JPH11224810A - 抵抗器の製造方法 - Google Patents

抵抗器の製造方法

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JPH11224810A
JPH11224810A JP10024346A JP2434698A JPH11224810A JP H11224810 A JPH11224810 A JP H11224810A JP 10024346 A JP10024346 A JP 10024346A JP 2434698 A JP2434698 A JP 2434698A JP H11224810 A JPH11224810 A JP H11224810A
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Shogo Nakayama
祥吾 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の抵抗器の製造方法では、保護層材料が
樹脂かガラスかによって、抵抗体のトリミングによる劣
化、抵抗値の工程変化のため、電流ノイズおよび抵抗値
精度のどちらか一方が悪くなるという課題を有してい
た。 【解決手段】 第1のトリミング溝26を設け、抵抗値
を修正した後に、ノイズを回復させるために500〜6
50℃の熱処理を施し、その後、さらに第2のトリミン
グ溝27を設け、抵抗値を微修正することにより、電流
ノイズおよび抵抗値精度ともに優れた抵抗器の製造方法
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度配線回路に
用いられる抵抗器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術は、特開平4−102302
号に開示されたものが知られている。
【0003】以下、従来の抵抗器の製造方法について、
図面を参照しながら説明する。図5は従来の抵抗器の断
面図である。
【0004】図において、1は絶縁基板である。2は絶
縁基板1の上面の左右両端部に設けられた第1の上面電
極層である。3は第1の上面電極層2に一部が重なるよ
うに設けられた抵抗層である。4は抵抗層3のみの全体
を覆うように設けられた第1の保護層である。5は抵抗
値を修正するために抵抗層3および第1の保護層4に設
けられたトリミング溝である。6は第1の保護層4の上
面にのみ設けられた第2の保護層である。7は第1の上
面電極層2の上面に絶縁基板1の幅一杯まで延びるよう
に設けられた第2の上面電極層である。8は絶縁基板1
の側面に設けられた側面電極層である。9,10は第2
の上面電極層7および側面電極層8の表面に設けられた
ニッケルめっき層、半田めっき層である。
【0005】以上のように構成された従来の抵抗器につ
いて、以下にその製造方法を図面を参照しながら説明す
る。
【0006】図6は従来の抵抗器の製造方法を示す工程
図である。まず、図6(a)に示すように、絶縁基板1
の上面の左右両端部に、第1の上面電極層2を塗着成形
する。
【0007】次に、図6(b)に示すように、第1の上
面電極層2に一部が重なるように絶縁基板1の上面に抵
抗層3を塗着形成する。
【0008】次に、図6(c)に示すように、抵抗層3
の全体のみを覆うように第1の保護層4を塗着形成した
後、抵抗層3における全抵抗値が所定の抵抗値の範囲内
に入るようにレーザ等により抵抗層3および第1の保護
層4にトリミング溝5を施す。
【0009】次に、図6(d)に示すように、第1の保
護層4の上面にのみ第2の保護層6を塗着形成する。
【0010】次に、図6(e)に示すように、第1の上
面電極層2の上面に絶縁基板1の幅一杯まで延びるよう
に第2の上面電極層7を塗着形成する。
【0011】次に、図6(f)に示すように、第1の上
面電極層2および絶縁基板の左右両端の側面に第1、第
2の上面電極層2,7と電気的に接続するように側面電
極層8を塗着形成する。
【0012】最後に、第2の上面電極層7および側面電
極層8の表面にニッケルめっきを施した後、はんだめっ
きを施すことにより、ニッケルめっき層9、はんだめっ
き層10を形成し、従来の抵抗器を製造していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の抵抗器の製造方法は、抵抗値精度を向上させるため
にレーザ等により、抵抗層3および第1の保護層4にト
リミング溝5を施すのであるが、このとき、抵抗層3の
切削による抵抗層3の面積の減少、トリミング溝5周辺
部のレーザー熱による抵抗体の劣化およびマイクロクラ
ックの発生により、第2の保護層6が樹脂の場合、抵抗
器の電流ノイズが大きいという課題を有していた。ここ
で、第2の保護層6の材料が問題になるのは、第2の保
護層がガラスの場合、トリミングにより生じたクラック
が、第2の保護層6の形成時の焼成熱によって、修復さ
れ、電流ノイズが回復するためである。しかし、この場
合、抵抗値もその熱の影響により変化するため、この場
合、完成抵抗器の抵抗値精度が悪化する。
【0014】つまり、従来の抵抗器の製造方法では、第
2の保護層6の材料が樹脂かガラスかにより、電流ノイ
ズおよび抵抗値精度のどちらか一方が悪くなるという課
題を有していた。
【0015】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、電流ノイズおよび抵抗値精度ともに優れた抵抗器の
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による抵抗器の製造方法は、絶縁基板の上面の
両側部に一対の上面電極層を設け、前記上面電極層間を
電気的に接続するように抵抗層を設け、前記抵抗層を覆
うようにプリコート層を設け、前記抵抗層およびプリコ
ート層を切削して抵抗値を修正する第1のトリミング溝
を設けた後、500〜650℃の熱処理を施し、前記抵
抗層およびプリコート層を切削して抵抗値を微修正する
第2のトリミング溝を設けるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、基板の上面の両側部に一対の上面電極層を設け、前
記上面電極層間を電気的に接続するように抵抗層を設
け、少なくとも前記抵抗層を覆うようにプリコート層を
設け、前記抵抗層およびプリコート層を切削して抵抗値
を修正する第1のトリミング溝を設けた後、500〜6
50℃の熱処理を施し、前記抵抗層およびプリコート層
を切削して抵抗値を微修正する第2のトリミング溝を設
け、少なくとも前記第1および第2のトリミング溝を覆
うように保護層を設けるものである。
【0018】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1記載の工程に加え、基板の下面の両側部に一対の下面
電極層を設け、前記絶縁基板の側面に上面電極層と前記
下面電極層とを電気的に接続するように、側面電極層を
設けてなるものである。
【0019】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1記載の工程に加え、上面電極層と電気的に接続するよ
うに絶縁基板の側面に側面電極層を設けてなるものであ
る。
【0020】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1記載の保護層を形成する工程はエポキシ系またはフェ
ノール系樹脂材料をスクリーン印刷し、150〜200
℃の温度で硬化してなるものである。
【0021】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1記載の基板は複数個の抵抗器が配列された分割溝を有
するシート状基板を用い、保護層を形成してなるシート
状基板を個片に分割してなるものである。
【0022】以上の製造方法により、抵抗器の電流ノイ
ズおよび抵抗値精度がともに優れるという作用を有する
ものである。
【0023】(実施の形態1)以下、本発明の一実施の
形態における抵抗器の製造方法について、図面を参照し
ながら説明する。
【0024】図1は本発明の一実施の形態における抵抗
器の断面図である。図1において、21はアルミナ等か
らなる基板である。22は基板21の上面の側部に設け
られた銀とガラスとの混合材料等からなる一対の上面電
極層である。23は必要により基板21の下面の側部に
設けられた銀とガラスとの混合材料等からなる一対の下
面電極層である。24は基板21の上面に上面電極層2
2に一部が重畳して電気的に接続するように設けられた
酸化ルテニウムとガラスとの混合材料または銀、パラジ
ウムとガラスとの混合材料等からなる抵抗層である。2
5は少なくとも抵抗層24を覆うように設けられた軟化
点500〜600℃のホウケイ酸鉛系ガラス等からなる
プリコート層である。26は抵抗値を所定の抵抗値に修
正するためレーザ等によって抵抗層24およびプリコー
ト層25に設けられた第1のトリミング溝である。27
は抵抗値を所定の抵抗値に微修正するためにレーザ等に
よって抵抗層24およびプリコート層25に設けられた
第2のトリミング溝である。28は少なくとも第1、第
2のトリミング溝26,27を覆うように設けられたエ
ポキシ系またはフェノール系樹脂材料等からなる保護層
である。29は必要により基板21の側面に上面電極層
22および下面電極層23と電気的に接続するように設
けられた銀とガラスとの混合材料等からなる側面電極層
である。30は必要により側面電極層29、上面電極層
22の露出部および下面電極層23の露出部を覆うよう
に設けられたニッケルめっき等からなる第1のめっき層
である。31は必要により第1のめっき層29を覆うよ
うに設けられた第2のめっき層である。
【0025】以上のように構成された抵抗器について、
以下にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0026】図2(a)は本発明の一実施の形態におけ
る抵抗器の製造方法のフローチャート、図2(b)は従
来の抵抗器の製造方法のフローチャートである。図より
明らかなように、本発明の一実施の形態では、トリミン
グを2段階に行い、その間に熱処理工程を追加してい
る。
【0027】以下各工程について詳しく説明する。図3
は本発明の一実施の形態における抵抗器の製造方法の工
程図である。
【0028】まず、図3(a)に示すように、アルミナ
等からなる基板41の上面の両側部に銀とガラスとの混
合ペースト材料をスクリーン印刷・乾燥して、ベルト式
連続焼成炉により約850℃の温度で約45分のプロフ
ァイルによって焼成し、一対の上面電極層42を形成す
る。また、このとき必要により基板41の下面の上面電
極層42と相対する位置に銀とガラスとの混合ペースト
材料をスクリーン印刷・乾燥して、上面電極層形成と同
時に下面電極層(図示せず)を形成してもよい。
【0029】次に、図3(b)に示すように、上面電極
層42間を電気的に接続するように、酸化ルテニウムと
ガラスとの混合ペースト材料を上面電極層42の一部に
重畳するように基板41の上面にスクリーン印刷・乾燥
して、ベルト式連続焼成炉により、約850℃の温度
で、約45分のプロファイルによって焼成し、抵抗層4
3を形成する。
【0030】次に、図3(c)に示すように、抵抗層4
3の上面を覆うように、ホウケイ酸鉛ガラス系ガラスペ
ーストをスクリーン印刷・乾燥して、ベルト式連続焼成
炉により、約620℃の温度で、約45分のプロファイ
ルによって焼成し、プリコート層44を形成する。これ
を設けることにより、トリミング時のレーザ等の抵抗体
への劣化を緩和できる。
【0031】次に、図3(d)に示すように、抵抗層4
3の抵抗値を修正するために、レーザ等により、完成品
までの工程変化を考慮し、第1のトリミング溝45を形
成する。
【0032】次に、この第1のトリミング溝45を形成
してなる基板41を約620℃の温度で、約45分のプ
ロファイルによって熱処理を施し、前工程で生じた抵抗
層のクラック等による劣化を修復し、ノイズの回復を図
る。
【0033】次に、図3(e)に示すように、抵抗層4
3の抵抗値を微修正するために、レーザ等により、トリ
ミングし、第2のトリミング溝46を形成する。
【0034】次に、図3(f)に示すように、抵抗層4
3の上面を覆うように、エポキシ系樹脂材料ペーストを
第1、第2のトリミング溝45,46を覆うようにスク
リーン印刷・乾燥して、ベルト式連続焼成炉により、約
160〜250℃の温度で、約45分のプロファイルに
よって硬化し、保護層47を形成する。
【0035】次に、必要により、図3(g)に示すよう
に、基板41の側面に、上面電極層42の一部に重畳す
るように、導電性樹脂ペーストをローラー転写印刷・乾
燥して、ベルト式連続焼成炉により、約160℃の温度
で、約30分のプロファイルによって硬化し、側面電極
層48を形成する。なお、側面電極層48はニッケルク
ロム等の材料をスパッタすることにより形成してもよ
い。
【0036】最後に、必要により、上面電極層42の露
出部および側面電極層48を覆うようにニッケルめっき
等からなるバリア層(図示せず)を形成するとともに、
このバリア層を覆うようにスズと鉛の合金めっき等から
なるはんだ層(図示せず)を形成して、抵抗器を製造す
るものである。
【0037】以上のように、構成製造された抵抗器につ
いて、その作用を図を用いて説明する。
【0038】図4は本発明の一実施の形態における抵抗
器の各工程後における抵抗層の電流ノイズおよび抵抗値
精度の変遷を示す図である。これより明らかなように、
熱処理によって電流ノイズは第1のトリミング工程後の
それよりも著しく減少している。これは、熱処理により
軟化・溶融したプリコート層のガラス成分がマイクロク
ラックに浸透し、劣化した抵抗層の修復が行われるため
である。
【0039】さらに第2のトリミング工程は熱処理工程
時に若干悪くなった抵抗値分布を所定の抵抗値に精度よ
く調整するための微修正工程であるため、修正倍率を低
く抑えることができ、電流のノイズを従来の抵抗器のよ
うに悪化させることはない。また、第2のトリミング工
程以降は抵抗器に高温の熱が加わらないため、抵抗値精
度は第2のトリミングでの精度を完成品まで保持するこ
とができる。
【0040】以上の作用により、本発明の実施の形態に
おける抵抗器は完成品まで電流ノイズおよび抵抗値分布
の優れた状態を保持することができる。すなわち、電流
ノイズおよび抵抗値精度ともに優れた抵抗器を得ること
ができる。
【0041】以下に、実際に、その電流ノイズおよび抵
抗値精度を従来の抵抗器と比較したものを説明する。
【0042】(実験方法)1005サイズの完成抵抗値
が10kΩである従来の抵抗器と本発明の一実施の形態
の製造方法により製造した抵抗器について、電流ノイズ
と抵抗値分布をそれぞれ測定した。なお、電流ノイズの
測定についてはQuan−tech社製model31
5Cを用いた。
【0043】(実験結果)(表1)に従来の抵抗器と本
発明の一実施の形態による抵抗器の電流ノイズおよびト
リミング精度分布を示す。
【0044】
【表1】
【0045】(表1)より明らかなように、本発明の実
施の形態による抵抗器は従来の保護層がガラスの抵抗器
と同等の電流ノイズを保持しつつ、保護層が樹脂の抵抗
器の抵抗値精度以上の抵抗値精度を有していることがわ
かる。
【0046】また、必要により、下面電極層および側面
電極層を設けることで、本発明の一実施の形態における
抵抗器は実装基板にこの抵抗器の表裏どちらの面を上に
しても安定して実装することができる。
【0047】また、本実施の形態では、1チップ大の基
板を用いて説明したが、分割溝を有するシート状の基板
を用いて製造してもよい。この場合、1チップ当たりの
製造コストを低減することができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明は、電流ノイズおよ
び抵抗値精度ともに優れた抵抗器の製造方法を提供する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における抵抗器の断面図
【図2】(a)同製造方法を示すフローチャート (b)従来の抵抗器の製造方法を示すフローチャート
【図3】本発明の一実施の形態における抵抗器の製造方
法を示す工程図
【図4】同各工程後における抵抗層の電流ノイズと抵抗
値精度との関係を示す図
【図5】従来の抵抗器の断面図
【図6】同製造工程を示す工程図
【符号の説明】
21 基板 22 上面電極層 24 抵抗層 25 プリコート層 26 第1のトリミング溝 27 第2のトリミング溝 28 保護層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上面の両側部に一対の上面電極層
    を設け、前記上面電極層間を電気的に接続するように抵
    抗層を設け、少なくとも前記抵抗層を覆うようにプリコ
    ート層を設け、前記抵抗層およびプリコート層を切削し
    て抵抗値を修正する第1のトリミング溝を設けた後、5
    00〜650℃の熱処理を施し、前記抵抗層およびプリ
    コート層を切削して抵抗値を微修正する第2のトリミン
    グ溝を設け、少なくとも前記第1および第2のトリミン
    グ溝を覆うように保護層を設けてなる抵抗器の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 基板の下面の両側部に一対の下面電極層
    を設け、前記絶縁基板の側面に上面電極層と前記下面電
    極層とを電気的に接続するように、側面電極層を設ける
    工程を有する請求項1記載の抵抗器の製造方法。
  3. 【請求項3】 上面電極層と電気的に接続するように絶
    縁基板の側面に側面電極層を設けてなる請求項1記載の
    抵抗器の製造方法。
  4. 【請求項4】 保護層を形成する工程は、エポキシ系ま
    たはフェノール系樹脂材料をスクリーン印刷し、150
    〜200℃の温度で硬化してなる工程である請求項1記
    載の抵抗器の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板は複数個の抵抗器が配列された分割
    溝を有するシート状基板を用い、保護層を形成してなる
    シート状基板を個片に分割してなる請求項1記載の抵抗
    器の製造方法。
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JP2002246211A (ja) * 2001-02-20 2002-08-30 Koa Corp チップ型ヒューズ抵抗器及びその製造方法
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