の樹脂圧でさらに引き伸ばすことにより、成形される射出成形体と一体化された積層成形体が得られる。
また、樹脂シートは、射出成形用金型の型温の設定温度において、全方向で50%以上の破断伸び率を有することが、コア部で引き伸ばされる際に樹脂シートが破れることなく、容易に伸びて賦形される点から好ましい。
また、樹脂シートは、0.1mm以上の厚さを有することがコア部で引き伸ばされてもシートが破れにくい点から好ましい。
また、樹脂シートは繊維構造体を含むことが、伸びやすく、また、柔軟であるために皺が形成されにくい点から好ましい。
また、繊維構造体は、繊度1dtex以下の極細繊維を含むことがコア部で引き伸ばされやすいとともに、充填される溶融樹脂の樹脂圧でも伸びやすい点から好ましい。
また、繊維構造体は、0.45g/cm3以上の見かけ密度を有することが、充填される溶融樹脂が表層まで染み出ることが抑制される点から好ましい。
また、繊維構造体は、皮革様シートであることが、意匠性に優れる点から好ましい。
また、射出成形用金型の型温が、樹脂シートを構成する主構成樹脂のガラス転移温度(T)以上の温度を含む第1の型温領域を含むように制御されており、第1の型温領域が、キャビティ部に溶融樹脂を充填する前の、コア部で樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程に対応するように制御されていることが、賦形性がより向上する点から好ましい。また、この場合においては、射出成形用金型の型温が、キャビティ部に溶融樹脂を充填する工程において、T未満の温度を含む第2の型温領域に対応するように制御されていることが、賦形性がさらに向上する点から好ましい。さらに、T以上の温度が、主構成樹脂の流動開始温度以下の温度であることが、射出成形用金型のヒートサイクル制御が容易である点から好ましい。
また、雌型と雄型とを型締めすることにより樹脂シートを合わせ面に挟み込み、該型締めを保持することによりコア部で樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程を5秒間以上維持することが、樹脂シートに充分に賦形することができる点から好ましい。
本発明によれば、最終的な積層成形体の形状に合わせた形状に予め賦形することなく、樹脂シートをそのまま用いて、インモールド成形による積層成形体を製造することができる。
図1は、第1実施形態の積層成形体の製造方法の各工程を説明する説明図である。 図2は、第2実施形態の積層成形体の製造方法の各工程と射出成形用金型の型温との関係を説明する説明図である。 図3は、縦軸に樹脂シートを構成する主構成樹脂の貯蔵弾性率E’を片対数で、横軸に温度を、プロットしたときのグラフの一例である。 図4は、実施例で製造した積層成形体の斜視模式図である。 図5は、実施例の射出成形用金型の型温制御を説明する説明図である。 図6は、プリフォーム成形体を用いる、従来の積層成形体の製造方法の各工程を説明する説明図である。
[第1実施形態]
本実施形態の積層成形体の製造方法を図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のインモールド成形体の製造方法の各工程を説明する説明図である。
図1中、1はインモールド用の樹脂シート(以下、インモールド用シートとも称する),2aはキャビティ部2cを有する雌型,2bはコア部2dを有する雄型,3は射出成形機の射出部本体,3aはノズル,3bはシリンダ,3cはインラインスクリュ,4は充填ゲート,5は射出成形体,5aは溶融された熱可塑性樹脂,6は賦形されたシート、7は積層されたシート、8は積層体、10はインモールド成形体(積層成形体)である。また、雌型2aと雄型2bとは一対になってキャビティcを形成する射出成形用金型2を構成する。また、Rはインモールド用シート1を送る送りローラである。なお、本実施形態においては、雌型2aは射出成形用金型の可動側型、雄型2bは射出成形用金型の固定側型である。
本実施形態の積層成形体の製造方法においては、はじめに、図1(a)に示すように、雌型2aと雄型2bとが型開きした状態で、それらの合わせ面に、図略の原反ロールから送りローラRでインモールド用シート1を配置する。
インモールド用シートとしては、後述する、型締めを保持することによりコア部で引き伸ばす工程において破れにくく、且つ、溶融樹脂の樹脂圧で引き伸ばす工程において伸びやすい樹脂シートが好ましく用いられる。
コア部で引き伸ばされやすいインモールド用シートとしては、射出成形用金型のコア部で引き伸ばす工程における型温の設定温度において、全方向で、50%以上、さらには100%以上、とくには120%以上、ことには130%以上の破断伸び率を有するシートが好ましい。このようなインモールド用シートの場合には、コア部で引き伸ばされる際に破れにくく、容易に伸びて賦形される点から好ましい。なお、破断伸び率は、JIS L1096の8.12.1「引張強度試験」に準じて、2.5cm×16cmの試験片の応力−歪み曲線を測定し、破断したときの伸び率として測定される値である。なお、シートの破断伸び率は、通常、製造時の延伸方向(MD方向)で最も低く、延伸方向に垂直な方向(TD方向)において最も高くなる。そのために、シートの破断伸び率は、通常、シートのサンプリング方向により異なる。このような場合においては、インモールド用シートは、全方向、すなわち、各方向で測定したときの最も低いときの破断伸び率が、50%以上であることが好ましい。
また、インモールド用シートの厚さは、後述する、型締めを保持することによりコア部で引き伸ばす工程において破れにくく、且つ、溶融樹脂の樹脂圧で引き伸ばす工程において伸びやすい厚さであれば特に限定されない。具体的には、例えば、0.1〜2mm、さらには、0.3〜1.5mm程度であることが好ましい。インモールド用シートが薄すぎる場合にはコア部で引き伸ばされるときに破れたり、溶融樹脂の樹脂圧で破れたりしやすくなる傾向がある。また、インモールド用シートが厚すぎる場合には伸びにくくなる傾向がある。
なお、図1(a)においては、図略の原反ロールから送りローラRでインモールド用シート1を配置する方法を説明したが、インモールド用シートを配置する方法は特に限定されない。具体的には、インモールド用シートを送りローラで送る代わりに、例えば、原反から予め切り抜かれた枚葉状態のインモールド用シートを雌型2aにテープや治具等で固定して、雌型2aと雄型2bとが型開きした状態の合わせ面に垂らすようにして配置してもよい。
次に、図1(b)に示すように、雌型2aと雄型2bとが型開きした状態でそれらの合わせ面にインモールド用シート1を配置した状態で、雌型2aと雄型2bとを型締めし、この状態で所定の時間保持する。このとき、インモールド用シート1が雄型2bのコア部2dで引き伸ばされて賦形される。このようにして、図1(c)に示すように、雌型2aと雄型2bとが型締めした状態で形成されるキャビティc内で、コア部で引き伸ばされて賦形されたシート6が形成される。このとき、インモールド用シート1は、枚葉状態になるように原反ロールから切断されてもよい。
型締めした状態を保持する時間は、型温やインモールド用シートの熱的特性、キャビティ形状によって適宜調整されるが、具体的には、例えば5〜180秒間、さらには10〜120秒間、とくには20〜60秒間程度であることが成形サイクルと賦形性のバランスから好ましい。なお、一般的な射出成形においては、成形サイクルをできるだけ短くすることが求められるために、型締めした状態を保持する時間はできるだけ短く設定される。
なお、賦形されたシートは、雌型と雄型とを型開きした後、雌型のキャビティ部内に再配置してもよい。また、溶融樹脂の充填時に位置ずれすることを抑制するために、キャビティ部に賦形されたシートを固定してもよい。固定手段の具体例としては、例えば、可動側型表面に両面テープで貼り付けたり、真空吸着させたり、インモールド材自身の表面粘着性を用いて付着させたり、キャビティ部に突起を設けて賦形されたシートを嵌め込んだりする方法等が挙げられる。
そして、図1(d)に示すように、雌型2aと雄型2bとが型締めした状態で形成されるキャビティcに溶融された熱可塑性樹脂5aを充填する。詳しくは、射出成形機の射出部本体3を前進させ、ノズル3aを雄型2bに形成された充填ゲート4に当接させ、シリンダ3b内で溶融された熱可塑性樹脂5aをインラインスクリュ3cで射出することにより、溶融された熱可塑性樹脂5aが所定の充填圧でキャビティcに完充填される。このとき、賦形されたシート6は、溶融樹脂の樹脂圧でさらに引き伸ばされる。このようにして、成形された射出成形体5と射出成形体5に積層されたシート7とが一体化した積層体8を形成する。
射出される熱可塑性樹脂としては、溶融樹脂の樹脂圧で雌型2aのキャビティ部2cに沿うように賦形されたシートを引き伸ばすことが可能な樹脂が適宜選択される。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ABS系樹脂、PMMA樹脂のようなアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、各種ポリアミド系樹脂、COP樹脂、更には、スチレンイソプレン系熱可塑性エラストマー、スチレンブタジエン系熱可塑性エラストマー及びスチレン・イソプレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー等の各種エラストマー樹脂などが挙げられる。また、これらは、フィラー等を配合したコンパウンド品や、複数種の樹脂をアロイ化またはブレンド化した混合品であってもよい。これらは用途に応じて適宜選択される。例えば、携帯電話、モバイル機器、家電製品等の筐体に用いる樹脂としては、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等の耐衝撃性に優れた樹脂が好ましく用いられる。
射出成形条件は、熱可塑性樹脂の熱的特性や溶融粘度、成形体の形状、および樹脂厚みに応じて完充填可能な条件(樹脂温度、金型温度、射出圧、射出速度、射出後の保圧、冷却時間)が適宜設定される。
成形される射出成形体の厚さも特に限定されず、用途や成形性に応じて適宜選択される。例えば、携帯電話、モバイル機器、家電製品等の筐体に用いる場合には、0.3〜2mm、さらには0.5〜1.5mmが好ましい範囲として選ばれる。
そして、冷却工程において、雌型2aと雄型2bとが型締めした状態で形成されるキャビティc内で積層体8を所定の時間冷却した後、図1(e)に示すように、白抜き矢印方向に雌型2aを移動させて型開きする。そして、図1(f)に示すように、雌型2aと雄型2bとを型開きして、成形された射出成形体5と射出成形体5に積層されたシート7とが一体化されたインモールド成形体10が取り出される。そして、得られたインモールド成形体10の不要な部分、具体的には、型締めされていた部分であるシートの端部をトリミングしたり、ゲートやランナーを切断除去することにより、最終的な製品形状に整えられる。
次に、本実施形態の積層成形体の製造方法に用いられるインモールド用シートについて詳しく説明する。
インモールド用シートの形態としては、連続的な樹脂シートや、不織布,織布,織物,編物等の繊維構造体,または繊維構造体を含む人工皮革や合成皮革等の皮革様シート等が挙げられる。これらの中では、繊維構造体,または繊維構造体を含む人工皮革や合成皮革等の皮革様シートが、伸びやすく、また、柔軟であるために皺が形成されにくい点から特に好ましい。さらに、繊維構造体の中では、不織布、とくには極細繊維の不織布、及びそれらを含む人工皮革が特に好ましい。極細繊維の不織布は繊維密度が緻密であるために見掛け密度が高くなりやすく、薄くても均質性が高い。また、極細繊維はコア部で引き伸ばされやすいとともに、充填される溶融樹脂の樹脂圧でも伸びやすい点から好ましい。以下に、極細繊維の不織布及びそれらを含む人工皮革について、代表例として詳しく説明する。
極細繊維の不織布を形成するための樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの結晶性エラストマー等が挙げられる。これらの中では、とくに、ガラス転移温度(T)が100〜120℃、さらには105〜115℃であるような芳香族ポリエステル系樹脂が、後述する型締めを保持することによりコア部でシートが引き伸ばされやすく、また、溶融樹脂の樹脂圧で引き伸ばされやすい点から好ましい。
は、例えば、動的粘弾性測定装置(例えば、レオロジ社製FTレオスペクトラDDVIV)を用いて、幅5mm、長さ30mmの試験片を間隔20mmのチャック間に固定して、測定領域30〜250℃、昇温速度3℃/min、歪み5μm/20mm、測定周波数10Hzの条件で動的粘弾性挙動を測定することにより得られる。
が100〜120℃の芳香族ポリエステルの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートの構成単位に直鎖の構造を乱す共重合成分を構成単位として含有する変性ポリエチレンテレフタレート、特に、イソフタル酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の非対称型芳香族カルボン酸や、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合成分として所定割合で含有する変性ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。さらに具体的には、モノマー成分としてイソフタル酸単位を2〜12モル%含有する変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、極細繊維の繊度としては、1dtex以下、さらには0.6dtex以下、とくには0.5dtex以下であることが好ましい。このような繊度の場合には、コア部で引き伸ばされやすいとともに、充填される溶融樹脂の樹脂圧でも伸びやすい不織布が得られる点、及び、緻密さ及び充実感に優れる不織布が得られる点から好ましい。
また、極細繊維の不織布は、形態安定性や充実感を向上させることを目的として、内部の空隙に高分子弾性体を含有してもよい。このような高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等の各種ポリウレタンや、アクリル系弾性体、ポリウレタンアクリル複合弾性体、ポリ塩化ビニル、合成ゴム等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタンが接着性や機械的特性が優れる点から好ましい。
高分子弾性体の含有割合としては、0〜40質量%、さらには、5〜35質量%、とくには8〜30質量%であることが好ましい。高分子弾性体の含有割合が高すぎる場合には、賦形性が低下する傾向がある。
このような極細繊維の不織布の一面に銀面調の樹脂層を積層形成した場合には、銀付皮革調の外観を有する銀面調人工皮革が得られる。また、極細繊維の一面を起毛処理することにより起毛調の外観を有する起毛調人工皮革が得られる。
銀面調人工皮革を形成する方法としては、不織布の一面に乾式造面法やダイレクトコート法などの方法によりポリウレタン等の高分子弾性体を含む銀面調の樹脂層を形成する方法が挙げられる。乾式造面法は、離型紙などの支持基材上に高分子弾性体を含む樹脂膜を形成した後、その樹脂膜の表面に接着剤を塗布し、不織布の一面に貼り合せて、必要によりプレスして接着し、離型紙を剥離することにより銀面調の樹脂層を形成する方法である。また、ダイレクトコート法は、高分子弾性体を含む液状樹脂または樹脂液を不織布の一面に直接塗布した後、硬化させることにより銀面調の樹脂層を形成する方法である。
銀面調の樹脂層を形成する高分子弾性体としては、従来から銀面調の樹脂層の形成に用いられているポリウレタンやアクリル系弾性体等を用いることができる。その具体例としては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等の各種ポリウレタンや、アクリル系弾性体、ポリウレタンアクリル複合弾性体、ポリ塩化ビニル弾性体、合成ゴム等が挙げられる。
銀面調の樹脂層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.02〜0.2mm程度であることが、機械的特性と風合いとのバランスに優れた銀面調の人工皮革が得られる点から好ましい。
また、起毛調人工皮革を形成する方法としては、不織布の表面をバフィング処理することにより起毛処理されたスエード調やヌバック調の加飾面を形成する方法が挙げられる。バフィング処理は繊維構造体の表面をサンドペーパー等を用いて繊維を起毛する処理である。
繊維構造体の見かけ密度は0.45g/cm3以上、さらには0.50〜0.85g/cm3、とくには0.50〜0.80g/cm3であることが好ましい。このように高い見かけ密度の場合には、薄くても均質性が高くなる。射出成形により金型内のキャビティに充填される溶融樹脂が、繊維構造体を含むインモールド用シートの表面まで染み出ることが抑制される点から好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態の積層成形体の製造方法においては、射出成形用金型の型温をヒートサイクル制御することにより、雌型と雄型とを型締めして樹脂シートを合わせ面に挟み込み、該型締めを保持することによりコア部で樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程において、樹脂シートを構成する主構成樹脂のガラス転移温度(T)以上の温度を含む第1の型温領域を含むように制御されており、第1の型温領域を、コア部で樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程に対応するように制御する。このような積層成形体の製造方法によれば、樹脂シートの賦形性をより向上させることができる。第2実施形態の積層成形体の製造方法を図2を参照して詳しく説明する。
図2は、第2実施形態の積層成形体の製造方法の各工程と射出成形用金型の型温との関係を説明する説明図である。なお、各工程(a)〜(f)は、第1実施形態の積層成形体の製造方法の各工程(a)〜(f)と対応している。
第2実施形態の積層成形体の製造方法においては、高速ヒートサイクル成形または加熱・冷却成形(Heat & Cool成形)とも称される成形技術である、射出成形用金型を急速に加熱及び冷却する型温制御を用いる。なお、従来知られた高速ヒートサイクル成形は、射出成形工程における射出工程の直前に急速に金型を加熱し、射出工程後に急速に冷却するような型温制御を行うことにより、ウエルド強度を高めたり、金型内での樹脂の流動性を向上させたりするために用いられていた。第2実施形態の積層成形体の製造方法においては、射出工程の前の、コア部で樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程に対応する型締めした状態において、樹脂シートを構成する主構成樹脂のガラス転移温度(T)以上の温度を含む第1の型温領域に達するように温度制御する点において、一般的なヒートサイクル成形とは加熱及び冷却のタイミングを異にする。
図2を参照すれば、射出成形用金型2の雌型2aと雄型2bとの合わせ面にインモールド用の樹脂シート1を配置する工程(a)の後の、雌型2aと雄型2bを型締めすることにより樹脂シート1を合わせ面に挟み込み、型締めを保持することによりコア部で樹脂シート1を引き伸ばして賦形する工程(b)において、樹脂シートを構成する主構成樹脂のT以上の温度を含む第1の型温領域に到達するように型温制御する。すなわち、樹脂シート1に対する賦形を他の工程の温度よりも高いT以上の温度に制御された射出成形用金型2で行う。このように射出成形用金型2の型温を制御して樹脂シート1に賦形することにより、コーナー部等の賦形しにくい部分がより明確に転写されるように賦形性を向上させることができる。
第1の型温領域は、樹脂シートを構成する主構成樹脂のガラス転移温度(T)以上の温度、さらにはTg+10度以上の温度を含むことが賦形性に優れる点から好ましい。また、主構成樹脂の流動開始温度以上で融点(T)以下の温度であるゴム状平坦領域と称される領域になる温度を含む場合には賦形性に特に優れる点から好ましい。また、第1の型温領域が、主構成樹脂のTg以上の温度で流動開始温度以下の温度である場合には、射出成形用金型のヒートサイクル制御が容易である点から好ましい。なお、樹脂シートを構成する主構成樹脂とは樹脂シート中に質量換算で最も含まれる樹脂成分を意味する。主構成樹脂のT,T,流動開始温度,ゴム状平坦領域は、横軸に温度を縦軸に主構成樹脂の貯蔵弾性率E’を片対数グラフにプロットした場合において、例えば、図3に示すように表される。
次に、第1の型温領域に制御された射出成形用金型で樹脂シート1に賦形する工程(b)の後、射出成形用金型2を冷却することにより、主構成樹脂のT未満の温度、例えば、Tgよりも10度以上、さらには30度以上低い温度を含む第2の型温領域に到達させる。樹脂シート1に賦形した後に射出成形用金型2をT未満の温度の第2の型温領域まで冷却することにより、樹脂シート1に賦形された形状が固定される。
そして、樹脂シート1に賦形された形状を冷却して固定する工程(c)の後、キャビティcに溶融された熱可塑性樹脂5aを射出して充填する(工程(d))。このとき、射出成形用金型2はTよりも低い第2の型温領域まで冷却されて、樹脂シート1に賦形された形状は冷却により固定されているために、熱可塑性樹脂5aを射出しても、軟化により変形しすぎたり伸びて皺を発生させたり、破れたりしにくくなる。
そして、射出された熱可塑性樹脂5aを所定の時間冷却した後、雌型2aを移動させて型開きする(工程(e))。そして、雌型2aと雄型2bとを型開きして、成形された射出成形体5と射出成形体5に積層されたシート7とが一体化されたインモールド成形体10が取り出される(工程(f))。そして、引き続き、次サイクルの射出成形が繰り返される。
以上説明したように高速ヒートサイクル成形を用いることにより、樹脂シート1に対する賦形性を向上させることができる。なお、高速ヒートサイクル成形における温度制御手段は従来から知られた高速ヒートサイクル成形用の加熱及び冷却の制御が可能な温調機及び金型を含むシステムを用いることにより行うことができる。また、システムに用いる加熱媒体としては、湯、油、棒ヒータ等が、また、冷却媒体としては、水またはチラー水等が温度制御の範囲に合わせて適宜選択される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ0.5mmのスエード調の表面を有する人工皮革((株)クラレ製のティレニーナ、繊度0.08dtexで、T100℃,流動開始温度150℃,T230℃,の変性PETの極細繊維を含む、見かけ密度0.53g/cm3、35℃での破断伸び率が、最も低い方向で140%である人工皮革)の幅350mmの原反を準備した。
そして、型締力5000kNの射出成形機(名機製作所製, NADEM5000-DM))に搭載された、コア部を有する雄型とコア部を収容するキャビティ部を有する雌型とを備える射出成形用金型を型開きした状態で、雌型と雄型との合わせ面に人工皮革を配置した。なお、射出成形用金型のキャビティ形状は、厚さ1.5mmで、縦100×横300mmの主面をもち、コーナー部のRが5mm、高さ5mmである図4に示すような凹部12と凸部13とを有する逆盆形状の成形体15を形成するための形状であった。
そして、射出成形機の型締め機構により、雌型と雄型とを型締めすることにより人工皮革を合わせ面に挟み込み、型締め状態を5秒間保持することによりコア部で人工皮革を引き伸ばして賦形した。なお、型温の設定温度は35℃であった。このとき、一旦型開きすることにより、キャビティ形状におおよそ沿うような程度に人工皮革が引き伸ばされて賦形されていることを確認した。
そして、キャビティに賦形された人工皮革を再配置し、雌型と雄型とを型締めした。そして、樹脂温度270℃、金型温度35℃、射出圧60MPaの条件でABS樹脂(T87℃)を射出してキャビティ内に充填した。そして、完充填後、保圧30MPaを付与しながら、30秒間の冷却時間を保持した後、型開きした。そして、ABS樹脂成形体の表面に人工皮革が正確に一体化された積層成形体を得た。得られた積層成形体は、積層された人工皮革に皴や破れ、射出成形樹脂の樹脂漏れ等も見られなかった。
[実施例2]
実施例1において、型締め状態を5秒間保持する代わりに、60秒間保持した以外は実施例1と同様にして、ABS樹脂成形体の表面に人工皮革が正確に一体化された積層成形体を得た。得られた積層成形体は、積層された人工皮革に皴や破れ、射出成形樹脂の樹脂漏れ等も見られなかった。また、得られた積層成形体は、積層された人工皮革に皴や破れ、射出成形樹脂の樹脂漏れ等も見られなかった。また、凹部12と凸部13との立ち上がり部分の形状が実施例1で得られた積層成形体よりもくっきりとしていた。
[実施例3]
実施例1と同様のスエード調の表面を有する人工皮革を準備した。
そして、実施例1と同様の型締力5000kNの射出成形機(名機製作所製, NADEM5000-DM))に搭載された、コア部を有する雄型とコア部を収容するキャビティ部を有する雌型とを備える射出成形用金型を型開きした状態で、雌型と雄型との合わせ面に人工皮革を配置した。
なお、実施例3においては、射出成形用金型の型温は、射出成形の各工程と連動するようにヒートサイクル制御を行った。図5に型温制御の設定温度プロファイルを示す。この型温制御においては、人工皮革の主構成樹脂である変性PETのT100℃よりも高い120℃に制御する領域を第1の型温領域として設定した。また、第1の型温領域を除いた領域を、変性PETのTよりも低い35℃に制御する領域を第2の型温領域として設定した。
そして、射出成形機の型締め機構により、雌型と雄型とを型締めすることにより人工皮革を合わせ面に挟み込み、金型温度120℃に加熱した状態で、型締め状態を60秒間保持することによりコア部で人工皮革を引き伸ばして賦形した。
そして、金型温度35℃にまで冷却した射出成形用金型のキャビティ内に、樹脂温度270℃、射出圧60MPaの条件でABS樹脂(T87℃)を射出して充填した。そして、完充填後、保圧30MPaを付与しながら、20秒間の冷却時間を保持した後、型開きした。そして、ABS樹脂成形体の表面に人工皮革が正確に一体化された積層成形体を得た。得られた積層成形体は、積層された人工皮革に皴や破れ、射出成形樹脂の樹脂漏れ等も見られなかった。また、凹部12と凸部13との立ち上がり部分の形状が実施例2で得られた積層成形体よりもくっきりとしていた。
[実施例4]
実施例3において、第1の型温領域を120℃の代わりに変性PETの流動開始温度以上である160℃にまで加熱した以外は実施例3と同様にして、射出成形の各工程と連動するようにヒートサイクル制御を行った射出成形により、積層成形体を得た。得られた積層成形体は、積層された人工皮革に皴や破れ、射出成形樹脂の樹脂漏れ等も見られなかった。また、凹部12と凸部13との立ち上がり部分の形状が実施例3で得られた積層成形体よりもさらにくっきりとしていた。なお、流動開始温度以上に加熱することにより、賦形性は実施例3よりも優れていたが、金型のヒートサイクル制御がやや難しかった。
[実施例5]
繊度0.08dtexの極細繊維の不織布を含む、厚さ0.5mmのスエード調の表面を有する人工皮革の代わりに、繊度2.5dtexでT130℃のレギュラーPET繊維の不織布を含むスエード調の表面を有する人工皮革(見かけ密度0.45g/cm3、35℃での破断伸び率が、最も低い方向で125%)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインモールド成形を行った。なお、雌型と雄型とを型締めすることにより合わせ面に挟み込み、型締め状態を5秒間保持した後、型開きすることにより、キャビティ形状におおよそ沿うような程度に人工皮革が引き伸ばされて賦形されていることを確認した。
そして、キャビティに賦形された人工皮革を再配置し、雌型と雄型とを型締めした。そして、実施例1と同様にして、ABS樹脂を射出してキャビティ内に充填し、完充填後、冷却時間を保持した後、型開きした。そして、ABS樹脂成形体の表面に人工皮革が一体化された積層成形体を得た。得られた積層成形体は、積層された人工皮革に皴や破れは見られなかったが、人工皮革の表面に射出成形樹脂の樹脂漏れが角をなす部分に見られた。
[比較例]
厚さ0.5mmのスエード調の表面を有する人工皮革の代わりに、2軸延伸PETフィルム(東レ(株)製のルミラー、35℃での破断伸び率が、最も低い方向で130%)の表面に柄を印刷した厚さ0.075mmのフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、雌型と雄型との合わせ面に2軸延伸PETフィルムを配置し、雌型と雄型とを型締めすることにより合わせ面に挟み込み、型締め状態を5秒間保持した。しかしながら、2軸延伸PETフィルムが型締め力に負けて固定されなかったり、固定されても、破れたり皴がよるなどして、キャビティ形状に沿うように賦形されなかった。
本発明によれば、射出成形工程の前に、シートに最終的な積層成形体の形状に合わせた形状に予め賦形するプリフォーム成形を経なくても、インモールド成形体(積層成形体)を製造することができる。
1 樹脂シート(インモールド用シート)
2 射出成形用金型
2a 雌型
2b 雄型
2c キャビティ部
2d コア部
3 射出成形機の射出部本体
3a ノズル
3b シリンダ
3c インラインスクリュ
4 充填ゲート
5 射出成形体
5a (溶融された)熱可塑性樹脂
6 賦形されたシート
7 積層されたシート
8 積層体
10 インモールド成形体(積層成形体)
c キャビティ
R 送りローラ

Claims (11)

  1. コア部を有する雄型と型締め状態で前記コア部を収容するキャビティ部を有する雌型とを備える射出成形用金型の、前記雌型と前記雄型との合わせ面に樹脂シートを配置する工程と、
    前記雌型と前記雄型とを型締めすることにより前記樹脂シートを前記合わせ面に挟み込み、該型締めを保持することにより前記コア部で前記樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程と、
    前記雄型に形成されたゲートから、前記キャビティ部に溶融樹脂を充填することにより、前記賦形された樹脂シートを前記溶融樹脂の樹脂圧でさらに引き伸ばしながら、成形される射出成形体と一体化させる工程と、を有することを特徴とする積層成形体の製造方法。
  2. 前記樹脂シートは、前記射出成形用金型の前記コア部で前記樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程における型温の設定温度において、全方向で50%以上の破断伸び率を有する請求項1に記載の積層成形体の製造方法。
  3. 前記樹脂シートは、0.1mm以上の厚さを有する請求項1または2に記載の積層成形体の製造方法。
  4. 前記樹脂シートは繊維構造体を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の積層成形体の製造方法。
  5. 前記繊維構造体は、繊度1dtex以下の極細繊維を含む請求項4に記載の積層成形体の製造方法。
  6. 前記繊維構造体は、0.45g/cm3以上の見かけ密度を有する請求項4または5に記載の積層成形体の製造方法。
  7. 前記繊維構造体は、皮革様シートである請求項4〜6の何れか1項に記載の積層成形体の製造方法。
  8. 前記射出成形用金型の型温が、前記樹脂シートを構成する主構成樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度を含む第1の型温領域を含むように制御されており、
    前記第1の型温領域が、前記キャビティ部に溶融樹脂を充填する前の、前記コア部で前記樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程に対応するように制御されている請求項1〜7の何れか1項に記載の積層成形体の製造方法。
  9. 前記射出成形用金型の型温が、前記キャビティ部に溶融樹脂を充填する工程において、前記Tg未満の温度を含む第2の型温領域に対応するように制御されている請求項8に記載の積層成形体の製造方法。
  10. 前記Tg以上の温度が、前記主構成樹脂の流動開始温度以下の温度である請求項8または9に記載の積層成形体の製造方法。
  11. 前記雌型と前記雄型とを型締めすることにより前記樹脂シートを前記合わせ面に挟み込み、該型締めを保持することにより前記コア部で前記樹脂シートを引き伸ばして賦形する工程を5秒間以上維持する請求項1〜10の何れか1項に記載の積層成形体の製造方法。
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